JP2001288047A - 頭皮頭髪用組成物 - Google Patents

頭皮頭髪用組成物

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JP2001288047A
JP2001288047A JP2000099525A JP2000099525A JP2001288047A JP 2001288047 A JP2001288047 A JP 2001288047A JP 2000099525 A JP2000099525 A JP 2000099525A JP 2000099525 A JP2000099525 A JP 2000099525A JP 2001288047 A JP2001288047 A JP 2001288047A
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hair
composition
scalp
adenosine
testosterone
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JP2000099525A
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Yosuke Nakazawa
陽介 中沢
Masashi Ogo
正志 尾郷
Masahiro Tajima
正裕 田島
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Shiseido Co Ltd
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Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 養毛効果および脱毛防止効果に優れ、フケ・
カユミ防止効果にも優れている、安全性の高い頭皮頭髪
用組成物を提供すること。 【解決手段】 テストステロン5α−リダクターゼ阻害
剤と、アデノシン等のアデノシン類とを含有する頭皮頭
髪用組成物を提供することにより、上記課題を解決し得
ることを見い出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外用組成物のう
ち、特に、頭皮や頭髪において用いる頭皮頭髪用組成物
に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】頭皮頭髪用組成物には様々な種類があ
り、様々な頭皮頭髪状態に対応した製品が毛髪組成物、
育毛剤等として開発されている。例えば、頭皮における
フケやカユミを防止することにより、脱毛を防止する製
品が開発されている。
【0003】頭皮における様々なトラブルは、高齢化社
会を迎えた今日では社会的ストレスの増大も伴って増加
しつつあり、頭皮におけるトラブルに対応した頭皮頭髪
組成物の需要は急増している。
【0004】一般に、頭部の禿や脱毛、毛の細り、頭皮
のフケやカユミ等の原因としては、毛根の皮脂腺等の器
官における男性ホルモンの活性化、過剰な皮脂分泌、過
酸化脂質の生成、毛包への血流量の低下およびストレス
等が挙げられる。また、丈夫で美しい髪を育てるうえ
で、十分な毛包への栄養補給が出来ない場合、細毛やや
せ毛の原因となる。また、毛包への血流量の低下は、栄
養不足や老廃物排泄の機能低下を招く結果となる。この
ような観点から、頭皮における角質層のターンオーバー
や過剰な皮脂分泌等を改善することは、少なくとも頭皮
における血流機能の低下を改善することと共に、頭皮お
よび頭髪のトラブルを解決する上で欠かせないポイント
となっている。
【0005】従来の頭皮頭髪用組成物は、一般に、これ
らの禿や脱毛の原因と考えられる要素を取り除いたり軽
減する作用を持つ物質を配合したものである。例えば、
ビタミンB、ビタミンE等のビタミン類、セリン、メチ
オニン等のアミノ酸類、センブリエキス、アセチルコリ
ン誘導体などの血管拡張剤、紫根エキス等の抗炎症剤、
エストラジオール等の女性用ホルモン剤、セファランチ
ンなどの皮膚機能亢進剤等が配合され、禿や脱毛、髪の
細りの予防および治療に用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の成分を少量のみ頭皮頭髪用組成物中に配合しても十分
な効果を得ることは難しく、逆に多く配合すると使用部
分およびその周辺に不快な刺激感や発赤を伴う傾向が強
まるためその配合量には制限があり、必ずしも所望の効
果が充分に得られないといった問題点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の観
点を鑑み鋭意研究を重ねた結果、テストステロン5α−
リダクターゼ阻害剤とアデノシン類とを組み合わせて配
合すると、これらの相乗作用により、優れた養毛効果を
有すると共に、優れた脱毛防止効果およびフケ・カユミ
防止効果も有し、安全性・安定性にも優れる頭皮頭髪用
組成物が得られることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明は、テストステロン5α
−リダクターゼ阻害剤およびアデノシン類を含有する頭
皮頭髪用組成物(以下、本頭皮頭髪用組成物ともいう)
である。
【0009】なお、本発明において、「頭皮頭髪用組成
物」とは、頭皮や頭髪に対して用いる外用組成物であ
り、その剤型や形態は、「頭皮頭髪用」という用途から
は直接的な制限を受けず、また、化粧品、医薬部外品、
医薬品等の、外用組成物の薬事法上の範疇の別を問うも
のでもない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本頭皮頭髪用組成物に含有させ得るアデノシン類
は、アデノシン、アデノシン5'−リン酸および/または
アデノシン5'−リン酸の塩である。
【0011】アデノシンは、リボヌクレオシドの一つで
塩基部分にプリン誘導体であるアデニンを含むものであ
る。アデノシン5'−リン酸は5'−アデニル酸とも呼ば
れ、アデノシンのリボースの5'位のヒドロキシル基にリ
ン酸が1分子結合したヌクレオチドである。
【0012】また、アデノシン5'−リン酸の塩におい
て、塩を形成する対イオンとしては、酸と対イオンを形
成する物質であればいずれの物質でもよく、例えばナト
リウム,カリウム,カルシウム等を挙げることができ
る。また、アデノシン5'−リン酸の塩としては、その水
和物を使用することもできる。
【0013】本頭皮頭髪用組成物において、アデノシ
ン、アデノシン5'−リン酸および/またはアデノシン5'
−リン酸の塩は、試薬として市販されているものを使用
することもできる。
【0014】本頭皮頭髪用組成物におけるアデノシン類
の配合量は、通常は、乾燥固形分として、頭皮頭髪用組
成物全量に対して0.0001〜10.0質量%、好ま
しくは、同0.001〜5.0質量%である。乾燥固形
分として、頭皮頭髪用組成物全量に対して0.0001
質量%未満では所望する養毛効果、脱毛防止効果等が得
られず、また、同10.0質量%を超えると製剤上の問
題が生じる傾向が認められる。
【0015】本頭皮頭髪用組成物に含有させるテストス
テロン5α−リダクターゼ阻害剤は、テストステロン5
α−リダクターゼのテストステロンに対する作用を抑制
する物質であり、本頭皮頭髪用組成物に含有させ得る、
好ましいテストステロン5α−リダクターゼ阻害剤は、
植物、具体的には、アセンヤク、アチコリア、イエルバ
ルイサ、イチイ、インチン、ウォロ、ウイキョウ、ウス
ベニアオイ、エイジツ、オルティガニグラ、オンジ、カ
ゴソウ、カコチャ、カシュウ、カッコウアザミ、カノコ
ソウ、ガラナ、カルドサント、カンゾウ、キササゲ、キ
ンセンカ、キンモクセイ、ケイガイ、ケンゴシ、ゲンノ
ショウコ、クアチャララーテ、クサノオウ、クマセバ、
ゴバイシ、ゴボウシ、コリアンダー、サイカチ、サイ
コ、サンシシ、サンショウ、シャクヤク、シャゼンシ、
ジャンカン、ジョウザン、セドロン、センソ、ソクハク
ヨウ、ソヨウ、ダイオウ、ダウントラワス、チャンカピ
エドラ、チョウジ、ニガキ、ビンロウジ、マチコ、モッ
カ、ヤクモソウ、ヤマハギ、ヨクイニン、レグロ、ロジ
ン、ワタまたはペパーミントの、溶媒抽出エキス、オキ
センドロン、あるいはフィナステリドである。
【0016】本頭皮頭髪用組成物には、これらのテスト
ステロン5α−リダクターゼ阻害剤を、単独で、また
は、2種以上組み合わせて、配合することができる。上
記植物の溶媒抽出エキスは、水または有機溶媒などによ
る抽出物であり、例えば、上記の植物の地上部、花、種
子、果実、葉、根もしくは全草の乾燥粉末または非乾燥
裁断物を、水、メタノール、エタノール、プロピレング
リコール、1,3−ブチレングリコール、ブタノール、
クロロホルム、ジクロルエタン、四塩化炭素、酢酸エチ
ルもしくはエーテル、またはこれらの混液で、30〜7
0℃の加温下、1〜10時間攪拌抽出し、あるいは、室
温で1日〜20日間抽出し、濾過し、濾液を濃縮し、さ
らに減圧濃縮して乾固したものを使用することが出来
る。本頭皮頭髪用組成物には、濃縮液の段階の植物の溶
媒抽出エキスを使用することも、乾固物の段階の植物の
溶媒抽出エキスを使用することもできる。
【0017】本発明に用いるテストステロン5α−リダ
クターゼ阻害剤の配合量は、通常、頭皮頭髪用組成物全
量に対して0.001〜10.0質量%であり、好まし
くは、0.01〜5.0質量%である。頭皮頭髪用組成
物全量に対して0.001質量%未満では所望する養毛
効果、脱毛防止効果等が得られず、また、同10.0質
量%を超えると製剤上配合が困難になる場合や頭皮に不
快な刺激感を与える場合、ホルモンの作用を示す場合が
認められる。なお、テストステロン5α−リダクターゼ
阻害剤が植物の溶媒抽出エキスの場合は、乾固物の質
量、または、植物の溶媒抽出エキスが濃縮液の場合、抽
出溶媒を除去した後の質量に基づく。
【0018】このように、テストステロン5α−リダク
ターゼ阻害剤およびアデノシン類を含有する本頭皮頭髪
用組成物は、優れた養毛効果および脱毛防止効果を有
し、また、頭皮におけるフケ・カユミを十分に防止する
ことができる頭皮頭髪用組成物である。
【0019】なお、本頭皮頭髪用組成物には、上記した
必須成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、通
常、外用組成物に用いられる他の成分、例えば、油分、
界面活性剤、増粘剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐
剤、香料、色素、水、アルコール等の溶媒を必要に応じ
て適宜配合することができる。
【0020】本頭皮頭髪用組成物は、目的とする剤型に
応じて常法により製造することができる。本頭皮頭髪用
組成物の採り得る剤型は任意であり、例えば、液状、乳
液、軟膏、クリーム、ゲル、エアゾールなど、外用に適
用可能な剤型のものであればいずれでもよい。また、そ
の製品形態も任意であり、例えば、トニック、スカルプ
トリートメント、シャンプー、リンス等の形態で用いら
れ得る。
【0021】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明の技術的範囲が、これらの実施例の
みに限定されるものではない。なお、以下の実施例にお
いて、配合量は、配合対象に対する質量%であり、植物
の溶媒抽出物およびアデノシン類については、固形分量
として表示している。
【0022】実施例および比較例において使用した植物
の溶媒抽出物は、以下の通りである。ウイキョウ抽出物
はウイキョウ(Foeniculum vulgare Miller) の果実の乾
燥物を粉砕し、70%エタノール中で、室温下で、1週
間抽出した後、濾過し、濾液の溶媒を留去した濃縮物を
使用した。
【0023】カシュウ抽出物はツルドクダミ(Polygonum
multiflorum Thunbergii)の塊根(カシュウ)の乾燥物
を細切し、50%エタノール中で、50℃加熱下で、5
時間抽出した後、濾過し、濾液の溶媒を留去した濃縮物
を使用した。
【0024】カンゾウ抽出物はカンゾウ(Glycyrrhiza g
labra Linne 又は Glycyrrhiza uralensis Fisher)の根
及び根茎の乾燥物を細切し、水中で、100℃加熱下
で、5時間抽出した後、濾過し、濾液の溶媒を留去した
濃縮物を使用した。
【0025】クアチャララーテ抽出物はクアチャララー
テ(Juliania adstringens)の樹皮の乾燥物を細切し、メ
タノール中で、50℃加熱下で、5時間抽出した後、濾
過し、濾液の溶媒を留去した濃縮物を使用した。
【0026】コリアンダー抽出物はコリアンダー(Coria
ndrum sativum Linne)の果実の乾燥物を粉砕し、75%
エタノール中で、70℃加熱下で、5時間抽出した後、
濾過し、濾液の溶媒を留去した濃縮物を使用した。
【0027】サンショウ抽出物はサンショウ(Zanthoxyl
um piperitum De Candolle又はその他同属植物) の成熟
した果皮の乾燥物を細切し、エタノール中で、50℃加
熱下で、5時間抽出した後、濾過し、濾液の溶媒を留去
した濃縮物を使用した。
【0028】ジャンカン抽出物はジャンカン(Sterculia
foetida) の果皮の乾燥物を細切し、酢酸エチル中で、
50℃加熱下で、5時間抽出した後、濾過し、濾液の溶
媒を留去した濃縮物を使用した。
【0029】チョウジ抽出物はチョウジ(Syzygium arom
aticum Merrill et Perry)のつぼみの乾燥物をエタノー
ル中で、50℃加熱下で、5時間抽出した後、濾過し、
濾液の溶媒を留去した濃縮物を使用した。
【0030】ペパーミント抽出物はペパーミント(Menth
a piperita) の葉を細切し、50%1,3−ブチレング
リコール中で、20〜25℃で1週間抽出した後、濾過
し、濾液の溶媒を留去した濃縮物を使用した。
【0031】サンシシ抽出物はクチナシ(Gardenia jasm
inoides Ellis)の果実(サンシシ)の乾燥物を粉砕し、
ブタノール中で、50℃加熱下で、5時間抽出した後、
濾過し、濾液の溶媒を留去した濃縮物を使用した。
【0032】カッコウアザミ抽出物はカッコウアザミ(A
geratum conyzoides Linne) の地上部の乾燥物を細切
し、70%エタノール中で、50℃加熱下で、5時間抽
出した後、濾過し、濾液の溶媒を留去した濃縮物を使用
した。
【0033】シャクヤク抽出物はシャクヤク(Paeonia l
actiflora Pallas又はその他近縁植物) の根の乾燥物を
細切し、90%エタノール中で、50℃加熱下で、5時
間抽出した後、濾過し、濾液の溶媒を留去した濃縮物を
使用した。
【0034】〔実施例1〜10、比較例1〜12〕第1
表および第2表に示す処方で、下記の製造方法に従い頭
皮頭髪用ローションを調製し、さらに、下記の試験によ
り、これらの頭皮頭髪用ローションの養毛効果、脱毛防
止効果およびフケ・カユミ防止効果を検討した。これら
の試験結果も、第1表および第2表に併せて示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】(1)製造方法 95%エタノールに、アデノシン類、テストステロン5
α−リダクターゼ阻害剤、ポリオキシエチレン(40モ
ル)硬化ヒマシ油、防腐剤および香料を溶解させた(エ
タノール部)。次に、精製水に、コハク酸および色素を
溶解させ、これを、前記エタノール部に加えた後、攪拌
することにより、透明液状のローションを得た。
【0038】(2)養毛効果試験 本頭皮頭髪用組成物の養毛効果を検討するために、トリ
コグラム試験を行った。被験者は男性で、実施例および
比較例各群10名とした。試料塗布期間は4ヶ月間と
し、この試料を1日2回、1回につき2〜4mLを頭皮に
塗布した。試験開始直前および試験開始から4ヶ月経過
後に、それぞれ被験者1名につき、頭頂部から毛髪を無
作為に50本抜去し、抜去毛の毛根を顕微鏡下で観察
し、毛根の状態から毛根休止期率(%)を計算した。試
験開始直前の毛根休止期率に対して、試験開始から4か
月経過後の毛根休止期率がどの程度減少したかを算出
し、その平均値を求めて、以下の基準で判定した。
【0039】<判定基準> 顕著な効果(++):試験開始直前の毛根休止期率に対
して、試験開始から4か月経過後の毛根休止期率が、3
0%以上(平均値)減少した。 効果あり(+):試験開始直前の毛根休止期率に対し
て、試験開始から4か月経過後の毛根休止期率が、20
%以上、30%未満(平均値)減少した。 弱い効果(±):試験開始直前の毛根休止期率に対し
て、試験開始から4か月経過後の毛根休止期率が、10
%以上、20%未満(平均値)減少した。 効果無し(−):試験開始直前の毛根休止期率に対し
て、試験開始から4か月経過後の毛根休止期率が、10
%未満(平均値)減少した。
【0040】(3)脱毛防止効果試験 試料使用前後の洗髪による脱毛本数の変化で測定した。
被験者は男性で、実施例および比較例各群10名とし
た。試験期間は6ヶ月間とし、前期の2ヶ月間は試料無
塗布の期間、後期4ヶ月間を試料塗布期間とした。試料
塗布期間には、試料を1日2回、1回につき2〜4mLを
頭皮に塗布した。試験期間中には、1日おきに洗髪して
抜け毛を回収し、1週間分をまとめて抜け毛本数を数え
た。この本数から、洗髪1回あたりの抜け毛本数(平均
値)を算出し、前期最終週平均値と後期最終週平均値を
比較し、10名の平均値を算出した。この結果を以下の
基準で判定した。
【0041】<判定基準> ++:抜け毛本数が70本以上(平均値)減少してお
り、著しい脱毛防止効果が認められた。 +:抜け毛本数が40本以上(平均値)減少しており、
かなりの脱毛防止効果が認められた。 ±:抜け毛本数が10本以上(平均値)減少しており、
やや脱毛防止効果が認められた。 −:抜け毛本数が10本未満(平均値)の減少または抜
け毛数の増加であり、脱毛防止効果は認められなかっ
た。
【0042】(4)フケ・カユミ防止効果試験 特にフケ・カユミを訴える男性を被験者とし、比較例お
よび実施例の各試料につき10名について試験終了後の
頭皮のカユミ、及び、試験開始前と終了時におけるフケ
量の変化について調査し、試料のフケ・カユミ防止効果
を評価した。試料塗布期間は3ヶ月とし、この間薬剤無
添加のシャンプーで1日1回洗髪し、試料を1日2回、
1回につき2〜4mLを頭皮に塗布した。
【0043】頭皮のカユミについては、各試験者につい
てその程度を以下の基準に従い判定し、その平均値で評
価した。フケ量については、試験開始前および終了時
に、被験者より洗髪前に吸引装置により頭部フケを採取
し、フケ中のタンパク質量を測定し、試験開始前のフケ
量に対し、試験終了時のフケ量の比率を求め、その平均
値を算出し、以下の基準に従い評価した。
【0044】<判定基準> カユミ防止効果 3:強いカユミがある。 2:カユミがある。 1:ややカユミがある。 0:カユミはない。
【0045】フケ防止効果 ◎:試験開始前のフケ量に対する試験終了時のフケ量の
比率の平均値は70%以下であった。 ○:試験開始前のフケ量に対する試験終了時のフケ量の
比率の平均値は71%以上、80%以下であった。 △:試験開始前のフケ量に対する試験終了時のフケ量の
比率の平均値は81%以上、90%以下であった。 ×:試験開始前のフケ量に対する試験終了時のフケ量の
比率の平均値は91%以上であった。
【0046】これらの結果から明らかなように、テスト
ステロン5α−リダクターゼ阻害剤とアデノシン類とを
配合した、実施例の頭皮頭髪用ローションには、養毛効
果、脱毛防止効果およびフケ・カユミ防止効果が顕著に
認められたが、テストステロン5α−リダクターゼ阻害
剤とアデノシン類のいずれか一方のみを配合した比較例
のローションは、特に脱毛防止効果およびフケ・カユミ
防止効果についてその結果が、実施例の結果と比べて、
顕著に劣っていた。
【0047】すなわち、テストステロン5α−リダクタ
ーゼ阻害剤とアデノシン類とを組み合わせて配合した本
頭皮頭髪用組成物においては、これらの相乗作用によ
り、養毛効果、脱毛防止効果およびフケ・カユミ防止効
果が顕著に認められることが明らかになった。
【0048】よって、本頭皮頭髪用組成物を、頭皮また
は頭髪において用いることにより、発毛を促進し、脱毛
を防止することができ、さらに、頭皮においてフケ・カ
ユミを防止することができることが明らかとなった。
【0049】以下に、本頭皮頭髪用組成物の処方例を、
実施例として示す。なお、いずれの実施例の頭皮頭髪用
組成物も、上記の試験(養毛効果試験、脱毛防止効果試
験およびフケ・カユミ防止効果試験)において、優れた
養毛効果、脱毛防止効果およびフケ・カユミ防止効果が
認められた。また、これらの頭皮頭髪用組成物は、安全
性・安定性にも優れているものであった。
【0050】 〔実施例12〕 ローション 配合成分 配合量(質量%) 95%エタノール 55.0 アデノシン 10.0 サンシシ抽出物 0.5 パントテニルエチルエーテル 1.0 1,3-ブチレングリコール 1.5 ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 1.0 コハク酸 適 量 香料および色素 適 量 精製水 残 量 <製造方法>95%エタノールに、アデノシンを溶解さ
せ、さらにサンシン抽出物、パントテニルエチルエーテ
ル、1,3-ブチレングリコール、ポリオキシエチレン(60
モル)硬化ヒマシ油および香料を溶解させた(エタノー
ル部)。次に、精製水にコハク酸および色素を溶解さ
せ、これを、前記エタノール部に加えた後、撹拌するこ
とによって、透明液状のローションを得た。
【0051】 〔実施例13〕 ローション 配合成分 配合量(質量%) 95%エタノール 75.0 アデノシン5'−リン酸 0.03 カッコウアザミ抽出物 1.0 ヒノキチオール 0.2 セファランチン 0.05 ジプロピレングリコール 1.0 ポリオキシエチレン(24モル)・ポリオキシ 0.5 プロピレン(13モル)デシルテトラデシルエーテル 乳酸 適 量 乳酸ナトリウム 適 量 香料および色素 適 量 精製水 残 量 <製造方法>95%エタノールに、アデノシン5'−リン
酸を溶解させ、さらに、カッコウアザミ抽出物、ヒノキ
チオール、セファランチン、ジプロピレングリコール、
ポリオキシエチレン(24モル)・ポリオキシプロピレン
(13モル)デシルテトラデシルエーテルおよび香料を溶
解させた(エタノール部)。次に、精製水に、乳酸、乳
酸ナトリウムおよび色素を溶解させ、これを、前記エタ
ノール部に加えた後、撹拌することによって、透明液状
のローションを得た。
【0052】 〔実施例14〕 ローション 配合成分 配合量(質量%) 95%エタノール 60.0 アデノシン5'−リン酸2ナトリウム 20.0 シャクヤク抽出物 0.3 モノニトログアヤコールナトリウム 1.0 ビタミンB6 0.5 6-アミノベンジルプリン 0.5 ペンタデカン酸モノグリセリド 1.0 ポリエチレングリコール400 0.5 ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油 1.0 リン酸 適 量 香料および色素 適 量 精製水 残 量 <製造方法>95%エタノールに、アデノシン5'−リン
酸2ナトリウムを溶解させ、さらに、モノニトログアヤ
コールナトリウム、ビタミンB6 、シャクヤク抽出物、
6-アミノベンジルプリン、ペンタデカン酸モノグリセリ
ド、ポリエチレングリコール400、ポリオキシエチレ
ン(20モル)硬化ヒマシ油および香料を溶解させた(エ
タノール部)。次に、精製水に、リン酸および色素を溶
解させ、これを、前記エタノール部に加えた後、撹拌す
ることによって、透明液状のローションを得た。
【0053】
【発明の効果】本発明により、養毛効果および脱毛防止
効果に優れていると共に、フケ・カユミ防止効果にも優
れている、安全性の高い頭皮頭髪用組成物が提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/14 A61P 17/14 (72)発明者 田島 正裕 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第一リサーチセンター内 Fターム(参考) 4C083 AA111 AA112 AC102 AC292 AC432 AC851 AC852 AD022 AD491 AD492 AD601 AD602 CC31 CC37 DD23 DD27 EE11 EE22 EE23 4C084 AA19 MA63 NA05 NA06 ZA921 ZC202 4C086 AA01 BC46 DA08 GA17 MA02 MA04 NA05 NA06 ZA92 ZC20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テストステロン5α−リダクターゼ阻害
    剤、並びに、アデノシン、アデノシン5'−リン酸および
    アデノシン5'−リン酸の塩からなる群のアデノシン類か
    ら選ばれる1種または2種以上を含有する頭皮頭髪用組
    成物。
  2. 【請求項2】 テストステロン5α−リダクターゼ阻害
    剤が、アセンヤク、アチコリア、イエルバルイサ、イチ
    イ、インチン、ウォロ、ウイキョウ、ウスベニアオイ、
    エイジツ、オルティガニグラ、オンジ、カゴソウ、カコ
    チャ、カシュウ、カッコウアザミ、カノコソウ、ガラ
    ナ、カルドサント、カンゾウ、キササゲ、キンセンカ、
    キンモクセイ、ケイガイ、ケンゴシ、ゲンノショウコ、
    クアチャララーテ、クサノオウ、クマセバ、ゴバイシ、
    ゴボウシ、コリアンダー、サイカチ、サイコ、サンシ
    シ、サンショウ、シャクヤク、シャゼンシ、ジャンカ
    ン、ジョウザン、セドロン、センソ、ソクハクヨウ、ソ
    ヨウ、ダイオウ、ダウントラワス、チャンカピエドラ、
    チョウジ、ニガキ、ビンロウジ、マチコ、モッカ、ヤク
    モソウ、ヤマハギ、ヨクイニン、レグロ、ロジン、ワタ
    およびペパーミントからなる群から選ばれた一種もしく
    は二種以上の植物の溶媒抽出エキス、オキセンドロン、
    ならびに/または、フィナステリドである、請求項1記
    載の頭皮頭髪用組成物。
  3. 【請求項3】 テストステロン5α−リダクターゼ阻害
    剤の含有量が、頭皮頭髪用組成物全量に対して0.00
    1〜10.0質量%である、請求項1または2記載の頭
    皮頭髪用組成物。
  4. 【請求項4】 アデノシン類の含有量が、頭皮頭髪用組
    成物全量に対して乾燥固形分として0.0001〜1
    0.0質量%である、請求項1〜3のいずれかの請求項
    記載の頭皮頭髪用組成物。
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