JP2001288164A - N−置換アミド化合物の製造方法 - Google Patents

N−置換アミド化合物の製造方法

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JP2001288164A
JP2001288164A JP2000109050A JP2000109050A JP2001288164A JP 2001288164 A JP2001288164 A JP 2001288164A JP 2000109050 A JP2000109050 A JP 2000109050A JP 2000109050 A JP2000109050 A JP 2000109050A JP 2001288164 A JP2001288164 A JP 2001288164A
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catalyst
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English (en)
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Toru Setoyama
亨 瀬戸山
Toru Ogoshi
徹 大越
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アミド化合物とアルコール又はエーテルを反応
させて高い選択率でN−置換アミド化合物を製造する方
法を提供する。 【解決手段】アミド化合物とアルコール又はエーテルを
反応させてN−置換アミド化合物を製造する方法におい
て、触媒として、メタノール中においてハメット指示薬
により測定されたpKa値が、+6.8より小さい酸性
を示さず、且つ、+9.3より大きい塩基性を示さない
アルミニウムを含有する酸化物又は含水酸化物を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アミド化合物とア
ルコールまたはエーテルを触媒の存在下に反応させるこ
とによりN−置換アミド化合物を製造する方法に関す
る。N−置換アミド化合物は医薬、農薬等の中間体や溶
剤として重要な化合物である。
【0002】
【従来の技術】アミド化合物からN−置換アミド化合物
を製造する方法として、ラクタム化合物とジアルキルエ
ーテルを触媒の存在下に反応させる方法(DE Pa
t.No.2025172)、ラクタム化合物とアルコ
ールを触媒の存在下に反応させる方法(US Pat.
No.2,674,602およびDE Pat.No.
830194)が知られているが、これらの方法におけ
る生成物の選択率は十分では無い。これらに使用される
触媒としては、アルミナ、モンモリロナイト、リン酸塩
や硫酸塩を担持したアルミナ等が挙げられている。アル
ミナは調製方法等によりその酸塩基性質が変化すること
が公知であり、それらは酸性アルミナ、中性アルミナ、
塩基性アルミナとして知られている。しかしながら上記
特許記載の方法においては、アルミナの酸塩基特性は特
定されていない。しかして、アミド化合物からN−置換
アミド化合物を製造する際には、原料であるアミド化合
物が比較的高価なことから、未反応のアミド化合物は反
応後に回収され、再使用されるのが一般的である。その
ため、N−置換アミド化合物の選択率は経済性を左右
し、その選択率が高いほど有利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑み成されたものであって、その目的は、アミド化合
物とアルコールまたはエーテルを触媒の存在下に反応さ
せてN−置換アミド化合物を高い選択率で製造する方法
を提供することにある。その高い選択率は、より高い経
済性をあたえる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため、アルミナが酸塩基性により性能が異
なる性質に着目して鋭意検討を重ねた結果、アミド化合
物とアルコールまたはエーテルを気相で反応させて置換
アミドを製造する際に、アルミニウムを含有する酸化物
または含水酸化物であり、メタノール中において測定さ
れたpKa値が特定の範囲にある触媒を使用すれば、高
い選択率でN−置換アミド化合物を製造することができ
ることを見いだし、本発明を達成した。 すなわち、本
発明の要旨は、下記一般式(1)
【0005】
【化4】
【0006】(式中、R1及びR2は、水素原子または置
換基を有していても良い炭素数1から8の炭化水素基を
表す。またR1とR2は結合して環を形成していてもよ
い。aは0または1の数を示す。)で表されるアミド化
合物と、下記一般式(2)
【0007】
【化5】
【0008】(式中、R3は置換基を有していても良い
炭素数1から8の炭化水素基を示し、R4は水素原子ま
たはR3と同一の炭化水素基を示す。)で表されるアル
コールまたはエーテルを触媒の存在下反応させて、下記
一般式(3)
【0009】
【化6】
【0010】(式中、R1、R2、R3、R4及びaは、一
般式(1)及び(2)と同一の意味を有す。)で表され
るN−置換アミド化合物を製造する方法において、触媒
として、メタノール中においてハメット指示薬を用いて
測定されたpKa値が+6.8より小さい酸性を示さ
ず、且つ、+9.3より大きい塩基性を示さないアルミ
ニウムを含有する酸化物または含水酸化物を用いること
を特徴とするN−置換アミドの製造方法に存する。な
お、本発明において、「メタノール中においてハメット
指示薬により測定されたpKa値が+6.8より小さい
酸性を示さず、且つ、+9.3より大きい塩基性を示さ
ない」とは、メタノール中において、ニュートラルレッ
ド(pKa:+6.8)が塩基性色(黄色)を示し、フ
ェノールフタレイン(pKa:+9.3)が酸性色(無
色)を示すことを意味する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立
に、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、2ーエチルヘキシル基等のアルキル
基;ビニル基、アリル基、オクテニル基等のアルケニル
基等の炭素数1〜8の炭化水素基を示す。或いはR1
びR2は結合して、テトラメチレン基、ブテニレン基、
ペンタメチレン基等となって窒素原子と共に飽和もしく
は不飽和の環を形成しても良い。
【0012】本発明方法は、気相反応で行うことが好ま
しく、本発明方法の反応原料である一般式(1)で表さ
れるアミド化合物および一般式(2)で表されるアルコ
ールまたはエーテルは、気相で触媒層に供給するために
本発明の反応条件下で気体として存在しうる蒸気圧を有
するものが好ましい。一般式(1)で示されるアミド化
合物の具体例としては、例えば、aが0の場合は、N−
メチルホルムアミド,N−メチルアセトアミド,N−メ
チルプロピルアミド,N−メチルアクリルアミド等の非
環式アミド化合物、2−ピロリドン,δ−バレロラクタ
ム,ε−カプロラクタム等の環式アミド化合物が挙げら
れ、aが1の場合は例えば、コハク酸イミド,マレイン
酸イミド等の環式イミド化合物が挙げられる。好ましく
は、2−ピロリドン,δ−バレロラクタム,ε−カプロ
ラクタム等の環式アミド化合物やコハク酸イミド,マレ
イン酸イミド等の環式イミド化合物である。
【0013】一般式(2)においてR3及びR4としては
1、R2で例示したと同様の炭素数1〜8の炭化水素基
が挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、
1−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノー
ル、n−オクタノール等のアルコール類;ジメチルエー
テル、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、
ジ−1−ブチルエーテル、ジ−1−ヘキシルエーテル、
ジ−1−オクチルエーテル等のエーテル類が挙げられ、
メタノール、ジメチルエーテルが好ましい。
【0014】本発明に使用される触媒は、アルミニウム
の酸化物又は含水酸化物であり、メタノール中において
ハメット指示薬により測定された特定の範囲のpKa値
を有する。ハメット指示薬によるpKa値は、酸および
塩基の強度を示す指標であり、一般的な解説や測定法に
ついては、触媒講座第3巻(基礎編3)固体触媒のキャ
ラクタリゼーション,p220,講談社、あるいはSo
lid Acid and Bases,Kozo T
anabe,KODANSHAなどの成書に詳しく記載
がある。すなわち、pKa値+7.0を中性として、+
7.0より大きい値ほど塩基強度が強い事を示し、+
7.0より小さい値ほど酸強度が強いことを意味する。
【0015】本発明における具体的なpKa値の測定
は、0.1gの触媒を5mlのメタノール中に添加しこ
れにハメット指示薬溶液(約1重量%のメタノール溶
液)を1〜2滴加え軽く振り混ぜた後に色の変化を観察
することにより実施される。一般的にハメット指示薬に
よるpKa値の測定はベンゼンやシクロヘキサンといっ
た非極性溶媒中で実施されるが、本発明がメタノールを
媒体として使用する理由は、本発明における反応原料の
一つが一般式(2)で表されるアルコールまたはエーテ
ルである事を鑑み、実際の反応条件に近い条件でpKa
値を測定せんがためである。本発明におけるpKa値の
測定に使用されるハメット指示薬は、メチルレッド(p
Ka:+4.8),ニュートラルレッド(pKa:+
6.8),ブロモチモールブルー(pKa:+7.
2),フェノールフタレイン(pKa:+9.3),
2,4−ジニトロアニリン(pKa:+15.0)であ
る。上記測定においてニュートラルレッドが塩基性色
(黄色)になることはpKa値が+6.8より小さい酸
点が不在であることを示し、フェノールフタレインが酸
性色(無色)になることはpKa値+9.3より大きい
塩基点が不在であることを示す。また、ブロモチモール
ブルー(pKa値+7.2)が塩基性色(緑色)になる
ことはpKa値が+7.2より大きい塩基点が存在する
ことを示す。もしニュートラルレッドが酸性色(赤色)
になればpKa値が+6.8より小さい酸点が存在する
ことを示し、また、もし、フェノールフタレインが塩基
性色(赤色)になればpKaが9.3より大きい塩基点
が存在することになる。
【0016】本発明に使用される触媒は、この様にして
測定されたpKa値が+6.8より小さい酸性を示さ
ず、且つ、+9.3より大きい塩基性を示さない{ニュ
ートラルレッド(pKa+6.8)が塩基性色(黄
色)、フェノールフタレイン(pKa+9.3)が酸性
色(無色)を示す}ものであり、好ましくはは、pKa
値が+6.8より小さい酸性を示さず、且つ、+9.3
より大きい塩基性を示さず、さらに+7.2より大きい
塩基性を示す{ニュートラルレッド(pKa+6.8)
が塩基性色(黄色)、ブロモチモールブルー(pKa+
7.2)が塩基性色(緑色)、フェノールフタレイン
(pKa+9.3)が酸性色(無色)を示す}触媒であ
る。
【0017】本発明に使用される触媒は、好ましくはア
ルミニウムを主体とする酸化物又は含水酸化物であり、
上記の酸塩基特性を満足する触媒であるが、アルミニウ
ム以外の元素として、例えば、Li、Na、K、Rb、
Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、La、Ce、Ti、Z
r、Zn、B、Ga、Sn、Pから選ばれる一種以上の
元素をアルミニウム1モルに対して0から1モル含んで
いてもよい。これらアルミニウム以外の元素のアルミニ
ウムに対する含有量をコントロールすることによりアル
ミニウムを含む酸化物または含水酸化物のpKa値を制
御することができる。アルミニウム原料としては硝酸ア
ルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の
ハロゲン化アルミニウム,酢酸アルミニウム等のカルボ
ン酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミニウ
ムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシド、ギ
ブサイトやバイヤライト等の水酸化アルミニウム、ベー
マイト等のオキシ水酸化アルミニウム、アルミナゾル、
アルミナゲル、アルミナ等が挙げられる。 本発明の触
媒に添加される上記アルミニウム以外の元素の原料とし
ては、これら元素を含む硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化
物、カルボン酸塩、酸化物、含水酸化物、水酸化物、水
素酸、アセチルアセトナート、アルコキシド等の化合物
を使用することができる。
【0018】アルミニウムの酸化物または含水酸化物の
調製方法は、特に限定されるものではなく、公知の種々
の方法を採用することができる。主として原料水溶液も
しくは有機溶媒の溶液又はスラリーより調製する方法
と、原料を混合して高温固相反応により調製する方法の
2つの方法がある。より活性に優れた触媒を得るという
点では前者の方法、特に各成分を含む溶液またはスラリ
ー状の水性液を調製後、乾燥、成形、焼成する方法や各
成分を含む溶液またはスラリー状の水性液から各成分を
含む固体を析出せしめた後、固体を濾過や遠心分離等に
より回収し、乾燥、成形、焼成する方法が好ましい。こ
れらの乾燥方法としては蒸発乾固法、噴霧乾燥法、凍結
乾燥法、真空乾燥法等を採用することができる。必要に
応じて成形された乾燥物の焼成方法はその乾燥物の性状
や規模により任意に採用することが可能であるが、蒸発
皿上での熱処理や管状炉、回転炉、流動焼成炉等の加熱
炉による熱処理等が一般的である。また、これらの処理
を複数種組み合わせてもよい。これらの焼成条件は採用
される方法により異なるが、通常、温度は200〜90
0℃、好ましくは400〜800℃、時間は通常0.5
〜100時間、好ましくは1〜30時間の範囲から選ば
れる。また、焼成は、空気のような酸素含有ガス雰囲気
中で行う方法が最も一般的であるが、窒素、アルゴン、
ヘリウム等の不活性ガス雰囲気中または真空中で実施し
ても良い。
【0019】本発明において使用される触媒のpKa値
を制御する方法としては、上記した元素の添加以外に、
アルミニウム酸化物または含水酸化物をアルカリ金属塩
またはアルカリ土類金属塩で処理する方法によっても達
成される。アルミニウム酸化物または含水酸化物のpK
a値を制御するための処理に使用するアルカリ金属塩と
しては、たとえば、Li、Na、K、Rb、Csの水酸
化物、炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、ハロゲン化物、リ
ン酸塩、硫酸塩、酢酸塩等の有機酸塩等、また、アルカ
リ土類金属塩としては、たとえば、Mg、Ca、Sr、
Baの硝酸塩、ハロゲン化或いは酢酸塩等の有機酸塩等
が使用されるが、好ましくは、Li、Na、K、Rb、
Csの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、酢酸塩
等の有機酸塩、およびMg、Ca、Sr、Baの酢酸塩
等の有機酸塩である。これらのアルカリ金属塩またはア
ルカリ土類金属塩は通常は水溶液として使用されるが、
その際、これらの塩の2種以上を組み合わせたり、アン
モニア水を添加して水溶液のpHをコントロールしても
よい。水溶液中のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金
属塩の濃度は、均一に溶解する量であれば特に限定され
るものではないが、通常、金属イオン換算で 0.01
〜5.0mol/l、好ましくは0.1〜2.0mol
/lである。アルミニウムの酸化物または含水酸化物に
対するアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩水溶液
の使用量は、アルミニウム酸化物または含水酸化物1g
当たり1〜100ml、好ましくは5〜20mlであ
る。アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩水溶液に
よる処理は2度,3度と繰り返し実施しても良い。処理
を実施する際の温度は室温から水溶液の沸点までの範囲
である。処理の時間は0.1〜100時間、好ましくは
0.5〜24時間である。アルカリ金属塩またはアルカ
リ土類金属塩水溶液による処理が終了したアルミニウム
酸化物または含水酸化物は、濾過や遠心分離等により処
理溶液から分離され、充分水洗した後乾燥して触媒とす
る。この触媒はそのまま使用しても良いが、真空下、窒
素等の不活性ガス雰囲気下あるいは空気または酸素雰囲
気下に200〜900℃に加熱処理した後に使用するこ
ともできる。
【0020】本発明におけるN−置換アミドを製造する
反応は、気相反応が好ましく、従って、原料である一般
式(1)のアミド化合物と一般式(2)のアルコールま
たはエーテルが、気相状態を維持し得る反応温度および
反応圧力で実施される。反応圧力は0〜10気圧、反応
温度は250〜500℃、好ましくは250〜450℃
である。原料であるアミド化合物とアルコールまたはエ
ーテルの触媒層への供給割合は、アミド化合物1モルに
対してアルコールまたはエーテルが1〜40モル、好ま
しくは1〜10モルである。原料のアミド化合物とアル
コールまたはエーテルの合計の空間速度(GHSV)
は、1〜1000h-1の範囲であり、反応は、通常、大
気圧下で実施できるが、10気圧以下の低度の加圧下ま
たは減圧下でもよい。また、原料であるアミド化合物と
アルコールまたはエーテルの分圧を調整するための希釈
ガスとして、窒素、アルゴン、ヘリウム、水蒸気、炭化
水素等の不活性ガスやアンモニアを用いることができ
る。反応方式は固定床、流動床のいずれも採用できる。
未反応のアミド化合物とアルコールまたはエーテルは回
収してリサイクルすることができる。本発明方法によれ
ば、pKa値を制御したアルミニウムの酸化物又は含水
酸化物を触媒として用いることにより、目的とするN−
置換アミドを高い選択率で製造することができる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの
実施例に限定されるものではない。なお、以下の例にお
ける転化率、選択率はそれぞれ以下の式により求めた。
また、pKa値は下記の方法により測定した。
【0022】
【数1】原料アミドの転化率(%)=(消費された原料
アミドのモル数)/(供給された原料アミドのモル数)
×100
【0023】
【数2】N−置換アミド選択率(%)=(生成したN−
置換アミドのモル数)/(消費された原料アミドのモル
数)×100
【0024】<pKa値の測定>0.1gの触媒を5m
lのメタノール中に添加し、これにハメット指示薬溶液
(約1重量%のメタノール溶液)を1〜2滴加え軽く振
り混ぜた後に色の変化を観察した。ハメット指示薬とし
ては、メチルレッド(pKa+4.8,酸性色:赤色,
塩基性色:黄色)、ニュートラルレッド(pKa+6.
8,酸性色:赤色,塩基性色:黄色)、ブロモチモール
ブルー(pKa+7.2,酸性色:黄色,塩基性色:緑
色)、フェノールフタレイン(pKa+9.3、酸性
色:無色,塩基性色:赤色)、2,4−ジニトロアニリ
ン(pKa+15.0、酸性色:黄色,塩基性色:紫
色)を使用した。試験結果に従いそれぞれ下記の通りに
判定した。 1)メチルレッド:黄色,ニュートラルレッド:黄色,
ブロモチモールブルー:緑色,フェノールフタレイン:
無色,2,4−ジニトロアニリン:黄色の場合 判定結果; pKa: +6.8 〜 +9.3。
【0025】2)メチルレッド:黄色,ニュートラルレ
ッド:赤色,ブロモチモールブルー:緑色,フェノール
フタレイン:無色,2,4−ジニトロアニリン:黄色の
場合 判定結果; pKa: +4.8 〜 +9.3。 3)メチルレッド:黄色,ニュートラルレッド:黄色,
ブロモチモールブルー:緑色,フェノールフタレイン:
赤色,2,4−ジニトロアニリン:黄色の場合 判定結果; pKa: +6.8 〜 +15.0。
【0026】実施例1 ベーマイト(CONDEA社製、PURAL SB,L
ot.No.32967)18.0g、氷酢酸1.80
gおよび脱塩水54.0gを室温にて混合し、この混合
物を80℃にて3時間攪拌することによりベーマイトを
解膠した。解膠されたベーマイトを80℃にて窒素流通
下に蒸発乾固し、得られた固体を120℃にて乾燥させ
た後、空気流通下に500℃にて2時間焼成した。得ら
れた固体を0.149〜0.6mmの大きさの粒子に篩
分した。こうしてベーマイトから調製されたアルミナ
2.0gを0.5mol/lの炭酸ナトリウム水溶液1
0mlに添加し、この混合物を室温にて1時間毎に軽く
振り混ぜつつ6時間処理した。固体を濾過回収し300
mlの脱塩水で洗浄し、120℃にて乾燥後、空気流通
下に500℃にて2時間焼成して触媒とした。この触媒
のpKa値は+6.8〜+9.3であった。この触媒
1.0gを内径8mmのパイレックス(登録商標)製反
応管に充填し、反応温度300℃において、2−ピロリ
ドン:メタノール:窒素=1.0:1.5:3.0のモ
ル比のガスを2−ピロリドン供給速度が毎時1.49m
molとなるように供給し、気相接触反応を行った。8
時間後、反応管出口ガスをサンプリングしてガスクロマ
トグラフにより分析して得た反応成績を表−1に示し
た。
【0027】実施例2 実施例1においてベーマイトから調製されたアルミナの
処理に用いた、0.5mol/lの炭酸ナトリウム水溶
液10mlの代わりに、0.5ml/lの炭酸カリウム
水溶液10mlを使用した他は実施例1と同様に実施し
てアルミナ触媒(pKa値;+6.8〜+9.3)を得
た。この触媒を用い、実施例1と同様にして2ーピロリ
ドンとメタノールを気相反応させた。反応成績を表ー1
に示した。
【0028】実施例3 実施例1においてベーマイトから調製されたアルミナの
処理に用いた、0.5mol/lの炭酸ナトリウム水溶
液10mlの代わりに、0.5ml/lの炭酸セシウム
水溶液10mlを使用した他は実施例1と同様に実施し
てアルミナ触媒(pKa値;+6.8〜+9.3)を得
た。この触媒を用い、実施例1と同様にして2ーピロリ
ドンとメタノールを気相反応させた。反応成績を表ー1
に示した。
【0029】実施例4 アルミナ(日揮化学社製、高純度アルミナ N611
(N))を磁製乳鉢で破砕し、0.149〜0.6mm
の大きさの粒子に篩分し、これを空気流通下に700℃
にて2時間焼成した。 焼成した固体8.0gを0.5
mol/lの炭酸カリウム水溶液40mlに添加し、こ
の混合物を室温にて1時間毎に軽く振り混ぜつつ6時間
処理した。固体を濾過回収し1200mlの脱塩水で洗
浄し、120℃にて乾燥後、空気流通下に700℃にて
2時間焼成してアルミナ触媒(pKa値;+6.8〜+
9.3)を得た。この触媒1.0gを用いた以外は実施
例1と同様に2ーピロリドンとメタノールを気相反応さ
せた。反応成績を表ー1に示した。
【0030】比較例1 実施例1においてベーマイトから調製されたアルミナ
(pKa値;+4.8〜+9.3)を、炭酸塩処理をせ
ずにそのまま触媒として使用した以外は実施例1と同様
に2ーピロリドンとメタノールを気相反応させた。反応
成績を表ー1に示した。
【0031】比較例2 実施例1においてベーマイトから調製されたアルミナ
2.0gを、0.0836gの炭酸カリウムを5.0g
の脱塩水に溶解した水溶液に添加し、この混合物を60
℃にて窒素流通下に乾燥させた。次いで再度5mlの脱
塩水を添加して良く混合した後60℃にて窒素流通下に
乾燥させた。こうして得られた炭酸カリウム担持アルミ
ナを120℃にて乾燥、空気流通下に500℃にて2時
間焼成して触媒(pKa値;+6.8〜+15)とし
た。この触媒1.0gを用いた以外は実施例1と同様に
2ーピロリドンとメタノールを気相反応させた。反応成
績を表−1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】表−1から明らかなように、pKa値が+
6.8より小さい酸性を示す領域、或いは+9.3より
大きい塩基性を示す領域を含む触媒を用いた場合は、何
れも目的物の選択率が低い。
【0034】
【発明の効果】本発明により、特定のpKa値を有する
アルミニウムを含有する酸化物或いは含水酸化物を触媒
として使用することにより、高い選択率で目的とするN
−置換酸アミドを製造することが出来る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は、水素原子または置換基を有して
    いても良い炭素数1から8の炭化水素基を表す。またR
    1とR2は結合して環を形成していてもよい。aは0また
    は1の数を示す。)で表されるアミド化合物と、下記一
    般式(2) 【化2】 (式中、R3は置換基を有していても良い炭素数1から
    8の炭化水素基を示し、R4は水素原子またはR3と同一
    の炭化水素基を示す。)で表されるアルコールまたはエ
    ーテルを触媒の存在下反応させて、下記一般式(3) 【化3】 (式中、R1、R2、R3、R4及びaは、一般式(1)及
    び(2)と同一の意味を有す。)で表されるN−置換ア
    ミド化合物を製造する方法において、触媒として、メタ
    ノール中においてハメット指示薬を用いて測定されたp
    Ka値が+6.8より小さい酸性を示さず、且つ、+
    9.3より大きい塩基性を示さないアルミニウムを含有
    する酸化物または含水酸化物を用いることを特徴とする
    N−置換アミド化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 触媒が、アルミニウムを含有する酸化物
    または含水酸化物であって、メタノール中においてハメ
    ット指示薬により測定されたpKa値が+6.8より小
    さい酸性を示さず、且つ、+9.3より大きい塩基性を
    示さず、更に+7.2より大きい塩基性を示すことを特
    徴とする請求項1に記載のN−置換アミド化合物の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 触媒が、アルカリ金属塩またはアルカリ
    土類金属塩で処理されたアルミニウム酸化物または含水
    酸化物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    N−置換アミド化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】反応を気相で行うことを特徴とする請求項
    1乃至3の何れかに記載のN−置換アミド化合物の製造
    方法。
  5. 【請求項5】一般式(1)において、R1及びR2が、水
    素原子または炭素数1から8のアルキル基又はアルケニ
    ル基であるか、またはR1とR2が結合して環を形成して
    いるアミド化合物と、一般式(2)において、R3が炭
    素数1から8のアルキル基でR4が水素原子であるアル
    コールとを反応させることを特徴とする請求項1乃至4
    の何れかに記載のN−置換アミド化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5の何れかに記載のN−置換
    アミド化合物の製造方法に従って、2−ピロリドンとメ
    チルアルコールを反応させることを特徴とするN−メチ
    ルピロリドンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103003238A (zh) * 2010-05-19 2013-03-27 生物琥珀酸有限公司 吡咯烷酮的制备方法

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