JP2001296069A - 圧縮式ヒートポンプ - Google Patents

圧縮式ヒートポンプ

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JP2001296069A
JP2001296069A JP2000111635A JP2000111635A JP2001296069A JP 2001296069 A JP2001296069 A JP 2001296069A JP 2000111635 A JP2000111635 A JP 2000111635A JP 2000111635 A JP2000111635 A JP 2000111635A JP 2001296069 A JP2001296069 A JP 2001296069A
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phase refrigerant
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lubricating oil
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Yukihiro Yano
幸博 矢野
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Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 満液式蒸発器を用いる圧縮式ヒートポンプに
おいて、冷媒と潤滑油との組み合わせにかかわらず、潤
滑油を冷媒循環路から圧縮機へ効率的にかつ安全に戻せ
るようにする。 【解決手段】 満液式蒸発器1から潤滑油混入状態の液
相冷媒Rwを導出する液相冷媒導出路9と、この液相冷
媒導出路9を通じて送られる潤滑油混入状態の液相冷媒
Rwを蒸発させる乾式の下流側蒸発器2とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧縮式ヒートポンプ
に関し、詳しくは、満液式蒸発器を用いる圧縮式ヒート
ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、圧縮式ヒートポンプでは、圧縮機
からの冷媒吐出路にオイルセパレータを介装し、このオ
イルセパレータにより圧縮機の吐出冷媒から随伴潤滑油
を分離回収して、その回収油を油返送路を通じ圧縮機に
戻していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、オイルセパ
レータで捕捉されずに冷媒循環路へ流出する潤滑油があ
るとしても、その潤滑油は循環冷媒とともにある程度効
率的に圧縮機に戻ることから、従来の圧縮式ヒートポン
プにおいてオイルセパレータに要求される潤滑油回収能
力はそれほど高くなく、また、長時間使用による分離機
能の劣化でオイルセパレータの回収能力が多少低下して
も、そのことで圧縮機の潤滑油保有量が大きく低下する
こともなく、このことは、液相冷媒を器内に滞留させた
状態で蒸発させる満液式の蒸発器を用いる場合について
も同じであった。
【0004】つまり、従前の冷媒(例えばR22)は潤
滑油との親和性が低いことから、満液式蒸発器に至った
潤滑油は器内における貯留液相冷媒の液面上に浮上分離
して液面の波立ち等で効率的にミスト化され、このよう
にミスト化された潤滑油が気相冷媒とともに満液式蒸発
器の上部出口から送出されることで、潤滑油の器内蓄積
が抑止されて圧縮機への潤滑油返送がある程度効率的に
行なわれていた。
【0005】しかし、近年、環境保全などを考慮して使
用される新冷媒には潤滑油との親和性の高いもの(例え
ばR404Aなど)があり、また逆に、潤滑油側の選定
おいて冷媒との親和性の高いものや親和性は低いが比重
の大きいものを採用することも考えられ、このような場
合、満液式蒸発器を用いる圧縮式ヒートポンプでは、潤
滑油が満液式蒸発器において貯留液相冷媒と混合した状
態や器内底部に沈降した状態になることから、潤滑油を
満液式蒸発器の送出気相冷媒とともに圧縮機へ戻すこと
ができず、この為、オイルセパレータに要求される潤滑
油回収能力が高くなって装置コストの増大や装置の大型
化を招き、また、オイルセパレータの長時間運転による
回収能力の低下が大きく影響して圧縮機の潤滑油保有量
が大きく減少してしまう問題があった。
【0006】この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、
満液式蒸発器を用いる圧縮式ヒートポンプにおいて、満
液式蒸発器からの送出気相冷媒中に潤滑油が効率的に混
入されない冷媒と潤滑油との組み合わせ、すなわち、満
液式蒸発器において潤滑油が貯留液相冷媒と混合した状
態や器内底部に沈降した状態になる冷媒と潤滑油との組
み合わせについても、潤滑油を満液式蒸発器から圧縮機
へ効率良く安全に返送できるようにする点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】〔1〕請求項1に係る発
明では、満液式蒸発器から潤滑油混入状態の液相冷媒を
導出する液相冷媒導出路と、この液相冷媒導出路を通じ
て送られる潤滑油混入状態の液相冷媒を蒸発させる乾式
の下流側蒸発器とを設ける。
【0008】つまり、満液式蒸発器において潤滑油が貯
留液相冷媒と混合した状態や器内底部に沈降した状態に
なる冷媒と潤滑油との組み合わせの場合、先述の如く、
満液式蒸発器の上部出口から送出される気相冷媒中に潤
滑油が効率的に含まれるようにすることは難しいが、そ
のような冷媒と潤滑油との組み合わせであっても、ま
た、潤滑油が貯留液相冷媒の液面上に浮上分離するよう
な冷媒と潤滑油との組み合わせ(すなわち、従前の組み
合わせ)にしても、潤滑油を器内における貯留液相冷媒
との混合状態で満液式蒸発器から導出することは容易に
行なえる。
【0009】しかし、このように導出した潤滑油を液相
冷媒とともにそのまま圧縮機に戻すと、液相冷媒吸入に
よる圧縮機のトラブル(いわゆる液バックトラブル)を
招く問題が生じるが、これに対し、上記構成であれば、
満液式蒸発器から導出した潤滑油混入状態の液相冷媒を
液相冷媒導出路を通じ乾式の下流側蒸発器(伝熱管の管
内流動過程で冷媒を蒸発させる蒸発器)に送って、その
下流側蒸発器で冷媒分を蒸発させることにより、満液式
蒸発器から液相冷媒とともに導出した潤滑油を気相冷媒
との混合状態にして下流側蒸発器から圧縮機へ戻すこと
ができる。
【0010】すなわち、このことにより、満液式蒸発器
を用いる圧縮式ヒートポンプにおいて、圧縮機から冷媒
とともに冷媒循環路へ流出する潤滑油を、冷媒と潤滑油
との種質の組み合わせによらず、冷媒とともに効率的に
また液バックトラブルを招くことなく安全に圧縮機に戻
すことができる。
【0011】そして、このように冷媒循環路への流出潤
滑油を冷媒とともに圧縮機へ効率的に戻せることで、オ
イルセパレータに要求される潤滑油回収能力を効果的に
低減することができ、また、オイルセパレータの潤滑油
回収能力の低下が大きく影響して圧縮機の潤滑油保有量
が大きく減少するといったことも回避できて、圧縮機の
潤滑油保有量を安定的に保つことができる信頼性の高い
ヒートポンプにすることができる。
【0012】しかも、上記の下流側蒸発器として、対象
ヒートポンプにもともと装備されている蒸発器を利用す
るようにすれば、上記の如く必要回収能力の低減でオイ
ルセパレータを小型化(ないしは不要化)できる分、ヒ
ートポンプの装置全体も小型化でき、また、装置コスト
も低減できる。
【0013】なお、上記の液相冷媒導出路を通じて下流
側蒸発器に送る液相冷媒量が下流側蒸発器の冷媒蒸発能
力を上回ると、液バックトラブルの危険性が生じること
から、液相冷媒導出路には下流側蒸発器に送る液相冷媒
量を適正量に制限する抵抗を付与しておくのが望まし
い。
【0014】〔2〕請求項2に係る発明では、請求項1
に係る発明の実施において、前記液相冷媒導出路により
導かれる潤滑油混入状態の液相冷媒を前記満液式蒸発器
からの送出気相冷媒と合流させて前記下流側蒸発器に送
る気液合流手段を設ける。
【0015】つまり、この構成によれば、潤滑油混入状
態の液相冷媒を上記気液合流手段により満液式蒸発器か
らの送出気相冷媒と合流させて乾式の下流側蒸発器に送
ることで、その下流側蒸発器に対し潤滑油混入状態の液
相冷媒のみを送る形式を採るに比べ、気相冷媒中への液
相冷媒の分散(換言すれば、液相冷媒の飛沫化)により
液相冷媒の蒸発気化を促進することができ、これによ
り、潤滑油を液相冷媒とともに満液式蒸発器から導出し
て圧縮機へ返送することにおいて、液バックトラブルを
一層効果的に防止することができて、その潤滑油返送を
一層安定的なものにすることができる。
【0016】〔3〕請求項3に係る発明では、請求項1
又は2に係る発明の実施において、前記液相冷媒導出路
に弁を介装し、この弁を圧縮機吸込冷媒の過熱度の検出
情報に基づいて制御する制御手段を設ける。
【0017】つまり、この構成によれば、上記弁を圧縮
機吸込冷媒の過熱度の検出情報に基づいて制御すること
により、満液式蒸発器から前記の下流側蒸発器へ送る液
相冷媒量を圧縮機吸込冷媒の過熱度に応じて調整する形
態で、運転条件の変化等にかかわらず圧縮機吸込冷媒の
過熱度を適正値に安定的に保つことができ、これによ
り、潤滑油を液相冷媒とともに満液式蒸発器から導出し
て圧縮機へ返送することにおいて、液バックトラブルを
さらに確実に防止することができる。
【0018】また、このように下流側蒸発器へ送る液相
冷媒量を圧縮機吸込冷媒の過熱度に応じて調整する形態
を採ることで、安全を見た大きな固定抵抗を液相冷媒導
出路に付与して液バックトラブルの防止を確実にするに
比べ、満液式蒸発器から下流側蒸発器へ送る液相冷媒量
を必要以上に制限することも回避でき、その分、満液式
蒸発器から圧縮機への潤滑油返送の効率を高めることが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は水Wと空気Aを熱源熱媒と
して温熱を発生する2熱源ヒートポンプ装置を示し、1
は熱源熱媒である水W(例えば、地中熱交換器に循環さ
せて対地熱交換させた水)と冷媒Rとを熱交換させる満
液式の対水熱交換器、2は他方の熱源熱媒である空気A
(一般には大気空気)と冷媒Rとを熱交換させる乾式の
対空気熱交換器、3は冷媒Rと負荷側熱媒L(例えば、
融雪用熱交換器に循環させる水やブライン)とを熱交換
させる負荷側熱交換器である。
【0020】4は圧縮機、5は膨張弁、6は4つの逆止
弁6a〜6dをブリッジ回路状に組み合わせた冷媒案内
回路、7はレシーバであり、これらと上記3つの熱交換
器1,2,3を主要構成装置としてヒートポンプ回路を
形成する。
【0021】また、8は冷媒循環経路の切り換えや圧縮
機4の調整を行う制御装置であり、このヒートポンプ装
置では、3つの四方弁V1〜V3と2つの開閉弁S1,
S2とによる冷媒循環経路の切り換えをもって次の
(イ)〜(チ)の如き第1〜第8モードの選択実施を可
能にしてある。
【0022】(イ)第1モード:水熱源モード このモードでは同図2に示す如く、冷媒Rを圧縮機4−
第1四方弁V1−負荷側熱交換器3−冷媒案内回路6−
レシーバ7−膨張弁5−冷媒案内回路6−第2四方弁V
2−対水熱交換器1−第3四方弁V3−圧縮機4の順に
循環させる。
【0023】つまり、この冷媒循環により、対水熱交換
器1を蒸発器Eとして機能させるとともに負荷側熱交換
器3を凝縮器Cとして機能させ、これにより、負荷対応
運転として水Wから採熱(吸熱)する形態で負荷側熱媒
Lを加熱する。
【0024】(ロ)第2モード:2熱源モード(空気→
水) このモードでは図3に示す如く、冷媒Rを圧縮機4−第
1四方弁V1−負荷側熱交換器3−冷媒案内回路6−レ
シーバ7−膨張弁5−冷媒案内回路6−第2四方弁V2
−対空気熱交換器2−第1開閉弁S1−対水熱交換器1
−第3四方弁V3−圧縮機4の順に循環させる。
【0025】つまり、この冷媒循環により、対空気熱交
換器2及び対水熱交換器1をその順の直列配置で共に蒸
発器Eとして機能させるとともに負荷側熱交換器3を凝
縮器Cとして機能させ、これにより、負荷対応運転とし
て空気A及び水Wから採熱(吸熱)する形態で負荷側熱
媒Lを加熱する。
【0026】(ハ)第3モード:空気熱源モード このモードでは図4に示す如く、冷媒Rを圧縮機4−第
1四方弁V1−負荷側熱交換器3−冷媒案内回路6−レ
シーバ7−膨張弁5−冷媒案内回路6−第2四方弁V2
−対空気熱交換器2−第1四方弁V1−第3四方弁V3
−圧縮機4の順に循環させる。
【0027】つまり、この冷媒循環により、対空気熱交
換器2を蒸発器Eとして機能させるとともに負荷側熱交
換器3を凝縮器Cとして機能させ、これにより、負荷対
応運転として空気Aから採熱(吸熱)する形態で負荷側
熱媒Lを加熱する。
【0028】(ニ)第4モード:2熱源モード(水→空
気) このモードでは図5に示す如く、冷媒Rを圧縮機4−第
1四方弁V1−負荷側熱交換器3−冷媒案内回路6−レ
シーバ7−膨張弁5−冷媒案内回路6−第2四方弁V2
−対水熱交換器1−第3四方弁V3−第2四方弁V2−
対空気熱交換器2−第1四方弁V1−第3四方弁V3−
圧縮機4の順に循環させる。
【0029】つまり、この冷媒循環により、対水熱交換
器1及び対空気熱交換器2をその順の直列配置で共に蒸
発器Eとして機能させるとともに負荷側熱交換器3を凝
縮器Cとして機能させ、これにより、負荷対応運転とし
て水W及び空気Aから採熱(吸熱)する形態で負荷側熱
媒Lを加熱する。
【0030】(ホ)第5モード:除霜・負荷対応モード このモードでは図6に示す如く、冷媒Rを圧縮機4−第
1四方弁V1−対空気熱交換器2−第2四方弁V2−第
3四方弁V3−第1四方弁V1−負荷側熱交換器3−冷
媒案内回路6−レシーバ7−膨張弁5−冷媒案内回路6
−第2四方弁V2−対水熱交換器1−第3四方弁V3−
圧縮機4の順に循環させる。
【0031】つまり、この冷媒循環により、対水熱交換
器1を蒸発器Eとして機能させるとともに対空気熱交換
器2及び負荷側熱交換器3をその順の直列配置で共に凝
縮器Cとして機能させ、これにより、負荷対応と除霜と
を兼ねる運転として水Wから採熱(吸熱)する形態で負
荷側熱媒Lを加熱しながら対空気熱交換器2の除霜を実
施する。
【0032】(ヘ)第6モード:水熱源除霜モード このモードでは図7に示す如く、冷媒Rを圧縮機4−第
1四方弁V1−対空気熱交換器2−第2開閉弁S2−レ
シーバ7−膨張弁5−冷媒案内回路6−第2四方弁V2
−対水熱交換器1−第3四方弁V3−圧縮機4の順に循
環させる。
【0033】つまり、この冷媒循環により、対水熱交換
器1を蒸発器Eとして機能させるとともに対空気熱交換
器2を凝縮器Cとして機能させ、これにより、除霜運転
として水Wから採熱(吸熱)する形態で対空気熱交換器
2の除霜を実施する。
【0034】(ト)第7モード:2熱源除霜モード このモードでは図8に示す如く、冷媒Rを圧縮機4−第
1四方弁V1−対空気熱交換器2−第2四方弁V2−冷
媒案内回路6−レシーバ7−膨張弁5−冷媒案内回路6
−負荷側熱交換器3−第1四方弁V1−第3四方弁V3
−第2四方弁V2−対水熱交換器1−第3四方弁V3−
圧縮機4の順に循環させる。
【0035】つまり、この冷媒循環により、負荷側熱交
換器3及び対水熱交換器1をその順の直列配置で共に蒸
発器Eとして機能させるとともに対空気熱交換器2を凝
縮器Cとして機能させ、これにより、除霜運転として負
荷側熱媒L及び水Wから採熱(吸熱)する形態で対空気
熱交換器2の除霜を実施する。
【0036】(チ)第8モード:負荷側熱源除霜モード このモードでは図9に示す如く、冷媒Rを圧縮機4−第
1四方弁V1−対空気熱交換器2−第2四方弁V2−冷
媒案内回路6−レシーバ7−膨張弁5−冷媒案内回路6
−負荷側熱交換器3−第1四方弁V1−第3四方弁V3
−圧縮機4の順に循環させる。
【0037】つまり、この冷媒循環により、負荷側熱交
換器3を蒸発器Eとして機能させるとともに対空気熱交
換器2を凝縮器Cとして機能させ、これにより、除霜運
転として負荷側熱媒Lから採熱(吸熱)する形態で対空
気熱交換器2の除霜を実施する。
【0038】上記冷媒回路を形成するのに、第4モード
(図4参照)で対水熱交換器1からの気相冷媒送出路と
なる回路部分rと、対水熱交換器1の器体底部との間に
は液相冷媒導出路9をわたらせるとともに、この液相冷
媒導出路9に第3開閉弁S3を介装してある。
【0039】また、この液相冷媒導出路9の装備に対
し、制御装置8は、第4モードでの運転の場合、過熱度
センサ10により検出される圧縮機吸込冷媒Rの過熱度
SHに応じて、その過熱度SHが設定適正値になるよう
に第3開閉弁S3を開閉制御するものにしてある。
【0040】つまり、圧縮機用潤滑油oと親和性の高い
冷媒Rを用いた場合、満液式の対水熱交換器1を蒸発器
Eとして機能させる運転では、圧縮機4からの冷媒吐出
路に介装のオイルセパレータ11で分離回収し切れずに
冷媒Rとともに冷媒循環路へ流出した潤滑油oが対水熱
交換器1における貯留液相冷媒Rwとの混合状態で対水
熱交換器1の器内に滞留する状態となるが、これに対
し、満液式の対水熱交換器1と乾式の対空気熱交換器2
とをその順の直列配置で共に蒸発器Eとして機能させる
第4モードにおいて、上記の如く第3開閉弁S3を開閉
制御することにより、満水式蒸発器としての対水熱交換
器1における潤滑油混入状態の液相冷媒Rwを上記の液
相冷媒導出路9を通じて対水熱交換器1から導出する。
【0041】そして、この導出液相冷媒Rwを気相冷媒
送出路としての上記回路部分rに導いて、対水熱交換器
1の器体上部から送出される気相冷媒Rs(本例では対
空気熱交換器2においてさらに乾き度上昇させる気相冷
媒)との合流状態で、乾式下流側蒸発器としての対空気
熱交換器2に送り、この対空気熱交換器2で液相冷媒R
w分を蒸発させることにより、対水熱交換器1から液相
冷媒Rwとともに導出した潤滑油oを、完全な気相冷媒
との混合状態にして対空気熱交換器2から圧縮機4へ戻
す。
【0042】すなわち、第4モードにおいて上記の如く
満液式の対水熱交換器1から圧縮器4へ潤滑油oを戻す
ことにより、回収油oを油返送路11aを通じて圧縮機
1に戻すオイルセパレータ11との協働で、圧縮機1に
おける潤滑油oの保有量を安定的に保つようにし、ま
た、対水熱交換器1からの導出液相冷媒Rwを対空気熱
交換器2で蒸発させること、及び、第3開閉弁S3を圧
縮機吸込冷媒Rの過熱度SHの検出情報に基づき開閉制
御することにより、上記の潤滑油返送において圧縮機1
の液相冷媒吸入トラブルを招くことを確実に防止する。
【0043】なお、運転モードの切り換えは、熱源熱媒
W,Aの検出温度やヒートポンプ回路各部の検出温度・
圧力に基づいて自動的に(ないしは人為指令に従って)
制御装置8が実行するが、制御装置8は、この通常のモ
ード切り換えとは別に、圧縮機1への潤滑油返送を目的
とする一定時間の第4モード運転を設定インターバル時
間ごとに自動的に実施するものにしてある。
【0044】〔別実施形態〕次に本発明の別実施形態を
列記する。
【0045】前述の実施形態では、潤滑油oと冷媒Rと
の親和性が高い場合の例を示したが、これに限らず、本
発明は潤滑油oと冷媒Rとの親和性が低い場合にも適用
でき、いずれの場合も、満液式蒸発器1から潤滑油混入
状態の液相冷媒Rwを導出するにあたっては、潤滑油o
と冷媒Rとの親和性、及び、潤滑油oと液相冷媒との比
重関係に応じて、満液式蒸発器1に対する液相冷媒導出
路9の接続位置や接続構造を決定すればよく、場合によ
っては、液相冷媒導出路9を上下2位置で満液式蒸発器
1に接続するようにすればよい。
【0046】前述の実施形態では、液相冷媒導出路9に
より導かれる潤滑油混入状態の液相冷媒Rwを満液式蒸
発器1からの送出気相冷媒Rsと合流させる気液合流手
段として、満液式蒸発器1の上部出口と乾式の下流側蒸
発器2の入口とを結ぶ回路部分rの途中に液相冷媒導出
路9を接続する構造を採用したが、液相冷媒導出路9の
満液式蒸発器1に対する接続口を液相冷媒Rwの貯留域
とその上方の空間とに跨らせる状態に配置して、その接
続口から潤滑油混入状態の液相冷媒Rwと気相冷媒Rs
とを吸入するようにしてもよく、気液合流手段の具体的
構造は種々の変更が可能である。
【0047】また場合によっては、気液合流手段を省略
して、乾式の下流側蒸発器2に対し満液式蒸発器1から
導出した潤滑油混入状態の液相冷媒Rwのみを送るよう
にし、満液式蒸発器1の上部から送出される気相冷媒R
sについてはそのまま直接にないし他の蒸発器を通じて
圧縮機4に戻すようにしてもよい。
【0048】液相冷媒導出路9に介装する弁、及び、こ
の介装弁を圧縮機吸込冷媒の過熱度SHの検出情報に基
づき制御する制御手段として、前述の実施形態では開閉
弁S3、及び、弁制御以外の制御も司る制御装置8を装
備したが、両者をユニット化したものとして電子式や感
温式などの膨張弁を液相冷媒導出路9に装備するように
してもよい(なお、この場合、液相冷媒導出路9を遮断
するための開閉弁を合わせて装備するのが望ましい)。
【0049】また場合によっては、過熱度SHの検出情
報に基づき制御する弁に代え、手動の調整や固定抵抗を
液相冷媒導出路9に介装するようにしてもよい。
【0050】本発明は、前述の実施形態で示した回路構
造ものに限らず、満液式蒸発器を用いるものであれば種
々の回路構造の圧縮式ヒートポンプに適用でき、また、
その圧縮式ヒートポンプの用途も、融雪や空調、あるい
は、物品の温度調整など、どのようなものであってもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒートポンプの回路構造を示す図
【図2】第1モードの冷媒経路を示す図
【図3】第2モードの冷媒経路を示す図
【図4】第3モードの冷媒経路を示す図
【図5】第4モードの冷媒経路を示す図
【図6】第5モードの冷媒経路を示す図
【図7】第6モードの冷媒経路を示す図
【図8】第7モードの冷媒経路を示す図
【図9】第8モードの冷媒経路を示す図
【符号の説明】
1 満液式蒸発器 2 乾式下流側蒸発器 8 制御手段 9 液相冷媒導出路 Rs 気相冷媒 Rw 液相冷媒 r 気液合流手段 S3 弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】満液式蒸発器から潤滑油混入状態の液相冷
    媒を導出する液相冷媒導出路と、 この液相冷媒導出路を通じて送られる潤滑油混入状態の
    液相冷媒を蒸発させる乾式の下流側蒸発器とを設けてあ
    る圧縮式ヒートポンプ。
  2. 【請求項2】 前記液相冷媒導出路により導かれる潤滑
    油混入状態の液相冷媒を前記満液式蒸発器からの送出気
    相冷媒と合流させて前記下流側蒸発器に送る気液合流手
    段を設けてある請求項1記載の圧縮式ヒートポンプ。
  3. 【請求項3】 前記液相冷媒導出路に弁を介装し、この
    弁を圧縮機吸込冷媒の過熱度の検出情報に基づいて制御
    する制御手段を設けてある請求項1又は2記載の圧縮式
    ヒートポンプ。
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