JP2001295116A - 編成された衿地及びこの衿地を備えた衣服 - Google Patents

編成された衿地及びこの衿地を備えた衣服

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JP2001295116A
JP2001295116A JP2000107181A JP2000107181A JP2001295116A JP 2001295116 A JP2001295116 A JP 2001295116A JP 2000107181 A JP2000107181 A JP 2000107181A JP 2000107181 A JP2000107181 A JP 2000107181A JP 2001295116 A JP2001295116 A JP 2001295116A
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knitted
bending line
knitting
knitted fabric
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JP2000107181A
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Tadahiro Yoshida
忠寛 吉田
Hiroki Yamashita
浩樹 山下
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YOSHIDA HENSHOKU KK
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YOSHIDA HENSHOKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衿の折り目が明確となり、使用に際して、出
荷時に近い衿の形を保つことができ、或いは、衣服への
縫製に際して、容易に正確な縫製が可能となった編成さ
れた衿地の提供、並びに、この衿地を備えた衣服の提供
を図る。 【解決手段】 第1部1と第2部2との境界に折り曲げ
ライン3が編成され、この折り曲げライン3が、第1部
1と第2部2の双方の編地と異なる編地状態となってい
ることにより、この折り曲げライン3を境に第1部1と
第2部2とが折り曲げられる衿地、並びに、この衿地を
備えた衣服を提供する。折り曲げライン3は、第1部1
と第2部2の双方の組織より屈曲性の高い組織とするこ
とによって、第1部1と第2部2と共に編成することが
可能である。また、熱融解性繊維を含む糸を用いて折り
曲げライン3を編成し、この折り曲げライン3上の熱融
解性繊維糸を熱によって変性させて形成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ポロシャツやト
レーニングシャツの衿、Tシャツや下着の首周りに縫着
される衿テープと呼ばれる帯状の衿地等、編成された衿
地に関するものであり、また、この衿地を備えたポロシ
ャツやトレーニングシャツや下着等の上半身に着用する
衣服に関するもである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポロシャツやトレーニングシ
ャツには、編地によって形成された衿が用いられてい
る。またTシャツや下着の首周りに縫着される衿テープ
と呼ばれる帯状の衿地が縫着されている。これらの衿地
は、第1部と、この第1部から内側に折り曲げられる第
2部とを備える点で共通している。ポロシャツやトレー
ニングシャツの場合には、第2部が「衿腰」と呼ばれ、
衣服の身頃に縫製によって取り付けられるものであり、
第1部が「衿本体」として、第2部の表面側に折り返さ
れ首周りを飾ることとなる。Tシャツや下着の首周りに
縫着される衿テープの場合には、第1部と第2部とが折
り返され、両者が共に衣服の身頃に縫製によって取り付
けられ、その首周りを整える。
【0003】これらの衿地の第1部と第2部は、通常、
同じ組織で編成され、編地の段階では第1部と第2部の
区別はない。逆に言えば、身頃に縫着して衿地の形状が
プレス等によって整えられた段階で、第1部と第2部の
区別が付くこととなる。また、デザイン上第1部となる
「衿本体」にはジャガード折り等によって種々の模様が
付けられることがあるが、その場合にも、第2部の「衿
腰」との間に、折り曲げ用の組織が編成されることはな
く、衿地の形状がプレス等によって整えられた段階で、
第1部と第2部の区別が付けられる。さらに、日本国昭
和63年実用新案公開第60424号として、衿腰に通
気性を良くするためのメッシュ透かし目編部を形成する
ことが提案されているが、この場合にあっても、衿腰の
一部にメッシュ透かし目編部を形成するに止まり、第1
部と第2部との組織上の区別はない。他方、Tシャツや
下着の首周りに縫着される衿テープの場合にも、第1部
と第2部の区別はなく、二つ折りにされた第1部と第2
部が身頃に縫着された段階で、両者の区別が付くことと
なる。
【0004】このように、第1部と第2部の間に折り目
となるラインがなく、編地の段階では第1部と第2部の
区別がないため、ポロシャツやトレーニングシャツの場
合には、衿の折り目が不明確であり、衿本体の形が綺麗
に整わないと言った課題がある。特に、洗濯の回数が増
えると、衿の折り目が不明確となり、さらに、間違った
位置にアイロンが当てられたり、或いは、折り目を伸ば
して第1部と第2部とを平面状にしてアイロンが当てら
れたりすると、着用時に衿が左右不均一となって見苦し
いものとなる場合が多い。他方、Tシャツや下着の首周
りに縫着される衿テープの場合にも、第1部と第2部の
区別はないため、縫製時に、第1部と第2部の幅が不均
一となったりするおそれが高い。そのため、綺麗に一定
の幅で縫製するには、縫製に熟練を要したり、縫製に手
間取ると言った課題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本願発明の一つの目的
は、衿の折り目が明確となり、使用に際して、出荷時に
近い衿の形を保つことができる編成された衿地を提供す
ることにある。本願発明の他の目的は、衿の折り目が明
確となり、縫製に際して、容易に正確な縫製が可能とな
った編成された衿地を提供することにある。本願発明の
さらに他の目的は、これらの形の整った衿地を備えた衣
服を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本願の第1の発明
は、第1部1と、この第1部1から折り曲げられる第2
部2とを備え、少なくとも第2部2が衣服に取り付けら
れる編成された衿地4において、第1部1と第2部2と
の境界に折り曲げライン3が編成され、この折り曲げラ
イン3が、第1部1と第2部2の双方の編地と異なる編
地状態となっていることにより、この折り曲げライン3
を境に第1部1と第2部2とが折り曲げられるものであ
ることを特徴とする編成された衿地を提供する。このよ
うに、この折り曲げライン3が、第1部1と第2部2の
双方の編地と異なる編地状態となっていることにより、
衿の折り目が明確となり、使用に際して、出荷時に近い
衿の形を保つことができるものである。本願の第2の発
明は、上記の第1の発明に係る衿地において、上記の折
り曲げライン3が、第1部1と第2部2と共に編成され
たものであり、且つ、第1部1と第2部2の双方の組織
より屈曲性の高い組織により形成されたことを特徴とす
るものを提供する。このように、折り曲げライン3を形
成手段として、第1部1と第2部2の双方の組織より屈
曲性の高い組織により編成することによって、折り曲げ
ライン3を中心として、第1部1と第2部2の双方が良
好に折り曲がるものである。しかも、衿地4の編成時に
折り曲げライン3が形成されるため、別個の加工を施さ
ずとも、良好な折り曲げが実現し、生産性も向上させる
ことができるものである。本願の第3の発明は、上記の
第2の発明に係る衿地において、折り曲げライン3が、
フロントf側又はバック側bの何れか一方がニット
(n)され、他方がミス(m)又は目移し(t)された
組織を備えるものであることを特徴とするものを提供す
る。折り曲げライン3は、一方が疎で他方が密な組織と
することによって、疎の側を内側にして編地は自然と折
り曲がる。その具体的な手段としては、ミス(m)又は
目移し(t)の編成方法を採ることができるものであ
り、これらの組織を線状に配列することによって、自然
に折り曲がる折り曲げライン3が形成されるものであ
る。本願の第4の発明は、折り曲げライン3が熱融解性
繊維を含む糸を用いて編成され、この折り曲げライン3
上の熱融解性繊維糸を熱によって変性させることによ
り、折り目を形成したものであることを特徴とする請求
項1乃至3の何れかに記載の編成された衿地を提供す
る。折り曲げライン3を形成する別の方法として、熱融
解性繊維糸を熱によって変性させる手段を用いることに
よって、特殊な組織での編成を行わずとも、第1部1及
び第2部2と異なる編地状態の折り曲げライン3を形成
することができ、この折り曲げライン3から衿地4の自
然な折り曲がりが実現する。尚、この熱による変性は、
第2又は第3の発明に係る組織変更による折り曲げライ
ン3の形成と併用して実施することも可能である。本願
の第5の発明は、上記の各発明に係る編成された衿地4
と、身頃51とを備え、上記の衿地4の少なくとも第2
部2が身頃51に縫着されたことを特徴とする衣服を提
供する。このように、本願の第1乃至第4の発明に係る
ような、衿地の折り曲がりが常に美しく行い得る衿地4
を備えることによって、衿地4が綺麗に折り曲げられて
いないことによって衣服全体がだらしなく見えると言っ
た問題を解消することができるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本願発明の実
施の形態を説明する。図1は本願発明の実施の形態に係
る衿地の正面図であり、図2は同斜視図であり、図3は
図1の衿地を備えた衣服の斜視図である。図4は同衿地
の折り曲げラインの平行部の組織図であり、図5は同衿
地の折り曲げラインのバイアス部の組織図である。
【0008】この実施の形態に係る衿地4は、編成によ
って形成されたポロシャツ用の衿地であり、図1に示す
ように、展開状態で、全体が横長の略長方形をなしてい
る。この衿地4は、幅方向(編成の方向ではウエール方
向)に、第1部1と、この第1部1から折り曲げられる
第2部2とが並設されており、この第2部2が衣服5に
縫着によって取り付けられるものである。この第1部1
と第2部2との境界には、折り曲げライン3が編成され
ている。この衿地4全体は、一連の編成作業によって連
続して編まれたものであり、この折り曲げライン3も、
第1部1と第2部2と共に編成されている。そして、こ
の折り曲げライン3は、第1部1と第2部2の境界に形
成されている。この例では、第1部1と第2部2の境界
において、両者1,2の全長に渡って形成されている
が、必ずしも全長に渡って形成する必要はなく、第1部
1と第2部2とを間で折り曲げ易くできることを条件
に、断続的に設けてもよく、また、衿地4の長手方向の
中央部分のみに設けるようにしてもよい。
【0009】この衿地4の第1部1及び第2部2は、ポ
ロ衿に使用される種々の組織によって編成することがで
きる。例えば、ゴム編、リブ編、ラーベン編、ミラノリ
ブ編、ダブルジャガード編(ジャガード、リバーシブ
ル、リバーシブルジャガード等を含む)、インターシャ
編等の採用でき、これらの編組織を単独で、或いは、複
数種類を組み合わせて複合的な組織としてもよい。これ
らの基本組織に加えて、ニット、タック、ミス、目移し
等の手法によって、種々の模様を加えてもよく、従来の
衿用の編地同様、種々の変更が可能である。また、編成
後、プリント等によって柄を染色してもよい。
【0010】折り曲げライン3は、この例では、長手方
向の中央部分にて、編地のコース方向(衿地4の長手方
向)と平行に伸びる平行部3aと、その両端からウェー
ル方向(衿地4の幅方向)へ傾斜して伸びるバイアス部
3b,3bとからなる。このバイアス部3bは、第1部
1の衿本体の幅が、長手方向の両端に向かうに従って大
きくなるように傾斜して形成されたものであるが、第1
部1の衿本体の幅が、長手方向において均一でよけれ
ば、折り曲げライン3の全体を平行部3aのみで構成し
てもよい。また、第1部1の衿本体の形状をV字状にす
るならば、折り曲げライン3の全体をバイアス部3b,
3bのみで構成すればよい。さらに、バイアス部3b,
3bは直線状としているが、湾曲させることによって、
衿本体(第1部1)を弓状になすこともできる。
【0011】この折り曲げライン3は、第1部1と第2
部2の双方の組織より屈曲性の高い組織により形成され
ているものである。具体的には、折り曲げライン3は、
編地の片側の面(表面側又は裏面側)を、他方の面より
疎となる組織により形成されているものである。この疎
となる組織の例としては、片側の面の編み目をミスする
片面ミスの編成組織や、編み目を他方の面に目移しする
目移しの編成組織が挙げられる。
【0012】図4を参照して、片側の面の編み目をミス
する編成構成を説明すると、この組織は、第1コース3
1、第2コース32、第3コース33、第4コース34
の4つのコースから構成されており、図示は省略する
が、第1コース31は第1部1の組織にウエール方向に
隣接し、第4コース34は第2部2の組織にウエール方
向に隣接している。第1コース31と第4コース34は
フロントf側及びバックb側の双方をニット(n)した
ゴム編組織であり、第2コース32と第3コース33は
フロントfのみをニット(n)しバックb側の編み目を
ミス(m)することによりバックb側が疎となった組織
を構成するものである。尚、第1コース31と第4コー
ス34はゴム編以外の他の組織に変更可能であり、第
2、第3のコース32,33が、折り曲げライン3(平
行部3a)を構成していると理解し得る。この例では、
ミス(m)した組織を有するコース数は、2コースとし
ている。一般的には、ミス(m)した組織を有するコー
ス数は1〜3コース程度が適当であるが、糸の太さや編
み目の密度によって適宜変更することが可能である。
【0013】図5は折り曲げライン3(バイアス部3
b)の組織を示したもので、各コース41〜44は、フ
ロントf側をニット(n)し、バックb側を2目ずつミ
ス(m)したものであるが、ライン3の傾斜に従って、
ミス(m)する位置を順次ずらしているものである。こ
の例では、ミス(m)する目数を、1コース当たり2目
としている。一般的には、ミス(m)する目数は、各コ
ースにおいて1〜4目程度が適当であるが、糸の太さや
編み目の密度やバイアス部3bの傾斜角度によって適宜
変更することが可能である。
【0014】図6は目移しによって折り曲げライン3
(平行部3a)を形成した例を示すもので、第1コース
31と第4コース34はフロントf側及びバックb側の
双方をニット(n)したゴム編組織である。第2コース
32と第3コース33はフロントfのみをニット(n)
し、バックb側の編み目をフロントf側に目移し(t)
することによりバックb側が疎となった組織を構成する
ものである。尚、第1コース31と第4コース34はゴ
ム編以外の他の組織に変更可能であり、第2、第3のコ
ース32,33が、折り曲げライン3(平行部3a)を
構成していると理解し得る。この例では、目移し(t)
した組織を有するコース数は、2コースとしている。一
般的には、目移し(t)した組織を有するコース数は1
〜3コース程度が適当であるが、糸の太さや編み目の密
度によって適宜変更することが可能である。バイアス部
3bについては図示を省略するが、各コースにおいて、
適宜目数(1〜4目程度が適当)ずつ目移ししたもので
あり、ライン3の傾斜に従って、目移しする位置を順次
ずらしているものである。上記の例では、ミス又は目移
しを単独で用いたが、ミス又は目移しを併用することも
可能である。
【0015】上記の図4乃至図6に示す組織を備えた折
り曲げライン3は、バックb側が疎となっているため、
図2に示すように、バックb側を内側にして、第1部1
と第2部2とを美しく且つ容易に折り曲げることができ
るものであるが、全体の組織によっては、疎になった側
を外側にして折り曲げる方が、美しく且つ容易に折り曲
げることができる場合もある。言い換えれば、疎になっ
た組織は、フロント側でもバック側でも何れでも形成す
ることができる。
【0016】上記の衿地4は横編機を用いて編成するの
が適当であるが、その編成方法としては、次の2種を例
示し得る。第1の例は、通常の衿地4の編成方法と同様
に、編地の全長に渡って1つのコースで編み、ウェール
方向に編地を形成していく。図7の例で言えば、第1部
1から第2部2へと順次編成する方法を採るもので、折
り曲げライン3を形成する位置で、組織を上記のように
変更すればよい。図7はこの編成方法を説明するための
衿地4の正面図であり、図7において、衿地4の第1部
1は、長手方向の全長において第1部1のみの部分(第
1長方形領域11)と、第1部1の幅が増加する部分
(三角形領域12)とに便宜上区分して説明する。ま
た、第2部2においては、第1部1の幅が増加する部分
(三角形領域12)に挟まれた部分(逆台形領域21)
と、全長において第2部2のみの部分(第2長方形領域
22)とに区分する。この第1の例では、編地の一端か
ら他端までを連続して編成するもので、図7における矢
印の部分については、編地の一端から他端までを、第1
部1(三角形領域12)、折り曲げライン3(バイアス
部3b)、第2部2(逆台形領域21)、折り曲げライ
ン3(バイアス部3b)、第1部1(三角形領域12)
の順に、同一コース内で編み、コース内で、各領域に応
じた組織に変更して編み上げるものである。例えば、第
1部1と第2部2とがゴム編とすると、第1部1から折
り曲げライン3(バイアス部3b)へ移る箇所で、編組
織を上記のミスや目移し等の一方の面が疎となった組織
に変更して編むものである。
【0017】第2の例は、図8に示すように、まず第1
部1の全てを編成し、次に、折り曲げライン3(バイア
ス部3b)の全てを編成し、最後に、第2部分2の全て
を編成する。即ち、図8にて矢印で示すように、第1長
方形領域11の次に左右の三角形領域12,12をそれ
ぞれ階段状に引き返し編みして第1部1を完成させた
後、折り曲げライン3を一端から他端にかけて編み、そ
の次に、逆台形領域21を階段状に引き返し編みした
後、最後に第2長方形領域22を編成する。上記の第1
の例では、最も一般的な編成方法を利用することができ
るため汎用性が高い反面、折り曲げライン3(バイアス
部3b)が階段状になってしまうが、この第2の例で
は、折り曲げライン3のバイアス部3bが、滑らかなラ
インにすることができると言った利点がある。
【0018】次に、図9は、他の実施の形態を示すもの
で、この例では、図9(A)に示すように、衿地4の編
成時には折り曲げライン3を形成せずに、編成する。但
し、その際、エステル糸等の熱融解性繊維を含む糸を用
いて全体を編成する。編成後、折り曲げライン上3の形
状になした加熱用の型kによって、熱融解性繊維糸を熱
によって変性(溶融)させることにより、折り曲げライ
ン上3を形成するものである(図9(B)及び
(C))。このように、熱融解性繊維を含む糸を溶融さ
せることによって、折り曲げライン3が固くなり、これ
を境に第1部1と第2部2とを美しく且つ容易に折り曲
げることができる。尚、第1部1と第2部2とは、上記
の第1の実施の形態にて例示したように、種々の組織を
採用できる。第1部1と第2部2とは、それぞれ、別の
組織としてもよく、同一の組織としてもよい。
【0019】次に、図10は、他の実施の形態を示すも
ので、この例では、図10(A)に示すように、衿地4
の編成時には折り曲げライン3を特別な組織で編成せ
ず、第1部1と第2部2と同様の組織で編成する。但
し、その際、折り曲げライン3のみを、エステル糸等の
熱融解性繊維を含む糸を用いて全体を編成する。編成
後、編地全体を、加熱することによって、熱融解性繊維
を含む糸を溶融させる。これによって、折り曲げライン
3が固くなり、これを境に第1部1と第2部2とが区分
され、衿の形状を美しく且つ容易に折り曲げることがで
きる。尚、第1部1と第2部2とは、上記の第1の実施
の形態にて例示したように、種々の組織を採用できる。
第1部1と第2部2とは、それぞれ、別の組織としても
よく、同一の組織としてもよい。この変性のための加熱
は、熱融解性繊維を変性させることが可能な温度以上に
編地全体を加熱することによってなされる。この加熱
は、通常の編地の加工とは別工程で行ってもよいが、編
成後に衿地4を洗浄したり染色した際に、編地を乾燥さ
せるために通常行われる加熱における加熱温度以下で変
性する熱融解性繊維糸を用いることによって、別個の工
程を用いずに実施し得る。但し、先の実施の形態のよう
に、折り曲げライン上3の形状になした加熱用の型kに
よって、熱融解性繊維糸を熱によって変性(溶融)させ
ることにより、折り曲げライン上3を形成することも可
能である。さらに、前述の実施の形態にて示した衿地、
即ち、折り曲げラインが、第1部と第2部と共に編成さ
れたものであり、且つ、第1部と第2部の双方の組織よ
り屈曲性の高い組織により形成した衿地において、この
折り曲げラインを形成する組織のみを熱融解性繊維糸を
用いて編成してもよい。これにより、編組織と糸との双
方の性質を利用して、折り目が形成され、より保形性の
高い衿地を形成することができるものである。この場
合、前述の図8を参照して説明した引き返し編を利用
し、折り曲げライン3の箇所で熱融解性繊維糸に変更し
て編成すればよい。尚、折り曲げライン3以外の箇所
は、通常の綿糸や合成繊維糸等の非熱融解性繊維糸を用
いて編成する。以上の各実施例における折り曲げライン
3の製造方法は、複数を組み合わせて実施し得るもので
あり、また、折り曲げライン3を、他の部分より、硬い
組織や厚みの大きい組織に編成して、その部分を芯にし
て、折り曲がるようにしてもよい。
【0020】以上の各実施の形態に係る衿地は、ポロシ
ャツ、スポーツシャツ等の適宜な衣服5の身頃51と縫
着され、衣服が完成される。即ち、図3に示すように、
衿地4の第2部2が身頃51に縫着される。その際、衿
地4は長方形のまま身頃に縫着することも可能である
が、常法に従って、衿地(特に第2部2)を身頃(m)
の形状に応じて切断することも可能である。また、編成
の段階で、切断後の変形した形状に編成することも可能
である。尚、身頃51自体は、編成された編地であって
もよく、或いは織布であってもよく、種々の素材を用い
て実施し得る。
【0021】上記の各実施の形態の他、一般に、衿地と
しては、衿テープと呼ばれるものも存在する。これは、
図11に示すように、第1部101と第2部102との
双方が衣服5の身頃51に縫着されるものである。この
ような衣服としては、Tシャツやトレーニングシャツ等
の前開きでないシャツに多く採用されるが、このような
衿テープ104に対しても、本願発明は適用できる。通
常のこの衿テープ104の場合には、第1部101及び
第2部102共に均等な幅で折り曲げられるのが一般的
であるため、折り目ライン103も、長手方向に平行な
直線状として実施される。そして、衿テープ104の側
辺(第1部101及び第2部102の側辺)が、身頃5
1の生地の表面及び背面にそれぞれ縫着される。その
際、折り目ライン103が予め形成されていることによ
って、第1部101及び第2部102の幅は常に均一な
ものとでき、しかも、縫製作業においても予め折り目ラ
イン103が形成されていることによって、容易且つ正
確な作業を実現することができる。この折り目ライン1
03は、前述の各実施の形態に示した方法て形成するこ
とができるものである。尚、各実施の形態において、衿
地の編成については、第1部1側を編み始めとしてもよ
く、第2部側を編み始めとしてもよく、何れの編成方向
から編み始めてもよい。
【0022】
【発明の効果】本願の第1の発明は、衿の折り目が明確
となり、使用に際して、出荷時に近い衿の形を保つこと
ができ、或いは、衣服への縫製に際して、容易に正確な
縫製が可能となった編成された衿地を提供することがで
きたものである。本願の第2の発明は、上記の発明の効
果に加えて、衿地の衿地の編成時に折り曲げラインが形
成されるため、別個の加工を施さずとも良好な折り曲げ
が実現し、生産性も向上させることができる衿地を提供
することができたものである。本願の第3の発明は、上
記の発明の効果に加えて、折り曲げラインについて、ミ
ス又は目移しの編成方法を採ることにより、衿地の表裏
の一方が疎で他方が密な組織とすることができ、これに
より、折り曲げラインから自然に折り曲がる衿地を提供
することができたものである。本願の第4の発明は、第
1の発明の効果に加えて、折り曲げライン3を形成する
方法として、熱融解性繊維糸を熱によって変性させる手
段を用いることによって、特殊な組織での編成を行わず
とも、第1部1及び第2部2と異なる編地状態の折り曲
げライン3を形成することができる衿地を提供すること
ができたものである。また、第2又は第3の発明に係る
組織変更による折り曲げライン3の形成と併用して実施
することにより、より確実に折り曲がる折り曲げライン
3を形成することができたものである。本願の第5の発
明は、上記のような形の整った衿地を備えた衣服を提供
することができたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態に係る衿地の正面図であ
る。
【図2】同斜視図である。
【図3】図1の衿地を備えた衣服の斜視図である。
【図4】同衿地の折り曲げラインの平行部の組織図であ
る。
【図5】同衿地の折り曲げラインのバイアス部の組織図
である。
【図6】同衿地の折り曲げラインの平行部の他の実施の
形態に係る組織図である。
【図7】本願発明の実施の形態に係る衿地の編成手順を
示す正面図である。
【図8】本願発明の実施の形態に係る衿地の他の編成手
順を示す正面図である。
【図9】本願発明のさらに他の実施の形態に係る衿地を
示すもので、(A)は編成完了時の衿地の正面図、
(B)は折り曲げラインの加工段階の衿地の正面図、
(C)は折り曲げラインの加工完了時の衿地の正面図で
ある。
【図10】本願発明のさらに他の実施の形態に係る衿地
を示すもので、(A)は編成完了時の衿地の正面図、
(B)は折り曲げラインの加工完了時の衿地の正面図で
ある。
【図11】(A)は本願発明のさらに他の実施の形態に
係る衿地を備えた衣服の正面図であり、(B)と同衣服
の衿地部分の断面図である。
【符号の説明】
1 第1部 2 第2部 3 折り曲げライン 4 衿地 5 衣服 51 身頃

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1部と、この第1部から折り曲げられ
    る第2部とを備え、少なくとも第2部が衣服に取り付け
    られる編成された衿地において、 第1部と第2部との境界に折り曲げラインが編成され、 この折り曲げラインが、第1部と第2部の双方の編地と
    異なる編地状態となっていることにより、この折り曲げ
    ラインを境に第1部と第2部とが折り曲げられるもので
    あることを特徴とする編成された衿地。
  2. 【請求項2】 上記の折り曲げラインが、第1部と第2
    部と共に編成されたものであり、且つ、第1部と第2部
    の双方の組織より屈曲性の高い組織により形成されたこ
    とを特徴とする請求項1記載の編成された衿地。
  3. 【請求項3】 折り曲げラインが、フロント側又はバッ
    ク側の何れか一方がニットされ、他方がミス又は目移し
    された組織を備えるものであることを特徴とする請求項
    2に記載の編成された衿地。
  4. 【請求項4】 折り曲げラインが熱融解性繊維を含む糸
    を用いて編成され、この折り曲げライン上の熱融解性繊
    維糸を熱によって変性させることにより、折り目を形成
    したものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れ
    かに記載の編成された衿地。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかに記載の編成さ
    れた衿地と身頃とを備え、上記の衿地の少なくとも第2
    部が身頃に縫着されたことを特徴とする衣服。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009101899A1 (ja) * 2008-02-15 2009-08-20 Shima Seiki Mfg., Ltd. 折り返し編地部分を有する編地及びその編成方法
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CN111304813A (zh) * 2020-01-08 2020-06-19 东华大学 一种功能性全成型针织衣领及其制备方法

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