JP2001298247A - 絶縁金属ベ−ス回路基板及びそれを用いたモジュール - Google Patents

絶縁金属ベ−ス回路基板及びそれを用いたモジュール

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JP2001298247A
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Kenji Kadota
健次 門田
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】絶縁金属ベース回路基板の絶縁層として、特定
の物性を備えた材料を用いることにより、熱サイクル時
の耐半田クラック性に優れ、高い信頼性を有するモジュ
ールを提供する。 【解決手段】233Kにおける貯蔵弾性率(単位;GP
a)をE、300Kで規格化されたガラス転移点をT
(T=Tg/300K)としたとき、L=−1.40E
+4.45×10-3E2+3.72T−1.86T2が、
1.0以上である絶縁層を有する絶縁金属ベース回路基
板を用いたモジュールである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半田クラックに対
する耐久性を向上させた絶縁金属ベ−ス回路基板とそれ
を用いたモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高発熱性電子部品を実装する
回路基板として、金属板上に無機フィラ−を充填したエ
ポキシ樹脂等からなる絶縁層を設け、該絶縁層上に導電
回路を設けた絶縁金属ベース回路基板が用いられてい
る。
【0003】一方、車載用電子機器について、その小型
化、省スペ−ス化と共に、電子機器をエンジンル−ム内
に設置することが要望されている。エンジンル−ム内は
温度が高く、温度変化が大きいなど過酷な環境であり、
また、放熱性に優れる回路基板が必要とされる。このよ
うな用途に対して、放熱性に優れる前記絶縁金属ベ−ス
回路基板が注目されている。
【0004】絶縁金属ベース回路基板の回路には一般的
に各種の電子部品が半田を介して接合されている。ま
た、絶縁金属ベ−ス回路基板は、熱放散性や経済的な理
由から金属ベースとしてアルミニウム板を用いることが
多い。しかし、アルミニウム板と電子部品、特にセラミ
ックチップ部品との熱膨張率の差が大きいため、実使用
下における温度上昇/温度下降の繰り返しを受けて、電
子部品を固定している半田部分或いはその近傍にクラッ
クが発生することがあり、その結果、熱の伝導経路が遮
断され、高発熱性電子部品の放熱が充分に行われずに、
電子部品の温度上昇が起こり、熱的劣化が生じ、機能が
停止してしまう、或いは電気的信頼性が低下するという
問題が発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたものであり、温度上昇/温度下降を繰
り返し受けても、半田或いはその近傍でクラック発生等
の異常を生じ難い、絶縁金属ベ−ス回路基板を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、有限要素法
を用いた熱弾塑性解析において、いろいろな絶縁金属ベ
ース回路基板上に種々の電子部品を半田により接合した
モジュールについて、233Kから398Kの範囲の熱
サイクルを負荷する計算を行い、半田の塑性ひずみ範囲
が特定の値以下となるような金属ベース回路基板を探索
し、その結果、前記特定の構造を有する絶縁金属ベース
回路基板を用いるときに、耐半田クラック性に富む、高
い信頼性を有するモジュールが得られることを見出し、
本発明に至ったものである。
【0007】さらに、本発明者は、上記知見に基づき、
いろいろに実験的に検討し、次の知見を得て本発明に至
ったものである。即ち、半田のクラックは、モジュール
に加熱冷却を繰り返すことにより、基板の金属板と電子
部品との熱膨張差により発生する熱ひずみが半田に負荷
されることにより発生すると考えられ、熱ひずみを基板
の絶縁層で緩和することが重要になってくる。金属板と
電子部品との間で発生する熱ひずみを充分に緩和するた
めには、絶縁層の各種物性の制御が必要になってくる
が、特に、絶縁層のガラス転移点と低温の貯蔵弾性率を
制御することが重要である。また、モジュールとした場
合には、半田の弾性率と絶縁層の弾性率との関係を負荷
される温度範囲で制御することが重要である。
【0008】即ち、本発明は、金属板上に絶縁層を介し
て導体回路を設けてなる絶縁金属ベ−ス回路基板であっ
て、前記絶縁層の温度233Kにおける貯蔵弾性率(単
位;GPa)をE、300Kで規格化されたガラス転移
点をT(T=Tg/300K)としたとき、 L=−1.40E+4.45×10-32 +3.72T−
1.86T2 が、1.0以上であることを特徴とする絶縁金属ベ−ス
回路基板であり、好ましくは、Lが1.0以上5.0以
下であることを特徴とする前記の絶縁金属ベ−ス回路基
板であり、そのような絶縁金属ベース回路基板を用いて
なることを特徴とするモジュールである。
【0009】また、本発明は、金属板上に絶縁層を介し
て導体回路を設けてなる絶縁金属ベ−ス回路基板上に各
種電子部品を半田を用いて搭載したモジュールであっ
て、前記半田の弾性率を233Kから398Kの範囲に
おいて温度で積分した値から、前記絶縁層の弾性率を2
33Kから398Kの範囲において温度で積分した値を
引いた値ΔEdTが2.0TPa・K以上であることを
特徴とするモジュールであり、好ましくは、ΔEdTが
2.0TPa・K以上50TPa・K以下であることを
特徴とする前記のモジュールである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の絶縁金属ベース回路基板
は、金属板上に絶縁層を有し、前記絶縁層上に導体回路
が設けられている。前記絶縁金属ベース回路基板の導体
回路上に、例えば抵抗チップなどの電子部品が半田によ
り固定されているものが本発明のモジュールであり、こ
のモジュールは、PPS(ポリフェニレンサルファイ
ド)等からなる各種樹脂ケース等に取り付けられる場合
もあれば、エポキシ樹脂等に包埋される場合もある。電
子部品は、二つの導体回路上に設けられていても、一つ
の導体回路に設けられていても構わない。また、本発明
において、導体回路が単一の金属箔で構成されているも
のであっても、2つ以上の複数の金属を積層したクラッ
ド箔から構成されているものでも構わない。さらに、本
発明において、絶縁層は1層以上の単位絶縁層から構成
され、単位絶縁層が一層であっても、複数の単位絶縁層
から構成されていても構わない。
【0011】絶縁層は、絶縁金属ベース回路基板の熱放
散性を高く維持するためにいろいろな無機充填剤を含有
することが好ましい。また、絶縁層が多層構造を有する
場合には、樹脂の種類、無機充填剤の種類、樹脂への添
加剤等の種類、或いはそれらの量的割合を変更した少な
くとも2種類以上の単位絶縁層で構成されている。例え
ば、単位絶縁層が3層以上で構成されている場合、いず
れの単位絶縁層が異なる組成であっても、また隣り合う
単位絶縁層が異なる組成で、隣り合わない単位絶縁層が
同一組成であっても構わない。
【0012】半田は、鉛−錫を含む各種の2元、3元系
半田であっても、鉛を含まない各種の2元、3元系半
田、例えば金、銀、銅、錫、亜鉛、ビスマス、インジウ
ム、アンチモンなどを含む半田であっても構わない。
【0013】本発明者らは、耐電圧特性が高く、しかも
高熱伝導率を有するという特性を損なうことなく、耐半
田クラック性に優れる絶縁層を見いだすべく、鋭意検討
した結果、ガラス転移点と弾性率をコントロールした樹
脂組成物を絶縁層として用いれば、耐半田クラック性に
優れる絶縁金属ベース回路基板を得ることができるとい
う知見を得、さらに、半田の弾性率と絶縁層の弾性率と
の関係を負荷される温度範囲で制御することで耐半田ク
ラック性に優れるモジュールを得ることができるという
知見を得て、本発明に至ったものである。
【0014】本発明に於いては、絶縁層について、温度
233Kにおける貯蔵弾性率(単位;GPa)をE、3
00Kで規格化されたガラス転移点をT(T=Tg/3
00K)としたとき、 L=−1.40E+4.45×10-32 +3.72T−
1.86T2 が、1.0以上であることが重要であり、好ましくは、
Lが1.0以上5.0以下であることが重要である。L
が1.0を下回ると熱ひずみを緩和する効果が充分に発
揮されなくなり、5.0を越えると熱ひずみを緩和する
効果が充分に発揮されない場合があるからである。
【0015】また、本発明に於いては、半田の弾性率を
233Kから398Kの範囲において温度で積分した値
から、絶縁層の弾性率を233Kから398Kの範囲に
おいて温度で積分した値を引いた値ΔEdTが2.0T
Pa・K以上であること、好ましくは、ΔEdTが2.
0TPa・K以上50TPa・K以下であることが重要
である。ΔEdTが2.0TPa・Kを下回ると、熱ひ
ずみを緩和する効果が充分に発揮されなくなり、50T
Pa・Kを越えると製造上困難になるためである。
【0016】本発明の絶縁層に用いられる樹脂として
は、耐熱性、電気絶縁性に優れた樹脂であればどのよう
なものであっても良いが、耐熱性や寸法安定性の点から
熱硬化性樹脂が好ましく、更に熱硬化性樹脂の中では、
常温または加熱下で比較的低粘度で取扱い易く、耐熱性
や電気絶縁性や接着性等に優れるエポキシ樹脂が好まし
い。エポキシ樹脂としてはビスフェノールF型エポキシ
樹脂などの可撓性を有しないエポキシ樹脂やダイマー酸
エポキシ樹脂などの可撓性を有するエポキシ樹脂が使用
できる。またアクリルゴムなどで予め変性したエポキシ
樹脂も使用できる。硬化剤についてはフェノール樹脂な
どの可撓性を有しない硬化剤や脂肪族系炭化水素のジア
ミンなどの可撓性を有する硬化剤が使用でき、これらの
硬化剤とエポキシ樹脂の組み合わせで、本発明に適合す
る配合が選択できる。硬化促進剤についても必要に応じ
て使用してもよい。またこれらの硬化剤以外にポリイミ
ド樹脂、フェノキシ樹脂などの樹脂成分やシリコーンゴ
ムなどのゴム等をブレンドして貯蔵弾性率とガラス転移
点を調整することができる。
【0017】絶縁層に用いられる無機充填剤としては、
電気絶縁性が良好で、しかも高熱伝導率のものが用いら
れ、このようなものとして酸化アルミニウム、窒化アル
ミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素等があげられ、これら
の単独でも複数を組み合わせても用いることができる。
特に、酸化アルミニウムは粒子形状が球状で高充填可能
なものが安価に、容易に入手できるという理由から好ま
しく、窒化ホウ素は誘電率が低いという理由で好まし
い。
【0018】又、前記無機充填剤の添加量は絶縁層をな
す樹脂組成物中40〜75体積%が好ましい。40%未
満では放熱性の効果が低下し実用上用途が制限されるこ
とがあるし、75%を超えると樹脂中への分散が難しく
なるし、また接着性の低下やボイド残存による耐電圧の
低下をきたすためである。
【0019】本発明において、絶縁層全体の厚みは10
〜500μm程度あれば充分であるが、20〜150μ
mとするときは金属ベース回路基板を生産性高く製造で
きるという利点も有することから好ましい。
【0020】導体回路を構成する金属箔としては、銅、
アルミニウム、ニッケル、鉄、錫、金、銀、モリブデ
ン、チタニウムのいずれか、これらの金属を2種類以上
含む合金、或いは前記金属又は合金を使用したクラッド
箔等を用いることができる。尚、前記金属箔の製造方法
は電解法でも圧延法で作製したものでもよく、また、金
属箔上にはNiメッキ、Ni−Auメッキ、半田メッキ
などの金属メッキがほどこされていてもかまわない。
尚、絶縁層との接着性の点から、導体回路の絶縁層に接
する側の表面はエッチングやメッキ等により予め粗化処
理されていることが一層好ましい。
【0021】本発明に用いられる金属板は、アルミニウ
ム、鉄、銅およびそれらの合金、もしくはこれらのクラ
ッド材等からなり、その厚みは特に規定するものではな
いが、熱放散性に富みしかも経済的であることから、厚
み0.5〜5.0mmのアルミニウムが一般的に選択さ
れる。
【0022】尚、本発明の絶縁金属ベース回路基板の製
造方法に関しては、無機充填剤を含有する樹脂に適宜硬
化剤等の添加剤を添加した絶縁材料を複数準備し、金属
板及び/又は導体箔上に多層塗布しながら、必要に応じ
て加熱処理等を施して、硬化させ、その後導体箔よりエ
ッチング等により回路形成する方法、或いは予め絶縁材
料からなるシ−トを作製しておき、前記シートを介して
金属板や導体箔を張り合わせた後エッチング等により回
路形成する方法等の従来公知の方法で得ることができ
る。
【0023】
【実施例】〔実施例1〕厚さ2.0mmのアルミニウム
板上に、酸化アルミニウムを60体積%含有するビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)
製)からなる樹脂組成物Aにより、硬化後の厚さが10
0μmの絶縁層を形成し、423Kで15分加熱した。
【0024】更に、硬化した樹脂組成物Aの上に、厚さ
が70μmの銅箔をプレス積層した後、423Kで5時
間の条件で樹脂組成物Aを硬化させて、絶縁金属ベ−ス
基板を作製し、次に、銅箔をエッチングしてパッド部を
有する所望の回路を形成して、絶縁金属ベース回路基板
とした。
【0025】尚、上記樹脂組成物Aについて、上述の樹
脂組成物の硬化条件と同一の条件で硬化させた試片を用
意し、233Kから398Kの温度範囲で貯蔵弾性率と
損失弾性率を測定した。測定には、動的粘弾性測定器
(東洋ボールドウィン社製;RHEOVIBRON D
DV−3−EP型)を用い、周波数11Hz、昇温速度
2K/分の条件で測定した。損失弾性率と貯蔵弾性率の
比が極大値をもつ温度をガラス転移点とした。樹脂組成
物Aの温度233Kにおける貯蔵弾性率(単位;GP
a)をE、300Kで規格化されたガラス転移点をT
(T=Tg/300K)としたとき、Lは1.1であっ
た。
【0026】次に、前記操作で得た絶縁金属ベース回路
基板の銅箔パッド間にチップサイズ2.0mm×1.2
5mm、3.2mm×2.5mmの2種類のチップ抵抗
を各10個ずつ搭載しモジュールとした。チップ抵抗の
搭載に際しては、鉛−錫共晶半田を用い、500Kの温
度でリフローにより半田付けを行なった。
【0027】上記モジュールに関して、液相中において
233K7分保持〜398K7分保持を1サイクルとし
て所定回数処理するヒートサイクル試験を行い、試験後
のモジュールを光学顕微鏡で主に半田部分のクラックの
発生の有無を観察した。その結果を表1に示したとお
り、500回経過後に何ら異常がなく、良好であった。
【0028】
【表1】
【0029】〔実施例2〕厚さ2.0mmのアルミニウ
ム板上に、酸化アルミニウム70体積%含有するダイマ
ー酸グリシジルエステル(油化シェルエポキシ(株)
製)からなる樹脂組成物Bにより、硬化後の厚さが12
0μmの絶縁層を形成し、423Kで10分加熱した。
更に、その上に厚さが100μmのアルミ箔をプレス積
層した後、423Kで5時間の条件で樹脂組成物を硬化
させて金属ベ−ス基板を作製し、更に、アルミ箔をエッ
チングしてパッド部を有する所望の回路を形成して、絶
縁金属ベース回路基板とした。この絶縁金属ベース回路
基板を用いて、実施例1と同様にモジュールを作成し
て、ヒートサイクル試験を実施し、結果を表1に示し
た。
【0030】また、実施例1で記したとおりに、樹脂組
成物Bの硬化体についてLを求めたところ、1.4であ
った。
【0031】〔実施例3〕厚さ2.0mmのアルミニウ
ム板上に、酸化アルミニウムを65体積%含有するCT
BN(カルボキシル基末端ブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合体)変性型エポキシ樹脂(東都化成(株)製)
からなる樹脂組成物Cを、硬化後の厚さが50μmにな
るように1層目を形成し、423Kで15分加熱した。
【0032】次に、硬化した樹脂組成物Cの上に、酸化
アルミニウムを70体積%含有するビスフェノールA型
エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製)からなる
樹脂組成物Dにより、硬化後の厚さが80μmの2層目
を形成し、423Kで10分加熱した。
【0033】更に、硬化した樹脂組成物Dの上に、厚さ
が70μmの銅箔をプレス積層した後、423Kで5時
間の条件で樹脂組成物C、Dを硬化させて、絶縁金属ベ
−ス基板を作製し、次に、銅箔をエッチングしてパッド
部を有する所望の回路を形成して、金属ベース回路基板
とした。この金属ベース回路基板を用いて、実施例1と
同様にモジュールを作成して、ヒートサイクル試験を実
施し、結果を表1に示した。
【0034】尚、上記樹脂組成物Cの上に樹脂組成物D
を積層させた硬化体について、実施例1で記したとおり
にLを求めたところ、4.1であった。
【0035】〔実施例4〕厚さ2.0mmのアルミニウ
ム板上に、酸化アルミニウム65体積%含有するダイマ
ー酸グリシジルエステル(油化シェルエポキシ(株)
製)からなる樹脂組成物Eにより、硬化後の厚さが10
0μmの絶縁層を形成し、423Kで10分加熱した。
更に、その上に厚さが70μmの銅箔をプレス積層した
後、423Kで5時間の条件で樹脂組成物を硬化させて
絶縁金属ベ−ス基板を作製し、更に、銅箔をエッチング
してパッド部を有する所望の回路を形成して、絶縁金属
ベース回路基板とした。この絶縁金属ベース回路基板を
用いて、実施例1と同様にモジュールを作成して、ヒー
トサイクル試験を実施し、結果を表1に示した。
【0036】尚、上記樹脂組成物Eについて、上述の樹
脂組成物の硬化条件と同一の条件で硬化させた試片を用
意し、233Kから398Kの温度範囲で実施例1と同
様に弾性率(貯蔵弾性率)を測定した。また、鉛−錫共
晶半田について、233、300、345、398Kの
各温度で砂時計形の円柱試料を用いて、引張試験を行
い、変位量と荷重の関係を基に弾性率を決め、各温度の
間の弾性率は線形補間して決めた。このようにして得
た、温度毎の弾性率を基にΔEdTを求めたところ、
2.3TPa・Kであった。
【0037】〔実施例5〕厚さ2.0mmのアルミニウ
ム板上に、酸化アルミニウム70体積%含有するビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)
製)からなる樹脂組成物Fにより、硬化後の厚さが10
0μmの絶縁層を形成し、423Kで10分加熱した。
更に、その上に厚さが70μmの銅箔をプレス積層した
後、423Kで5時間の条件で樹脂組成物を硬化させて
絶縁金属ベ−ス基板を作製し、更に、銅箔をエッチング
してパッド部を有する所望の回路を形成して、絶縁金属
ベース回路基板とした。次に、前記操作で得た絶縁金属
ベース回路基板の銅箔パッド間にチップサイズ2.0m
m×1.25mm、3.2mm×2.5mmの2種類の
チップ抵抗を各10個ずつ搭載しモジュールとした。チ
ップ抵抗の搭載に際しては、鉛を含まない3元系半田で
ある錫3.9銀0.6銅を用い、530Kの温度でリフローに
より半田付けを行なった。
【0038】上記モジュールに関して、液相中において
233K7分保持〜398K7分保持を1サイクルとし
て所定回数処理するヒートサイクル試験を行い、試験後
のモジュールを光学顕微鏡で主に半田部分のクラックの
発生の有無を観察した。その結果を表1に示したとお
り、500回経過後に何ら異常がなく、良好であった。
【0039】尚、上記樹脂組成物Fについて、上述の樹
脂組成物の硬化条件と同一の条件で硬化させた試片を用
意し、233Kから398Kの温度範囲で実施例1と同
様に弾性率(貯蔵弾性率)を測定した。また、錫3.9銀
0.6銅半田について、233、300、345、398
Kの各温度で砂時計形の円柱試料を用いて、引張試験を
行い、変位量と荷重の関係を基に弾性率を決め、各温度
の間の弾性率は線形補間して決めた。このようにして得
た、温度毎の弾性率を基にΔEdTを求めたところ、1
4.2TPa・Kであった。
【0040】〔比較例〕厚さ2.0mmのアルミニウム
板上に、酸化アルミニウムを70体積%含有するビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)
製)からなる樹脂組成物Gを、硬化後の厚さが100μ
mになるように形成し、423Kで15分加熱した。そ
の後、実施例1と同じ操作で絶縁金属ベース回路基板、
更にモジュールを作製し、ヒートサイクル試験を実施し
た。この結果を表1に示した。
【0041】また、実施例1で記したとおりに、樹脂組
成物Gの硬化体についてLを求めたところ、0.5であ
った。
【0042】
【発明の効果】本発明の絶縁金属ベ−ス回路基板は、2
33Kにおける貯蔵弾性率(単位;GPa)をE、300
Kで規格化されたガラス転移点をT(T=Tg/300
K)としたとき、 L=−1.40E+4.45×10-32 +3.72T−
1.86T2 が、1.0以上の絶縁層を有することから、実使用条件
下で受ける厳しい温度変化によっても半田及びその周辺
部にクラックを生じることがなく信頼性の高いモジュー
ルを提供することができる。
【0043】本発明のモジュールは、半田の弾性率を2
33Kから398Kの範囲において温度で積分した値か
ら、絶縁層の弾性率を233Kから398Kの範囲にお
いて温度で積分した値を引いた値ΔEdTが2.0TP
a・K以上であることから、例えば、233K〜398
Kの繰り返しのような厳しい温度変化を受けた際にも、
半田及びその周辺部にクラックを生じることがなく、信
頼性が高く産業上有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板上に絶縁層を介して導体回路を設け
    てなる絶縁金属ベ−ス回路基板であって、前記絶縁層の
    温度233Kにおける貯蔵弾性率(単位;GPa)を
    E、300Kで規格化されたガラス転移点をT(T=T
    g/300K)としたとき、 L=−1.40E+4.45×10-32 +3.72T−
    1.86T2 が、1.0以上であることを特徴とする絶縁金属ベ−ス
    回路基板。
  2. 【請求項2】請求項1記載の絶縁金属ベース回路基板を
    用いてなることを特徴とするモジュール。
  3. 【請求項3】金属板上に絶縁層を介して導体回路を設け
    てなる絶縁金属ベ−ス回路基板上に各種電子部品を半田
    を用いて搭載したモジュールであって、前記半田の弾性
    率を233Kから398Kの範囲において温度で積分し
    た値から、前記絶縁層の弾性率を233Kから398K
    の範囲において温度で積分した値を引いた値が2.0T
    Pa・K以上であることを特徴とするモジュール。
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