JP2001295053A - 堆積膜形成方法および堆積膜形成装置 - Google Patents

堆積膜形成方法および堆積膜形成装置

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JP2001295053A
JP2001295053A JP2000113617A JP2000113617A JP2001295053A JP 2001295053 A JP2001295053 A JP 2001295053A JP 2000113617 A JP2000113617 A JP 2000113617A JP 2000113617 A JP2000113617 A JP 2000113617A JP 2001295053 A JP2001295053 A JP 2001295053A
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antenna
discharge electrode
discharge
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electrode
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JP2000113617A
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Atsushi Koike
淳 小池
Hiroshi Sukai
浩士 須貝
Masahiro Kanai
正博 金井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯状基体207上に、均質な堆積膜を形成す
る。 【解決手段】 内部を減圧状態に保つための真空容器2
03内には、中央より根元側の表面積Sbよりも先端側
の表面積Stの方が大きい形状のアンテナ状放電電極1
01が設けられており、アンテナ状放電電極101の根
元側に、導電性電極支持体102と給電導体104とを
介して不図示の高周波電源が接続されている。アンテナ
状放電電極101には、先端側の表面積Stが比較的大
きい形状を有していることにより、先端側にキャパシタ
ンスが負荷され、これにより比較的高い周波数の高周波
電力を印加しても、アンテナ状放電電極101の長手方
向に亙って実質的に均一に放電をさせることができ、均
質な堆積膜を形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光起電力素子など
となる半導体薄膜を、プラズマCVD法により形成する
ための堆積膜形成方法および堆積膜形成装置に関する。
特に、例えば、アモルファスシリコンやアモルファス合
金を用いた太陽電池などの光起電力素子の半導体薄膜
を、連続的に作成する堆積膜形成方法および堆積膜形成
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アモルファスシリコンについては、Si
4やSi26などのSiを含有する原料ガスを高周波
放電によって分解しプラズマ状態にして、これを、この
プラズマ中に置かれた基板上に堆積させて成膜させる、
プラズマCVD法によって薄膜を形成する方法が、一般
に用いられている。このアモルファスシリコン膜につい
ては、プラズマCVD法によって大面積の薄膜を形成す
る事ができるため、結晶シリコンや多結晶シリコンに比
べて、大面積の半導体デバイスを比較的容易に形成する
事ができる。このため、アモルファスシリコン膜は、大
きな面積を必要とする半導体デバイス、具体的には、太
陽電池、複写機の感光ドラム、ファクシミリのイメージ
センサー、液晶ディスプレー用の薄膜トランジスタなど
に多く用いられている。
【0003】アモルファスシリコンを含む大面積の半導
体デバイスを製造する装置としては、米国特許4,40
0,409号明細書などに記載されている、ロール・ツ
ー・ロール(Roll−to−Roll)方式を採用し
た連続プラズマCVD装置が知られている。
【0004】この連続プラズマCVD装置は、十分に長
い帯状基体の搬送手段と、帯状基体の搬送経路に沿って
複数設けられているグロー放電室とを有している。この
連続プラズマCVD装置によれば、各グロー放電室にお
いて、必要とされる導電型の半導体膜を堆積形成させつ
つ、帯状基体をその長手方向に連続的に搬送させる。こ
れにより、複数のグロー放電室での半導体層形成を順次
行って、複数の半導体層が、半導体接合を有するように
順次積層された、大面積の半導体デバイスを連続的に形
成することができる。
【0005】このようにロール・ツー・ロール方式の連続
プラズマCVD装置を用いれば、製造装置の起動、停止
を繰り返すことなく、長時間連続して運転して、大面積
の半導体デバイスを効率的に製造することができるの
で、高い生産性を得ることができる。
【0006】プラズマCVD法によってアモルファスシ
リコン膜を形成する場合、放電用の高周波としては、従
来、RF周波数(13.56MHz近傍)の高周波が一
般に用いられてきた。しかし、近年、VHF周波数(約
30〜300MHz)の高周波を用いたプラズマCVD
が注目されている。
【0007】例えば、「Amorphous Sili
con Technology」1992,p.15〜
26(Materials Research Soc
iety Symposium Proceeding
s Volume 258)には、放電用の高周波とし
てVHF周波数の高周波を用いることにより、13.5
6MHzのRF周波数の高周波を用いる場合に比べ、成
膜速度を格段に高めることができ、高速で良好な堆積膜
を形成可能であることが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、大面積
の堆積膜を形成するロール・ツー・ロール方式の連続プラ
ズマCVD装置において、放電用の高周波としてVHF
周波数の高周波を用いると以下の様な問題が生じた。
【0009】1つの問題は、大面積に均一な放電を生起
しようとして、RF周波数での放電において一般的に用
いられる大面積の平板放電電極を、VHF周波数での放
電に用いると、短波長化に起因して放電電極表面での電
位分布が不均一になることにより、放電電極全体に一様
で安定な放電を生起させることができず、大面積の領域
に均一なプラズマを生成ることができないという問題で
ある。
【0010】そこで、棒状やラダー型のアンテナ状放電
電極を用いると、放電電極部材の直上においては均一な
プラズマを生成できるものの、例えば、1本の棒状の放
電電極を用いる場合には、放電電極から離れるにしたが
って急速にプラズマ密度が低下してしまい、また複数本
の放電電極を用いる場合には、棒状の放電電極の中間の
領域やラダーの空隙部など、放電電極部材から離れた領
域でのプラズマ密度が顕著に低下してしまう。このた
め、半導体膜の堆積速度が、放電電極部材の直上と放電
電極部材から離れた領域とで大きく相違してしまう。堆
積速度の相違は、とりもなおさず膜質の相違をもたら
す。したがって、帯状基体には、搬送されるにしたがっ
て異なる膜質の半導体膜が順次形成され、異なる膜質の
複数の半導体膜が積層された構造を有するようになって
しまう。本来、1つのグロー放電室で形成される半導体
膜は、均質で界面のないことが重要であり、半導体層に
前述のような構造が形成されてしまうと、半導体デバイ
スの特性に、好ましくない影響が現れてしまう。
【0011】もう1つの問題は、アンテナ状放電電極に
VHF周波数の電圧を印加すると、RF周波数の電圧を
印加する場合には発生しなかった局所加熱が発生してし
まうということである。放電時の放電室内の圧力、投入
電力によっては、放電電極の先端部分、根元部分など、
放電電極のある一部分が、そこに定在波が立ったよう
に、放電中に赤熱する。このような局所加熱が発生する
と、放電電極の加熱した部分からの輻射熱により帯状基
体が加熱されて、帯状基体上の温度分布が不均一にな
り、このために半導体膜の堆積速度分布も不均一にな
り、また経時的な堆積速度も変化して、膜質の均一性が
損なわれてしまう。また、放置すれば、放電電極の赤熱
部分が変形し、さらには、赤熱部の機械強度が低下して
放電電極の重量に耐えられなくなり、折れ曲がるなど、
堆積膜形成装置に重度の損傷をもきたすことになってし
まう。
【0012】また、伝導性を有する半導体膜を形成する
場合には、電極からの長時間に亙る放電によって、電極
と接地電位の部材との間の、堆積膜を介しての絶縁劣化
が起こり、このために放電が著しく不安定になってしま
う場合がある。このように放電が不安定になると、膜厚
が不均一になり、素子の特性が悪化してしまい、さらに
は放電を維持できなくなってしまうという問題が生じ
る。
【0013】そこで、本発明の目的は、大面積にわたっ
て均一な放電を、安定して長時間維持でき、放電室内の
放電電極上を移動する基板上に、大面積にわたって、高
品質で優れた均一性を有する堆積膜を形成できる堆積膜
形成方法および堆積膜形成装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
め、本発明による堆積膜形成方法は、原料ガスを、内部
を減圧状態に保った真空容器内に、ガス導入管を介して
導入しつつ、真空容器内に配置されている放電電極に高
周波電力を供給して放電させて、プラズマ化させる工程
と、プラズマ化させた原料ガスを、真空容器内に配置さ
れている基体上に堆積させる工程とを有する、プラズマ
CVD法による堆積膜形成方法において、放電電極とし
て、中央より根元側の表面積Sbよりも先端側の表面積
Stの方が大きい形状のアンテナ状放電電極を用いて、
アンテナ状放電電極の根元側から高周波電力を印加して
放電を行うことを特徴とする。
【0015】この方法によれば、アンテナ状放電電極
を、中央より根元側の表面積Sbよりも先端側の表面積
Stの方が大きい形状として、アンテナ状放電電極の先
端寄りに、いわゆるキャパシタンスを負荷することによ
り、比較的高い周波数の高周波電力を印加しても、アン
テナ状放電電極の放電面に電界を局所的に集中させるこ
となく、アンテナ状放電電極からアンテナ状放電電極の
長手方向に亙って実質的に均一に放電をさせることがで
きる。
【0016】アンテナ状放電電極のより具体的な形状と
しては、棒状のロッド部とロッド部の先端に設けられて
いる先端部とを有し、ロッド部の、その長手方向に沿っ
て先端部と同じ長さ分の部分の表面積よりも、先端部分
の表面積が大きい形状とすることができる。
【0017】放電をアンテナ状放電電極の長手方向に亙
って実質的に均一にさせる作用は、St/Sb≧1.1
5になるようにした場合に、特に効果的に得られる。
【0018】本発明において、給電導体が接続されてお
りこの給電導体からの電力をアンテナ状放電電極に伝達
する、アンテナ状放電電極を支持する導電性電極支持体
を設け、真空容器内に、アンテナ状放電電極と前記導電
性電極支持体との接続部を囲むように誘電体を設け、誘
電体をさらに囲むようにアースシールドを設けることに
より、不必要な個所での放電を防止し、かつ電力供給経
路の容量成分を抑制し、したがって電力損失を低減して
効率的に電力を供給することができる。
【0019】アンテナ状放電電極としては、中空構造の
ものを用いることができ、このような中空構造のアンテ
ナ状放電電極を用いることにより、アンテナ状放電電極
の支持部に加わる応力を低減することができる。
【0020】本発明による堆積膜形成方法は、長時間に
わたって安定して均質な堆積膜を形成することができる
特徴を有しているので、特に、基体として帯状基体を用
い、帯状基体を、搬送機構により、アンテナ状放電電極
の近くを通過するように連続的に搬送させつつ、帯状基
体上に堆積膜を連続的に堆積させる堆積膜形成方法に対
して、好適に適用することができる。
【0021】また、本発明による堆積膜形成方法は、ア
ンテナ状放電電極を用いているので、平板放電電極を用
いた場合には均等なプラズマを発生させることが困難
な、約30〜300MHzのVHF周波数の電力をプラ
ズマ発生用の電力として用いる堆積膜形成方法に対し
て、好適に適用することができる。
【0022】本発明による堆積膜形成装置は、内部を減
圧状態に保つための真空容器と、原料ガスを真空容器内
に導入するためのガス導入管と、放電により原料ガスを
プラズマ化させるための、真空容器内に配置されている
放電電極とを有し、プラズマCVD法により、真空容器
内に配置した基体上に堆積膜を形成する堆積膜形成装置
において、放電電極が、中央より根元側の表面積Sbよ
りも先端側の表面積Stの方が大きい形状を有し、根元
側に電源が接続されているアンテナ状放電電極であるこ
とを特徴とする。
【0023】本発明による堆積膜形成装置は、供給電力
を、比較的高い周波数にすることにより、プラズマ密度
を上げて、より高い速度で堆積膜を形成させ、一方、比
較的低い周波数に、すなわち比較的長い波長にすること
により、より均一性の高い堆積膜を形成させられるよう
に、アンテナ状放電電極に供給する電力の周波数を、1
3.56MHz〜2.45GHzの間で適宜選択可能で
あることが望ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を、図1,2を
参照して説明する。また、本発明を完成するに際して得
た知見、その作用などについても述べる。
【0025】図1は、本実施形態の堆積膜形成装置の、
アンテナ状放電電極101が設けられている真空容器2
03の模式的な断面図である。図2は、ロール・ツー・ロ
ール(Roll to Roll)方式の連続プラズマC
VD装置である、本実施形態の堆積膜形成装置の全体を
示す模式図である。
【0026】図2に示すように、この堆積膜形成装置
は、半導体膜を形成するための帯状基体207が巻き取
られているボビン206が配置され、帯状基体207の
送り出し機構が配置されている真空容器201と、半導
体膜が形成された帯状基体207の巻き取り機構が配置
されている真空容器205とを有しており、真空容器2
01と真空容器205との間に帯状基体207の搬送経
路が形成されている。帯状基体207の搬送経路に沿っ
て、第1の導電型の半導体層作成用の真空容器202
と、i型の半導体層作成用の真空容器203と、第2の
導電型の半導体層作成用の真空容器204とが順に配置
されている。真空容器201〜205のそれぞれの間に
は、帯状基体207が通過可能な狭い通路が設けられ、
各通路には、ゲートガスを導入するためのゲートガス導
入管209a,209b,209c,209dがそれぞ
れ設けられており、これらによって、ゲートガスを流す
ことにより、各真空容器201〜205間で気体が流通
しないようにするための、ガスゲート208a,208
b,208c,208dが形成されている。
【0027】各真空容器202〜204には、内部を減
圧状態にするための不図示の真空ポンプが接続されてい
る排気管が設けられており、排気管には、内部の圧力を
調節するためのスロットルバルブ212a,212b,
212cが設けられている。各真空容器202〜204
内には、帯状基体207の上面に対向する位置に、帯状
基体207を処理に適した温度に加熱するための加熱手
段210a,210b,210cが設けられている。
【0028】RF周波数でのプラズマCVD処理を行う
ための真空容器202,204内には、帯状基体207
の下面に対向する位置に、不図示の高周波電源に接続さ
れている平板放電電極213a,213bが設けられて
いる。また、真空容器202,204には、半導体膜の
原料となる原料ガスを、不図示のガス導入手段から平板
放電電極213a,213b付近に導入するためのガス
導入管211a,211cが設けられている。
【0029】これに対して、真空容器203は、本発明
の特徴である、VHF周波数でのプラズマCVD処理を
行うためのものである。以下に、この真空容器203内
のプラズマ発生用の電力供給経路の周りの構成について
説明する。
【0030】図1,2に示すように、真空容器203内
の、帯状基体207の下面に対向する位置には、帯状基
体207の搬送方向に実質的に直交する方向に延びる、
円柱形状のロッド部と、ロッド部の断面よりも大きい半
径の球状の先端部とを有するアンテナ状放電電極101
が設けられている。アンテナ状放電電極101は、給電
導体104が接続されている導電性電極支持体102に
より支持されている。真空容器203には、半導体膜の
原料となる原料ガスを、不図示のガス導入手段からアン
テナ状放電電極101付近に導入するためのガス導入管
211bが設けられている。
【0031】真空容器203の内側、アンテナ状放電電
極101の周りには、不必要な領域で膜堆積が生じない
ように、放電によって生じるプラズマを閉じ込めるため
の放電箱107が配置されている。
【0032】アンテナ状放電電極101と導電性電極支
持体102との接続部の周りには、円筒状の誘電体10
3が、さらにその周りには、アースシールド105が、
それぞれ間隙を置いて取り囲むように配置されている。
【0033】次に、各構成要素についてさらに詳細に述
べる。 (1)アンテナ状放電電極、導電性電極支持体および給
電導体 給電導体104としては、同軸ケーブルなどが用いられ
る。給電導体104は、高周波電力を供給するための、
真空容器203の外部に配置されている不図示の高周波
電源まで延びており、高周波電力は、高周波電源から給
電導体104、導電性電極支持体102を介して、アン
テナ状放電電極101に供給される。
【0034】アンテナ状放電電極101と帯状基体20
7との距離や、アンテナ状放電電極101と放電箱10
7の壁面との距離は、放電時の真空容器203内の圧力
や放電電力などを考慮して、異常放電が発生しない距離
に設定することが望ましい。
【0035】放電箱107を設けることにより、不必要
な領域での膜堆積を防止して、メンテナンスに要する時
間を短縮できるメリットが得られるが、放電箱107を
設けずに、真空容器203の壁面に、壁面への膜堆積を
防止するための防着板を直接設置してもよい。この場合
には、防着板面とアンテナ状放電電極101との距離
を、異常放電が発生しない距離に設定することが望まし
い。
【0036】導電性電極支持体102は、アンテナ状放
電電極101と接続されて1つの電力供給経路を形成す
ることから、この電力供給経路中にインピーダンスの急
変部位を形成しないように、電力の伝播方向と直交する
断面の外形形状が、アンテナ状放電電極101のロッド
部の断面の外形形状と極力同一であることが望ましい。
導電性電極支持体102の材質は、一般にはステンレス
材で十分であるが、電力の伝播効率を向上させるため
に、例えばAgメッキ処理などの伝導率を向上させる処
理を施すことが好ましい。
【0037】アンテナ状放電電極101への投入電力
を、比較的高い周波数にすることにより、プラズマ密度
を上げて、より高い速度で堆積膜を形成することができ
る。一方、供給電力を比較的低い周波数に、すなわち比
較的長い波長にすることにより、より均一性の高い堆積
膜を形成することもできる。そこで、アンテナ状放電電
極101に供給する電力の周波数は、13.56MHz
以上、2.45GHz以下の間で、必要に応じて適宜選
択可能であることが望ましい。
【0038】ここで、使用する電力の周波数を高くする
と、アンテナ状放電電極101からの放電が、その長手
方向に不均一になってしまう。本実施形態の堆積膜形成
装置では、このように放電が不均一になることを避ける
ために、アンテナ状放電放電電極101の形状を、中央
よりも先端寄りに表面積の大なる部分を設けた形状とす
ることにより、中央よりも先端寄りに、いわゆるキャパ
シタンスを負荷している。このように、アンテナ状放電
電極101の中央よりも先端寄りにキャパシタンスを負
荷することにより、高い周波数の電力を印加した場合で
も、アンテナ状放電電極101から、その長手方向に亙
って実質的に均一に放電させることができる。また、均
一かつ円滑に放電させることができるので、放電面で電
界が集中しないようにできる。
【0039】このように放電の均一性を向上させること
ができるアンテナ状放電電極101の形状を調べるた
め、中央より先端側の表面積Stと根元側(電力を印加
する側)の表面積Sbとの表面積比(St/Sb)が異
なる形状のアンテナ状放電電極101について次のよう
な比較を行った。すなわち、原料ガスとして、SiH4
を100sccm(sccm:標準状態の気体で1cm3
/minに相当する流量)、H2を500sccmで供給
し、周波数100MHzで700Wの高周波電力を供給
し、真空容器203内の圧力を20mTorr(2.6
7Pa)、帯状基体207の温度を350℃として、帯
状基体207上に薄膜を堆積させ、薄膜形成させた帯状
基体207から、搬送方向に直交する方向(アンテナ状
放電電極101の長手方向)に等間隔に5cm角のサン
プルを4個切り出し、その薄膜の膜厚分布を調べた。表
面積比(St/Sb)が異なる5種類のアンテナ状放電
電極101を用いて実施した結果を表1に纏めて示す。
ここで、表1に示した膜厚偏差とは、表面積比の異なる
それぞれのアンテナ状放電電極101を用いた場合につ
いて、4つ切り出したサンプルの膜厚を4つのサンプル
の平均膜厚で割った比率で示している。
【0040】
【表1】
【0041】表1に示している結果から、表面積比(S
t/Sb)が1.15以上のアンテナ状放電電極101
を用いた場合に膜厚偏差を5%以下とすることができる
ことが分かる。アンテナ状放電電極101の形状はこの
ような形状にすることが望ましい。しかしながら、この
ような形状にすると、導電性電極支持体102とアンテ
ナ状放電電極101との接合部からアンテナ状放電電極
101の重心までの距離が比較的大きくなってしまい、
接合部にかかる力が比較的大きくなってしまう。そこ
で、アンテナ状放電電極101を図3に示すように中空
構造にして軽量化し、接合部に加わる力を低減しても良
い。但しこの場合には、アンテナ状放電電極101の熱
伝導性が幾らか低下することを考慮する必要がある。 (2)アースシールド アースシールド105は、アンテナ状放電電極101へ
効率よく送電を行うために、高周波電源から供給される
高周波電力の、不必要な個所での放電を防止する機能を
担っている。そのため、アースシールド105の構成材
料としては、磁性を有さない導体が適している。 (3)誘電体 導電性電極支持体102とアースシールド105との間
に、誘電体103を設けることにより、導電性電極支持
体102とアースシールド105との間隔を広げ、異常
放電を抑制しながら、かつ電力供給経路の容量成分を抑
制でき、結果として電力損失を少なくすることができ
る。
【0042】誘電体103の構成材料としては、導電性
電極支持体103を取り囲むように配置されているた
め、熱伝導性、真空特性(ガス放出特性)、機械強度、
加工性、電気絶縁性、耐熱性、高周波特性などに優れた
材料を用いることが望ましい。このような特性を兼ね備
えた材料として、特に、セラミックスを好適に用いるこ
とができる。
【0043】誘電体103の構造に関しては、特にプラ
ズマに曝される部位に関して、次の点が重要である。 (a)放電電極に接触しない構造とする。
【0044】堆積膜形成時には、帯状基体207以外
の、プラズマに曝される堆積膜形成装置の部材表面に、
プラズマ化された原料ガスの一部が堆積膜を形成してし
まう場合がある。このように堆積膜が形成されてしまっ
た場合、特に、伝導性半導体膜の形成時において、接地
電位の部材、特にアンテナ状放電電極101の近くに配
置されている誘電体103に、導電性の堆積膜が形成さ
れてしまうと、アンテナ状放電電極101と誘電体10
3との間の絶縁性が低下してしまう。また、絶縁性の堆
積膜が形成されてしまった場合においても、放電によっ
て高温になったアンテナ状放電電極101と接触するこ
とにより、誘電体103が昇温すれば、誘電体103の
誘電正接が著しく増加し、さらに、このために、局所的
な誘電加熱が発生して、安定した放電を維持できなくな
ってしまう危惧がある。
【0045】このような誘電体103への堆積膜の形成
による悪影響を抑止するために、誘電体103の構造
を、アンテナ状放電電極101に接触しない構造とする
ことが望ましい。このことは、特に導電性半導体膜を形
成する堆積膜形成装置においては、アンテナ状放電電極
101と誘電体103との間の絶縁劣化を回避する対策
として必須である。 (b)鋭いエッジが無い端面形状とする。
【0046】誘電体103の表面に伝導性半導体膜など
が堆積され、この導体部分が帯電すると、電荷が端面の
鋭いエッジ部に集まって、強電界部位が形成され、この
部位と、対極となるアンテナ状放電電極101との間に
異常放電が発生する危惧がある。そこで、(a)の対策
と合わせて、誘電体103の端面に面取り加工、R加工
などの処理を行い、鋭いエッジが無い端面形状にするこ
とで、伝導性の堆積膜が形成されてしまった場合の、ア
ンテナ状放電電極101と誘電体103との間の、堆積
膜を介しての絶縁劣化を、より効果的に防止することが
できる。
【0047】特にセラミックスでは、メンテナンス時の
作業時にカケ、割れが生じて、鋭いエッジ部が形成さ
れ、この部分が異常放電の発生部位となる危惧があるの
で、面取り加工、R加工などの処理を十分丁寧に行う必
要がある。
【0048】次に、本実施形態の堆積膜形成装置による
堆積膜形成方法について、作成手順に従い説明する。
【0049】まず、真空容器201内に、帯状基体20
7が巻きつけられたボビン206をセットし、帯状基体
207を、ガスゲート208a、第1の導電型の半導体
層作製用の真空容器202、ガスゲート208b、i型
の半導体層作製用の真空容器203、ガスゲート208
c、第2の導電型の半導体層作製用の真空容器204、
ガスゲート208dを介して、真空容器205まで通
し、たるみのない程度に張力調整を行う。
【0050】そこで、各真空容器201〜205内を、
不図示の真空ポンプで真空引きし、所定の圧力まで減圧
させる。
【0051】次に、ガスゲート208a〜208dに、
ゲートガス導入管209a〜209dより、ゲートガス
としてH2を所定の流量で流し、加熱手段210a〜2
10dにより、帯状基体207をそれぞれの堆積膜形成
に適した所定の温度に加熱する。そして、ガス導入手段
211a〜211cに、それぞれの堆積膜の原料となる
原料ガスを所定の流量で導入する。この際、ガスを導入
している状態で、真空容器202〜204内の圧力を、
プラズマCVD処理に適した所定の圧力となるように、
圧力計(不図示)を見ながらスロットルバルブ212a
〜212cの開度を変えて、調整する。
【0052】その後、真空容器202,204の平板放
電電極213a,cに、所定の出力のRF周波数の電力
を供給し、真空容器203のアンテナ状放電電極101
に、所定の出力のVHF周波数の電力を供給する。そし
て、帯状基体207を搬送させることにより、帯状基体
207上に、第1の導電型の半導体層、i型の半導体
層、第2の導電型の半導体層を順に積層させる。
【0053】本実施形態の堆積膜形成装置では、VHF
周波数での放電を行うアンテナ状放電電極101につい
て、その形状を、アンテナ状放電電極101の中央より
根元側の表面積Sbよりも先端側の表面積Stの方が大
きい形状として、中央より先端側にキャパシタンスを負
荷することにより、アンテナ状放電電極101からその
長手方向に亙って実質的に均一に放電させることができ
る。これにより、アンテナ状放電電極101の長手方向
に亙って均一な膜質の堆積膜を形成することができる。
また、均一かつ円滑に放電させることができるので放電
面で電界が局所的に集中しないようにでき、長時間に亙
って放電を行っても、電界が集中して局所的に加熱する
ことにより堆積膜の膜質が不均一になったり、アンテナ
状放電電極101が変形したりすることを抑止できる。
【0054】次に、以上説明した本発明による実施形態
の堆積膜形成方法により、具体的な半導体素子を形成す
る実施例について説明する。なお、以下の実施例は例示
であり、本発明は、これらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。
【0055】(実施例1)本実施例では、帯状基体20
7上にシングル型光起電力素子を連続的に作成した例を
示す。この際、アンテナ状放電電極101としては、直
径20mmの円柱形状のロッド部とロッド部の先端に位
置する、直径80mmの球状の先端部とを有する、長さ
600mmのW(タングステン)製アンテナ状放電電極
を用いた。
【0056】帯状基体207としては、幅300mm、
長さ200m、厚さ0.13mmのSUS430BA製
の基体に、十分に脱脂、洗浄を行った後、下部電極とし
て、スパッタリング法により、銀薄膜を100nm(反
射層)、ZnO薄膜を1μm(反射増加層)蒸着したも
のを用いた。
【0057】帯状基体207をセットした後、各真空容
器201〜205を、不図示の真空ポンプにより真空引
きし、内部の圧力を1×10-4Torr(1.33×1
-4hPa)以下まで減圧させた。ゲートガスとして
は、H2を用い、各々のゲートガス導入管209a〜2
09dに、700sccmの流量で流した。帯状基体2
07は、各々の加熱手段210a〜210cで350℃
に加熱した。
【0058】次に原料ガスとしては、ガス導入管211
aには、SiH4ガスを160sccm、PH3/H
2(PH3濃度2%)ガスを120sccm、H2ガスを
700sccm導入した。また、ガス導入管211bに
は、SiH4ガスを100sccm、H2ガスを500s
ccm導入した。また、ガス導入管211cには、Si
4ガスを10sccm、BF3/H2(BF3濃度2%)ガ
スを250sccm、H 2ガスを100sccm導入し
た。原料ガス導入後の真空容器202、204内の圧力
は、1.02Torr(1.36hPa)に、真空容器
203内の圧力は、16mTorr(2.13Pa)に
調整した。
【0059】プラズマ発生用の電力としては、平板放電
電極213a,213bには、13.56MHz、20
0Wの電力を、アンテナ状放電電極101には、100
MHz、700Wの電力を供給した。
【0060】以上の条件で、第1の導電型の半導体層、
i型の半導体層、第2の導電型の半導体層を順に、連続
的に積層した帯状基体207を切断して複数の基板を切
り出し、第2の導電型の半導体層の上に、透明電極とし
て、ITO(In23+SnO2)を真空蒸着にて70
nm蒸着させ、さらに集電電極として、Alを真空蒸着
にて2μm蒸着させて、光起電力素子を作成した。
【0061】以上の、実施例1の光起電力素子の作成条
件を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】(比較例1)実施例1に対する比較例1と
して、アンテナ状放電電極101として、直径20mm
の円柱状のロッド部のみの形状のものを用い、実施例1
と同様のシングル型光起電力素子を作成した。他の条件
は、実施例1と同様にした。
【0064】実施例1および比較例1により、半導体層
を連続的に積層した各帯状基体207から、成膜開始の
比較的初期の成膜位置A点において、帯状基体207の
搬送方向に直交する方向(アンテナ状放電電極101の
長手方向)に等間隔に4サンプル、5cm角で切り出
し、さらに、A点から搬送方向に10m過ぎた位置B点
において、やはり同様に4サンプルを切り出して光起電
力素子を作成した。このようにして作成した実施例1の
光起電力素子と比較例1の光起電力素子を、AM−1.
5(100mW/cm2)光照射下に設置し、光電変換
効率を測定した。これにより、アンテナ放電電極101
の長手方向の光電変換効率のバラツキと、光電変換効率
の作成過程における経時変化、および歩留まりを評価し
た結果を表3に示す。
【0065】
【表3】
【0066】ここで、表3に示した電極長手方向の特性
のバラツキとは、A点とB点とのそれぞれにおける、比
較例1で作成した光起電力素子のアンテナ状放電電極1
01の長手方向の4サンプルの光電変換効率の(最大値
/最小値)の値を基準にして、実施例1により作成した
光起電力素子のA点、B点それぞれにおける4サンプル
の(最大値/最小値)の値を示すものである。また、基
体搬送方向の特性のバラツキ(経時変化)とは、比較例
1で作成した帯状基体107から、A点とB点とのそれ
ぞれにおいて切り出した4サンプルの光起電力素子の光
電変換効率の平均値の比を基準にして、実施例1で作成
した帯状基体107から、A点とB点とのそれぞれにお
いて切り出した4サンプルの光起電力素子の光電変換効
率の平均値の比の値を示すものである。
【0067】表3に示すように、比較例1の光起電力素
子に対して、実施例1の光起電力素子は、アンテナ状放
電電極101長手方向の特性均一性、帯状基体207搬
送方向の特性均一性、および歩留まりのいずれにおいて
も優れてることが分かった。
【0068】(実施例2)本実施例では、アンテナ状放
電電極101として、実施例1のアンテナ状放電電極1
01と外形は同一で、内部が一部中空になっているもの
を用いてシングル型光起電力素子を作成した。他の条件
は、実施例1と同様にした。
【0069】本実施例により作成した光起電力素子につ
いて、アンテナ放電電極101の長手方向の光電変換効
率のバラツキと、光電変換効率の作成過程における経時
変化、および歩留まりを、比較例1と比較して評価した
結果を表4に示す。評価は、実施例1と比較例1との比
較と同様の手順で行った。
【0070】
【表4】
【0071】表4に示すように、比較例1の光起電力素
子に対して、実施例2の光起電力素子は、アンテナ状放
電電極101の長手方向の特性均一性、帯状基体207
の搬送方向の特性均一性、および歩留まりのいずれにお
いても優れていることが分かった。また、実施例1と比
較例1とを比較評価した表3に示す結果と比較しても、
実施例2の結果は、実施例1の結果とほぼ同等の結果で
あり、実施例2の光起電力素子は、実施例1の光起電力
素子とほぼ同等の優れた特性を有することが分かった。
【0072】(実施例3)本実施例では、i型の半導体
層を形成する際に供給する電力の周波数を、実施例1の
100MHzから10MHzに変えて、シングル型光起
電力素子を作成した。他の条件は、実施例1と同様にし
た。その結果を表5に示している。
【0073】
【表5】
【0074】(比較例2)実施例3に対する比較例2と
して、比較例1と同様に、アンテナ状放電電極101と
して、直径20mmの円柱状のロッド部のみの形状のも
のを用いてシングル型光起電力素子を作成した。他の条
件は、実施例3と同様にした。
【0075】前記した表5には、この比較例2と対比さ
せて、実施例3の光起電力素子について、アンテナ放電
電極101の長手方向の光電変換効率のバラツキと、光
電変換効率の作成過程における経時変化、および歩留ま
りを、評価した結果が示されている。なお、この評価
は、実施例1と比較例1との比較と同様の手順で行っ
た。
【0076】表5に示す結果から、アンテナ状放電電極
101への供給電力の周波数を10MHzとした場合に
おいても、比較例2の光起電力素子に対して、本発明の
実施例3の光起電力素子のほうが、アンテナ状放電電極
101長手方向の特性均一性、帯状基体207搬送方向
の特性均一性、および歩留まりのいずれにおいても優れ
てることが分かった。
【0077】(実施例4)本実施例では、i型の半導体
層を形成する際に投入する電力の周波数を、実施例1の
100MHzから750MHzに変えて、シングル型光
起電力素子を作成した。他の条件は、実施例1と同様に
した。その結果を表6に示している。
【0078】
【表6】
【0079】(比較例3)実施例4に対する比較例3と
して、比較例1と同様に、アンテナ状放電電極101と
して、直径20mmの円柱状のロッド部のみの形状のも
のを用いてシングル型光起電力素子を作成した。他の条
件は、実施例4と同様にした。
【0080】前記した表6には、この比較例3と対比さ
せて、実施例4の光起電力素子について、アンテナ放電
電極101の長手方向の光電変換効率のバラツキと、光
電変換効率の作成過程における経時変化、および歩留ま
りを評価した結果が示されている。なお、この評価は、
実施例1と比較例1との比較と同様の手順で行った。
【0081】表6に示す結果から、アンテナ状放電電極
101への供給電力の周波数を750MHzとした場合
においても、比較例3の光起電力素子に対して、本発明
の実施例4の光起電力素子のほうが、特性の均一性およ
び歩留まりの高さのいずれにおいても優れていることが
分かった。
【0082】実施例1,3,4とこれに対応する比較例
1〜3とを比較した、表3,5,6に示す結果から、ア
ンテナ状放電電極101の中央より根元側の表面積Sb
よりも先端側の表面積Stの方が大きい形状のアンテナ
状放電電極101を用いて堆積膜を形成する、本発明に
よる堆積膜形成方法は、作成する光起電力素子の特性の
均一性を向上させ、また歩留まりを高くする効果がある
ことが分かり、この効果は、供給する高周波電力の周波
数を変えても得られることが分かった。
【0083】(実施例5)本実施例では、アンテナ状放
電電極101として、実施例1のアンテナ状放電電極1
01と外形は同一で、図3に示すように、内部が全体に
亙って中空になっているものを用い、実施例1と同様の
シングル型光起電力素子を作成した。他の条件は、実施
例1と同様にした。
【0084】本実施例により作成した光起電力素子につ
いて、アンテナ放電電極101の長手方向の光電変換効
率のバラツキと、光電変換効率の作成過程における経時
変化、および歩留まりを、比較例1と比較して評価した
結果を表7に示す。評価は、実施例1と比較例1との比
較と同様の手順で行った。
【0085】
【表7】
【0086】表7に示すように、比較例1の光起電力素
子に対して、実施例5の光起電力素子は、アンテナ状放
電電極101長手方向の特性均一性、帯状基体207搬
送方向の特性均一性、および歩留まりのいずれにおいて
も優れてることが分かった。また、実施例1と比較例1
とを比較評価した表3の結果と比較しても、実施例5の
結果は、実施例1の結果とほぼ同等の結果であり、実施
例5により作成した光起電力素子は、実施例1により作
成した光起電力素子とほぼ同等の優れた特性を有するこ
とが分かった。
【0087】
【発明の効果】以上のように、本発明による堆積膜形成
装置では、アンテナ状放電電極を、中央より根元側の表
面積Sbよりも先端側の表面積Stの方が大きい形状と
して、アンテナ状放電電極の先端寄りに、いわゆるキャ
パシタンスを負荷することにより、高周波電力を使用し
た場合でも、アンテナ状放電電極から、その長手方向に
亙って実質的に均一に放電させることができる。
【0088】また、アンテナ状放電電極への高周波電力
印加手段に、アンテナ状放電電極と導電性電極支持体と
の接続部を囲むように配置された誘電体と、誘電体をさ
らに囲むように配置されたアースシールドとを設けるこ
とにより、導電性電極支持体とアースシールドとの間隔
を大きく取り、異常放電を抑制しながら、かつ電力供給
経路の容量成分を抑制でき、結果として電力損失を少な
くすることができる。
【0089】これらのことにより、アンテナ状放電電極
から均一かつ円滑に放電させ、放電面で電界が集中しな
いようにでき、長時間に亙って放電を行っても、アンテ
ナ状放電電極や電力供給経路において局所加熱が起こら
ないようにでき、局所加熱により膜質が不均一になった
りアンテナ状放電電極などに変形が発生したりすること
を抑止できる。
【0090】このように、本発明の堆積膜形成方法およ
び堆積膜形成装置によれば、従来の問題、すなわち、長
時間に亙って高周波電力を印加することによって放電が
不安定になり、堆積膜の膜質の均一性、品質安定性が損
われ、また装置の耐久性が損われるという問題を解消で
きる。言い換えれば、本発明の堆積膜形成方法および堆
積膜形成装置により、帯状基体を連続して移動させつ
つ、この帯状基体上に、大面積にわたって、均一性に優
れた半導体堆積膜を形成することができる。したがっ
て、この半導体堆積膜を半導体素子に組み込むことによ
り、品質が高く、欠陥が少ない半導体素子を、より高い
再現性をもって形成することができる。特に、本発明を
光起電力素子の作成に適用することにより、品質が高
く、光電変換効率が高い光起電力素子を、大量に安定し
て作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態の堆積膜形成装置の、ア
ンテナ状放電電極が設けられている真空容器の模式的な
断面図である。
【図2】本発明による実施形態の堆積膜形成装置の全体
を示す模式図である。
【図3】本発明による他の実施形態の堆積膜形成装置
の、図1とは異なる構造のアンテナ状放電電極が設けら
れている真空容器部分の模式的な断面図である。
【符号の説明】
101 アンテナ状放電電極 102 導電性電極支持体 103 誘電体 104 給電導体 105 アースシールド 107 放電箱 201,202,203,204,205 真空容器 206 ボビン 207 帯状基体 208a,208b,208c,208d ガスゲー
ト 209a,209b,209c,209d ゲートガ
ス導入管 210a,210b,210c 加熱手段 211a,211b,211c ガス導入管 212a,212b,212c ゲートバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金井 正博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4K030 CA17 FA01 GA14 KA15 KA30 5F045 AA08 AC01 AC19 AE23 AF10 BB01 BB12 BB16 CA13 DP22 EH02 EH04 EH08 HA25

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ガスを、内部を減圧状態に保った真
    空容器内に、ガス導入管を介して導入しつつ、前記真空
    容器内に配置されている放電電極に高周波電力を供給し
    て放電させて、プラズマ化させる工程と、プラズマ化さ
    せた前記原料ガスを、前記真空容器内に配置されている
    基体上に堆積させる工程とを有する、プラズマCVD法
    による堆積膜形成方法において、 前記放電電極として、プラズマに曝される部分に関して
    は中央より根元側の表面積Sbよりも先端側の表面積S
    tの方が大きい形状のアンテナ状放電電極を用いて、該
    アンテナ状放電電極の根元側から高周波電力を印加して
    放電を行うことを特徴とする堆積膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前記アンテナ状放電電極として、棒状の
    ロッド部と該ロッド部の先端に設けられている先端部と
    を有し、前記ロッド部の、その長手方向に沿って前記先
    端部と同じ長さ分の部分の表面積よりも、前記先端部分
    の表面積が大きい形状になっているものを用いて放電を
    行うことを特徴とする請求項1に記載の堆積膜形成方
    法。
  3. 【請求項3】 前記アンテナ状放電電極として、St/
    Sb≧1.15であるものを用いて放電を行うことを特
    徴とする請求項1または2に記載の堆積膜形成方法。
  4. 【請求項4】 給電導体が接続されており該給電導体か
    らの高周波電力を前記アンテナ状放電電極に伝達する、
    前記アンテナ状放電電極を支持する導電性電極支持体を
    設け、 前記真空容器内に、前記アンテナ状放電電極と前記導電
    性電極支持体との接続部を囲むように誘電体を設け、 該誘電体をさらに囲むようにアースシールドを設けて、 前記アンテナ状放電電極からの放電時において、不必要
    な個所での放電を防止し、かつ電力供給経路の容量成分
    を抑制することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の堆積膜形成方法。
  5. 【請求項5】 前記アンテナ状放電電極として、中空構
    造のものを用いて放電を行うことを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項に記載の堆積膜形成方法。
  6. 【請求項6】 前記基体として帯状基体を用い、該帯状
    基体を、搬送機構により、前記アンテナ状放電電極の近
    くを通過するように連続的に搬送させつつ、前記帯状基
    体上に前記堆積膜を連続的に堆積させることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれか1項に記載の堆積膜形成方
    法。
  7. 【請求項7】 前記アンテナ状放電電極に供給する電力
    の周波数が、約30〜300MHzのVHF周波数であ
    る請求項1〜6のいずれか1項に記載の堆積膜形成方
    法。
  8. 【請求項8】 内部を減圧状態に保つための真空容器
    と、原料ガスを前記真空容器内に導入するためのガス導
    入管と、放電により前記原料ガスをプラズマ化させるた
    めの、前記真空容器内に配置されている放電電極とを有
    し、プラズマCVD法により、前記真空容器内に配置し
    た基体上に堆積膜を形成する堆積膜形成装置において、 前記放電電極が、プラズマに曝される部分に関しては中
    央より根元側の表面積Sbよりも先端側の表面積Stの
    方が大きい形状を有し、根元側に電源が接続されている
    アンテナ状放電電極であることを特徴とする堆積膜形成
    装置。
  9. 【請求項9】 前記アンテナ状放電電極が、棒状のロッ
    ド部と該ロッド部の先端部に設けられている先端部とを
    有し、前記ロッド部の、その長手方向に沿って前記先端
    部と同じ長さ分の部分の表面積よりも、前記先端部分の
    表面積が大きいことを特徴とする堆積膜形成装置。
  10. 【請求項10】 St/Sb≧1.15であることを特
    徴とする請求項8または9に記載の堆積膜形成装置。
  11. 【請求項11】 給電導体が接続されおり該給電導体か
    らの電力を前記アンテナ状放電電極に伝達する、前記ア
    ンテナ状放電電極を支持している導電性電極支持体と、 前記真空容器内において、前記アンテナ状放電電極と前
    記導電性電極支持体との接続部を囲むように配置された
    誘電体と、 該誘電体をさらに囲むように配置されたアースシールド
    とを有する請求項8〜10のいずれか1項に記載の堆積
    膜形成装置。
  12. 【請求項12】 前記アンテナ状放電電極が中空構造で
    ある請求項8〜11のいずれか1項に記載の堆積膜形成
    装置。
  13. 【請求項13】 前記基体が帯状基体であり、該帯状基
    体を、前記アンテナ状放電電極の近くを通過させて連続
    的に搬送させる搬送機構を有する請求項8〜12のいず
    れか1項に記載の堆積膜形成装置。
  14. 【請求項14】 前記アンテナ状放電電極に供給する電
    力の周波数を、13.56MHz〜2.45GHzの間
    で適宜選択可能である請求項8〜13のいずれか1項に
    記載の堆積膜形成装置。
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