JP2002014019A - バネ部材における加工部の耐久性評価用治具 - Google Patents

バネ部材における加工部の耐久性評価用治具

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JP2002014019A
JP2002014019A JP2000198728A JP2000198728A JP2002014019A JP 2002014019 A JP2002014019 A JP 2002014019A JP 2000198728 A JP2000198728 A JP 2000198728A JP 2000198728 A JP2000198728 A JP 2000198728A JP 2002014019 A JP2002014019 A JP 2002014019A
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ridge
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JP2000198728A
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Kingo Furukawa
欣吾 古川
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 治具ブロック体を分割構造とすることによっ
て、その組合せにより多数の試験角度が得られると共
に、保管時の省スペース化を図ったバネ部材における加
工部の耐久性評価用治具を提供する。 【解決手段】 治具は、稜線部31a両側に、試料片の
曲げ加工された対応バネ部両側の各延設片部が当接され
る稜面31bが備えられた治具ブロック体31と、各稜
面31bにそれぞれ着脱自在に取付固定されて各延設片
部を各傾斜面とで挟持する各固定板とを備える。治具ブ
ロック体31は、互いに接離自在に接合される接合面3
3aで二分割されると共に、該二分割により各稜面31
bがそれぞれに分離される対の分割ブロック体33から
なる。分割ブロック体33は、接合面33aと稜面31
bとで形成される角度θ5が複数種類備えられ、選択さ
れた対の分割ブロック体33を接合面33aで接合する
ことにより両側の稜面31bが構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や産業機器
およびそれらに装着される電気・電子機器の電気信号や
電源からの電力を供給する電線を接続するための金属製
接続部品(いわゆる接続端子)等のバネ材料によるバネ
部材におけるバネ部分やその他の加工部の耐久性評価用
治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、電線同士の接続においては、図
30に示される如く、一方の電線1端部に接続端子とし
ての雄端子2が圧着されると共に、対応する他方の電線
3端部にも接続端子としての雌端子4が圧着されてお
り、雄端子2の先端部に備えられた細長板状のタブ部2
aを、対向する雌端子4の先端部に備えられた矩形筒状
の接続筒部4a内に挿入することによって、接続筒部4
a内に弾性変形自在に備えられた弾性片部4bが弾性変
形され、この弾性変形された弾性片部4bの弾性復帰力
により接続筒部4a内面側と弾性片部4bとで前記タブ
部2aが挟持されて、両端子2、4間が互いに導通状態
となり、ここに両電線1、3相互間で電気的な接続状態
が確保されるように構成されている。
【0003】そして、通常のコネクタを用いた接続にお
いては、例えば、一方のコネクタハウジングの各所定位
置に、各電線端部にそれぞれ圧着された上記のような構
造の雄端子をそれぞれ収容保持させ、対応する他方のコ
ネクタハウジングの各所定位置に、各電線端部にそれぞ
れ圧着された上記のような構造の雌端子をそれぞれ収容
保持させ、両コネクタハウジングを互いに嵌合させて連
結することにより、各雄端子と各雌端子とがそれぞれ一
括して上記のような接続状態が得られるように構成され
ている。
【0004】また、電線と機器との接続においても、上
記のようなコネクタによる接続構造と同様に構成されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、上記のような接
続端子相互間の接続において、電気的な接続状態を確保
・維持する際に、図31に示される如く、曲げ加工され
た弾性片部4bの弾性変形に寄与する加工部としてのバ
ネ部4cの耐久性が特に重要な要因となっている。
【0006】即ち、雄端子2のタブ部2aを雌端子4の
接続筒部4a内に挿入することによって弾性片部4bは
バネ部4cで弾性変形され、この弾性片部4bのバネ部
4cでの弾性復帰力によりタブ部2aが接続筒部4a内
面側と弾性片部4bとで挟持されて接点部で所望の接触
圧力が確保される。この際、バネ部4cの応力緩和が大
きいとその変形状態になじみ、経年劣化により弾性復帰
力が低下して、接点部での接触圧力が低下すると、電気
抵抗が増大もしくは増大し易くなり、接触信頼性の点で
問題となるため、バネ部4cの応力緩和が耐久性評価の
上で特に重要な要因の一つと認識されている。
【0007】また、通常、金属板に曲げ加工を施すと、
加工硬化により曲げ加工部分の機械的特性が変化するた
め、応力緩和特性も変化する。そして、一般に、加工の
程度が大きい程、即ち、板厚に対する曲げ半径が小さい
程、また初期状態からの曲げ角度が大きい程、応力緩和
がより大きくなる傾向にある。
【0008】しかしながら、曲げ加工部分の機械的特性
を直接評価しようとしても、上記のような構造の雌端子
4の場合、単一材料を適宜、曲げ加工して接続筒部4a
や弾性片部4bを構成しており、その弾性片部4bは矩
形筒状の接続筒部4a内部に位置している場合が多く、
バネ部4cに直接変位を付与してその応力緩和を測定す
ることが困難であった。特に、近年の接続端子の小型化
によってそのような測定はより困難なものとなってい
る。
【0009】また、各端子2、4を製造してタブ部2a
を接続筒部4a内に挿入した接続状態とし、この状態で
一定環境下に所定時間放置した後のバネ部4cのヘタリ
を測定することにより耐久性評価に必要なデータを十分
得ることもできるが、そのためには各種形状のバネ部4
cを有する雌端子4を予め製造する必要があり、各種形
状の接続端子を成形するための加工金型も多くの種類、
必要とされ、時間的にも経済的にも負担が大きいものに
なってしまうという欠点があった。
【0010】このため接続端子の材料の選択に当たって
は、曲げ加工を行わない板状の条材に所定荷重を付与し
て変形させ、その状態で一定環境下に放置した後、荷重
を除去し、元の形状への戻りの変化の程度を測定したデ
ータを参考資料として用いることにより、バネ部4cの
耐久性を推定し、雌端子4を設計していた。
【0011】しかしながら、上記参考資料としてのデー
タには、実際の曲げ加工による加工硬化等の物性変化が
盛り込まれていないため、実際とはかなり相違してお
り、不十分で不正確なものとなるという問題があった。
【0012】そこで、本願出願人は、先に、より正確な
バネ部材におけるバネ部の耐久性評価方法およびそれに
使用される治具を提案した。
【0013】即ち、図21は、バネ部材としての前記雌
端子4における加工部としてのバネ部4cの耐久性評価
方法に使用される提案例としての治具10を示してお
り、側面視五角形の金属製の治具ブロック体11と、治
具ブロック体11の上部に構成された山形状の稜線部1
1a両側に位置する下降傾斜状の稜面11bにそれぞれ
着脱自在に取付固定される一対の矩形平板状の金属製の
固定板12とから主構成されている。
【0014】そして、各固定板12の長手方向両端部に
は、長手方向と直交する方向の細長状のボルト挿通溝1
2aがそれぞれ形成されており、固定ボルト(もしくは
固定ねじ)、例えば、六角穴付ボルト13をボルト挿通
溝12aに挿通させて稜面11bに形成された雌ねじ孔
11eに螺合締結することにより、固定板12が稜面1
1bに着脱自在に取付固定されるように構成されてい
る。この際、六角穴付ボルト13とボルト挿通溝12a
との溝長手方向に沿った相対移動により、固定板12は
稜面11bに沿って上下方向に位置調整自在に構成され
ている。
【0015】また、図21において、15は細長板状の
金属バネ材(例えば端子用銅合金)をその中間部で雌端
子4のバネ部4cと同じに曲げ加工した対応加工部とし
ての対応バネ部15aを有する試料片で、例えば、図2
5にも示される如く、板厚tが0.25mm、対応バネ
部15aの曲げ角度θ1が90度に構成され、曲げ半径
Rは0.3mm、0.5mm、1.0mm等、各種用意
されている。
【0016】そして、治具ブロック体11の両稜面11
bにより構成される試料片固定角度としての内角θ2
は、対応バネ部15aのバネ機能を発揮させる弾性変形
方向に曲げ角度の変位を付与すべく、試料片15の曲げ
角度θ1より狭く構成されている。例えば、曲げ角度θ
1が90度の場合は、内角θ2は60度、70度、80
度等の治具ブロック体11が用意されている。
【0017】また、稜線部11aには、適宜、面取りに
よる逃し部11cが形成されており、この面取り幅は試
料片15の対応バネ部15aと各稜面11b上端縁とが
互いに干渉しないように、内角θ2の大小に応じて適宜
幅に構成されている。
【0018】そして、治具10に試料片15を取付固定
する場合には、図22に示されるように、治具ブロック
体11の両稜面11bにまたがって試料片15を載置
し、図23に示される如く、試料片15の対応バネ部1
5aの一方側の延設片部15bを稜面11bと固定板1
2とで挟持状として六角穴付ボルト13により締め付け
固定すると共に、試料片15の他方側の延設片部15b
も同様に、稜面11bと固定板12とで挟持状として六
角穴付ボルト13により締め付け固定する。
【0019】ここに、試料片15は、対応バネ部15a
がバネ機能を発揮させる弾性変形方向に所定の曲げ角度
の変位(θ1−θ2)を付与した負荷状態で固定保持さ
れる。
【0020】また、試料片15の取付位置を正確にする
ため、図21ないし図24に示される如く、試料片15
の対応バネ部15aにおける曲げ半径Rよりも僅かに小
径のガイド線材17を、稜線部11aの面取りされた面
取り面11dと対応バネ部15a内面側との間に介在さ
せることが好ましい。この場合、ガイド線材17の外径
は試料片15が治具10の取付固定された状態の対応バ
ネ部15aの曲げ半径に対応する外径が好ましい。
【0021】そして、上記のように試料片15が治具1
0に固定保持された状態で、所定環境下、例えば、高温
環境下や腐食環境化等の特定環境化に所定時間放置す
る。
【0022】そして、所定時間経過後、両固定板12を
取り外して、試料片15に対する負荷を解放し、曲げ角
度の変位の戻り方向の角度の変化、即ち試料片15の曲
げ角度θ1の変化を測定し、そのデータに基づき曲げ加
工部分の応力緩和を定量的に把握し、応力緩和が大きけ
れば耐久性が短く、応力緩和が小さければ耐久性が長い
というように、応力緩和の大小の程度に応じて対応バネ
部15aの耐久性を評価する。
【0023】即ち、負荷を解放して角度の変化を測定す
ることにより、図26に示されるような応力残留率と時
間との関係を示す図が得られる。この場合、実線aは曲
げ加工を行っていない未加工の板材におけるデータで、
点線bおよび一点鎖線cは曲げ加工を行った試料片15
におけるデータであり、点線bの試料片15よりも一点
鎖線cの試料片15の方が曲げ加工の度合いが大とされ
ている(なお、曲げ半径Rが小さい程、そして曲げ角度
θ1が小さい程、曲げ加工の加工度が大きいまたは厳し
い加工という)。
【0024】従って、曲げ加工を行わない未加工の板材
における応力残留率に対し、曲げ加工後の試料片15に
おける応力残留率の差異を明確に把握することができ、
ここに、応力緩和率も定量的に把握でき、これを雌端子
4のバネ部4cの設計にフィードバックすることによ
り、曲げ加工に伴う加工硬化等の物性変化が盛り込まれ
たより正確な初期バネ反力の設計、バネ部の耐久性の評
価、即ち寿命予測が可能となる。
【0025】ここに、応力緩和特性は、曲げ加工の度合
いの大小による異なる応力緩和率も予め予測することが
可能となり、雌端子4におけるバネ部4cの応力緩和に
よる接点トラブルを未然に防止でき、また各種曲げ形状
のバネ部4cを有する雌端子4を製造しなくてもその予
測ができるという利点がある。
【0026】また、図27ないし図29は、雌端子4に
おける矩形筒状に屈曲形成された接続筒部4aのコーナ
ー部等のように、試料片15における対応バネ部15a
に広げる方向(曲げ戻す方向)の負荷が作用する場合の
耐久性を評価する治具20の提案例を示している。な
お、前記治具10と同様構成部分は同一符号を付す。
【0027】即ち、治具20は、治具ブロック体21
と、治具ブロック体21の上面側に構成されたV溝形状
の谷線部21a両側に位置する上向き傾斜状の傾斜面2
1bにそれぞれ着脱自在に取付固定される一対の矩形平
板状の治具10と同様の固定板12とから主構成されて
いる。
【0028】そして、治具ブロック体21の両傾斜面2
1bにより構成される試料片固定角度としての内角θ4
は、対応バネ部25aの内角を広げる方向、即ちバネ機
能を発揮させる弾性変形方向に曲げ角度の変位を付与す
べく、試料片25の曲げ角度θ3より広く構成されてい
る。例えば、曲げ角度θ3が90度の場合は、内角θ4
は100度、110度、120度等の治具ブロック体2
1が用意されている。
【0029】そして、治具20に試料片15を取付固定
する場合には、図27および図28に示されるように、
治具ブロック体21の両傾斜面21b間に対応バネ部1
5aを下側として試料片15を載置し、試料片15の対
応バネ部15aの一方側の延設片部15bを傾斜面21
bと固定板12とで挟持状として六角穴付ボルト13に
より締め付け固定する(図28参照)。
【0030】次に、試料片15の他方側の延設片部15
bも前述同様、傾斜面21bと固定板12とで挟持状と
して六角穴付ボルト13により締め付け固定する(図2
9参照)。
【0031】この場合も同様にして、曲げ加工の度合い
の大小による異なる応力緩和率も予め予測することが可
能となり、雌端子4における接続筒部4aの応力緩和に
よる接点トラブルを未然に防止でき、また各種曲げ形状
の接続筒部4aを有する雌端子4を製造しなくてもその
予測ができ、時間的、経済的負担の軽減も図れるという
利点がある。
【0032】しかしながら、上記のような治具10、2
0における山型形状の治具ブロック体11やV溝形状の
治具ブロック体21のような単一体よりなる治具ブロッ
ク体11、21の構造によれば、各試験角度毎に対応す
る内角θ2、θ4を有する治具ブロック体11、21を
それぞれ用意する必要があり、治具ブロック体11、2
1の数が増えると共に、それらの保管スペースも広く確
保する必要があった。
【0033】そこで、本発明の課題は、前記のような治
具ブロック体を分割構造とすることによって、その組合
せにより多数の試験角度が得られると共に、保管時の省
スペース化を図ったバネ部材における加工部の耐久性評
価用治具を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの技術的手段は、曲げ加工されたバネ部材の加工部と
同じに中間部で曲げ加工された対応加工部を有する細長
板状の試料片における前記対応加工部両側の各延設片部
を、その対応加工部のバネ機能を発揮させる弾性変形方
向に曲げ角度の変位を付与した負荷状態で固定保持すべ
く、それぞれ当接させるための傾斜面を両側に備えた治
具ブロック体と、各傾斜面にそれぞれ着脱自在に取付固
定されて各延設片部を各傾斜面とで挟持する各固定板と
を備えてなるバネ部材における加工部の耐久性評価用治
具であって、前記治具ブロック体は、互いに接離自在に
接合される接合面で二分割されると共に、該二分割によ
り各傾斜面がそれぞれに分離される対の分割ブロック体
からなり、前記分割ブロック体は、前記接合面と前記傾
斜面とで形成される角度が複数種類備えられ、選択され
た対の分割ブロック体を接合面で接合することにより前
記両側の傾斜面が構成される点にある。
【0035】また、前記各固定板が、それぞれ前記延設
片部の長手方向に沿って位置調整自在に前記各傾斜面に
取付固定される構造としてもよい。
【0036】さらに、互いに接合される前記各分割ブロ
ック体の前記各傾斜面により稜線部が形成され、該稜線
部に前記対応加工部との干渉を回避する逃し部が形成さ
れた構造としてもよい。
【0037】また、互いに接合される前記各分割ブロッ
ク体の前記各傾斜面により谷線部が形成された構造とし
てもよい。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施形態を
図面に基づいて説明すると、図1および図2は、前記治
具10における山型形状の治具ブロック体11を分割構
造とした治具ブロック体31とされており、同様構成部
分は同一符号を付し、その説明を省略する。
【0039】そして、本実施形態における治具も前述同
様、金属製の治具ブロック体31と、治具ブロック体3
1の上部に構成される山形状の稜線部31a両側に位置
する下降傾斜状の稜面31bにそれぞれ着脱自在に取付
固定される前記同様構成の一対の矩形平板状の金属製の
固定板12とから主構成されている。
【0040】治具ブロック体31は、稜線部31a位置
で試料片固定角度としての内角θ2を二分割状とする一
対の分割ブロック体33からなり、各分割ブロック体3
3に傾斜面としての稜面31bがそれぞれ分離して備え
られた構造とされている。
【0041】また、各分割ブロック体33の対向面は、
互いに接離自在に接合される接合面33aとされ、対と
された分割ブロック体33の両接合面33aを、図1に
示される如く、互いに接合することによって、両分割ブ
ロック体33の稜面31bにより所望に内角θ2を有す
る稜線部31aが構成される。
【0042】さらに、各分割ブロック体33の稜線部3
1a対応部分には、それぞれ前述同様の逃し部31cが
形成されると共に、各分割ブロック体33の稜面31b
には、固定板12を取付固定するための六角穴付ボルト
13が螺合される雌ねじ孔31eがそれぞれ形成されて
いる。
【0043】また、対の分割ブロック体33を図1に示
されるように治具ブロック体31を構成した状態で固定
すべく、両分割ブロック体33の下部には、ボルト挿通
孔33bがそれぞれ形成されており、両分割ブロック体
33のボルト挿通孔33bにまたがってボルトを挿通さ
せると共にナットで締結し、互いに固定する構造とされ
ている。なお、対の分割ブロック体33の固定構造は、
このようなボルト・ナットによる締結構造に限らず、互
いに位置ずれしないように固定できる構造であればよ
い。
【0044】そして、本実施形態における各分割ブロッ
ク体33の接合面33aと稜面31bとで形成される角
度θ5が複数種類備えられた構造とされている。
【0045】例えば、図3ないし図5に示される如く、
角度θ5が45度の分割ブロック体33A、角度θ5が
35度の分割ブロック体33B、角度θ5が25度の分
割ブロック体33Cの3種類の分割ブロック体33を備
えている場合、図6に示される如く、分割ブロック体3
3Aと分割ブロック体33Bとを選択して接合面33a
で接合することにより組合せれば、内角θ2が80度の
治具ブロック体31が得られる。
【0046】また、図7に示される如く、分割ブロック
体33Aと分割ブロック体33Cとを選択して接合面3
3aで接合することにより組合せれば、内角θ2が70
度の治具ブロック体31が得られる。この際、図8に示
される如く、同じ角度θ5の分割ブロック体33Bを選
択して接合面33aで接合することにより組合せても同
様に、内角θ2が70度の治具ブロック体31が得られ
る。
【0047】さらに、分割ブロック体33Bと分割ブロ
ック体33Cとを選択して接合面33aで接合すること
により組合せれば、内角θ2が60度の治具ブロック体
31が得られ、また、同じ角度θ5の分割ブロック体3
3Cを選択して接合面33aで接合することにより組合
せれば、内角θ2が50度の治具ブロック体31が得ら
れる。
【0048】ここに、試料片15における曲げ角度θ1
が90度の場合、3種類の角度θ5を有する分割ブロッ
ク体33を準備することによって、選択された対の分割
ブロック体33の組合せにより、内角θ2が80度、7
0度、60度、50度の治具ブロック体31が得られ、
試料片15に対し、10度の追加曲げ、20度の追加曲
げ、30度の追加曲げ、40度の追加曲げの変位を付与
させることができる。
【0049】以上のように、複数種類の角度θ5を有す
る分割ブロック体33を予め、準備しておけば、その中
から選択された対の分割ブロック体33の組合せによっ
て、より多くの種類の内角θ2を有する治具ブロック体
31を構成でき、この角度θ5の種類の増加に伴って、
分割ブロック体33の組合せにより構成される試験角度
としての治具ブロック体31の内角θ2の種類も飛躍的
に増加する。
【0050】従って、従来に比較して比較的少ない種類
の角度θ5を有する分割ブロック体33を予め準備して
おけば、その組合せにより、多数の試験角度に対応する
内角θ2を有する治具ブロック体31を構成でき、ま
た、不使用時においてはその種類も少ないため、分割ブ
ロック体33の保管時の省スペース化も図れる。
【0051】そして、試料片15の耐久性評価の試験を
行う場合には、前述の治具10と同様、接合面33aで
接合されてボルト・ナット等により互いに一体化された
対の分割ブロック体33によって構成された治具ブロッ
ク体31の両稜面31bにまたがって試料片15を載置
すると共に、稜線部31aに沿って多数(少なくとも3
片以上)の試料片15を並列状に配置し、試料片15の
対応バネ部15aの一方側の延設片部15bを稜面31
bと固定板12とで挟持状として六角穴付ボルト13に
より締め付け固定する。
【0052】次に、試料片15の他方側の延設片部15
bも前述同様、稜面31bと固定板12とで挟持状とし
て六角穴付ボルト13により締め付け固定する。
【0053】ここに、試料片15は、対応バネ部15a
がバネ機能を発揮させる弾性変形方向に所定の曲げ角度
の変位(θ1−θ2)を付与した負荷状態で固定保持さ
れる。
【0054】また、試料片15の取付位置を正確にする
ため、前述同様、試料片15の対応バネ部15aにおけ
る曲げ半径Rよりも僅かに小径のガイド線材17を、稜
線部31aの面取りされた逃し部31cにおける面取り
面と対応バネ部15a内面側との間に介在させることが
好ましい。この場合、ガイド線材17の外径は試料片1
5が試料固定用治具10の取付固定された状態の対応バ
ネ部15aの曲げ半径に対応する外径が好ましい。
【0055】そして、上記のように試料片15が試料固
定用治具10に固定保持された状態で、所定環境下、例
えば、高温環境下や腐食環境化等の特定環境化に所定時
間放置する。
【0056】なお、本実施形態にあっては、六角穴付ボ
ルト13による締め付け部分近傍に位置する両端部の試
料片15はダミー体とされる。
【0057】そして、所定時間経過後、両固定板12を
取り外して、試料片15に対する負荷を解放し、曲げ角
度の変位の戻り方向の角度の変化、即ち試料片15の曲
げ角度θ1の変化を測定し、そのデータに基づき曲げ加
工部分の応力緩和を定量的に把握し、応力緩和が大きけ
れば耐久性が短く、応力緩和が小さければ耐久性が長い
というように、応力緩和の大小の程度に応じて対応バネ
部15aの耐久性を評価する。
【0058】この際、両端部に位置するダミー体の試料
片15は単に、スペーサ体として介在されており、耐久
性評価用のデータからは除外される。ここに、固定板1
2の締め付けによる影響を受ける試料片15のデータが
有効に除外される。
【0059】そして、このスペーサ体は試料片15と同
じ厚みを有しているため、両スペーサ体間に配置された
中間部の他の試料片15に対する固定板12の締め付け
による影響が有効に回避され、各試料片15から安定し
た耐久性評価用のデータが得られ、曲げ加工を行わない
未加工の板材における応力残留率に対し、曲げ加工後の
試料片15における応力残留率の差異を明確に把握する
ことができ、ここに、応力緩和率も定量的に把握でき、
これを雌端子4のバネ部4cの設計にフィードバックす
ることにより、曲げ加工に伴う加工硬化等の物性変化が
盛り込まれたより正確な初期バネ反力の設計、バネ部の
耐久性の評価、即ち寿命予測が可能となる。
【0060】ここに、応力緩和特性は、曲げ加工の度合
いの大小による異なる応力緩和率も予め予測することが
可能となり、雌端子4におけるバネ部4cの応力緩和に
よる接点トラブルを未然に防止でき、また各種曲げ形状
のバネ部4cを有する雌端子4を製造しなくてもその予
測ができるという利点がある。
【0061】また、スペーサ体はダミー体としての試料
片15を利用することにより、別途、スペーサ体を製作
する必要もない。
【0062】なお、評価可能な試料片15の曲げ角度θ
1は0度<θ1<180度の範囲であるが、実用上は4
5度≦θ1≦135度の程度の範囲が好ましい。またバ
ネ部材の材料の横並び評価であれば、特定の一種類の曲
げ角度θ1でよく、接続端子材料にあっては、最も標準
的な曲げ加工であるθ1=90度の曲げ加工を採用すれ
ばよい。
【0063】そして、対応する試料固定用の治具ブロッ
ク体31の内角θ2は、0度<θ2<θ1の範囲を選択
すればよく、θ1=90度の場合は、θ2=60度、7
0度、80度程度が好適である。さらに、治具ブロック
体31の内角θ2として、実際の使用状況に対応するバ
ネ部の曲げ角度の変位に対応した角度を採用すれば、よ
り実際に近い耐久性の評価を得ることができる。
【0064】また、試料片15の板厚t、曲げ半径R、
曲げ角度θ1や治具ブロック体31の内角θ2等は上記
提案例や実施形態に限られず、必要に応じて適宜設定す
ればよく、試料片15の材料においてもバネ部材として
使用される材料につき、前記データを種々測定しておけ
ば、目的とするバネ部材のバネ部に適する材料、板厚
t、曲げ半径R、曲げ角度θ1等が容易に得られる利点
がある。
【0065】さらに、治具の材料としては、高温環境や
腐食環境等にさらされるため、環境に応じて耐食性のよ
い材料を適宜選択すればよく、高温環境用としてはステ
ンレス(例えばSUS304)、アンモニア雰囲気用と
してはアルミ等で製作することが好ましい。
【0066】また、バネ部材として雌端子4を例示して
いるが、接続端子に限定されず、曲げ加工による加工部
を有するバネ部材であれば、同様に耐久性を評価でき、
さらにガイド線材17にあっても常に使用する必要はな
く、必要に応じて用いればよい。
【0067】なお、スペーサ体として試料片15を用い
た構造を示しているが、別部材により形成した構造であ
ってもよい。この場合、試験時の雰囲気温度(例えば、
150℃程度)に耐えうるもので、試料片15と同じ形
状、厚みに形成され、熱膨張係数も等しいものが好まし
い。即ち、試料片15と同じ材質でスペーサ体を構成す
ることがより好ましい。
【0068】また、このようなスペーサ体を稜面31b
や固定板12に取付固定する構造としてもよい。
【0069】さらには、各分割ブロック体33の稜面3
1bに、試料片15の延設片部15bが収容されるべ
く、延設片部15bの厚みと同じ深さを有する収容溝部
が稜線部31aに沿った方向に多数形成する構造として
もよい。この際、各収容溝部の長さや幅は、試料片15
よりも長く形成された構造とされる。この場合には、ス
ペーサ体を使用しなくても、試料片15に対する固定板
12の締め付けによる影響を有効に防止できる。
【0070】また、収容溝部はその長手方向長さが稜面
31bの全長にわたって形成されて構造であってもよ
く、さらには複数の収容溝部が単一の一体化した収容溝
部とされた構造であってもよく、多数の試料片15を取
り付けない場合には、稜面31bに単一の収容溝部を有
する構造であってもよい。
【0071】この各分割ブロック体33の稜面31b
に、試料片15の延設片部15bが収容される収容溝部
を形成する構造に代えて、各固定板12の内面側に、試
料片15の延設片部15bが収容される収容溝部を同様
の構成により形成する構造としてもよい。
【0072】また、各固定板12が、それぞれ延設片部
15bの長手方向に沿って位置調整自在に各稜面31b
に取付固定される構造であり、好適な位置で各延設片部
15bを固定できる利点もある。
【0073】図9および図10は第2の実施形態を示し
ており、前記治具20におけるV溝形状の治具ブロック
体21を分割構造とした治具ブロック体41とされてお
り、同様構成部分は同一符号を付し、その説明を省略す
る。
【0074】そして、本実施形態における治具も前述同
様、金属製の治具ブロック体41と、治具ブロック体4
1の上部に構成されるV溝形状の谷線部41a両側に位
置する上向き傾斜状の傾斜面41bにそれぞれ着脱自在
に取付固定される前記同様構成の一対の矩形平板状の金
属製の固定板12とから主構成されている。
【0075】治具ブロック体41は、谷線部41a位置
で試料片固定角度としての内角θ4を二分割状とする分
割ラインLに沿って分割された一対の分割ブロック体4
3からなり、各分割ブロック体43に傾斜面41bがそ
れぞれ分離して備えられた構造とされている。
【0076】また、各分割ブロック体43の対向面は、
互いに接離自在に接合される接合面43aとされ、対と
された分割ブロック体43の両接合面43aを、図9に
示される如く、互いに接合することによって、両分割ブ
ロック体43の傾斜面41bにより所望に内角θ4を有
する谷線部41aが構成される。
【0077】さらに、各分割ブロック体43の傾斜面4
1bには、前述同様、固定板12を取付固定するための
六角穴付ボルト13が螺合される雌ねじ孔41cがそれ
ぞれ形成されている。
【0078】また、対の分割ブロック体43を図9に示
されるように治具ブロック体41を構成した状態で固定
すべく、両分割ブロック体43の下部には、ボルト挿通
孔43bがそれぞれ形成されており、両分割ブロック体
43のボルト挿通孔43bにまたがってボルトを挿通さ
せると共にナットで締結し、互いに固定する構造とされ
ている。なお、対の分割ブロック体43の固定構造は、
このようなボルト・ナットによる締結構造に限らず、前
述同様、互いに位置ずれしないように固定できる構造で
あればよい。
【0079】そして、本実施形態における各分割ブロッ
ク体43の接合面43aと傾斜面41bとで形成される
角度θ6が複数種類備えられた構造とされている。
【0080】例えば、図11ないし図13に示される如
く、角度θ6が135度の分割ブロック体43A、角度
θ6が125度の分割ブロック体43B、角度θ6が1
15度の分割ブロック体43Cの3種類の分割ブロック
体43を備えている場合、図14に示される如く、分割
ブロック体43Aと分割ブロック体43Bとを選択して
接合面43aで接合することにより組合せれば、内角θ
4が100度の治具ブロック体41が得られる。
【0081】また、図15に示される如く、分割ブロッ
ク体43Aと分割ブロック体43Cとを選択して接合面
43aで接合することにより組合せれば、内角θ4が1
10度の治具ブロック体41が得られる。この際、図1
6に示される如く、同じ角度θ6の分割ブロック体43
Bを選択して接合面43aで接合することにより組合せ
ても同様に、内角θ4が110度の治具ブロック体41
が得られる。
【0082】さらに、分割ブロック体43Bと分割ブロ
ック体43Cとを選択して接合面43aで接合すること
により組合せれば、内角θ4が120度の治具ブロック
体41が得られ、また、同じ角度θ6の分割ブロック体
43Cを選択して接合面43aで接合することにより組
合せれば、内角θ4が130度の治具ブロック体41が
得られる。
【0083】ここに、試料片15における曲げ角度θ3
が90度の場合、3種類の角度θ6を有する分割ブロッ
ク体43を準備することによって、選択された対の分割
ブロック体43の組合せにより、内角θ4が100度、
110度、120度、130度の治具ブロック体41が
得られ、試料片15に対し、10度の曲げ戻し、20度
の曲げ戻し、30度の曲げ戻し、40度の曲げ戻しの広
げる方向の変位を付与させることができる。
【0084】以上のように、複数種類の角度θ6を有す
る分割ブロック体43を予め、準備しておけば、その中
から選択された対の分割ブロック体43の組合せによっ
て、より多くの種類の内角θ4を有する治具ブロック体
41を構成でき、この角度θ6の種類の増加に伴って、
分割ブロック体43の組合せにより構成される試験角度
としての治具ブロック体41の内角θ4の種類も飛躍的
に増加する。
【0085】従って、従来に比較して比較的少ない種類
の角度θ6を有する分割ブロック体43を予め準備して
おけば、その組合せにより、多数の試験角度に対応する
内角θ4を有する治具ブロック体41を構成でき、ま
た、不使用時においてはその種類も少ないため、分割ブ
ロック体43の保管時の省スペース化も図れる。
【0086】そして、試料片15の耐久性評価の試験を
行う場合には、前述の治具20と同様、接合面43aで
接合されてボルト・ナット等により互いに一体化された
対の分割ブロック体43によって構成された治具ブロッ
ク体41の両傾斜面41bにまたがって試料片15を載
置すると共に、谷線部41aに沿って多数(少なくとも
3片以上)の試料片15を並列状に配置し、試料片15
の対応バネ部15aの一方側の延設片部15bを傾斜面
41bと固定板12とで挟持状として六角穴付ボルト1
3により締め付け固定する。
【0087】次に、試料片15の他方側の延設片部15
bも前述同様、傾斜面41bと固定板12とで挟持状と
して六角穴付ボルト13により締め付け固定する。
【0088】ここに、試料片15は、対応バネ部15a
がバネ機能を発揮させる弾性変形方向に所定の曲げ角度
の変位(θ4−θ3)を付与した負荷状態で固定保持さ
れる。
【0089】そして、上記のように試料片15が試料固
定用治具10に固定保持された状態で、所定環境下、例
えば、高温環境下や腐食環境化等の特定環境化に所定時
間放置する。
【0090】なお、本実施形態にあっては、六角穴付ボ
ルト13による締め付け部分近傍に位置する両端部の試
料片15はダミー体とされる。
【0091】そして、所定時間経過後、両固定板12を
取り外して、試料片15に対する負荷を解放し、曲げ角
度の変位の戻り方向の角度の変化、即ち試料片15の曲
げ角度θ1の変化を測定し、そのデータに基づき曲げ加
工部分の応力緩和を定量的に把握し、応力緩和が大きけ
れば耐久性が短く、応力緩和が小さければ耐久性が長い
というように、応力緩和の大小の程度に応じて対応バネ
部15aの耐久性を評価する。
【0092】この際、両端部に位置するダミー体の試料
片15は単に、スペーサ体として介在されており、耐久
性評価用のデータからは除外される。この場合も同様
に、固定板12の締め付けによる影響を受ける試料片1
5のデータが有効に除外される。
【0093】そして、このスペーサ体は試料片15と同
じ厚みを有しているため、両スペーサ体間に配置された
中間部の他の試料片15に対する固定板12の締め付け
による影響が有効に回避され、各試料片15から安定し
た耐久性評価用のデータが得られ、曲げ加工を行わない
未加工の板材における応力残留率に対し、曲げ加工後の
試料片15における応力残留率の差異を明確に把握する
ことができ、ここに、応力緩和率も定量的に把握でき、
これを雌端子4の接続筒部4aの設計にフィードバック
することにより、曲げ加工に伴う加工硬化等の物性変化
が盛り込まれたより正確な初期バネ反力の設計、バネ部
(加工部)の耐久性の評価、即ち寿命予測が可能とな
る。
【0094】ここに、応力緩和特性は、曲げ加工の度合
いの大小による異なる応力緩和率も予め予測することが
可能となり、雌端子4における接続筒部4aの応力緩和
による接点トラブルを未然に防止でき、また各種曲げ形
状の接続筒部4aを有する雌端子4を製造しなくてもそ
の予測ができ、時間的、経済的負担の軽減も図れるとい
う利点がある。
【0095】また、スペーサ体はダミー体としての試料
片15を利用することにより、別途、スペーサ体を製作
する必要もない。
【0096】なお、評価可能な試料片15の曲げ角度θ
3は0度<θ3<180度の範囲であるが、実用上は4
5度≦θ3≦135度の程度の範囲が好ましい。またバ
ネ部材の材料の横並び評価であれば、特定の一種類の曲
げ角度θ3でよく、接続端子材料にあっては、最も標準
的な曲げ加工であるθ3=90度の曲げ加工を採用すれ
ばよい。
【0097】そして、対応する試料固定用の治具ブロッ
ク体41の内角θ4は、θ3<θ4<180度の範囲を
選択すればよく、θ3=90度の場合は、θ4=100
度、110度、120度程度が好適である。さらに、治
具ブロック体41の内角θ4として、実際の使用状況に
対応するバネ部の曲げ角度の変位に対応した角度を採用
すれば、より実際に近い耐久性の評価を得ることができ
る。
【0098】また、試料片15の板厚t、曲げ半径R、
曲げ角度θ3や治具ブロック体41の内角θ4等は上記
実施形態に限られず、必要に応じて適宜設定すればよ
く、試料片15の材料においてもバネ部材として使用さ
れる材料につき、前記データを種々測定しておけば、目
的とするバネ部材のバネ部に適する材料、板厚t、曲げ
半径R、曲げ角度θ3等が容易に得られる利点がある。
【0099】さらに、治具の材料としては、高温環境や
腐食環境等にさらされるため、環境に応じて耐食性のよ
い材料を適宜選択すればよく、高温環境用としてはステ
ンレス(例えばSUS304)、アンモニア雰囲気用と
してはアルミ等で製作することが好ましい。
【0100】また、バネ部材として雌端子4を例示して
いるが、接続端子に限定されず、その他の箱曲げ部の強
度や耐久性、圧接刃の強度や耐久性、曲げ戻し方向のバ
ネを利用した接点部の評価等、曲げ加工による加工部を
有するバネ部材であれば、同様に耐久性を評価できる。
【0101】なお、スペーサ体として試料片15を用い
た構造を示しているが、別部材により形成した構造であ
ってもよい。この場合、試験時の雰囲気温度(例えば、
150℃程度)に耐えうるもので、試料片15と同じ形
状、厚みに形成され、熱膨張係数も等しいものが好まし
い。即ち、試料片15と同じ材質でスペーサ体を構成す
ることがより好ましい。
【0102】また、このようなスペーサ体を傾斜面41
bや固定板12に取付固定する構造としてもよい。
【0103】さらには、各分割ブロック体43の傾斜面
41bに、試料片15の延設片部15bが収容されるべ
く、延設片部15bの厚みと同じ深さを有する収容溝部
が谷線部41aに沿った方向に多数形成する構造として
もよい。この際、各収容溝部の長さや幅は、試料片15
よりも長く形成された構造とされる。この場合も前述同
様、試料片15に対する固定板12の締め付けによる影
響を有効に防止できる。
【0104】また、収容溝部はその長手方向長さが傾斜
面41bの全長にわたって形成されて構造であってもよ
く、さらには複数の収容溝部が単一の一体化した収容溝
部とされた構造であってもよく、多数の試料片15を取
り付けない場合には、傾斜面41bに単一の収容溝部を
有する構造であってもよい。
【0105】この各分割ブロック体43の傾斜面41b
に、試料片15の延設片部15bが収容される収容溝部
を形成する構造に代えて、各固定板12の内面側に、試
料片15の延設片部15bが収容される収容溝部を同様
の構成により形成する構造としてもよい。
【0106】また、各固定板12が、それぞれ延設片部
15bの長手方向に沿って位置調整自在に各傾斜面41
bに取付固定される構造であり、好適な位置で各延設片
部15bを固定できる利点もある。
【0107】図17および図18は第3の実施形態を示
しており、第2の実施形態と同様、V溝形状の治具ブロ
ック体51とされており、同様構成部分は同一符号を付
し、その説明を省略する。
【0108】そして、本実施形態における治具も前述同
様、金属製の側面視略L字状に構成された治具ブロック
体51と、治具ブロック体51に構成されるV溝形状の
谷線部51a両側に位置する傾斜面51bにそれぞれ着
脱自在に取付固定される前記同様構成の一対の矩形平板
状の金属製の固定板12とから主構成されている。
【0109】治具ブロック体51は、谷線部51a位置
で試料片固定角度としての内角θ4を二分割状とする分
割ラインLに沿って分割された一対の分割ブロック体5
3からなり、各分割ブロック体53に傾斜面51bがそ
れぞれ分離して備えられた構造とされている。
【0110】また、各分割ブロック体53の対向面は、
互いに接離自在に接合される接合面53aとされ、対と
された分割ブロック体53の両接合面53aを、図17
や図18に示される如く、互いに接合することによっ
て、両分割ブロック体53の傾斜面51bにより所望に
内角θ4を有する谷線部51aが構成される。
【0111】そして、本実施形態においても、各分割ブ
ロック体53における接合面53aと傾斜面51bとで
形成される角度θ7が複数種類備えられた構造とされて
いる。例えば、角度θ7として135度、125度、1
15度等を採用すれば、第2の実施形態と同様の利点が
得られる。
【0112】なお、本実施形態においても、その他の構
成は上記第2の実施形態と同様に構成すればよい。
【0113】図19および図20は第4の実施形態を示
しており、第2の実施形態と同様、V溝形状の治具ブロ
ック体61とされており、同様構成部分は同一符号を付
し、その説明を省略する。
【0114】そして、本実施形態における治具も前述同
様、金属製の治具ブロック体61と、治具ブロック体6
1に構成されるV溝形状の谷線部61a両側に位置する
傾斜面61bにそれぞれ着脱自在に取付固定される前記
同様構成の一対の矩形平板状の金属製の固定板12とか
ら主構成されている。
【0115】治具ブロック体61は、谷線部61aに沿
ったラインで二分割状とされた一対の分割ブロック体6
3からなり、各分割ブロック体63に傾斜面61bがそ
れぞれ分離して備えられた構造とされている。
【0116】この際、治具ブロック体61を構成する一
方の分割ブロック体63は平板状のブロック体とされ、
他方の分割ブロック体63は前記一方の分割ブロック体
63上に載置される側面視四角柱状のブロック体とされ
ている。
【0117】そして、前記他方の分割ブロック体63が
載置される載置面およびその対向面が、互いに接離自在
に接合される接合面63aとされ、対とされた分割ブロ
ック体63の両接合面63aを、図19や図20に示さ
れる如く、互いに接合することによって、両分割ブロッ
ク体63の傾斜面61bにより所望に内角θ4を有する
谷線部61aが構成される。
【0118】そして、本実施形態においては、前記一方
の分割ブロック体63における接合面63aと傾斜面6
1bとで形成される角度θ8は180度とされ、前記他
方の分割ブロック体63における接合面63aと傾斜面
61bとで形成される角度θ9が複数種類備えられた構
造とされている。例えば、角度θ9として80度、70
度、60度等を採用すれば、第2の実施形態と同様の利
点が得られる。
【0119】なお、本実施形態においても、その他の構
成は上記第2の実施形態と同様に構成すればよい。
【0120】
【発明の効果】以上のように、本発明のバネ部材におけ
る加工部の耐久性評価用治具によれば、治具ブロック体
は、互いに接離自在に接合される接合面で二分割される
と共に、該二分割により各傾斜面がそれぞれに分離され
る対の分割ブロック体からなり、分割ブロック体は、接
合面と傾斜面とで形成される角度が複数種類備えられ、
選択された対の分割ブロック体を接合面で接合すること
により両側の傾斜面が構成されるものであり、選択によ
る組合せにより多数の試験角度が得られると共に、保管
時の省スペース化も図れるという利点がある。
【0121】また、各固定板が、それぞれ延設片部の長
手方向に沿って位置調整自在に各傾斜面に取付固定され
る構造とすれば、好適な位置で各延設片部を固定できる
という利点がある。
【0122】さらに、互いに接合される各分割ブロック
体の各傾斜面により稜線部が形成され、該稜線部に対応
加工部との干渉を回避する逃し部が形成された構造とす
れば、対応加工部を中心とする曲げ角度の変位も何ら支
障なく付与できるという利点がある。
【0123】また、互いに接合される各分割ブロック体
の各傾斜面により谷線部が形成された構造とすれば、試
料片の内角を広げる方向に曲げ角度の変位を付与する際
に試料片のいびつな変形も有効に防止できるという利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る治具における治
具ブロック体の斜視図である。
【図2】同分離状態図である。
【図3】分割ブロック体の一例を示す側面図である。
【図4】分割ブロック体の一例を示す側面図である。
【図5】分割ブロック体の一例を示す側面図である。
【図6】分割ブロック体の組合せ例を示す側面図であ
る。
【図7】分割ブロック体の組合せ例を示す側面図であ
る。
【図8】分割ブロック体の組合せ例を示す側面図であ
る。
【図9】第2の実施形態に係る治具における治具ブロッ
ク体の斜視図である。
【図10】同分離状態図である。
【図11】分割ブロック体の一例を示す側面図である。
【図12】分割ブロック体の一例を示す側面図である。
【図13】分割ブロック体の一例を示す側面図である。
【図14】分割ブロック体の組合せ例を示す側面図であ
る。
【図15】分割ブロック体の組合せ例を示す側面図であ
る。
【図16】分割ブロック体の組合せ例を示す側面図であ
る。
【図17】第3の実施形態に係る治具における治具ブロ
ック体の側面図である。
【図18】同他の組合せ例を示す側面図である。
【図19】第4の実施形態に係る治具における治具ブロ
ック体の側面図である。
【図20】同他の組合せ例を示す側面図である。
【図21】先行技術に係る治具による試料片の取付過程
を示す斜視図である。
【図22】同試料片の取付過程を示す説明図である。
【図23】同試料片の取付過程を示す説明図である。
【図24】同試料片の取付過程を示す説明図である。
【図25】同試料片の一部側面図である。
【図26】曲げ加工による応力緩和率の変化を示す応力
残留率と時間との関係説明図である。
【図27】別の先行技術に係る治具による試料片の取付
過程を示す斜視図である。
【図28】同試料片の取付過程を示す説明図である。
【図29】同試料片の取付過程を示す説明図である。
【図30】雄端子と雌端子の接続状態を示す説明図であ
る。
【図31】雌端子のバネ部の説明図である。
【符号の説明】
31 治具ブロック体 31a 稜線部 31b 稜面 31c 逃し部 33 分割ブロック体 33a 接合面 33b ボルト挿通孔 41 治具ブロック体 41a 谷線部 41b 傾斜面 43 分割ブロック体 43a 接合面 43b ボルト挿通孔 51 治具ブロック体 51a 谷線部 51b 傾斜面 53 分割ブロック体 53a 接合面 61 治具ブロック体 61a 谷線部 61b 傾斜面 63 分割ブロック体 63a 接合面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曲げ加工されたバネ部材の加工部と同じ
    に中間部で曲げ加工された対応加工部を有する細長板状
    の試料片における前記対応加工部両側の各延設片部を、
    その対応加工部のバネ機能を発揮させる弾性変形方向に
    曲げ角度の変位を付与した負荷状態で固定保持すべく、
    それぞれ当接させるための傾斜面を両側に備えた治具ブ
    ロック体と、各傾斜面にそれぞれ着脱自在に取付固定さ
    れて各延設片部を各傾斜面とで挟持する各固定板とを備
    えてなるバネ部材における加工部の耐久性評価用治具で
    あって、 前記治具ブロック体は、互いに接離自在に接合される接
    合面で二分割されると共に、該二分割により各傾斜面が
    それぞれに分離される対の分割ブロック体からなり、 前記分割ブロック体は、前記接合面と前記傾斜面とで形
    成される角度が複数種類備えられ、選択された対の分割
    ブロック体を接合面で接合することにより前記両側の傾
    斜面が構成されることを特徴とするバネ部材における加
    工部の耐久性評価用治具。
  2. 【請求項2】 前記各固定板が、それぞれ前記延設片部
    の長手方向に沿って位置調整自在に前記各傾斜面に取付
    固定されることを特徴とする請求項1記載のバネ部材に
    おける加工部の耐久性評価用治具。
  3. 【請求項3】 互いに接合される前記各分割ブロック体
    の前記各傾斜面により稜線部が形成され、該稜線部に前
    記対応加工部との干渉を回避する逃し部が形成されたこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のバネ部材におけ
    る加工部の耐久性評価用治具。
  4. 【請求項4】 互いに接合される前記各分割ブロック体
    の前記各傾斜面により谷線部が形成されたことを特徴と
    する請求項1または2記載のバネ部材における加工部の
    耐久性評価用治具。
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