JP2001289756A - バネ部材における加工部の耐久性評価方法および試料固定用治具 - Google Patents

バネ部材における加工部の耐久性評価方法および試料固定用治具

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JP2001289756A
JP2001289756A JP2000102074A JP2000102074A JP2001289756A JP 2001289756 A JP2001289756 A JP 2001289756A JP 2000102074 A JP2000102074 A JP 2000102074A JP 2000102074 A JP2000102074 A JP 2000102074A JP 2001289756 A JP2001289756 A JP 2001289756A
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jig
piece
angle
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Kingo Furukawa
欣吾 古川
Atsushi Nakamura
篤 中村
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工部を広げる方向に負荷が作用する場合に
おいて、より正確なバネ部材における加工部の耐久性評
価方法に使用される試料固定用治具を提供する。 【解決手段】 試料固定用治具20は、谷線部21a両
側に、試料片25の曲げ加工された対応バネ部25a両
側の各延設片部25bが当接される傾斜面21bが備え
られると共に谷線部21aに沿って3片以上の試料片2
5が並列配置可能とされる治具ブロック体21と、各傾
斜面21bに各延設片部25bを挟持状に固定保持すべ
く、各傾斜面21bに着脱自在に取付固定される一対の
固定板22と、各固定板22の取付固定される両端部近
傍で傾斜面21bと固定板22との相互間に介在される
と共に試料片25と同じ厚みを有するスペーサ体35と
を備える。両傾斜面21bにより構成される谷線部21
aの内角が、試料片25の曲げ角度の変位に対応する試
料片固定角度に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や産業機器
およびそれらに装着される電気・電子機器の電気信号や
電源からの電力を供給する電線を接続するための金属製
接続部品(いわゆる接続端子)等のバネ材料によるバネ
部材におけるバネ部分やその他の加工部の耐久性評価方
法およびそれに使用される試料固定用治具に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えば、電線同士の接続においては、図
19に示される如く、一方の電線1端部に接続端子とし
ての雄端子2が圧着されると共に、対応する他方の電線
3端部にも接続端子としての雌端子4が圧着されてお
り、雄端子2の先端部に備えられた細長板状のタブ部2
aを、対向する雌端子4の先端部に備えられた矩形筒状
の接続筒部4a内に挿入することによって、接続筒部4
a内に弾性変形自在に備えられた弾性片部4bが弾性変
形され、この弾性変形された弾性片部4bの弾性復帰力
により接続筒部4a内面側と弾性片部4bとで前記タブ
部2aが挟持されて、両端子2、4間が互いに導通状態
となり、ここに両電線1、3相互間で電気的な接続状態
が確保されるように構成されている。
【0003】そして、通常のコネクタを用いた接続にお
いては、例えば、一方のコネクタハウジングの各所定位
置に、各電線端部にそれぞれ圧着された上記のような構
造の雄端子をそれぞれ収容保持させ、対応する他方のコ
ネクタハウジングの各所定位置に、各電線端部にそれぞ
れ圧着された上記のような構造の雌端子をそれぞれ収容
保持させ、両コネクタハウジングを互いに嵌合させて連
結することにより、各雄端子と各雌端子とがそれぞれ一
括して上記のような接続状態が得られるように構成され
ている。
【0004】また、電線と機器との接続においても、上
記のようなコネクタによる接続構造と同様に構成されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、上記のような接
続端子相互間の接続において、電気的な接続状態を確保
・維持する際に、図20に示される如く、曲げ加工され
た弾性片部4bの弾性変形に寄与する加工部としてのバ
ネ部4cの耐久性が特に重要な要因となっている。
【0006】即ち、雄端子2のタブ部2aを雌端子4の
接続筒部4a内に挿入することによって弾性片部4bは
バネ部4cで弾性変形され、この弾性片部4bのバネ部
4cでの弾性復帰力によりタブ部2aが接続筒部4a内
面側と弾性片部4bとで挟持されて接点部で所望の接触
圧力が確保される。この際、バネ部4cの応力緩和が大
きいとその変形状態になじみ、経年劣化により弾性復帰
力が低下して、接点部での接触圧力が低下すると、電気
抵抗が増大もしくは増大し易くなり、接触信頼性の点で
問題となるため、バネ部4cの応力緩和が耐久性評価の
上で特に重要な要因の一つと認識されている。
【0007】また、通常、金属板に曲げ加工を施すと、
加工硬化により曲げ加工部分の機械的特性が変化するた
め、応力緩和特性も変化する。そして、一般に、加工の
程度が大きい程、即ち、板厚に対する曲げ半径が小さい
程、また初期状態からの曲げ角度が大きい程、応力緩和
がより大きくなる傾向にある。
【0008】しかしながら、曲げ加工部分の機械的特性
を直接評価しようとしても、上記のような構造の雌端子
4の場合、単一材料を適宜、曲げ加工して接続筒部4a
や弾性片部4bを構成しており、その弾性片部4bは矩
形筒状の接続筒部4a内部に位置している場合が多く、
バネ部4cに直接変位を付与してその応力緩和を測定す
ることが困難であった。特に、近年の接続端子の小型化
によってそのような測定はより困難なものとなってい
る。
【0009】また、各端子2、4を製造してタブ部2a
を接続筒部4a内に挿入した接続状態とし、この状態で
一定環境下に所定時間放置した後のバネ部4cのヘタリ
を測定することにより耐久性評価に必要なデータを十分
得ることもできるが、そのためには各種形状のバネ部4
cを有する雌端子4を予め製造する必要があり、各種形
状の接続端子を成形するための加工金型も多くの種類、
必要とされ、時間的にも経済的にも負担が大きいものに
なってしまうという欠点があった。
【0010】このため接続端子の材料の選択に当たって
は、曲げ加工を行わない板状の条材に所定荷重を付与し
て変形させ、その状態で一定環境下に放置した後、荷重
を除去し、元の形状への戻りの変化の程度を測定したデ
ータを参考資料として用いることにより、バネ部4cの
耐久性を推定し、雌端子4を設計していた。
【0011】しかしながら、上記参考資料としてのデー
タには、実際の曲げ加工による加工硬化等の物性変化が
盛り込まれていないため、実際とはかなり相違してお
り、不十分で不正確なものとなるという問題があった。
【0012】そこで、本願出願人は、先に、より正確な
バネ部材におけるバネ部の耐久性評価方法およびそれに
使用される試料固定用治具を提案した。
【0013】即ち、図12は、バネ部材としての前記雌
端子4における加工部としてのバネ部4cの耐久性評価
方法に使用される提案例としての試料固定用治具10を
示しており、側面視五角形の金属製の治具ブロック体1
1と、治具ブロック体11の上部に構成された山形状の
稜線部11a両側に位置する下降傾斜状の稜面11bに
それぞれ着脱自在に取付固定される一対の矩形平板状の
金属製の固定板12とから主構成されている。
【0014】そして、各固定板12の長手方向両端部に
は、長手方向と直交する方向の細長状のボルト挿通溝1
2aがそれぞれ形成されており、固定ボルト(もしくは
固定ねじ)、例えば、六角穴付ボルト13をボルト挿通
溝12aに挿通させて稜面11bに形成された雌ねじ孔
に螺合締結することにより、固定板12が稜面11bに
着脱自在に取付固定されるように構成されている。この
際、六角穴付ボルト13とボルト挿通溝12aとの溝長
手方向に沿った相対移動により、固定板12は稜面11
bに沿って上下方向に位置調整自在に構成されている。
【0015】また、図12において、15は細長板状の
金属バネ材(例えば端子用銅合金)をその中間部で雌端
子4のバネ部4cと同じに曲げ加工した対応加工部とし
ての対応バネ部15aを有する試料片で、例えば、図1
5にも示される如く、板厚tが0.25mm、対応バネ
部15aの曲げ角度θ1が90度に構成され、曲げ半径
Rは0.3mm、0.5mm、1.0mm等、各種用意
されている。
【0016】そして、治具ブロック体11の両稜面11
bにより構成される試料片固定角度としての内角θ2
は、対応バネ部15aのバネ機能を発揮させる弾性変形
方向に曲げ角度の変位を付与すべく、試料片15の曲げ
角度θ1より狭く構成されている。例えば、曲げ角度θ
1が90度の場合は、内角θ2は60度、70度、80
度等の治具ブロック体11が用意されている。
【0017】また、稜線部11aには、適宜、面取りに
よる逃し部11cが形成されており、この面取り幅は試
料片15の対応バネ部15aと各稜面11b上端縁とが
互いに干渉しないように、内角θ2の大小に応じて適宜
幅に構成されている。
【0018】そして、試料固定用治具10に試料片15
を取付固定する場合には、図13に示されるように、治
具ブロック体11の両稜面11bにまたがって試料片1
5を載置し、図14に示される如く、試料片15の対応
バネ部15aの一方側の延設片部15bを稜面11bと
固定板12とで挟持状として六角穴付ボルト13により
締め付け固定すると共に、試料片15の他方側の延設片
部15bも同様に、稜面11bと固定板12とで挟持状
として六角穴付ボルト13により締め付け固定する。
【0019】ここに、試料片15は、対応バネ部15a
がバネ機能を発揮させる弾性変形方向に所定の曲げ角度
の変位(θ1−θ2)を付与した負荷状態で固定保持さ
れる。
【0020】また、試料片15の取付位置を正確にする
ため、図13および図14に示される如く、試料片15
の対応バネ部15aにおける曲げ半径Rよりも僅かに小
径のガイド線材17を、稜線部11aの面取りされた面
取り面11dと対応バネ部15a内面側との間に介在さ
せることが好ましい。この場合、ガイド線材17の外径
は試料片15が試料固定用治具10の取付固定された状
態の対応バネ部15aの曲げ半径に対応する外径が好ま
しい。
【0021】そして、上記のように試料片15が試料固
定用治具10に固定保持された状態で、所定環境下、例
えば、高温環境下や腐食環境化等の特定環境化に所定時
間放置する。
【0022】そして、所定時間経過後、両固定板12を
取り外して、試料片15に対する負荷を解放し、曲げ角
度の変位の戻り方向の角度の変化、即ち試料片15の曲
げ角度θ1の変化を測定し、そのデータに基づき曲げ加
工部分の応力緩和を定量的に把握し、応力緩和が大きけ
れば耐久性が短く、応力緩和が小さければ耐久性が長い
というように、応力緩和の大小の程度に応じて対応バネ
部15aの耐久性を評価する。
【0023】即ち、負荷を解放して角度の変化を測定す
ることにより、図16に示されるような応力残留率と時
間との関係を示す図が得られる。この場合、実線aは曲
げ加工を行っていない未加工の板材におけるデータで、
点線bおよび一点鎖線cは曲げ加工を行った試料片15
におけるデータであり、点線bの試料片15よりも一点
鎖線cの試料片15の方が曲げ加工の度合いが大とされ
ている(なお、曲げ半径Rが小さい程、そして曲げ角度
θ1が小さい程、曲げ加工の加工度が大きいまたは厳し
い加工という)。
【0024】従って、曲げ加工を行わない未加工の板材
における応力残留率に対し、曲げ加工後の試料片15に
おける応力残留率の差異を明確に把握することができ、
ここに、応力緩和率も定量的に把握でき、これを雌端子
4のバネ部4cの設計にフィードバックすることによ
り、曲げ加工に伴う加工硬化等の物性変化が盛り込まれ
たより正確な初期バネ反力の設計、バネ部の耐久性の評
価、即ち寿命予測が可能となる。
【0025】ここに、応力緩和特性は、曲げ加工の度合
いの大小による異なる応力緩和率も予め予測することが
可能となり、雌端子4におけるバネ部4cの応力緩和に
よる接点トラブルを未然に防止でき、また各種曲げ形状
のバネ部4cを有する雌端子4を製造しなくてもその予
測ができるという利点がある。
【0026】しかしながら、試料固定用治具10の曲げ
角度θ1よりも治具ブロック体11の内角θ2の方が大
きい場合、即ち、対応バネ部15aを広げる方向(曲げ
戻す方向)の耐久性を評価しようとした場合、図17に
示される如く、治具ブロック体11の両稜面11bにま
たがって試料片15を載置すれば、稜線部11aと対応
バネ部15aとの相互間に大きな間隙が生じ、試料片1
5の各延設片部15bを各稜面11bに円滑に当接させ
ることが困難であり、試料片15を稜線部11a方向に
無理に押さえつけた状態で、各延設片部15bを各稜面
11bに固定板12および六角穴付ボルト13を介して
取付固定する必要があった。
【0027】そして、試料片15を無理に押しつけなが
ら固定するため、図18に示される如く、対応バネ部1
5aの形状がいびつに変形し、正確な測定が困難になる
というおそれがあった。
【0028】そこで、本発明の課題は、加工部を広げる
方向に負荷が作用する場合において、より正確なバネ部
材における加工部の耐久性評価方法およびそれに使用さ
れる試料固定用治具を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの方法の技術的手段は、曲げ加工されたバネ部材の加
工部と同じに中間部で曲げ加工された対応加工部を有す
る細長板状の試料片における前記対応加工部両側の各延
設片部を、治具ブロック体に備えられた谷線部両側の傾
斜面にそれぞれ当接させ、各傾斜面に各延設片部を挟持
状に固定保持すべく、固定板を各傾斜面にその両端部で
取付固定することにより、前記対応加工部の内角を広げ
る方向に所定の曲げ角度の変位を付与し、その負荷状態
で、所定環境下に所定時間放置した後、前記負荷状態を
解放し、前記曲げ角度の変位の戻り方向の角度の変化を
測定することにより、前記対応加工部の応力緩和を定量
的に把握し、その応力緩和の大小により前記加工部の耐
久性を評価するバネ部材における加工部の耐久性評価方
法であって、前記谷線部に沿って3片以上の試料片を並
列配置し、両端部の試料片を除いた中間部の試料片によ
り耐久性評価用のデータを得る点にある。
【0030】また、上記の課題を解決するための治具の
技術的手段は、曲げ加工されたバネ部材の加工部と同じ
に中間部で曲げ加工された対応加工部を有する細長板状
の試料片を、その対応加工部の内角を広げる方向に所定
の曲げ角度の変位を付与した負荷状態で、所定環境下に
所定時間放置した後、前記負荷状態を解放し、前記曲げ
角度の変位の戻り方向の角度の変化を測定することによ
り、前記対応加工部の応力緩和を定量的に把握し、その
応力緩和の大小により前記加工部の耐久性を評価するバ
ネ部材における加工部の耐久性評価方法に使用される試
料固定用治具であって、谷線部両側に、前記試料片の曲
げ加工された対応加工部両側の各延設片部がそれぞれ当
接される傾斜面がそれぞれ備えられると共に前記谷線部
に沿って3片以上の試料片が並列配置可能とされる治具
ブロック体と、各傾斜面に各延設片部を挟持状に固定保
持すべく、各傾斜面にそれぞれその両端部で着脱自在に
取付固定される一対の固定板と、各固定板の取付固定さ
れる前記両端部近傍で傾斜面と固定板との相互間に介在
されると共に前記試料片と同じ厚みを有するスペーサ体
とを備え、前記両傾斜面により構成される谷線部の内角
が、前記曲げ角度の変位に対応する試料片固定角度に形
成された点にある。
【0031】さらに、前記スペーサ体が試料片と同じ形
状、厚みに形成されたダミー体より構成されてなる構造
としてもよい。
【0032】また、前記スペーサ体が前記各傾斜面に取
り付けられてなる構造や、前記スペーサ体が前記各固定
板に取り付けられてなる構造としてもよい。
【0033】さらに、上記の課題を解決するための治具
の技術的手段として、曲げ加工されたバネ部材の加工部
と同じに中間部で曲げ加工された対応加工部を有する細
長板状の試料片を、その対応加工部の内角を広げる方向
に所定の曲げ角度の変位を付与した負荷状態で、所定環
境下に所定時間放置した後、前記負荷状態を解放し、前
記曲げ角度の変位の戻り方向の角度の変化を測定するこ
とにより、前記対応加工部の応力緩和を定量的に把握
し、その応力緩和の大小により前記加工部の耐久性を評
価するバネ部材における加工部の耐久性評価方法に使用
される試料固定用治具であって、谷線部両側に、前記試
料片の曲げ加工された対応加工部両側の各延設片部がそ
れぞれ当接される傾斜面がそれぞれ備えられた治具ブロ
ック体と、各傾斜面に各延設片部を挟持状に固定保持す
べく、各傾斜面にそれぞれ着脱自在に取付固定される一
対の固定板とを備え、前記各傾斜面に前記試料片の延設
片部が収容される試料片の厚みと同じ深さを有する収容
溝部がそれぞれ備えられ、前記両傾斜面により構成され
る谷線部の内角が、前記曲げ角度の変位に対応する試料
片固定角度に形成された構造としてもよい。
【0034】また、上記の課題を解決するための治具の
技術的手段として、曲げ加工されたバネ部材の加工部と
同じに中間部で曲げ加工された対応加工部を有する細長
板状の試料片を、その対応加工部の内角を広げる方向に
所定の曲げ角度の変位を付与した負荷状態で、所定環境
下に所定時間放置した後、前記負荷状態を解放し、前記
曲げ角度の変位の戻り方向の角度の変化を測定すること
により、前記対応加工部の応力緩和を定量的に把握し、
その応力緩和の大小により前記加工部の耐久性を評価す
るバネ部材における加工部の耐久性評価方法に使用され
る試料固定用治具であって、谷線部両側に、前記試料片
の曲げ加工された対応加工部両側の各延設片部がそれぞ
れ当接される傾斜面がそれぞれ備えられた治具ブロック
体と、各傾斜面に各延設片部を挟持状に固定保持すべ
く、各傾斜面にそれぞれ着脱自在に取付固定される一対
の固定板とを備え、前記各固定板に前記試料片の延設片
部が収容される試料片の厚みと同じ深さを有する収容溝
部がそれぞれ備えられ、前記両傾斜面により構成される
谷線部の内角が、前記曲げ角度の変位に対応する試料片
固定角度に形成された構造としてもよい。
【0035】さらに、前記各固定板が、それぞれ前記傾
斜面に沿って上下方向に位置調整自在に取付固定される
構造としてもよい。
【0036】また、前記各固定板における前記谷線部側
の互いに対向する側面部に、前記治具ブロック体の前記
両傾斜面で構成されるV溝形状に対応すべく、それぞれ
くさび形状に延設されると共に、前記各固定板の取付固
定状態で前記試料片の入隅部分を固定保持する入隅押さ
え部を有してなる構造としてもよい。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施形態を
図面に基づいて説明すると、図1は、バネ部材としての
雌端子4における矩形筒状に屈曲形成された接続筒部4
aのコーナー部等のように広げる方向(曲げ戻す方向)
の負荷が作用する場合の加工部の耐久性評価方法に使用
される試料固定用治具20を示しており、前記先行する
本願出願人による提案例と同様、金属製の治具ブロック
体21と、治具ブロック体21の上面側に構成されたV
溝形状の谷線部21a両側に位置する上向き傾斜状の傾
斜面21bにそれぞれ着脱自在に取付固定される一対の
矩形平板状の金属製の固定板22とから主構成されてい
る。
【0038】そして、各固定板22の長手方向両端部に
は、長手方向と直交する方向の細長状のボルト挿通溝2
2aがそれぞれ形成されており、固定ボルト(もしくは
固定ねじ)、例えば、六角穴付ボルト23をボルト挿通
溝22aに挿通させて傾斜面21bに形成された雌ねじ
孔21c(図5、図8参照)に螺合締結することによ
り、固定板22が傾斜面21bに着脱自在に取付固定さ
れるように構成されている。この際、六角穴付ボルト2
3とボルト挿通溝22aとの溝長手方向に沿った相対移
動により、固定板22は傾斜面21bに沿って上下方向
に位置調整自在に構成されている。
【0039】また、図1ないし図4に示される如く、2
5は細長板状の金属バネ材(例えば端子用銅合金)をそ
の中間部で雌端子4の接続筒部4aにおけるコーナー部
と同じに曲げ加工した対応加工部としての対応バネ部2
5aを有する試料片で、前述の試料片15と同様に構成
されており、板厚tが0.25mm、対応バネ部25a
の曲げ角度θ3が90度に構成され、曲げ半径Rは0.
3mm、0.5mm、1.0mm等、各種用意されてい
る。
【0040】そして、治具ブロック体21の両傾斜面2
1bにより構成される試料片固定角度としての内角θ4
は、対応バネ部25aの内角を広げる方向、即ちバネ機
能を発揮させる弾性変形方向に曲げ角度の変位を付与す
べく、試料片25の曲げ角度θ3より広く構成されてい
る。例えば、曲げ角度θ3が90度の場合は、内角θ4
は100度、110度、120度等の治具ブロック体2
1が用意されている。
【0041】そして、試料固定用治具20に試料片25
を取付固定する場合には、図1および図2に示されるよ
うに、治具ブロック体21の両傾斜面21b間に対応バ
ネ部25aを下側として試料片25を載置すると共に、
谷線部21aに沿って多数(少なくとも3片以上)の試
料片25を並列状に配置し、試料片25の対応バネ部2
5aの一方側の延設片部25bを傾斜面21bと固定板
22とで挟持状として六角穴付ボルト23により締め付
け固定する(図3参照)。
【0042】次に、試料片25の他方側の延設片部25
bも前述同様、傾斜面21bと固定板22とで挟持状と
して六角穴付ボルト23により締め付け固定する(図4
参照)。
【0043】なお、谷線部21aと対応バネ部25aと
の相互間には適宜間隙を有しており、対応バネ部25a
を広げる方向に変形させる際に、対応バネ部25aと谷
線部21aとが互いに干渉しないように構成されてい
る。本実施形態においては、谷線部21aは直線状に構
成されているが、対応バネ部25aと谷線部21aとが
互いに干渉しなければ、長手方向に直交する方向に適宜
アールの所定幅を有する構成であってもよい。
【0044】ここに、試料片25は、対応バネ部25a
がバネ機能を発揮させる弾性変形方向に所定の曲げ角度
の変位(θ4−θ3)を付与した負荷状態で固定保持さ
れる。
【0045】そして、上記のように試料片25が試料固
定用治具20に固定保持された状態で、所定環境下、例
えば、高温環境下や腐食環境化等の特定環境化に所定時
間放置する。
【0046】なお、本実施形態にあっては、六角穴付ボ
ルト23による締め付け部分近傍に位置する両端部の試
料片25はスペーサ体35としてのダミー体として取り
付けられている。
【0047】そして、所定時間経過後、両固定板22を
取り外して、試料片25に対する負荷を解放し、曲げ角
度の変位の戻り方向の角度の変化、即ち試料片25の曲
げ角度θ3の変化を測定し、そのデータに基づき曲げ加
工部分の応力緩和を定量的に把握し、応力緩和が大きけ
れば耐久性が短く、応力緩和が小さければ耐久性が長い
というように、応力緩和の大小の程度に応じて対応バネ
部25aの耐久性を評価する。
【0048】この際、両端部に位置する試料片25は単
に、スペーサ体35として介在されており、耐久性評価
用のデータからは除外される。
【0049】そして、スペーサ体35は試料片25と同
じ厚みを有しているため、両スペーサ体35間に配置さ
れた中間部の他の試料片25に対する固定板22の締め
付けによる影響が有効に回避され、また、対応バネ部2
5aに曲げ角度の変位を付与すべく、各延設片部25b
を各傾斜面21bに固定板22を介して固定する場合に
も、前述提案例のように何ら無理に押しつける必要がな
く、従って、対応バネ部25aにいびつな変形が生じ
ず、円滑に変位を付与でき、各試料片25から安定した
耐久性評価用のデータが得られ、曲げ加工を行わない未
加工の板材における応力残留率に対し、曲げ加工後の試
料片25における応力残留率の差異を明確に把握するこ
とができ、ここに、応力緩和率も定量的に把握でき、こ
れを雌端子4の接続筒部4aの設計にフィードバックす
ることにより、曲げ加工に伴う加工硬化等の物性変化が
盛り込まれたより正確な初期バネ反力の設計、バネ部
(加工部)の耐久性の評価、即ち寿命予測が可能とな
る。
【0050】ここに、応力緩和特性は、曲げ加工の度合
いの大小による異なる応力緩和率も予め予測することが
可能となり、雌端子4における接続筒部4aの応力緩和
による接点トラブルを未然に防止でき、また各種曲げ形
状の接続筒部4aを有する雌端子4を製造しなくてもそ
の予測ができ、時間的、経済的負担の軽減も図れるとい
う利点がある。
【0051】また、スペーサ体35はダミー体としての
試料片25を利用することにより、別途、スペーサ体3
5を製作する必要もない。
【0052】さらに、各固定板22がそれぞれ傾斜面2
1bに沿って上下方向に位置調整自在に取付固定される
構造であり、好適な位置で各延設片部25bを固定でき
る。
【0053】なお、評価可能な試料片25の曲げ角度θ
3は0度<θ3<180度の範囲であるが、実用上は4
5度≦θ3≦135度の程度の範囲が好ましい。またバ
ネ部材の材料の横並び評価であれば、特定の一種類の曲
げ角度θ3でよく、接続端子材料にあっては、最も標準
的な曲げ加工であるθ3=90度の曲げ加工を採用すれ
ばよい。
【0054】そして、対応する試料固定用治具20の内
角θ4は、θ3<θ4<180度の範囲を選択すればよ
く、θ3=90度の場合は、θ4=100度、110
度、120度程度が好適である。さらに、試料固定用治
具20の内角θ3として、実際の使用状況に対応するバ
ネ部の曲げ角度の変位に対応した角度を採用すれば、よ
り実際に近い耐久性の評価を得ることができる。
【0055】また、試料片25の板厚t、曲げ半径R、
曲げ角度θ3や治具ブロック体21の内角θ4等は上記
実施形態に限られず、必要に応じて適宜設定すればよ
く、試料片25の材料においてもバネ部材として使用さ
れる材料につき、前記データを種々測定しておけば、目
的とするバネ部材のバネ部に適する材料、板厚t、曲げ
半径R、曲げ角度θ3等が容易に得られる利点がある。
【0056】さらに、試料固定用治具20の材料として
は、高温環境や腐食環境等にさらされるため、環境に応
じて耐食性のよい材料を適宜選択すればよく、高温環境
用としてはステンレス(例えばSUS304)、アンモ
ニア雰囲気用としてはアルミ等で製作することが好まし
い。
【0057】また、バネ部材として雌端子4を例示して
いるが、接続端子に限定されず、その他の箱曲げ部の強
度や耐久性、圧接刃の強度や耐久性、曲げ戻し方向のバ
ネを利用した接点部の評価等、曲げ加工による加工部を
有するバネ部材であれば、同様に耐久性を評価できる。
【0058】なお、スペーサ体35として試料片25を
用いた構造を示しているが、別部材により形成した構造
であってもよい。この場合、試験時の雰囲気温度(例え
ば、150℃程度)に耐えうるもので、試料片25と同
じ形状、厚みに形成され、熱膨張係数も等しいものが好
ましい。即ち、試料片25と同じ材質でスペーサ体35
を構成することがより好ましい。
【0059】図5は第2の実施形態における試料固定用
治具20を示しており、前述と同様構成部分は同一符号
を付し、その説明を省略する。
【0060】即ち、本実施形態においては、第1の実施
形態におけるスペーサ体35に代えて、各傾斜面21b
における両雌ねじ孔21c間両端部に位置して延設片部
25bと同じ厚みを有する細長矩形板状のスペーサ体3
5が、着脱自在に固定ねじ36によりねじ止め固定され
た構造とされている。この場合のスペーサ体35も熱膨
張係数が試料片25と等しいものを採用することが好ま
しい。即ち、試料片25と同じ材質でスペーサ体35を
構成することがより好ましい。
【0061】そして、本実施形態によっても、スペーサ
体35は試料片25と同じ厚みを有しているため、両ス
ペーサ体35間に配置された中間部に配置された他の試
料片25に対する締め付けによる影響が有効に回避さ
れ、前述同様、各試料片25から安定した耐久性評価用
のデータが得られ、曲げ加工を行わない未加工の板材に
おける応力残留率に対し、曲げ加工後の試料片25にお
ける応力残留率の差異を明確に把握することができ、こ
こに、応力緩和率も定量的に把握でき、これを雌端子4
の接続筒部4aの設計にフィードバックすることによ
り、曲げ加工に伴う加工硬化等の物性変化が盛り込まれ
たより正確な初期バネ反力の設計、バネ部の耐久性の評
価、即ち寿命予測が可能となる。
【0062】図6および図7は第3の実施形態における
試料固定用治具20を示しており、前述と同様構成部分
は同一符号を付し、その説明を省略する。
【0063】即ち、本実施形態においては、第1の実施
形態におけるスペーサ体35に代えて、各固定板22に
おけるボルト挿通溝22a間両端部に位置して延設片部
25bと同じ厚みを有する細長矩形板状のスペーサ体3
5が、着脱自在に固定ねじ37によりねじ止め固定され
た構造とされている。この場合のスペーサ体35も熱膨
張係数が試料片25と等しいものを採用することが好ま
しい。即ち、試料片25と同じ材質でスペーサ体35を
構成することがより好ましい。
【0064】そして、本実施形態によっても、スペーサ
体35は試料片25と同じ厚みを有しているため、両ス
ペーサ体35間に配置された中間部に配置された他の試
料片25に対する締め付けによる影響が有効に回避さ
れ、前述同様、各試料片25から安定した耐久性評価用
のデータが得られ、曲げ加工を行わない未加工の板材に
おける応力残留率に対し、曲げ加工後の試料片25にお
ける応力残留率の差異を明確に把握することができ、こ
こに、応力緩和率も定量的に把握でき、これを雌端子4
の接続筒部4aの設計にフィードバックすることによ
り、曲げ加工に伴う加工硬化等の物性変化が盛り込まれ
たより正確な初期バネ反力の設計、バネ部の耐久性の評
価、即ち寿命予測が可能となる。
【0065】図8は第4の実施形態における試料固定用
治具20を示しており、前述と同様構成部分は同一符号
を付し、その説明を省略する。
【0066】即ち、本実施形態においては、各傾斜面2
1bに、試料片25の延設片部25bが収容されるべ
く、延設片部25bの厚みと同じ深さを有する収容溝部
21dが谷線部21aに沿った方向に多数形成されてい
る。
【0067】また、収容溝部21dの長さや幅は、試料
片25よりも長く形成された構造とされている。
【0068】なお、他の部分は第1の実施形態と同様に
構成されている。また、収容溝部21dはその長手方向
長さが傾斜面21bの全長にわたって形成された構造を
示しているが、試料片25の各延設片部25bが収容で
きる長さを有していればよく、さらには複数の収容溝部
21dが単一の一体化した収容溝部とされた構造であっ
てもよい。さらに、多数の試料片25を取り付けない場
合には、傾斜面21bに単一の収容溝部21dを有する
構造であってもよい。
【0069】従って、本実施形態によっても、試料固定
用治具20に各試料片25が取付固定された際、各収容
溝部21dは延設片部25bの厚みと同じ深さを有して
いるため、各試料片25に対する締め付けによる影響が
有効に回避され、前述同様、各試料片25から安定した
耐久性評価用のデータが得られ、曲げ加工を行わない未
加工の板材における応力残留率に対し、曲げ加工後の試
料片25における応力残留率の差異を明確に把握するこ
とができ、ここに、応力緩和率も定量的に把握でき、こ
れを雌端子4の接続筒部4aの設計にフィードバックす
ることにより、曲げ加工に伴う加工硬化等の物性変化が
盛り込まれたより正確な初期バネ反力の設計、バネ部の
耐久性の評価、即ち寿命予測が可能となる。
【0070】図9は第5の実施形態における試料固定用
治具20を示しており、前述と同様構成部分は同一符号
を付し、その説明を省略する。
【0071】即ち、本実施形態においては、各固定板2
2の内面側に、試料片25の延設片部25bが収容され
るべく、延設片部25bの厚みと同じ深さを有する収容
溝部22bが長手方向に適宜間隔を有して多数形成され
ている。
【0072】また、収容溝部22bの幅は、試料片25
よりも長く形成された構造とされている。
【0073】なお、他の部分は第1の実施形態と同様に
構成されている。
【0074】従って、本実施形態によっても、試料固定
用治具20に各試料片25が取付固定された際、各収容
溝部22bは延設片部25bの厚みと同じ深さを有して
いるため、各試料片25に対する締め付けによる影響が
有効に回避され、前述同様、各試料片25から安定した
耐久性評価用のデータが得られ、曲げ加工を行わない未
加工の板材における応力残留率に対し、曲げ加工後の試
料片25における応力残留率の差異を明確に把握するこ
とができ、ここに、応力緩和率も定量的に把握でき、こ
れを雌端子4の接続筒部4aの設計にフィードバックす
ることにより、曲げ加工に伴う加工硬化等の物性変化が
盛り込まれたより正確な初期バネ反力の設計、バネ部の
耐久性の評価、即ち寿命予測が可能となる。
【0075】なお、本実施形態における各収容溝部22
bも、第4の実施形態と同様、単一の一体化した収容溝
部22bであってもよい。
【0076】また、上記第1ないし第5の実施形態にお
いて、各固定板22は矩形平板状に構成されており、固
定時等の変形防止を目的として適宜板厚を有しているた
め、図10に示される如く、試料片25における入隅部
分となっている対応バネ部25a近傍を固定する際に、
相互の固定板22が障害となって対応バネ部25a、即
ち曲げ加工部分のすぐ近くを固定することができず、対
応バネ部25a付近で所定の応力を作用させ難いという
不便がある。
【0077】そして、固定板22の板厚を薄くすること
により、固定板22の相互干渉を防止して対応バネ部2
5a付近を固定することも可能であるが、極端に板厚を
薄くすることは固定時の変形や固定状態で所定環境下に
放置する際の変形が生じる可能性がある。
【0078】そこで、図11は第6の実施形態における
試料固定用治具20を示しており、前述と同様構成部分
は同一符号を付し、その説明を省略する。
【0079】即ち、図11に示される如く、各固定板2
2における谷線部21a側の互いに対向する側面部にそ
の長手方向に沿って、治具ブロック体21の両傾斜面2
1bで構成されるV溝形状に対応すべく、それぞれ谷線
部21a方向にくさび形状に延設される入隅押さえ部2
2cが一体に備えられた構造としている。
【0080】この際、各固定板22における延設片部2
5bの押さえ面である下面側と前記対向する側面部とで
構成される内角θ6は、例えば、治具ブロック体21の
内角θ4のほぼ1/2の角度に設定すればよい。
【0081】従って、各固定板22の傾斜面21bに対
する取付固定状態にあっては、図11に示される如く、
各固定板22の各入隅押さえ部22cで、試料片25の
入隅部分である対応バネ部25a付近を良好に固定保持
することができ、ここに、固定板22の板厚の影響を受
けずに所定の応力を有効に作用させることができる。
【0082】また、この各固定板22の取付固定に際
し、対応バネ部25aに干渉しないように、ボルト挿通
溝22aを利用して前述同様、傾斜面21bに沿って適
宜上下方向に位置調整すればよい。
【0083】なお、この入隅押さえ部22cを備えた固
定板22の構造は、前記第1の実施形態に限らず、その
他の第2ないし第5の実施形態に対しても同様に採用で
き、同様の効果を得ることができる。
【0084】
【発明の効果】以上のように、本発明のバネ部材におけ
る加工部の耐久性評価方法によれば、谷線部に沿って3
片以上の試料片を並列配置し、両端部の試料片を除いた
中間部の試料片により耐久性評価用のデータを得る方法
であり、内角を広げる方向に曲げ角度の変位を付与する
際に無理に押しつける必要がなく、試料片のいびつな変
形も有効に防止でき、また、締め付けによる影響が有効
に回避された試料片から得られたデータをもとに耐久性
を評価するため、より正確な加工部の耐久性の評価が行
えるという利点がある。
【0085】また、本発明の試料固定用治具によれば、
内角を広げる方向に曲げ角度の変位を付与する際に無理
に押しつける必要がなく、試料片のいびつな変形も有効
に防止でき、スペーサ体や収容溝部によって試料片に対
する締め付けによる影響が有効に回避でき、より正確な
加工部の耐久性の評価が行えるという利点がある。
【0086】さらに、各固定板が、それぞれ傾斜面に沿
って上下方向に位置調整自在に取付固定される構造とす
れば、好適な位置で各延設片部を固定できるという利点
がある。
【0087】また、各固定板における谷線部側の互いに
対向する側面部に、治具ブロック体の両傾斜面で構成さ
れるV溝形状に対応すべく、それぞれくさび形状に延設
されると共に、各固定板の取付固定状態で試料片の入隅
部分を固定保持する入隅押さえ部を有してなる構造とす
れば、試料片の曲げ加工された対応加工部付近を良好に
固定保持することができ、ここに、固定板の板厚の影響
を受けずに所定の応力を有効に作用させることができる
という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る試料固定用治具
の斜視図である。
【図2】同試料片の取付過程を示す説明図である。
【図3】同試料片の取付過程を示す説明図である。
【図4】同試料片の取付過程を示す説明図である。
【図5】第2の実施形態に係る試料固定用治具の斜視図
である。
【図6】第3の実施形態に係る固定板の側面図である。
【図7】第3の実施形態に係る試料固定用治具の斜視図
である。
【図8】第4の実施形態に係る治具ブロック体の斜視図
である。
【図9】第5の実施形態に係る固定板の底面図である。
【図10】試料片の取付状態を示す比較説明図である。
【図11】第6の実施形態に係る試料片の取付状態を示
す説明図である。
【図12】先行技術に係る試料固定用治具および試料片
の斜視図である。
【図13】同試料片の取付過程を示す説明図である。
【図14】同試料片の取付過程を示す説明図である。
【図15】同試料片の一部側面図である。
【図16】曲げ加工による応力緩和率の変化を示す応力
残留率と時間との関係説明図である。
【図17】先行技術に係る試料固定用治具による試料片
の取付過程を示す説明図である。
【図18】先行技術に係る試料固定用治具による試料片
の取付過程を示す説明図である。
【図19】雄端子と雌端子の接続状態を示す説明図であ
る。
【図20】雌端子のバネ部の説明図である。
【符号の説明】
20 試料固定用治具 21 治具ブロック体 21a 谷線部 21b 傾斜面 21c 雌ねじ孔 21d 収容溝部 22 固定板 22a ボルト挿通溝 22b 収容溝部 22c 入隅押さえ部 23 六角穴付ボルト 25 試料片 25a 対応バネ部 25b 延設片部 35 スペーサ体
フロントページの続き Fターム(参考) 2G024 AA11 BA12 BA24 CA04 DA04 DA16 EA06 FA02 2G061 AA07 AB02 BA15 CA01 CB01 CC01 EA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曲げ加工されたバネ部材の加工部と同じ
    に中間部で曲げ加工された対応加工部を有する細長板状
    の試料片における前記対応加工部両側の各延設片部を、
    治具ブロック体に備えられた谷線部両側の傾斜面にそれ
    ぞれ当接させ、各傾斜面に各延設片部を挟持状に固定保
    持すべく、固定板を各傾斜面にその両端部で取付固定す
    ることにより、前記対応加工部の内角を広げる方向に所
    定の曲げ角度の変位を付与し、その負荷状態で、所定環
    境下に所定時間放置した後、前記負荷状態を解放し、前
    記曲げ角度の変位の戻り方向の角度の変化を測定するこ
    とにより、前記対応加工部の応力緩和を定量的に把握
    し、その応力緩和の大小により前記加工部の耐久性を評
    価するバネ部材における加工部の耐久性評価方法であっ
    て、 前記谷線部に沿って3片以上の試料片を並列配置し、両
    端部の試料片を除いた中間部の試料片により耐久性評価
    用のデータを得ることを特徴とするバネ部材における加
    工部の耐久性評価方法。
  2. 【請求項2】 曲げ加工されたバネ部材の加工部と同じ
    に中間部で曲げ加工された対応加工部を有する細長板状
    の試料片を、その対応加工部の内角を広げる方向に所定
    の曲げ角度の変位を付与した負荷状態で、所定環境下に
    所定時間放置した後、前記負荷状態を解放し、前記曲げ
    角度の変位の戻り方向の角度の変化を測定することによ
    り、前記対応加工部の応力緩和を定量的に把握し、その
    応力緩和の大小により前記加工部の耐久性を評価するバ
    ネ部材における加工部の耐久性評価方法に使用される試
    料固定用治具であって、 谷線部両側に、前記試料片の曲げ加工された対応加工部
    両側の各延設片部がそれぞれ当接される傾斜面がそれぞ
    れ備えられると共に前記谷線部に沿って3片以上の試料
    片が並列配置可能とされる治具ブロック体と、各傾斜面
    に各延設片部を挟持状に固定保持すべく、各傾斜面にそ
    れぞれその両端部で着脱自在に取付固定される一対の固
    定板と、各固定板の取付固定される前記両端部近傍で傾
    斜面と固定板との相互間に介在されると共に前記試料片
    と同じ厚みを有するスペーサ体とを備え、前記両傾斜面
    により構成される谷線部の内角が、前記曲げ角度の変位
    に対応する試料片固定角度に形成されたことを特徴とす
    る試料固定用治具。
  3. 【請求項3】 前記スペーサ体が試料片と同じ形状、厚
    みに形成されたダミー体より構成されてなることを特徴
    とする請求項2記載の試料固定用治具。
  4. 【請求項4】 前記スペーサ体が前記各傾斜面に取り付
    けられてなることを特徴とする請求項2記載の試料固定
    用治具。
  5. 【請求項5】 前記スペーサ体が前記各固定板に取り付
    けられてなることを特徴とする請求項2記載の試料固定
    用治具。
  6. 【請求項6】 曲げ加工されたバネ部材の加工部と同じ
    に中間部で曲げ加工された対応加工部を有する細長板状
    の試料片を、その対応加工部の内角を広げる方向に所定
    の曲げ角度の変位を付与した負荷状態で、所定環境下に
    所定時間放置した後、前記負荷状態を解放し、前記曲げ
    角度の変位の戻り方向の角度の変化を測定することによ
    り、前記対応加工部の応力緩和を定量的に把握し、その
    応力緩和の大小により前記加工部の耐久性を評価するバ
    ネ部材における加工部の耐久性評価方法に使用される試
    料固定用治具であって、 谷線部両側に、前記試料片の曲げ加工された対応加工部
    両側の各延設片部がそれぞれ当接される傾斜面がそれぞ
    れ備えられた治具ブロック体と、各傾斜面に各延設片部
    を挟持状に固定保持すべく、各傾斜面にそれぞれ着脱自
    在に取付固定される一対の固定板とを備え、前記各傾斜
    面に前記試料片の延設片部が収容される試料片の厚みと
    同じ深さを有する収容溝部がそれぞれ備えられ、前記両
    傾斜面により構成される谷線部の内角が、前記曲げ角度
    の変位に対応する試料片固定角度に形成されたことを特
    徴とする試料固定用治具。
  7. 【請求項7】 曲げ加工されたバネ部材の加工部と同じ
    に中間部で曲げ加工された対応加工部を有する細長板状
    の試料片を、その対応加工部の内角を広げる方向に所定
    の曲げ角度の変位を付与した負荷状態で、所定環境下に
    所定時間放置した後、前記負荷状態を解放し、前記曲げ
    角度の変位の戻り方向の角度の変化を測定することによ
    り、前記対応加工部の応力緩和を定量的に把握し、その
    応力緩和の大小により前記加工部の耐久性を評価するバ
    ネ部材における加工部の耐久性評価方法に使用される試
    料固定用治具であって、 谷線部両側に、前記試料片の曲げ加工された対応加工部
    両側の各延設片部がそれぞれ当接される傾斜面がそれぞ
    れ備えられた治具ブロック体と、各傾斜面に各延設片部
    を挟持状に固定保持すべく、各傾斜面にそれぞれ着脱自
    在に取付固定される一対の固定板とを備え、前記各固定
    板に前記試料片の延設片部が収容される試料片の厚みと
    同じ深さを有する収容溝部がそれぞれ備えられ、前記両
    傾斜面により構成される谷線部の内角が、前記曲げ角度
    の変位に対応する試料片固定角度に形成されたことを特
    徴とする試料固定用治具。
  8. 【請求項8】 前記各固定板が、それぞれ前記傾斜面に
    沿って上下方向に位置調整自在に取付固定されることを
    特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載の試料固
    定用治具。
  9. 【請求項9】 前記各固定板における前記谷線部側の互
    いに対向する側面部に、前記治具ブロック体の前記両傾
    斜面で構成されるV溝形状に対応すべく、それぞれくさ
    び形状に延設されると共に、前記各固定板の取付固定状
    態で前記試料片の入隅部分を固定保持する入隅押さえ部
    を有してなることを特徴とする請求項8記載の試料固定
    用治具。
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