JP2001291646A - 電解コンデンサ用アルミニウム電極箔及びその製造方法 - Google Patents

電解コンデンサ用アルミニウム電極箔及びその製造方法

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JP2001291646A
JP2001291646A JP2000102673A JP2000102673A JP2001291646A JP 2001291646 A JP2001291646 A JP 2001291646A JP 2000102673 A JP2000102673 A JP 2000102673A JP 2000102673 A JP2000102673 A JP 2000102673A JP 2001291646 A JP2001291646 A JP 2001291646A
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etching
electrolytic capacitor
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Koichi Yoshida
光一 吉田
Shoji Ono
昭二 小野
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Nippon Chemi Con Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部分的に機械的強度が低下するのを防止し、
歩留りの向上とともに、高容量化に寄与する電解コンデ
ンサ用アルミニウム電極箔及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 アルミニウム箔(2)の両面にエッチン
グ層(24、26)を形成するとともに、各エッチング
層に挟まれた未エッチング層(22)を形成し、エッチ
ング層はエッチング倍率を高めて表面積の拡大比率を高
め、未エッチング層の層厚を均一化させて部分的な機械
的強度の低下の防止を実現し、電解コンデンサの高容量
化に寄与するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気化学的エッチ
ング処理を用いた電解コンデンサ用アルミニウム電極箔
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器の小型化及び高機能化に
は電解コンデンサ等の電子部品の小型化、高密度化が不
可欠であり、電解コンデンサの小型化及び高容量化には
エッチング処理による電極箔の表面積の拡大が必要であ
る。電解コンデンサ用アルミニウム箔は通常、素材であ
るアルミニウム箔に塩素イオンを含む水溶液中で化学的
又は電気化学的な処理を施し、このエッチング処理によ
って形成されたエッチングピットと呼ばれる多数の孔に
より、その実効表面積を拡大して単位体積当たりの静電
容量を増大させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コンデンサ
の高容量化を実現するためにアルミニウム箔に強力なエ
ッチング処理を行うと、アルミニウム箔の厚み方向に多
数のエッチングピットを深く成長させるが、各エッチン
グピットの深度は一様とはならず、高度なエッチング処
理ではその深度の偏差が顕著になる。即ち、エッチング
条件と原材料であるアルミニウム箔の組成にも大きく影
響し、エッチング表面側のエッチング層と、その地金部
分が残る未エッチング層との間の層厚は不揃いとなり、
その結果、アルミニウム電極箔の機械的な強度、特に引
張り強度を低下させる。また、未エッチング層の層厚が
不揃いになることにより、単位体積当たりの静電容量の
低下を招くことになる。
【0004】そして、部分的に機械的強度の低いエッチ
ング箔を化成し、所定の幅に裁断した後にコンデンサ素
子に巻回する場合、引張り応力が機械的強度の低い部
分、即ち、エッチング層の厚い部分、言い換えれば、未
エッチング層の薄い部分に集中し、電解コンデンサ素子
に巻回して組み立てる際に、アルミニウム箔に破断を生
じさせ、歩留りと稼働率の低下をもたらすおそれがあっ
た。
【0005】このため、アルミニウム箔の破断を防止す
る対策として、箔厚の厚いものを使用することによって
未エッチング層側の層厚を厚くする方法があるが、この
ような方法は箔厚が厚くなる分だけコンデンサ素子の小
型化を妨げるという不都合があった。
【0006】そこで、本発明は、部分的に機械的強度が
低下するのを防止し、歩留りの向上とともに、高容量化
に寄与する電解コンデンサ用アルミニウム電極箔及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミニウム
箔(2)の両面にエッチング層(24、26)を形成す
るとともに、各エッチング層に挟まれた未エッチング層
(22)を形成し、エッチング層はエッチング倍率を高
めて表面積の拡大比率を高め、未エッチング層の層厚を
均一化させて部分的な機械的強度の低下の防止を実現
し、電解コンデンサの高容量化に寄与するものである。
【0008】請求項1に係る本発明は、アルミニウム箔
(2)の両面に形成されたエッチング層(24、26)
と、これらエッチング層で挟まれた未エッチング層(2
2)とを備えた電解コンデンサ用アルミニウム電極箔で
あって、前記未エッチング層の層厚を均一化してなるこ
とを特徴とする。
【0009】即ち、エッチング層の深さ及び表面性状が
静電容量に影響し、未エッチング層の層厚及び部分的な
層厚の変化が機械的強度に影響を与える。したがって、
未エッチング層の層厚を均一化することにより引張り強
度の集中を避けることができる。電解コンデンサの製造
にあたっては、製造されたエッチング箔に化成処理を施
した後、所定の幅に裁断し、コンデンサ素子として巻回
する。この巻回時、エッチング箔には巻回応力が作用す
るが、未エッチング層がその機械的強度の低下を防止し
ており、製造上、歩留りの低下に寄与することができ
る。
【0010】請求項2に係る本発明は、前記未エッチン
グ層の層厚の変化率を10%以内に設定してなることを
特徴とする。即ち、未エッチング層の層厚の変化率を無
視できる程度の大きさに低減することは可能であるが、
その変化率が実用上問題の無い程度を規定する。そこ
で、予想される引張り応力の集中に耐え得る層厚の変化
率として10%以内を設定する。このような層厚変化が
生じても、引張り応力の集中からアルミニウム箔を破断
から防護でき、コンデンサ素子の巻回時の歩留りの低下
を防止できる。
【0011】また、請求項3に係る本発明は、アルミニ
ウム箔を塩化アルミニウムを含む塩酸水溶液に浸漬して
交流電流によりその表面をエッチングする電解コンデン
サ用アルミニウム電極箔の製造方法であって、前記塩酸
水溶液に、添加剤として硫酸、硝酸、リン酸及び蓚酸か
ら選択された1種類以上を0.1%〜2.0%の濃度で
含むことを特徴とする。
【0012】硫酸、硝酸、リン酸、蓚酸の水溶液は、原
箔であるアルミニウム箔表面の汚れや自然酸化皮膜を除
去するとともに皮膜を形成して表面を均質化させる作用
を有するので、交流電流を用いる交流エッチングにより
表面の汚れや自然酸化皮膜の除去をさらに均一かつ十分
に行うことができるため、電極箔に生じたエッチングピ
ットの表面にも均一な保護皮膜を形成することができ
る。交流エッチングをさらに継続することにより、エッ
チングピットからの腐食が均一かつ高密度に起こり、高
い拡面倍率を有する電極箔を安定して得ることができ
る。
【0013】添加剤としての酸については、硫酸、硝
酸、リン酸、蓚酸が交流エッチングにおいてアルミニウ
ム箔の表面に多孔質の保護皮膜を形成することが知られ
ており、これらの何れか1種類以上を添加することによ
りエッチングピットの成長を均一に進行させることがで
きる。添加剤が0.1重量%未満の場合は保護皮膜の量
が少なく、添加剤が2重量%を越える場合は、強固な保
護皮膜を形成するため、皮膜の欠陥部から均一にエッチ
ングピットを発生することが困難になる。
【0014】請求項4に係る本発明は、前記塩酸水溶液
の濃度を5〜10%に設定したことを特徴とする。即
ち、塩酸濃度が5%未満の場合はアルミニウム箔を溶解
する能力が低いため、溶解量は少なく、エッチングがう
まく進行せず、高い拡面倍率を得ることができない。ま
た、塩酸濃度が10%を越える高濃度では、溶解現象が
激しすぎるため、アルミニウム箔の表面状態は凸凹が大
きくなり、エッチングピットの進行も不均一になってし
まう。そこで、塩酸水溶液の濃度を5〜10%に設定
し、エッチング効率の最適化を図っている。
【0015】請求項5に係る本発明は、前記塩酸水溶液
の液温を20〜30℃に設定したことを特徴とする。ま
た、液温20〜30℃でエッチングすることにより、先
に生成したピット部分が化学的溶解により有効表面積を
損失するのを防ぐことができる。
【0016】請求項6に係る本発明は、電解電流密度を
0.15〜0.30A/cm2 に設定したことを特徴とす
る。即ち、電流密度が0.15A/cm2 未満の場合はア
ルミニウム箔を溶解する能力が弱く、溶解量が少ないた
めに高い拡面倍率を得ることができない。電流密度が
0.30A/cm2 を越える場合は、箔の表面溶解現象が
過剰となるためエッチングピットの進行が不均一になっ
てしまう。そこで、電流密度を0.15〜0.30A/
cm2 に設定し、エッチング効率の向上を図っている。
【0017】請求項7に係る本発明において、前記アル
ミニウム箔は、アルミニウムが99.9重量%以上、銅
の含有量が0.005重量%以下、鉄の含有量が0.0
05重量%以下であることを特徴とする。即ち、箔のア
ルミニウム含有量が99.9重量%未満であり、銅及び
鉄等の不純物の量が多くなると、化学溶解現象が激しく
なるために表面溶解を起こし、安定したエッチング層の
形成ができなくなる。また、鉄の含有量が0.005重
量%を越えると、箔の表面濃縮量が増加し、エッチング
を開始するときに表面が溶解し易く、エッチング後の拡
面率が低下するので、静電容量が低下する原因になる。
このような不都合を防止するため、鉄の含有量は0.0
05重量%以下とする。
【0018】また、銅は、箔の粗面化処理におけるエッ
チング性の均一性を高め、静電容量を増大させるのに重
要な元素である。その作用を十分に得るためには多くの
銅を含有させることが望ましい。しかしながら、銅含有
量が増えるとエッチング開始点が不均一になり易く、未
エッチング層の層厚変化率が大きくなる。また、電解エ
ッチング後に形成される陽極酸化皮膜の漏れ電流が増加
して電解コンデンサとしての特性を低下させる。そこ
で、銅の含有量を0.005重量%以下とする。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の電解コンデンサ
用アルミニウム電極箔及びその製造方法の実施の形態を
示している。
【0020】図1の(A)は、エッチング処理前のアル
ミニウム箔の断面を示している。このアルミニウム箔2
は、アルミニウムが99.9重量%以上、銅の含有量が
0.005重量%以下、鉄の含有量が0.005重量%
以下のアルミニウム箔であって、例えば、箔厚の範囲が
20〜120μm程度で均一な箔厚の圧延箔が用いられ
る。この場合、箔厚をDとする。
【0021】そして、このアルミニウム箔2にエッチン
グ処理を施す。即ち、塩化アルミニウムを含む塩酸水溶
液にアルミニウム箔2を浸漬して交流電流によりその表
面をエッチングする。この場合、塩酸水溶液には、添加
剤として硫酸、硝酸、リン酸及び蓚酸から選択された1
種類以上を0.1%〜2.0%の濃度で含む塩酸水溶液
を用いる。この塩酸水溶液の濃度を5〜10%に設定す
る。
【0022】また、エッチング処理における塩酸水溶液
の液温は20〜30℃に設定し、電解電流密度は0.1
5〜0.30A/cm2 に設定する。
【0023】次に、図1の(B)は、アルミニウム箔2
を用いたエッチング処理後のエッチング箔20を示して
いる。このエッチング箔20には、その中心部に未エッ
チング層22、この未エッチング層22を挟んで両面側
にエッチング層24、26が形成されている。
【0024】このエッチング箔20の断面形状におい
て、未エッチング層22の両側は凹凸状を成しており、
そのエッチング条件により、未エッチング層22の凹凸
状態が変化する。ここで、未エッチング層22が均一で
あることを示すパラメータを設定すると、箔厚Dに対
し、未エッチング層22の最大層厚をdmax、未エッ
チング層22の最小層厚をdminとし、未エッチング
層22の層厚の変化率ηは、 η={(dmax−dmin)/D}×100% ・・・(1) で求められる。
【0025】このようなエッチング箔20を化成処理し
た後、所定の幅に裁断し、電解コンデンサ素子に巻回す
る場合、その機械的強度が十分に高いため、破断等の不
都合がなく、コンデンサ組立の歩留りの低下を防止でき
るとともに、高度なエッチングによって十分な拡面処理
が施された結果、電解コンデンサの高容量化に寄与する
ものである。
【0026】
【実施例】次に、本発明の電解コンデンサ用アルミニウ
ム電極箔及びその製造方法について、実施例及び比較例
を参照して具体的に説明するが、これら実施例又は比較
例に本発明が限定されるものではない。なお、各アルミ
ニウム箔の成分分析値はICP発行分光分析法によって
分析された値を示す。
【0027】(実施例1)アルミニウム純度が99.9
重量%以上で、銅が0.005重量%、鉄が0.003
重量%、厚みが90μmのアルミニウム箔を、塩酸が
8.0重量%で、添加剤の酸の合計が1.0重量%を含
む液温が25℃の酸性水溶液で、交流電流50Hzの正弦
波で電流密度0.20A/cm2 を例えば10分間印加
し、エッチング処理を行い、両面を粗面化したアルミニ
ウム箔を得た。このアルミニウム箔の断面は、図2に示
す金属組織となる。即ち、エッチング箔20には、その
中心部に未エッチング層22、この未エッチング層を挟
んでエッチング層24、26が形成されており、Bは背
景を示している。
【0028】(実施例2)アルミニウム純度が99.9
重量%以上で、銅が0.002重量%、鉄が0.005
重量%、厚みが90μmのアルミニウム箔を、塩酸が
7.0重量%で、添加剤の酸の合計が1.0重量%を含
む液温が例えば25℃の酸性水溶液で、交流電流50Hz
の正弦波で電流密度0.25A/cm2 を例えば10分間
印加し、エッチング処理を行い、両面を粗面化したアル
ミニウム箔を得た。
【0029】(実施例3)アルミニウム純度が99.9
重量%以上で、銅が0.004重量%、鉄が0.002
重量%、厚みが90μmのアルミニウム箔を、塩酸が1
0.0重量%で、添加剤の酸の合計が0.1重量%を含
む液温が20℃の酸性水溶液で、交流電流50Hzの正弦
波で電流密度0.20A/cm2 を10分間印加し、エッ
チング処理を行い、両面を粗面化したアルミニウム箔を
得た。
【0030】(実施例4)アルミニウム純度が99.9
重量%以上で、銅が0.005重量%、鉄が0.005
重量%、厚みが90μmのアルミニウム箔を、塩酸が
5.0重量%で、添加剤の酸の合計が2.0重量%を含
む液温が25℃の酸性水溶液で、交流電流50Hzの正弦
波で電流密度0.25A/cm2 を10分間印加し、エッ
チング処理を行い、両面を粗面化したアルミニウム箔を
得た。
【0031】(実施例5)アルミニウム純度が99.9
重量%以上で、銅が0.003重量%、鉄が0.003
重量%、厚みが90μmのアルミニウム箔を、塩酸が
8.0重量%で、添加剤の酸の合計が1.0重量%を含
む液温が30℃の酸性水溶液で、交流電流50Hzの正弦
波で電流密度0.15A/cm2 を10分間印加し、エッ
チング処理を行い、両面を粗面化したアルミニウム箔を
得た。
【0032】(実施例6)アルミニウム純度が99.9
重量%以上で、銅が0.002重量%、鉄が0.004
重量%、厚みが90μmのアルミニウム箔を、塩酸が
7.0重量%で、添加剤の酸の合計が1.0重量%を含
む液温が25℃の酸性水溶液で、交流電流50Hzの正弦
波で電流密度0.30A/cm2 を10分間印加し、エッ
チング処理を行い、両面を粗面化したアルミニウム箔を
得た。
【0033】(比較例1)アルミニウム純度が99.8
重量%で、銅が0.005重量%、鉄が0.005重量
%、厚みが90μmのアルミニウム箔を、塩酸が8.0
重量%で、添加剤の酸の合計が1.0重量%を含む液温
が25℃の酸性水溶液で、交流電流50Hzの正弦波で電
流密度0.20A/cm2 を10分間印加し、エッチング
処理を行い、両面を粗面化したアルミニウム箔を得た。
このアルミニウム箔の断面は、図3に示す金属組織とな
る。即ち、エッチング箔20には、同様に、その中心部
に未エッチング層22、この未エッチング層を挟んでエ
ッチング層24、26が形成されており、Bは背景を示
している。
【0034】(比較例2)アルミニウム純度が99.9
重量%以上で、銅が0.01重量%、鉄が0.003重
量%、厚みが90μmのアルミニウム箔を、塩酸が8.
0重量%で、添加剤の酸の合計が1.0重量%を含む液
温が25℃の酸性水溶液で、交流電流50Hzの正弦波で
電流密度0.20A/cm2 を10分間印加し、エッチン
グ処理を行い、両面を粗面化したアルミニウム箔を得
た。
【0035】(比較例3)アルミニウム純度が99.9
重量%以上で、銅が0.002重量%、鉄が0.01重
量%、厚みが90μmのアルミニウム箔を、塩酸が7.
0重量%で、添加剤の酸の合計が1.0重量%を含む液
温が25℃の酸性水溶液で、交流電流50Hzの正弦波で
電流密度0.25A/cm2 を10分間印加し、エッチン
グ処理を行い、両面を粗面化したアルミニウム箔を得
た。
【0036】(比較例4)アルミニウム純度が99.9
重量%以上で、銅が0.004重量%、鉄が0.002
重量%、厚みが90μmのアルミニウム箔を、塩酸が1
2.0重量%で、添加剤の酸の合計が0.1重量%を含
む液温が20℃の酸性水溶液で、交流電流50Hzの正弦
波で電流密度0.20A/cm2 を10分間印加し、エッ
チング処理を行い、両面を粗面化したアルミニウム箔を
得た。
【0037】(比較例5)アルミニウム純度が99.9
重量%以上で、銅が0.005重量%、鉄が0.05重
量%、厚みが90μmのアルミニウム箔を、塩酸が5.
0重量%で、添加剤の酸の合計が2.5重量%を含む液
温が25℃の酸性水溶液で、交流電流50Hzの正弦波で
電流密度0.25A/cm2 を10分間印加し、エッチン
グ処理を行い、両面を粗面化したアルミニウム箔を得
た。
【0038】(比較例6)アルミニウム純度が99.9
重量%以上で、銅が0.003重量%、鉄が0.003
重量%、厚みが90μmのアルミニウム箔を、塩酸が
8.0重量%で、添加剤の酸の合計が1.0重量%を含
む液温が35℃の酸性水溶液で、交流電流50Hzの正弦
波で電流密度0.15A/cm2 を10分間印加し、エッ
チング処理を行い、両面を粗面化したアルミニウム箔を
得た。
【0039】(比較例7)アルミニウム純度が99.9
重量%以上で、銅が0.002重量%、鉄が0.004
重量%、厚みが90μmのアルミニウム箔を、塩酸が
7.0重量%で、添加剤の酸の合計が1.0重量%を含
む液温が25℃の酸性水溶液で、交流電流50Hzの正弦
波で電流密度0.35A/cm2 を10分間印加し、エッ
チング処理を行い、両面を粗面化したアルミニウム箔を
得た。
【0040】上述の実施例1〜6及び比較例1〜7で作
られたエッチング箔について、未エッチング層厚の変化
率、引張り強度、静電容量の特性を確認した。それを表
1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】なお、静電容量測定については、アジピン
酸系の化成溶液中で22Vの化成電圧を印加して化成を
行った後に測定した。
【0043】その結果、比較例1では、アルミニウム原
箔のアルミニウムの濃度を下げると、未エッチング層厚
の変化率と引張り強度の低下が見られ、比較例2、3に
おいては、銅又は鉄の含有量を上げると、同様に、未エ
ッチング層厚の変化率と引張り強度の悪化がみられる。
【0044】また、電解液の塩酸濃度又は液温、電流密
度を上げると、未エッチング層厚の変化率と引張り強度
の悪化がみられた。添加剤の酸の濃度を上げると静電容
量の低下がみられる。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、次の効
果が得られる。 a アルミニウム電極箔の部分的な機械的強度の低下を
防止することにより、電解コンデンサ製造時の巻回にお
ける箔断による歩留りの低下を防止できる。 b アルミニウム電極箔の単位体積当たりの静電容量を
増大させることができるため、電解コンデンサの小型
化、高容量化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電解コンデンサ用アルミニウム電極箔
及びその製造方法の実施形態を示し、(A)はアルミニ
ウム原箔の断面図、(B)はエッチング後の電解コンデ
ンサ用アルミニウム電極箔の断面図である。
【図2】本発明の電解コンデンサ用アルミニウム電極箔
の実施例の金属組織を示す断面写真である。
【図3】アルミニウム電極箔の比較例の金属組織を示す
断面写真である。
【符号の説明】
2 アルミニウム箔 20 エッチング箔 22 未エッチング層 24、26 エッチング層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム箔の両面に形成されたエッ
    チング層と、これらエッチング層で挟まれた未エッチン
    グ層とを備えた電解コンデンサ用アルミニウム電極箔で
    あって、 前記未エッチング層の層厚を均一化してなることを特徴
    とする電解コンデンサ用アルミニウム電極箔。
  2. 【請求項2】 前記未エッチング層の層厚の変化率を1
    0%以内に設定してなることを特徴とする請求項1記載
    の電解コンデンサ用アルミニウム電極箔。
  3. 【請求項3】 アルミニウム箔を塩化アルミニウムを含
    む塩酸水溶液に浸漬して交流電流によりその表面をエッ
    チングする電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造
    方法であって、 前記塩酸水溶液に、添加剤として硫酸、硝酸、リン酸及
    び蓚酸から選択された1種類以上を0.1%〜2.0%
    の濃度で含むことを特徴とする請求項1及び請求項2記
    載の電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記塩酸水溶液の濃度を5〜10%に設
    定したことを特徴とする請求項3記載の電解コンデンサ
    用アルミニウム電極箔の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記塩酸水溶液の液温を20〜30℃に
    設定したことを特徴とする請求項3記載の電解コンデン
    サ用アルミニウム電極箔の製造方法。
  6. 【請求項6】 電解電流密度を0.15〜0.30A/
    cm2 に設定したことを特徴とする請求項3記載の電解コ
    ンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記アルミニウム箔は、アルミニウムが
    99.9重量%以上、銅の含有量が0.005重量%以
    下、鉄の含有量が0.005重量%以下であることを特
    徴とする請求項3記載の電解コンデンサ用アルミニウム
    電極箔の製造方法。
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