JP2001286835A - 洗浄装置 - Google Patents

洗浄装置

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JP2001286835A
JP2001286835A JP2000107621A JP2000107621A JP2001286835A JP 2001286835 A JP2001286835 A JP 2001286835A JP 2000107621 A JP2000107621 A JP 2000107621A JP 2000107621 A JP2000107621 A JP 2000107621A JP 2001286835 A JP2001286835 A JP 2001286835A
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tank
cleaned
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JP2000107621A
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English (en)
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Hayao Ito
伊藤速緒
Yukimitsu Kurokawa
黒河志光
Yukichi Tajiri
田尻有吉
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HIKARI KINETSU KOGYO CO Ltd
SAZUKA KOGYOSHO KK
Jeol Ltd
Original Assignee
HIKARI KINETSU KOGYO CO Ltd
SAZUKA KOGYOSHO KK
Jeol Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカリ系洗浄剤の特長を最大に発揮させてこ
のアルカリ系洗浄剤をより効果的に使用することのでき
る洗浄装置を提供する。 【解決手段】密封室2内にはパージガスにより陽圧に設
定されている。蓋3が開かれて、搬送クレーン9により
洗浄かご8が洗浄槽4内に搬入され、洗浄槽4のアルカ
リ系洗浄剤中で洗浄かご8内の被洗浄物が洗浄される。
被洗浄物はこの洗浄後、各リンス槽5,6でリンスさ
れ、乾燥槽7で乾燥されて洗浄工程が終了する。この洗
浄は密封室2内で行われるが、密封室2内は大気が循環
しないので、大気中の酸素や二酸化炭素によるアルカリ
系洗浄剤の劣化が防止される。また、洗浄時以外は蓋3
で洗浄槽4の上端開口を閉じるので、酸素や二酸化炭素
によるアルカリ系洗浄剤の劣化が更に防止される。更
に、パージガスの陽圧で大気が密封室2内に侵入するの
を抑制されるので、更に同様の劣化が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ系洗浄剤
を用いて洗浄を行う洗浄装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、機械部品、電子部品、衣類等の洗
浄剤として、環境汚染、可燃性、あるいは水との分離性
を考慮してアルカリイオン水を洗浄剤として用いること
が提案されている。しかし、このアルカリイオン水を洗
浄剤として油脂等の洗浄に使用した場合、きわめて短時
間にその洗浄能力が劣化してしまうという問題がある。
【0003】そこで、アルカリイオン水に、リン酸ナト
リウム緩衝液等の緩衝液を混合したアルカリ系洗浄剤が
特開平11−217598号公報により提案されてい
る。このアルカリ系洗浄剤によれば、洗浄能力を向上さ
せることができるとともに、長期にわたり高い剥離洗浄
能力を発揮することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このアルカ
リイオン水に緩衝液を混合したアルカリ系洗浄剤は緩衝
液により劣化し難く、密閉して大気から完全に遮断する
と、年単位で長期に洗浄能力を損なわずに保管が可能で
あるとともに、開封後も適正なコントロールによって常
に一定に保たれる特長を有している。
【0005】しかしながら、このアルカリ系洗浄剤を用
いて従来の洗浄装置で洗浄を行った場合、洗浄時にこの
洗浄剤を完全に密閉した状態で洗浄を行うことはできな
く、どうしてもアルカリ系洗浄剤は大気に触れてしま
う。このため、大気中のO2やCO2によりアルカリ系洗
浄剤の劣化がある程度余儀なくされ、従来の洗浄装置で
はアルカリ系洗浄剤の特長を最大に発揮させてこのアル
カリ系洗浄剤を効果的に使用することは難しいものとな
っている。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、アルカリ系洗浄剤の特長を
最大に発揮させてこのアルカリ系洗浄剤をより効果的に
使用することのできる洗浄装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、アルカリ系洗浄剤を収容した
洗浄槽内に被洗浄物を搬入し、前記アルカリ系洗浄剤を
用いて前記被洗浄物を洗浄する洗浄装置において、前記
洗浄槽が大気から遮断された密封室内に配設されてお
り、前記被洗浄物はこの密封室内で洗浄されるようにな
っていることを特徴としている。また、請求項2の発明
は、前記洗浄槽にその開口端を開閉する蓋が設けられて
おり、この蓋が、前記洗浄槽に対する前記被洗浄物の出
し入れ時および前記被洗浄物の洗浄時のみ前記洗浄槽の
開口端を開き、それ以外の時は前記洗浄槽の開口端を閉
じるように設定されていることを特徴としている。
【0008】更に、請求項3の発明は、前記密封室内が
バージガスにより、大気圧より高い陽圧の設定圧に保持
されているか、または前記密封室内がこの密封室の開口
部に設けられ、大気中の酸素および二酸化炭素を除去す
るケミカルフィルタが設けられていることを特徴として
いる。更に、請求項4の発明は、前記アルカリ系洗浄剤
の劣化にしたがって変化する、アルカリ系洗浄剤の性質
の変化を検出し、前記アルカリ系洗浄剤の温度を前記性
質の変化分に応じて上昇させるように温度制御するよう
になっていることを特徴としている。
【0009】更に、請求項5の発明は、アルカリ系洗浄
剤を収容した洗浄槽内に被洗浄物を搬入し、前記アルカ
リ系洗浄剤を用いて前記被洗浄物を洗浄する洗浄装置に
おいて、前記アルカリ系洗浄剤の劣化にしたがって変化
する、アルカリ系洗浄剤の性質の変化を検出し、前記ア
ルカリ系洗浄剤の温度を前記性質の変化分に応じて上昇
させるように温度制御するようになっていることを特徴
としている。更に、請求項6の発明は、前記アルカリ系
洗浄剤の性質がアルカリ系洗浄剤のPHまたは乳化度で
あることを特徴としている。
【0010】更に、請求項7の発明は、更に筒状の除塵
部とこの除塵部の外周を囲うようにして設けられ磁石と
からなるフィルタが備えられており、前記被洗浄物の洗
浄時に前記洗浄槽からオーバーフローしたアルカリ系洗
浄剤を前記除塵部の外周側から内周側へ流動させること
で、オーバーフローしたアルカリ系洗浄剤中の磁性物が
前記磁石で除去され、更にこの磁石で磁性物が除去され
たアルカリ系洗浄剤中の微小物質が前記除塵部の外周面
に留められて付着するようになっており、更に前記フィ
ルタを通過した清浄なアルカリ系洗浄剤が前記洗浄槽内
に戻るようになっていることを特徴としている。
【0011】更に、請求項8の発明は、アルカリ系洗浄
剤を収容した洗浄槽内に被洗浄物を搬入し、前記アルカ
リ系洗浄剤を用いて前記被洗浄物を洗浄する洗浄装置に
おいて、更に筒状の除塵部とこの除塵部の外周を囲うよ
うにして設けられ磁石とからなるフィルタが備えられて
おり、前記被洗浄物の洗浄時に前記洗浄槽からオーバー
フローしたアルカリ系洗浄剤を前記除塵部の外周側から
内周側へ流動させることで、オーバーフローしたアルカ
リ系洗浄剤中の磁性物が前記磁石で除去され、更にこの
磁石で磁性物が除去されたアルカリ系洗浄剤中の微小物
質が前記除塵部の外周面に留められて付着するようにな
っており、更に前記フィルタを通過した清浄なアルカリ
系洗浄剤が前記洗浄槽内に戻るようになっていることを
特徴としている。
【0012】更に、請求項9の発明は、更に、前記フィ
ルタの上流側に前記オーバーフローしたアルカリ系洗浄
剤中の磁性物を除去する磁石が設けられているととも
に、前記フィルタの下流側に前記オーバーフローしたア
ルカリ系洗浄剤中の微小磁性物を除去する磁石が設けら
れていることを特徴としている。
【0013】
【作用】このような構成をした請求項1の発明の洗浄装
置においては、洗浄槽が大気から遮断された密封室内に
配設されるとともに、この密封室内で被洗浄物の洗浄が
行われるようになる。このとき、密封室内では大気の循
環がなくなり、洗浄槽内のアルカリ系洗浄剤が酸素およ
び二酸化炭素と接触するのが抑制されるようになる。し
たがって、酸素および二酸化炭素によるアルカリ系洗浄
剤の劣化が防止され、アルカリ系洗浄剤の寿命が長くな
る。
【0014】また、請求項2の発明においては、洗浄槽
の開口端が洗浄槽に対する被洗浄物の出し入れおよび被
洗浄物の洗浄のときだけ蓋により開かれ、それ以外の時
は閉じられるようになる。これにより、洗浄槽内のアル
カリ系洗浄剤が酸素および二酸化炭素と接触するのが更
に抑制される。したがって、密封室に対する被洗浄物の
出し入れのため密封室の扉が開かれるような場合にも、
酸素および二酸化炭素によるアルカリ系洗浄剤の劣化が
極力防止されるようになり、これによってもアルカリ系
洗浄剤の寿命が長くなる。
【0015】更に、請求項3の発明においては、窒素ガ
ス等のパージガスが密封室内に導入されて密封室内の圧
力が大気圧より高い陽圧に設定される。これにより、パ
ージガスがガスカーテンの機能を発揮するようになるの
で、大気つまりは酸素および二酸化炭素が密封室内に極
力侵入しなくなる。または、密封室の開口部に設けられ
たケミカルフィルタが大気中の酸素および二酸化炭素を
除去するようになる。これにより、大気つまりは酸素お
よび二酸化炭素が密封室内に極力侵入しなくなる。した
がって、この場合にも酸素および二酸化炭素によるアル
カリ系洗浄剤の劣化が防止され、これによっても、アル
カリ系洗浄剤の寿命が長くなる。
【0016】更に、請求項4ないし6の発明において
は、劣化により変化するアルカリ系洗浄剤のPHや乳化
度等の性質の変化が検出され、この性質が変化した分だ
けアルカリ系洗浄剤の温度が上昇されるようになる、こ
れにより、アルカリ系洗浄剤の洗浄能力が高まるので、
アルカリ系洗浄剤の使用初期、安定期および洗浄剤寿命
末期において洗浄能力に差が出なくなり、アルカリ系洗
浄剤の洗浄能力が常時一定に保持されるようになる。
【0017】更に、請求項7および8の発明において
は、オーバーフローしたアルカリ系洗浄剤に混入してい
る磁性物質が除塵部に導入される前に予め磁石で除去さ
れるようになる。これにより、除塵部で除去される微小
物質が少なくなる。そのうえ、磁性物質が除去されたア
ルカリ系洗浄剤が円筒状の除塵部の外周側から内周側へ
流動するようになるので、除塵部に導入されるアルカリ
系洗浄剤に混入する微小物質が除塵部の外周面に留めら
れて付着し、除塵部の内周側に侵入しなくなる。このよ
うに微小物質が除塵部の外周面に付着することで、この
微小物質は除塵部から簡単に除去可能となる。したがっ
て、除塵部の寿命が長くなるとともに、除塵部のメンテ
ナンスが簡単になる。特に、請求項9の発明において
は、アルカリ系洗浄剤がフィルタに導入される前に、そ
れに混入している磁性物質が予めある程度除去され、ま
たアルカリ系洗浄剤がフィルタを通過した後にもそれに
混入している微小磁性物質が除去されるようになる。し
たがって、より一層清浄なアルカリ系洗浄剤が得られ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1は、本発明にかかる洗浄装置の
実施の形態の一例を模式的に示す図である。この例の洗
浄装置はアルカリ系洗浄剤を使用して洗浄を行うもので
あり、アルカリ系洗浄剤は、前述の公開公報に開示され
た、原水に水溶性の電離性無機物質を添加してこれを電
解することにより得られる還元水に緩衝液を加えてその
寿命を著しく長寿命化したアルカリ性洗浄液である。こ
のアルカリ系洗浄剤は、劣化して洗浄能力が低下するに
応じてPHが小さくなるとともに、温度が高くなると洗
浄能力が上昇する特性を有している。
【0019】図1に示すように、この洗浄装置1は密封
室2を備えており、この密封室2内に、蓋3で開閉され
る洗浄槽4、この洗浄槽4に隣接して順に位置する第1
および第2リンス槽5,6、第2リンス槽6に隣接して
順に位置する乾燥槽7、被洗浄物が収容される洗浄かご
8およびこの洗浄かご8を図において左右方向および上
下方向に移動させる搬送クレーン9がそれぞれ配設され
ている。
【0020】密封室2内は、洗浄かご8への被洗浄物の
出し入れ時に開かれて大気と連通するが、それ以外の時
は密封されて大気と遮断されるようになっている。そし
て、アルカリ系洗浄剤に影響を与えない例えば窒素ガス
等からなるパージガスを密封室2に設けられたパージガ
ス導入口10から密封室2内に導入して、この密封室2
内を陽圧に設定している。これにより、密封室2が開か
れたときも密封されたときも、大気すなわち大気中の酸
素および二酸化炭素が密封室2内に極力進入しないよう
にしているとともに、密封室2内で大気が極力循環しな
いようにしている。洗浄槽4、第1および第2リンス槽
5,6、および乾燥槽7は、いずれも上方が開口してお
り、洗浄かご8がそれらの槽内に進入可能とされてい
る。
【0021】図2に示すように、洗浄槽4の上方開口端
は、蓋3が蓋駆動装置11によって図において左右方向
に移動することで開閉されるようになっている。また、
洗浄槽4には、アルカリ系洗浄剤供給槽12に収容され
ている前述のアルカリ系洗浄剤が供給路13を通って供
給されるようにされており、その場合、供給路13に設
けられた電磁弁からなる供給弁14によって、このアル
カリ系洗浄剤の供給が制御されるようになっている。
【0022】また、洗浄槽4内には洗浄手段39が設け
られており、この洗浄手段は被洗浄物に超音波、揺動等
の物理力を加えて被洗浄物を洗浄するようになってい
る。更に、洗浄槽4はオーバーフロー槽15内に配設さ
れており、このオーバーフロー槽15は被洗浄物が洗浄
かご8とともに洗浄槽4内のアルカリ系洗浄剤中に浸漬
されて洗浄されているとき、洗浄槽4の上方開口端から
オーバーフローしてこぼれたアルカリ系洗浄剤を受け止
めるようになっている。オーバーフロー槽15内にこぼ
れたアルカリ系洗浄剤は洗浄により被洗浄物から落ちた
油が混在するものとなっている。
【0023】オーバーフロー槽15は液路16を介して
油水分離槽17に接続されており、この油水分離槽17
は油が混在するアルカリ系洗浄剤をアルカリ系洗浄液と
油とを分離するものである。更に、油水分離槽17は液
路18を介してフィルタ19に接続されている。更にフ
ィルタ19は液路20を介して液路13の供給弁14よ
り下流側(つまり、洗浄槽4側)に接続されている。そ
の場合、図示しないが液路20にチェックバルブ等が配
設されていて、液路13からのアルカリ系洗浄剤がフィ
ルタ19の方へ逆流しないようにされている。
【0024】図3に示すように、フィルタ19はオーバ
ーフロー槽15からの液路18中に磁石21が設けられ
ており、この磁石21はアルカリ系洗浄剤中に混在する
磁性物質を吸着してアルカリ系洗浄剤から除去するもの
である。この磁石21は液路18にワンタッチで簡単に
着脱可能に設けられていて、微小磁性物質の除去能力が
低下してきたとき交換可能となっている。また、液路1
8には、この磁石21を挟んで一対の蓋22,23が設
けられており、これらの一対の蓋22,23は液路18
に対する磁石21の着脱動作に連動して作動するように
なっている。その場合、一対の蓋22,23は、磁石2
1が液路18に設置されたときは液路18を開通し、ま
た磁石21が液路から取り外されたときは液路18を遮
断するようになっている。
【0025】更に、この磁石21をバイパスするバイパ
ス液路24が設けられており、このバイパス液路24に
は、バイパス弁25が配設されている。このバイパス弁
25は、磁石21が液路18に設置されているときは閉
じてバイパス液路24を遮断し、また磁石21が液路1
8から取り外されたときは開いてバイパス液路24を開
通するようになっている。
【0026】液路18は、更に円筒状の除塵部26の入
口側に接続されている。液路18を通って流れてきたア
ルカリ系洗浄剤はこの除塵部26の円筒状側面を外側か
ら内側に通って流動するようになっているとともに、ア
ルカリ系洗浄剤がこの除塵部26の円筒状側面を通過す
るときに、除塵部26はアルカリ系洗浄剤中に混在して
いるごみやちり等の微小物を除去するようになってい
る。また、除塵部26の円筒状側面を囲うようにして磁
石27が配設されており、この磁石27は磁石21によ
って吸着されないアルカリ系洗浄剤中に混在する磁性物
質を吸着し、アルカリ系洗浄剤から除去するようになっ
ている。すなわち、アルカリ系洗浄剤が液路18を通っ
て流れて除塵部26へ流動してくると、まず磁石27に
よってアルカリ系洗浄剤中の磁性物質が吸着、除去さ
れ、その後アルカリ系洗浄剤が除塵部26の円筒状側面
を外側から内側に通過することで、アルカリ系洗浄剤中
のごみやちり等の微小物質が除去されるようになってい
る。このように磁石27によってアルカリ系洗浄剤中の
磁性物質を予め除去した後、アルカリ系洗浄剤を除塵部
26に通過させることで、磁性物質が除塵部26に付着
するのを抑制して、除塵部26の寿命を長くし、メンテ
ナンス性を向上させている。
【0027】除塵部26の出口側は液路20に接続され
ており、この液路20には液路20に設けられた前述の
磁石21、一対の蓋22,23とまったく同じ構成で同
じ作動を行う磁石28、一対の蓋29,30が同じよう
にして設けられているとともに、前述のバイパス液路2
4およびバイパス弁25とまったく同じ構成で同じ作動
を行うバイパス液路31およびバイパス弁32が磁石2
8をバイパスして設けられている。磁石28は、除塵部
26を通ってきた清浄なアルカリ系洗浄剤に依然として
混入している微小磁性粉を吸着し、除去するものであ
る。そして、フィルタ19から液路20に流動してきた
清浄なアルカリ系洗浄剤は液路13を通って再び洗浄槽
4内に流入されるようになっている。
【0028】また、図2に示すように、洗浄槽4には洗
浄槽4内のアルカリ系洗浄剤の液レベル面を計測するレ
ベル計33が設けられている。更に、洗浄槽4には洗浄
槽4内のアルカリ系洗浄剤のPHを計測するPH計34
が設けられている。また、洗浄槽4の下部にはヒータ3
5が洗浄槽4の外周を囲うようにして設けられており、
このヒータ35は洗浄槽4内のアルカリ系洗浄剤を加熱
してアルカリ系洗浄剤の温度を上昇するものである。蓋
駆動装置11、供給弁14、レベル計33、PH計34
およびヒータ35は制御部36に接続されている。ま
た、この制御部36には、搬送クレーン9、密封室2内
の圧力を検出する密封室圧力計37およびパージガス供
給装置38も接続されている。
【0029】制御部36は、密封室圧力計37からの密
封室2内の圧力検出信号に基づいてパージガス供給装置
38を作動制御して窒素ガス等のバージガスを密封室に
導入させることで密封室2内の圧力を予め設定された一
定圧に自動的に制御し、また、PH計34からの洗浄槽
4内のアルカリ系洗浄剤のPH検出信号に基づいてヒー
タ35を自動的に作動制御し、アルカリ系洗浄剤のPH
が低下した分だけアルカリ系洗浄剤の温度を上昇させて
アルカリ系洗浄剤の洗浄能力を高めるようになってい
る。例えば、洗浄開始時にアルカリ系洗浄剤のPHが1
2であったとき、洗浄によりアルカリ系洗浄剤が劣化し
てそのPHが11に落ちた場合は、アルカリ系洗浄剤の
温度を43℃に上昇させてPHが12のときの洗浄能力
とほぼ同じ洗浄能力に高め、またPHが10に落ちた場
合は、アルカリ系洗浄剤の温度を60℃に上昇させるよ
うに温度制御するようになっている。そして、このよう
にアルカリ系洗浄剤を温度制御することにより、アルカ
リ系洗浄剤のい洗浄能力がほぼ一定に保持されるように
している。
【0030】更に、制御部36は、搬送クレーン9をシ
ーケンス制御し、洗浄かご8を順に洗浄槽4、第1およ
び第2リンス槽5,6および乾燥槽7の真上に搬送しか
つそれらの中に搬入させるとともに、蓋駆動装置11を
作動制御して蓋3を開閉させ、更には洗浄手段39を作
動させて洗浄装置1の洗浄動作を自動的に行うようにな
っている。
【0031】第1リンス槽5にはリンス液が収容されて
いるとともに、第1リンス槽5にはリンス液の温度を検
出する温度計40およびこの第1リンス槽5を囲うヒー
タ41が設けられている。そして、洗浄槽4で洗浄され
た被洗浄物が洗浄かご8とともに第1リンス槽5内のリ
ンス液中に浸漬されてリンスされるようになっている。
また、ヒータ41によりリンス液の温度が室温より高い
設定温度に温度制御されており、これにより被洗浄物の
乾燥が早まるようにされている。
【0032】また、第2リンス槽6には純水が収容され
ているとともに、第2リンス槽6には純水の温度を検出
する温度計42およびこの第2リンス槽6を囲うヒータ
43が設けられている。そして、第1リンス槽5でリン
スされた被洗浄物が洗浄かご8とともに第2リンス槽6
内の純水中に浸漬されてリンスされるようになってい
る。また、ヒータ43により純水の温度が室温より高い
設定温度に温度制御されており、これにより被洗浄物の
乾燥が早まるようにされている。
【0033】乾燥槽7には乾燥手段44が設けられてお
り、この乾燥手段44はエアジェット力あるいは遠心力
等の振り切り力等の物理力を被洗浄物に加えることによ
り、被洗浄物に付着している水分をこの物理力で吹き飛
ばすかあるいは振り飛ばすかすることで被洗浄物の乾燥
を行うようにしている。
【0034】そして、洗浄手段39、第1リンス槽5の
温度計40およびヒータ41、第2リンス槽6の温度計
42およびヒータ43、および乾燥手段44もそれぞれ
制御部36に接続されていて、この制御部36によりそ
れぞれ各温度計40,41の温度検出信号に基づいて各
ヒータ41,42が作動制御されるようになっていると
ともに、洗浄手段39および乾燥手段44が作動制御さ
れるようになっている。
【0035】次に、このように構成されたこの例の洗浄
装置1による洗浄作動について説明する。まず、第1リ
ンス槽5にリンス液を所定レベルまで供給するとともに
第2リンス槽6に純水を所定レベルまで供給した後、密
封室2を密封し、この状態でこの密封室2の外部の操作
盤を操作する。制御部36は密封室圧力計37からの圧
力検出信号に基づいて密封室2の圧力が設定圧となって
いないと判断すると、パージガス供給装置38を作動す
る。すると、パージガス供給装置38から窒素ガス等の
パージガスがパージガス導入口10を通して密封室2内
に導入されるので、密封室2内の圧力が上昇する。そし
て、制御部36は密封室圧力計37からの圧力検出信号
に基づいて密封室2内の圧力が大気圧より高い陽圧の設
定圧になったと判断すると、パージガス供給装置38の
作動を停止する。また、制御部36が供給弁14を開く
ので、アルカリ系洗浄剤供給層12からアルカリ系洗浄
剤が洗浄槽4内に所定量供給される。アルカリ系洗浄剤
が洗浄槽4内に所定量供給されると、制御部36は供給
弁14を閉じるので、洗浄槽4へのアルカリ系洗浄剤の
供給が停止される。このとき、洗浄槽4の蓋3は閉じら
れているとともに、洗浄かご8は図示の上方位置に設定
されている。
【0036】また、制御部36は第1リンス槽温度計4
0からの温度検出信号に基づいて第1リンスヒータ41
を作動制御して、第1リンス槽4内のリンス液の温度を
設定温度に保持するとともに、第2リンス槽温度計42
からの温度検出信号に基づいて第2リンスヒータ43を
作動制御して、第2リンス槽6内の純水の温度を設定温
度に保持する。
【0037】この状態で密封室2の扉を開いて、洗浄か
ご8に被洗浄物を収容する。このとき、パージガスによ
り密封室2内の圧力が陽圧に設定されていて、このパー
ジガスがガスカーテンとして機能することにより、扉を
開いても外部から大気が密封室2内に進入し難くなって
いる。つまり酸素および二酸化炭素は密封室2内にほと
んど進入しないとともに、密封室2内で大気がほとんど
循環しないので、酸素および二酸化炭素のアルカリ系洗
浄剤への影響はほとんど少ない。洗浄かご8に被洗浄物
を収容した後密封室2の扉を閉じて密封室2を密封状態
にし、その後操作盤で洗浄操作を行うと、制御部36は
搬送クレーン9を駆動して洗浄かご8を降下するととも
に蓋駆動装置11を駆動して蓋3を開く。すると、被洗
浄物を収容した洗浄かご8が洗浄槽4内に搬入され、被
洗浄物は洗浄槽4内のアルカリ系洗浄剤中に浸漬され、
洗浄かご8が洗浄槽4内の所定位置に設置されると、制
御部36は搬送クレーン9の駆動を停止する。
【0038】次いで、制御部36は洗浄手段39を作動
し、被洗浄物がこの洗浄手段39により超音波、揺動等
の物理力を加えられながらアルカリ系洗浄剤により洗浄
される。また、制御部36はこの洗浄中には供給弁14
を開き放しにするので、アルカリ系洗浄剤供給層12か
らアルカリ系洗浄剤が洗浄槽4内に常時供給される。こ
れにより、被洗浄物の洗浄中は、洗浄槽4内のアルカリ
系洗浄剤が洗浄槽4の上方開口端から常時オーバーフロ
ーする。そして、アルカリ系洗浄剤の液面には被洗浄物
から落ちた油が浮遊し、この浮遊油分がオーバーフロー
するアルカリ系洗浄剤とともに、洗浄槽4の外にこぼ
れ、こぼれたアルカリ系洗浄剤はオーバーフロー槽15
に受け止められる。
【0039】更に、オーバーフロー槽15にこぼれた洗
浄剤は液路16を通って油水分離槽17に導入され、こ
の油水分離槽17で被洗浄物から落ちた油分と洗浄液と
に分離される。分離された洗浄液は液路18を通ってフ
ィルタ19に導入され、このフィルタ19の磁石21,
27,28でそれぞれ洗浄液中の微小磁性物質が除去さ
れるとともに、除塵部26で洗浄液中のほこりやちり等
の微小物が除去される。そして、微小磁性物質および微
小物が除去されて清浄にされたアルカリ系洗浄液は液路
20および液路13を通って再び洗浄槽4内に戻され
る。
【0040】洗浄槽4内で被洗浄物が設定時間洗浄され
ると、制御部36は再び搬送クレーン9を駆動して洗浄
かご8を上昇させ、洗浄かご8が洗浄槽4から引き出さ
れるとともに、蓋駆動装置11を駆動して蓋3が閉じら
れ、更に供給弁14が閉じられてアルカリ系洗浄剤のオ
ーバーフローがなくなる。これにより、洗浄槽4内のア
ルカリ系洗浄剤は密封室2内のわずかな大気中の酸素や
二酸化炭素によってもあまり影響されなく、劣化が遅く
なる。またこのとき、洗浄中でのアルカリ系洗浄剤のオ
ーバーフローによりアルカリ系洗浄剤の液面に浮遊油分
がほとんどないので、被洗浄物がアルカリ系洗浄剤から
引き出される際には、被洗浄物が浮遊油分で再汚染され
るのが防止される。
【0041】更に、洗浄かご8が洗浄槽4から引き出さ
れた際、洗浄槽4内のアルカリ系洗浄剤の液面レベルが
所定レベルより低下していると、レベル計33からレベ
ル検出信号に基づいて、制御部36が供給弁14を再び
開いてアルカリ系洗浄剤を洗浄槽4内に供給する。そし
て、洗浄槽4内のアルカリ系洗浄剤の液面レベルが所定
レベルになると、制御部36が供給弁14を閉じてアル
カリ系洗浄剤の供給を停止する。このようにして、洗浄
槽4内のアルカリ系洗浄剤の液面レベルが所定レベルに
常時保持される。
【0042】そして、搬送クレーン9により洗浄かご8
が第1リンス槽5の上方位置に搬送されるとともに、洗
浄かご8がこの上方位置から第1リンス槽5内に搬入さ
れて被洗浄物が第1リンス槽5のリンス液に浸漬され、
この状態で、制御部36は搬送クレーン9の駆動を停止
する。そして、被洗浄物はリンス液でリンスされ、被洗
浄物に付着したアルカリ系洗浄剤が除去される。
【0043】第1リンス槽5内で被洗浄物が設定時間リ
ンスされると、制御部36は搬送クレーン9を再び駆動
し、洗浄かご8が第1リンス増5から引き出される。そ
して、搬送クレーン9により洗浄かご8が第2リンス槽
6の上方位置に搬送されるとともに、洗浄かご8がこの
上方位置から第2リンス槽6内に搬入されて、被洗浄物
が第2リンス槽6の純水に浸漬される。この状態で、制
御部36は搬送クレーン9の駆動を停止し、被洗浄物が
純水で更にリンスされ、被洗浄物に付着したアルカリ系
洗浄剤およびリンス液がより確実に除去される。第2リ
ンス槽6内で被洗浄物が設定時間リンスされると、制御
部36は搬送クレーン9を再び駆動して洗浄かご8を第
2リンス槽6から引き出される。
【0044】なお、第1および第2リンス槽5,6内の
リンス液および純水が少なくなった場合には、前述の洗
浄槽4内のアルカリ系洗浄剤の液面レベル制御と同様
に、これらのリンス液および純水の液面レベルを常時所
定レベルに保持するようにレベル制御を行うようにする
こともできる。
【0045】そして、搬送クレーン9により洗浄かご8
が乾燥槽7の上方位置に搬送されるとともに、洗浄かご
8はこの上方位置から乾燥槽7内に搬入され、洗浄かご
8が乾燥槽7内の所定位置になると、制御部36は搬送
クレーン9の駆動を停止する。そして、制御部36は更
に乾燥手段44を駆動し、乾燥手段44は乾燥槽7内の
被洗浄物にエアジェットを吹き付けて被洗浄物に付着し
た水を吹き飛ばすか、あるいは被洗浄物を回転させて遠
心力で被洗浄物に付着した水を振り飛ばすかすることに
より、被洗浄物の乾燥が行われる。このとき、第1リン
ス槽5内のリンス液および第2リンス槽6内の純水がい
ずれも室温より高い設定温度に温度制御されているの
で、被洗浄物の乾燥が早められ、被洗浄物の乾燥に要す
る設定時間が短縮される。
【0046】乾燥槽7内で被洗浄物の乾燥が設定時間行
われると、制御部36は乾燥手段44の駆動を停止する
とともに搬送クレーン9を再び駆動し、洗浄かご8を乾
燥槽6から引き出す。こうして、洗浄かご8へ被洗浄物
を収容すること以外は、この例の洗浄装置1により被洗
浄物の洗浄がすべて自動的に行われる。そして、1回め
の被洗浄物の洗浄が終了すると、次回の洗浄物に対して
洗浄が前述と同様にして繰り返し行われる。
【0047】ところで、被洗浄物の洗浄が繰り返される
ことで、洗浄槽4内のアルカリ系洗浄剤が劣化して洗浄
能力が低下するようになるが、このとき、この劣化によ
りアルカリ系洗浄剤のPHが小さくなる。制御部36は
PH計34からのPH検出信号に基づいてヒータ35を
作動し、洗浄槽4内のアルカリ系洗浄剤が加熱され、そ
の温度が上昇する。その場合、アルカリ系洗浄剤のPH
減少量と温度上昇による洗浄能力上昇との関係により、
PH減少量の分だけ温度が上昇制御される。これによ
り、劣化したアルカリ系洗浄剤の洗浄能力が向上し、被
洗浄物の洗浄が繰り返されても、アルカリ系洗浄剤の洗
浄能力がほぼ一定に保持されるようになる。
【0048】また、フィルタ19の磁石21,28に磁
性物質が所定量付着したら、磁石21,28に付着した
磁性物質を取り除くため、これらの磁石21,28をそ
れぞれ液路18,20から取り外す。その場合、まずバ
イパス弁25,32を開いた後、磁石21,28をそれぞ
れ液路18,20から取り外すようにする。そして、磁
石21,28の取外しに連動して、それぞれ蓋22,2
3;29,30が対応する液路18,20を閉じる。この
ように、磁石21,28の取外す時にはアルカリ系洗浄
剤が液路18,20から漏れるのが防止されるととも
に、アルカリ系洗浄剤がバイパス弁25,32を通して
流動する。したがって、磁石21,28の磁性物質の除
去時にも、被洗浄物の洗浄が連続して行われるようにな
る。
【0049】このようにこの例の洗浄装置1によれば、
洗浄槽4を大気から遮断された密封室2内に配設すると
ともに、この密封室2内で被洗浄物の洗浄を行うように
しているので、大気の循環がなくなり、洗浄槽4内のア
ルカリ系洗浄剤が酸素および二酸化炭素と接触するのを
抑制され、これらの酸素および二酸化炭素によるアルカ
リ系洗浄剤の劣化を防止することができる。したがっ
て、アルカリ系洗浄剤の寿命を長くすることができる。
【0050】また、洗浄かご8に対して被洗浄物を出し
入れする際密封室2の扉を開けたとき、洗浄槽4の上端
開口を蓋3で閉じるようにしているので、洗浄槽4内の
アルカリ系洗浄剤が酸素および二酸化炭素と接触するの
を抑制される。したがって、このように完全密封されな
い場合にもこれらの酸素および二酸化炭素によるアルカ
リ系洗浄剤の劣化を防止することができる。したがっ
て、これによってもアルカリ系洗浄剤の寿命を長くする
ことができる。
【0051】更に、窒素ガス等のパージガスを密封室2
内に導入して密封室2内の圧力を大気圧より高い陽圧に
しているので、パージガスのガスカーテンにより大気つ
まりは酸素および二酸化炭素を密封室2内に極力入れな
いようにすることができる。したがって、この場合にも
酸素および二酸化炭素によるアルカリ系洗浄剤の劣化を
防止することができ、これによっても、アルカリ系洗浄
剤の寿命を長くすることができる。
【0052】更に、劣化により変化するアルカリ系洗浄
剤のPHを検出し、このPHが低下した分だけヒータ3
5によりアルカリ系洗浄剤の温度を上昇させてアルカリ
系洗浄剤の洗浄能力を高めるようにしているので、アル
カリ系洗浄剤の使用初期、安定期および洗浄剤寿命末期
において洗浄能力に差が出ないようにでき、アルカリ系
洗浄剤の洗浄能力を常時一定に保持できる。なお、アル
カリ系洗浄剤のPHの検出に代えて、アルカリ系洗浄剤
の劣化にしたがって変化する、例えば乳化度等のアルカ
リ系洗浄剤の他の性質を検出することで、アルカリ系洗
浄剤の温度を上昇させるように温度制御することもでき
る。
【0053】更に、アルカリ系洗浄剤に混入している磁
性物質を除塵部に導入する前に予め磁石で除去している
ので、除塵部26で除去する微小物質を少なくできる。
そのうえ、磁性物質が除去されたアルカリ系洗浄剤をそ
の液圧により円筒状の除塵部26の外側から内側へ流動
させるようにしているので、除塵部に導入されるアルカ
リ系洗浄剤に混入する微小物質を除塵部26の外周に留
めて付着させ、除塵部26の内側に侵入させないように
することができる。このように微小物質が除塵部26の
外周に付着させることでこの微小物質を除塵部26から
簡単に除去することができる。したがって、除塵部26
の寿命を長くすることができるとともに、除塵部26の
メンテナンスが簡単になる。
【0054】図4は本発明の実施の形態の他の例を模式
的に示す、図1と同様の図である。図4に示すように、
この例の洗浄装置1では、前述の例のような密封室2に
パージガス導入口10が設けられなく、パージガスが密
封室2内に導入されないようになっており、代わりに、
密封室2の外側と内側とを連通する開口部にケミカルフ
ィルタ45が設けられている。このケミカルフィルタ4
5は大気中の酸素や二酸化炭素を除去し、これらの酸素
および二酸化炭素が密封室2内に侵入するのが防止され
ている。また、この例の洗浄装置1では、図2に示す密
封室圧力計37およびバージガス供給装置38が削除さ
れている。この例の洗浄装置1の他の構成は、前述の例
の洗浄装置1と同じである。
【0055】このように構成されたこの例の洗浄装置に
おいては、密封室2の開口部を設けざるを得なく完全密
封ができないような場合は、この開口部にケミカルフィ
ルタ45を設けてケミカルフィルタ45により密封室2
内へ侵入しようとする大気中の酸素および二酸化炭素を
除去するようにしているので、酸素および二酸化炭素の
密封室2内への侵入をより確実に防止できる。したがっ
て、酸素および二酸化炭素によるアルカリ洗浄剤の劣化
を防止することができるようになる。この例の洗浄装置
1の他の作用効果は、前述の例の洗浄装置1におけるパ
ージガスによる作用効果を除く他の作用効果と同じであ
る。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1の発明の洗浄装置によれば、大気の循環をなくすよう
にしているので、洗浄槽内のアルカリ系洗浄剤が酸素お
よび二酸化炭素と接触するのを抑制できる。したがっ
て、酸素および二酸化炭素によるアルカリ系洗浄剤の劣
化を防止でき、アルカリ系洗浄剤の寿命を長くすること
ができる。また、請求項2の発明によれば、蓋により、
洗浄槽の開口端を洗浄槽に対する被洗浄物の出し入れお
よび被洗浄物の洗浄のときだけ開き、それ以外の時は閉
じるようにしているので、洗浄槽内のアルカリ系洗浄剤
が酸素および二酸化炭素と接触するのを更に抑制でき
る。したがって、密封室に対する被洗浄物の出し入れの
ため密封室の扉が開かれるような場合にも、酸素および
二酸化炭素によるアルカリ系洗浄剤の劣化を極力防止す
ることができ、これによってもアルカリ系洗浄剤の寿命
を長くできる。
【0057】更に、請求項3の発明によれば、密封室内
をパージガスで陽圧に設定しているので、パージガスに
よりガスカーテンの機能を発揮させることができる。こ
れにより、酸素および二酸化炭素を密封室内に極力侵入
させなくすることができる。または、密封室の開口部に
設けられたケミカルフィルタにより大気中の酸素および
二酸化炭素を除去するようにしているので、酸素および
二酸化炭素を密封室内に極力侵入させなくすることがで
きる。したがって、この場合にも酸素および二酸化炭素
によるアルカリ系洗浄剤の劣化を防止でき、これによっ
ても、アルカリ系洗浄剤の寿命を長くできる。
【0058】更に、請求項4ないし6の発明によれば、
劣化により変化するアルカリ系洗浄剤の性質が変化した
分だけアルカリ系洗浄剤の温度を上昇させるようにして
いるので、アルカリ系洗浄剤の洗浄能力を高めることが
できる。したがって、アルカリ系洗浄剤の使用初期、安
定期および洗浄剤寿命末期において洗浄能力に差が出る
のを防止でき、アルカリ系洗浄剤の洗浄能力を常時一定
に保持できるようになる。
【0059】更に、請求項7および8の発明によれば、
アルカリ系洗浄剤中の磁性物質を予め磁石で除去してか
ら除塵部に導入するようにしているので、除塵部で除去
する微小物質を少なくできる。そのうえ、磁性物質を除
去したアルカリ系洗浄剤を円筒状の除塵部の外周側から
内周側へ流動させるようにしているので、アルカリ系洗
浄剤中の微小物質を除塵部の外周面に留めて付着させる
ことができ、微小物質が除塵部の内周側に侵入するのを
防止できる。このように微小物質を除塵部の外周面に付
着させることで、この微小物質を除塵部から簡単に除去
できるようになる。したがって、除塵部の寿命を長くで
きるとともに、除塵部のメンテナンスを簡単にできる。
特に、請求項9の発明によれば、アルカリ系洗浄剤をフ
ィルタに導入する前にそれに混入している磁性物質を予
め除去し、またアルカリ系洗浄剤がフィルタを通過した
後にもそれに混入している微小磁性物質を除去するよう
にしているので、より一層清浄なアルカリ系洗浄剤を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる洗浄装置の実施の形態の一例
を模式的に示す図である。
【図2】 この例の洗浄装置の洗浄槽部分をより詳細に
かつ模式的に示す図である。
【図3】 この例の洗浄装置に用いられているフィルタ
を模式的に示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態の他の例を模式的に示す
図である。
【符号の説明】
1…洗浄装置、2…密封室、3…蓋、4…洗浄槽、5…
第1リンス槽、6…第2リンス槽、7…乾燥槽、8…洗
浄かご、9…搬送クレーン、10…パージガス導入口、
12…アルカリ系洗浄剤供給槽、14…供給弁、15…
オーバーフロー槽、19…フィルタ、21,27,28…
磁石、26…除塵部、25,32バイパス弁、22,2
3,29,30…蓋、34…PH計、35…ヒータ、38
…パージガス供給装置、39…洗浄手段、44…乾燥手
段、45…ケミカルフィルタ
フロントページの続き (72)発明者 伊藤速緒 東京都昭島市武蔵野三丁目1番2号 日本 電子株式会社内 (72)発明者 黒河志光 東京都江戸川区松江5丁目19番10号 光機 熱工業株式会社内 (72)発明者 田尻有吉 静岡県島田市中河528−2 株式会社佐塚 工業所内 Fターム(参考) 3B201 AA46 AB24 AB45 BB04 BB82 BB92 BB93 CB15 CC01 CC12 CC13 CD22 CD42 CD43

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ系洗浄剤を収容した洗浄槽内に
    被洗浄物を搬入し、前記アルカリ系洗浄剤を用いて前記
    被洗浄物を洗浄する洗浄装置において、 前記洗浄槽は大気から遮断された密封室内に配設されて
    おり、前記被洗浄物はこの密封室内で洗浄されるように
    なっていることを特徴とする洗浄装置。
  2. 【請求項2】 前記洗浄槽にその開口端を開閉する蓋が
    設けられており、この蓋は、前記洗浄槽に対する前記被
    洗浄物の出し入れ時および前記被洗浄物の洗浄時のみ前
    記洗浄槽の開口端を開き、それ以外の時は前記洗浄槽の
    開口端を閉じるように設定されていることを特徴とする
    請求項1記載の洗浄装置。
  3. 【請求項3】 前記密封室内はバージガスにより、大気
    圧より高い陽圧の設定圧に保持されているか、または前
    記密封室内はこの密封室の開口部に設けられ、大気中の
    酸素および二酸化炭素を除去するケミカルフィルタが設
    けられていることを特徴とする請求項1または2記載の
    洗浄装置。
  4. 【請求項4】 前記アルカリ系洗浄剤の劣化にしたがっ
    て変化する、アルカリ系洗浄剤の性質の変化を検出し、
    前記アルカリ系洗浄剤の温度を前記性質の変化分に応じ
    て上昇させるように温度制御するようになっていること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれか1記載の洗浄
    装置。
  5. 【請求項5】 アルカリ系洗浄剤を収容した洗浄槽内に
    被洗浄物を搬入し、前記アルカリ系洗浄剤を用いて前記
    被洗浄物を洗浄する洗浄装置において、前記アルカリ系
    洗浄剤の劣化にしたがって変化する、アルカリ系洗浄剤
    の性質の変化を検出し、前記アルカリ系洗浄剤の温度を
    前記性質の変化分に応じて上昇させるように温度制御す
    るようになっていることを特徴とする洗浄装置。
  6. 【請求項6】 前記アルカリ系洗浄剤の性質は、アルカ
    リ系洗浄剤のPHまたは乳化度であることを特徴とする
    請求項4または5記載の洗浄装置。
  7. 【請求項7】 更に筒状の除塵部とこの除塵部の外周を
    囲うようにして設けられ磁石とからなるフィルタが備え
    られており、前記被洗浄物の洗浄時に前記洗浄槽からオ
    ーバーフローしたアルカリ系洗浄剤を前記除塵部の外周
    側から内周側へ流動させることで、オーバーフローした
    アルカリ系洗浄剤中の磁性物が前記磁石で除去され、更
    にこの磁石で磁性物が除去されたアルカリ系洗浄剤中の
    微小物質が前記除塵部の外周面に留められて付着するよ
    うになっており、更に前記フィルタを通過した清浄なア
    ルカリ系洗浄剤が前記洗浄槽内に戻るようになっている
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1記載の
    洗浄装置。
  8. 【請求項8】 アルカリ系洗浄剤を収容した洗浄槽内に
    被洗浄物を搬入し、前記アルカリ系洗浄剤を用いて前記
    被洗浄物を洗浄する洗浄装置において、更に筒状の除塵
    部とこの除塵部の外周を囲うようにして設けられ磁石と
    からなるフィルタが備えられており、前記被洗浄物の洗
    浄時に前記洗浄槽からオーバーフローしたアルカリ系洗
    浄剤を前記除塵部の外周側から内周側へ流動させること
    で、オーバーフローしたアルカリ系洗浄剤中の磁性物が
    前記磁石で除去され、更にこの磁石で磁性物が除去され
    たアルカリ系洗浄剤中の微小物質が前記除塵部の外周面
    に留められて付着するようになっており、更に前記フィ
    ルタを通過した清浄なアルカリ系洗浄剤が前記洗浄槽内
    に戻るようになっていることを特徴とする洗浄装置。
  9. 【請求項9】 更に、前記フィルタの上流側に前記オー
    バーフローしたアルカリ系洗浄剤中の磁性物を除去する
    磁石が設けられているとともに、前記フィルタの下流側
    に前記オーバーフローしたアルカリ系洗浄剤中の微小磁
    性物を除去する磁石が設けられていることを特徴とする
    請求項7または8記載の洗浄装置。
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