JP2001290154A - 樹脂膜およびそれを用いた液晶配向処理方法 - Google Patents

樹脂膜およびそれを用いた液晶配向処理方法

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JP2001290154A
JP2001290154A JP2000104749A JP2000104749A JP2001290154A JP 2001290154 A JP2001290154 A JP 2001290154A JP 2000104749 A JP2000104749 A JP 2000104749A JP 2000104749 A JP2000104749 A JP 2000104749A JP 2001290154 A JP2001290154 A JP 2001290154A
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acrylate
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acid
resin film
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Takeshi Hirai
剛 平井
Shigeru Abe
慈 阿部
Keiichi Yamamoto
圭一 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶分子の配向性を制御し、さらには、低残
留電圧特性を有する液晶表示素子を得るための樹脂膜、
およびそれを用いた液晶分子の配向処理方法を提供す
る。 【解決手段】 液晶表示素子に用いられる液晶配向膜に
接して形成され、体積固有抵抗が1×1015Ω・m以下
の値である樹脂膜を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子に用
いられる液晶配向膜に接して形成される樹脂膜、および
それを用いた液晶配向処理方法に関する。さらに詳しく
は、低残留電圧(低残留DC)特性を有する液晶表示素
子を構成するために、液晶配向膜のに接して形成される
樹脂膜、およびそれを用いた液晶配向処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示素子としては、いわゆる
TN型(Twisted Nematic)液晶セルを有するTN型液
晶表示素子が広く知られている。このTN型液晶表示素
子は、透明導電膜が設けられている基板表面にポリアミ
ック酸や、ポリイミド等からなる液晶配向膜を形成した
2枚の液晶表示素子用基板を対向配置させ、その間隙内
に正の誘電異方性を有するネマチック型液晶の層を形成
してサンドイッチ構造のセルとするとともに、液晶分子
の長軸が一方の基板から他方の基板に向かって連続的に
90度捻れるように構成した素子である。また、最近に
おいては、TN型液晶表示素子に比してコントラストが
高くて、その視角依存性の少ないSTN(Super Twiste
d Nematic)型液晶表示素子や、垂直配向型液晶表示素
子が開発されている。このSTN型液晶表示素子は、ネ
マチック型液晶に光学活性物質であるカイラル剤をブレ
ンドしたものを液晶層に使用し、液晶分子の長軸を基板
間で180度以上にわたって連続的に捻れた状態とする
ことにより生じる複屈折効果を利用するものである。ま
た、垂直配向型液晶表示素子は、例えば液晶分子の誘電
異方性が負の液晶を垂直配向させ、電圧の印加により液
晶分子を倒して水平に動作させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらの液
晶表示素子における液晶分子の配向は、通常、ラビング
処理が施された有機膜により発現されるものである。す
なわち、透明導電膜が設けられた基板表面上に有機膜を
設けておき、その膜表面を、鹿皮やレーヨン布等を用い
てこする処理(ラビング処理)を施すことにより、有機
膜に液晶分子配向能を付与して液晶配向膜とする。しか
し、液晶の配向をラビング処理によって行うと、その工
程中にほこりが発生したり、静電気が発生しやすいとい
う問題点がある。静電気が発生すると、液晶配向膜表面
にほこりが付着して表示不良が発生する原因となり、ま
た、TFT(thin film transistor)素子を有する基板
の場合、発生した静電気によってTFT素子の回路破壊
が起こり、歩留まり低下の原因ともなる。
【0004】そこで、近年液晶配向膜の表面に、突起
や、窪みを設けるか、または電極にスリットを設けて、
これらを単独または組み合わせてドメイン規制手段とし
た液晶表示装置が提案されている。すなわち、この液晶
表示装置は、物理的な液晶のドメイン規制手段を設ける
ことにより、ラビング処理を行わずに液晶配向能を発現
し、液晶の配向性を制御するとともに、視野角特性の向
上をも図ったものである。この方法によって得られた液
晶表示素子として、残留電圧の少ない液晶表示素子が求
められている。
【0005】本発明は、液晶表示素子における液晶配向
膜に接して、所定の体積固有抵抗値を有する樹脂膜を設
けることにより、物理的な液晶のドメイン規制手段を設
け、液晶分子の配向性が向上するとともに、低残留電圧
特性を有する液晶表示素子が得られることを見出したも
のである。すなわち、本発明の目的は、ラビング処理を
行わずに液晶配向能を発現して液晶分子の配向性を制御
し、特に、低残留電圧特性を有する液晶表示素子を得る
ための樹脂膜、およびそれを用いた液晶分子の配向処理
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、液晶表
示素子に用いられる液晶配向膜に接して形成される樹脂
膜であって、体積固有抵抗が1×1015Ω・m以下の値
である樹脂膜が提供され、上述した課題を達成すること
ができる。すなわち、体積固有抵抗の値が低い樹脂膜を
用いることにより、低残留電圧特性を有する液晶表示素
子、例えば、1.0V未満の残留DC電圧を有する液晶
表示素子を容易に得ることができる。
【0007】また、本発明の樹脂膜を構成するにあた
り、下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を含
有してなる放射線硬化性樹脂組成物の光硬化物であるこ
とが好ましい。 (A)アルカリ可溶性樹脂 (B)多官能性モノマー (C)放射線重合開始剤 このように構成することにより、フォトリソグラフィ等
により、樹脂膜を容易に設けることができる。
【0008】また、本発明の樹脂膜は、表面に凹凸を有
することが好ましい。さらに、本発明の樹脂膜をは、パ
ターニングして用いることができる。このように構成す
ることにより、樹脂膜の表面凹凸を介して、液晶配向膜
の表面に間接的に凹凸を設けることができる。よって、
液晶分子の配向性を制御することができ、また、視野角
特性も向上させることができる。
【0009】また、本発明の別の態様によれば、液晶表
示素子における液晶分子の配向処理方法であって、体積
固有抵抗が1×1015Ω・m以下の値である樹脂膜およ
びこの樹脂膜に接して形成した液晶配向膜により、液晶
分子の配向処理を行う液晶配向処理方法が提供され、上
述した課題を達成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]第1の実施形
態の樹脂膜は、液晶配向膜に接して形成される樹脂膜で
あって、体積固有抵抗が1×1015Ω・m以下の値であ
ることを特徴としている。したがって、かかる体積固有
抵抗を有する樹脂膜は、液晶表示素子における帯電性を
低く抑えることができ、低残留電圧特性を有する液晶表
示素子、例えば、1.0V未満の残留DC電圧を有する
液晶表示素子を容易に得ることができる。本発明の樹脂
膜を用いた液晶表示素子においては、好ましくは、樹脂
膜が接触している側と反対側において、液晶配向膜は液
晶分子に接触しており、樹脂膜に好ましく設けられる凹
凸を介して液晶配向膜の表面に間接的に凹凸が設けら
れ、この凹凸に沿って、液晶分子が配向する。また、本
発明の樹脂膜に設けられたパターン形状により、液晶表
示素子の視野角特性を向上することが可能である。
【0011】1.樹脂膜 (1)種類 樹脂膜を構成する材料は、特に限定されるものではない
が、例えば、凹凸加工を容易に施すことができることか
ら、ネガ型およびポジ型の放射線硬化性樹脂組成物を用
いることが好ましい。
【0012】そして、このような放射線硬化性樹脂組成
物としては、以下の各成分(A)〜(C)を含有してな
る樹脂組成物であることが好ましい。 (A)成分:アルカリ可溶性樹脂 (B)成分:多官能性モノマー (C)成分:放射線重合開始剤 さらに、当該樹脂組成物は、体積固有抵抗の値を調整す
る目的で、導電性粒子(以下、「(D)成分」ともい
う)を含有することが好ましい。なお、当該樹脂組成物
は、通常、溶剤(以下、「(E)成分」ともいう)に溶
解または分散された状態で調製される。
【0013】(A)アルカリ可溶性樹脂 (A)成分のアルカリ可溶性樹脂は、現像剤としてのア
ルカリ溶液に可溶な樹脂であり、例えば、カルボキシル
基を含有する樹脂である。このようなカルボキシル基を
含有する樹脂としては、特に、1個以上のカルボキシル
基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、単に「カル
ボキシル基含有不飽和単量体」という。)と他の共重合
可能なエチレン性不飽和単量体(以下、単に「他の不飽
和単量体」という。)との共重合体(以下、単に「カル
ボキシル基含有共重合体」という。)が好ましい。
【0014】カルボキシル基含有共重合体を構成するカ
ルボキシル基含有不飽和単量体としては、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリ
ル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタ
コン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸
等の不飽和ジカルボン酸(無水物)類;3価以上の不飽
和多価カルボン酸(無水物)類;コハク酸モノ(2−ア
クリロイロキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリ
ロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロ
キシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシ
エチル)等の非重合性ジカルボン酸のモノ(2−アクリ
ロイロキシエチル)エステルまたはモノ(2−メタクリ
ロイロキシエチル)エステル類;ω−カルボキシ−ポリ
カプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシ−ポ
リカプロラクトンモノメタクリレート等の一種単独また
は二種以上の組み合わせが挙げられる。
【0015】また、カルボキシル基含有共重合体を構成
する他の不飽和単量体としては、例えば、スチレン、α
−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルト
ルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o
−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メト
キシスチレン、インデン、p−ビニルベンジルメチルエ
ーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等の芳
香族ビニル化合物;メチルアクリレート、メチルメタク
リレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリ
レート、i−プロピルアクリレート、i−プロピルメタ
クリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、i−ブチルアクリレート、i−ブチルメタ
クリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブ
チルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブ
チルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、
3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキ
シブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリ
レート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒド
ロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルア
クリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、ア
リルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルア
クリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルアクリ
レート、フェニルメタクリレート、メトキシジエチレン
グリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコー
ルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールア
クリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリ
レート、メトキシジプロピレングリコールアクリレー
ト、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、
グリセリンモノアクリレート、グリセリンモノメタクリ
レート等の不飽和カルボン酸エステル類;2−アミノエ
チルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、
2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチル
アミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアク
リレート、2−アミノプロピルメタクリレート、2−ジ
メチルアミノプロピルアクリレート、2−ジメチルアミ
ノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリ
レート、3−アミノプロピルメタクリレート、3−ジメ
チルアミノプロピルアクリレート、3−ジメチルアミノ
プロピルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アミノア
ルキルエステル類;グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエス
テル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニ
ル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリル
グリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル等
の不飽和エーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリ
デン等のシアン化ビニル化合物;アクリルアミド、メタ
クリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒ
ドロキシエチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエ
チルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−メチロールメタクリルアミド等の不飽和アミド
類;N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレ
イミド、N−o−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−
m−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−p−ヒドロキ
シフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイ
ミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−p−メ
チルフェニルマレイミド、N−o−メトキシフェニルマ
レイミド、N−m−メトキシフェニルマレイミド、N−
p−メトキシフェニルマレイミド等のN−置換マレイミ
ド類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン
等の脂肪族共役ジエン類;ポリスチレン、ポリメチルア
クリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブ
チルアクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、
ポリシロキサン等の重合体分子鎖末端にモノアクリロイ
ル基あるいはモノメタクリロイル基を有するマクロモノ
マー類等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げ
られる。
【0016】カルボキシル基含有共重合体としては、特
に、アクリル酸および/またはメタクリル酸を必須成
分とし、場合により、コハク酸モノ(2−アクリロイロ
キシエチル)および/またはコハク酸モノ(2−メタク
リロイロキシエチル)を含有するカルボキシル基含有不
飽和単量体と、スチレン、メチルアクリレート、メチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルア
クリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルアクリ
レート、フェニルメタクリレート、グリセリンモノアク
リレート、グリセリンモノメタクリレート、N−フェニ
ルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマーおよびポリ
メチルメタクリレートマクロモノマーの群から選ばれる
少なくとも一種との共重合体(以下、「カルボキシル基
含有共重合体(I)」という。)が好ましい。
【0017】ここで、カルボキシル基含有共重合体
(I)の具体例としては、(メタ)アクリル酸/ベンジ
ル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸
/スチレン/メチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アク
リレート共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メ
タ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合
体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート
/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/
ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリ
ル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタ
クリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル
酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/ベンジル
(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/
グリセリンモノ(メタ)アクリレート/フェニル(メ
タ)アクリレート共重合体、あるいは、(メタ)アクリ
ル酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/N−フェ
ニルマレイミド共重合体などの二元ないし三元共重合
体;
【0018】(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレー
ト/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)ア
クリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリ
レートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/
スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニ
ルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン
/フェニル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイ
ミド共重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ
(メタ)アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)ア
クリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリン
モノ(メタ)アクリレート/スチレン/フェニル(メ
タ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/グリ
セリンモノ(メタ)アクリレート/スチレン/N−フェ
ニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/グリセ
リンモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリ
レート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メ
タ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレート
/メチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アク
リレート共重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモ
ノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート
/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル
酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)ア
クリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリン
モノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート共重
合体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)ア
クリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリ
ル酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/ベンジル
(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート
共重合体、(メタ)アクリル酸/コハク酸モノ〔2−
(メタ)アクリロイロキシエチル〕/グリセリンモノ
(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート
共重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メ
タ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/N
−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/
グリセリンモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メ
タ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合
体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)アク
リレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチル
メタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アク
リル酸/コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシ
エチル〕/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/フェ
ニル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル
酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/フェニル
(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合
体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)アク
リレート/フェニル(メタ)アクリレート/ポリスチレ
ンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/グリ
セリンモノ(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)ア
クリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー
共重合体、(メタ)アクリル酸/コハク酸モノ〔2−
(メタ)アクリロイロキシエチル〕/グリセリンモノ
(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合
体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)アク
リレート/N−フェニルマレイミド/ポリスチレンマク
ロモノマー共重合体、あるいは、(メタ)アクリル酸/
グリセリンモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマ
レイミド/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共
重合体などの四元共重合体;(メタ)アクリル酸/スチ
レン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマ
レイミド/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メ
タ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレ
ート/N−フェニルマレイミド/ポリメチルメタクリレ
ートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ス
チレン/フェニル(メタ)アクリレート/N−フェニル
マレイミド/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/スチレン/フェニル(メタ)アク
リレート/N−フェニルマレイミド/ポリメチルメタク
リレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸
/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/スチレン/メ
チル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレ
ート共重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ
(メタ)アクリレート/スチレン/メチル(メタ)アク
リレート/フェニル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレ
ート/スチレン/メチル(メタ)アクリレート/N−フ
ェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/グリ
セリンモノ(メタ)アクリレート/スチレン/2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)
アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリ
ンモノ(メタ)アクリレート/スチレン/2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アク
リレート共重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモ
ノ(メタ)アクリレート/スチレン/2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共
重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)
アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレー
ト/フェニル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)
アクリル酸/コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロ
キシエチル〕/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/
スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレ
ート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−
フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/グ
リセリンモノ(メタ)アクリレート/スチレン/ベンジ
ル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー
共重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メ
タ)アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリ
レート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重
合体、(メタ)アクリル酸/コハク酸モノ〔2−(メ
タ)アクリロイロキシエチル〕/グリセリンモノ(メ
タ)アクリレート/スチレン/フェニル(メタ)アクリ
レート共重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ
(メタ)アクリレート/スチレン/フェニル(メタ)ア
クリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メ
タ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレート
/スチレン/フェニル(メタ)アクリレート/ポリスチ
レンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/グ
リセリンモノ(メタ)アクリレート/スチレン/フェニ
ル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマ
クロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/コハク酸
モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/グリセ
リンモノ(メタ)アクリレート/スチレン/N−フェニ
ルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリ
ンモノ(メタ)アクリレート/スチレン/N−フェニル
マレイミド/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレ
ート/スチレン/N−フェニルマレイミド/ポリメチル
メタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アク
リル酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/メチル
(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合
体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)アク
リレート/メチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アク
リレート共重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモ
ノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート
/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/N−フ
ェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/グリ
セリンモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アク
リレート/ベンジル(メタ)アクリレート/フェニル
(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/
コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕
/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/メチル(メ
タ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重
合体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)ア
クリレート/メチル(メタ)アクリレート/ベンジル
(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合
体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)アク
リレート/メチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メ
タ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合
体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)アク
リレート/メチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メ
タ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモ
ノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/コハク酸モノ
〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/グリセリン
モノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレー
ト/フェニル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)
アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/メ
チル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレ
ート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アク
リル酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/メチル
(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート
/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アク
リル酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/メチル
(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート
/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/コハク酸モノ〔2−(メタ)アク
リロイロキシエチル〕/グリセリンモノ(メタ)アクリ
レート/メチル(メタ)アクリレート/N−フェニルマ
レイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモ
ノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート
/N−フェニルマレイミド/ポリスチレンマクロモノマ
ー共重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メ
タ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/N−
フェニルマレイミド/ポリメチルメタクリレートマクロ
モノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモ
ノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/フ
ェニル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリ
ル酸/コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエ
チル〕/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メ
タ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/グリ
セリンモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレー
ト/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリ
ル酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)
アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレ
ート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベ
ンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレー
トマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/コハ
ク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/グ
リセリンモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレ
ート共重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ
(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/N−フ
ェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/グリ
セリンモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレー
ト/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)ア
クリル酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/フェニル(メ
タ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモ
ノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/コハク酸モノ
〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/グリセリン
モノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、
(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレ
ート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/N
−フェニルマレイミド/ポリスチレンマクロモノマー共
重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)
アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート/N−フェニルマレイミド/ポリメチルメタクリレ
ートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/コ
ハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/
グリセリンモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メ
タ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート共重
合体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)ア
クリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/フェニル
(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合
体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)アク
リレート/ベンジル(メタ)アクリレート/フェニル
(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共
重合体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)
アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/フェニ
ル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマ
クロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/コハク酸
モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/グリセ
リンモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アク
リレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)
アクリル酸/コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロ
キシエチル〕/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/
ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモ
ノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/コハク酸モノ
〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/グリセリン
モノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレ
ート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合
体、(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)アク
リレート/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニ
ルマレイミド/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレ
ート/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマ
レイミド/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共
重合体、(メタ)アクリル酸/コハク酸モノ〔2−(メ
タ)アクリロイロキシエチル〕/グリセリンモノ(メ
タ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/N
−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/
コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕
/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/フェニル(メ
タ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合
体、(メタ)アクリル酸/コハク酸モノ〔2−(メタ)
アクリロイロキシエチル〕/グリセリンモノ(メタ)ア
クリレート/フェニル(メタ)アクリレート/ポリメチ
ルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)ア
クリル酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/フェ
ニル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/
ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリ
ル酸/グリセリンモノ(メタ)アクリレート/フェニル
(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリ
メチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メ
タ)アクリル酸/コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロ
イロキシエチル〕/グリセリンモノ(メタ)アクリレー
ト/N−フェニルマレイミド/ポリスチレンマクロモノ
マー共重合体、あるいは、(メタ)アクリル酸/コハク
酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/グリ
セリンモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイ
ミド/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合
体などの五元共重合体;
【0019】(メタ)アクリル酸/スチレン/2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)
アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリスチレン
マクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレ
ン/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベン
ジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/
ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/スチレン/2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート
/N−フェニルマレイミド/ポリスチレンマクロモノマ
ー共重合体、あるいは、(メタ)アクリル酸/スチレン
/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/フェニ
ル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポ
リメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体などの
六元共重合体等を挙げることができる。
【0020】また、カルボキシル基含有共重合体におけ
るカルボキシル基含有不飽和単量体の共重合割合は、通
常、5〜50重量%の範囲内の値であるが、好ましくは
10〜40重量%の範囲内の値である。この理由は、カ
ルボキシル基含有不飽和単量体の共重合割合が5重量%
未満となると、得られる放射線硬化性樹脂組成物のアル
カリ現像液に対する溶解性が低下する場合があるためで
あり、一方かかる共重合割合が50重量%を超えると、
アルカリ現像液による現像時に、形成されたパターンの
基板からの脱落やパターン表面の膜荒れが生じる場合が
あるためである。
【0021】また、(A)成分のアルカリ可溶性樹脂の
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC;溶出
溶媒テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算
の重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、好ま
しくは1,000〜1,000,000の範囲内の値で
あり、さらに好ましくは5,000〜100,000の
範囲内の値である。この理由は、かかる重量平均分子量
が1,000未満となると、均一な厚さを有する樹脂膜
を形成することが困難となる場合があるためであり、一
方、かかる重量平均分子量が1,000,000を超え
ると、取り扱いが困難となったり、あるいは現像性が低
下する場合があるためである。
【0022】(B)多官能性モノマー (B)成分の多官能性モノマーとしては、例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール等のアルキレン
グリコールのジアクリレートまたはジメタクリレート
類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコールのジアクリレートまた
はジメタクリレート類;グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル等の3価以上の多価アルコールのポリアクリレートま
たはポリメタクリレート類やそれらのジカルボン酸変性
物;ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アル
キド樹脂、シリコーン樹脂、スピラン樹脂等のオリゴア
クリレートまたはオリゴメタクリレート類;両末端ヒド
ロキシポリ−1,3−ブタジエン、両末端ヒドロキシポ
リイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトン等
の両末端ヒドロキシル化重合体のジアクリレートまたは
ジメタクリレート類;トリス(2−アクリロイルオキシ
エチル)フォスフェート、トリス(2−メタクリロイル
オキシエチル)フォスフェート等を挙げることができ
る。
【0023】これらの多官能性モノマーのうち、3価以
上の多価アルコールのポリアクリレートまたはポリメタ
クリレート類やそれらのジカルボン酸変性物が好まし
く、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリ
アクリレートのコハク酸変性物、ペンタエリスリトール
トリメタクリレートのコハク酸変性物、ペンタエリスリ
トールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアク
リレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が好まし
く、特にトリメチロールプロパントリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレートが、パターン強度が高く、
パターン表面の平滑性に優れ、かつパターンが形成され
る部分以外の領域での地汚れ、膜残り等を発生し難い点
で好ましい。前記多官能性モノマーは、単独でまたは二
種以上を混合して使用することができる。
【0024】また、(B)多官能性モノマーの含有量
は、(A)アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、
通常、5〜500重量部の範囲内の値であるが、好まし
くは20〜300重量部の範囲内の値である。この理由
は、かかる多官能性モノマーの含有量が5重量部未満で
は、パターン強度やパターン表面の平滑性が不十分とな
る傾向があり、一方、500重量部を超えると、アルカ
リ現像性が低下したり、パターンが形成される部分以外
の領域での地汚れや膜残りが発生しやすくなる傾向があ
るためである。
【0025】また、第1の実施形態において、(B)成
分の多官能性モノマーの一部を単官能性モノマーで置き
換えることもできる。このような単官能性モノマーとし
ては、例えば、アルカリ可溶性樹脂を構成するカルボキ
シル基含有不飽和単量体あるいは他の不飽和単量体や、
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリ
レート等を挙げることができる。
【0026】また、これらの単官能性モノマーのうち、
コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、コハク
酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、メトキシト
リエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチ
レングリコールメタクリレート、メトキシジプロピレン
グリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコ
ールメタクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラク
トンモノアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラ
クトンモノメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェ
ノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピルメタクリレート等の一種単独または二
種以上の組み合わせが挙げられる。また、単官能性モノ
マーの使用割合は、多官能性モノマーと単官能性モノマ
ーの合計量に対して、通常、0〜90重量%の範囲内の
値であり、好ましくは0〜50重量%の範囲内の値であ
る。
【0027】(C)放射線重合開始剤 (C)成分の放射線重合開始剤は、可視光線、紫外線、
遠紫外線、電子線、X線等の露光により分解または結合
の開裂を生じ、多官能性モノマーの重合を開始すること
ができる活性種、例えば、ラジカル、アニオン、カチオ
ン等を発生することができる化合物を意味する。このよ
うな放射線重合開始剤としては、ビイミダゾール系化合
物、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベ
ンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キ
ノン系化合物、キサントン系化合物、およびトリアジン
系化合物等を挙げることができる。
【0028】前記ビイミダゾール系化合物の具体例とし
ては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,
4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニル
フェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビ
ス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テト
ラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,
2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフ
ェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エト
キシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾー
ル、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−
4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボ
ニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’
−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,
5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニ
ル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス
(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,
5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)
−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,
4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−
テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−
1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−シア
ノフェニル)−4,4’,5.5’−テトラキス(4−
エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾ
ール、2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,
4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニ
ルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−
ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テ
トラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,
2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフ
ェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エト
キシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾー
ル、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,
4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニ
ルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−
ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テ
トラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,
2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフ
ェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エト
キシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾー
ル、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,
4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニ
ルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−
ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−
テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,
2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニル
フェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エ
トキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾー
ル、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,
4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニ
ルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−
ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,
5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−
4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイ
ミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニ
ル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’
−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリ
ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニ
ル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,
4−ジシアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ
フェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス
(2,4,6−トリシアノフェニル)−4,4’,5,
5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−4,
4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダ
ゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリメチルフェ
ニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,
2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジエ
チルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル
−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,
4,6−トリエチルフェニル)−4,4’,5,5’−
テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’
−ビス(2,4−ジフェニルフェニル)−4,4’,
5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾー
ル、2,2’−ビス(2,4,6−トリフェニルフェニ
ル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’
−ビイミダゾール等を挙げることができる。
【0029】これらのビイミダゾール系化合物のうち、
2,2’−ビス(2−クロルフェニル)−4,4’,
5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニ
ル)−1,2’−ビイミダゾールおよび2,2’−ビス
(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ
キス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−
ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフ
ェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,
2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−
トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフ
ェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス
(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−
テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールおよび2,
2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,
4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダ
ゾールが特に好ましい。
【0030】前記ベンゾイン系化合物の具体例として
は、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインi−プロピルエーテル、
ベンゾインi−ブチルエーテル、ジベンゾイル、メチル
−2−ベンゾイルベンゾエート等を挙げることができ
る。前記アセトフェノン系化合物の具体例としては、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−オン、1−(4’−i−プロピルフェニル)−2−ヒ
ドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2’
−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−
2−プロピル)ケトン、2,2−ジメトキシアセトフェ
ノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル
−(4’−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノ−
1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチル
アミノ−1−(4’−モルフォリノフェニル)ブタン−
1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−
1−オン等を挙げることができる。
【0031】前記ベンゾフェノン系化合物の具体例とし
ては、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノ
ン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
等を挙げることができる。前記α−ジケトン系化合物の
具体例としては、ジアセチル、ジベンゾイル、メチルベ
ンゾイルホルメート等を挙げることができる。前記多核
キノン系化合物の具体例としては、アントラキノン、2
−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノ
ン、1,4−ナフトキノン等を挙げることができる。
【0032】前記キサントン系化合物の具体例として
は、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサ
ントン、2,4−ジエチルジチオキサントン等を挙げる
ことができる。前記トリアジン系化合物の具体例として
は、1,3,5−トリス(トリクロロメチル)−s−ト
リアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−
(2’−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−
ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−クロロフェニ
ル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチ
ル)−5−(2’−メトキシフェニル)−s−トリアジ
ン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−
メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(2’−フ
リルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)
−s−トリアジン、2−(4’−メトキシスチリル)−
4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
2−(3’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビ
ス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’
−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、2−(2’−ブロモ−4’−メ
チルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−
s−トリアジン、2−(2’−チオフェニルエチリデ
ン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリア
ジン等を挙げることができる。これらの放射線重合開始
剤は、単独でまたは二種以上を混合して使用することが
できる。
【0033】本発明における放射線重合開始剤の使用量
は、(B)多官能性モノマー100重量部に対して、通
常、0.01〜500重量部、好ましくは1〜300重
量部、特に好ましくは1〜200重量部である。この場
合、放射線重合開始剤の使用量が0.01重量部未満で
は、露光による硬化が不十分となる場合があり、一方5
00重量部を超えると、形成されたパターンが現像時に
基板から脱落しやすくなり、また未露光部の基板上ある
いは遮光層上に地汚れ、膜残り等を生じやすくなる。
【0034】さらに、本発明においては、前記放射線重
合開始剤と共に、必要に応じて、増感剤、硬化促進剤あ
るいは高分子化合物からなる光架橋剤または光増感剤
(以下、「高分子光架橋・増感剤」ともいう)の一種以
上を併用することもできる。
【0035】このような増感剤の具体例としては、4−
ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプ
ロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエ
ート、i−プロピル−4−ジメチルアミノベンゾエー
ト、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ
ベンゾニトリル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベ
ンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベン
ゾフェノン、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルア
ミノベンゾエート、2,5−ビス(4’−ジエチルアミ
ノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−
3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−
(ジエチルアミノ)カルコン等を挙げることができる。
【0036】また、硬化促進剤の具体例としては、2−
メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオ
キサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2,
5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−
メルカプト−2,5−ジメチルアミノピリジン、2−メ
ルカプト−4,6−ジメチルアミノピリジン、1−フェ
ニル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、3−メル
カプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール
等の連鎖移動剤を挙げることができる。
【0037】さらに、高分子光架橋・増感剤は、光架橋
剤および/または光増感剤として機能しうる官能基を主
鎖および/または側鎖中に有する高分子化合物である。
このような高分子光架橋・増感剤の具体例としては、4
−アジドベンズアルデヒドとポリビニルアルコールとの
縮合物、4−アジドベンズアルデヒドとフェノールノボ
ラック樹脂との縮合物、4−アクリロイルフェニルシン
ナモイルエステルの単独重合体あるいは共重合体、1,
4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン等を挙げ
ることができる。
【0038】また、このような増感剤、硬化促進剤およ
び高分子光架橋・増感剤のうち、4,4’−ビス(ジメ
チルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチ
ルアミノ)ベンゾフェノンおよび2−メルカプトベンゾ
チアゾールが、形成されたパターンが現像時に基板から
脱落し難く、パターン強度および感度も高いことから特
に好ましい。
【0039】本発明においては、放射線重合開始剤とし
て、特に、ビイミダゾール系化合物と他の放射線重合開
始剤、特に好ましくはアセトフェノン系化合物および/
またはベンゾフェノン系化合物とを組み合わせて使用す
ることが、形成されたパターンが現像時に基板から脱落
し難く、パターン強度および感度も高い点で好ましい。
本発明において、放射線重合開始剤としてビイミダゾー
ル系化合物と他の放射線重合開始剤とを併用する場合、
他の放射線重合開始剤の使用割合は、放射線重合開始剤
全体の80重量%以下であることが好ましい。
【0040】好ましい組み合わせ例としては、2,2’
−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−
テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,
2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン、2,2’−ビス(2−クロロフェ
ニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキ
シカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール/
4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/2
−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォ
リノフェニル)ブタン−1−オン、2,2’−ビス(2
−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス
(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイ
ミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾ
フェノン/1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,
4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニル
フェニル)−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビ
ス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン/1−ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン/2−メルカプトベンゾ
チアゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニ
ル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’
−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)
ベンゾフェノン、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフ
ェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,
2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン/2−ベンジル−2−ジメチルアミ
ノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オ
ン、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−
4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイ
ミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾ
フェノン/1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニ
ル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’
−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)
ベンゾフェノン/1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン/2−メルカプトベンゾチアゾール等を挙げる
ことができる。
【0041】また、増感剤および硬化促進剤の合計使用
割合は、放射線重合開始剤全体の80重量%以下である
ことが好ましい。さらに、高分子光架橋・増感剤の使用
割合は、ビイミダゾール系化合物の合計100重量部に
対して、通常、200重量部以下、好ましくは0.01
〜200重量部、さらに好ましくは50〜180重量部
である。
【0042】(D)導電性粒子 本発明に用いられる樹脂組成物には、(D)成分の導電
性粒子を含有することが好ましい。具体的には、カーボ
ンブラック、銀粉、鉄粉、ニッケル粉末等が挙げられる
が、このうち、導電性の調整がより容易となることから
カーボンブラックを含有することがより好ましい。この
ようなカーボンブラックとしては、例えば、SAF、S
AF−HS、ISAF、ISAF−LS、ISAF−H
S、HAF、HAF−LS、HAF−HS、NAF、F
EF、FEF−HS、SRF、SRF−LM、SRF−
LS、GPF、ECF、N−339、N−351等のフ
ァーネスブラック;FT、MT等のサーマルブラック;
アセチレンブラック等を挙げることができる。これらの
カーボンブラックは、一種単独でまたは二種以上を混合
して使用することができる。
【0043】また、導電性粒子の添加量は、樹脂組成物
の全体量を100重量%としたときに、通常、10重量
%以下、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ま
しくは0.05〜5重量%、特に好ましくは0.1〜3
重量%である。かかる導電性粒子の添加量が10重量%
を超えると、組成物中に導電性粒子を均一に分散させる
ことが困難となったり、得られる樹脂膜の透明性が低下
する場合がある。
【0044】溶剤 本発明の樹脂膜は、溶剤を添加した液状の樹脂組成物か
ら調製した膜であることが好ましい。このような溶剤と
しては、前記の成分を溶解または分散し、かつこれらの
成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限
り、適宜に選択して使用することができる。このような
溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ
−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメ
チルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n
−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n
−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエー
テル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエ
ーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエ
ーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノ
ン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロ
ピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等
の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチ
ルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、
3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピ
オン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エト
キシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキ
シ−3−メチル酪酸メチル、3−メチル−3−メトキシ
ブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプ
ロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i
−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸n
−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、
酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪
酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、
ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢
酸エチル、2−オキソ酪酸エチル等の他のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N−メチル
ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド類等の一種
単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
【0045】さらに、これらの溶剤と共に、ベンジルエ
チルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、アセトニル
アセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−
オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、
酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マ
レイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレ
ン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニル
エーテルアセテート等の高沸点溶剤を併用することもで
きる。これらの高沸点溶剤についても、単独で、または
二種以上を混合して使用することができる。
【0046】また、上述した溶剤のうち、溶解性、顔料
分散性、塗布性等の観点から、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエー
テルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノ
ン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メチル−
3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロ
ピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3
−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸
i−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピ
オン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸i−プロピル、酪
酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等がより好ましく、ま
た高沸点溶剤としてはγ−ブチロラクトン等がより好ま
しい。
【0047】添加剤 さらに、本発明で用いられる樹脂組成物には、必要に応
じて、種々の添加剤を含有することもできる。このよう
な添加剤としては、例えば、ノニオン系、カチオン系、
アニオン系等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メ
トキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2
−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−
ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−
t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェ
ノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等
の凝集防止剤等を挙げることができる。
【0048】また、(A)成分のアルカリ可溶性樹脂
が、カルボキシル基を有する共重合体である場合、樹脂
膜のアルカリ現像液に対する溶解性をより改善し、かつ
現像処理後の未溶解物の残存をより抑制するために、有
機酸を含有することができる。このような有機酸として
は、分子量が1,000以下である、脂肪族カルボン酸
あるいはフェニル基含有カルボン酸が好ましい。より具
体的には、脂肪族カルボン酸としては、ぎ酸、酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジ
エチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等のモノカルボン
酸類;しゅう酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン
酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチル
コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、イタコン酸、
シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸等の
ジカルボン酸類;トリカルバリル酸、アコニット酸、カ
ンホロン酸等のトリカルボン酸類等を挙げることができ
る。また、フェニル基含有カルボン酸としては、カルボ
キシル基が直接フェニル基に結合した芳香族カルボン酸
や、カルボキシル基が炭素鎖を介してフェニル基に結合
したカルボン酸を挙げることができ、その具体例として
は、安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メ
シチレン酸等の芳香族モノカルボン酸類;フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸類;
トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメ
リット酸等の3価以上の芳香族ポリカルボン酸類や、フ
ェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロけい皮酸、マン
デル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、けい皮酸、シ
ンナミリデン酸、クマル酸、ウンベル酸等を挙げること
ができる。これらの有機酸のうち、マロン酸、アジピン
酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン
酸、フタル酸等の脂肪族ジカルボン酸類および芳香族ジ
カルボン酸類が、アルカリ溶解性、後述する溶剤に対す
る溶解性、パターンが形成される部分以外の領域での地
汚れの防止等の観点から好ましい。
【0049】また、有機酸の使用量は、樹脂組成物の全
体量に対して、通常、10重量%以下、好ましくは0.
001〜10重量%、さらに好ましくは0.01〜1重
量%である。この理由は、有機酸の使用量が10重量%
を超えると、形成されたパターンの基板に対する密着性
が低下する場合があるためである。
【0050】(2)構成 位置 本発明の樹脂膜は、液晶表示素子において、液晶配向膜
と直接または間接的に接するように形成されていればよ
い。中でも、液晶配向膜の下層(基板と液晶配向膜との
間)に全面的に接触して形成されていることが特に好ま
しい。ただし、低残留電圧特性が得られる限り、さらに
別の樹脂層や半導体膜等を介して間接的に接していても
よく、液晶配向膜に接して部分的に形成されていてもよ
い。例えば、液晶配向膜の周囲に沿って、かかる樹脂膜
が設けられていてもよい。なお、樹脂膜からさらに帯電
した電荷を逃がしやすくするため、この樹脂膜にアース
端子が設けられていてもよい。
【0051】凹凸 本発明の樹脂膜は、液晶配向膜に間接的に凹凸を付与し
て、液晶配向能を付与する目的で、液晶配向膜と接触す
る面に凹凸を有することが好ましい。このような凹凸を
設ける方法としては、膜表面を露光、現像してパターン
を形成する方法が好ましい。この際、露光はマスクを介
して行ってもよい。凹凸を設けるその他の方法として
は、プラズマエッチング法、フォトエッチング法、サン
ドブラスト法、ブラッシング法等が挙げられる。樹脂膜
の凹凸(パターン)の形状については特に制限されるも
のではないが、例えば、ストライプ状、格子状、梯子状
等が好ましい。また、当該凹凸は、スリットやスコアで
あってもよい。 さらに、凹凸の大きさについても特に
制限されるものではないが、例えば、0.1〜20μ
m、好ましくは、0.5〜15μm、より好ましくは、
1〜10μmの範囲内の値が挙げられる。
【0052】体積固有抵抗 本発明の樹脂膜は、その体積固有抵抗が1×1015(Ω
・m)以下の値であり、好ましくは、1×1014(Ω・
m)以下、さらに好ましくは、1×1013(Ω・m)以
下の値である。この理由は、体積固有抵抗が1×1015
(Ω・m)を超えると、液晶配向膜に帯電した電荷を逃
がすことができず、さらに樹脂膜自体が帯電する可能性
があり、フリッカ−消去法により測定される残留DC電
圧の値が1V以上の値になり、液晶駆動に悪影響を与え
る場合があるためである。
【0053】この点、図1を参照して、より詳細に説明
する。図1は、横軸に残留DCの電圧の値(V)を採っ
て示してあり、縦軸に樹脂膜の体積固有抵抗(Ω・m)
を採って示してある。この図から理解されるように、残
留DCの電圧と、樹脂膜の体積固有抵抗との間に、一定
の関係があり、樹脂膜の体積固有抵抗の値が大きくなる
につれて、残留DCの電圧も大きくなるが、飽和してく
る傾向も見られている。したがって、例えば、残留DC
の電圧の値(V)を1V以下とするためには、樹脂膜の
体積固有抵抗を1×1015(Ω・m)以下の値にすれば
良いことがわかる。なお、かかる樹脂膜の体積固有抵抗
の値は、後述する実施例1に示す測定方法に準拠して、
測定することができる。
【0054】膜厚 本発明の樹脂膜の膜厚は、通常、0.1〜100μm、
好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは1〜3
0μmの範囲内であることが好ましい。この理由は、か
かる樹脂膜の膜厚が0.1μm未満となると、樹脂膜の
体積固有抵抗値を調節することが困難となったり、機械
的強度が低下する場合があるためである。一方、かかる
樹脂膜の膜厚が100μmを超えると、液晶表示装置に
使用した場合に素子が厚くなりすぎたり、あるいは、液
晶表示装置の柔軟性が低下する場合があるためである。
【0055】(3)形成方法 樹脂膜の形成方法については特に制限されるものではな
いが、例えば、パターニングされた透明導電膜が設けら
れている基板の一面に、樹脂膜を構成する樹脂組成物
を、例えばロールコーター法、スピンナー法、印刷法な
どの方法によって塗布し、次いで、塗布面を加熱あるい
は光硬化することにより樹脂膜を形成することが好まし
い。したがって、一部上述したように、より短時間で、
しかも任意パターンに形成することができることから、
ネガ型およびポジ型放射線硬化性樹脂組成物を用いると
ともに、樹脂膜をフォトリソグラフィにより形成するこ
とが好ましい。なお、樹脂膜を必ずしも先に透明導電膜
が設けられている基板に設ける必要はない。したがっ
て、液晶配向膜上に樹脂膜を形成した後、この樹脂膜が
形成された液晶配向膜を、透明導電膜が設けられている
基板に積層してもよい。
【0056】(4)液晶表示素子 本発明の樹脂膜を用いて形成される液晶表示素子は、例
えば以下のようにして得られる。
【0057】パターニングされた透明電極上に、上述
したような方法で本発明の樹脂膜を形成し、必要に応じ
て樹脂膜の表面に凹凸(パターン化)を形成した後、当
該樹脂膜上に液晶配向膜を形成する。ここで、液晶配向
膜は、例えば、ポリアミック酸、ポリイミドなどの樹脂
を含有してなり、通常、これらの樹脂と溶剤とを含有す
る液晶配向剤を塗布、乾燥して得られる。
【0058】上記のようにして液晶配向膜が形成され
た透明電極付きの基板を2枚作製し、それぞれの液晶配
向膜における液晶配向方向が直交または逆平行となるよ
うに、2枚の基板を、間隙(セルギャップ)を保持した
状態で対向配置する。そして、2枚の基板の周辺部をシ
ール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤に
より区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、注
入孔を封止することにより、液晶セルを構成する。そし
て、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セルを構成する
それぞれの基板の両面に、偏光板を、その偏光方向が当
該基板の一面に形成された液晶配向膜の液晶配向方向と
一致または直交するように貼り合わせることにより、液
晶表示素子を得ることができる。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、言うまでもなく、本発明はこれらの実施
例の記載に制限されるものではない。
【0060】[実施例1] (1)樹脂組成物の調製 以下の各成分〜をミキサを用いて均一に混合し、樹
脂膜用の放射線硬化性樹脂組成物(以下、「樹脂組成物
A」と称する。)を調製した。 アルカリ可溶性樹脂:メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体(共重合重量比 :15/15/60/10、Mw:25,000) :50重量部 多官能性モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート :40重量部 放射線重合開始剤: 2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4 −エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール:10重量部 4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン :10重量部 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン− 1−オン :20重量部 溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル :1,500重量部 導電性粒子:カーボンブラック :100重量部
【0061】(2)体積固有抵抗の測定 (1)で調製した樹脂組成物を、Asドープウエハー上
に、スピンコーターを用いて塗布したのち、90℃で4
分間プリベークを行なって、膜厚1.0μmの塗膜を形
成した。その後、ウエハーを室温に冷却したのち、高圧
水銀ランプを用い、塗膜に波長365nmの紫外線を2
00mJ/cm2の条件で露光した。次いで、基板を2
3℃の0.04重量%水酸化カリウム水溶液中に1分間
浸漬して現像したのち、超純水で洗浄し、風乾した。そ
の後、250℃で30分間ポストベークを行ない、実施
例1における樹脂膜とした。次いで、体積固有抵抗測定
装置R12706(アドバンテスト(株)製)、および
データ処理装置としてDELL社製パソコン XPST
450を用い、形成した樹脂膜に、印加電圧1Vの直流
電圧を印加後、300秒後に飽和した値を測定して、樹
脂膜の体積固有電流値とした。そして、得られた体積固
有電流値より、樹脂膜の体積固有抵抗値を次式から算出
した。 体積固有抵抗値=(電圧×主電極の面積)/(樹脂膜厚
×体積固有電流値)
【0062】(3)液晶配向剤の調製 テトラカルボン酸二無水物として、2,3,5−トリカル
ボキシシクロペンチル酢酸二無水物22.4g(100
ミリモル)、ジアミンとして、p−フェニレンジアミン
5.4g(50ミリモル)、下記式で表されるジアミン
26.1g(50ミリモル)を、それぞれN−メチル−
2−ピロリドン450gに溶解させ、60℃、6時間の
条件で反応させた。次いで、得られた反応溶液を大過剰
のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。
その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で1
5時間乾燥させることにより、対数粘度1.0dl/g
のポリアミック酸50.8gを得た。得られたポリアミ
ック酸6.0gに、N−メチルピロリドン28.2g、
およびブチルセロソルブ65.8gを加えて、液晶配向
剤100g(以下、「液晶配向剤1」と称する)を得
た。
【0063】
【化1】
【0064】(4)液晶表示素子の作製 厚さ1mmのガラス基板の一面に設けられたITO膜か
らなる透明導電膜上に、(1)で調製した樹脂組成物A
を、スピンコーターを用いて塗布したのち、90℃で4
分間プリベークを行なって、膜厚1.0μmの塗膜を形
成した。その後、基板を室温まで冷却したのち、高圧水
銀ランプを用い、塗膜に波長365nmの紫外線を20
0mJ/cm2露光した。次いで、塗膜付きの基板を2
3℃の0.04重量%水酸化カリウム水溶液中に1分間
浸漬して現像したのち、超純水で洗浄し、風乾した。そ
の後、250℃で30分間ポストベークを行ない、樹脂
膜とした。次いで、形成された樹脂膜上に、(3)で調
製した液晶配向剤1を、スピンコーターを用いて塗布
し、180℃、1時間の条件で乾燥することにより乾燥
膜厚80nmの液晶配向膜を形成した。このような液晶
配向膜が形成された基板を2枚作製し、それぞれの基板
の外縁部に、酸化アルミニウム球を含有するエポキシ系
接着剤をスクリーン印刷法により塗布した後、2枚の基
板を、所定間隙を設けた状態で対向配置し、外縁部同士
を当接させて圧着してエポキシ系接着剤を硬化させた。
そして、基板の表面および外縁部のエポキシ系接着剤に
より区画されたセルギャップ内に、ネガ型ネマティック
型液晶を注入充填し、次いで、注入孔をエポキシ系接着
剤でさらに封止して、実施例1の液晶表示素子を作製し
た。
【0065】(5)液晶表示素子の評価(残留電圧の測
定) 得られた液晶表示素子に、直流1.0Vを重畳した30
Hz、4.0Vの矩形波を、70℃の環境温度で1時間
印加した。直流電圧を切った直後の液晶セル内に残留し
た電圧を、フリッカ−消去法により測定し、残留DC電
圧とした。得られた結果を表1に示す。
【0066】[実施例2] (1)樹脂組成物の調製 実施例2では、実施例1における導電性粒子としてのカ
ーボンブラックの添加量を100重量部から、1重量部
とした他は、実施例1と同様にして、放射線硬化性樹脂
組成物(以下、「樹脂組成物B」と称する。)を調製し
た。
【0067】(2)樹脂組成物および液晶表示素子の評
価 調製した樹脂組成物Bの体積固有抵抗値を実施例1と同
様に測定した。また、樹脂組成物Aの代りに、樹脂組成
物Bを用いて樹脂膜を形成したほかは、実施例1と同様
にして、液晶表示素子を作製し、残留DC電圧の測定を
行った。得られた結果を表1に示す。
【0068】[実施例3] (1)樹脂組成物の調製 実施例3では、実施例1における導電性粒子としてのカ
ーボンブラックの添加量を100重量部から、0.00
1重量部とした他は、実施例1と同様にして、放射線硬
化性樹脂組成物(以下、「樹脂組成物C」と称する。)
を調製した。
【0069】(2)樹脂組成物および液晶表示素子の評
価 調製した樹脂組成物Cの体積固有抵抗を実施例1と同様
に測定した。また、樹脂組成物Aの代りに、樹脂組成物
Cを用いて樹脂膜を形成したほかは、実施例1と同様に
して、液晶表示素子を作製し、残留DC電圧の測定を行
った。得られた結果を表1に示す。
【0070】[実施例4] (1)液晶配向剤の調製 テトラカルボン酸二無水物として、2,3,5−トリカル
ボキシシクロペンチル酢酸二無水物22.4g(100
ミリモル)と、p−フェニレンジアミン9.7g(90
ミリモル)と、実施例1と同様のジアミン5.2g(1
0ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン450g
に対して溶解させ、60℃、6時間の条件で反応させ
た。
【0071】次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコ
ールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチル
アルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させ
ることにより、対数粘度0.95dl/gのポリアミッ
ク酸32.0gを得た。得られたポリアミック酸のうち
25.0gを、N−メチル−2−ピロリドン450gに
溶解させ、ピリジン26.5gおよび無水酢酸20.5
gを添加し、100℃で3時間脱水閉環反応を行った。
次いで、反応溶液を実施例1と同様に沈殿、洗浄、乾燥
させることにより、対数粘度0.95dl/g、イミド
化率90%のポリイミド20.0gを得た。
【0072】一方、テトラカルボン酸二無水物として、
ピロメリット酸二無水物10.9g(50ミリモル)お
よび1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無
水物9.8g(50ミリモル)を用い、オルガノシロキ
サンジアミン以外のジアミンとして、4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテル20g(100ミリモル)を用い
たほかは、実施例1と同様にして、対数粘度が1.45
dl/gであるポリアミック酸50.0gを得た。
【0073】このようにして得られたポリイミド1.2
gと、ポリアミック酸4.8gと、N−メチルピロリド
ン28.2gと、ブチルセロソルブ65.8gとを均一
に混合して、液晶配向剤100g(以下、「液晶配向剤
2」と称する。)を得た。
【0074】(2)液晶表示素子の評価 次いで、液晶配向剤1の代りに、得られた液晶配向剤2
を用いたほかは、実施例1と同様にして、液晶表示素子
を作製し、残留DC電圧の測定を行った。得られた結果
を表1に示す。
【0075】[実施例5]樹脂組成物Aを樹脂組成物B
に変えた以外は実施例4と同様にして、液晶表示素子を
作製し、残留DC電圧の測定を行った。得られた結果を
表1に示す。
【0076】[実施例6]樹脂組成物Aを樹脂組成物C
に変えた以外は実施例4と同様にして、液晶表示素子を
作製し、残留DC電圧の測定を行った。得られた結果を
表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】本発明の樹脂膜およびそれを用いた液晶
分子の配向処理方法によれば、ラビング処理を行わずに
液晶配向能を発現して液晶分子の配向性を制御し、さら
には、低残留電圧特性を有する液晶表示素子を得ること
ができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂膜の体積固有抵抗と、残留DC電圧との関
係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 圭一 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H090 HA08 HB08Y HB13X HB18X HB18Y HC06 HC12 HD07 HD12 KA04 MB14 4J011 AA05 PA69 PA70 QA13 QA17 QA42 QB05 QB12 QB14 QB16 QB19 QB24 QB25 SA01 SA21 SA31 SA41 SA63 SA64 SA82 UA01 UA03 UA04 UA06 WA10 4J026 AA16 AA17 AA20 AA21 AA31 AA37 AA38 AA43 AA45 AA48 AA49 AA50 AA53 AA54 AA55 AA57 AA68 AA69 AA71 AA76 BA28 BA41 BA50 DB36 GA06 GA08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶表示素子に用いられる液晶配向膜に
    接して形成される樹脂膜であって、体積固有抵抗が1×
    1015Ω・m以下の値であることを特徴とする樹脂膜。
  2. 【請求項2】 前記樹脂膜が、下記(A)成分、(B)
    成分および(C)成分を含有してなる放射線硬化性樹脂
    組成物の硬化物であることを特徴とする請求項1に記載
    の樹脂膜。 (A)アルカリ可溶性樹脂 (B)多官能性モノマー (C)放射線重合開始剤
  3. 【請求項3】 表面に凹凸を有することを特徴とする請
    求項1または2に記載の樹脂膜。
  4. 【請求項4】 パターニングしてあることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂膜。
  5. 【請求項5】 体積固有抵抗が1×1015Ω・m以下の
    値である請求項1記載の樹脂膜および当該樹脂膜に接し
    て形成された液晶配向膜により、液晶分子の配向処理を
    行うことを特徴とした液晶配向処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015152808A (ja) * 2014-02-17 2015-08-24 Dic株式会社 液晶配向補助剤およびこれを用いた液晶表示素子

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CN102368129B (zh) * 2011-10-14 2013-06-26 深圳市华星光电技术有限公司 液晶显示器的制作方法
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