JP2001299033A - 施肥器具、施肥材料及び植物栽培方法 - Google Patents

施肥器具、施肥材料及び植物栽培方法

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JP2001299033A JP2000125839A JP2000125839A JP2001299033A JP 2001299033 A JP2001299033 A JP 2001299033A JP 2000125839 A JP2000125839 A JP 2000125839A JP 2000125839 A JP2000125839 A JP 2000125839A JP 2001299033 A JP2001299033 A JP 2001299033A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な肥効調節型肥料を用いた場合でも、正
確な肥効コントロールを可能にする。 【解決手段】 本発明の施肥器具10は、周壁に液体の
出入りを許容する液体通過部を備え、前記保持容器11
内に充填される肥効調節型肥料に向かって散水可能であ
ると共に、前記保持容器11の外側周辺部にも散水可能
に設けられた散水ノズル12aを有する散水手段12を
備えている。従って、余剰の肥料成分が培地中に長時間
留まることによる肥料障害の防止を図ることができると
共に、肥効調節型肥料を無駄なく利用することができ、
従来よりも施与量を少なくすることができる。このた
め、肥効調節型肥料として高価なものを用いなくても、
理想的な肥効コントロールが可能であり、材料コスト、
肥培管理コストを低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物栽培における
肥培管理技術に関し、特に肥効調節型肥料を利用する場
合に適する施肥器具、施肥材料及びこれらを利用した植
物栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に「緩効性肥料」と呼ばれる肥効調
節型肥料は、養分の溶出を制御して肥効をコントロール
するものであり、被覆肥料、化学合成緩効性肥料及び硝
化抑制剤入り肥料に分類される。また、いずれも、培地
内に埋めて使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した肥効調節型肥
料は、より正確な肥効コントロールを行うために様々な
アイデアが提案されているが、そのほとんどは、被膜材
料の改良、肥料成分自体の改良によるものであり、コン
トロール精度が良いものほど、被膜や肥料の材料コスト
が高くなるという問題があった。
【0004】また、肥効調節型肥料を、一作に要する全
量を培地に充填し、元肥として使用することが一般に行
われているが、仮に、一作の中途でこの元肥が全て消費
されてしまった場合には、作物が既に成長し、根も張っ
ているため、培地を掘り起こして肥効調節型肥料を元肥
と同様に追肥することはできない。従って、このような
場合には、培地の上面に散布するしかなかった。しかし
ながら、元肥として使用されるように調製された肥効調
節型肥料の場合、その肥効は、培地中に充填されて使用
される場合に適するようにコントロールされており、培
地上面に散布するのでは、その性能を十分に引き出すこ
とができなかった。
【0005】また、被覆肥料は、肥料成分が全て消費さ
れた後は、被膜が培地中に残存するため、ある一作が終
了した後、次作に備えて残存する被膜を除去しなければ
ならず、手間がかかるという問題もあった。
【0006】さらに、これらの肥効調節型肥料を販売等
するに当たっては、特に被覆肥料の場合、販売、取引段
階における被膜の破損を防止するため、被覆肥料単独で
取り引きされているのが通常である。従って、これを使
用する場合には、培地中に被覆肥料が偏在して集中する
と、被覆肥料近辺の作物が過剰摂取による肥料障害を起
こすことから、これを防止するため、培地との混合作業
を十分行う必要があり、植物を栽植するまでの準備作業
に手間がかかるという問題もあった。
【0007】本発明は、安価な肥効調節型肥料を用いた
場合でも、正確な肥効コントロールを達成できると共
に、有機肥料のように分解の速さから見て緩効性とみな
すことができる他の肥料にも応用することが可能な施肥
器具、施肥材料及び植物栽培方法を提供することを課題
とする。また、本発明は、元肥と同様な形態での追肥を
可能とし、さらには、肥効調節型肥料として被覆肥料を
用いた場合に、肥料成分消費後に残存する被膜の除去を
きわめて容易にすることができる施肥器具、施肥材料及
び植物栽培方法を提供することを課題とする。また、販
売、取引時において、予め、所定量の保水材と混合され
ており、使用時にはそのまま培地に充填するだけで使用
することが可能な施肥材料を提供することを課題とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、請求項1記載の本発明の施肥器具は、周壁に液体
の出入りを許容する液体通過部を備え、少なくとも該液
体通過部の一部が培地に隣接するように配設される保持
容器と、前記保持容器内に充填される肥料に向かって散
水可能であると共に、前記保持容器の外側周辺部にも散
水可能に設けられた散水ノズルを有する散水手段とを具
備することを特徴とする。
【0009】請求項2記載の本発明の施肥器具は、周壁
に液体の出入りを許容する液体通過部を備え、少なくと
も該液体通過部の一部が培地に隣接するように配設され
る保持容器と、前記保持容器内に充填される肥効調節型
肥料に向かって散水可能であると共に、前記保持容器の
外側周辺部にも散水可能に設けられた散水ノズルを有す
る散水手段とを具備することを特徴とする。
【0010】請求項3記載の本発明の施肥器具は、周壁
に液体の出入りを許容する液体通過部を備え、少なくと
も該液体通過部の一部が培地に隣接するように配設され
る保持容器と、前記保持容器内に、保水材と共に混合し
て充填される肥効調節型肥料に向かって散水可能である
と共に、前記保持容器の外側周辺部にも散水可能に設け
られた散水ノズルを有する散水手段とを具備することを
特徴とする。
【0011】請求項4記載の本発明の施肥器具は、請求
項3記載の施肥器具であって、前記保持容器内に充填さ
れる肥効調節型肥料と保水材との混合割合が、体積比で
2:1〜1:3の範囲であることを特徴とする。
【0012】請求項5記載の本発明の施肥器具は、請求
項2〜4のいずれか1に記載の施肥器具であって、前記
肥効調節型肥料が被覆肥料であることを特徴とする。
【0013】請求項6記載の本発明の施肥器具は、請求
項3〜5のいずれか1に記載の施肥器具であって、前記
保水材が、バーミキュライト又は発泡尿素樹脂のいずれ
か少なくとも一方からなることを特徴とする。
【0014】請求項7記載の本発明の施肥器具は、請求
項1〜6のいずれか1に記載の施肥器具であって、前記
保持容器が網目構造に形成され、その網目が前記液体通
過部として機能するものであることを特徴とする。
【0015】請求項8記載の本発明の施肥材料は、肥効
調節型肥料と保水材とが、体積比で2:1〜1:3の範
囲で混合されてなることを特徴とする。
【0016】請求項9記載の本発明の施肥材料は、請求
項8記載の施肥材料であって、前記肥効調節型肥料が被
覆肥料であることを特徴とする。
【0017】請求項10記載の本発明の施肥材料は、請
求項8又は9記載の施肥材料であって、前記保水材が、
バーミキュライト又は発泡尿素樹脂のいずれか少なくと
も一方からなることを特徴とする。
【0018】請求項11記載の本発明の植物栽培方法
は、周壁に液体の出入りを許容する液体通過部を備える
保持容器を、少なくとも該液体通過部の一部が培地に隣
接するように配設すると共に、該保持容器を培地に設置
する前又は後に、その内部に肥料を充填しておき、植物
を前記保持容器の周囲の培地に栽植し、散水の際、前記
肥料に向かって散水すると共に、前記保持容器の外側周
辺部にも散水し、肥料に向かう散水によって肥料成分を
保持容器外の培地中へ滲出させ、保持容器の外側周辺部
への散水によって培地中へ滲出した余剰の肥料成分を培
地外へ流出させることを特徴とする。
【0019】請求項12記載の本発明の植物栽培方法
は、周壁に液体の出入りを許容する液体通過部を備える
保持容器を、少なくとも該液体通過部の一部が培地に隣
接するように配設すると共に、該保持容器を培地に設置
する前又は後に、その内部に肥効調節型肥料を充填して
おき、植物を前記保持容器の周囲の培地に栽植し、散水
の際、前記肥効調節型肥料に向かって散水すると共に、
前記保持容器の外側周辺部にも散水し、肥効調節型肥料
に向かう散水によって肥料成分を保持容器外の培地中へ
滲出させ、保持容器の外側周辺部への散水によって培地
中へ滲出した余剰の肥料成分を培地外へ流出させること
を特徴とする。
【0020】請求項13記載の本発明の植物栽培方法
は、周壁に液体の出入りを許容する液体通過部を備える
保持容器を、少なくとも該液体通過部の一部が培地に隣
接するように配設すると共に、該保持容器を培地に設置
する前又は後に、その内部に保水材と共に肥効調節型肥
料を充填しておき、植物を前記保持容器の周囲に栽植
し、散水の際、前記肥効調節型肥料に向かって散水する
と共に、前記保持容器の外側周辺部にも散水し、肥効調
節型肥料に向かう散水によって肥料成分を保持容器外の
培地中へ滲出させ、保持容器の外側周辺部への散水によ
って培地中へ滲出した余剰の肥料成分を培地外へ流出さ
せることを特徴とする。
【0021】請求項14記載の本発明の植物栽培方法
は、請求項13記載の植物栽培方法であって、前記保持
容器内に充填される肥効調節型肥料と保水材との混合割
合を、体積比で2:1〜1:3の範囲としたことを特徴
とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施の形態に
基づき本発明をさらに詳細に説明する。図1及び図2
は、本発明の一の実施形態にかかる施肥器具10を示す
図である。図に示したように、この施肥器具10は、保
持容器11と、散水手段12とを有して構成される。
【0023】保持容器11は、網目構造のプラスチック
や金属等からかご状に形成した容器本体11aと、同じ
く網目構造のプラスチックや金属等から形成され、容器
本体11aの上面開口部を覆う蓋部材11bとを有して
構成されている。容器本体11a及び蓋部材11bは、
いずれも周壁を形成する部材が網目構造であるため、こ
の網目11cを通じて、液体の出入りが許容され、この
網目11cが液体通過部となる。保持容器11は、液体
の出入りを許容する液体通過部を周壁に有する構造であ
ればよく、網目構造でなくてもよいことはもちろんであ
る。例えば、周壁に液体通過部となる複数の孔やスリッ
トを形成したものであってもよい。
【0024】保持容器11は、培地30に対して少なく
とも液体通過部の一部が隣接するように設置される。液
体通過部を培地30に隣接させることにより、保持容器
11内に充填される肥効調節型肥料20の肥料成分が培
地30にしみ出ることになる。本実施形態では、図2に
示したように、容器本体11aを培地30内に埋設する
と共に、蓋部材11bを培地30上から突出させて配置
し、容器本体11aの網目11cを培地30に隣接させ
ている。
【0025】また、容器本体11aは、下方部位になる
ほど径が細くなるテーパ状に形成されている。上記した
ように容器本体11aは、培地30に埋設して使用され
るが、このようなテーパ状に形成することにより、容器
本体11aを引き抜く作業が容易となる。
【0026】散水手段12は、蓋部材11bの略中央付
近において上部に設けられた散水ノズル12aと、この
散水ノズル12aに給液源からの液体を供給する給液チ
ューブ12bとを有して構成されている。散水ノズル1
2aは、保持容器11及び培地30に対して放射状に液
体を供給可能であって、より具体的には、例えば、液体
の吐出口が、網目11cを通じて保持容器11内に直接
液体を供給できると共に、保持容器11の外側周辺部に
おける培地30にも直接液体を供給できるように設けら
れている。散水パターンは任意であり、保持容器11内
とその外側周辺部とに同時に液体を供給できるようにし
てもよいし、最初に所定の間、保持容器11内に供給し
たならば、次に、その外側周辺部に供給するようにし
て、さらには、保持容器11内とその外側周辺部とに交
互に供給するようにしてもよい。このように散水パター
ンを制御する手段は任意であり、例えば、散水ノズル1
2aにおける吐出口の形成位置、液体の供給圧力等によ
り制御することができる。
【0027】保持容器11内に充填される肥効調節型肥
料20としては、従来公知の種々のタイプのものを利用
できるが、本発明においては、被覆肥料、化学合成緩効
性肥料、ク溶性成分を主体とする肥料又はそれらの混合
物を使用することが好ましい。
【0028】但し、保持容器11内に肥効調節型肥料2
0のみを充填した場合には、保持容器11内の肥料濃度
は非常に高くなる。このため、植物の根が、液体通過部
である網目11cを通じて保持容器11内に入っていか
ず、培地30中にしみ出した肥料を吸収できず、結局、
肥料の無駄となる事態が生じ易い。従って、保持容器1
1内に充填する肥効調節型肥料20は、増量材として機
能する保水材21を混合して充填することが好ましい。
保水材21としてはバーミキュライト又は発泡尿素樹脂
のいずれか少なくとも一方から選択することが好まし
い。また、肥効調節型肥料20と保水材21との混合割
合は、体積比で2:1〜1:3の範囲とすることが好ま
しい。
【0029】保水材21を混合する場合、保持容器11
を培地30に設置する際に、肥効調節型肥料20と混ぜ
てもよいことはもちろんであるが、本発明はまた、予
め、肥効調節型肥料20と保水材21とが混合された施
肥材料も提供するものである。両者を予め混合しておく
ことにより、使用の際に混合しなくてもよく、植物栽培
のための準備作業が容易化されると共に、工場等で予め
混合されるため、均一に混合されたものを提供できる。
【0030】このように予め混合された施肥材料を袋詰
め等して工場から出荷し、販売する場合、取引過程にお
ける運搬作業等において、保水材21は、肥効調節型肥
料20のクッション材として役割を果たす。特に、被覆
肥料の場合、被膜が非常に薄いため、摩擦によって僅か
でも傷がつくと被膜が破損するおそれがあるが、保水材
21がクッション材となることで、被覆肥料同士の接触
による破損を防止することができる。また、保水材21
としてバーミキュライトや発泡尿素樹脂を用いた場合に
は、被覆肥料よりバーミキュライトや発泡尿素樹脂の方
が脆いため、被覆肥料と保水材21との接触によって破
損するのは、被覆肥料の被膜ではなく保水材21であ
り、被膜の破損防止の点から、保水材21としては、バ
ーミキュライトや発泡尿素樹脂を用いることが好まし
い。なお、この施肥材料としての肥効調節型肥料20と
保水材21との混合割合も、保持容器11にそのまま充
填できるよう、体積比で2:1〜1:3の範囲で調整さ
れていることが好ましい。
【0031】次に、上記した保持容器11及び施肥材料
を使用しての植物栽培方法を説明する。図3に示したよ
うに、例えば、円筒状の鉢40に培地30を充填すると
共に、その略中央部に保持容器11の容器本体11aを
埋設する。次に、容器本体11a内に予め肥効調節型肥
料20と保水材21とが所定の割合で混合された施肥材
料を充填し、蓋部材11bで容器本体11aの上面開口
部を覆う。なお、蓋部材11bには、任意の給液源と接
続された給液チューブ12bと散水ノズル12aとを備
えた散水手段12が設けられている。
【0032】また、施肥材料の充填量は、任意である
が、元肥として使用する場合には、通常、一作当たりの
消費量分に相当する量の肥効調節型肥料20が含まれる
ように充填する。但し、本実施形態によれば、元肥とし
て使用する場合であっても、施肥材料は、培地30と混
在させて用いるのではなく、保持容器11内に培地30
と独立させた状態で使用している。従って、一作当たり
の消費量分に相当する量を充填してあったにも拘わら
ず、肥効調節型肥料20の消費が予想外に早かったり、
あるいは、当初から少な目に充填していたりした場合な
どにおいては、栽培期間の中途であっても、保持容器1
1の蓋部材11bをあけて施肥材料を補充(追肥)する
ことができる。
【0033】そして、例えば、保持容器11の周囲を取
り囲むように、所定の間隔で培地30に植物50を栽植
する。
【0034】次に、任意のタイミングで、上記した任意
の散水パターンにより、保持容器11内に液体を供給し
て散水すると共に、保持容器11の外側周辺部にも液体
を供給して散水する。保持容器11内に供給された液体
によって肥効調節型肥料20の肥料成分が培地30中に
しみ出す。保持容器11外にしみ出した肥料成分は、植
物の根から吸収され、あるいは培地30に吸収される一
方で、余剰の肥料成分は、保持容器11の外側周辺部に
供給された液体によって培地30外へ流出せしめられ
る。すなわち、余剰の肥料成分は、保持容器11の外側
周辺部付近の培地30中に長時間留まることなく、培地
30外へ流出するため、肥料の過剰供給による肥料障害
が生じにくい。
【0035】また、保持容器11の外側周辺部に対して
液体を供給しないとすると、外側周辺部付近の培地30
中に余剰の肥料成分が長時間留まることになり、植物の
根は、この余剰の肥料成分が留まっている範囲までしか
成長していかず、保持容器11内に進入していくような
ことはあまりない。このため、保持容器11内に充填さ
れた肥効調節型肥料20は、保持容器11外へその肥料
成分が流出しない限り消費されないことになる。しかし
ながら、本実施形態によれば、保持容器11の外側周辺
部付近の培地30中に余剰の肥料成分が長時間留まるよ
うなことがないため、植物の根は肥料成分を吸収しよう
として保持容器11内にまで伸長していく。その結果、
保持容器11内に充填された肥効調節型肥料20を有効
に消費でき無駄が少ない。
【0036】すなわち、本実施形態の植物栽培方法によ
れば、肥効調節型肥料20に向かって液体を供給するこ
とで肥料成分の滲出を促す一方で、保持容器11の外側
周辺部に供給された液体によって余剰の肥料成分を培地
30外へ流出させる構成とすることで、保持容器11の
外側周辺部付近の培地30中に長時間留まることによる
肥料の過剰供給による肥料障害の防止と、従来よりも少
ない施与量の肥効調節型肥料20の有効利用とのバラン
スが図られる。また、このため、本実施形態によれば、
例えば、精密な肥効コントロールが可能な高価な被膜を
使用した被覆肥料のように、材料コストの高い肥効調節
型肥料20を用いなくても、理想的な肥効コントロール
が可能となる。
【0037】また、本実施形態では、バーミキュライト
や発泡尿素樹脂といった多孔質性の保水材21が施肥材
料中に含まれているため、微生物が活性化しやすい環境
であり、この結果、肥料成分(特に、尿素、アンモニア
態窒素)が硝化しやすくなって、植物による肥料吸収が
促進される。このため、アンモニア過剰障害が起きにく
くなる。
【0038】植物の栽培が一作分終了した場合、従来で
あれば、培地中から残根を除去し、また、肥効調節型肥
料20として被覆肥料を使用していた場合には、被膜
(肥料殻)も培地中から除去しなければならず、その選
別作業が面倒であった。しかしながら、本実施形態によ
れば、一作分終了後、保持容器11を培地30から引き
抜けば、保持容器11内に残った残根及び被膜(肥料
殻)を容易に除去することができる。特に、本実施形態
では、容器本体11aの径が下方部位になるほど細いテ
ーパ状に形成されており、容器本体11aを引き抜く作
業がきわめて容易である。なお、根が多量に容器本体1
1a内に侵入している場合には、容器本体11aを引き
抜く前に予め根を切断しておくこと引き抜きやすくなる
が、この際、本実施形態によれば、ヘラ状(ナイフ状)
の切断用の任意の道具を容器本体11aの外周に沿わせ
ることによりスムーズに動かすことができ、これにより
予め根を中途で切断する作業もきわめて容易に行うこと
ができる。
【0039】本発明は上記した実施形態に限定されるも
のではないことはもちろんである。例えば、上記実施形
態において保持容器11の外側周辺部に積極的に散水す
ることによって培地30外へ流出させた余剰の肥料は、
流出させた後、そのまま廃棄してもよいが、これを回収
して再利用することができ、また、必要に応じて殺菌処
理して再利用する構成とすることもできる。また、本発
明の施肥器具は、充填される肥料に向かって直接散水で
きる構造であるため、上記実施形態のように、肥料とし
ては肥効調節型肥料を用いることが適するが、肥料の分
解速度から見て肥効調節型肥料と同様に緩効性とみなさ
せるもの、例えば、有機肥料を充填して使用することも
できる。また、この有機肥料と上記した肥効調節型肥料
のいずれか1種類以上とを混合して使用することもでき
る。
【0040】
【発明の効果】本発明の施肥器具は、周壁に液体の出入
りを許容する液体通過部を備え、前記保持容器内に充填
される肥料に向かって散水可能であると共に、前記保持
容器の外側周辺部にも散水可能に設けられた散水ノズル
を有する散水手段を備えている。従って、余剰の肥料成
分が培地中に長時間留まることによる肥料障害の防止を
図ることができると共に、肥料を無駄なく利用すること
ができ、従来よりも施与量を少なくすることができる。
このため、肥料として特に肥効調節型肥料を使用する場
合に適し、また、肥効調節型肥料として高価なものを用
いなくても、理想的な肥効コントロールが可能であり、
材料コスト、肥培管理コストを低減することができる。
【0041】本発明の施肥材料は、肥効調節型肥料と保
水材とが予め混合されている。従って、それらを施肥器
具の保持容器中にそのまま充填して使用することがで
き、栽培に要する準備作業を簡易化できる。また、保水
材が混合されているため、取引段階の運搬時等における
肥効調節型肥料の破損を防止できる。
【0042】本発明の植物栽培方法は、周壁に液体の出
入りを許容する液体通過部を備える保持容器を、少なく
とも該液体通過部の一部が培地に隣接するように配設す
ると共に、該保持容器を培地に設置する前又は後に、そ
の内部に肥料を、好ましくは肥効調節型肥料を、より好
ましくは肥効調節型肥料を保水材と共に充填しておき、
植物を前記保持容器の周囲の培地に栽植し、散水の際、
前記肥料に向かって散水すると共に、前記保持容器の外
側周辺部にも散水し、肥料に向かう散水によって肥料成
分を保持容器外の培地中へ滲出させ、保持容器の外側周
辺部への散水によって培地中へ滲出した余剰の肥料成分
を培地外へ流出させる構成である。従って、余剰の肥料
成分が培地中に長時間留まることによる肥料障害の防止
を図ることができると共に、肥料を無駄なく利用するこ
とができ、従来よりも施与量を少なくすることができ
る。このため、肥料として特に肥効調節型肥料を使用す
る場合に適し、また、肥効調節型肥料として高価なもの
を用いなくても、理想的な肥効コントロールが可能であ
り、材料コスト、肥培管理コストを低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一の実施形態にかかる施肥器
具を示す図である。
【図2】図2は、本発明の一の実施形態にかかる施肥器
具を培地中に配置した状態を示す図である。
【図3】図3は、本発明の一の実施形態にかかる植物栽
培方法を説明するための図である。
【符号の説明】
10 施肥器具 11 保持容器 11a 容器本体 11b 蓋部材 12 散水手段 12a 散水ノズル 12b 給液チューブ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周壁に液体の出入りを許容する液体通過
    部を備え、少なくとも該液体通過部の一部が培地に隣接
    するように配設される保持容器と、 前記保持容器内に充填される肥料に向かって散水可能で
    あると共に、前記保持容器の外側周辺部にも散水可能に
    設けられた散水ノズルを有する散水手段とを具備するこ
    とを特徴とする施肥器具。
  2. 【請求項2】 周壁に液体の出入りを許容する液体通過
    部を備え、少なくとも該液体通過部の一部が培地に隣接
    するように配設される保持容器と、 前記保持容器内に充填される肥効調節型肥料に向かって
    散水可能であると共に、前記保持容器の外側周辺部にも
    散水可能に設けられた散水ノズルを有する散水手段とを
    具備することを特徴とする施肥器具。
  3. 【請求項3】 周壁に液体の出入りを許容する液体通過
    部を備え、少なくとも該液体通過部の一部が培地に隣接
    するように配設される保持容器と、 前記保持容器内に、保水材と共に混合して充填される肥
    効調節型肥料に向かって散水可能であると共に、前記保
    持容器の外側周辺部にも散水可能に設けられた散水ノズ
    ルを有する散水手段とを具備することを特徴とする施肥
    器具。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の施肥器具であって、前記
    保持容器内に充填される肥効調節型肥料と保水材との混
    合割合が、体積比で2:1〜1:3の範囲であることを
    特徴とする施肥器具。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれか1に記載の施肥
    器具であって、前記肥効調節型肥料が被覆肥料であるこ
    とを特徴とする施肥器具。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれか1に記載の施肥
    器具であって、前記保水材が、バーミキュライト又は発
    泡尿素樹脂のいずれか少なくとも一方からなることを特
    徴とする施肥器具。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1に記載の施肥
    器具であって、前記保持容器が網目構造に形成され、そ
    の網目が前記液体通過部として機能するものであること
    を特徴とする施肥器具。
  8. 【請求項8】 肥効調節型肥料と保水材とが、体積比で
    2:1〜1:3の範囲で混合されてなることを特徴とす
    る施肥材料。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の施肥材料であって、前記
    肥効調節型肥料が被覆肥料であることを特徴とする施肥
    材料。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9記載の施肥材料であっ
    て、前記保水材が、バーミキュライト又は発泡尿素樹脂
    のいずれか少なくとも一方からなることを特徴とする施
    肥材料。
  11. 【請求項11】 周壁に液体の出入りを許容する液体通
    過部を備える保持容器を、少なくとも該液体通過部の一
    部が培地に隣接するように配設すると共に、該保持容器
    を培地に設置する前又は後に、その内部に肥料を充填し
    ておき、 植物を前記保持容器の周囲の培地に栽植し、 散水の際、前記肥料に向かって散水すると共に、前記保
    持容器の外側周辺部にも散水し、肥料に向かう散水によ
    って肥料成分を保持容器外の培地中へ滲出させ、保持容
    器の外側周辺部への散水によって培地中へ滲出した余剰
    の肥料成分を培地外へ流出させることを特徴とする植物
    栽培方法。
  12. 【請求項12】 周壁に液体の出入りを許容する液体通
    過部を備える保持容器を、少なくとも該液体通過部の一
    部が培地に隣接するように配設すると共に、該保持容器
    を培地に設置する前又は後に、その内部に肥効調節型肥
    料を充填しておき、 植物を前記保持容器の周囲の培地に栽植し、 散水の際、前記肥効調節型肥料に向かって散水すると共
    に、前記保持容器の外側周辺部にも散水し、肥効調節型
    肥料に向かう散水によって肥料成分を保持容器外の培地
    中へ滲出させ、保持容器の外側周辺部への散水によって
    培地中へ滲出した余剰の肥料成分を培地外へ流出させる
    ことを特徴とする植物栽培方法。
  13. 【請求項13】 周壁に液体の出入りを許容する液体通
    過部を備える保持容器を、少なくとも該液体通過部の一
    部が培地に隣接するように配設すると共に、該保持容器
    を培地に設置する前又は後に、その内部に保水材と共に
    肥効調節型肥料を充填しておき、 植物を前記保持容器の周囲に栽植し、 散水の際、前記肥効調節型肥料に向かって散水すると共
    に、前記保持容器の外側周辺部にも散水し、肥効調節型
    肥料に向かう散水によって肥料成分を保持容器外の培地
    中へ滲出させ、保持容器の外側周辺部への散水によって
    培地中へ滲出した余剰の肥料成分を培地外へ流出させる
    ことを特徴とする植物栽培方法。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の植物栽培方法であっ
    て、前記保持容器内に充填される肥効調節型肥料と保水
    材との混合割合を、体積比で2:1〜1:3の範囲とし
    たことを特徴とする植物栽培方法。
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