JP2001295353A - 水洗便器およびトイレ装置 - Google Patents

水洗便器およびトイレ装置

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JP2001295353A JP2000111493A JP2000111493A JP2001295353A JP 2001295353 A JP2001295353 A JP 2001295353A JP 2000111493 A JP2000111493 A JP 2000111493A JP 2000111493 A JP2000111493 A JP 2000111493A JP 2001295353 A JP2001295353 A JP 2001295353A
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章己 山中
Tsutomu Kido
勉 城戸
Yoshiki Oota
吉喜 太田
Takeshi Tsurushima
毅 鶴島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水洗便器10は、ドアDrの開閉を誤って人
体の検出と誤認しないで、使用者を的確に検出する。 【解決手段】 水洗便器10は、人体検知信号を出力す
る人体検知センサ100を備えている。人体検知センサ
100は、便器本体20の正面に人が近接すると、検出
信号Vsを出力し、この検出信号Vsに基づいて、水洗
便器10の洗浄が実行される。人体検知センサ100
は、便器本体20の正面かつ左右対称中心から左右方向
へ離れた位置を人体の検出領域としている。この領域
は、便器本体20の正面に立った場合や便座12に座っ
た場合などのように、水洗便器10を用便のために使用
する際に確実に人の存在する領域であるので、誤った検
出を生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体を検出したと
きに、洗浄水の供給を自動的に実行する水洗便器および
これを設置したトイレ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の水洗便器として、たとえ
ば、特開平8-218468号公報の技術が知られてい
る。この従来の技術は、便器本体の前面部の中央に、人
体検知センサを配置し、人体検知センサが使用者の接近
を検出すると人体検知信号を出力し、この信号に基づ
き、バルブの開閉駆動で洗浄動作を実行するものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような水
洗便器の人体検知センサは、便器本体の前面中央の位置
からドア側に向けた領域を検出するものであるために、
ドアの開閉を人と誤って検出したり、また、使用者が便
座に座った場合に検出領域に入らず、誤った洗浄動作を
実行するという問題があった。
【0004】本発明は、上記従来の技術の問題点を解決
するためになされたものであり、ドアの開閉を誤って人
体の検出と誤認しないで、使用者を的確に検出する人体
検知手段を備えた水洗便器およびその水洗便器を設置し
たトイレ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる課題を解決するため、本発明の第1の発明は、給水
源から供給される洗浄水を受ける水洗便器において、汚
物を受けるためのボール部を有する便器本体と、上記便
器本体の正面かつ左右対称中心から、左右方向へ離れた
位置に人体を検出したとき、人体検知信号を出力する人
体検知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】本発明にかかる水洗便器では、便器本体の
正面に人が近接すると、人体検知手段から検出信号が出
力され、この検出信号に基づいて、水洗便器またはトイ
レ室に関連する制御が実行可能となる。また、本発明の
人体検知手段は、便器本体の正面かつ左右対称中心から
左右方向へ離れた位置に設けられている。この位置に設
けられた人体検知手段の検出領域は、便器本体の正面に
立った場合や便座に座った場合などのように、水洗便器
を用便のために使用する際に確実に人の存在する領域と
なるので、誤った検出を生じない。
【0007】本発明の好適な態様として、人体検知手段
からの検出信号を制御するために、給水源から供給され
た洗浄水をボール部へ供給および停止するバルブと、上
記人体検知手段から出力される人体検知信号に基づい
て、洗浄水をボール部内に供給するように上記バルブを
制御する洗浄水制御手段と、を有する洗浄水供給手段を
備えて構成することができる。これにより、洗浄水供給
手段は、バルブを電気的に駆動制御して洗浄水をボール
部内に供給することにより、ボール部の汚物の排出や洗
浄を実行することができる。
【0008】また、人体検知手段の好適な態様として、
赤外線投光素子と、該赤外線投光素子からの反射光を受
けて上記人体検知信号を出力する赤外線受光素子と、を
備えて構成することができる。
【0009】人体検知手段のさらに好適な態様として、
便器本体の外壁に対してシールした状態にて上記赤外線
投光素子および赤外線受光素子を保持するカバーを備え
て構成することができる。このカバーは、便器本体の周
囲のように水が付着しやすい箇所に対して人体検知手段
をシールして故障を防止することができる。また、人体
検知手段は、赤外線投光素子および赤外線受光素子の検
出領域側を覆う透光性保護部材を備えることにより、便
器本体と比べて機械的強度の小さい部分を保護して、そ
の損傷を防止することができる。
【0010】さらに、人体検知手段は、便器本体への配
線の取り回しにおいて、洗浄水制御手段に着脱可能なコ
ネクタを介して接続することが好ましく、これにより、
人体検知手段が故障した場合であっても、交換や修理が
容易である。また、人体検知手段とコネクタとを接続す
る接続線は、便器本体の裏面側に着脱可能に配設するこ
とが好ましく、これにより、一層、人体検知手段の交換
が容易になる。
【0011】洗浄水制御手段が洗浄開始を行なう手段と
して、人体検知による自動洗浄手段のほかに、人の操作
による操作ボタンを並設した場合には、上記洗浄水制御
手段は、人体検知手段からの検出信号が出力されていな
い場合であっても、上記操作手段による操作開始の指令
により洗浄動作を開始するように構成することができ
る。この構成により、人が自動洗浄であると認識してお
らず、洗浄動作が行われないと認識した場合であって
も、人の動作が優先するから、違和感を生じない。
【0012】また、洗浄水制御手段の他の態様として、
人体検知手段により人体を検出したときに、操作手段に
よる洗浄動作を促す報知手段を備えて構成することがで
きる。報知手段により、人体検知手段が人の使用を検出
したことを報知するので、自動洗浄が行なわれることを
使用者が認識できる。ここで、報知手段の好適な態様と
して、ランプなどを点滅させる発光手段や、音で人に知
らせる音響手段により構成することができる。
【0013】第2の発明は、第1の発明にかかる水洗便
器を設置したトイレ装置において、上記便器本体の正面
をトイレ室のドアに向けて、該便器本体を設置すること
を特徴とする。
【0014】第2の発明によれば、便器本体の正面をト
イレ室のドアに向けて、便器本体を設置したトイレ装置
において、ドアの開閉を人体の検出と誤認しないで、所
望の洗浄動作を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例
について説明する。
【0016】図1は本実施例にかかる水洗便器10を示
す斜視図、図2は水洗便器10の正面図である。水洗便
器10は、便器本体20と別体の洗浄水タンクを備えな
い、いわゆる水道直結型であり、リム洗浄およびジェッ
ト洗浄を行なうタイプである。また、水洗便器10は、
その上部が低く抑えられたシンプルなデザインとなった
ローシルエットタイプである。図3は水洗便器10の縦
方向断面図、図4は便器本体20などを示す断面図であ
る。図3に示すように、水洗便器10は、便座12およ
び便蓋14を載置した陶器製の便器本体20と、便器本
体20と一体に形成したトラップ排水管30と、トラッ
プ排水管30に接続された樹脂製の排水ソケット50
と、便器本体20の後部に収納されたバルブユニット6
0とを備えている。
【0017】次に、水洗便器10の各部の構成について
説明する。水洗便器10は、図4に示すように陶器製の
便器本体20にボール部22を備えている。このボール
部22の周壁は、水洗便器10の非洗浄時でも溜水RW
と接する覆水面22aと、水洗便器10の非洗浄時には
溜水RWと接しない露出面22bから形成されている。
また、ボール部22の前壁の裏面側には、滞留室24が
形成されている。この滞留室24は、後述するジェット
洗浄時に噴出する洗浄水を貯めるためのスペースであ
る。
【0018】また、ボール部22の底部には、汚物落し
込み凹部23が形成され、この奥壁部にトラップ排水管
30の入口31を開設している。また、図3に示すよう
に、汚物落し込み凹部23の前壁部には、トラップ排水
管30の入口31に臨ませてジェットノズル25が対向
して配置されている。ジェットノズル25には、バルブ
ユニット60に接続されたジェット用連結管27が接続
されている。このジェット用連結管27にバルブユニッ
ト60を通じて洗浄水が供給されると、洗浄水は、ジェ
ットノズル25から吐水され、ボール部22の汚物をト
ラップ排水管30へ排出してボール部22を洗浄する、
いわゆるジェット洗浄が実施される。
【0019】図4に示すように、ボール部22の上開口
周縁には、洗浄水をボール部22の内壁面に沿って吐水
するためのリム通水路28が設けられている。リム通水
路28の上流側は、リム用連結管(図示省略)を介して
バルブユニット60に接続され、また、リム通水路28
の下部には、複数個のリム水出孔28aが形成されてい
る。このリム用連結管29にバルブユニット60を通じ
て洗浄水が供給されると、洗浄水は、複数のリム水出孔
28aから吐水され、ボール部22の内壁面を洗浄する
いわゆるリム洗浄が実施される。また、リム通水路28
の前方下端には、滞留室24に接続されるリム接続孔2
8bが接続されている。このリム接続孔28bは、ジェ
ットノズル25から吐水されたときにイジェクタ効果に
よって滞留室24内の洗浄水を巻き込めるように大気と
連通するとともに、リム通水路28から供給される洗浄
水を滞留室24に供給するための孔である。
【0020】また、トラップ排水管30は、前述のよう
にその入口31がボール部22の底部分に設けた汚物落
し込み凹部23に開口されており、この入口31からボ
ール部22の裏面に沿って便器本体20の後方に向かっ
て斜め上向きに延びる上昇路32と、上昇路32上端か
ら下方に向かってほぼ垂直に延びる下降路33とを備え
ている。下降路33は、便器設置個所において床面から
立ち上げ設置された排水管Poに排水ソケット50を介
して接続される。
【0021】図5は排水ソケット50の便器本体20に
対する配置関係を説明する説明図である。図4および図
5に示すように、排水ソケット50は、樹脂製の管体か
ら構成され、つまり下降路33の下端に接続される入水
側接続管51と、水平接続管52と、排水側接続管53
とを備え、これらを接続することにより構成されてい
る。入水側接続管51は、下降路33の下端を受ける受
け部51aと、受け部51aにつながる連通管51b
と、連通管51bの下部に形成されかつ床面に支持する
ための脚部51cとを一体に形成している。また、入水
側接続管51の連通管51bの下流側端部には、水平接
続管52の嵌合端52aが外嵌接続している。この水平
接続管52の他端は、排水側接続管53に接続されてい
る。排水側接続管53は、その下端に床面に固定するた
めの脚部53aを有しており、排出口53bにて下水管
につながる排水管Poに接続されている。上記排水ソケ
ット50では、水平接続管52の長さを調節することに
より、異なったラフィンに対応することができる。ここ
で、ラフィンとは、トイレ室の便器背面壁から排水管P
oの中心までの距離をいい、トイレ室の施工条件に応じ
て適宜変更される。このように異なったラフィンの位置
に対して、水平接続管52をラフィン位置にあわせて適
当な長さに切断し、または水平接続管52を使用せずに
入水側接続管51と排水側接続管53だけで排水側接続
管53の位置を変更することができ、これにより種々の
ラフィンの位置に対応することができる。
【0022】図3に戻り、便器本体20の後部には、カ
バー41により閉じられる収納室40が設けられてい
る。収納室40には、バルブユニット60が収納されて
いる。図6はカバー41を外した状態における便器本体
20の平面図である。バルブユニット60は、ボール部
22内にリム洗浄およびジェット洗浄を行なうための洗
浄水の供給を制御する弁機構であり、図7に示す給水系
統となっている。
【0023】図7において、バルブユニット60は、ト
イレ室に施工されている水道管PwにニップルPnと給
水フレキシブル管Pfを介して接続されており、給水フ
レキシブル管Pfに接続される止水機能付き分岐接続管
61と、止水栓62と、定流量弁63と、自閉弁64
と、切替弁70と、切替弁70から分岐したバキューム
ブレーカ78Aおよびバキュームブレーカ78Bとを備
えている。バキュームブレーカ78Aおよびバキューム
ブレーカ78Bには、リム用連結管29を介してリム通
水路28およびジェット用連結管27を介してジェット
ノズル25にそれぞれ接続されている。自閉弁64およ
び切替弁70は、電子制御回路80により洗浄開始およ
び洗浄水の吐水先を切り替えるために出力される制御信
号を受けて駆動制御される。
【0024】給水フレキシブル管Pfは、その上流側が
給水源としての水道管PwにニップルPnを介して接続
され、下流側が止水機能付き分岐接続管61の流入口6
1aに接続されている。止水機能付き分岐接続管61の
一方の流出口61bは、止水栓62に接続され、他方の
流出口61cは、温水洗浄便座に洗浄水を供給する便座
側給水管に接続可能になっている。このように、分岐接
続管61は、ボール部22への洗浄水の供給のほかに水
洗便器10の内側スペースを有効に利用して配管接続を
行なうことにより、温水洗浄便座側への配管接続を容易
にしている。
【0025】次に、バルブユニット60の構成および動
作について説明する。図8はバルブユニット60を示す
断面図、図9は図8のA−A線に沿った断面図である。
図9に示すようにバルブユニット60は、定流量弁6
3、自閉弁64、切替弁70、およびバキュームブレー
カ78A,78Bを一体に組み付けて構成されている。
【0026】まず、定流量弁63について説明する。図
10は定流量弁を示し、図10(A)は低水圧の状態、
図10(B)は図10(A)より高い水圧が加わってい
る状態をそれぞれ示す。
【0027】図10において、定流量弁63は、流路6
3aを有するケーシング本体63bと、ケーシング本体
63b内に支持され通路63cを有するピストンガイド
63dと、ピストンガイド63dに摺動自在に支持され
たピストン63eと、円錐型の螺旋状のスプリング63
fと、スプリング63fに発生した振動を抑制するよう
装着された防振ゴム63gと、を備えている。ピストン
63eの上流側の端部には、スプリング63fを支持す
るスプリング支持端63hが形成されている。このスプ
リング支持端63hは、外周端を円弧面63iとしてい
る。
【0028】定流量弁63にて水圧の加わっていない状
態にて、洗浄水が流入すると、スプリング63fは、そ
の洗浄水の勢い(流動圧)に起因する力を受けて撓み、
スプリング間の隙間、即ち洗浄水の通路面積を変化させ
る。この際の撓み程度は、流れ込む洗浄水の勢いにより
異なり、つまり流動圧が低ければ撓み量も小さく通路面
積が広くなり(図10(A)の状態)、一方、流動圧が
高ければ、スプリング63fは大きく撓んで通路面積を
狭くなる(図10(B)の状態)。よって、この定流量
弁63によれば、給水圧力が変動しても、その圧力変動
に関係なくスプリング63fを通過して流出する洗浄水
の流量を一定にできる。
【0029】また、この定流量弁63では、ピストン6
3e端部のスプリング支持端63hに円弧面63iを形
成してスムーズの流れを確保しているので、特に低給水
圧時の圧力損失を抑制でき定流量化の信頼性が高まる。
【0030】次に、自閉弁64および切替弁70につい
て説明する。自閉弁64および切替弁70は、ステッピ
ングモータを有する操作ユニット73により駆動され、
自閉作動並びにこれと同期した分配作動を行うよう構成
されている。
【0031】図11は自閉弁64の付近を拡大して示す
断面図である。図11において、自閉弁64は、一次側
と二次側の差圧を利用して自閉作動を行うよう、以下の
構成を備える。すなわち、自閉弁64は、定流量弁63
に接続された一次側給水路66aと、メインケース65
内の二次側通水路66bとを備え、この給水路と通水路
の間に、ダイヤフラム弁67と、ダイヤフラム弁67を
駆動するためのパイロット弁68とを有する。
【0032】一次側給水路66aは、メインケース65
において、当該ケースの内壁部分を環状に下方に隆起さ
せて形成した給水弁座66cを取り囲むよう形成されて
いる。よって、一次側給水路66aから流れ込んだ一次
側洗浄水は、給水弁座66cの周囲において、ダイヤフ
ラム弁67に下方向きに一次側圧力をかける。
【0033】次に、ダイヤフラム弁67について説明す
る。ダイヤフラム弁67は、給水弁座66cに対して、
1次側と2次側の圧力バランスで付勢力を受けることに
より着離する弁であり、ダイヤフラム67aを備えてい
る。ダイヤフラム67aは、メインケース65の下端開
口部にわたってメインケース65と下部ケース65bと
で挟持され、背面のダイヤフラムサポート67bと上面
のリテーナ67cで挟持・補強され、上記一次側圧力を
上面に受け、背圧室66dの圧力を下面に受けるように
配設されている。なお、上記ダイヤフラムサポート67
bは、上下動ガイド68cと下端で係合して一体とされ
ており、ダイヤフラム67aと共に上下動するように構
成されている。
【0034】ダイヤフラム弁67は、ダイヤフラム67
a、ダイヤフラムサポート67bおよびリテーナ67c
を貫通形成したブリード穴68aを有する。ブリード穴
68aは、上記のように閉弁状態にあるときでも一次側
給水路66aと背圧室66dとの圧力均衡を図るべく、
一次側給水路66aと背圧室66dとを連通して、一次
側給水路66aの側から背圧室66dに常時、洗浄水を
通過させる穴である。なお、ブリード穴68aには、水
中に混在する異物によるゴミ詰まりを防止するためのク
リーニングピン68bが挿入されている。
【0035】次に、パイロット弁68について説明す
る。パイロット弁68は、ダイヤフラム弁67の開弁動
作を起こさせるものであり、パイロット弁体69aと、
ダイヤフラムサポート67bの中央貫通孔の周囲を隆起
させて形成されたパイロット弁座69bと、パイロット
弁体69aに上方への付勢力を加えるスプリング69c
とを有する。パイロット弁体69aは、上記の付勢力に
よりパイロット弁座69bに当接状態(着座状態)とさ
れたときに、二次側通水路66bと背圧室66dとの間
を閉鎖する。この状態が、パイロット弁68の閉弁状態
(止水状態)であり、通常この状態を採っている。な
お、パイロット弁座69bの内部、すなわちダイヤフラ
ムサポート67bの中央貫通孔がパイロット流路69d
となっている。
【0036】次に、パイロット弁68によりダイヤフラ
ム弁67が開閉される動作について説明する。パイロッ
ト弁68が閉弁状態にあるときから、操作ユニット73
の駆動によりスプリング69cの付勢力に抗して傾き、
パイロット弁座69bから離れると、パイロット流路6
9dを介して背圧室66dと二次側通水路66bとが連
通する。このとき、背圧室66d内は一次側給水路66
aと同圧で二次側通水路66bよりその圧力が高いの
で、背圧室66d内の水は、パイロット流路69dを経
て二次側通水路66bの側に排出される。これにより、
ダイヤフラム67aは、その両面から受ける圧力の均衡
が崩れて、下向きに移動する。このため、ダイヤフラム
弁67は、給水弁座66cから離れた開弁状態となり、
一次側給水路66aから洗浄水を、二次側通水路66b
の側へ流入させる。
【0037】一方、パイロット弁体69aは、操作ユニ
ット73の駆動により、傾いた状態から正立状態に復帰
すると、パイロット弁座69bを閉じる方向へ向かう。
すなわち、背圧室66dは、ブリード穴68aを介し
て、一次側給水路66aから洗浄水を流入させることに
より満たされる。これにより、背圧室66dの圧力は、
一次側給水路66aの一次側給水圧力に等しくなり、ダ
イヤフラム67aが給水弁座66cに当接着座して、ダ
イヤフラム弁67は止水状態となり、自閉弁64での止
水(自閉止水)がなされる。
【0038】次に、切替弁70の構成および動作につい
て説明する。切替弁70は、自閉弁64による上記の自
閉止水時の閉弁動作に同期して洗浄水の供給先を分配す
べく、以下の構成を有する。
【0039】図9に示すように、切替弁70は、自閉弁
64の下流側に位置するようこの自閉弁64と一体的に
形成され、上記したダイヤフラム弁67から洗浄水を、
リム側ポート72bおよびジェット側ポート72cに分
配するように構成されている。
【0040】切替弁70は、メインケース65内に区画
形成されかつ二次側通水路66bに連通する洗浄水分配
室72aを有する。洗浄水分配室72aは、円柱形状で
中空とされており、その内周壁面(分配室内周壁面)
に、それぞれ上方に延びるリム側ポート72b、ジェッ
ト側ポート72cを備えている。各出力ポートの分配室
内周壁面における開口面積は、リム側ポート72bの側
が狭く、ジェット側ポート72cの側が広くされてい
る。よって、各出力ポートが順次開放されると、異なる
流量で洗浄水が各出力ポートに流れ込むことになる。上
記リム側ポート72bは、リム用連結管29に接続さ
れ、一方、ジェット側ポート72cは、ジェット用連結
管27に接続されている。
【0041】図8に示すように、切替弁70は、洗浄水
分配室72aの内部に回転ドラム74bを有する。回転
ドラム74bは、洗浄水分配室72aに正逆回転自在に
軸支された回転シャフト74cと一体的に形成され、回
転シャフト74cと共に回転する。回転シャフト74c
は、横蓋71でその一端が軸支されている。
【0042】図9に示すように、回転シャフト74c
は、洗浄水分配室72aの内部においてカム部材74d
を有し、このカム部材74dは回転シャフト74cと一
体に正逆回転する。カム部材74dは、その回転に伴っ
てパイロット弁体69aのシャフト部と接触し当該弁体
を回転に同期して傾けることにより、自閉弁64におけ
る開弁動作を起動する。
【0043】次に、図8の操作ユニット73について説
明する。操作ユニット73は、自閉弁64の自閉止水と
これに同期した切替弁70の洗浄水分配供給を、自動的
に実行させたり、手動で実行させたりするために、以下
の構成を有する。
【0044】操作ユニット73は、メインケース65の
側方上端側に設けられ、回転シャフト74cの駆動源と
して、アクチュエータ74a(ステッピングモータ等)
と、ギヤボックス74eと、手動レバー77を有する。
アクチュエータ74aおよび手動レバー77は、ギヤボ
ックス74eを介して回転シャフト74cに接続されて
いる。
【0045】ギヤボックス74eは、アクチュエータ7
4aにより回転する出力ギヤ74fと、当該ギヤと縁切
り可能に組み合わされ回転シャフト74cに回転駆動力
を伝える入力ギヤ74gと、この両ギヤを縁切りするた
めのスプリング74hと、縁切り状態にある両ギヤの接
続時に通電励磁される電磁ソレノイド74iとを有す
る。回転シャフト74cは、ゼンマイバネ74jと接続
されており、電磁ソレノイド74iの通電を解除したと
き、すなわちギヤが縁切り状態のときにゼンマイバネ7
4jの付勢力を受けて図9に示す初期状態の位置に強制
的に戻るようにされている。
【0046】このような操作ユニット73の構成によ
り、電磁ソレノイド74iを通電励磁して出力ギヤ74
fと入力ギヤ74gを接続状態とするとともに、アクチ
ュエータ74aを正逆回転制御すると、ギヤボックス7
4eの各ギヤを介して回転シャフト74cを時計方向ま
たは反時計方向へ回転する。
【0047】次に、切替弁70の動作について説明す
る。図12はアクチュエータ74aとしてステッピング
モータおよび電磁ソレノイド74iにより駆動されるク
ラッチのタイミングチャートである。図12を参照して
切替弁70の動作について説明する。切替弁70は、初
期状態、つまり回転ドラム74bやカム部材74dが図
9に示す初期状態にあるとする。この状態から、洗浄開
始指令が出力されると、操作ユニット73は、電磁ソレ
ノイド74iを励磁するとともに、アクチュエータ74
aを駆動する(図12の時間TA)。アクチュエータ7
4aの駆動により、時計方向に回転シャフト74cが回
転すると、カム部材74dは、パイロット弁体69aを
傾けて、ダイヤフラム弁67を開弁させる。このとき、
回転ドラム74bは、回転シャフト74cと共に時計回
転するものの、回転開始当初は、ジェット側ポート72
cを閉鎖したままである。よって、洗浄水は、一次側給
水路66aから、ダイヤフラム弁67、二次側通水路6
6bを経て、洗浄水分配室72aに流れ込み、さらにリ
ム側ポート72b、リム用連結管29を経て、リム通水
路28から吐出される。これにより、リム洗浄が実施さ
れる。
【0048】さらに、回転シャフト74cが回転を継続
すると(時間TB)、パイロット弁体69aは、カム部
材74dの押圧により傾いた状態を維持する。これによ
り、洗浄水が洗浄水分配室72aに引き続き流入する。
この回転継続の間において、回転ドラム74bは、リム
側ポート72bを閉鎖してジェット側ポート72cを開
放する。よって、洗浄水は、一次側給水路66aから、
ダイヤフラム弁67、二次側通水路66b、洗浄水分配
室72a、ジェット側ポート72cを通過してジェット
ノズル25から吐出される。これにより、ジェット洗浄
が実施される。
【0049】さらに、回転ドラム74bが反時計方向へ
回転して(時間TC)、ジェット側ポート72cを閉じ
るとともに、リム側ポート72bを開くことにより、後
リム洗浄が実行される。そして、さらに、回転シャフト
74cが反時計方向に逆回転し(時間TD)、上記の初
期状態に復帰すると、パイロット弁体69aは、カム部
材74dから開放されて正立姿勢をとるので、ダイヤフ
ラム弁67は、上記したようにして開弁状態から閉弁状
態となり、自閉弁64が自閉止水される。そして、操作
ユニット73は、アクチュエータ74aの逆回転制御終
了後に、アクチュエータ74aを停止するとともに電磁
ソレノイド74iの通電励磁を停止する。これにより、
便器洗浄の自動実行のための制御が終了する。
【0050】次に、手動レバー77の構成および動作に
ついて説明する。手動レバー77は、便器本体の上側部
であって操作部と反対側に設けられている。手動レバー
77は、便器本体の側部に配置され、一端でフレキシブ
ル性のあるハンドルと一体的に形成され、他端で回転シ
ャフト74cの軸芯と垂直かつ接続方向に係合してリン
クされている。手動レバー77を軸線方向に引っ張って
回動させたときに、回転シャフト74cをゼンマイバネ
74jの付勢力に抗して、直接回転駆動して上記のパイ
ロット弁68を開弁し、一方、手動レバー77の操作力
が解放されると、それ以降、手動レバー77と回転シャ
フト74cは、ゼンマイバネ74jにより初期状態の位
置に復帰するように構成されている。
【0051】上記手動レバー77の構成により、停電の
ために便器洗浄の自動実行が行えない場合において、手
動レバー77を使用者により手動操作することができ
る。すなわち、使用者は、手動レバー77を、軸線方向
に引くと、回転シャフト74cが回転し、カム部材74
dによりパイロット弁体69aを傾けてダイヤフラム弁
67が開く。これにより、ジェット洗浄が実施される。
ついで、使用者は、手動レバー77を離すと、ゼンマイ
バネ74jにより初期の状態に復帰する。このように、
手動レバー77の操作により回転シャフト74cは回転
するので、停電時であっても、手動にて支障なく、便器
洗浄を実行できる。
【0052】なお、上記手動レバー77は、ジェット洗
浄前のリム洗浄を実施していないが、以下の構成により
最初のリム洗浄を実施できるようにしてもよい。すなわ
ち、手動レバー77の各洗浄位置に節度感を有するよう
に構成することにより、使用者が洗浄位置を確認しつつ
リム洗浄、ジェット洗浄および後リム洗浄を順次実行す
ることができる。
【0053】次に、バキュームブレーカ78A,78B
について説明する。バキュームブレーカ78A,78B
は、切替弁70の下流側に配置されている。図13はバ
キュームブレーカ78A,78Bの付近を拡大する断面
図である。図13において、バキュームブレーカ78
A,78Bは、リム側ポート72bおよびジェット側ポ
ート72cと、ジェット用連結管27およびリム用連結
管29との間にそれぞれ介在し、洗浄水の供給時に各ポ
ート間を連通し、非供給時には各ポート間を大気開放し
て洗浄水の逆流を防止するように以下の構成を有する。
なお、バキュームブレーカ78A,78Bは、同じ構成
を有するので、以下の説明にあっては、適宜一方の弁
(バキュームブレーカ78A)の構成についての説明に
止めることとする。
【0054】バキュームブレーカ78Aは、それぞれ上
下動する弁体78Aaと、この弁体の上下に位置する上
流側弁座78Abおよび下流側弁座78Acを有する。
バキュームブレーカ78Aでは、弁体78Aaが、リム
側ポート72bに流入した洗浄水圧力並びに自身の浮力
により浮沈し、自閉弁64が開弁状態(洗浄水吐水状
態)でリム側ポート72bに洗浄水が流入すれば、下流
側弁座78Acにその下方から当接着座する。この場
合、下流側弁座78Acには、弁体78Aa周縁上端の
ゴムシールが当接着座し、当接箇所のシール性が確保さ
れている。これにより、リム側ポート72bと大気側と
の連通を断絶すると共に、リム側ポート72bからリム
用連結管29への洗浄水流入を可能とする。
【0055】また、弁体78Aaは、自閉弁64が閉弁
状態にあり、かつリム側ポート72bに洗浄水が流入し
ていないときは、自重にて上流側弁座78Abにその上
方から着座する。この場合、弁体78Aaは、上流側弁
座78Abに対して粗い面接触となっているので、その
間隙からジェット側ポート72cへの大気導入を図る。
【0056】上記した各出力ポートへの洗浄水流入がな
されているときに、リム側ポート72bあるいはジェッ
ト用連結管27に負圧が発生すると、弁体78Aaは、
この負圧により上流側弁座78Abに着座する。これに
より、バキュームブレーカ78Aは、リム側ポート72
bへの大気導入を図り、いわゆる負圧破壊を実施する。
この弁構成・機能は、バキュームブレーカ78Bでも同
様である。
【0057】上記水洗便器10において、水道管Pwに
直結されるバルブユニット60および電子制御回路80
は、ボール部22と一体の便器本体20の収納室40に
収納されているので、バルブユニット60を別体に設置
する場合と比べて、便器本体20の周囲やトイレ室の壁
面に、バルブユニットを設置するためのスペースが不要
となるうえに、水洗便器10自体もコンパクトにするこ
とができる。さらに、このようにバルブユニット60の
便器本体20への組み込み作業は、工場の出荷の際に予
め行なうことができ、よって、梱包作業や搬送作業が容
易になるだけでなく、バルブユニット60を水洗便器1
0と別体にトイレ室に施工する必要がなく、施工作業性
にも優れている。
【0058】しかも、バルブユニット60は、水道管P
wの給水圧が低圧から高圧までの広い範囲にわたって定
流量特性を示すように、定流量弁63が低圧側まで定流
量特性を有するとともに、バルブユニット60のトータ
ルの圧損を低減することにより、低圧側でも所定範囲の
給水圧を確保している。これにより、以下の効果があ
る。すなわち、従来では、止水栓の下流側に、減圧作用
のある絞り弁を用いて、給水圧が高い場合に所定範囲の
給水圧とする構成をとっているが、このような絞り弁は
低圧下の場合の水圧低下をもたらすために低圧箇所の現
場では取り外すなどの作業を行なっている。しかし、本
実施の形態によれば、広範囲の圧力下で定流量を確保で
きる高性能の定流量弁を使用しているために、広範囲の
給水圧に対応することができ、よって、給水圧が低い場
合に特別な作業も必要でなく、施工作業などを簡略化で
きる。
【0059】図14はバルブユニット60を駆動制御す
るための電子制御回路80を示すブロック図である。電
子制御回路80は、マイクロコンピュータからなる中央
制御部80aを備えており、その入力端子に、ディップ
スイッチDSW、操作スイッチ91、2台のリモートコ
ントローラ92,92、人体検知センサ100などが接
続されており、また、出力端子に、バルブユニット60
を駆動するバルブユニット駆動部82が接続されてい
る。
【0060】上記中央制御部80aは、演算処理部と、
記憶部と、入/出力部とを備えている。記憶部は、制御
プログラムおよび処理に必要なデータなどを記憶してい
る。記憶部に記憶されるデータとしては、例えばディッ
プスイッチDSWで設定されるデータや、洗浄行程のシ
ーケンスを示すプログラムがある。なお、これらのデー
タやプログラムについては後述する。
【0061】また、電子制御回路80には、外部の商用
電源からDC変換器83を介して、24Vがバルブユニ
ット駆動部82に給電され、5Vが中央制御部80aに
給電されている。この電子制御回路80への給電は、端
子台93にコネクタを接続することにより行なう。端子
台93は、複数のコネクタをワンタッチの差込みで接続
可能なものであり、電子制御回路80への給電のための
コネクタの他に、他の電気機器に接続される予備のコネ
クタを備えている。予備のコネクタは、たとえば、温水
洗浄便座などへの給電のために利用することができ、こ
れにより、温水洗浄便座に別途、外周りからの配線を省
略し配線を容易にすることができる。
【0062】次に、バルブユニット60を駆動して洗浄
開始を起動する手段として、操作スイッチ91、リモー
トコントローラ92および人体検知センサ100につい
て説明する。
【0063】図1に示すように、操作スイッチ91は、
便器本体20の上側部に突設された操作部90に支持さ
れている。すなわち、操作部90は、便器本体20の側
部から突設された保持体90aを備え、この保持体90
aに操作スイッチ91が操作面を上面にしかつ前方が低
くなるよう傾斜をもたせて保持されている。操作スイッ
チ91は、点灯・点滅表示可能なランプを内蔵してい
る。また、この操作部90の上面およびその周囲は、耐
熱性樹脂により形成されており、たばこの火などで損傷
しないように保護機能を付加している。
【0064】図14に戻り、リモートコントローラ9
2,92は、水洗便器10の両側のトイレ室側壁にそれ
ぞれ取り付けられており、壁内を配線されて電子制御回
路80とワイヤで接続されている。このようにリモート
コントローラ92,92を複数箇所に設置することによ
り、お年寄りや体の不自由な方でも操作を容易にするこ
とができる。また、リモートコントローラ92,92を
ワイヤで接続することにより電池式のような電池切れに
よる操作不能を防止できる。
【0065】さらに、図1に示すように、人体検知セン
サ100は、便器本体20の正面の左右対称中心から、
左方向へ離れた位置に装着されている。人体検知センサ
100は、発光素子と受光素子とから構成された赤外線
反射型のセンサであり、つまり水洗便器10の使用者が
用便のために近接したり便座12に着座したりする場合
に、その旨を出力することにより人体を検知するセンサ
である。
【0066】これらの操作スイッチ91などの洗浄起動
手段は、入/出力部を介して演算処理部に入力されて、
ここで演算処理されて制御信号をバルブユニット駆動部
82などに送ることにより、バルブユニット60を制御
する。
【0067】また、図14に示すディップスイッチDS
Wは、それぞれ4ビットの2つのスイッチSW1および
スイッチSW2から構成されている。図15はスイッチ
SW1により設定される設定値を説明する説明図、図1
6はスイッチSW2により設定される設定値を説明する
説明図である。スイッチSW1は、自動洗浄や、洗浄パ
ターンや流量などを調節するためのものである。スイッ
チSW1は、1番目の1ビットで自動洗浄の有無を設定
し、2番目の1ビットで大洗浄/小洗浄の切替時間を1
20秒と90秒とに選択設定できるスイッチである。自
動洗浄の設定は、人体検知センサ100からの検出信号
に基づいて洗浄開始を実行するか否かの設定である。大
洗浄/小洗浄の切替時間の設定は、人体検知センサ10
0が人体を検出してから、大洗浄か小洗浄かを判別する
ための設定であり、つまり、120秒以上経過したとき
に大洗浄と判定するか、90秒以上経過したときに大洗
浄と判定するかの判定時間の設定である。
【0068】また、スイッチSW1は、3番目および4
番目の2ビット分の組み合わせにより、4組の大洗浄と
小洗浄との洗浄水量を設定している。すなわち、大洗浄
8リットル/小洗浄6リットルと、大洗浄6リットル/
小洗浄6リットルと、大洗浄10リットル/小洗浄6リ
ットルと、大洗浄8リットル/小洗浄8リットルの4組
の洗浄パターンを設定可能になっている。
【0069】図16において、スイッチSW2は、4ビ
ットのスイッチのオン/オフの組み合わせにより、洗浄
水量のパターンを設定している。すなわち、バルブユニ
ット60は、その製造上の機差を生じるが、機差が大き
い状態を許容して洗浄行程を行なうと、リム洗浄、ジェ
ット洗浄、後リム洗浄における洗浄水量が目標とする値
と異なる。これを解消するために、工場出荷時の段階
で、スイッチSW2により切替弁70を駆動するタイミ
ングを調節可能にしている。このような工場出荷時の段
階で微調整を行なうことにより、水洗便器10をトイレ
室に施工する前に既に水量調節がされているので、施工
作業に熟練性を必要とせず、その作業工程を簡略化する
ことができる。
【0070】次に、水洗便器10における洗浄行程の一
連の動作について図17とともに説明する。図17は洗
浄行程を説明するタイミングチャートである。
【0071】いま、電子制御回路80の中央制御部80
aが、人体検知センサ100などの検出信号に基づい
て、便器洗浄の開始条件が成立したと判定すると、自閉
弁64を開き、さらに切替弁70に洗浄水の供給先をリ
ム用連結管29に切り替えるように指令する。これによ
り、自閉弁64を通過した洗浄水はリム用連結管29を
経てリム通水路28に導かれ、リム洗浄が開始される。
つまり、供給洗浄水は、リム通水路28のリム水出孔2
8aからボール部22の内壁面に沿って吐水され、ボー
ル部22の内壁面を洗浄する。このとき、図17の実線
で示すように、洗浄水量は、時点t0から時点t1で表
わされる。
【0072】上記リム洗浄の終了後に、中央制御部80
aは、切替弁70により洗浄水の供給先をジェット用連
結管27に切り替える。これにより、自閉弁64を通過
した洗浄水は、ジェット用連結管27を経てジェットノ
ズル25に送られ、このジェットノズル25から吐出さ
れる。このようなジェット洗浄により、以下のようにし
て汚物が排出される。すなわち、図3に示すように、ジ
ェットノズル25は、トラップ排水管30の入口31に
向けて配設されている。このため、上記のように切替弁
70により洗浄水の供給先がジェット用連結管27に切
り替えられると、ジェットノズル25からは、一次側の
圧力(水道水の給水圧)とほぼ同等の高い水圧で洗浄水
が高速に流れ出る。これにより、滞留室24に貯留され
ている洗浄水もトラップ排水管30に向けて引き込まれ
ることにより、多量の洗浄水がトラップ排水管30に流
れ込む。そして、上昇路32の水位が上昇し、上昇路3
2から下降路33にかけての屈曲した部分が満水状態に
なると、この洗浄水とボール部22の溜水との間の圧力
差により下方向への引き込み力が生じる。この引き込み
力により、上昇路32内に充満した洗浄水並びにボール
部22内の洗浄水が、汚物とともに一気に排水ソケット
50を通じて排水管Pに導かれる。こうしてサイホン作
用が誘発され、ボール部22内の洗浄水(汚水)および
汚物は、速やかに排水通路を通じて外部へ排出される。
このとき、図17の実線で示すように、洗浄水量は、時
点t1から時点t2で表わされる。
【0073】上記ジェット洗浄の終了後に、中央制御部
80aは、切替弁70により洗浄水の供給先をリム用連
結管29に再度切り替える。これにより、洗浄水は再び
リム通水路28に導かれ、後リム洗浄が開始される。こ
のとき、リム水出孔28aから流れ出た洗浄水は、ボー
ル部22の底および滞留室24に溜水として溜置かれ、
次の洗浄のために待機する。このとき、図17の実線で
示すように、洗浄水量は、時点t2から時点t3で表わ
される。
【0074】図17に説明した洗浄行程における通水時
間は、水洗便器10の設置個所、使用者の好みや、法律
や条例などにより適宜変更を求められる場合がある。例
えば、マンションなどのように、洗浄水量を多く必要と
する場合、条例により洗浄水量が10リットル以上必要
とする場合や8リットル以下とする場合、大洗浄と小洗
浄とで洗浄水量を変更して節水化を図りたい場合などが
ある。こうした設定作業は、図15のスイッチSW1の
3番目および4番目の2ビットの設定値を切り替えるこ
とにより行なう。この場合において、節水化を図るとき
に、図17の1点鎖線Ws2で示すように、標準モード
(実線で示すWs1)から、単に洗浄水量を低下するの
ではなく、大洗浄の場合にジェット洗浄の時間を時点t
2から時点t2aへ変更することで長くして汚物の排出
を優先した節水モードをとることができる。また、波線
Ws3で示す小洗浄の場合のようにジェット洗浄の時間
を時点t2から時点t2bに変更することで短くして後
リム洗浄、つまり封水を優先するモードをとることがで
きる。これにより、汚物を流すのに必要な洗浄水量の適
切な条件を維持しつつ洗浄水量を調節し、節水化を実現
することができる。
【0075】図18は便器本体を水平方向に切断した断
面図、図19は人体検知センサ100を縦方向に切断し
た断面図、図20は人体検知センサ100の組付前の状
態を示す断面図である。図18において、人体検知セン
サ100は、便器本体の正面の左右対称中心から、左方
向へ離れた位置に装着されている。
【0076】図19において、人体検知センサ100
は、検出部111と、この検出部111を便器本体に組
み付けるための取付体112とを備えている。検出部1
11は、ケーシング111a内に、発光素子111b
と、受光素子111cとを内蔵し、ハーネス111dで
給電および信号出力をしている。このケーシング111
aの前面には、パッキン114が装着され、このパッキ
ン114の凹所114aにガラス板115が保持されて
いる。ガラス板115は、タバコの火などからの損傷を
防止するための耐熱ガラスから形成されている。ケーシ
ング111aの外周フランジは、タッピンネジ117に
より化粧プレート116に固定されている。化粧プレー
ト116は、開口116aを有し、この開口116aの
内側にガラス板115を密着した状態で保持している。
【0077】図20において、取付体112は、便器本
体の裏面側に配置される固定プレート119と、便器本
体の表面側に配置される固定プレート120を備えてい
る。固定プレート119は、取付穴119aを有し、そ
の取付穴119aに向けて湾曲した弾性係止片119b
が突設している。弾性係止片119bは、ケーシング1
11aの外壁を挟持するものである。また、固定プレー
ト120は、ケーシング111aを挿入するための開口
120aを有し、その上下端の脚部120bでネジ12
1により固定プレート119に所定間隔を保った状態で
固定されている。また、固定プレート120の両面に
は、防水パッキン118a,118bが装着されてい
る。防水パッキン118aは、便器本体に、防水パッキ
ン118bは、化粧プレート116との間をシールして
いる。
【0078】次に、人体検知センサ100の便器本体へ
の組付作業について説明する。まず、検出部111の前
面にパッキン114を合わせて、さらにパッキン114
の凹所114aにガラス板115を嵌合する。次に、ガ
ラス板115を化粧プレート116の開口116aに位
置合わせし、タッピンネジ117で検出部111を化粧
プレート116に固定する。これにより、検出部111
を化粧プレート116およびガラス板115とともにユ
ニット化する。ユニット化した検出部111を便器本体
に取り付けるには、取付体112を用いて行なう。ま
ず、固定プレート120の端縁の両面に防水パッキン1
18a,118bを貼り付け、続いて、固定プレート1
19を便器本体の便器センサ固定穴100bの内側か
ら、また、固定プレート120を便器センサ固定穴10
0bの外側からを挟み込むように配置し、ネジ121で
締め付ける。これにより、取付体112が便器本体に取
り付けられる。続いて、検出部111を固定プレート1
19の取付穴119aに挿入して弾性係止片119bで
ケーシング111aの外壁を挟持することにより、取付
体112に検出部111が固定される。
【0079】上記人体検知センサ100によれば、化粧
プレート116が便器本体の外壁に対してシールした状
態にて、発光素子111bおよび受光素子111cをカ
バーするので、便器本体の周囲のように水が付着しやす
い箇所に対して発光素子111bおよび11cをシール
して故障を防止することができる。また、ガラス板11
5が発光素子111bおよび受光素子111cを覆って
いるので、便器本体と比べて機械的強度の小さい部分を
保護して、その損傷を防止することができる。
【0080】図21は人体検知センサ100を取り付け
た状態を便器本体の内側から見た説明図である。図21
において、検出部111は、ハーネス111dおよび中
継ハーネスCdを介して電子制御部ECUへ接続されて
いる。すなわち、便器本体の内側袴部に、固定用マジッ
クテープTp1を3カ所(図示では1カ所)貼り付け、
さらに、中継ハーネスCdを固定用マジックテープ(登
録商標)TP2で挟んで固定する。その後、検出部11
1のハーネス111dをコネクタCn1で中継ハーネス
Cdに接続する。これにより、検出部111が電子制御
部ECUに接続される。
【0081】上記実施例において、検出部111に接続
する中継ハーネスCdは、便器本体の裏面側に、固定用
マジックテープTp1の手前でたるませて、便器本体の
窓(図示省略)から外部で引き出せるように配置すると
ともに、中継ハーネスCdのコネクタCn1で接続して
いるので、人体検知センサ100の交換が容易になる。
また、中継ハーネスCdの他端側は、電子制御部ECU
に着脱可能なコネクタCn2を介して接続しているの
で、人体検知センサ100が故障した場合であっても、
交換や修理が容易である。
【0082】図22は人体検知センサ100による検知
領域を説明する説明図である。図22において、便器本
体の正面には、ドアDrが取り付けられており、2点鎖
線に示すように開閉する。一方、便器本体に取り付けら
れた人体検知センサ100は、その発光素子111bの
半値角θが30゜であり、人が便座に座った場合や小便
のために人が水洗便器の前に立った場合に、その左足F
Rの付近を検知するように検知領域DAが設定されてい
る。
【0083】このように便器本体に配置された人体検知
センサ100の検出動作について図23を用いて概略す
る。図23は人体検知センサ100による検出信号を示
すタイミングチャートであり、縦軸に受光素子111c
からの信号レベルVsを示す。時点t0から時点t1ま
でトイレ室内は無人であり、時点t1にてドアが開き、
時点t2から人が着座とし、このとき、信号レベルVs
は、VGL→Vs1→Vs2であると仮定する。この場合
において、信号レベルVsは、VGLをバックグランドレ
ベルとすると、その偏差ΔVsは、時点t1から時点t
2がΔVs1(=Vs1−VGL)であり、時点t2を越
えると、ΔVs2(=Vs2−VGL)となる。そして、
ΔVsが閾値Avと比較され、これを越えたときに、人
体検知と判定される。すなわち、ΔVs1では、閾値A
vを越えないので、人体検知と判定されないが、ΔVs
2が閾値Avを越えると、人体検知と判定される。
【0084】一方、従来の技術で説明したように、図2
2の便器本体の中央に人体検知センサが配置されている
とすると、ドアDrとの距離Lxが、正面左側に配置さ
れた人体検知センサ100より近くなり、その信号レベ
ルVsが図23のVs3のように上昇し、Vs2に近く
なるので、誤った検出を生じやすい。しかし、人体検知
センサ100は、便器本体の正面かつ左右対称中心から
左方向へ離れた位置に設けられているので、ドアDrと
の距離がLxより遠く、信号レベルVsが大きくなら
ず、しかも検知領域DAが、便器本体の正面に立った場
合や便座に座った場合などのように、水洗便器を用便の
ために使用する際に確実に人の存在する領域となるの
で、誤った検出を生じない。
【0085】次に、水洗便器の洗浄動作処理について説
明する。図24は洗浄動作処理を説明するフローチャー
トである。本処理は、1秒ごとに繰り返し処理にて実行
される。まず、ステップS100にて、人体検知センサ
100に基づいて洗浄動作を開始する条件が成立してい
るか否かの判定が実行される。この処理は、図25に示
す他のルーチンにより実行され、条件が成立している
と、フラグFswが1にセットされる。この処理につい
ては後述する。ステップS100にて、洗浄動作の開始
条件が成立していると判定された場合には、ステップS
120からステップS140までの処理にて、洗浄動作
が実行される。
【0086】すなわち、ステップS120、ステップS
122、ステップS124にて、洗浄タイマTWSのセッ
ト、禁止タイマTPHのセットおよび掃除タイマTCLの
リセットがそれぞれ実行される。続くステップS126
にて、オンタイマTONが所定時間(120秒)以上であ
るかの判定が実行される。ここで、オンタイマTONは、
図25で示すルーチンにて人体検知センサ100が人体
を検出していたオン時間を計測するタイマである。この
オンタイマTONが所定時間(120秒)以上の場合には
ステップS130にて大洗浄が実行され、一方、所定時
間未満の場合にはステップS132にて小洗浄が実行さ
れる。すなわち、人体検知センサ100の検出時間の長
短により大洗浄または小洗浄のいずれかが選択される。
大洗浄および小洗浄の処理動作は、予め定められたシー
ケンスに基づき、先リム洗浄、ジェット洗浄、さらに、
後リム洗浄が実行される。
【0087】続くステップS134にて、洗浄タイマT
WSが減算されて、さらにステップS136にて、洗浄の
終了条件を満たしているか否かが判定される。ここで、
洗浄の終了条件は、後リム洗浄が終了したか否かにより
判定される。そして、ステップS136にて洗浄動作が
終了したと判定されたとき、フラグFWSがリセットされ
るとともに(ステップS137)、オンタイマTONおよ
びオフタイマTOFFがそれぞれリセットされる(ステッ
プS138、ステップS140)。
【0088】ここで、図25に示す洗浄動作の開始条件
のルーチンについて説明する。まず、ステップS101
にて、人体検知センサ100から検出信号Vsが読み込
まれ、続くステップS102にて、人体検知センサ10
0のグランドレベルGLと検出信号Vsとの差、つまり
信号レベルΔVsが演算され、その後、ステップS10
3にて、信号レベルΔVsが所定値Avを越えたか否か
が判定される。ステップS103にて、肯定判定、つま
り人体の検出と判定した場合には、ステップS104へ
進み、オンタイマTONがインクリメントされ、さらにス
テップS106にてオフタイマTOFFがリセットされ
る。そして、繰り返し処理にて、人体検知センサ100
からの検出信号がある間、オンタイマTONのインクリメ
ントが継続される。
【0089】一方、ステップS103にて人体を検出し
ていないと判定された場合には、ステップS108へ進
み、オフタイマTOFFが所定値(3秒)以下であるかが
判定される。ステップS108にて、オフタイマTOFF
が3秒以下であると判定されると、ステップS110へ
進み、オンタイマTONが1だけインクリメントされると
ともに、ステップS112にて、オフタイマTOFFがイ
ンクリメントされる。すなわち、人体検知センサ100
が人体を検出した後に、わずかな時間、人体が検出され
ない場合、たとえば、便座上の座り直しの場合を用便の
終了と判定しないために、オフタイマTOFFの処理が実
行される。
【0090】そして、ステップS108にて、オフタイ
マTOFFが3秒以上であると判定されると、ステップS
114にて、フラグFWSにて洗浄中であるか否かが判定
され、さらにステップS116にてオンタイマTONが0
でない場合、つまり人体の検出があった場合には、ステ
ップS118へ進み、フラグFWS、つまり人体検出し
たことを意味するフラグをセットする。
【0091】図24に戻り、ステップS100にて、人
体検出条件を満たしていないと判定された場合には、ス
テップS142へ進み、禁止時間中か否かが判定され
る。禁止時間(1秒)以内であると判定されると、ステ
ップS144で禁止タイマTPHが減算される。禁止タイ
マTPHは、洗浄動作を禁止するためのタイマである。す
なわち、洗浄処理が開始されてから、禁止時間にあると
きには、洗浄動作を実行しないで、重複した洗浄動作処
理を繰り返すのを防止している。
【0092】ステップS142にて禁止時間中でないと
判定されると、ステップS146にて、洗浄スイッチが
押し下げられたか否かが判定され、肯定判定されると、
ステップS120へ進み、洗浄動作が実行される。すな
わち、人体検知センサ100により人体検出がされてい
ない場合であっても、人の操作による洗浄スイッチの押
し下げが優先されて、洗浄動作が実行される。
【0093】ステップS142にて洗浄スイッチが押さ
れていないと判定されると、ステップS148にて、洗
浄動作中か否かが判定され、洗浄動作中であると判定さ
れた場合には、ステップS134へ進み、洗浄動作が終
了条件を満たすまで継続される。一方、ステップS14
8にて洗浄動作中でないと判定された場合には、ステッ
プS150の掃除処理へ移行する。
【0094】図26はステップS150の掃除処理を説
明するフローチャートである。図26において、ステッ
プS151からステップS162までの処理は、水洗便
器やトイレ室の掃除のための処理、つまり、人が用便の
ために使用していないにもかかわらず、人体検知センサ
100の検出信号に基づいて便器洗浄が実行されるのを
防止するための処理である。
【0095】ステップS151にて、掃除スイッチがオ
ン操作されたか否かの判定が実行される。掃除スイッチ
のオン操作の判定は、たとえば、洗浄スイッチが3秒以
上オンされたことを条件とする。ステップS151に
て、掃除スイッチがオンされたと判定された場合に、掃
除モードフラグFclがセットされ、ステップS152
に移行し、初期リム洗浄が実行される。初期リム洗浄
は、リム水路から洗浄水を吐出させることにより、ボー
ル部の表面を濡らして清掃を容易にする。続くステップ
S154にて、掃除タイマTCLがセットされる。掃除
タイマTCLは、洗浄便器などに要する時間を予め設定
して、その時間だけ便器洗浄の動作を停止するタイマで
ある。続くステップS156にて、掃除モードであるか
否かの判定が実行される。このステップS156では、
ステップS151にて掃除モードであるフラグがセット
されているから、ステップS158へ移行する。そし
て、ステップS158では、掃除タイマTCLを減算
し、続くステップS160にて、掃除モードが終了した
否かが判定される。掃除モードの終了は、洗浄スイッチ
が押されたか否か、および掃除タイマTCLの設定時間
が経過したかにより判定される。ステップS160に
て、掃除モードが終了していないと判定された場合に
は、ステップSからステップSの人体検出処理を経ない
で、最初の処理に戻す。そして、繰り返し処理にて、ス
テップS150、ステップS156を経てステップS1
58で減算しつつステップS160で掃除モードが終了
したと判定された場合には、ステップS162にて掃除
モードフラグFclをリセットし、掃除モードを終了す
る。
【0096】このように、掃除モードが設定された場合
に、掃除する人を検出しないように人体検出処理を行わ
ないで、無駄な洗浄動作を回避している。
【0097】図27は図23のグランドレベルGLを更
新する処理を説明するフローチャートである。ステップ
S190にて、人体検出信号の信号レベルVsが読み込
まれ、続くステップS192にて、信号レベルVsとグ
ランドレベルGLとの偏差が所定値La以上であるかが
判定される。ステップS192にて、所定値La以上で
あると判定されると、ステップS199にてカウンタC
GLがリセットされた後に本処理を終了し、一方、所定値
La以下であると判定されるとステップS194にてカ
ウンタCGLがインクリメントされる。続くステップS1
96にてカウンタCGLが所定値C0(15分)を越える
と、ステップS198へ進み、信号レベルVsがグラン
ドレベルVGLに設定される。
【0098】すなわち、信号レベルVsが所定時間以
上、たとえば、15分以上変わらないと判定されると、
グランドレベルVGLが変更される。これにより、トイ
レ室の環境の変化に対応して、正確な人体検出を行なう
ことができる。
【0099】また、図24のステップS146にて、人
体検知センサ100が人体を検知していない場合であっ
ても、操作スイッチによる操作開始の指令により洗浄動
作を開始するように構成したので、人が自動洗浄である
と認識しておらず、洗浄動作が行われないと認識した場
合であっても、人の動作が優先するから、違和感を生じ
ない。
【0100】また、洗浄水制御手段の他の態様として、
人体検知センサ100により人体を検出したときに、操
作手段による洗浄動作を促す報知手段を備えてもよい。
報知手段により、人体検知センサ100が人の使用を検
出することを報知するので、自動洗浄が行なわれること
を使用者が認識できる。報知手段の好適な態様として、
ランプなどを点滅させる発光手段や、音で人に知らせる
音響手段により構成することができる。
【0101】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能であり、例えば次のよ
うな変形も可能である。
【0102】(1) 洗浄水の給水圧を検出する圧力セ
ンサを備え、洗浄水制御手段は、上記圧力センサからの
検出信号に基づいて、洗浄水の給水圧を所定範囲内に制
御するように構成することができる。この構成により、
水道源の水圧が変動しても、所定の洗浄水の供給量で洗
浄を行なうことができる。
【0103】(2) 洗浄水制御手段が洗浄開始を起動
するための手段としては、洗浄開始の指令を、人の操作
による操作ボタンや、人体検知センサなどの各種の手段
をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例にかかる水洗便器10を示す斜視図で
ある。
【図2】水洗便器10の正面図である。
【図3】水洗便器10の縦方向断面図である。
【図4】便器本体20などを示す断面図である。
【図5】排水ソケット50の便器本体20に対する配置
関係を説明する説明図である。
【図6】カバーを外した状態における便器本体20の平
面図である。
【図7】水洗便器の給水系統を説明するブロック図であ
る。
【図8】バルブユニット60を示す断面図である。
【図9】図8のA−A線に沿った断面図である。
【図10】定流量弁の動作を説明する説明図である。
【図11】自閉弁64の付近を拡大して示す断面図であ
る。
【図12】切替弁の動作を説明するタイミングチャート
である。
【図13】バキュームブレーカ78A,78Bの付近を
拡大して示す断面図である。
【図14】バルブユニット60を駆動制御するための電
子制御回路80を示すブロック図である。
【図15】図14のスイッチSW1により設定される設
定値を説明する説明図である。
【図16】図14のスイッチSW2により設定される設
定値を説明する説明図である。
【図17】洗浄行程を説明するタイミングチャートであ
る。
【図18】便器本体を水平方向に切断した断面図であ
る。
【図19】人体検知センサ100を縦方向に切断した断
面図である。
【図20】人体検知センサ100の組付前の状態を示す
断面図である。
【図21】人体検知センサ100を取り付けた状態を便
器本体の内側から見た説明図である。
【図22】人体検知センサ100による検知領域を説明
する説明図である。
【図23】人体検知センサ100による検出信号を示す
タイミングチャートである。
【図24】洗浄動作処理を説明するフローチャートであ
る。
【図25】人体検知処理を説明するフローチャートであ
る。
【図26】掃除処理を説明するフローチャートである。
【図27】図23のグランドレベルを更新する処理を説
明するフローチャートである。
【符号の説明】
10...水洗便器 12...便座 14...便蓋 20...便器本体 22...ボール部 22a...覆水面 22b...露出面 23...凹部 24...滞留室 25...ジェットノズル 27...ジェット用連結管 28...リム通水路 28a...リム水出孔 28b...リム接続孔 29...リム用連結管 30...トラップ排水管 31...入口 32...上昇路 33...下降路 40...収納室 41...カバー 50...排水ソケット 51a...受け部 51b...連通管 51c...脚部 51...入水側接続管 52...水平接続管 52a...嵌合端 53...排水側接続管 53a...脚部 53b...排出口 60...バルブユニット 61a...流入口 61b,61c...流出口 61...分岐接続管 62...止水栓 63...定流量弁 63a...流路 63b...ケーシング本体 63c...通路 63d...ピストンガイド 63e...ピストン 63f...スプリング 63g...防振ゴム 63h...スプリング支持端 63i...円弧面 64...自閉弁 65...メインケース 65b...下部ケース 66a...一次側給水路 66b...二次側通水路 66c...給水弁座 66d...背圧室 67...ダイヤフラム弁 67a...ダイヤフラム 67b...ダイヤフラムサポート 67c...リテーナ 68...パイロット弁 68a...ブリード穴 68b...クリーニングピン 68c...上下動ガイド 69a...パイロット弁体 69b...パイロット弁座 69c...スプリング 69d...パイロット流路 70...切替弁 71...横蓋 72a...洗浄水分配室 72b...リム側ポート 72c...ジェット側ポート 73...操作ユニット 74a...アクチュエータ 74b...回転ドラム 74c...回転シャフト 74d...カム部材 74e...ギヤボックス 74f...出力ギヤ 74g...入力ギヤ 74h...スプリング 74i...電磁ソレノイド 74j...ゼンマイバネ 77...手動レバー 78A,78B...バキュームブレーカ 78Aa...弁体 78Ab...上流側弁座 78Ac...下流側弁座 80...電子制御回路 80a...中央制御部 82...バルブユニット駆動部 82...DC変換器 90...操作部 90a...保持体 91...操作スイッチ 92...リモートコントローラ 93...端子台 100...人体検知センサ 100b...便器センサ固定穴 111...検出部 111a...ケーシング 111b...発光素子 111c...受光素子 111d...ハーネス 112...取付体 114...パッキン 114a...凹所 115...ガラス板 116...化粧プレート 116a...開口 117...タッピンネジ 118a,118b...防水パッキン 119...固定プレート 119a...取付穴 119b...弾性係止片 120...固定プレート 120a...開口 120b...脚部 121...ネジ RW...溜水 Po...排水管 Pw...水道管 Pn...ニップル Pf...給水フレキシブル管 DSW...ディップスイッチ SW1...スイッチ SW2...スイッチ P...排水管 Cd...中継ハーネス ECU...電子制御部 Tp1,TP2...固定用マジックテープ Cn1,Cn2...コネクタ Dr...ドア
フロントページの続き (72)発明者 城戸 勉 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 太田 吉喜 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 鶴島 毅 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 2D039 AA02 FA02 FA05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給水源から供給される洗浄水を受ける水
    洗便器において、 汚物を受けるためのボール部を有する便器本体と、 上記便器本体の正面かつ左右対称中心から、左右方向へ
    離れた位置で上記便器本体に設けられ人体を検出したと
    き、人体検知信号を出力する人体検知手段と、 を備えたことを特徴とする水洗便器。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 給水源から供給された洗浄水をボール部へ供給および停
    止するバルブと、 上記人体検知手段から出力される人体検知信号に基づい
    て、洗浄水をボール部内に供給するように上記バルブを
    制御する洗浄水制御手段と、 を有する洗浄水供給手段、を備えたことを特徴とする水
    洗便器。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2の水洗便器にお
    いて、 上記人体検知手段は、赤外線投光素子と、該赤外線投光
    素子からの反射光を受けて上記人体検知信号を出力する
    赤外線受光素子と、を備えている水洗便器。
  4. 【請求項4】 請求項3の水洗便器において、 上記人体検知手段は、便器本体の外壁に対してシールし
    た状態にて上記赤外線投光素子および赤外線受光素子を
    保持するカバーを備えた水洗便器。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4の水洗便器にお
    いて、 透光性材料から形成され、上記赤外線投光素子および赤
    外線受光素子の検出領域側を覆いかつ上記両素子を保護
    する透光性保護部材を備えた水洗便器。
  6. 【請求項6】 請求項2の水洗便器において、 上記人体検知手段は、上記洗浄水制御手段に着脱可能な
    コネクタを介して接続した水洗便器。
  7. 【請求項7】 請求項6の水洗便器において、 上記人体検知手段とコネクタとを接続する接続線は、便
    器本体の裏面側に着脱可能に配設されている水洗便器。
  8. 【請求項8】 請求項2の水洗便器において、 洗浄開始の指令を、人の操作により洗浄水制御手段へ出
    力する操作手段を備え、 上記洗浄水制御手段は、人体検知手段からの検出信号が
    出力されていない場合であっても、上記操作手段による
    操作開始の指令により洗浄動作を開始するように構成し
    た水洗便器。
  9. 【請求項9】 請求項8の水洗便器において、 上記人体検知手段により人体を検出したときに、上記操
    作手段による洗浄動作を促す報知手段を備えた水洗便
    器。
  10. 【請求項10】 請求項9の水洗便器において、上記報
    知手段は、発光手段により構成した水洗便器。
  11. 【請求項11】 請求項9の水洗便器において、上記報
    知手段は、音響手段により構成した水洗便器。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし請求項11のいずれか
    の水洗便器を設置したトイレ装置において、 上記便器本体の正面をトイレ室のドアに向けて、該便器
    本体を設置したトイレ装置。
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WO2022050192A1 (ja) * 2020-09-04 2022-03-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 便器装置及び便座装置

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