JP2001287886A - チェーンの潤滑油除去装置 - Google Patents

チェーンの潤滑油除去装置

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JP2001287886A
JP2001287886A JP2000105220A JP2000105220A JP2001287886A JP 2001287886 A JP2001287886 A JP 2001287886A JP 2000105220 A JP2000105220 A JP 2000105220A JP 2000105220 A JP2000105220 A JP 2000105220A JP 2001287886 A JP2001287886 A JP 2001287886A
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chain
brush
lubricating oil
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oil removing
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JP2000105220A
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English (en)
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Koji Yamashita
浩二 山下
Kiyoshi Naganuma
清 長沼
Makoto Shimodera
下寺  誠
Tatsuya Araya
達弥 新家
Munetaka Masuko
宗孝 増子
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Hitachi Building Systems Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Building Systems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チェーンの余剰潤滑油が広範囲に摘下して意
匠性を低下するのを抑制すると共に、長期間にわたって
その効果を低下させないようにしたチェーンの潤滑油除
去装置を提供する。 【解決手段】 駆動チェーン6の所定の位置の下部に接
触する刷毛状体34を有する余剰潤滑油除去装置15を
配置し、刷毛状体34と駆動チェーン6に付着した余剰
潤滑油との親和性による表面張力で刷毛状体34に余剰
潤滑油を伝わらせて強制的に摘下させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗客コンベアにお
けるチェーンなどに供給した潤滑油のうちの余剰潤滑油
を除去するチェーンの潤滑油除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エスカレータなどの乗客コンベ
アは、踏段チェーン、駆動チェーン、移動手摺チェーン
および伝動チェーンなどの各チェーンに適量の潤滑油を
供給して円滑に駆動するように潤滑油供給装置を備えて
構成しており、この種の従来の乗客コンベアを図12に
示している。
【0003】乗客コンベアは無端状に連結した複数の踏
段1を備えており、各踏段1は、利用者が乗る踏板1a
と、この踏板1aの正面側に形成したライザ1bと、踏
段チェーン6に連結した前輪ローラ1cと、後輪ローラ
1dとを備えている。これら前輪ローラ1cおよび後輪
ローラ1dは、図示しない前輪ガイドレールおよび後輪
ガイドレール3に沿って移動するように案内されてい
る。また移動手摺2は、踏段1と同期して移動手摺駆動
装置7によって走行するように無端状に形成されてお
り、この移動手摺駆動装置7は移動手摺2の裏面を転動
する駆動ローラ7aと、移動手摺2を挾んで駆動ローラ
7aの対角位置に配設されて移動手摺2の表面を転動す
る従動ローラ7bと、第一および第二スプロケットを同
軸上に備えた伝動歯車7cと、無端状に形成されて伝動
歯車7cの第一スプロケットおよび駆動ローラ7aと一
体に構成された図示しない駆動ローラスプロケットに巻
き掛けられて駆動力を伝達する移動手摺チェーン8とを
備えて構成されている。駆動ローラ7aは、移動手摺チ
ェーン8に図示しない緊張装置によって張力を与えるこ
とで移動手摺2に押し付けられ、従動ローラ7bとの間
に狭圧力が生じている。従って、駆動スプロケット7c
を回転させると移動手摺チェーン8が移動し、これに伴
って駆動ローラ7aが回転しながらその摩擦力により移
動手摺2を移動することになる。
【0004】これら踏段1および移動手摺2の駆動力
は、原動機と、減速機と、スプロケットとを備えてなる
駆動機11から、そのスプロケットに巻き掛けた無端状
の駆動チェーン10を介して駆動歯車4の駆動スプロケ
ット4aに与えられる。駆動歯車4と従動歯車5間には
踏段チェーン6が巻き掛けられており、この踏段チェー
ン6の回動に伴い、駆動チェーン6に連結されている踏
段1が移動する。また、駆動歯車4は同軸上に移動手摺
スプロケット4bを備えており、この移動手摺スプロケ
ット4bは伝動歯車7cの第二スプロケットとの間に無
端状に形成されて巻き掛けた伝動チェーン9を介して伝
動歯車7cを回転駆動させ、上述したように移動手摺2
を移動させている。
【0005】このような構造の乗客コンベアにおいて
は、円滑な運動を確保させるために各チェーンに適量の
潤滑油を供給する給油装置12が設けられており、この
給油装置12は給油タンク、給油ポンプおよび各給油パ
イプを備えている。この給油パイプは、踏段チェーン6
に給油する第一給油パイプ13aと、駆動チェーン10
に給油する第二給油パイプ13bと、伝動チェーン9に
給油する第三給油パイプ13cと、第三給油パイプ13
cから分岐されて手摺駆動チェーン6に給油する第四給
油パイプ13dとを備えて構成され、それぞれ所定の位
置に所定の姿勢で設けられている。給油タンク内に蓄え
た潤滑油は、これら各給油パイプ13a〜13dを介し
て各チェーン上に給油ポンプにて供給される。乗客コン
ベアが運転されている状態で各チェーンは移動している
から、各チェーンの全体に潤滑油を供給することができ
る。
【0006】潤滑油の供給は、図示しないタイマにより
乗客コンベアの稼動時間をカウントし一定周期で給油装
置12を動作させて行なっており、また保守作業員の判
断で随時行なう場合もある。このようにして供給された
潤滑油は、経年使用によりその量は増加するので、各チ
ェーンにおける潤滑油を保持する飽和点に達すると、余
剰の潤滑油は摘下する。過剰に給油した場合には短い周
期で潤滑油が摘下し、この摘下した潤滑油は、乗客コン
ベアの構造体の下面を形成するトラス床14に直接摘下
するか、踏段1の動きをガイドするガイドレールや他の
構造体に摘下し、最後にはタラス床14に蓄積される。
【0007】トラス床14に蓄積されたり構造体に付着
した潤滑油には、空気中の綿塵等が付着し易く、駆動機
構の機能低下の原因になるばかりでなく、利用者が投棄
した煙草の吸い殻の混入による発煙事故を招く恐れもあ
る。さらに、蓄積した潤滑油が外部に浸出すると下層階
の天井の汚れや染みになり、意匠性の低下、天井板の寿
命低下を招く。このため、トラス床14に蓄積した潤滑
油の除去を含めたトラス床14の定期的な清掃を実施し
ているが、特に踏段チェーン6の移動範囲は乗客コンベ
アの構造体のほぼ全域に渡るため清掃作業に多大な時間
と労力を要する。一方、ガイドレールに摘下した潤滑油
の一部は、踏段1の踏板1aやライザ1bなどの外部に
露出する部分に付着して意匠性の低下を招くため、これ
も定期的な清掃が必要であり、多大な時間と労力を費や
していた。これを解消するために、特開平6−2520
59号公報に記載されたような油汚れ防止装置付エスカ
レータが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の油汚れ防止装置
付エスカレータは、踏段チェーン6にスポンジやフェル
ト等の拭い取る部材を当接させることにより、踏段チェ
ーン6に付着した余剰の潤滑油を除去する構成としてい
るが、スポンジやフェルト等の拭い取る部材が潤滑油を
回収する原理は、繊維質の集合体により構成された複数
の微少な空虚を備えた構造体の毛細管現象により、その
空虚に潤滑油を取り込むことである。一方、踏段チェー
ン6などの表面は潤滑油で湿潤しているので、綿塵など
の塵が付着し易くなっており、上述のようにして拭い取
った潤滑油にはそれら塵等の不純物が含まれている。従
って、上述した空虚に塵等の不純物が蓄積し、空虚を埋
めてしまい、つまり、目詰まりの状態になるため、その
後、潤滑油の除去効果が著しく低下してしまう。また、
拭い取る部材は、常にチェーンが摺動しているため、そ
の接触部分に摩擦が生じて表面を磨滅させることにな
り、これも同様に除去効果を著しく低下させてしまう。
【0009】本発明の目的は、チェーンの余剰潤滑油が
広範囲に摘下して意匠性を低下するのを抑制すると共
に、長期間にわたってその効果を保持できるようにした
チェーンの潤滑油除去装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
させるために、無端状に走行するチェーンに供給した潤
滑油の余剰分を除去するチェーンの潤滑油除去装置にお
いて、上記チェーンの下部に接触する刷毛状体を所定の
位置に固定したことを特徴とする。
【0011】本発明によるチェーンの潤滑油除去装置
は、チェーンの所定位置に余剰潤滑油を除去する潤滑油
除去装置を設けたため、余剰潤滑油を所定位置に集める
ことができ、チェーンの余剰潤滑油が広範囲に摘下して
意匠性を低下するのを抑制すると共に、従来のスポンジ
やフェルトに比べて長期間にわたってその効果を保持す
ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施の形態によるチェ
ーンの潤滑油除去装置を取り付けた乗客コンベアの全体
構成を示す側面図であり、図12に示した従来の乗客コ
ンベアとの同等物には同一符号を付して詳細な説明を省
略する。
【0014】乗客コンベアにおける無端状の踏段チェー
ン6の途中に接触して潤滑油除去装置15を配置し、駆
動チェーン10の途中には潤滑油除去装置16を、伝動
チェーン9の途中には潤滑油除去装置17を、また手摺
駆動チェーン8の途中には潤滑油除去装置18をそれぞ
れ接触させて配置している。各潤滑油除去装置15〜1
8の構成はほぼ同様であるから、ここでは踏段チェーン
6に取り付けた潤滑油除去装置15について以下詳細に
説明する。
【0015】図2は、潤滑油除去装置15を取り付けた
踏段チェーン6の近傍を示す部分断面正面図である。
【0016】踏段1は、踏板1aと、これに続くライザ
1bと、前輪回転軸1eと、後輪回転軸1fとを備えて
いる。この前輪回転軸1eには前輪ガイドレール19上
を走行する前輪ローラ1cが可回転的に取り付けられる
と共に、踏段チェーン6が連結されており、また後輪回
転軸1fには後輪ガイドレール3上を走行する後輪ロー
ラ1dが可回転的に取り付けられている。乗客コンベア
のフレーム22には前輪ガイドレール19が固定され、
またフレーム22にはブラケット21を介して踏段チェ
ーン6の下部に位置する潤滑油除去装置15および油受
け20が取り付けられており、この油受け20は踏段チ
ェーン6に付着した余剰潤滑油を潤滑油除去装置15で
除去したとき、落下した余剰潤滑油を受けるものであ
る。
【0017】潤滑油除去装置15は、図2の要部拡大図
である図7に示すように基部35に複数の刷毛状体34
の下端部を支持固定して構成したブラシである。踏段チ
ェーン6は、同図および図2の要部を拡大した側面図で
ある図3に示すように、一対の内リンク23と、内リン
ク23の外側にそれぞれ設けた外リンク24と、これら
を連結するピン25と、このピン25を軸に回転するロ
ーラ26と、このローラ26の回転を円滑にするために
ローラ26とピン25間に配設した図示しないブッシュ
とを備えて構成されている。
【0018】潤滑油の供給を行なう給油装置12は、図
1に示すように給油タンク、給油ポンプおよび各給油パ
イプを備えており、この給油パイプは、踏段チェーン6
に給油する第一給油パイプ13aと、駆動チェーン10
に給油する第二給油パイプ13bと、伝動チェーン9に
給油する第三給油パイプ13cと、第三給油パイプ13
cから分岐されて手摺駆動チェーン6に給油する第四給
油パイプ13dとを備えて構成され、それぞれ所定の位
置に所定の姿勢で設けられている。
【0019】各給油パイプ13a〜13dから供給され
る潤滑油の摘下位置は、図7に示したローラ26の中
心、もしくは内リンク23と外リンク24の隙間が一般
的である。潤滑油が必要な部分は、ピン25とブッシュ
間およびブッシュとローラ26間であり、その部分に潤
滑油が適量供給されていれば、踏段チェーン6は円滑に
駆動する。ただし、その部分のみに給油をするのは現実
的に困難であるため、内リンク23や外リンク24の表
面に付着される分も考慮して多めに潤滑油を供給してい
る。
【0020】このようにして定期的に行なわれる給油に
より、踏段チェーン6に付着し飽和した潤滑油は、徐々
に摘下し、内リンク23および外リンク24の下面から
余剰潤滑油の油摘となって下方に落ちる。この潤滑油
は、図3および図7に示すように所定位置の下部に配置
した潤滑油除去装置15の刷毛状体34の先端部分に接
触する位置まで移動して来ると、表面張力により内リン
ク23および外リンク24の下面部に溜まっている潤滑
油を導き、刷毛状体34を伝わらせて強制的に刷毛状体
34側に移行させる。
【0021】移行した潤滑油は、下方に設けた油受け2
0に蓄積されることになり、定期的にこの油受け20に
溜まった潤滑油を回収するようにする。ここで、潤滑油
除去装置15の下方に油受け20を配設したが、例え
ば、トラス床14上に吸油材を置いておき、強制的に摘
下した余剰潤滑油をこの吸油材に吸わせ、この吸油材を
定期的に交換するようにしてもよい。また、潤滑油除去
装置15の刷毛状体34は、内リンク23と外リンク2
4の下面に接触していれば良く、図7に示すようにブラ
シの幅Bbはチェーンの幅Bcに略同等とすることが望
ましい。さらに刷毛状体34の踏段チェーン6への接触
量については、内リンク23および外リンク24の下面
に触れる程度でよく、接触量を大きくし過ぎると刷毛状
体34の挙動が大きくなり刷毛状体34の跳ね返りによ
る潤滑油の飛散が発生してしまう。
【0022】また、各チェーンに潤滑油が塗布されてか
ら、チェーンのピン25とブッシュ間およびブッシュと
ローラ26間に効果的に浸透させるためには、図1に示
すように潤滑油除去装置15〜18を、各チェーン6,
8,9,10の給油パイプ13a〜13dが配置されて
いる位置から、最も離れた位置近傍にそれぞれ設置する
のが望ましい。
【0023】図4は、本発明の他の実施の形態による潤
滑油除去装置15を取り付けた踏段チェーン6の要部を
示す側面図である。
【0024】この実施の形態における刷毛状体34は、
踏段チェーン6の移動方向に接触角度θを有してその先
端部を踏段チェーン6に接触させている。このように刷
毛状体34を傾斜させて踏段チェーン6に接触させるこ
とにより、刷毛状体34の弾力が弱まって、刷毛状体3
4の跳ね返りによる潤滑油の飛散を抑えることができ
る。ただし、刷毛状体34の傾斜角度θを大きくし過ぎ
ると、潤滑油の垂下する力が弱まり除去能力が低下する
ので、望ましくは刷毛状体34の垂直線に対する接触角
度θが10〜20度になる位置に取り付けると良い。
【0025】図5および図6は、本発明の他の実施の形
態による潤滑油除去装置15を取り付けた踏段チェーン
6の要部を示す側面図である。
【0026】この実施の形態における刷毛状体34は、
その基部35を隣接する固定部材に支持固定した保持部
材29に回転軸27によって揺動可能に支持している。
刷毛状体34の揺動範囲は、図5に示すように垂直線に
対して踏段チェーン6の移動方向および反移動方向にそ
れぞれ接触角度θであり、それぞれ両側に最大角度であ
る接触角度θをとると保持部材29によりそれ以上の移
動を阻止されるように構成している。
【0027】図5に示すように踏段チェーン6が図面の
左方から右方へ移動するとき、刷毛状体34は、踏段チ
ェーン6の移動方向に接触角度θを有してその先端部を
踏段チェーン6に接触しており、図4に示した場合と同
様に刷毛状体34の弾力を弱めて、刷毛状体34の跳ね
返りによる潤滑油の飛散を抑えることができる。
【0028】ただし、乗客コンベアの走行方向は必ずし
も一方向とは限らず、両方向に駆動できる機構になって
いる。踏段チェーン6が逆方向に移動するように使用し
た場合、図4に示した潤滑油除去装置15では逆傾斜と
なってしまい付け替えなければならないが、本実施の形
態の潤滑油除去装置15は、図6に示すように踏段チェ
ーン6と刷毛状体34の先端との間の接触抵抗により、
踏段チェーン6の走行方向に応じて刷毛状体34は回転
軸27を中心にして回転し、反対側で接触角度θを保持
するようになる。従って、乗客コンベアの走行方向が変
わっても、刷毛状体34を常に適正な接触角度θに保つ
ことができる。
【0029】図8および図9は、本発明の他の実施の形
態によるチェーンの潤滑油除去装置を取り付けた乗客コ
ンベアの要部を示す側面図である。
【0030】この実施の形態による潤滑油除去装置は、
刷毛状体34の基部35を回転軸27によって固定子3
2に対して回転可能に支持し、この固定子32に対する
可動子33によって基部35の状態を保持するようにし
ている。可動子33を駆動する電磁コイル36は交流電
源37に接続され、この電源回路には乗客コンベアの運
転および停止に連動して動作する接点38が直列に接続
されている。上述した可動子33は、電磁コイル36が
励磁されると上方へ移動する鉄心であり、図8に示した
乗客コンベアの運転時には上方部に位置して基部35を
介して刷毛状体34の保持力を与え、一方、図9に示し
た乗客コンベアの停止時には下方に保持されて刷毛状体
34の保持力を解除する。
【0031】乗客コンベアの運転時、つまり、踏段チェ
ーン6走行時には図8に示すように接点38が閉じてお
り、交流電源37によって電磁コイル36が励磁され、
その電磁力によって可動子33は上方へ突出し、刷毛状
体34を立てた状態に保持している。従って、刷毛状体
34の先端部は踏段チェーン6に接触しており、表面張
力により内リンク23および外リンク24の下端部に溜
まっている潤滑油を導き、刷毛状体34を伝わらせて強
制的に除去する。しかしながら、乗客コンベアが停止す
ると、接点38が開いて電磁コイル36への通電は遮断
され、図示しないばねなどによって可動子33が下方へ
引っ込み、保持力を取り除かれた刷毛状体34は図9に
示すように倒れ、踏段チェーン6との接触はなくなる。
【0032】この説明から分かるように、電磁コイル3
6および可動子33を中心とする構成部材によって、乗
客コンベアの運転停止状態で刷毛状体34が踏段チェー
ン6に接触しない状態に保持する保持装置を構成したた
め、踏段チェーン6との接触で刷毛状体34の先端部が
曲がった状態で長時間保持されることがなくなり、その
形状にくせが付くのを防止することができる。
【0033】図10は、本発明の他の実施の形態による
チェーンの潤滑油除去装置を取り付けた乗客コンベアの
要部を示す側面図である。
【0034】この実施の形態では、刷毛状体34と基部
35を有する固定潤滑油除去装置15Aと駆動チェーン
6との間に、回転式潤滑油除去装置40を配置してい
る。この回転式潤滑油除去装置40は、回転軸となる円
柱状の基部39に放射状に刷毛を取り付けた回転刷毛状
体41を有し、基部39を可回転的に支持して構成して
おり、駆動チェーン6の移動によってそれに接触した回
転刷毛状体41は回転すると共に、刷毛状体34にも接
触するようにしている。
【0035】このような構成のチェーンの潤滑油除去装
置によれば、駆動チェーン6の走行に伴ってそれから伝
わり落ちる潤滑油が回転刷毛状体41に保持されなが
ら、その潤滑油を固定潤滑油除去装置15Aの刷毛状体
34に伝わらせて下方に摘下させる。駆動チェーン6に
接触するのは回転刷毛状体41であるので、踏段チェー
ン6の走行方向に影響されることなく安定した潤滑油除
去性能を得ることができる。また、駆動チェーン6に回
転式潤滑油除去装置40を接触させたため、回転刷毛状
体41の跳ね返りが少ないので、この跳ね返りによる潤
滑油の飛散を抑制することができる。乗客コンベアの停
止時には、回転式潤滑油除去装置40における回転刷毛
状体41の回転も停止するので、回転刷毛状体41に含
まれた潤滑油は下方に垂下することになり、余剰潤滑油
の少ない場合には、潤滑油除去装置15を除去すること
もできる。
【0036】図11は、本発明の他の実施の形態による
チェーンの潤滑油除去装置を取り付けた乗客コンベアの
要部を示す正面図である。
【0037】この実施の形態による潤滑油除去装置15
は、鉄製のトラス床14にマグネットブロック42等の
磁気固定手段を磁気吸着させ、このマグネットブロック
42の上部に油受け20を磁気的に保持し、さらに油受
け20の上部に潤滑油除去装置15を取り付けている。
この潤滑油除去装置15もマグネットブロック42等の
磁気固定手段で保持しても良いが、潤滑油除去装置15
および油受け20の少なくてもいずれか一方を磁気固定
手段で固定するようにする。この潤滑油除去装置15
は、先の実施の形態の場合と同様に刷毛状体34と基部
35とを備えて構成されている。
【0038】このように潤滑油除去装置15および油受
け20の少なくてもいずれか一方を磁気固定手段で固定
するようにしているため、所定の取り付け位置を決定し
たなら、例えばマグネットブロック42を励磁して鉄製
のトラス床14に磁気吸着して固定することができるの
で、乗客コンベアへの取付位置の選定と取付作業が非常
に容易である。
【0039】油受け20に除去した余剰潤滑油が溜まっ
たら、マグネットブロック42を脱磁し、潤滑油除去装
置15ごと油受け20を取り出して余剰潤滑油を回収す
る。ここで、潤滑油除去装置15と油受け20とは別体
で設け、油受け20のみを取り出せるようにしてもよ
い。また、マグネットブロック42等の磁気固定手段の
吸着位置は、トラス床14に限らず、フレーム22など
の他の鉄製部材に吸着するようにしてもよい。
【0040】上述したチェーンの潤滑油除去装置を備え
た乗客コンベアによれば、定期的に給油されてチェーン
に付着した潤滑油の余剰分を、チェーンから自然に摘下
する前に潤滑油除去装置15によって強制的に除去し、
かつ、構造体内を広範囲に周回するチェーンであっても
所定の位置に余剰潤滑油を集めることができるので、踏
段1などの意匠品をはじめ、トラス床や他の構造体、周
辺機器への汚損を抑制でき、清掃作業の省力化が図れ
る。
【0041】尚、上述した各実施の形態では、踏段チェ
ーン6に取り付けたチェーンの潤滑油除去装置を説明し
たが、移動手摺チェーン8、伝動チェーン9、駆動チェ
ーン10等の他のチェーンや、乗客コンベア以外のチェ
ーンにも同様に適用できる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるチェー
ンの潤滑油除去装置は、チェーンの所定の位置にチェー
ンに接触してその余剰潤滑油を除去する刷毛状体を有す
る潤滑油除去装置を配置したため、走行するチェーンに
よって余剰潤滑油が広範囲にまき散らされるのを抑制す
ることができ、踏段等の意匠品を汚損させず、かつ、従
来のスポンジやフェルトに比べて長期間に渡ってその効
果を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるチェーンの潤滑油
除去装置を取り付けた乗客コンベアの側面図である。
【図2】図1に示した乗客コンベアの要部を示す部分断
面正面図である。
【図3】図2に示した乗客コンベアの要部を示す側面図
である。
【図4】本発明の他の実施の形態によるチェーンの潤滑
油除去装置を取り付けた乗客コンベアの要部を示す側面
図である。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態によるチェーン
の潤滑油除去装置を取り付けた乗客コンベアの要部を示
す側面図である。
【図6】図5に示した乗客コンベアの他の状態を示す側
面図である。
【図7】図2に示した乗客コンベアの要部拡大図であ
る。
【図8】本発明のさらに他の実施の形態によるチェーン
の潤滑油除去装置を取り付けた乗客コンベアの要部を示
す側面図である。
【図9】図8に示した乗客コンベアの他の状態を示す側
面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態によるチェー
ンの潤滑油除去装置を取り付けた乗客コンベアの要部を
示す側面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施の形態によるチェー
ンの潤滑油除去装置を取り付けた乗客コンベアの要部を
示す正面図である。
【図12】従来の乗客コンベアを示す側面図である。
【符号の説明】
1 踏段 1c 前輪ローラ 1e 前輪軸 6 踏段チェーン 7 移動手摺駆動装置 8 移動手摺チェーン 9 伝動チェーン 10 駆動チェーン 12 給油装置 13 給油パイプ 14 トラス床 15〜18 潤滑油除去装置 19 前輪ガイドレール 20 油受け 23 内リンク 24 外リンク 29 保持部材 34 刷毛状体 35 基部 36 電磁コイル 41 回転刷毛状体 42 マグネットブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下寺 誠 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 新家 達弥 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 増子 宗孝 東京都新宿区西新宿1丁目25番1号 株式 会社日立ビルシステム東京西支社内 Fターム(参考) 3F321 AA02 CA24 HA22 HA27 HA33

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無端状に走行するチェーンに供給した潤
    滑油の余剰分を除去するチェーンの潤滑油除去装置にお
    いて、上記チェーンの下部に接触する刷毛状体を所定の
    位置に固定して設けたことを特徴とするチェーンの潤滑
    油除去装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のものにおいて、上記チェ
    ーンは内リンクと外リンクを連結して構成し、上記刷毛
    状体は、その先端部が上記チェーンの上記両リンクの下
    面に当接するように配設したことを特徴とするチェーン
    の潤滑油除去装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のものにおいて、上記刷毛
    状体は、垂直線に対して上記チェーンの走行方向に所定
    角度で傾斜させて配設したことを特徴とするチェーンの
    潤滑油除去装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のものにおいて、上記刷毛
    状体は、その下端部を支点とし上記垂直線における上記
    走行方向の両側に上記所定角度でそれぞれ傾斜するよう
    に回動可能に保持し、上記刷毛状体と上記チェーンの接
    触および上記チェーンの走行方向によって上記刷毛状体
    の傾斜角度を切り替えるようにしたことを特徴とするチ
    ェーンの潤滑油除去装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のものにおいて、上記チェ
    ーンの停止状態で上記刷毛状体を上記チェーンと接触し
    ない状態に保持する保持装置を設けたことを特徴とする
    チェーンの潤滑油除去装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のものにおいて、上記刷毛
    状体は、上記チェーンへの潤滑油の塗布位置から最も離
    れた位置近傍に配設したことを特徴とするチェーンの潤
    滑油除去装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のものにおいて、上記刷毛
    状体の下方に、上記刷毛状体を伝って垂下する余剰潤滑
    油を貯蓄する油受けを設けたことを特徴とするチェーン
    の潤滑油除去装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のものにおいて、上記刷毛
    状体および上記油受けの少なくとも一方を磁性固定手段
    により上記所定位置に取り外し可能に設けたことを特徴
    とするチェーンの潤滑油除去装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のものにおいて、上記刷毛
    状体は、回転軸上に放射状に刷毛状体を設けて回転刷毛
    状体とし、この回転刷毛状体は上記チェーンとの接触抵
    抗により回転するように構成したことを特徴とするチェ
    ーンの潤滑油除去装置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のものにおいて、上記刷
    毛状体は、回転軸上に放射状に刷毛状体を設けると共
    に、上記チェーンとの接触抵抗により回転するように構
    成した回転刷毛状体と、この回転刷毛状体に接触してそ
    の下部に固定した固定刷毛状体とから構成したことを特
    徴とするチェーンの潤滑油除去装置。
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JP2019210099A (ja) * 2018-06-05 2019-12-12 東芝エレベータ株式会社 堆積グリス除去装置

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