JP2001294670A - 球状シリコーン樹脂微粒子の製造方法 - Google Patents

球状シリコーン樹脂微粒子の製造方法

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JP2001294670A
JP2001294670A JP2000110494A JP2000110494A JP2001294670A JP 2001294670 A JP2001294670 A JP 2001294670A JP 2000110494 A JP2000110494 A JP 2000110494A JP 2000110494 A JP2000110494 A JP 2000110494A JP 2001294670 A JP2001294670 A JP 2001294670A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多方面に優れた用途を有する平均粒径0.5
〜20μmの球状シリコーン樹脂微粒子を、工業的有利
に、より低コストで得ること。 【解決手段】 (1)(a)メチルトリメトキシシランの
部分加水分解縮合物及びメチルトリメトキシシランから
なるメチルトリメトキシシラン部分加水分解縮合物の混
合物を(b)pH0.5〜3.0に調整したアニオン界面
活性剤含有水溶液に撹拌下一括投入し、(2)これを部
分加水分解縮合物の混合物が透明に溶解するまで撹拌
し、(3)粒子が生成するまで、生成した粒子が沈降し
ない程度に低速撹拌して平均粒径0.5〜20μmの球
状シリコーン樹脂微粒子を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は合成樹脂の滑り性、
耐摩耗性、光拡散性付与剤;プラスチックフィルムのブ
ロッキング防止性付与剤;ゴムの滑り性付与剤;コーテ
ィング剤の表面滑り性付与剤;化粧品、ワックスの伸展
性、表面滑り性、撥水性付与剤;洗浄剤の研磨性付与剤
等として好適な球状シリコーン樹脂微粒子の製造法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子
は、合成樹脂への滑り性、耐摩耗性、光拡散性付与剤;
プラスチックフィルムへのブロッキング防止性付与剤;
ゴムへの滑り性付与剤;コーティング剤への表面滑り性
付与剤;化粧品、ワックスへの伸展性、表面滑り性、撥
水性付与剤;洗浄剤への研磨性付与剤等として使用され
ている。特に形状が球状で、平均粒径が0.5〜20μ
mのものが好適とされている。従来より、ポリメチルシ
ルセスキオキサン微粒子の製造方法が提案されている。
例えば、メチルトリクロロシランを水中に撹拌しながら
滴下し、加水分解、縮合反応させる方法(ベルギー特許
第572,412号公報)、オルガノトリクロロシラン
を水酸化アルカリ溶液に溶解し、次いで、酸を添加し、
加水分解、縮合反応させる方法(特開平6−15775
9号公報)が提案されているが、これらの方法では、球
状の粒子を得ることができないし、生成する塩化水素お
よび塩化塩の除去が煩雑であり、効率が悪いという問題
がある。
【0003】また、オルガノトリクロロシランを塩化水
素飽和水溶液に添加し、加水分解、縮合反応させる方法
(特開平6−179751号公報)が提案されている
が、塩化水素の除去が煩雑であり、効率が悪いという問
題がある。オルガノトリアルコキシシランをイオン性界
面活性剤を含んだ酸性又はアルカリ性水溶液に添加し、
加水分解、縮合反応させる方法(特公昭52−1221
9号公報)、オルガノトリアルコキシシランおよび/ま
たはその部分加水分解縮合物をノニオン界面活性剤およ
びカチオン界面活性剤存在下に、水中に乳化分散させ、
アルカリを添加して加水分解、縮合反応させる方法(特
公平1−14250号公報)、オルガノシラノールアル
カリ金属塩を水溶液中で酸により中和、縮合反応させる
方法(特開平4−359022号公報)が提案されてい
るが、粒径の大きい粒子を得ることは困難である。
【0004】オルガノトリアルコキシシランおよび/ま
たはその部分加水分解縮合物を界面活性剤を含んだ水溶
液に徐々に滴下し、加水分解、縮合反応させ、得られた
水性コロイド懸濁液を噴霧乾燥する方法(特開昭63−
308067号公報)が提案されており、得られる粒子
は粒径10〜150nmの一次粒子が凝集した粒径1〜
100μmの球状粒子であるが、材料に添加してシェア
をかけると凝集が壊れてしまう、また、水性コロイド懸
濁液の濃度が低いため、噴霧乾燥による粉末化では効率
が悪いという問題がある。
【0005】オルガノトリアルコキシシランおよび/ま
たはその部分加水分解縮合物を、分散剤としてノニオン
界面活性剤を使用し塩基性触媒または酸性触媒の存在
下、分散媒中で懸濁させた後、加水分解、縮合反応させ
る方法(特開平4−33927号公報)が提案されてい
るが、分散媒が水ではないためコスト高になるという問
題がある。オルガノポリシロキサンを水酸化アルカリの
水溶液に溶解させた後、イオン交換法により陽イオンを
除去し、得られた溶液を50℃以上、pH10以上で縮
合反応させる方法(特開平6−279589号公報)が
提案されているが、この方法は原料のオルガノポリシロ
キサンを得るために、更に、シランを加水分解縮合させ
る工程が必要であり、効率が悪いという問題がある。
【0006】メチルトリアルコキシシランをアルカリ金
属水酸化物、アンモニアまたは有機アミンの水溶液に撹
拌しながら添加し、加水分解、縮合反応させる方法(特
公昭40−16917号広報)、オルガノトリアルコキ
シシランを有機溶媒に溶解させ、次いで、酸性水溶液と
混合して加水分解させた後、塩基を加えて縮合反応させ
る方法(特開平6−65378号公報)、オルガノトリ
アルコキシシランを有機カルボン酸水溶液に溶解させた
後、アルカリ水溶液中で縮合反応させる方法(特開平3
−244636号公報)、オルガノトリアルコキシシラ
ンを酸性条件下に加水分解して水/アルコール溶液と
し、次いで、アルカリ性水溶液を添加した後静止状態に
おいて縮合させる方法(特開平10−45914号公
報)、アニオン界面活性剤、高分子安定剤およびヒドロ
キシ塩基を配合した水溶液にオルガノトリアルコキシシ
ランを加え、加水分解、縮合反応させる方法(特開平1
1−92560号公報)、オルガノアルコキシシランを
ノニオン界面活性剤とアンモニアおよび/またはアミン
を含有する水溶液中で加水分解、縮合反応させる方法
(特開平11−152336号公報)、オルガノアルコ
キシシランをアニオン界面活性剤とアンモニアおよび/
またはアミンを含有する水溶液中において、加水分解、
縮合反応させる方法(特開平11−181095号公
報)が提案されており、これらの方法によれば、効率よ
く、前記用途に好適な粒径のポリメチルシルセスキオキ
サン微粒子を得ることができる。
【0007】メチルトリメトキシシランはポリメチルシ
ルセスキオキサン微粒子の原料として、得られる微粒子
の特性が良好で、製造方法も好適で製造コストも低い。
通常、メチルトリクロランをメタノールでメトキシ化
し、次いで中和、蒸留という工程で製造される。特公昭
51−28621号公報にあるように、連続法で製造さ
れれば、より経済的に製造することが期待できるが、こ
の方法によって得られるシランは、部分加水分解縮合物
を多く含有したものとなる。
【0008】そこで、メチルトリアルコキシシランおよ
び/またはその部分加水分解縮合物とアンモニアまたは
有機アミンの水溶液を低速撹拌下、メチルトリアルコキ
シシランおよび/またはその部分加水分解縮合物を上層
とし、2層状態を保ちながら加水分解、縮合反応させる
方法(特公昭4−70335号公報)、メチルトリアル
コキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物と
水とを混合、撹拌し均一溶液とした後、アルカリを添加
し加水分解、縮合反応させる方法(特開平4−8802
3号、特開平6−248081号公報)、メチルトリア
ルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物
をアルカリ土類金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩
の水溶液に添加し加水分解、縮合反応させる方法(特公
昭56−39808号公報)、メチルトリアルコキシシ
ランまたはその部分加水分解縮合物をアンモニアまたは
有機アミンの水溶液中で加水分解、縮合反応させ、70
〜80℃の温度で加熱することにより縮合反応を促進さ
せ、反応生成物を洗浄した後、粉末化する方法(特公平
2−22767号公報)が提案されており、これらの方
法は、確かにメチルトリアルコキシシランのみを原料と
して用いた場合には、効率よく、前述の用途に好適な粒
径のポリメチルシルセスキオキサン微粒子を得ることが
できるが、原料をメチルトリアルコキシシランの部分加
水分解縮合物とした場合には、不都合を生じる。
【0009】即ち、前記特公平4−70335号公報記
載の方法においては、メチルトリアルコキシシランの部
分加水分解縮合物は水より比重が大きいため、この部分
加水分解縮合物を使用することは実質的に不可能である
し、前記特開平4−88023号および特開平6−24
8081号公報記載の方法においては、メチルトリアル
コキシシランの部分加水分解縮合物は水に対する溶解度
が低いため、この部分加水分解縮合物を使用することは
実質的に不可能であり、また、前記特公昭56−398
08号公報および特公平2−22767号公報において
は、原料としてメチルトリアルコキシシラン部分加水分
解縮合物を使用した場合には、球状の粉末を得ることは
できない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記諸問題
点を解決し、平均粒径0.5〜20μmの球状シリコー
ン樹脂微粒子を、工業的有利に、より低コストで提供し
ようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は(1)
(a)メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物3
0重量%〜100重量%及びメチルトリメトキシシラン
70重量%未満からなるメチルトリメトキシシラン部分
加水分解縮合物の混合物10〜50重量部を(b)pH
0.5〜3.0に調整したアニオン界面活性剤0.01
〜2.0重量%含有水溶液100重量部に撹拌下一括投
入し、(2)これを部分加水分解縮合物の混合物が透明
に溶解するまで撹拌し、(3)粒子が生成するまで、生
成した粒子が沈降しない程度に低速撹拌することを特徴
とする平均粒径が0.5〜20μmの球状シリコーン樹
脂微粒子の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳しく説明
する。本発明における球状シリコーン樹脂微粒子は、C
3SiO3/2単位からなる、いわゆるポリメチルシルセ
スキオキサンの球状微粒子である。本発明の球状シリコ
ーン樹脂微粒子は、平均粒径0.5μmより小さいと、
滑り性、光拡散性、ブロッキング防止性、伸展性、研磨
性向上の効果が低下するし、20μmより大きいと滑り
性、光拡散性、ブロッキング防止性、伸展性、研磨性向
上の効果が低下するし、また基材の特性を損なう虞があ
るので、これは0.5〜20μmであることが必要で、
好ましくは1.0〜10μmである。本発明における球
状シリコーン樹脂微粒子は、メチルトリメトキシシラン
とメチルトリメトキシシラン部分加水分解縮合物の混合
物を酸性に調整したアニオン界面活性剤水溶液に撹拌下
一括投入し、透明に溶解するまで撹拌し、その後、粒子
が生成し、生成した粒子が沈降しない程度に低速撹拌
し、さらに、水および副生成物のメタノールを除去する
ことにより製造される。
【0013】本発明における球状シリコーン樹脂微粒子
の主原料は、メチルトリメトキシシランとメチルトリメ
トキシシラン部分加水分解縮合物の混合物であるが、こ
の混合物中のメチルトリメトキシシランの部分加水分解
縮合物が30重量%未満のものは非常に高価であるた
め、30重量%以上ものが好ましく、より好ましくは5
0重量%以上である。また、上記混合物中にはメタノー
ルを少量含んでいてもよい。また、R1Si(OR2)3
3 2Si(OR2)2、R3 3SiOR2、Si(OR2)4で示
されるオルガノアルコキシシラン、その加水分解物およ
び/またはその部分加水分解縮合物を少量添加してもよ
い。ここで、R1は炭素数2〜20の一価有機基、R2
炭素数1〜6のアルキル基、R3は炭素数1〜20の一
価有機基である。
【0014】本発明におけるメチルトリメトキシシラン
とメチルトリメトキシシラン部分加水分解縮合物の混合
物の配合量は、酸性に調製したアニオン界面活性剤水溶
液100重量部に対し10〜50重量部であるが、配合
量が10重量部未満では生成するシリコーン樹脂微粒子
の水溶液に対する濃度が低いので効率が悪くなるし、5
0重量部を超えると球状の粒子を得ることができない。
従って、アニオン界面活性剤水溶液100重量部に対し
10〜50重量部、好ましくは20〜40重量部を配合
する。
【0015】本発明における界面活性剤は、ノニオン
性、カチオン性および両性界面活性剤では球状微粒子を
得ることができず、アニオン性界面活性剤を使用したと
きのみ球状微粒子を得ることができる。界面活性剤は、
アニオン界面活性剤であれば特に限定はされず、例え
ば、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、
アルケニルコハク酸塩、スルホコハク酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル硫酸塩、脂肪酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、N
−アシルタウリン酸塩、N−アシルアミノ酸塩およびこ
れらの酸等が挙げられる。
【0016】本発明における水溶液中のアニオン界面活
性剤の濃度は、0.01重量%未満では球状の粒子が得
られないし、2.0重量%を超えると大きな粒径のもの
を得ることが困難となる。また、本発明の球状シリコー
ン樹脂微粒子の用途によっては界面活性剤が多く含まれ
ることが不適当(洗浄によって除くことは可能であるが
効率が悪くなる)なので、0.01〜2.0重量%が好
ましく、より好ましくは0.05〜0.5重量%であ
る。
【0017】本発明において、メチルトリメトキシシラ
ンとメチルトリメトキシシラン部分加水分解縮合物を加
水分解、縮合させ、球状のシリコーン樹脂微粒子を得る
ことは、アルカリ性触媒では不可能で、酸性触媒を使用
すればこれが可能である。この酸性触媒は酸性物質であ
れば特に限定されないが、球状シリコーン樹脂微粒子の
用途によっては酸およびその塩が多く含まれることが好
ましくない(洗浄によって除くことは可能であるが効率
が悪くなる)ので、少量で所期のpH値を与える強酸が
好ましく、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、アルキ
ル硫酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル硫酸、アルキルリン酸等が挙げら
れる。また、アルキル硫酸、アルキルベンゼンスルホン
酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、アルキ
ルリン酸を使用すれば、界面活性剤の機能と酸触媒の機
能とを兼ねることができる。
【0018】アニオン界面活性剤水溶液に添加する酸の
量は、アニオン界面活性剤水溶液のpHが0.5〜3.
0の範囲を与える量が好ましく、より好ましくはpHが
1.0〜2.5の範囲を与える量である。この理由は、
アニオン界面活性剤水溶液のpHが3.0よりも高いと
反応速度が遅くなり効率が悪くなるし、pH0.5未満
にしても反応速度上昇による効率向上は期待できない
上、用途によっては酸およびその塩が多く含まれること
が好ましくない(洗浄によって除くことは可能であるが
効率が悪くなる)からである。
【0019】本発明における球状シリコーン樹脂微粒子
は、まず、メチルトリメトキシシランとメチルトリメト
キシシラン部分加水分解縮合物の混合物を酸性に調整し
たアニオン界面活性剤水溶液中に撹拌下一括投入し、透
明に溶解するまで撹拌するが、このときの撹拌は、特に
強力な分散能力を必要としなくてもよいため、錨型翼、
プロペラ翼、平板翼等で充分である。また温度は、0℃
より低いと水溶液が凝固してしまうし、70℃より高い
と球状微粒子を得ることができなくなるので、0〜70
℃とされ、好ましくは0〜50℃である。メチルトリメ
トキシシランとメチルトリメトキシシラン部分加水分解
縮合物の混合物のアニオン界面活性剤水溶液中への投入
は、徐々に行うと粒径の大きな粒子を得ることが困難と
なるため、なるべく短時間で投入する必要がある。ま
た、先にメチルトリメトキシシランとメチルトリメトキ
シシラン部分加水分解縮合物の混合物をアニオン界面活
性剤水溶液中に投入し、その後酸性触媒を添加してもよ
い。
【0020】次いで、粒子が生成するまで、生成した粒
子が沈降しない程度に低速撹拌する。これは、高速攪拌
することにより撹拌強度が大きくなると、球状の粒子を
得ることができなくなるからであり、撹拌する場合に
は、撹拌翼は、撹拌強度を低く抑えることができる錨型
翼、プロペラ翼、平板翼等が好ましく、また、生成した
粒子が沈降しない程度の低速で行う必要がある。この時
の温度は、0℃より低いと水溶液が凝固してしまうし、
70℃より高いと球状微粒子を得ることができなくなる
ので、これは0〜70℃とされ、好ましくは0〜50℃
である。微粒子生成後、加水分解縮合反応が完全に終了
するまで、しばらく、生成した粒子が沈降しない程度の
低速で撹拌を続ける。また、加水分解縮合反応を完結さ
せるために加熱してもよいし、その後、必要であればア
ルカリ性物質を投入して中和してもよい。
【0021】以上のようにして得られる粒子は水性分散
液であるから、本発明の球状シリコーン樹脂微粒子とす
るには、これから水および副生成物のメタノールを除去
する必要がある。これには加熱するか、または、減圧下
に加熱すればよいが、分散液を静置して行う方法、分散
液を撹拌流動させながら行う方法、気流中に分散液を噴
霧または分散させる方法、流動熱媒体を利用する方法な
どいずれの方法でもよい。なお、この際、前処理とし
て、加熱脱水、濾過分離、遠心分離、デカンテーション
などの方法で分散液を濃縮してもよいし、必要ならば水
洗浄を行ってもよい。また、取り出した微粒子が凝集し
ている場合には、ジェットミル、ボールミル、ハンマー
ミルなどの粉砕機で解砕することが必要である。
【0022】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。
【0023】(実施例1)1リットルのガラスフラスコ
に水798g、ラウリル硫酸ナトリウム1gおよび塩酸
(濃度36%)0.79gを仕込み、水溶液の温度を2
5℃として、pH1.1に調整した。図1に示すガラス
製錨型翼で回転数200rpmで撹拌し、測定したガス
クロマトグラフの面積比から計算したメタノール含有量
は13重量%で、メトキシ含有量から計算した平均組成
式が下記(化1)
【化1】 であり、ガスクロマトグラフ測定による面積比から計算
したメチルトリメトキシシラン含有量が22重量%であ
るメチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(以
下、メトキシシラン混合物Aと称する)200gを前記
水溶液中に一度に投入した。液温を20〜35℃に保ち
ながら、回転数200rpmで撹拌し続けたところ10
分後には透明な液体となった。次いで、液温を20〜3
0℃に保ちながら、回転数を10rpmとし5時間撹拌
し続けたところ、粒子の生成が認められ、更に、引き続
き回転数を10rpmで液温を50〜60℃に保ちなが
ら、1時間撹拌した。得られた液に10%炭酸ナトリウ
ム水溶液8.4gを加えて中和した後、加圧濾過器で含
水量約30重量%のケーキ状物とし、このケーキ状物を
熱風循環乾燥機中で105℃で乾燥し、さらに乾燥物を
ジェットミルで解砕し、シリコーン樹脂微粉末を得た。
得られたシリコーン樹脂微粉末を光学顕微鏡で観察した
ところ、球状微粒子であることが確認され、また、これ
をメタノールに分散させて、その平均粒径をGranulomet
er 850(CILAS Alcatel社製)を用いて測定したとこ
ろ2.0μmであった。
【0024】(実施例2〜4)実施例1におけるラウリ
ル硫酸ナトリウムの代りに、それぞれ表1に示す界面活
性剤を使用した他は実施例1と全く同様にして行った。
得られたシリコーン樹脂微粉末を実施例1と同様にして
形状、粒径を観察、測定した結果を表1に示す。
【0025】(実施例5)1リットルのガラスフラスコ
に水798gおよびドデシルベンゼンスルホン酸2gを
仕込み、水溶液の温度を25℃として、pH2.1に調
整した。前記錨型翼で回転数200rpmで撹拌し、メ
トキシシラン混合物A200gを一度に投入した。液温
を20〜35℃に保ちながら、回転数200rpmで撹
拌し続けたところ10分後には透明な液体となった。次
いで、液温を20〜30℃に保ちながら、回転数を10
rpmとし5時間撹拌し続けたところ、粒子の生成が認
められ、更に引き続き回転数を10rpmで液温を50
〜60℃に保ちながら、1時間撹拌した。得られた液に
10%炭酸ナトリウム水溶液3.3gを加えて中和した
後、加圧濾過器を用いて含水量約30%のケーキ状物と
し、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で105℃で乾
燥し、さらに乾燥物をジェットミルで解砕し、シリコー
ン樹脂微粉末を得た。得られたシリコーン樹脂微粉末を
実施例1と全く同様の方法で評価した結果を表1に示
す。
【0026】(比較例1)1リットルのガラスフラスコ
に水599g、ラウリル硫酸ナトリウム0.8gおよび
塩酸(濃度36%)0.59gを仕込み、水溶液の温度
を25℃として、pH1.1に調整した。錨型翼で回転
数200rpmで撹拌し、前記メトキシシラン混合物A
400gを一度に投入した。液温を20〜35℃に保ち
ながら、回転数200rpmで撹拌し続けたところ10
分後には透明な液体となった。次いで、液温を20〜3
0℃に保ちながら、回転数を10rpmとし5時間撹拌
し続けたところ、粒子は生成せず、フラスコ底部にゲル
状物を生成した。結果を表1に示す。
【0027】(比較例2)1リットルのガラスフラスコ
に水799g、ラウリル硫酸ナトリウム1gおよび酢酸
0.32gを仕込み、水溶液の温度を25℃として、p
H4.0に調整した。錨型翼で回転数200rpmで撹
拌し、メトキシシラン混合物A200gを一度に投入し
た。液温を20〜35℃に保ちながら、回転数200r
pmで撹拌し続けたところ10分後には透明な液体とな
った。次いで、液温を20〜30℃に保ちながら、回転
数を10rpmとし20時間撹拌し続けたが、液は透明
なままで粒子の生成は認められなかった。結果を表1に
示す。
【0028】(比較例3)1リットルのガラスフラスコ
に水798g、ラウリル硫酸ナトリウム1gおよび塩酸
(濃度36%)0.79gを仕込み、水溶液の温度を2
5℃として、pH1.1に調整した。錨型翼で回転数2
00rpmで撹拌し、メトキシシラン混合物A200g
を一度に投入した。液温を20〜35℃に保ちながら、
回転数200rpmで撹拌し続けたところ10分後には
透明な液体となった。次いで、液温を20〜30℃に保
ちながら、引き続き回転数を200rpmとし5時間撹
拌し続けたところ、粒子の生成が認められ、さらに回転
数を200rpmで液温を50〜60℃に保ちながら、
1時間撹拌した。得られた液に10%炭酸ナトリウム水
溶液を8.4g加えて中和した後、加圧濾過器を用いて
含水量約30%のケーキ状物とし、このケーキ状物を熱
風循環乾燥機中で105℃で乾燥し、さらに乾燥物をジ
ェットミルで解砕し、シリコーン樹脂微粉末を得た。得
られたシリコーン樹脂微粉末を光学顕微鏡で観察したと
ころ、不定形の粒子を多く含むものであった。また、実
施例1と同様にして平均粒径を測定したところ5.6μ
mであった。結果を表1に示す。
【0029】(比較例4)1リットルのガラスフラスコ
に水798gおよびドデシルベンゼンスルホン酸2gを
仕込み、水溶液の温度を25℃として、pH2.1に調
整した。錨型翼で回転数200rpmで撹拌し、液温を
20〜35℃に保ちながら、メトキシシラン混合物A2
00gを50gずつ4回に分けて1時間おきに投入した
ところ、粒子の生成が認められ、さらに引き続き回転数
を2000rpmで液温を50〜60℃に保ちながら、
1時間撹拌した。得られた液に10%炭酸ナトリウム水
溶液3.3gを加えて中和した後、加圧濾過器を用いて
固液分離を試みたが、粒径が小さいためできなかった。
得られた液を、水で希釈し、その平均粒径をGranulomet
er 850(CILAS Alcatel社製)を用いて測定したとこ
ろ0.13μmであった。結果を表1に示す。
【0030】(比較例5)1リットルのガラスフラスコ
に水799g、および塩酸(濃度36%)0.79gを
仕込み、水溶液の温度を25℃として、pH1.9に調
整した。錨型翼で回転数200rpmで撹拌し、メトキ
シシラン混合物A200gを一度に投入した。液温を2
0〜35℃に保ちながら、回転数200rpmで10分
後撹拌し続けたが透明に溶解しなかったので、引き続き
翼回転数を200rpmで、液温を20〜30℃に保ち
ながら、5時間撹拌し続けたところ、粒子は生成せず、
フラスコ壁および撹拌翼表面にゲル状物を生成した。
【0031】(比較例6)1リットルのガラスフラスコ
に水799g、ポリオキシエチレン(9E.O.)ラウ
リルエーテル1gおよび塩酸(濃度36%)0.79g
を仕込み、水溶液の温度を25℃として、pH2.0に
調整した。錨型翼で回転数200rpmで撹拌し、メト
キシシラン混合物A200gを一度に投入した。液温を
20〜35℃に保ちながら、回転数200rpmで10
分後撹拌し続けたが透明に溶解しなかったので、引き続
き回転数を200rpmで、液温を20〜30℃に保ち
ながら、5時間撹拌し続けたところ、粒子は生成せず、
フラスコ壁および撹拌翼にゲル状物を生成した。
【0032】(比較例7)1リットルのガラスフラスコ
に水796g、セチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド水溶液(濃度30%)3.3gおよび塩酸(濃度36
%)0.79gを仕込み、水溶液の温度を25℃とし
て、pH1.9に調整した。錨型翼で回転数200rp
mで撹拌し、メトキシシラン混合物A200gを一度に
投入した。液温を20〜35℃に保ちながら、回転数2
00rpmで10分後撹拌し続けたが、透明に溶解しな
かったので、引き続き回転数を200rpmで、液温を
20〜30℃に保ちながら、5時間撹拌し続けたとこ
ろ、粒子は生成せず、フラスコ壁および撹拌翼にゲル状
物を生成した。
【0033】(比較例8)1リットルのガラスフラスコ
に水779g、ラウリル硫酸ナトリウム1gおよびアン
モニア水(濃度28%)20gを仕込み、水溶液の温度
を25℃として、pH11.4に調整した。錨型翼で回
転数200rpmで撹拌し、メトキシシラン混合物A2
00gを一度に投入した。液温を20〜35℃に保ちな
がら、回転数200rpmで10分後撹拌し続けたとこ
ろ、粒子が生成した。さらに、液温を20〜30℃に保
ちながら、回転数を10rpmとし5時間撹拌し続けた
ところ、全体がプリン状にゲル化した。
【0034】
【表1】
【0035】(実施例のまとめ)実施例1〜5では本発
明の製造方法に従ってメトキシシラン混合物AとpHを
調整したアニオン界面活性剤水溶液との配合比を限定範
囲内として、これを本発明の方法に従って、メトキシシ
ラン混合物Aが透明に溶解するまで攪拌することと、粒
子が生成するまで、生成した粒子が沈降しない程度に低
速撹拌することとを組合せて撹拌した結果、平均粒径が
0.5〜20μmの範囲内の球状シリコーン樹脂微粒子
を得た。
【0036】(比較例のまとめ)比較例1はメトキシシ
ラン混合物Aとアニオン界面活性剤水溶液との配合比が
40:60であって、本発明の限定範囲外であったた
め、所期の目的の平均粒径であるシリコーン樹脂を得る
ことができなかった。比較例2は水溶液のpHが限定範
囲外の4.0であり、比較例3は撹拌速度を高速から低
速に切り替えなかったため、比較例4はメトキシシラン
混合物を一括投入しなかったため、比較例5はアニオン
界面活性剤を使用しなかったため、比較例6は界面活性
剤としてノニオン界面活性剤を使用したため、比較例7
は界面活性剤としてカチオン界面活性剤を使用したた
め、比較例8は水溶液のpHが強アルカリ性であったた
め、所期の目的のシリコーン樹脂を得ることができなか
った。
【0037】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、多方面に優
れた用途を有する平均粒径0.5〜20μmの球状シリ
コーン樹脂微粒子を、工業的有利に、より低コストで得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用した攪拌用の錨型翼の立面図を模
式的に示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA59 AA60 AC12 AC52 AE14 DA33 DA39 DA40 DA43 DB05 DC01 DC07 DC13 DC14 4J035 BA12 BA13 BA14 BA15 BA16 EB04 EB08 EB10 LB01 LB06 LB07 LB14

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)(a)メチルトリメトキシシランの
    部分加水分解縮合物30重量%〜100重量%及びメチ
    ルトリメトキシシラン70重量%未満からなるメチルト
    リメトキシシラン部分加水分解縮合物の混合物10〜5
    0重量部を(b)pH0.5〜3.0に調整したアニオン
    界面活性剤0.01〜2.0重量%含有水溶液100重
    量部に撹拌下一括投入し、(2)これを部分加水分解縮
    合物の混合物が透明に溶解するまで撹拌し、(3)粒子
    が生成するまで、生成した粒子が沈降しない程度に低速
    撹拌することを特徴とする平均粒径が0.5〜20μm
    の球状シリコーン樹脂微粒子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100827432B1 (ko) 2006-09-26 2008-05-19 동양실리콘(주) 구형 마이크로 실리콘 입자 및 그 제조방법

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