JP2001293769A - 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルムの製造方法

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JP2001293769A
JP2001293769A JP2000109566A JP2000109566A JP2001293769A JP 2001293769 A JP2001293769 A JP 2001293769A JP 2000109566 A JP2000109566 A JP 2000109566A JP 2000109566 A JP2000109566 A JP 2000109566A JP 2001293769 A JP2001293769 A JP 2001293769A
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die
thermoplastic resin
temperature
manufacturing
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Hideto Tanimura
秀人 谷村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形装置の設置場所の制約の問題を生じさせる
ことなく、耳切れ等を生じさせず、かつ、高い生産効率
で安定して樹脂フィルムを製造することができる熱可塑
性樹脂フィルムの製造方法を提供することである。 【解決手段】熱可塑性樹脂原料を溶融状態でTダイ1か
ら押し出して、これをロールにより延伸、冷却する熱可
塑性樹脂フィルムの製造方法において、Tダイ1の出口
3先端の両端部に加熱装置6を埋め込み、この加熱装置
6により、成形した樹脂フィルム5の両側端部5aのみ
をTダイ1の成形温度条件以上の温度で加熱するように
したことを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Tダイからの押出
成形による熱可塑性樹脂フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
として、熱可塑性樹脂をTダイから押し出して製造する
方法が一般的に知られている。この従来の製造方法は、
熱可塑性樹脂原料を押出機により溶融状態で混練した
後、これを溶融樹脂の輸送管からTダイへ供給し、Tダ
イでフィルム状に成形加工する。この成形された樹脂フ
ィルムはロールにより延伸され、さらに搬送及び巻取る
過程によるものである。
【0003】上記した従来の熱可塑性樹脂フィルムの成
形過程は、熱可塑性樹脂原料を溶融温度以上の温度にま
で加熱する成形条件で行なわれる。ここで、熱可塑性樹
脂原料の溶融温度と熱分解温度の差が狭いかあるいはこ
の差が交錯していると、押出成形法による樹脂フィルム
について、安定した製品を得ることが困難になる。熱可
塑性樹脂原料は、その溶融温度状態の少しの変化によっ
て、溶融時に熱分解してしまうからである。
【0004】このため、従来、溶融樹脂の熱分解を極力
抑え、得られる樹脂フィルム製品の品質を向上させるべ
く、熱可塑性樹脂原料の溶融温度以上の温度条件である
が、なるべく低温状態で押出成形する手段が採られてき
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、熱可塑性樹脂
原料を低温条件で押出成形した場合、Tダイから押し出
された樹脂フィルムをその後ロールにより延伸すると、
得られた樹脂フィルムの延伸性が冷却により減少してい
るため、樹脂フィルムの側端部に切れ目が生じて、樹脂
フィルムに耳切れが発生する欠点がある。このような耳
切れが発生すると、樹脂フィルムについて安定した成形
膜を得るのが不可能となるという品質上の問題がある。
また、耳切れ部が原因して、樹脂フィルムが破断してし
まい巻き取れないという問題も生じる。
【0006】このような問題に対処するため、Tダイの
成形温度を高くしたり、他の種類の熱可塑性樹脂を配合
することにより延伸性を向上させたり、あるいは樹脂フ
ィルムを厚くする手段が採られてきた。しかし、これら
の対処方法においても、前記した高温成形による方法で
ある点で変わりがなく、前記した熱可塑性樹脂の熱分解
による品質低下等の問題点を解消するものではない。
【0007】Tダイから押し出されてた樹脂フィルムの
側端部を延伸工程で、熱可塑性樹脂の溶融温度以上の温
度に加熱する手段による方法も開示されている(特開平
6−143406号公報)。この開示されている方法の
ように延伸時に加熱する場合、Tダイから押し出された
樹脂フィルムは、ロールまでの間に大気中で冷却され
る。また、樹脂フィルムの最も延伸率の大きい部分は、
Tダイの出口付近の溶融樹脂である。従って、延伸中に
加熱するためには、極力Tダイの出口を加熱する必要が
あると共に、ネックインとの関係で、エアーギャップと
なるロールまでの距離を可能な限り狭める必要がある。
しかし、この場合、成形装置の設置場所に制約があった
り、延伸中の加熱時間等の問題から搬送速度が制限され
るため、樹脂フィルムの安定した生産に支障をきたし、
生産効率を低下させる等の問題がある。
【0008】そこで、本発明は、成形装置の設置場所の
制約の問題を生じさせることなく、耳切れ等を生じさせ
ず、かつ、高い生産効率で安定して樹脂フィルムを製造
することができる熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を提
供することを目的とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法は、熱
可塑性樹脂原料を溶融状態でTダイから押し出して、こ
れをロールにより延伸、冷却する熱可塑性樹脂フィルム
の製造方法において、前記Tダイの出口先端の両端部に
加熱装置を埋め込み、この加熱装置により、成形した樹
脂フィルムの両側端のみを前記Tダイの成形温度条件以
上の温度で加熱するようにしたことを特徴とする。
【0010】上記した本発明の熱可塑性樹脂フィルムの
製造方法では、Tダイから押出成形された樹脂フィルム
の両側端部のみが局所的に、Tダイの出口近傍でその溶
融粘度にまで再加熱される。この加工工程を経て得られ
た樹脂フィルムについては、その両側端部が延伸、搬送
時に耳切れ等の発生を十分に防止できる強度を保持する
ように形成される。
【0011】加熱装置としては、カートリッジヒーター
を好ましく使用することができる。但し、これに限定さ
れるものではない。即ち、カートリッジヒーターをTダ
イのリップ先端部に埋め込んだ装置を使用することがで
きる。カートリッジヒーターによる場合には、成形され
る樹脂フィルムの両側端部に対応する位置に加熱域を限
定するように、Tダイのスペースに組み込むことが可能
となる。
【0012】加熱装置の加熱温度は、熱可塑性樹脂の種
類により異なるから、ヒーター出力を可変式とすること
が好ましい。この場合、Tダイのリップ部の端部の温度
を熱電対等により測定して温度制御を行い、Tダイの設
定温度より10〜20%程度高い温度状態で加熱できる
ようにしておくことが好ましい。樹脂フィルムの端部に
対する加熱域については、特に限定するものではない
が、耳切れの発生を十分に回避するためには、樹脂フィ
ルムの側端部から30mmまでの範囲を加熱域とするこ
とが好ましい。
【0013】本発明の製造方法に適用できる熱可塑性樹
脂については、特に限定されないが、例えば、ノルボル
ネン系モノマーの開環重合水素添加物、ノルボルネン系
モノマーの付加重合体等のノルボルネン系ポリマー、ノ
ルボルネン系モノマーとオレフィンの付加重合体、これ
らの重合体の変化物等を挙げることができる。
【0014】本発明の製造方法によれば、成形する樹脂
フィルムの厚さについては、熱可塑性樹脂の種類にもよ
り異なるが、10μm以下の薄厚のものまで製造対象と
することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図に基づい
て説明する。図1には、本発明の熱可塑性樹脂フィルム
の製造方法に使用する製造装置を示した。
【0016】この製造装置は、図1に示すように、コー
トハンガー金型からなるTダイ1を備えている。Tダイ
1には、上面部に入口2が設けられていると共に、下部
に出口3が設けられている。1aは、Tダイ1の出口3
を構成するリップ部3aの開度調整用のボルトである。
Tダイ1の斜め下方の位置には、ロール4が配設されて
いる。図2に示すように、カートリッジヒーター6が出
口3の両側端及びリップ部3aの先端両側部に合計4つ
に埋設されている。7は各カートリッジヒーター6の電
源である。7aは、電源7とカートリッジヒーター6と
の間の配線である。
【0017】Tダイ1の入口2から供給された溶融樹脂
は、リップ部3aから樹脂フィルム5に成形された状態
で押し出される。この押し出しに際し、成形フィルム5
の両側端部5aが、各カートリッジヒーター6により上
下方向から溶融粘度にまで局所的に加熱される。このよ
うに加熱溶融された樹脂フィルム5の両側端部5aにつ
いては、延伸性が高められると共に、耳切れ等が発生し
ない強度を保持するように強化される。従って、ロール
4により延伸状態で搬送される場合でも耳切れ等を生じ
させることなく、安定した状態で樹脂フィルムを製造す
ることができる。
【0018】このように本発明の製造方法によれば、得
られる樹脂フィルム5の両側端部5aが強化されるか
ら、Tダイ1における成形温度条件については、極力低
温に設定して、熱可塑性樹脂の分解を防止することも可
能となる。
【0019】
【実施例】図3に示すようなシステムラインの製造装置
を利用して、次の押出成形条件により樹脂フィルムを製
造した。押出機10が、溶融樹脂の輸送管12を介して
Tダイ1に連結されている。11は押出機10の加熱用
ヒーター、13は輸送管12の加熱用ヒーター、14は
Tダイ1の加熱用ヒーターである。加熱用ヒーター1
1、13及び14は、温調制御装置15の電源16a、
16b、16cからそれぞれ電力供給を受け、その電力
供給のON、OFF状態は、出力演算器17a、17
b、17cによってそれぞれ制御される。Tダイ1の各
カートリッジヒーター6は、温調制御装置15の電源1
6dから電力供給を受け、その電力供給のON、OFF
状態は出力演算器17dによって制御される。
【0020】[製造装置の仕様及び設定条件等] 熱可塑性樹脂原料:ノルボルネン系モノマーの開環重合
水素添加物 押出機10:φ50mm、L/D=28 Tダイ1:500mmのコートハンガーダイ 延伸、搬送ロール4:φ300mm、Hcrメッキロー
ルライン速度=13.4m/min(at20kg/h
r) 成形温度:押出機10=275〜290℃ 樹脂輸送管12=290℃ Tダイ1=290℃ ロール4=140℃ カートリッジヒーター6:出力40%=ヒーター温度約
300℃ 出力70%=ヒーター温度約320℃ 成形樹脂フィルム5:形成膜巾=430mm、形成膜厚
さ=50μm
【0021】(実施例1)カートリッジヒーター6を出
力70%に設定して、図3に示すシステムラインの製造
装置により樹脂フィルム5を製造した。この製造方法に
よる場合、得られた樹脂フィルム5の両側端部5aに
は、目視観察の結果、耳切れの発生は全く確認されず、
かつ安定した状態で良好な形成膜の樹脂フィルム5を製
造することができた。
【0022】(比較例1)カートリッジヒーター6をO
FF状態として、図3に示すシステムラインの製造装置
により樹脂フィルムを製造した。この製造方法による製
造過程では、ライン速度が10.4m/minを越えた
時点から、樹脂フィルムの形成膜の両側端部に耳切れが
発生したのを目視観察により確認した。この耳切れの発
生のため、ライン速度を13.4m/minにまで上げ
ることは不可能であった。
【0023】(比較例2)カートリッジヒーター6を出
力40%に設定して、図3に示すシステムラインの製造
装置により樹脂フィルムを製造した。この製造方法によ
る製造過程では、ライン速度が13.4m/minで、
樹脂フィルム5の形成膜を得ることができた。しかし、
その形成膜の両側端部に耳切れが周期的に発生したのを
目視観察により確認した。
【0024】この比較例2の製造方法による製造過程の
途中で、カートリッジヒーター6を出力40%から出力
70%に上げるように設定変更した結果、その後は、耳
切れの発生は目視観察により全く確認されなくなった。
【0025】
【発明の効果】上述したように本発明は構成されるか
ら、次のような効果が発揮される。本発明の方法によれ
ば、Tダイの出口先端の両端部に加熱装置を埋め込み、
この加熱装置により、成形した樹脂フィルムの両側端の
みをTダイの成形温度条件以上の温度で加熱するように
したので、得られる樹脂フィルムの両側端部の強度を強
化することが可能となり、これにより耳切れ等の傷害の
発生を効果的に防止できる。
【0026】このような本発明の製造方法に基づく効果
は、樹脂フィルムの基本的な成形条件には影響を与えな
いから、成形時の熱可塑性樹脂原料の溶融温度をその熱
分解温度以下に保つことが可能となる。これにより、熱
可塑性樹脂が熱分解してしまうのを防止して、安定した
状態で樹脂フィルムの製造を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法に使
用するTダイ及び延伸、搬送ロールを説明する斜視図で
ある。
【図2】同上のTダイ部分を説明する部分斜視図であ
る。
【図3】同上のシステムラインのブロック図である。
【符号の説明】
1 Tダイ 3 出口 3a リップ部 4 延伸、搬送ロール 5 樹脂フィルム 5a 側端部 6 カートリッジヒーター 10 押出機 13 輸送管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂原料を溶融状態でTダイから
    押し出して、これをロールにより延伸、冷却する熱可塑
    性樹脂フィルムの製造方法において、前記Tダイの出口
    先端の両端部に加熱装置を埋め込み、この加熱装置によ
    り、成形した樹脂フィルムの両側端部のみを前記Tダイ
    の成形温度条件以上の温度で加熱するようにしたことを
    特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010036433A (ja) * 2008-08-04 2010-02-18 Fujifilm Corp 熱可塑性フィルム、その製造方法、偏光板および液晶表示装置
CN101670653A (zh) * 2009-08-04 2010-03-17 东莞市雄林塑胶有限公司 一种生产tpu低透防水透湿膜的方法及其设备

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