JP2001295833A - スラスト動圧軸受 - Google Patents
スラスト動圧軸受Info
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Abstract
流体の回転抵抗が小さいスラスト動圧軸受を提供する。 【解決手段】 スラスト板2の上面2aに第1の動圧発
生手段6として動圧発生溝6aを形成し、スラスト板2
の下面2bに第2の動圧発生手段7として動圧発生溝7
aを形成する。動圧発生溝6aの深さh1を動圧発生溝
7bの溝の深さh2よりも深くして、第2の動圧発生手
段7が発生する動圧を第1の動圧発生手段6が発生する
動圧よりも大きく設定する。
Description
行う回転機械の軸の軸端に設けられたスラスト板で軸方
向の支持を行うスラスト動圧軸受に関するものである。
す。図7(a)に示すように、スラスト動圧軸受は、軸
1とこの軸1の下端に設けられたスラスト板2とから成
る軸部3と、この軸部3を収納するハウジング4とを備
え、軸部3とハウジング4とのすき間には潤滑流体5が
充填されている。
ウジング4との相対回転により動圧を発生する第1の動
圧発生手段6が形成されており、スラスト板2の下面2
bには、前記相対回転により動圧を発生する第2の動圧
発生手段7が設けられている。
段7は動圧発生溝で構成され、図7(b)に示すよう
に、スラスト板2の上面2aには第1の動圧発生手段と
して動圧発生溝6cが形成されており、図7(c)に示
すように、スラスト板2の下面2bには動圧発生溝6c
と同一形状で同一深さの動圧発生溝7cが形成されてい
る。
に回転移動すると、動圧発生溝6c,7cにより誘起さ
れる潤滑流体5の動圧によって回転が保持される。
受では、図8に示すように軸部3が鉛直方向に設置され
た場合、スラスト板2の下面2bに発生する潤滑流体5
の動圧による上向きの力Uで軸部3が鉛直方向に浮上さ
れ、回転が保持される。
ト動圧軸受では、スラスト板2の上面2aにも動圧発生
溝6cが形成されていることにより、スラスト板2の上
面2aには動圧による下向きの力Dが発生する。この下
向きの力Dは、スラスト板2の上面2aに形成された動
圧発生溝6cと、下面2bに形成された動圧発生溝7c
が同一形状で同一深さであるため、上下の軸受のすき間
8a、8bが等しい場合には、スラスト板2の下面2b
に発生する上向きの力Uと同じ大きさになる。
向きの力Dは、回転起動時には、スラスト板2の早期浮
上を抑制する力として働くため、スラスト板2の下面2
bとこれに対向するハウジング4の受け面4bが接触し
ながら回転する時間が長くなり、摩耗が進み、軸受の寿
命が短くなるという問題がある。
軸部3の重量Gとともに軸受の負荷荷重として作用する
ため、スラスト板2の浮上量が低下して下側の軸受すき
間8bが小さくなるため、潤滑流体の粘性に起因する回
転抵抗が大きくなるという問題がある。
のスラスト板の浮上が早くて軸受寿命が長く、定常回転
時には潤滑流体の粘性力に起因する回転抵抗を小さくで
きるスラスト動圧軸受を提供することを目的とする。
受は、第2の動圧発生手段が発生する動圧を第1の動圧
発生手段が発生する動圧よりも大きく設定したことを特
徴とする。
早く、定常回転時における潤滑流体の回転抵抗の小さい
スラスト動圧軸受を実現できる。
動圧軸受は、軸の周囲をハウジングで覆うとともに前記
軸の下端にスラスト板を設けた軸部を有し、前記軸部と
ハウジングとのすき間に流体を充填し、前記軸と前記ハ
ウジングが相対的に回転するスラスト動圧軸受におい
て、前記スラスト板の上面とこれと対向する前記ハウジ
ングの対向面のうちの少なくとも一方に前記相対回転に
よって動圧を発生する第1の動圧発生手段を形成し、前
記スラスト板の下面とこれと対向する前記ハウジングの
対向面のうちの少なくとも一方に前記相対回転によって
動圧を発生する第2の動圧発生手段を形成し、第1の動
圧発生手段と第2の動圧発生手段は、第2の動圧発生手
段が発生する動圧を第1の動圧発生手段が発生する動圧
よりも大きく設定したことを特徴とする。
は、請求項1において、第1の動圧発生手段と第2の動
圧発生手段を動圧発生溝で構成し、第1の動圧発生手段
における動圧発生溝の深さを、第2の動圧発生手段にお
ける動圧発生溝の溝の深さよりも深くして、第2の動圧
発生手段が発生する動圧を第1の動圧発生手段が発生す
る動圧よりも大きく設定したことを特徴とする。
は、請求項1において、第1の動圧発生手段と第2の動
圧発生手段をそれぞれ動圧発生溝で構成し、第2の動圧
発生手段における前記対向面との第2の有効対向面積
を、第1の動圧発生手段における前記対向面との第1の
有効対向面積よりも大きくして、第2の動圧発生手段が
発生する動圧を第1の動圧発生手段が発生する動圧より
も大きく設定したことを特徴とする。本発明の請求項4
記載のスラスト動圧軸受は、請求項3において、第2の
有効対向面積が第1の有効対向面積よりも大きくなるよ
うに、第1の動圧発生手段を構成するスラスト板の上面
とこれと対向する前記ハウジングの対向面のうちの少な
くとも一方に前記軸部と同心状の切り込み溝を形成した
ことを特徴とする。
ら図6を用いて説明する。なお、従来例を示す図7,図
8と同様の構成をなすものには同一の符号を付けて説明
する。
(実施の形態1)を示す。この(実施の形態1)では、
第1の動圧発生手段6と第2の動圧発生手段7を設け
て、第2の動圧発生手段7が発生する動圧を第1の動圧
発生手段6が発生する動圧よりも大きく設定した点で上
記従来例とは異なる。
に設けられたスラスト板2とから成る軸部3と、この軸
部3を収納するハウジング4とを備え、軸部3とハウジ
ング4との間には潤滑流体5が充填されている。
ウジング4の相対回転によって動圧を発生する第1の動
圧発生手段6として動圧発生溝6aが形成されている。
また、スラスト板2の下面2bには、軸部3とハウジン
グ4の相対回転によって動圧を発生する第2の動圧発生
手段7として動圧発生溝7aが形成されている。
6aの深さh1は、第2の動圧発生手段7としての動圧
発生溝7aの深さh2よりも深く形成されている。溝の
深さ以外は全く同一の仕様である。
深さは、図2,図3に示すグラフより設定される。ま
ず、スラスト板2の下面2bに形成される動圧発生溝7
aは、軸部3の重量を支えるために大きな軸受荷重を必
要とするため、溝の深さh2は最大軸受荷重が得られる
近傍の範囲Aの深さに設定される。
る動圧発生溝6aは、大きな軸受荷重を必要とせず、回
転抵抗を小さくしたいため、溝の深さh1は軸受荷重お
よび回転抵抗トルクが動圧発生溝7aによる値よりも小
さくなる範囲Bの深さに設定される。
では、軸部3とハウジング4が相対回転すると、図4に
示すように、第2の動圧発生手段7としての動圧発生溝
7aが発生する動圧が第1の動圧発生手段6としての動
圧発生溝6aが発生する動圧よりも大きくなるため、上
向きの力U1よりも下向きの力D1が小さくなるととも
に、潤滑流体5の粘性に起因する回転抵抗も小さくな
る。
きの力D1が小さくなるため、回転起動時には、従来に
くらべてスラスト板2の浮上が早くなり、スラスト板2
の下面2bとこれに対向するハウジングの受け面4bと
の間の摩耗が少なくなり、軸受の寿命が長くなる。
2bとハウジング4の受け面4bとの間隔8bが大きく
なるため、スラスト板2の下面2bに作用する潤滑流体
5の粘性力に起因する回転抵抗は従来にくらべて小さく
なる。
の(実施の形態2)を示す。この(実施の形態2)で
は、第2の動圧発生手段7が発生する動圧を第1の動圧
発生手段6が発生する動圧よりも大きく設定するため
に、第2の動圧発生手段7における第2の有効対向面積
を第1の動圧発生手段6における第1の有効対向面積よ
りも大きくした点で異なるが、それ以外の構成は上記
(実施の形態1)と同様である。
成されたスラスト動圧軸受において、第2の動圧発生手
段7としてスラスト板2の下面2aには動圧発生溝7b
が形成されている。
に示すように、軸1と同心状の切り込み溝9が形成され
ており、切り込み溝9の外周部に第1の動圧発生手段6
として動圧発生溝6bが形成されている。また、動圧発
生溝6bの開口部の面積は、スラスト板2の下面2bに
形成された動圧発生溝7bの開口部の面積よりも小さく
なるよう設定されている。
下面2bに設けられた第1の動圧発生手段6のハウジン
グ4の受け面4bとの第2の有効対向面積は、図5
(b)に示すスラスト板2の上面2aに設けられた第1
の動圧発生手段6のハウジング4の受け面4aとの第1
の有効対向面積よりも大きくなる。
では、軸部3とハウジング4が相対回転すると、図6に
示すように、第2の動圧発生手段7としての動圧発生溝
7bが発生する動圧が第1の動圧発生手段6としての動
圧発生溝6bが発生する動圧よりも大きくなるため、上
向きの力U2よりも下向きの力D2が小さくなる。
と同様の効果が得られる。なお、上記の説明では、スラ
スト板2の上面2aに軸1と同心状の切り込み溝9を形
成して、第1の動圧発生手段6の有効対向面積が小さく
なるように動圧発生溝の開口面積の調整あるいは本数の
調整などによって有効対向面積が第2の動圧発生手段7
の有効対向面積よりも小さくなるよう設定してもよい。
発生手段6と第2の動圧発生手段7としてスラスト板2
に動圧発生溝を形成したが、スラスト板2とこのスラス
ト板2と対向するハウジング4の少なくとも一方の側面
に、第1,第2の動圧発生手段6,7を設けても同様の
効果が得られる。同様に、上記(実施の形態2)でスラ
スト板2に形成した切り込み溝9についても、ハウジン
グ4の側に設けることも可能である。
ピンドルモータに使用するスラスト動圧軸受を例に挙げ
て説明したが、ビデオテープレコーダ(VTR)、レー
ザプリンタ用ポリゴンモータ、CDやDVDなど光ディ
スクのドライブのスピンドルモータなど情報機器用のス
ラスト動圧軸受についても適用できる。
によれば、スラスト板の上面とこれと対向するハウジン
グの対向面のうちの少なくとも一方に第1の動圧発生手
段を形成し、前記スラスト板の下面とこれと対向する前
記ハウジングの対向面のうちの少なくとも一方に第2の
動圧発生手段を形成し、前記第2の動圧発生手段が発生
する動圧を前記第1の動圧発生手段が発生する動圧より
も大きくなるよう設定することで、回転起動時にスラス
ト板が早く浮上してスラスト板の下面とハウジングの受
け面が接触しながら回転する時間が短くなり、スラスト
板の下面とハウジングの受け面の摩耗が減少するため、
軸受寿命の長いスラスト動圧軸受が実現できる。
さくなることで、軸受の負荷荷重が減少し、潤滑流体の
粘性力に起因する回転抵抗が小さいスラスト動圧軸受が
得られる。
受の断面図
荷重の関係を表すグラフ
抵抗トルクの関係を表すグラフ
を示す図
受の構成を示す断面図および平面図
を示す図
Claims (4)
- 【請求項1】軸の周囲をハウジングで覆うとともに前記
軸の下端にスラスト板を設けた軸部を有し、前記軸部と
ハウジングとのすき間に流体を充填し、前記軸と前記ハ
ウジングが相対的に回転するスラスト動圧軸受におい
て、 前記スラスト板の上面とこれと対向する前記ハウジング
の対向面のうちの少なくとも一方に前記相対回転によっ
て動圧を発生する第1の動圧発生手段を形成し、 前記スラスト板の下面とこれと対向する前記ハウジング
の対向面のうちの少なくとも一方に前記相対回転によっ
て動圧を発生する第2の動圧発生手段を形成し、 第1の動圧発生手段と第2の動圧発生手段は、第2の動
圧発生手段が発生する動圧を第1の動圧発生手段が発生
する動圧よりも大きく設定したスラスト動圧軸受。 - 【請求項2】第1の動圧発生手段と第2の動圧発生手段
を動圧発生溝で構成し、 第1の動圧発生手段における動圧発生溝の深さを、第2
の動圧発生手段における動圧発生溝の溝の深さよりも深
くして、第2の動圧発生手段が発生する動圧を第1の動
圧発生手段が発生する動圧よりも大きく設定した請求項
1記載のスラスト動圧軸受。 - 【請求項3】第1の動圧発生手段と第2の動圧発生手段
をそれぞれ動圧発生溝で構成し、 第2の動圧発生手段における前記対向面との第2の有効
対向面積を、第1の動圧発生手段における前記対向面と
の第1の有効対向面積よりも大きくして、第2の動圧発
生手段が発生する動圧を第1の動圧発生手段が発生する
動圧よりも大きく設定した請求項1記載のスラスト動圧
軸受。 - 【請求項4】第2の有効対向面積が第1の有効対向面積
よりも大きくなるように、第1の動圧発生手段を構成す
るスラスト板の上面とこれと対向する前記ハウジングの
対向面のうちの少なくとも一方に前記軸部と同心状の切
り込み溝を形成した請求項3記載のスラスト動圧軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000115952A JP2001295833A (ja) | 2000-04-18 | 2000-04-18 | スラスト動圧軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000115952A JP2001295833A (ja) | 2000-04-18 | 2000-04-18 | スラスト動圧軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001295833A true JP2001295833A (ja) | 2001-10-26 |
Family
ID=18627472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000115952A Pending JP2001295833A (ja) | 2000-04-18 | 2000-04-18 | スラスト動圧軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001295833A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6962443B2 (en) * | 2001-03-05 | 2005-11-08 | Sankyo Seiki Mfg. Co., Ltd. | Fluid dynamic pressure bearing apparatus |
US7976221B2 (en) * | 2007-04-17 | 2011-07-12 | Hitachi Global Storage Technologies, Netherlands B.V. | System and method for improving lubrication in a fluid dynamic bearing near the contact region |
CN113260797A (zh) * | 2019-02-04 | 2021-08-13 | 伊格尔工业股份有限公司 | 滑动部件 |
US11608897B2 (en) | 2018-08-01 | 2023-03-21 | Eagle Industry Co., Ltd. | Slide component |
US11815184B2 (en) | 2018-11-30 | 2023-11-14 | Eagle Industry Co., Ltd. | Sliding component |
US11821521B2 (en) | 2018-12-21 | 2023-11-21 | Eagle Industry Co., Ltd. | Sliding component |
US11821462B2 (en) | 2018-08-24 | 2023-11-21 | Eagle Industry Co., Ltd. | Sliding member |
US11892081B2 (en) | 2019-07-26 | 2024-02-06 | Eagle Industry Co., Ltd. | Sliding component |
US11933405B2 (en) | 2019-02-14 | 2024-03-19 | Eagle Industry Co., Ltd. | Sliding component |
US12013040B2 (en) | 2019-02-21 | 2024-06-18 | Eagle Industry Co., Ltd. | Sliding components |
-
2000
- 2000-04-18 JP JP2000115952A patent/JP2001295833A/ja active Pending
Cited By (12)
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CN113260797A (zh) * | 2019-02-04 | 2021-08-13 | 伊格尔工业股份有限公司 | 滑动部件 |
CN113260797B (zh) * | 2019-02-04 | 2023-02-14 | 伊格尔工业股份有限公司 | 滑动部件 |
US12018757B2 (en) | 2019-02-04 | 2024-06-25 | Eagle Industry Co., Ltd. | Sliding components |
US11933405B2 (en) | 2019-02-14 | 2024-03-19 | Eagle Industry Co., Ltd. | Sliding component |
US12013040B2 (en) | 2019-02-21 | 2024-06-18 | Eagle Industry Co., Ltd. | Sliding components |
US11892081B2 (en) | 2019-07-26 | 2024-02-06 | Eagle Industry Co., Ltd. | Sliding component |
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A521 | Written amendment |
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