JP2001294714A - 低フォギング性熱可塑性エラストマー組成物並びに該組成物の製造方法及び用途 - Google Patents

低フォギング性熱可塑性エラストマー組成物並びに該組成物の製造方法及び用途

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JP2001294714A
JP2001294714A JP2001026397A JP2001026397A JP2001294714A JP 2001294714 A JP2001294714 A JP 2001294714A JP 2001026397 A JP2001026397 A JP 2001026397A JP 2001026397 A JP2001026397 A JP 2001026397A JP 2001294714 A JP2001294714 A JP 2001294714A
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olefin
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Kunihiko Mizumoto
邦彦 水本
Yuichi Ito
雄一 伊藤
Akira Uchiyama
晃 内山
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐フォギング性(低かすみ性)及び光沢に優
れるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を提供す
る。 【解決手段】 結晶性ポリオレフィン(a)10〜90
重量部と、オレフィン系共重合体ゴム(b)90〜10
重量部(成分(a)及び(b)の合計量は100重量
部)と、200℃、常圧、1時間での蒸発減量が0.4
重量%以下で、動粘度(40℃)が50〜250cStで
あるパラフィン系の鉱物油軟化剤(c)3〜100重量
部とからなる、完全又は部分架橋されたオレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物;並びに前記組成物の製造方
法及び用途。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物、更に詳しくは、耐フォギング
性(低かすみ性)及び光沢に優れるオレフィン系熱可塑
性エラストマー組成物並びに該組成物の製造方法及び用
途に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系熱可塑性エラストマーは、
軽量でリサイクルが容易であり、また、焼却時に有毒な
ガスを発生しないことから、省エネルギー、省資源、更
に近年は、地球環境保護の観点から、自動車部品、工業
機械部品、電気・電子部品、建材等に用途が拡大してい
る。この熱可塑性エラストマーには、柔軟性及びゴム弾
性を増す目的で鉱物油軟化剤を配合することが知られて
いる。
【0003】ところが、鉱物油軟化剤を配合したオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーにおいて、それを自動車用
内装材料等に使用した場合、長時間の使用において、フ
ォギング現象(ガラスがかすむ現象)が起こってしまう
という問題点があり、その改良が望まれていた。また、
自動車部品等の意匠性の観点から、光沢に優れた熱可塑
性エラストマーが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであっ
て、耐フォギング性(低かすみ性)及び光沢に優れるオ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物を提供すること
を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の発明を
包含する。 (1)結晶性ポリオレフィン(a)10〜90重量部
と、オレフィン系共重合体ゴム(b)90〜10重量部
(成分(a)及び(b)の合計量は100重量部)と、
200℃、常圧、1時間での蒸発減量が0.4重量%以
下で、動粘度(40℃)が50〜250cStであるパラ
フィン系の鉱物油軟化剤(c)3〜100重量部とから
なる、完全又は部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物。
【0006】(2)鉱物油軟化剤(c)の粘度指数が9
0〜110である前記(1)に記載の熱可塑性エラスト
マー組成物。 (3)鉱物油軟化剤(c)の引火点が200〜290℃
で、流動点が−20〜−10℃である前記(2)に記載
の熱可塑性エラストマー組成物。 (4)架橋剤が有機ペルオキシドである前記(1)〜
(3)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成
物。 (5)架橋剤がフェノール系加硫剤である前記(1)〜
(3)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成
物。 (6)ゲル含量が98重量%以下である前記(4)又は
(5)に記載の熱可塑性エラストマー組成物。 (7)DIN 75201のA法に従い測定した100
℃、3時間でのヘーズが3%以下である前記(1)〜
(6)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成
物。
【0007】(8)結晶性ポリオレフィン(a)10〜
90重量部と、オレフィン系共重合体ゴム(b)90〜
10重量部(成分(a)及び(b)の合計量は100重
量部)と、200℃、常圧、1時間での蒸発減量が0.
4重量%以下で、動粘度(40℃)が50〜250cSt
であるパラフィン系の鉱物油軟化剤(c)3〜100重
量部とを架橋剤の存在下に動的に熱処理することを特徴
とするオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の製造
方法。 (9)前記(8)に記載の製造方法により得ることがで
きるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
【0008】(10)結晶性プロピレン系樹脂(a')
10〜90重量部と、オレフィン系共重合体ゴム(b)
90〜10重量部(成分(a')及び(b)の合計量は
100重量部)と、ポリエチレン樹脂(d)3〜30重
量部と、200℃、常圧、1時間での蒸発減量が0.4
重量%以下で、動粘度(40℃)が50〜250cStで
あるパラフィン系の鉱物油軟化剤(c)3〜100重量
部とからなる、完全又は部分架橋されたオレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物。
【0009】(11)動的熱処理の後に、以下の条件: Q≧0.1 かつ t≧2-(T-110)/10 (但し、Qは乾燥時に供給される被処理物単位重量当た
りの熱風の量(m3/(時間・kg))、tは熱処理時
間(時間)、Tは被処理物に当たる直前の熱風の温度
(℃)を表す。)で静的に熱処理することにより得られ
る前記(1)〜(7)、(9)及び(10)のいずれか
に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【0010】(12)前記(1)〜(7)、(9)及び
(10)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成
物からなる部材と、ガラスからなる部材とを含んでなる
電気機器又は輸送機械。 (13)前記熱可塑性エラストマー組成物からなる部材
と、前記ガラスからなる部材とが、同一の密閉空間内に
配設されている前記(12)に記載の電気機器又は輸送
機械。 (14)前記熱可塑性エラストマー組成物からなる部材
と、前記ガラスからなる部材とが、最も近接する部分で
1m以下の距離をもって配設されている前記(12)に
記載の電気機器又は輸送機械。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の熱可塑性エラストマー組
成物は、結晶性ポリオレフィン(a)と、オレフィン系
共重合体ゴム(b)と、200℃、常圧、1時間での蒸
発減量が0.4重量%以下で、動粘度(40℃)が50
〜250cStであるパラフィン系の鉱物油軟化剤(c)
とから構成されている。
【0012】[結晶性ポリオレフィン(a)]本発明で
用いられる結晶性ポリオレフィンとしては、炭素数2〜
20のα−オレフィンの単独重合体又は共重合体が挙げ
られる。前記のα−オレフィンとしては、具体的には、
エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキ
セン、1-オクテン、1-デセン、2-メチル-1-プロペン、3
-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、5-メチル-
1-ヘキセン等が挙げられる。
【0013】前記結晶性ポリオレフィンの具体的な例と
しては、以下のような(共)重合体が挙げられる。 (1)エチレン単独重合体 (2)エチレンと、10モル%以下の他のα−オレフィ
ン又は酢酸ビニル、エチルアクリレート等のビニルモノ
マーとの共重合体 (3)プロピレン単独重合体 (4)プロピレンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体 (5)プロピレンと30モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのブロック共重合体 (6)1-ブテン単独重合体 (7)1-ブテンと10モル%以下の他のα−オレフィン
とのランダム共重合体 (8)4-メチル-1- ペンテン単独重合体 (9)4-メチル-1- ペンテンと20モル%以下の他のα
−オレフィンとのランダム共重合体 また、結晶性ポリオレフィンとして用いられる結晶性プ
ロピレン系樹脂(a')とは、前記の(3)、(4)及
び(5)の重合体をいう。前記結晶性ポリオレフィン
は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることが
できる。
【0014】[オレフィン系共重合体ゴム(b)]本発
明で用いられるオレフィン系共重合体ゴムは、炭素数2
〜20のα−オレフィンを主成分とする無定形ランダム
な弾性共重合体であって、2種以上のα−オレフィンか
らなる非晶性α−オレフィン共重合体、2種以上のα−
オレフィンと非共役ジエンとからなるα−オレフィン・
非共役ジエン共重合体等がある。
【0015】このようなオレフィン系共重合体ゴムの具
体的な例としては、以下のようなゴムが挙げられる。 (1)エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム [エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50] (2)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合
体ゴム [エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50] (3)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム [プロピレン/α−オレフィン(モル比)=約90/1
0〜50/50] (4)ブテン・α−オレフィン共重合体ゴム [ブテン/α−オレフィン(モル比)=約90/10〜
50/50] 前記α−オレフィンとしては、具体的には、前記した結
晶性ポリオレフィンを構成するα−オレフィンの具体的
な例と同様のα−オレフィンが挙げられる。
【0016】前記非共役ジエンとしては、具体的には、
ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、メチレン
ノルボルネン(例えば、5−メチレン−2−ノルボルネ
ン)、エチリデンノルボルネン(例えば、5−エチリデ
ン−2−ノルボルネン)、メチルテトラヒドロインデ
ン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリ
デン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソ
プロペニル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン等の
環状ジエン;1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,
4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエ
ン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメ
チル−1,4−ヘキサジエン、6−メチル−1,6−オ
クタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−
エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6
−オクタジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、
6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6
−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−
エチル−1,6−ノナジエン、6−メチル−1,6−デ
カジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、6−メチ
ル−1,6−ウンデカジエン、7−メチル−1,6−オ
クタジエン等の鎖状ジエンが挙げられる。
【0017】これらの共重合体ゴムのムーニー粘度ML
1+4 (100℃)は、通常10〜250、好ましくは4
0〜220である。また、前記非共役ジエンが共重合し
ている場合のヨウ素価は、25以下が好ましい。前記の
オレフィン系共重合体ゴムは、熱可塑性エラストマー中
において、未架橋、部分架橋、完全架橋等、すべての架
橋状態で存在することができるが、本発明においては、
完全又は部分架橋状態で存在していることが必要であ
る。
【0018】本発明においては、ゴム成分として前記の
オレフィン系共重合体ゴムのほかに、他のゴム、例えば
スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブ
チルゴム(IIR)等のジエン系ゴム、SEBS、ポリ
イソブチレン等を用いることができる。
【0019】本発明の熱可塑性エラストマー組成物にお
いては、結晶性ポリオレフィン(a)の配合量は、結晶
性ポリオレフィン(a)及びオレフィン系共重合体ゴム
(b)の合計量100重量部に対して、10〜90重量
部、好ましくは10〜70重量部である。
【0020】また、ゴム成分として、オレフィン系共重
合体ゴム(b)とその他のゴムを組合わせて用いる場合
には、その他のゴムは、結晶性ポリオレフィン(a)と
ゴム成分との合計量100重量部に対して、通常40重
量部以下、好ましくは20重量部以下の割合で配合し、
結晶性ポリオレフィン(a)は、結晶性ポリオレフィン
(a)と全ゴム成分との合計量100重量部に対して、
通常10〜90重量部、好ましくは10〜70重量部の
割合で配合する。
【0021】本発明の熱可塑性エラストマー組成物とし
ては、結晶性ポリオレフィン(a)が結晶性ポリプロピ
レンであり、オレフィン系共重合体ゴム(b)がエチレ
ン・α−オレフィン共重合体ゴム又はエチレン・α−オ
レフィン・非共役ジエン共重合体ゴムであり、熱可塑性
エラストマー中においてこれらが部分架橋された状態で
存在し、かつ、結晶性ポリプロピレンと全ゴム成分との
重量配合比(結晶性ポリプロピレン/ゴム)が70/3
0〜10/90の範囲内にあるものが好ましい。
【0022】本発明の熱可塑性エラストマー組成物とし
ては、結晶性プロピレン系樹脂(a')10〜90重量
部と、オレフィン系共重合体ゴム(b)90〜10重量
部(成分(a')及び(b)の合計量は100重量部)
と、ポリエチレン樹脂(d)3〜30重量部、好ましく
は5〜20重量部と、200℃、常圧、1時間での蒸発
減量が0.4重量%以下で、動粘度(40℃)が50〜
250cStであるパラフィン系の鉱物油軟化剤(c)3
〜100重量部とからなる、完全又は部分架橋されたオ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物を用いることも
できる。
【0023】ポリエチレン樹脂(d)とは、(i) エチレ
ン単独重合体、及び (ii) エチレンと、10モル%以下
の他のα−オレフィン又は酢酸ビニル、エチルアクリレ
ート等のビニルモノマーとの共重合体をいう。
【0024】本発明においては、優れた耐フォギング性
(低かすみ性)及び光沢を得るために、200℃、常
圧、1時間での蒸発減量が0.4重量%以下で、動粘度
(40℃)が50〜250cStであるパラフィン系の鉱
物油軟化剤(c)を、結晶性ポリオレフィン(a)(又
は結晶性プロピレン系樹脂(a'))及びオレフィン系
共重合体ゴム(b)の合計量100重量部に対して、3
〜100重量部、好ましくは5〜80重量部配合する。
ゴム成分として、オレフィン系共重合体ゴム(b)とそ
の他のゴムを組合わせて用いる場合には、前記鉱物油軟
化剤(c)は、結晶性ポリオレフィン(a)(又は結晶
性プロピレン系樹脂(a'))とゴム成分との合計量1
00重量部に対して、通常3〜100重量部、好ましく
は5〜80重量部の割合で配合する。
【0025】前記鉱物油軟化剤(c)は、長期保存安定
性及び光沢の点で、粘度指数が90〜110で、引火点
が200〜290℃で、流動点が−20〜−10℃で、
密度が0.85〜0.90g/cm3であるものが好ま
しい。本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、必要
に応じて、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化
防止剤、充填剤、着色剤、滑剤等の添加物を、本発明の
目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0026】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の好
適な具体例としては、結晶性ポリプロピレン(a)10
〜70重量部と、エチレン・プロピレン共重合体ゴム又
はエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムからなる
ゴム(b)90〜30重量部[成分(a)及び(b)の
合計量は100重量部とする]と、前記鉱物油軟化剤
(c)5〜80重量部とからなる混合物を、有機ペルオ
キシド又はフェノール系加硫剤の存在下で動的に熱処理
して得られる、前記ゴム(b)が架橋された熱可塑性エ
ラストマーが挙げられる。
【0027】架橋剤として用いられる有機ペルオキシド
としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ-ter
t-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-
ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-
(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(ter
t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス
(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘ
キサン、n-ブチル-4,4- ビス(tert-ブチルペルオキ
シ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベ
ンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオ
キシド、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、tert-ブ
チルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチル
ペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert-ブチル
クミルペルオキシド等が挙げられる。
【0028】これらのうち、臭気性、スコーチ安定性の
点で、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキ
シ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペ
ルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert-ブチルペルオ
キシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert-ブチル
ペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブ
チル-4,4-ビス(tert-ブチルペルオキシ)バレレートが
好ましく、なかでも、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブ
チルペルオキシ)ヘキサン、1,3-ビス(tert-ブチルペ
ルオキシイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
【0029】本発明においては、有機ペルオキシドは、
結晶性ポリオレフィンと全ゴム成分と鉱物油軟化剤の合
計量100重量部に対して、通常0.05〜3重量部、
好ましくは0.1〜1重量部の割合で用いられる。
【0030】前記有機ペルオキシドによる架橋処理に際
し、イオウ、p-キノンジオキシム、p,p'- ジベンゾイル
キノンジオキシム、N-メチル-N-4- ジニトロソアニリ
ン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメ
チロールプロパン、N,N'-m-フェニレンジマレイミド、
ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレートのような架
橋助剤、あるいはエチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチ
レングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、アリルメタクリレートのよう
な多官能性メタクリレートモノマー;ビニルブチラー
ト、ビニルステアレートのような多官能性ビニルモノマ
ーを配合することができる。
【0031】前記のような化合物を用いることにより、
均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明に
おいては、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニル
ベンゼンは、取扱い易く、前記の被架橋処理物の主成分
である結晶性ポリオレフィン及びオレフィン系共重合体
ゴムとの相溶性が良好であり、かつ、有機ペルオキシド
を可溶化する作用を有し、有機ペルオキシドの分散剤と
して働くため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性
と物性とのバランスのとれた熱可塑性エラストマー組成
物が得られる。
【0032】前記のような架橋助剤又は多官能性ビニル
モノマー等の化合物は、得られる熱可塑性エラストマー
の流動性を良好なものとし、かつ、加工成形の際に熱履
歴による物性の変化が生じることを防ぐ点で、前記被架
橋処理物全体100重量部に対して、0.1〜2重量
部、特に0.3〜1重量部の割合で用いるのが好まし
い。
【0033】架橋剤として用いられるフェノール系加硫
剤(phenolic curative)とは、フェノール系硬化性樹脂
(phenolic curing resin)を含む加硫剤をいい、好まし
くは、米国特許第4311628号明細書に開示されて
いるフェノール系硬化性樹脂(phenolic curing resin)
及び加硫活性剤(cure activator)からなるフェノール系
加硫剤系(phenolic curative system)が挙げられる。
【0034】前記の系の基本成分は、アルカリ媒体中に
おける置換フェノール(例えば、ハロゲン置換フェノー
ル、C1−C2アルキル置換フェノール)又は非置換フェ
ノールとアルデヒド、好ましくはホルムアルデヒドとの
縮合によるか、あるいは二官能性フェノールジアルコー
ル類(好ましくは、パラ位がC5−C10アルキル基で置
換されたジメチロールフェノール類)の縮合により製造
されるフェノール系硬化性樹脂である。アルキル置換フ
ェノール系硬化性樹脂のハロゲン化により製造されるハ
ロゲン化されたアルキル置換フェノール系硬化性樹脂が
特に適している。メチロールフェノール硬化性樹脂、ハ
ロゲン供与体及び金属化合物からなるフェノール系加硫
剤系が特に推奨でき、その詳細は米国特許第32874
40号及び同第3709840号各明細書に記載されて
いる。非ハロゲン化フェノール系硬化性樹脂は、ハロゲ
ン供与体と同時に、好ましくはハロゲン化水素スカベン
ジャーとともに使用される。通常、ハロゲン化フェノー
ル系硬化性樹脂、好ましくは、2〜10重量%の臭素を
含有している臭素化フェノール系硬化性樹脂はハロゲン
供与体を必要としないが、例えば酸化鉄、酸化チタン、
酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素
及び好ましくは酸化亜鉛のような金属酸化物のごときハ
ロゲン化水素スカベンジャーと同時に使用される。この
ようなスカベンジャーの存在はフェノール系硬化性樹脂
の架橋作用を促進するが、フェノール系硬化性樹脂で容
易に加硫されないゴムの場合には、ハロゲン供与体及び
酸化亜鉛を共用することが望ましい。ハロゲン化フェノ
ール系硬化性樹脂の製法及び酸化亜鉛を使用する加硫剤
系におけるこれらの利用は米国特許第2972600号
及び同第3093613号各明細書に記載されており、
その開示は前記米国特許第3287440号及び同第3
709840号明細書の開示とともに参考として本明細
書にとり入れるものとする。適当なハロゲン供与体の例
としては、例えば、塩化第一錫、塩化第二鉄、又は塩素
化パラフィン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化
ポリエチレン及びポリクロロブタジエン(ネオプレンゴ
ム)のようなハロゲン供与性重合体が挙げられる。本明
細書で使用されている「活性剤」なる用語はフェノール
系硬化性樹脂の架橋効率を実質上増加させるあらゆる物
質を意味し、そして金属酸化物及びハロゲン供与体を包
含し、これらは単独で、又は組み合わせて使用される。
フェノール系加硫剤系のより詳細に関しては、「Vulcan
ization and Vulcanizing Agents」(W. Hoffman, Palme
rton Publishing Company)を参照されたい。適当なフェ
ノール系硬化性樹脂及び臭素化フェノール系硬化性樹脂
は商業的に入手することができ、例えばかかる樹脂はSc
henectady Chemicals, Inc.から商品名「SP−104
5」、「CRJ−352」、「SP−1055」及び
「SP−1056」として購入されうる。同様の作用上
等価のフェノール系硬化性樹脂は、また他の供給者から
得ることができる。
【0035】前記フェノール系加硫剤は、分解物の発生
が少ないため、フォギング防止の観点から好適な加硫剤
である。前記フェノール系加硫剤は、ゴムの本質的に完
全な加硫を達成させるに充分な量で使用される。
【0036】前記フェノール系加硫剤の使用量は、結晶
性ポリオレフィンと全ゴム成分と鉱物油軟化剤の合計量
100重量部に対して、フェノール系硬化性樹脂の量
で、通常0.5〜10重量部、好ましくは0.5〜5重
量部、更に好ましくは1〜5重量部である。前記の「動
的に熱処理する」とは、前記のような各成分を融解状態
で混練することをいう。
【0037】混練装置としては、従来公知の混練装置、
例えば開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリ
ーミキサー、押出機、ニーダー、連続ミキサー等が用い
られる。これらのうちでは、非開放型の混練装置が好ま
しく、混練は、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガスの雰
囲気下で行うことが好ましい。
【0038】また、混練は、使用する有機ペルオキシド
の半減期が1分未満となる温度で行うのが望ましい。混
練温度は、通常150〜280℃、好ましくは170〜
240℃であり、混練時間は、通常1〜20分間、好ま
しくは1〜10分間である。また、加えられる剪断力
は、剪断速度として10〜50,000sec-1、好ま
しくは100〜20,000sec-1の範囲内で決定さ
れる。
【0039】本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー組成物の製造に際しては、前記のような動的熱処理の
後に熱風中で静的に熱処理することが好ましい。ここ
で、「静的に熱処理する」とは、静置又は撹拌した状態
で融点以下の温度に一定時間おくことをいう。
【0040】その際、静的熱処理を以下の条件: Q≧0.1 かつ t≧2-(T-110)/10 (但し、Qは乾燥時に供給される被処理物単位重量当た
りの熱風の量(m3/(時間・kg))、tは熱処理時
間(時間)、Tは被処理物に当たる直前の熱風の温度
(℃)を表す。)で行うことにより、低分子量成分の大
部分が除去され、より耐フォギング性の良好なオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。
【0041】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
好ましくは部分的に架橋されているが、この「部分的に
架橋された」とは、下記の方法で測定したゲル含量が2
0〜98重量%の範囲内にある場合をいい、「完全架橋
された」とは、ゲル含量が98重量%を超える場合をい
う。本発明においては、ゲル含量が40〜98重量%の
範囲内にあることが好ましい。
【0042】[ゲル含量の測定法]熱可塑性エラストマ
ー組成物の試料を100mg秤量して0.5mm×0.
5mm×0.5mmの細片に裁断し、次いで、得られた
細片を、密閉容器中にて30mlのシクロヘキサンに2
3℃で48時間浸漬する。次に、この試料を濾紙上に取
り出し、室温にて72時間以上恒量になるまで乾燥す
る。この乾燥残渣の重量からポリマー成分以外のシクロ
ヘキサン不溶性成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料
等)の重量、及びシクロヘキサン浸漬前の試料中の結晶
性ポリオレフィンの重量を減じた値を、「補正された最
終重量(Y)」とする。一方、試料中のゴムの重量を、
「補正された初期重量(X)」とする。
【0043】ここに、ゲル含量(シクロヘキサン不溶解
分)は、次式により求められる。 ゲル含量[重量%]=[補正された最終重量(Y)/補
正された初期重量(X)]×100 本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、結晶性ポリオ
レフィンとゴムと鉱物油軟化剤とからなるため高温流動
性及び押出成形性に優れているので、圧縮成形、トラン
スファー成形、射出成形、押出成形等において従来使用
されている成形装置を用いて成形することができる。
【0044】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
耐フォギング性(低かすみ性)及び光沢に優れている。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の100℃、3時
間でのヘーズ(曇価)は、通常3%以下である。
【0045】[本発明の電気機器及び輸送機械]本発明
が解決しようとするフォギング現象は、軟化剤を含むオ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物、及びガラスが
同時に存在する場合に発生する。家電製品、情報処理機
器、通信機器、計測機器等の電気機器や、自動車その他
の陸上輸送機械、航空機、船舶等の輸送機械において
は、軟化剤を含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物、及びガラスがしばしば組み合わせて使用される。
従って、本発明の熱可塑性エラストマー組成物からなる
部材と、ガラスからなる部材とを含んでなる電気機器又
は輸送機械において、本発明の効果は特に顕著である。
【0046】電気機器又は輸送機械においては、熱可塑
性エラストマー組成物からなる部材と、ガラスからなる
部材とが同一の密閉空間内に配設される場合も多い。自
動車の車内、窓部を有する家電製品の窓付近等がその例
である。両部材が、同一の密閉空間内に配設されている
と、フォギングの原因となる物質が外部に排出されない
ので、フォギング現象が生ずる懸念が特に大である。従
って、本発明の熱可塑性エラストマー組成物からなる部
材と、ガラスからなる部材とが同一の密閉空間内に配設
されている電気機器又は輸送機械において、本発明の効
果は更に顕著である。
【0047】また、電気機器又は輸送機械においては、
熱可塑性エラストマー組成物からなる部材と、ガラスか
らなる部材とが密接に配設される場合も多い。自動車の
ドア付近、ディスプレイ、メーター等の表示部を有する
家電製品の表示部付近等がその例である。両部材が、密
接に配設されていると、フォギングの原因となる物質が
比較的拡散されずにガラスからなる部材に到達するの
で、フォギング現象が生ずる懸念が特に大である。従っ
て、本発明の熱可塑性エラストマー組成物からなる部材
と、ガラスからなる部材とが密接に配設されている電気
機器又は輸送機械において、本発明の効果は更に顕著で
ある。
【0048】ここで、「密接に」とは、両部材が最も近
接する部分で1m以下の距離をもって配設されているこ
とをいう。本発明の効果は、両部材間の距離が更に近け
れば更に顕著であり、両部材が0.5m以下、更には
0.2m以下の距離をもって配設されている電気機器又
は輸送機械において、特に顕著である。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これらの実施例に限定されるものではない。な
お、実施例及び比較例で用いた鉱物油軟化剤について行
った物性の測定方法は、下記のとおりである。 (蒸発減量)直径60mmの300ccビーカーに10
gのオイルを入れ、200℃のオイルバスに、ビーカー
を50mm沈むように1時間浸漬し、浸漬前後の重量変
化から、蒸発減量を求めた。 (動粘度及び粘度指数)JIS K2283の方法で測
定した。 (引火点)JIS K2265の方法で測定した。 (流動点)JIS K2269の方法で測定した。
【0050】(実施例1)エチレン/プロピレンのモル
比67/33、ヨウ素価13、ムーニー粘度ML 1+4
(100℃)74のエチレン・プロピレン・5-エチリデ
ン-2-ノルボルネン共重合体ゴム(b−1)50重量
部、MFR(ASTM D 1238−65T、230
℃)40g/10分、密度0.91g/cm3 のポリプ
ロピレン(a−1)30重量部、MFR(ASTM D
1238−65T、230℃)18g/10分、密度
0.92g/cm3 のポリエチレン(a−2)20重量
部、及び、パラフィン系オイル(出光興産(株)製、P
W−90、商標)(200℃、常圧、1時間での蒸発減
量0.77重量%)を蒸留法により低分子量成分を20
重量%カットして、その200℃、常圧、1時間での蒸
発減量を0.22重量%とした鉱物油軟化剤(c−1)
(動粘度(40℃)102.3cSt、粘度指数103、
引火点274℃、流動点−15℃、密度0.8709g
/cm3)20重量部を、バンバリーミキサーを用い
て、窒素雰囲気中、180℃で5分間混練した後、この
混練物をロールに通してシート状にし、これをシートカ
ッターで裁断して角ペレットを製造した。
【0051】次いで、この角ペレットと、架橋剤として
2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキ
サンを0.4重量部と、架橋助剤としてジビニルベンゼ
ン0.3重量部とをヘンシェルミキサーで撹拌混合し
た。
【0052】次いで、この混合物を、L/D=40、ス
クリュー径50mmの2軸押出機を用いて、窒素雰囲気
中、220℃で押出してオレフィン系熱可塑性エラスト
マー組成物のペレットを得た。得られたオレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物のゲル含量は、前記方法によ
り求めたところ、88重量%であった。
【0053】(実施例2)鉱物油軟化剤として、パラフ
ィン系オイル(出光興産(株)製、PW−90、商標)
(200℃、常圧、1時間での蒸発減量0.77重量
%)を蒸留法により低分子量成分を10重量%カットし
て、その200℃、常圧、1時間での蒸発減量を0.2
6重量%としたもの(動粘度(40℃)97.25cS
t、粘度指数103、引火点274℃、流動点−15
℃、密度0.8705g/cm3)を用いた以外は、実
施例1と同様にしてオレフィン系熱可塑性エラストマー
の製造、成形を行った。
【0054】(実施例3)鉱物油軟化剤として、パラフ
ィン系オイル(出光興産(株)製、PW−90、商標)
(200℃、常圧、1時間での蒸発減量0.77重量
%)そのもの(c−3)を、予め蒸留法により低分子量
成分を20重量%カットして、その200℃、常圧、1
時間での蒸発減量を0.26重量%とした(c−1)に
(c−3):(c−1)=20:80の重量比でブレン
ドしたもの(c−4)を用いた以外は、実施例1と同様
にしてオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造、成形
を行った。なお、このブレンド物(c−4)の200
℃、常圧、1時間での蒸発減量は0.35重量%、動粘
度(40℃)は91.6cSt、粘度指数は103、引火
点は260℃、流動点は−15℃、密度は0.8705
g/cm3であった。
【0055】(比較例1)鉱物油軟化剤として、パラフ
ィン系オイル(出光興産(株)製、PW−90、商標)
(200℃、常圧、1時間での蒸発減量0.77重量
%)そのもの(c−3)(動粘度(40℃)87.6cS
t、粘度指数103、引火点256℃、流動点−15
℃、密度0.8691g/cm3)を用いた以外は、実
施例1と同様にしてオレフィン系熱可塑性エラストマー
の製造、成形を行った。
【0056】(比較例2)鉱物油軟化剤として、パラフ
ィン系オイル(出光興産(株)製、PW−90、商標)
(200℃、常圧、1時間での蒸発減量0.77重量
%)を蒸留法により低分子量成分を3重量%カットし
て、その200℃、常圧、1時間での蒸発減量を0.4
5重量%としたもの(動粘度(40℃)90.5cSt、
粘度指数:103、引火点260℃、流動点−15℃、
密度0.8703g/cm3)を用いた以外は、実施例
1と同様にしてオレフィン系熱可塑性エラストマーの製
造、成形を行った。
【0057】(実施例4)エチレン・プロピレン・5-エ
チリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴム(b−1)60
重量部、ポリプロピレン(a−1)40重量部、鉱物油
軟化剤(c−1)50重量部、二酸化チタン1重量部、
酸化亜鉛0.5重量部及びメチロールフェノール硬化性
樹脂(ジメチロール−p−ノニルフェノール;特公昭5
8−46138号公報の表Vに記載の化合物)2重量部
を、バンバリーミキサーを用いて、窒素雰囲気中、18
0℃で5分間混練した後、この混練物をロールに通して
シート状にし、これをシートカッターで裁断して角ペレ
ットを製造した。
【0058】次いで、この角ペレットと塩化第一錫0.
3重量部とをヘンシェルミキサーで撹拌混合した。次い
で、この混合物を、実施例1と同様に2軸押出機で押出
してオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のペレッ
トを得た。
【0059】(比較例3)鉱物油軟化剤として、パラフ
ィン系オイル(出光興産(株)製、PW−90、商標)
(200℃、常圧、1時間での蒸発減量0.77重量
%)そのもの(c−3)(動粘度(40℃)87.6cS
t、粘度指数103、引火点256℃、流動点−15
℃、密度0.8691g/cm3)を用いた以外は、実
施例4と同様にしてオレフィン系熱可塑性エラストマー
の製造、成形を行った。以上のようにして得られたオレ
フィン系熱可塑性エラストマーについて、下記の評価試
験を行った。結果を表1に示す。
【0060】[耐フォギング試験]得られたペレットを用
いて、DIN−A法に準じて、100℃、3時間後のフ
ォギング評価をヘーズとして測定を行った。 [光沢(目視)]目視により判定した。 判定基準: ○:つやがある △:少しつやがある ×:全くつやがない [引張特性]JIS K6301の方法で測定した。 M100:100%伸び時の応力 TB:引張強さ EB:引張破断点伸び
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、柔軟で、ゴム弾性に優
れ、更に耐フォギング性及び光沢に優れるオレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/16 C08L 23/16 91/00 91/00

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性ポリオレフィン(a)10〜90
    重量部と、オレフィン系共重合体ゴム(b)90〜10
    重量部(成分(a)及び(b)の合計量は100重量
    部)と、200℃、常圧、1時間での蒸発減量が0.4
    重量%以下で、動粘度(40℃)が50〜250cStで
    あるパラフィン系の鉱物油軟化剤(c)3〜100重量
    部とからなる、完全又は部分架橋されたオレフィン系熱
    可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 鉱物油軟化剤(c)の粘度指数が90〜
    110である請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成
    物。
  3. 【請求項3】 鉱物油軟化剤(c)の引火点が200〜
    290℃で、流動点が−20〜−10℃である請求項2
    記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 架橋剤が有機ペルオキシドである請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組
    成物。
  5. 【請求項5】 架橋剤がフェノール系加硫剤である請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー
    組成物。
  6. 【請求項6】 ゲル含量が98重量%以下である請求項
    4又は5記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 【請求項7】 DIN 75201のA法に従い測定し
    た100℃、3時間でのヘーズが3%以下である請求項
    1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組
    成物。
  8. 【請求項8】 結晶性ポリオレフィン(a)10〜90
    重量部と、オレフィン系共重合体ゴム(b)90〜10
    重量部(成分(a)及び(b)の合計量は100重量
    部)と、200℃、常圧、1時間での蒸発減量が0.4
    重量%以下で、動粘度(40℃)が50〜250cStで
    あるパラフィン系の鉱物油軟化剤(c)3〜100重量
    部とを架橋剤の存在下に動的に熱処理することを特徴と
    するオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の製造方法により得ること
    ができるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  10. 【請求項10】 結晶性プロピレン系樹脂(a')10
    〜90重量部と、オレフィン系共重合体ゴム(b)90
    〜10重量部(成分(a')及び(b)の合計量は10
    0重量部)と、ポリエチレン樹脂(d)3〜30重量部
    と、200℃、常圧、1時間での蒸発減量が0.4重量
    %以下で、動粘度(40℃)が50〜250cStである
    パラフィン系の鉱物油軟化剤(c)3〜100重量部と
    からなる、完全又は部分架橋されたオレフィン系熱可塑
    性エラストマー組成物。
  11. 【請求項11】 動的熱処理の後に、以下の条件: Q≧0.1 かつ t≧2-(T-110)/10 (但し、Qは乾燥時に供給される被処理物単位重量当た
    りの熱風の量(m3/(時間・kg))、tは熱処理時
    間(時間)、Tは被処理物に当たる直前の熱風の温度
    (℃)を表す。)で静的に熱処理することにより得られ
    る請求項1〜7、9及び10のいずれか1項に記載の熱
    可塑性エラストマー組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1〜7、9及び10のいずれか
    1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる部材
    と、ガラスからなる部材とを含んでなる電気機器又は輸
    送機械。
  13. 【請求項13】 前記熱可塑性エラストマー組成物から
    なる部材と、前記ガラスからなる部材とが、同一の密閉
    空間内に配設されている請求項12記載の電気機器又は
    輸送機械。
  14. 【請求項14】 前記熱可塑性エラストマー組成物から
    なる部材と、前記ガラスからなる部材とが、最も近接す
    る部分で1m以下の距離をもって配設されている請求項
    12記載の電気機器又は輸送機械。
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