JP2001289809A - ガスセンサとその製造方法 - Google Patents

ガスセンサとその製造方法

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JP2001289809A
JP2001289809A JP2001018998A JP2001018998A JP2001289809A JP 2001289809 A JP2001289809 A JP 2001289809A JP 2001018998 A JP2001018998 A JP 2001018998A JP 2001018998 A JP2001018998 A JP 2001018998A JP 2001289809 A JP2001289809 A JP 2001289809A
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metal
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gas sensor
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JP2001018998A
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English (en)
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Akiyoshi Hattori
章良 服部
信幸 ▲よし▼池
Nobuyuki Yoshiike
Yoshikatsu Inoue
義勝 井上
Shigeru Sasabe
笹部  茂
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】野菜から発生する低濃度の検知ガス(エチレ
ン、エタノール、アルデヒド類、メルカプタン類、アミ
ン類)に対し、高い感度を示し、野菜の新鮮度及び腐敗
度を感知等の用途に適するガスセンサの実現。 【構成】絶縁性基板1と、所定の間隔をおいて、前記基
板1上に設けられた一対の薄膜電極2と、前記基板1と
前記薄膜電極2上に設けられた、所定の物質を主成分と
するガス感応体薄膜3と、前記ガス感応体薄膜3上に、
前記一対の薄膜電極2の位置に対応して設けられた一対
の厚膜電極4を少なくとも備え、前記薄膜電極2と前記
厚膜電極4は、前記ガス感応体薄膜3の一部を挟み込む
ように形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野菜や果物から発
生する低濃度のエチレン、エタノール、メルカプタン
類、アミン類などのガスに対し、高い感度と選択性を示
し、野菜や果物の新鮮度および腐敗度を感知するガスセ
ンサとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、飲食物の新鮮度は、人間の視
覚、味覚、又は喉覚の感覚により主観的に判断され、該
新鮮度の判断が曖昧な場合が多い。一方、半導体ガスセ
ンサを利用し新鮮度を感知する技術の研究が活発に行わ
れ、一般に半導体ガスセンサは、図6〜図9に示すよう
に、絶縁性基板1と、一対の電極12と、ガス感応体13と
から構成される。ここで、図6、図7の半導体ガスセン
サは、絶縁性基板1上に一対の電極12を設け、絶縁性基
板1上と一対の電極12上にガス感応体13を形成した構成
である。また、図8,図9の半導体ガスセンサは、絶縁
性基板1上にガス感応体13を形成し、ガス感応体13上に
一対の電極12を設けた構成である。なお、図6〜図9に
おいて、一対の電極12は厚膜電極である。
【0003】最近、生魚の新鮮度を感知するため該生魚
類から発生する悪臭成分のトリメチルアミンを感知し得
る半導体ガスセンサが開発されている。感知材料として
は、ニ酸化チタニウム酸化物半導体が広く用いられ、前
記ニ酸化チタニウムに触媒の金属成分を添加しセンサの
感度を向上させていた。この場合、センサの感度に影響
を及ぼすものは触媒の作用、分散状態と感知膜の膜厚で
あって、前記触媒の作用を向上するためには触媒の成分
及び添加量が重要な役割をする。更に、前記ニ酸化チタ
ニウムを感知材料に用いる他にマグネシウム添加酸化イ
ンジウムをトリメチルアミンに対するガスセンサの感知
材料とし、酸化インジウムに酸化マグネシウムを5mol
%添加して原子制御により電子濃度を低下させ、空気中
のセンサ抵抗を大きくしてセンサの感度を向上させる研
究が行われている。しかし、このようなトリメチルアミ
ンに対するガスセンサの感知研究は、未だ初歩段階なの
で応用しておらず、感知センサの電力消耗が多く、大量
生産に適用しないという問題点がある。
【0004】野菜類の新鮮度感知装置においては、生魚
のトリメチルアミンとは違って、野菜から発生する硫化
物ガス(メルカプタン類)に対し優秀な感度を有する、
野菜新鮮度感知センサが開発されている。日本国の特許
第2875174には、酸化スズ粉末に所定量のパラジ
ウム粉末を添加して混合した後、粉砕する段階と、粉砕
された酸化スズ及びパラジウムの粉末を所定温度で所定
時間の仮焼した後有機物と混合してペーストをつくる段
階と、前記ペーストを基板の電極面上にコーティングし
て感知膜を形成する段階と、前記コーティングをした後
乾燥させ所定温度で所定時間の間焼結し、前記電極面に
リードワイヤを装着する段階と、を順次行って野菜新鮮
度感知センサを製造する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】野菜や果物からは、初
期から微量のエチレン、エタノール、アルデヒド類の発
生がみられ、メルカプタン類は野菜や果物の腐敗開始時
期から、アンモニアなどのアミン類は果物の腐敗開始時
期から発生することがわかってきた。野菜や果物類の新
鮮度感知においては、エチレン、エタノール、アルデヒ
ド類などのガスの方が有効であり、メルカプタン類やア
ンモニアなどのアミン類は野菜や果物類の腐敗感知に有
効であることが明らかになってきた。しかしながら、従
来の酸化スズ粉末と所定量のパラジウム粉末を混合・粉
砕・仮焼した後に有機物と混合して得られたペースト
を、基板の電極面上にコーティングして乾燥・焼結して
形成した感知膜を有する野菜新鮮度感知センサでは、新
鮮度検知に有効な1ppmレベルのエチレン、エタノー
ル、アルデヒド類などのガスを検知することは困難であ
り、また、野菜や果物の腐敗検知に有効な1ppmレベルの
メルカプタン類やアミン類を検知することは困難であ
る。
【0006】つまり、図6,図7の従来例では、厚い電
極12,12で挟まれているガス感応体13の部分は、
電気的に良好な接合をとるために電極の段差に対して膜
厚が当然厚くなる。その結果、感度が悪いという課題が
ある。
【0007】また、図8,図9の従来例では、先にガス
感応体13を基板1上に形成し、その後そのガス感応体
13の上に電極12を形成するので、電極12を形成す
る際、ガス感応体13に不純物が入ってしまう課題があ
った。
【0008】本発明は、上記課題を解決するもので、エ
チレン、エタノール、アルデヒド類、メルカプタン類、
アミン類などのガスに高感度なガスセンサと前記ガスセ
ンサを再現性良く作製することが可能な製造方法を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の本発明のガスセン
サ(請求項1に対応)は、絶縁性基板と、所定の間隔を
おいて、前記基板上に設けられた一対の薄膜電極と、前
記基板と前記薄膜電極上に設けられた、所定の物質を主
成分とするガス感応体薄膜と、前記ガス感応体薄膜上
に、前記一対の薄膜電極の位置に対応して設けられた一
対の厚膜電極を少なくとも備え、前記薄膜電極と前記厚
膜電極は、前記ガス感応体薄膜の一部を挟み込むように
形成されていることを特徴とするガスセンサである。
【0010】また、第2の本発明(請求項2に対応)
は、絶縁性基板と、所定の間隔をおいて、前記基板上に
設けられた一対の薄膜電極と、前記基板と前記薄膜電極
上に設けられた、所定の物質を主成分とするガス感応体
薄膜と、前記一対の薄膜電極に対応して、前記薄膜電極
上に直接設けられた一対の厚膜電極を少なくとも備えた
ことを特徴とするガスセンサである。
【0011】このように、本発明のガスセンサは、薄膜
電極間のガス感応体の膜厚が薄いために、従来の厚膜の
ガス感応体に比べて、ガス感応体薄膜と薄膜電極との間
により良好な電気的結合が得られる。その結果、高感
度、安定性、長時間寿命を得ることができる。
【0012】また、従来技術で述べた課題、つまり、製
造工程における、ガス感応体3への電極の悪影響、例え
ば不純物の混入などについては、本発明では問題がな
い。すなわち、薄膜電極2の形成は、ガス感応体薄膜3
の形成の前に終了しているので、薄膜電極2の問題は無
い。また、厚膜電極4は、ガス感応体薄膜3を形成した
後に形成するが、しかしながら、ガス検知に直接関係す
るガス感応体薄膜3の部分、つまり、一対の薄膜電極2
の間に存在するガス感応体薄膜3の部分Pは、厚膜電極
4の位置よりかなり離れているので、厚膜電極4の形成
によって悪影響を受ける心配はない。
【0013】なお、図1又は図2の実施例のように、前
記ガス感応体薄膜上に前記一対の薄膜電極に対応する一
対の厚膜電極が設けられている場合であっても、前記薄
膜電極と前記厚膜電極は、薄いガス感応体を挟み込むよ
うに構成されており、薄い方向に電流が流れるので、薄
膜電極と厚膜電極とは実質上、直接電気的に接続されて
いることになり、薄膜電極と厚膜電極の間に良好な電気
的結合が得られる。
【0014】本発明のガスセンサの製造方法は、金属ス
ズ塩と、少なくともスズに配位可能な有機化合物と、活
剤を含む有機溶液を塗布・焼成することにより、ガス感
応体薄膜を形成する工程を具備することを特徴とする。
また、本発明のガスセンサの製造方法は、少なくとも金
属スズせっけんと、活剤と、粘度調整剤とを含む有機溶
液からなるペーストを塗布・焼成することにより、ガス
感応体薄膜を形成する工程を具備することを特徴とす
る。
【0015】また本発明は、ガス感応体薄膜の形成に、
金属スズ塩と、少なくともスズに配位可能な有機化合物
と、活剤を含む有機溶液を用いる。一般に、金属スズ塩
は潮解性を有する場合や加水分解しやすい場合が多く、
安定して同じ膜厚や組成のガス感応体を作製することが
困難である。そのために前記スズに配位可能な有機化合
物を加え、前記金属スズ塩の一部と置換した配位化合物
を生成し、金属スズ塩を安定化させる。さらに、金属ス
ズせっけんと、少なくとも活剤と、粘度調整剤とを含む
有機溶液からなるペーストを用いることもできる。金属
スズせっけんは、一部の有機溶剤とミセルを形成するこ
とにより、溶液の粘度が増加して、ペースト状になる。
また、粘度調整剤は、有機溶剤に溶解して溶液の粘度を
調整するものである。前記活剤はスズ以外の金属塩であ
り、これらの塩の添加により、ガス感応体の検知ガスに
対する感度や選択性が向上される。その結果、金属スズ
塩と、金属パラジウム塩と、スズに配位可能な有機化合
物と、活剤を含む有機溶液、もしくは、金属スズせっけ
んと、少なくとも活剤と、粘度調整剤とを含む有機溶液
からなるペーストからなるガス感応体形成用組成物を塗
布・焼成することにより、活剤が均一に分散したガス感
応体を安定に製造することが可能となる。そして、従来
の酸化スズ粉末と所定量のパラジウム粉末を混合・粉砕
・仮焼した後に有機物と混合して得られたペーストを、
基板の電極面上にコーティングして乾燥・焼結して形成
した感知膜を有する野菜新鮮度感知センサに比べて、高
感度の1ppmレベルの検知ガス(エチレン、エタノール、
アルデヒド類、メルカプタン類、アミン類)を検知する
ガスセンサが得られる。
【0016】
【本発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を
説明する。
【0017】図1と図2はそれぞれ本発明のガスセンサ
の代表的な概略断面図の一例である。図1と図2におい
て、1はアルミナ、ムライト等の絶縁性基板、2は金、
銀、白金等の金属からなる薄膜電極、3は酸化スズを主
成分する金属酸化物からなるガス感応体薄膜、4は金、
銀、白金等の金属からなる厚膜電極である。
【0018】基板1は、表面が絶縁性を有し、加熱機能
を備えているものであれば、いずれのものも使用するこ
とができ、材料や構成等を限定するものではない。しか
しながら、基板の表面粗さは0.01〜1μmの間であるこ
とが好ましい。
【0019】薄膜電極2および厚膜電極4は、ガス感応
体3に電圧印加し、その抵抗値を測定することが主たる
目的であり、電極の材料、構成、パターン、製造方法等
を限定するものではない。しかしながら、薄膜電極2の
厚さは0.1〜1μm、厚膜電極4の厚さは3〜20μmの
間であることが好ましい。このとき、図2に示すよう
に、薄膜電極2と厚膜電極4と直接接触する部分があっ
てもよい。
【0020】ガス感応体薄膜3は、以下のようにして形
成することができる。
【0021】基板上にガス感応体形成用組成物の被膜を
形成した後、数百℃以上の温度で焼成し、ガス感応体薄
膜を形成する。なお、ガス感応体形成用組成物の塗布に
は、スクリーン印刷法、ロールコート法、ディップコー
ト法、スピンコート法等を用いることができるが、ディ
ップコート法、スピンコート法が好ましい。また、焼成
温度としては、ガス感応体形成用組成物が分解する温度
以上で、かつ基板の変形温度以下であればよく、400〜8
00℃が好ましい。ここで、ガス感応体形成用組成物は以
下のようにして合成する。
【0022】まず、金属スズ塩をスズに配位可能な有機
化合物と混合する。ここで、金属スズ塩は、スズに配位
可能な有機化合物と、置換できるような配位子を持つも
のであればよい。例えば、第一塩化スズ、スズアセチル
アセトン錯塩、2−エチルヘキサン酸スズが挙げられ
る。
【0023】金属パラジウム塩は、熱分解し易いものが
好ましく、塩化パラジウム、パラジウムアセチルアセト
ン錯塩などが挙げられる。
【0024】また、スズに配位可能な有機化合物は、ス
ズに1部配位して、金属スズ塩の安定化と有機溶剤に対
する溶解性をもたせるために必要であり、例えば、アセ
チルアセトンなどのβ−ジケトン類、メトキシエタノー
ルなどのエーテルアルコール類、エチレングリコールな
どの多価アルコール類、ジエチレングリコールなどの前
記多価アルコール類の縮合体が挙げられる。
【0025】次に、前記溶液に有機溶剤と活剤を加え、
それらの有機溶液を加熱処理する。ここで、活剤はガス
感応体の感度やガス選択性の向上を目的として添加され
る金属塩であり、金属マグネシウム塩、金属カルシウム
塩、金属ストロンチウム塩、金属バリウム塩等のアルカ
リ土類金属塩や、金属チタン塩、金属ジルコニウム塩、
金属バナジウム塩、金属クロム塩、金属マンガン塩、金
属鉄塩、金属コバルト塩、金属ニッケル塩、金属銅塩等
の遷移金属塩、金属亜鉛塩、金属鉛塩、金属カドミウム
塩、金属アンチモン塩、金属ビスマス塩、金属パラジウ
ム塩等が挙げられ、金属マンガン塩、金属鉄塩、金属コ
バルト塩、金属ニッケル塩、金属亜鉛塩、金属パラジウ
ム塩が好ましい。化合物としては、室温では比較的安定
であるが、加熱処理により容易に分解し易いものであれ
ばよく、無機塩でも有機塩でも良い。例えば、無機塩で
は硝酸塩、硫酸塩、塩化物塩等が、有機塩ではカルボン
酸塩、ジカルボン酸塩やアセチルアセトン錯塩が挙げら
れる。また、前記有機溶剤としては、本発明で用いる有
機化合物や無機化合物を溶解するものであればよい。例
えば、エタノール、イソプロパノール等のアルコール
類、アセトン、ジエチルケトン等のケトン類、テトラヒ
ドロフラン等が挙げられる。さらに、前記活剤が室温で
難溶の場合、金属スズ塩と、金属パラジウム塩と、スズ
に配位可能な有機化合物と、活剤を含む有機溶液を、そ
の有機溶液の還流温度もしくは還流温度付近で加熱処理
してもよい。
【0026】以下、さらに詳細な実施例によって本発明
を説明する。
【0027】
【実施例1】厚さ0.4mmのアルミナ基板の上に、金の有
機金属化合物ペ−ストをスクリーン印刷を用いて塗布・
乾燥した後、800℃で焼成して、膜厚が0.3μmの第一層
の薄膜電極を形成した。
【0028】1リットルの三角フラスコに、8gの塩化
第一スズ(化1)を秤量し、16gのメトキシエタノール
を加えて、室温で混合・溶解させた。その溶液に、(数
1)が5mol%となるように秤量した塩化パラジウム(化
2)と130gのアセトンを加えて、撹拌・混合し、所望
のガス感応体形成用組成物を得た。
【0029】
【化1】SnCl2・2H2O
【0030】
【数1】Pd/(Sn+Pd)×100
【0031】
【化2】PdCl2・2H2O そのガス感応体形成用組成物を、厚さ0.4mmのアルミナ
基板の上に、ディップコートにより塗布後、600℃で1
時間焼成し、膜厚が120nmの酸化スズを主成分とする金
属酸化物からなるガス感応体薄膜を形成した。
【0032】次に、ガス感応体薄膜3上に、金の厚膜印
刷用ペーストをスクリーン印刷を用いて塗布・乾燥した
後、600℃で焼成して、膜厚が8μmの第二層の厚膜電
極を形成した。
【0033】次に、作製したセンサ素子を用いてエチレ
ンガスに対する応答特性を測定した。石英ガラス製測定
管中にセンサ素子を固定し、ヒータによって素子温度を
400℃に制御して、空気と1ppmのエチレンを含む空気を
交互にセンサ素子に流通接触させたときのセンサ素子抵
抗変化を測定した。空気中におけるセンサ素子抵抗をR
A、エチレンを含む空気に変えて10分後のセンサ素子抵
抗をRGとしてRG/RAを求めてセンサ感度とした。
このようにして求めたセンサが示す感度は、0.70であっ
た。
【0034】図3は、本発明のガスセンサの別の概略断
面図である。図3において、1はアルミナ、ムライト等
の絶縁性基板、2は金、銀、白金等の金属からなる薄膜
電極、3は酸化スズを主成分する金属酸化物からなるガ
ス感応体薄膜、4は金、銀、白金等の金属からなる厚膜
電極である。図1,図2とは、ガス感応薄膜3の上に
は、厚膜電極4が形成されていない点で異なる。
【0035】基板1は、表面が絶縁性を有し、加熱機能
を備えているものであれば、いずれのものも使用するこ
とができ、材料や構成等を限定するものではない。しか
しながら、基板の表面粗さは0.01〜1μmの間であるこ
とが好ましい。
【0036】薄膜電極2および厚膜電極4は、ガス感応
体3に電圧印加し、その抵抗値を測定することが主たる
目的であり、電極の材料、構成、パターン、製造方法等
を限定するものではない。しかしながら、薄膜電極2の
厚さは0.1〜1μm、厚膜電極4の厚さは3〜20μmの
間であることが好ましい。
【0037】ガス感応体薄膜3は、以下のようにして形
成することができる。
【0038】基板上にガス感応体形成用組成物の被膜を
形成した後、数百℃以上の温度で焼成し、ガス感応体薄
膜を形成する。なお、ガス感応体形成用組成物の塗布に
は、スクリーン印刷法、ロールコート法、ディップコー
ト法、スピンコート法等を用いることができるが、スク
リーン印刷法が好ましい。また、焼成温度としては、ガ
ス感応体形成用組成物が分解する温度以上で、かつ基板
の変形温度以下であればよく、400〜800℃が好ましい。
ここで、ガス感応体形成用組成物は以下のようにして合
成する。
【0039】まず、活剤に有機溶剤を加え、溶解させ
る。
【0040】ここで、活剤はガス感応体の感度やガス選
択性の向上を目的として添加される金属塩であり、金属
マグネシウム塩、金属カルシウム塩、金属ストロンチウ
ム塩、金属バリウム塩等のアルカリ土類金属塩や、金属
チタン塩、金属ジルコニウム塩、金属バナジウム塩、金
属クロム塩、金属マンガン塩、金属鉄塩、金属コバルト
塩、金属ニッケル塩、金属銅塩等の遷移金属塩、金属亜
鉛塩、金属鉛塩、金属カドミウム塩、金属アンチモン
塩、金属ビスマス塩、金属パラジウム塩等が挙げられ
る。化合物としては、室温では比較的安定であるが、加
熱処理により容易に分解し易いものであればよく、無機
塩でも有機塩でも良い。例えば、無機塩では硝酸塩、硫
酸塩、塩化物塩等が、有機塩ではカルボン酸塩、ジカル
ボン酸塩やアセチルアセトン錯塩が挙げられる。さら
に、前記有機溶剤としては、金属スズせっけんと粘度調
整剤のいずれも溶解することができるものであり、メト
キシエタノール、ブチルカルビトールなどのエーテルア
ルコール類、アセチルアセトンなどのβ−ジケトン類、
酢酸ブチルカルビトールなどのエステル類、α−テルピ
ネオールなどのテルペン系溶剤などが挙げられる。
【0041】次に、粘度調整剤を前記有機溶液に加え
て、混合する。
【0042】ここで、粘度調整剤は、有機溶液の粘度を
増加させる増粘効果を有するポリマーであればよく、例
えば、ポリビニルピロリジノン、エチルセルロース等が
挙げられる。
【0043】最後に、金属スズせっけんを前記有機溶液
に加えて、混合する。なお、粘度調整剤を加熱溶融させ
た有機溶液を加えて混合しても良い。
【0044】ここで、金属スズせっけんは、2−エチル
ヘキサン酸スズやナフテン酸スズなどが挙げられる。
【0045】以下、さらに詳細な実施例によって本発明
を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0046】
【実施例2】厚さ0.4mmのアルミナ基板の上に、金の有
機金属化合物ペ−ストをスクリーン印刷を用いて塗布・
乾燥した後、800℃で焼成して、膜厚が0.3μmの第一層
の薄膜電極2を形成した。
【0047】次に、第一層の薄膜電極2上に、金の厚膜
印刷用ペーストをスクリーン印刷法を用いて塗布・乾燥
した後、800℃で焼成して、膜厚が6μmの第二層の厚
膜電極を形成した。
【0048】まず、100mlのビーカーに、(数1)が0
〜5mol%となるように活剤として塩化パラジウム(化
1)を秤量し、4gのブチルカルビトールと2gの酢酸
ブチルカルビトールを加えて、しばらく攪拌した。そし
て、粘度調整剤として2gのポリビニルピロリジノンを
加え、さらに、6gの2−エチルヘキサン酸スズ(化
3)を加えて、撹拌・混合して、所望のガス感応体形成
用組成物を得た。
【0049】
【化3】Sn(OOCCH(CH2CH3)(CH2)3CH3)2 そのガス感応体形成用組成物を、厚さ0.4mmのアルミナ
基板の上に、スクリーン印刷により塗布後、700℃で1
時間焼成し、膜厚が200nmの酸化スズを主成分とする金
属酸化物からなるガス感応体薄膜を形成した。
【0050】次に、実施例1と同様にして、1ppmのエチ
レンガスに関するセンサ感度を測定した。なお、測定温
度は340℃であった。その結果を図4に示す。なお、
1ppmのエタノール、アセトアルデヒド、メチルメルカプ
タン、アンモニアに対するセンサ感度は、それぞれ、0.
20, 0.30, 0.60、 0.70であった。
【0051】
【実施例3】まず、100mlのビーカーに、(数2)が1m
ol%となるように活剤として金属(M=Mn,Fe,N
i,Co,Zn)2−エチルヘキサン酸を秤量し、1g
のエチルセルロースを溶解した12gのブチルカルビト
ールを加えてしばらく撹拌した。最後に6gの2−エチ
ルヘキサン酸スズ(化3)を加えて、撹拌・混合して、
所望のガス感応体形成用組成物を得た。
【0052】そのガス感応体形成用組成物を、厚さ0.4m
mのアルミナ基板の上に、スクリーン印刷により塗布
後、700℃で1時間焼成し、膜厚が240nmの酸化スズを主
成分とする金属酸化物からなるガス感応体薄膜を形成し
た。
【0053】次に、実施例1と同様にして、1ppmのジ
メチルスルフィドとアンモニアに関するセンサ感度を測
定した。なお、測定温度は340℃であった。その結果
を図5に示す。
【0054】
【発明の効果】本発明は、野菜から発生する低濃度の検
知ガス(エチレン、エタノール、アルデヒド類、メルカ
プタン類、アミン類)に対し、高い感度を示し、野菜の
新鮮度及び腐敗度を感知等の用途に適するガスセンサを
与えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスセンサの一実施例を示す概略断面
図である。
【図2】本発明のガスセンサの他の実施例を示す概略断
面図である。
【図3】本発明のガスセンサの他の実施例を示す概略断
面図である。
【図4】パラジウム添加量と、本発明の実施例のセンサ
感度の関係を示す図である。
【図5】各種添加金属元素と、本発明の実施例のセンサ
感度の関係を示す図である。
【図6】従来の半導体式ガスセンサの概略断面図であ
る。
【図7】従来の半導体式ガスセンサの概略断面図であ
る。
【図8】従来の半導体式ガスセンサの概略断面図であ
る。
【図9】従来の半導体式ガスセンサの概略断面図であ
る。
【符号の説明】
1 基板 2 薄膜電極 3 ガス感応体薄膜 4 厚膜電極 12 電極 13 ガス感応体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲よし▼池 信幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 井上 義勝 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 (72)発明者 笹部 茂 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 Fターム(参考) 2G046 AA18 AA24 AA34 BA01 BA09 BB02 BC01 BC05 EA02 EA04 EA08 EA09 EA18 FB02 FE09 FE12 FE21 FE25 FE29 FE39 FE48

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板と、所定の間隔をおいて、前
    記基板上に設けられた一対の薄膜電極と、前記基板と前
    記薄膜電極上に設けられた、所定の物質を主成分とする
    ガス感応体薄膜と、前記ガス感応体薄膜上に、前記一対
    の薄膜電極の位置に対応して設けられた一対の厚膜電極
    を少なくとも備え、 前記薄膜電極と前記厚膜電極は、前記ガス感応体薄膜の
    一部を挟み込むように形成されていることを特徴とする
    ガスセンサ。
  2. 【請求項2】 絶縁性基板と、所定の間隔をおいて、前
    記基板上に設けられた一対の薄膜電極と、前記基板と前
    記薄膜電極上に設けられた、所定の物質を主成分とする
    ガス感応体薄膜と、前記一対の薄膜電極の位置に対応し
    て、前記薄膜電極上に直接設けられた一対の厚膜電極を
    少なくとも備えたことを特徴とするガスセンサ。
  3. 【請求項3】 前記一対の厚膜電極間の間隔は、前記一
    対の薄膜電極間の間隔よりも大きいことを特徴とする請
    求項1または2記載のガスセンサ
  4. 【請求項4】 前記所定の物質は、酸化スズを主成分と
    し、添加元素として、パラジウム、鉄、ニッケル、マン
    ガン、コバルト、亜鉛からなる群からいずれか一つ以上
    を含むことを特徴とする請求項3記載のガスセンサ
  5. 【請求項5】 金属スズ塩と、少なくともスズに配位可
    能な有機化合物と、活剤を含む有機溶液を塗布・焼成す
    ることにより、ガス感応体薄膜を形成する工程を具備す
    ることを特徴とするガスセンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記金属スズ塩は、塩化第一スズ、スズ
    アセチルアセトン錯塩、2−エチルヘキサン酸スズから
    なる群からいずれか一つまたは複数種類選ばれたもので
    あることを特徴とする請求項5記載のガスセンサの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記配位可能な有機化合物は、β−ジケ
    トン類、エーテルアルコール類、多価アルコール類、多
    価アルコール類の縮合体から構成される群からいずれか
    一つまたは複数種類選ばれたものであることを特徴とす
    る請求項5または6記載のガスセンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも金属スズせっけんと、活剤
    と、粘度調整剤とを含む有機溶液からなるペーストを塗
    布・焼成することにより、ガス感応体薄膜を形成する工
    程を具備することを特徴とするガスセンサの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記金属スズせっけんが、2−エチルヘ
    キサン酸スズ及び/又はナフテン酸スズであることを特
    徴とする請求項8記載のガスセンサの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記粘度調整剤が、ポリビニルピロリ
    ジノン及び/又はエチルセルロースであることを特徴と
    する請求項8または9記載のガスセンサの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記活剤は、元素として、パラジウ
    ム、鉄、ニッケル、マンガン、コバルト、亜鉛からなる
    群からいずれか一つまたは複数種類選ばれたものであ
    り、金属塩化物、金属アセチルアセトン錯塩、金属せっ
    けんからなる群からいずれか一つまたは複数種類選ばれ
    たものであることを特徴とする請求項5〜10記載のガ
    スセンサの製造方法。
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