JP2001288957A - 弾性力を利用した閉じ機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、従来閉じ機構として使われていた、
ドアクロ−ザ−やマグネットキャッチや長い引張りばね
に対して、閉じの終端だけを引込む様にして、ドアクロ
−ザ−の様に多くの大きな部品を使わなくて済み、マグ
ネットキャッチよりも長い距離を引込む事が出来、長い
引張りばねの様な衝突を緩和する為に要するダンパ−を
使わなくて済む、閉じ機構を提供する。 【構成】本体又は本体への取付板にばねの一端を掛け、
他端を近傍に楔部を有した引っ掛け部に掛けられる様に
し、移動板に同じく近傍に楔部を有した引っ掛け部を設
けて、閉じ終端でばねのフックが取付板から移動板に乗
り移る様に機能させて、移動板及び移動板が付いた扉や
引出し等が、閉じ終端だけ引込まれる様にした。この機
構は、取付板と移動板の１部を曲げるだけで済み、部品
としてはばね１ケのみで機能させる事が出来、引出しの
１部で使われていたばねとばねのフックが掛けられた移
動コマと移動コマを動かす軸からなる３部品で構成され
た、引込み機構より製作に手間が掛からずに済む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】この発明は、家具や冷蔵庫や
収納容器の引出し・扉、玄関ドア・引戸、間仕切りド
ア、複写機の原稿搬送装置、ノ−トパソコン等のディス
プレイや、従来マグネットキャッチにて保持されていた
分野のものに対して一般的に巾広く適用される。

【０００２】

【従来の技術】従来の開閉物では、例えば玄関ドアでは
ドアクロ−ザ−を用いたり、家具等ではマグネットキャ
ッチを用いたりして、確実に閉じる方法が採られていた
し、玄関引戸等では移動分全てを戻すばねが用いられて
いた。又、従来の１部の引出しでは、格納終端のみを、
ばねを含めた複数の部品で引込む方式とし、寸法の狂い
が集積されて隙間の不揃いが生じた引出し前カバ−を、
多くの部品で左右前後に寸法調整していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ドアクロ−ザ−では多
くの部品と大きなスペ−スを要するし、マグネットキャ
ッチではわずかな距離しか引込めないし、移動分全てを
戻すばねでは閉じ速度が早くなって大きな音が発生し
た。又、格納終端のみを引込む引出しでは、多くの部品
を用いており製作及び引出しの組み付けに手間が掛かっ
ていた。又、外観の隙間統一でも多くの部品を要して、
寸法調整していたので、部品の製作及び引出しの組み付
けに手間を要していたのを、手間を掛けずに行おうとす
るものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明では、閉じの確実
な実施に、ばねを利用するのは従来と同じであるが、そ
のばねを機能させるのに移動部材の１部に、ばねフック
の係止部と楔状のフック移動部を一体的に設けた。又、
引出しの前カバ−の寸法調整では、前カバ−に取り付け
られた嵌め込み板を把持する調整部材に左右調整用と上
下調整用の２つ螺子を通して行わせる様にした。

【０００５】

【発明の実施の形態】閉じ終端の引込みでは、引込み前
までは、ばねの両フックが本体固定レ−ルに係止してい
たのを、移動レ−ルに設けられたフック移動部が一方の
ばねフックをずらして、自らの係止部に移し、引込み力
が作用する様にした。又、寸法調整では、左右調整の場
合は螺子と螺子に差し込んだばねの作用で、ねじの上下
にそのまま対応して調整し、上下調整の場合は螺子頭が
傾斜した穴内を上下動するにつれて傾斜分だけ調整する
様にした。

【０００６】

【実施例】直線状に引込む場合を引出し用レ−ルを例と
して図１に、回転して引込む場合を図２に、ばねフック
にコロが装着された場合を図３に、示す。引出しが前に
出ている時は、引込みばね１のフックは本体固定板２の
係止部２ａに係止していて、引出し格納時は移動レ−ル
３の楔部３ｂが引込みばね１のフックを横にずらして、
移動レ−ル３‘にて示す様に、自らの係止部３ａに乗り
移らせる。それによって、その後は引込みばね１の引っ
張り力が移動レ−ル３に働き、引出し全体は引込まれ
る。この機構では、係止部及び楔部は板の１部を曲げて
機能させるだけであり、ばねのみを用意するだけですむ
が、従来はばねとばね係止部材とばね係止部材を移動さ
せる軸にて構成されていた。図２では上記と同様に、取
付板４と回転板５にそれぞれ係止部及び楔部が設けら
れ、捻りコイルばね６にて閉められる。図３は、ばねの
フック部に円筒コロ７を装着した後、フック部を曲げた
ものであり、これによって係止部とフックの移動時の摩
耗を軽減し、長寿命化を果たす。

【０００７】次に引出しに利用された場合にて説明す
る。レ−ルカバ−を切り欠き、前カバ−の１部を切り欠
き透視した前に引き出された全体図を図４に示す。引き
出した時、本体固定板２と移動レ−ル３は図の位置関係
にあるが、格納につれて移動レ−ル３の係止部３ａ及び
楔部３ｂは本体固定板２の係止部２ａ及び楔部２ｂに近
づき、上記した作用で引き出しは引込まれる。尚、上記
部材を含め、中間レ−ル９及び調整部材１０等の、使用
者の手に触れる可能性の有る部分は安全上の配慮から、
と共に外観上から、レ−ルカバ−１１にて覆われる。

【０００８】次に前カバ−１２の寸法調整について、図
４にて説明する。前カバ−１２に取り付けられた嵌め込
み板１３は、１部切り欠いて示される調整部材１０の嵌
め込み部１０ａに差し込まれて、前には抜けない様に把
持される。その後、上下調整は、圧縮ばね１４を通した
螺子１５の頭が傾斜した穴部１０ｂに差し込まれ、螺子
頭の上下位置を変える事によって、穴部１０ｂ・嵌め込
み部１０ａを含め嵌め込み板１３が上下に調整される。
又、左右調整は、嵌め込み板１３の先端部１３ａが調整
部材１０の段違い部１０ｃに差し込まれているので、螺
子１６の上下位置を変える事によって、左右に調整され
る。いずれの場合も圧縮ばね１４は螺子の緩み止めとし
て機能する。

【図面の簡単な説明】

【図１】直線的閉じ機構説明図

【図２】回転閉じ機構説明図

【図３】円筒コロ装着図

【図４】引出し全体図

【図５】調整機構説明図

【符号の説明】

１ 引込みばね ２
本体固定板 ２ａ 係止部 ２ｂ
楔部 ３ 移動レ−ル ３ａ
係止部 ３ｂ 楔部 ４ 取付板 ５
回転板 ６ 捻りコイルばね ７
円筒コロ ８ 固定レ−ル ９
中間レ−ル １０ 調整部材 １０ａ
嵌め込み部 １０ｂ 傾斜穴部 １０ｃ
段違い部 １１ レ−ルカバ− １２
前カバ− １３ 嵌め込み板 １３ａ
先端部 １４ 圧縮ばね １５，１６
螺子

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体固定側の部材に、引っ張りばね又は捻
   りコイルばねの一端が係止されると共にばねの他端のも
   う１つの係止部とその近傍に楔部を有し、移動側の部材
   に前記と同じくばねの他端の係止部と楔部を有して構成
   され、ばねの移動側フックはそのままで係止されるか又
   は円筒状のコロを組み込まれて構成される、閉じ終端で
   閉じ力を発揮する閉じ機構。
2. 【請求項２】上記閉じ機構を、固定側レ−ル部材と移動
   側レ−ル部材間に備え、レ−ル部材間の滑りに球体又は
   コロ状の回転体を用いた、と共に、移動側レ−ル部材に
   引出しとしての前カバ−を１つの部材にて左右及び上下
   に寸法調整可能とする、調整部材を備えた引出し。