JP2001289707A - 音響特性測定方法および音響特性測定装置 - Google Patents

音響特性測定方法および音響特性測定装置

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JP2001289707A JP2000104377A JP2000104377A JP2001289707A JP 2001289707 A JP2001289707 A JP 2001289707A JP 2000104377 A JP2000104377 A JP 2000104377A JP 2000104377 A JP2000104377 A JP 2000104377A JP 2001289707 A JP2001289707 A JP 2001289707A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、音響材料の音響特性、例えば反射
率、吸音率、音響インピーダンス等を測定する音響特性
測定方法および音響特性測定装置に関し、音響材料の音
響特性を良好な作業性の下で効率よく測定する。 【解決手段】螺旋状に曲がった音響管11を用い、一端
11aにスピーカ12、他端11bに音響材料100を
配置し、途中に配置したマイクロホン13で入射波と反
射波を測定する。また、基準の音響材料200について
も測定し、それらの測定データを用いて音響特性を算出
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響材料の音響特
性、例えば反射率、吸音率、音響インピーダンス等を測
定する音響特性測定方法および音響特性測定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】吸音材等の音響材料の、音響インピーダ
ンスや吸音率等音響特性の精密な測定には、従来、音響
管の一端に測定対象の音響材料を装着し、他端から音響
管内に正弦波音波を放射して入射波と反射波の間で干渉
を起させ、その音響材料表面からの距離による音圧の変
化を測定して、音圧の極小点の、その音響材料表面から
の距離と、その極小点における音圧と音圧が極大となる
の点の音圧との比から、計算する方法が用いられてい
る。
【0003】しかし、その測定のためには、音響管の長
さが、測定しようとしている音波の波長の1/4より長
く、また、管の半径が波長の1/3よりも小さいことが
必要であるため、低周波数用には非常に長い音響管が、
高周波数用には細い音響管が必要となり、低周波数用と
高周波数用の2種類の音響管が用いられることが多い。
例えば低周波用の音響管としては、数十Hzの低音まで
測定しようとすると数mもの長さの音響管が必要とな
る。また、この方法を採用した場合、管内の音圧分布を
正確に測定するためにマイクロホンを移動することが必
要であり、また、広範囲の周波数について同時に測定す
ることはできず、広範囲の周波数帯域内の音響特性の分
布を調べようとするときは、周波数の異なる周波数の正
弦波音波を順次放射して上記の測定を何度も繰り返す必
要がある。
【0004】また、一度の測定で広い周波数帯域内の音
響特性の周波数分布を知る方法として、音響管の一端に
音響材料を装着し、他端からインパルス波あるいは時間
引き伸ばしパルス波(図5参照)を放射し、管の途中に
マイクロホン等の音センサを配置しておいてその音セン
サで音響材料に向かう入射波と音響材料で反射して戻っ
てくる反射波とをセンスし、それぞれを周波数分析して
同一周波数ごとに入射波に対する反射波の比率を求め、
その比率に基づいて所望の音響特性を求めるという方法
が知られている。この方法の場合、広い周波数帯域の音
響特性を一度の測定で求めることができるという大きな
長所は存在するものの、数十Hzの低音まで測定しよう
とすると、5〜6m等、上述の方法よりもさらに長い音
響管が必要となり、広い作業スペースを必要とし、ま
た、例えば実際の道路の音響特性を測定する場合など、
測定現場にその長い音響管を運搬することが必要となる
場合もあるが、そのような場合に、その運搬作業が極め
て大がかりとなってしまうという問題がある。また、こ
の場合、5〜6mもの長さの音響管を道路上に立設した
まま測定する必要があり、その測定作業も極めて大がか
りなものとなってしまうことになる。
【0005】さらに別の測定方法として、マイクロホン
の移動を避けて、固定したマイクロホンで2点または3
点の音圧を測定して音響インテンシティを計算したもの
を利用する方法が開発されている。この方法によれば音
響管の長さは比較的短かくて済むが、高周波数用にはマ
イクロホン間隔を狭くしなければならず、低周波用には
マイクロホン間隔を広くしなければならない。また、マ
イクロホンの特性、特に位相特性が厳密に等しくなけれ
ばならないという問題があり、その方法にも問題点が残
っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み、作業性の良い音響特性測定方法および音響特性測
定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の音響特性測定方法は、曲線状に曲がった音響管を用
意し、その音響管の途中に音センサを配備するとともに
その音響管の第1の端に音源を配備する準備過程と、上
記音響管の第2の端に測定対象の第1の音響材料を配置
しその音響管の第1の端に配備された音源から所定の時
間幅の音波を音響管内に放射して、その音響管の途中に
配備された音センサにより、音源が配備された第1の端
から第1の音響材料が配置された第2の端に向かう入射
波と、その第2の端に配置された第1の音響材料で反射
して第1の端に向かう反射波とをセンスする第1の測定
過程と、第1の測定過程において音センサで得られた音
信号に基づいて第1の音響材料の音響特性を求める演算
過程とを有することを特徴とする。
【0008】ここで、上記本発明の音響特性測定方法に
おいて、上記音響管の第2の端に基準となる第2の音響
材料を配置しその音響管の第1の端に配備された音源か
ら所定の時間幅の音波をその音響管内に放射して、その
音響管の途中に配備された音センサにより、音源が配備
された第1の端から第2の端に向かう入射波と、その第
2の端に配置された第2の音響材料で反射して第1の端
に向かう反射波とをセンスする第2の測定過程とを有
し、上記演算過程が、上記第1の測定過程において音セ
ンサで得られた音信号と上記第2の測定過程において音
センサで得られた音信号との双方に基づいて第1の音響
材料の音響特性を求める演算過程であることが好まし
い。
【0009】また、本発明の音響特性測定方法におい
て、上記音響管は、螺旋形状の音響管であることが好ま
しい。さらに、上記測定過程において、音響管の第1の
端に配備された音源からインパルス波あるいは時間引き
伸ばしパルス波を放射することが好ましい。さらに、上
記演算過程が、第1の音響材料の、音響インピーダンス
および吸音率のうちの少なくとも一方を求める過程であ
ってもよい。
【0010】また、上記目的を達成する本発明の音響特
性測定装置は、曲線状に曲がった音響管と、その音響管
の途中に配備される音センサと、その音響管の第1の端
に配備される音源とを有する音波送受部と、音響管の第
2の端に音響材料が配置された状態においてその音響管
の第1の端に配備された音源から所定の時間幅の音波を
音響管内に放射させるとともに、その音響管の途中に配
備された音センサに、第1の端から第2の端に向かう入
射波と、第2の端に配置された音響材料で反射して第1
の端に向かう反射波とをセンサさせる測定部と、第2の
端に測定対象の第1の音響材料が配備された状態におい
て音センサで得られる音信号に基づいて第1の音響材料
の音響特性を求める演算部とを有することを特徴とす
る。
【0011】ここで、上記本発明の音響特性測定装置に
おいて、上記演算部は、音響管の第2の端に測定対象の
第1の音響材料が配置された状態において音センサで得
られる音信号と、音響管の第2の端に基準となる第2の
音響材料が配置された状態において音センサで得られる
音信号との双方に基づいて、測定対象の第1の音響材料
の音響特性を求めるものであることが好ましい。
【0012】本発明は、例えば螺旋状等に曲がった音響
管、すなわち長さを確保した上でコンパクトな音響管を
用いるものであり、従来より狭いスペースで測定するこ
とができ、また運搬にも便利であり、運搬や測定の作業
性が大幅に向上する。
【0013】ところで、音響管内を音が伝搬すると、そ
の音響管内壁面での摩擦による伝搬損失や空中での伝搬
損失が僅かではあるが存在し、これらは測定の誤差要因
となる。その音響管の太さが余り細くなくて、かつ直管
ならばこれらの伝搬損失による誤差は一般には無視する
ことができる。
【0014】しかしながら、本発明では、曲がった音響
管を用いるため、直管の場合と比べその伝搬損失が多少
なりとも増えることが考えられる。
【0015】その場合は、基準となる音響材料(典型的
には、測定誤差等を考慮し音響インピーダンスが無限大
であると仮定し得る材料)についても入射波および反射
波を測定し、この基準となる音響材料の測定結果と測定
対象の音響材料の測定結果との双方に基づく演算(詳細
は後述する)により、その測定対象の音響材料の音響特
性を正確に求めることができる。
【0016】この基準となる音響材料の測定は、測定対
象の音響材料の測定の都度行う必要はなく、あらかじめ
測定してその測定結果を保存しておき、演算の際に、そ
の保存しておいた、基準となる音響材料の測定結果と、
今回測定した測定対象の音響材料の測定結果との双方に
基づいてその測定対象の音響材料の音響特性を求めても
よい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0018】図1は、本発明の音響特性測定方法の一実
施形態を示すフローチャート、図2は本発明の音響特性
測定装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【0019】図1のフローチャートのステップ(a)の
準備過程では、図2に示す螺旋状に曲がった音響管11
と、音源となるスピーカ12と、音をピックアップする
音センサとしてのマイクロホン13とが用意される。音
響管11は、測定対象とする最高周波数の音波の波長の
1/3以下の半径を持ち、その長さは、測定対象とする
最低周波数の音波の波長の1/3以上の長さを持つもの
である。この音響管11の途中(音響管11の、スピー
カ12が配置される第1の端11aよりも音響材料10
0が配置される第2の端11b側に少し寄った位置)に
設けられた穴(図示せず)からマイクロホン13が差し
込まれ、マイクロホン13の先端が音響管11の内壁面
と同一平面となるように、あるいはわずかに中に入り込
んだ位置となるように配置される。あるいは、そのマイ
クロホンが音の伝搬にほとんど影響を及ぼさない程度に
小型のものであるときは、音響管11内の半径方向中心
部に配置してもよい。また、その音響管11の第1の端
11aに、スピーカ12を、そのスピーカ12からの音
が音響管11の内部に向けて放射されるように配置す
る。図2に示す音響特性測定装置では、上記の音響管1
1と、スピーカ12と、マイクロホン13とを合わせた
ものを音波送受部10と称する。
【0020】図1のフローチャートのステップ(b)の
測定過程では、音響管11の第2の端11bに測定対象
の音響材料100が配置され、図2の測定部20からス
ピーカ12に向けて、本実施形態ではインパルス信号が
印加され、スピーカ12から、音響管11の内部に向け
て、その印加されたインパルス信号に応じたインパルス
波が放射され、マイクロホン13により、スピーカ12
から放射され音響管11内を第2の端11bに向かって
進む音波(入射波)と、さらにその音波(入射波)がマ
イクロホン13の位置を通り過ぎて第2の端11bに達
しその第2の端11bに配置された音響材料100で反
射されて音響管11内を戻ってきた音波(反射波)とが
ピックアップされる。これらピックアップされた入射波
および反射波は測定部20に入力されディジタル信号に
変換されて演算部30に入力される。
【0021】本実施形態では、測定対象の音響材料10
0について上記のようにして入射波および反射波の測定
が行なわれるとともに、その測定対象の音響材料100
に代えて、本実施形態では測定誤差等の観点からみて無
限大の音響インピーダンスを持つと見なすことができる
基準の音響材料200が配置され、上記と同様にしてス
ピーカ12から同一のインパルス波を放射して入射波と
反射波の測定が行なわれる。
【0022】このようにして行なわれた基準の音響材料
200についての入射波と反射波の測定結果は、測定部
20を経由しディジタルデータに変換されて演算部30
に入力されるが、この演算部30では、そのデータが、
今回の演算に用いられるとともに、次回以降の演算の際
にも用いることができるようメモリ31に格納される。
すなわち、次回以降の測定では、基準の音響材料200
については測定を省略して音響特性を測定しようとして
いる音響材料のみ測定すればよい。
【0023】図1のフローチャートに示すステップ
(c)の演算過程では、測定過程(ステップ(b))で
得られたデータに基づいて、音響材料100の音響特性
が求められる。この音響特性を求めるための具体的な演
算については後述する。この音響特性を求める演算は、
図2に示す音響特性測定装置では、演算部30が担って
いる。
【0024】ここで、図2に示す音響特性測定装置で
は、測定部20は、スピーカ12に駆動用信号(本実施
形態ではインパルス信号)を供給するとともに、マイク
ロホン13からの出力を取り込むためのトリガ信号を出
力するなど、測定のための制御部としての役割りを担っ
ており、演算部30は、測定により得られたデータに基
づく演算を担っているが、コンピュータを用いてこれら
双方の機能を兼用した構成としてもよい。
【0025】また、測定結果は、モニタにディスプレイ
するとともに、メモリに蓄積したり、また、必要に応じ
てプリンタによる出力、通信ネットワークを通しての伝
送を行なうようにしてもよい。
【0026】なお一般に、音響管による測定では、音響
管の機械的な共振が測定結果に影響することが多い。そ
れを防ぐために、音響管としてはインピーダンスが高く
て音波による駆動の影響を受けにくい材料を使い、場合
によってはダンビング材料を密着させて共振を抑えるこ
とが行われるが、長い管にダンピング材料を装着して効
果を上げることは一般には困難である。それに対して、
本装置は、管がスパイラル状になっており、その大部分
を砂中に埋めて振動の影響を少なくすることなどが容易
である。
【0027】次に、図2に示す装置の動作およびデータ
処理についてさらに詳細に説明する。
【0028】図3は、マイクロホンの出力波形を示す図
であり、図3(A)は、基準の音響材料200(図2参
照)の測定結果、図3(B)は、音響特性を測定しよう
としている音響材料100(図2参照)の測定結果であ
る。
【0029】スピーカ12を音響パルスによって駆動す
ると、マイクロホン13の出力は、図3に示すようにな
る。図2に示す波形の内、最初のパルスは入射波であ
り、次のパルスは反射波であるが、その後にも、反射波
が音源側でさらに反射した信号など、パルス状の信号が
減衰し形を変えながら続く。計算には、最初の2パルス
の信号を用いる。
【0030】測定に当って、まず、音響管11の、音響
材料を装着する端11bに、基準の音響材料、すなわち
本実施形態では無限大インピーダンスと仮定し得る高イ
ンピーダンスの材質(一般には金属の蓋)を密着する。
その状態でインパルスを放射する。それをマイクロホン
13で収録すると、図3(A)のように、入射波の後に
続く反射波がほとんど減衰しないで続く音信号が得られ
る。この入射波をx0(t)、反射波をy0(t)とす
る。横軸(時間軸t)の始点t0は音源放射のトリガを
出力した時点とする。音響管11の音響材料200を密
着させた端11bが完全反射で管内伝搬の損失もなけれ
ば、y0(t)はx0(t)と同じ波形で、音波がマイク
ロホン点と反射面との往復距離を伝搬する時間遅れるだ
けであるが、現実には、多少なりとも管内での減衰があ
るため、幾らかの減衰と波形の変化が起きる。
【0031】ここで、入射波と反射波をそれぞれ切り取
る。理想的なインパルスでスピーカを駆動したとして
も、入射波はスピーカの過渡現象によって時間軸上に広
がりを持つから、入射波としては、反射波到来の時間よ
りも僅かに(実際には数百マイクロ秒)前までの時間区間
をとる。図にはその区間を示してある。入射波インパル
スの頂点と反射波インパルスの頂点との時間をTDとす
る。これは入射波がマイクロホン点を通過して管中伝搬
して行き端面で反射してマイクロホン点に到達する時間
である。波形処理のため入射波インパルスの頂点を起点
としてTw(Tw<TD)の時間区間にハニング窓の半分
のような適切な時間窓w(t)を掛ける。
【0032】反射波インパルスに対しても、入射波イン
パルスに対する時間窓w(t)と同じ時間長TWの同じ
時間窓w(t)をインパルスの頂点を起点としてかけ
る。入力波インパルスおよび反射波インパルス切り取る
時間区間は、インパルス波の立ち上がり部まで含めるた
めに、インパルスの頂点よりもTD−TW程度さかのぼっ
た時点からとし、さかのぼる区間の重みは一様に1とす
る。
【0033】残りの、多重反射による信号は捨てる。
【0034】上のように時間窓w(t)を掛けた入射波
0(t)と反射波y0(t)にそれぞれ0のデータ系列
を接続して、フーリエ変換に都合の良く、また、必要な
周波数分解能を持たせられる長さの系列をつくる。この
際、入射波と反射波の時間関係を変えないようにする。
【0035】図4は、入射波と反射波の時間関係を変え
ないようにして0データ系列を接続した例を示した図で
ある。この図4は、音響特性を測定しようとしている音
響材料を音響管11の端11bに密着させて測定したと
きの例である。
【0036】図4(A)は、マイクロホンで得られ時間
窓w(t)を掛けた入射波と反射波を示す図である。
【0037】図4(B),(C)は、図4(A)に示す
入射波および反射波を切り出して入射波と反射波の時間
関係を変えないようにして0データ系列を接続した波形
を示している。
【0038】これら図4(B),(C)の各区間S1
2,S3,S4は全て0データで埋められており、入射
波と反射波の時間関係は、図4(A)における入射波と
反射波の時間関係をそのまま保っている。全体の長さS
0=S1+S2+2TD−TWは、FFTに都合のよいサン
プル数、すなわち1024,2048あるいは4096
などの数とする。
【0039】ここでは、上記のように時間窓w(t)を
掛けて0データを加えた、基準の音響材料200につい
て測定したときの入射波と反射波の信号系列を、それぞ
れ、x00(n)、y00(n)とする。ここで、nはサン
プル値系列の番号、すなわち離散時間である。そこで、
クロススペクトル法によりx00(n)からy00(n)に
至る伝達系の伝達関数R00(k)を計算する。すなわ
ち、x00(n)、y00(n)それぞれの離散フーリエ変
換をX00(k)、Y00(k)として、 R0(k)=<X00 *(k)Y00(k)>/<X
00 *(k)X00(k)> を計算する。
【0040】ここで、X00 *(k)は、X00(k)の共
役複素数、<X00 *(k)Y00(k)>は、X00 *(k)
00(k)の多数回平均kは離散周波数である。
【0041】次に、音響管11の端11bに測定対象と
する音響材料100を装着して、同様の測定を行う。そ
の結果は図3(B)のようになる。この信号にも、入射
波に対すると全く同じ時間窓w(t)を、時間軸上での
差異を生じないようにかけ、入射波x1(t)と反射波
1(t)とを取り出して0データ系列を加え、それぞ
れをx11(n)、y11(n)とする。この際、トリガ時
点から時間窓の始点に至る時間、時間窓の長さなどの時
間は、上記の完全反射条件でデータを取り込んだときと
全く同じ時間関係にする。その上で、クロススペクトル
法によりx11(n)からy11(n)に至る伝達系の伝達
関数を計算してR1(k)とする。
【0042】この計算式は次の通りである。
【0043】R1(k)=<X11 *(k)Y11(k)>/
<X11 *(k)X11(k)> ここで、X11(k)は、x11(n)の離散フーリエ変
換、Y11(k)は、y11(n)の離散フーリエ変換であ
る。
【0044】次に R(k)=R0 *(k)R1(k)/R0 *(k)R0(k) を計算する。ここで、R0 *(k)はR0(k)の共役複
素数である。これにより、完全反射面の反射係数を1と
したときの複素反射率が求められる。
【0045】この複素反射率Rから、以下の関係式に基
づいて、音響インピーダンスと吸音率が求められる。
【0046】複素反射率Rを R=Rr+jRi(jは虚数単位を表わす) とすると、音響インピーダンスZx=Zxr+jZxiは、 Zxr=ρc・(1+Rr 2−Ri 2)/{(1+Rr2+R
i 2} Zxi=−ρc・(Rr+Ri)/{(1+Rr2+Ri 2} 但し、ρは空気の密度(約1.18kg/m3 at2
0℃)、cは空気中の音速(約343m/sec at
20℃)、したがって、ρc≒405である。
【0047】また、吸音率αはα=1−|R|2により
求められる。
【0048】図5は、時間引き伸ばしパルス波の一例を
示す図である。
【0049】上記の実施形態ではスピーカ12からイン
パルス波を放射する旨説明したが、例えばこの図5に示
すような時間引き伸ばしパルス波、すなわち、ある短時
間内で周波数がスイープされた波形の音波を採用しても
よい。図5では低周波から高周波に向けてスイープされ
ているが、これとは逆に高周波から低周波に向かってス
イープした波形の音波を用いてもよい。
【0050】尚、上記実施形態では、測定対象の音響材
料100の測定データのみでなく、基準の音響材料20
0の測定データをも用いて測定対象の音響材料100の
音響特性を求めたが、この基準の音響材料200の測定
データは、上述したとおり、測定対象の音響材料100
の測定を行なった際に測定したものである必要はなく、
あらかじめ測定しておいてメモリ31(図2参照)に格
納しておいたものを用いてもよい。
【0051】あるいは、許容誤差がある程度大きいとき
は、測定対象の音響材料100の測定データのみに基づ
いてその音響材料100の音響特性を求めてもよい。
【0052】その場合、入射波と反射波をそれぞれフー
リエ変換し、入射波に対する反射波の比率を周波数ごと
に求めればよい。ある周波数について入射波に対する反
射波の比率が0.5であったときは、その周波数の音圧
反射率rは0.5、パワーは音圧の2乗に比例するから
パワー反射率r2は0.25となる。このとき、その周
波数の吸音率αは、α=1−r2=1−0.25=0.
75となる。
【0053】このように、基準の音響材料の測定データ
を用いなくても、測定対象の音響材料の音響特性を測定
することはできるが、上記実施形態のように基準の音響
材料の測定データを合わせて演算することにより、音響
管11が螺旋状に曲がっていることに起因して内壁面で
の摩擦損失が大きくなったとしてもその影響をキャンセ
ルすることができ、より高い精度での測定が可能にな
る。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば音
響材料の音響特性を良好な作業性の下で効率よく測定す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音響特性測定方法の一実施形態を示す
フローチャートである。
【図2】本発明の音響特性測定装置の一実施形態を示す
概略構成図である。
【図3】マイクロホンの出力波形を示す図である。
【図4】入射波と反射波の時間関係を変えないようにし
て0データ系列を接続した例を示した図である。
【図5】時間引き伸ばしパルス波の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 音波送受部 11 音響管 11a 一端 11b 他端 12 スピーカ 13 マイクロホン 20 測定部 30 演算部 31 メモリ 100 音響材料 200 音響材料
フロントページの続き (72)発明者 三神 圭司 神奈川県横浜市緑区白山1丁目16番1号 オンテックアールアンドデー株式会社内 (72)発明者 城戸 健一 神奈川県横浜市緑区白山1丁目16番1号 オンテックアールアンドデー株式会社内 Fターム(参考) 2G064 AB05 AB16 AB23 BD02 CC43 CC46 DD32

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曲線状に曲がった音響管を用意し該音響
    管の途中に音センサを配備するとともに該音響管の第1
    の端に音源を配備する準備過程と、 前記音響管の第2の端に測定対象の第1の音響材料を配
    置し該音響管の第1の端に配備された音源から所定の時
    間幅の音波を該音響管内に放射して、該音響管の途中に
    配備された音センサにより、該音源が配備された前記第
    1の端から前記第1の音響材料が配置された第2の端に
    向かう入射波と、該第2の端に配置された該第1の音響
    材料で反射して前記第1の端に向かう反射波とをセンス
    する第1の測定過程と、 前記第1の測定過程において前記音センサで得られた音
    信号に基づいて前記第1の音響材料の音響特性を求める
    演算過程とを有することを特徴とする音響特性測定方
    法。
  2. 【請求項2】 前記音響管の第2の端に基準となる第2
    の音響材料を配置し該音響管の第1の端に配備された音
    源から所定の時間幅の音波を該音響管内に放射して、該
    音響管の途中に配備された音センサにより、前記第1の
    端から前記第2の端に向かう入射波と、該第2の端に配
    置された該第2の音響材料で反射して前記第1の端に向
    かう反射波とをセンスする第2の測定過程とを有し、 前記演算過程が、前記第1の測定過程において前記音セ
    ンサで得られた音信号と前記第2の測定過程において前
    記音センサで得られた音信号との双方に基づいて前記第
    1の音響材料の音響特性を求める演算過程であることを
    特徴とする請求項1記載の音響特性測定方法。
  3. 【請求項3】 前記音響管が、螺旋形状の音響管である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の音響特性測定方
    法。
  4. 【請求項4】 前記測定過程において、前記第1の端に
    配備された音源からインパルス波あるいは時間引き伸ば
    しパルス波を放射すること特徴とする請求項1又は2記
    載の音響特性測定方法。
  5. 【請求項5】 前記演算過程が、前記第1の音響材料
    の、音響インピーダンスおよび吸音率のうちの少なくと
    も一方を求める過程であることを特徴とする請求項1又
    は2記載の音響特性測定方法。
  6. 【請求項6】 曲線状に曲がった音響管と、該音響管の
    途中に配備される音センサと、該音響管の第1の端に配
    備される音源とを有する音波送受部と、 前記音響管の第2の端に音響材料が配置された状態にお
    いて該音響管の第1の端に配備された音源から所定の時
    間幅の音波を該音響管内に放射させるとともに、該音響
    管の途中に配備された音センサに、前記第1の端から前
    記第2の端に向かう入射波と、該第2の端に配置された
    音響材料で反射して前記第1の端に向かう反射波とをセ
    ンスさせる測定部と、 前記第2の端に測定対象の第1の音響材料が配備された
    状態において前記音センサで得られる音信号に基づいて
    前記第1の音響材料の音響特性を求める演算部とを有す
    ることを特徴とする音響特性測定装置。
  7. 【請求項7】 前記演算部が、前記音響管の第2の端に
    測定対象の第1の音響材料が配置された状態において前
    記音センサで得られる音信号と、前記音響管の第2の端
    に基準となる第2の音響材料が配置された状態において
    前記音センサで得られる音信号との双方に基づいて、前
    記第1の音響材料の音響特性を求めるものであることを
    特徴とする音響特性測定装置。
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