JP2001285640A - 画像処理方法、画像処理装置および記録媒体 - Google Patents

画像処理方法、画像処理装置および記録媒体

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JP2001285640A
JP2001285640A JP2000098872A JP2000098872A JP2001285640A JP 2001285640 A JP2001285640 A JP 2001285640A JP 2000098872 A JP2000098872 A JP 2000098872A JP 2000098872 A JP2000098872 A JP 2000098872A JP 2001285640 A JP2001285640 A JP 2001285640A
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noise
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image
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JP2000098872A
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English (en)
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Kimitoshi Nagao
公俊 長尾
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ノイズによる不快なむらや不自然なアーチファ
クト等を生じさせず、ノイズを抑制するデジタル画像の
ノイズ抑制のための画像処理方法、装置およびコンピュ
ータに読み書き可能な記録媒体の提供を課題とする。 【解決手段】原画像データに対し、平滑化、エッジ検出
を行い、得られた平滑化画像データから被写体のエッジ
とノイズの混在画像データを求め、エッジ検出で求めた
エッジ強度データからノイズの重み付け係数を得、この
重み付け係数と前記混在画像データとからノイズデータ
を求め、一方、ノイズ抑制の広がりを表すノイズ抑制分
布関数を設定し、この関数と上記ノイズデータとの畳み
込み積分を行いノイズ抑制分布を算出し、さらに、ノイ
ズ抑制分布に上記ノイズデータを掛けてノイズ抑制成分
を求め、この成分を変倍して原画像データから減算して
処理画像データを得ることで前記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル画像に含
まれる粒状等のノイズ(雑音)成分を抑制するデジタル
画像のノイズ抑制のための画像処理方法、装置および記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】銀塩写真の画像を画像入力スキャナで走
査して収録したデジタル画像や、デジタルスチルカメラ
等で撮影したデジタル画像を画像処理し、画像出力プリ
ンタで出力するようなシステムでは、出力された画像は
スキャナやカメラとプリンタによる大幅なシャープネス
劣化があり、それを回復するために従来からラプラシア
ンフィルタやアンシャープマスク(USM)によるシャ
ープネス強調が行われている。しかし、画像のシャープ
ネスが向上すると共に粒状などのノイズ(雑音)が悪化
する副作用があるため、粒状などのノイズのある画像に
おいては粒状悪化が許容される範囲内で控え目なシャー
プネス強調しか行えず、原稿画像以上に画質を向上させ
ることが困難であった。
【0003】デジタル画像において、ノイズとなる粒状
を除去しシャープネスを強調する画像処理法としては幾
つか提案されているが、粒状を除去する方法として平均
化したり、ぼかす方法を用いているため、ぼけた粒状パ
ターンが視覚的には不快に感じられたり、微小な被写体
構造が不自然に消されたりする等の問題点があり、写真
のような審美的な画像には適さない。
【0004】写真、印刷、テレビジョン、各種複写機等
の画像において、カメラ等の光学系による鮮鋭度劣化、
写真感光材料に固有の粒状や鮮鋭度劣化、もしくは写真
や印刷等の原稿画像を画像入力装置でデジタル化する際
に付加されるノイズ(雑音)や鮮鋭度劣化を回復するた
め、ノイズを抑制したり、シャープネスを強調する画像
処理法として種々の方法が考案されている。たとえば、
従来の画像処理方法では、粒状除去処理方法としては平
滑化やコアリングという方法が用いられ、シャープネス
強調処理法としてはアンシャープマスク(USM;Unsh
arp Masking)やラプラシアン、あるいはハイパスフィル
タによる処理が用いられている。しかし、これらの従来
の粒状除去処理方法では粒状を抑制すると不自然な違和
感のあるアーチィファクトが生じたり、本来は抑制して
はならない画像の微細構造を粒状と共に抑制してしまう
等の望ましくない欠点を有していた。
【0005】たとえば、特表昭57−500311号公
報、同57−500354号公報および「アンシャープ
で粒状の目立つ写真画像のデジタル強調方法」、電子画
像処理国際会議録、1982年7月、第179〜183
頁(P.G.Powell and B.E.Bayer, ``A Method for the D
igital Enhancement of Unsharp,Grainy Photographic
Images'' ,Proceedingus of the International Confer
ence on Electronic Image Processing,Jul.26-28,198
2,pp.179-183)に開示されたポーウェルおよびバイヤー
らの処理法では、粒状抑制方法として平滑化処理法(ロ
ーパスフィルタ)を用い、シャープネス強調方法として
アンシャープマスク(ハイパスフィルタ)による処理法
を用いている。平滑化処理はn×n画素の信号値にGaus
sian型等の重み付けを乗じて信号を平滑化することによ
って、粒状を抑制する処理である。シャープネス強調処
理は、先ずm×m画素の画像信号を用いて、中心画素か
ら周囲画素の方向の微分値を求め、その値が設定した閾
値より小さい場合は粒状や雑音と見做してコアリング処
理で除去し、残った閾値より大きい微分値の和をとり、
1.0以上の定数を乗じて上記の平滑化信号に加算する
ことによりシャープネス強調を行う。
【0006】この処理法では、粒状パターンをぼかして
いるので、粒状パターンの濃淡コントラストは低下する
が、粒状を構成する粒子の大きな集落(粒状モトル)か
らなる大きいむらパターンが視覚的には目立つようにな
ったりするため、不快な粒状として見えるという欠点が
ある。また設定した閾値で粒状と画像の識別を行ってい
る(コアリング処理)ので、コントラストの低い画像信
号が粒状誤認され、粒状と共に抑制あるいは除去されて
しまったり、除去した信号と強調した画像信号との境界
で不連続性が生じ、画像に不自然なアーティファクトが
見られるという欠点がある。特に、芝生や絨毯等の微細
な画像、および布地等のテクスチャが描写されている画
像においてこの欠点が現れ、視覚的には極めて不自然で
望ましくないアーティファクトとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の粒状抑制・シャープネス強調画像処理方法では、シ
ャープネスはアンシャープマスクで強調し、粒状はぼか
したり、平滑化によって抑制する手法を用い、原画像か
ら粒状(ノイズ)信号と輪郭信号を信号レベルで分離し
て、輪郭信号はシャープネス強調し、平滑領域は粒状抑
制することにより、小さい信号を粒状と見做して処理す
るので、粒状の信号レベルと近い画像細部信号、すなわ
ち衣類のテクスチャや頭髪等の画像信号が粒状と共に抑
制され、画像処理のアーティファクトとして視覚的に不
快な画像となる欠点があるという問題があった。すなわ
ち、このような従来法では、粒状抑制の方法としてぼけ
や平均化を用いており、ぼけた粒状パターン(「ぼけ粒
状」)は濃度の揺らぎとしては小さくなって粒状が良く
なったかのように見えるが、逆に濃度揺らぎ量は小さい
がぼけて広がった粒状パターンが視覚的には不快なパタ
ーンと認識され、特に、ポートレート写真等の顔や肌、
あるいは壁や空等の一様な被写体で目立つという問題が
あった。
【0008】また、原画像から粒状(雑音、ノイズ)領
域と輪郭領域を信号レベルで分離する従来法では、原画
像とぼけ画像の差分信号から輪郭領域と平坦領域を識別
し、それぞれの領域に対してアンシャープマスクやラプ
ラシアン等の異なる係数を用いて処理することによっ
て、平坦領域では粒状を抑制しつつ、輪郭領域ではシャ
ープネスを強調してエッジをぼかすことなく粒状抑制を
しているが、輪郭領域と粒状領域の認識・分離が閾値と
なる信号レベルで一律に行われるため、その境界で不連
続性が生じるという問題があった。さらに、このような
従来法では、エッジ強調あるいはシャープネス強調方法
としてアンシャープマスクやラプラシアンが用いられて
いるが、画像の輪郭・エッジ部にマッキーラインのよう
な縁取りが発生し易く、視覚的に不自然な印象を与える
という問題があった。このような粒状などのノイズの抑
制とシャープネス強調に関する問題は、銀塩写真に特有
の問題でなく、デジタルスチルカメラ等で画像を撮影す
る際にも、ショットノイズや電気的なノイズをはじめと
する種々のノイズの抑制とシャープネス強調の問題とし
て発生する。
【0009】本発明は、上記従来技術の現状を鑑みてな
されたものであって、銀塩写真、デジタルスチルカメラ
画像、印刷、テレビジョン、各種複写機等の画像におい
て、カメラによるぼけ、写真感光材料の粒状やぼけ等の
原稿画像に固有のノイズ(雑音)と鮮鋭度劣化、もしく
はその原稿画像を画像入力装置でデジタル化する際に付
加されるノイズやデジタルスチルカメラで撮影する際の
ショットノイズと鮮鋭度劣化を回復する処理を行う際
に、上記従来技術の問題点、すなわち、平滑化によるノ
イズの抑制を行うとノイズがぼけて大きいむらが視覚的
に不快に見えるという問題点、コントラストの低い画像
信号が粒状、あるいはノイズと誤認され、抑制あるいは
除去される問題点、ノイズ除去領域とシャープネス強調
領域の境界が不連続になり画像に不自然なアーティファ
クトが見られるという問題点を生じさせずに、粒状を抑
制する処理を行うデジタル画像のノイズ抑制のための画
像処理方法およびこれを実施する画像処理装置およびこ
の方法を実施するコンピュータが読み取り可能な記録媒
体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、原画像データに平滑化処理を行って、平
滑化画像データを作成し、前記原画像データから前記平
滑化画像データを減算して、被写体画像のエッジとノイ
ズとが混在する混在画像データを作成し、前記原画像デ
ータからエッジ検出を行って被写体エッジ領域とノイズ
領域を識別するためのエッジ強度データを求め、このエ
ッジ強度データからノイズ領域の度合いを示すノイズ領
域の重み付け係数を求め、前記混在画像データに、前記
ノイズ領域の重み付け係数を乗じて、ノイズデータを求
め、原画像データにおけるノイズ抑制の広がりを表すノ
イズ抑制分布関数を設定し、前記ノイズデータとこのノ
イズ抑制分布関数との畳み込み積分を行ってノイズ抑制
分布を求め、前記ノイズデータに前記ノイズ抑制分布を
乗算することによって、ノイズ抑制成分画像データを算
出し、前記原画像データから前記ノイズ抑制成分画像デ
ータを変倍して減算することによって、原画像データの
ノイズ領域におけるノイズ成分を選択的に抑制した画像
を作成することを特徴とするデジタル画像のノイズ抑制
のための画像処理方法を提供するものである。
【0011】ここで、前記ノイズ抑制分布関数は、原画
像の画素における、ノイズ抑制の広がりの中心位置にお
いて値が最大であり、この中心位置から離れるに従って
値が小さくなる単調減少関数であるのが好ましく、ある
いは前記ノイズ抑制分布関数は、原画像の画素における
ノイズ抑制を及ぼす範囲において一定の値を持つ矩形関
数であるのが好ましい。
【0012】また、前記ノイズ抑制分布関数の、原画像
の画素における前記ノイズ抑制を及ぼす範囲は、画素数
で1以上15以下の範囲の領域であるのが好ましい。
【0013】さらに、前記ノイズ抑制分布関数は、原画
像の画素におけるノイズ抑制を及ぼす範囲の境界の位置
とこの位置での値を定めることによって設定されるのが
好ましい。ここで、前記ノイズ抑制分布関数は、rを原
画像の画素におけるノイズ抑制の広がりの中心位置から
の距離、aを原画像の画素におけるノイズ抑制の広がり
の範囲を定める抑制範囲定数とするとき、下記式(1)
〜(3)のいずれかで表されるのが好ましい。 s(r)= exp(−r/a) (1) s(r)= exp(−r2 /a2 ) (2) s(r)= rect(r/a) (3) ここで、式(3)のrect(r/a)は、値が1の矩
形関数である。
【0014】さらに、上記目的を達成するために、本発
明は、原画像データに平滑化処理を行って、平滑化画像
データを作成する平滑化処理部と、前記原画像データか
ら前記平滑化処理部で作成した前記平滑化画像データを
減算して、被写体画像のエッジとノイズとが混在する混
在画像データを作成するエッジ・ノイズ混在成分抽出部
と、前記原画像データからエッジ検出を行って被写体エ
ッジ領域とノイズ領域を識別するためのエッジ強度デー
タを求めるエッジ検出部と、このエッジ検出部で求めた
エッジ強度データからノイズ領域の度合いを示すノイズ
領域の重み付け係数を求めるノイズ領域重み係数演算部
と、前記エッジ・ノイズ混在成分抽出部で作成した前記
混在画像データに、前記ノイズ領域重み係数演算部で求
めた前記ノイズ領域の重み付け係数を乗じて、ノイズデ
ータを求めるノイズ成分識別分離部と、前記原画像デー
タにおけるノイズ抑制の広がりを表すノイズ抑制分布関
数を設定し、前記ノイズ成分識別分離部で求めた前記ノ
イズデータとこのノイズ抑制分布関数との畳み込み積分
を行ってノイズ抑制分布を求めるノイズ抑制分布演算部
と、このノイズ抑制分布演算部において求められた前記
ノイズ抑制分布を前記ノイズ成分識別分離部で求めた前
記ノイズデータに乗算することによって、ノイズ抑制成
分画像データを算出するノイズ抑制成分演算部と、前記
原画像データから前記ノイズ抑制成分演算部で算出した
前記ノイズ抑制成分画像データを変倍して減算して処理
画像データを求めるノイズ抑制演算処理部とを有するこ
とを特徴とするデジタル画像のノイズ抑制のための画像
処理装置を提供するものである。
【0015】さらに、本発明は、上記目的達成のため
に、コンピュータに、原画像データに平滑化処理を行っ
て、平滑化画像データを作成する手順と、前記原画像デ
ータから前記平滑化画像データを減算して、被写体画像
のエッジとノイズとが混在する混在画像データを作成す
る手順と、前記原画像データからエッジ検出を行って被
写体エッジ領域とノイズ領域を識別するためのエッジ強
度データを求める手順と、前記エッジ強度データからノ
イズ領域の度合いを示すノイズ領域の重み付け係数を求
める手順と、前記混在画像データに、前記ノイズ領域の
重み付け係数を乗じて、ノイズデータを求める手順と、
原画像データにおけるノイズ抑制の広がりを表すノイズ
抑制分布関数を設定し、前記ノイズデータとこのノイズ
抑制分布関数との畳み込み積分を行ってノイズ抑制分布
を求める手順と、前記ノイズデータに前記ノイズ抑制分
布を乗算することによって、ノイズ抑制成分画像データ
を算出する手順と、前記原画像データから前記ノイズ抑
制成分画像データを変倍して減算する手順を実行させ
て、原画像データのノイズ領域におけるノイズ成分を選
択的に抑制した画像を作成することを特徴とするプログ
ラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体
を提供するものである。
【0016】ここで、上記「ノイズ」とは、銀塩感光材
料を用いた写真用フィルム等をフィルムスキャナを用い
て読み取って得られる画像データに含まれる、感光材の
粒子に起因する粒状のみならず、銀塩感光材料を用いる
ことなくディジタルスチルカメラ等のCCDやMOS等
の撮像素子および種々の撮像管を用いて得られる画像デ
ータに含まれるノイズも広く含む。
【0017】上記発明は、 ・原画像からエッジを検出し、エッジ強度を求め、エッ
ジ強度の弱い領域はノイズ領域と見做し、ノイズ領域を
エッジ領域から分割するためのノイズ領域の重み付け係
数を算出し、 ・原画像から平滑化画像を作成し、原画像から減算する
ことにより、エッジとノイズの混在成分を求め、 ・ノイズ領域の重み付け係数をエッジとノイズの混在成
分に乗算して求めたノイズ成分から、ノイズ抑制分布関
数を用いてノイズ抑制分布を求め、このノイズ抑制分布
と上記ノイズ成分とからノイズ抑制成分を求め、 ・原画像からノイズ抑制成分を減算することによって、
原画像データが銀塩感光材料を用いた写真用フィルム等
からフィルムスキャナを用いて読み取られた場合、感光
材料の粒子の大きな集落であり、ノイズ成分である粒状
モトルがより大きい(粒状が粗い)部分では粒状を強く
抑制し、粒状モトルの小さい部分では粒状を弱く抑制す
るか、あるいは抑制し、これによって粒状の揺らぎを抑
制、均一化することができ、画像の粒状領域において粒
状モトルの大きい部分が選択的に抑制された画質の良い
画像を得ることができる。原画像データがデジタルスチ
ルカメラ等の撮像素子を用いて撮影されて得られた場
合、入射光のフォトン揺らぎや、撮像素子中の1個1個
の光センサの固有のノイズ、あるいは電気回路で発生す
る熱雑音(ノイズ)、量子化ノイズ等の種々のノイズが
画像中で画素単位の信号、あるいは濃度揺らぎとなって
現れるが、ノイズ揺らぎが空間的には疎の部分や密の部
分が生じ、銀塩感光材料の粒状モトルと同様に、ノイズ
モトルを形成しているので、ノイズモトルの大きいとこ
ろは強く抑制し、ノイズモトルの小さいところは弱く抑
制することによって、ノイズを均一化することができ、
画質の良い画像を得ることができる。
【0018】すなわち、本発明のノイズ抑制の画像処理
方法では、ノイズ成分を識別し、そのノイズ成分中のノ
イズ成分の大きく粗いものをより強く抑制し、ノイズ成
分の小さいものを弱く抑制するか抑制しないような処理
を行うことによって、ノイズによる画像濃度の変動を小
さく均一にする(揺らぎの大きさのばらつきを小さくす
る)処理を行う。ノイズ成分が粒状成分である場合、粒
状パターンに対して、従来のように平滑化処理を行うも
のでなく、大きな粒状モトルを目立たなくするので、銀
塩写真感材で微粒子乳剤を用いた時に得られるような細
かい粒状(空間的に細かく、かつ振幅も小さく粒状)に
することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の画像処理方法を実
施する画像処理装置について、添付の図面に示される好
適実施例を基に詳細に説明する。本発明における「ノイ
ズ」は、上述したように雑音全般を指す。また、「ノイ
ズ」は、デジタルスチルカメラ等の電子的撮像系では単
にノイズと言うが、銀塩写真感光材料においてはノイズ
というより、粒状と言うのが一般的である。従って、以
降の説明で、特に銀塩写真感光材料を例として説明する
場合、「ノイズ」に替えて「粒状」を用いる。また、後
述する「ノイズモトル」は、デジタルスチルカメラ等の
電子的撮像系においてノイズ揺らぎが空間的に密な部分
を形成するノイズモトルの他、銀塩写真感光材料におけ
る粒状モトルも含む。
【0020】図1は、本発明に係る画像処理装置を組み
込んだシステムであって、カラー画像を読み取り、本発
明の画像処理方法を行い、カラー画像を出力するカラー
画像再生システムのブロック図である。図2は、本発明
に係る画像処理方法を実施する画像処理装置の一実施例
のブロック図である。図3は、本発明の画像処理方法の
処理アルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
以下の説明では、デジタル画像として銀塩カラー写真画
像から得られる画像データを代表例として説明する。
【0021】図1に示すように、カラー画像再生システ
ム10は、カラー写真画像(カラーネガフィルム、カラ
ーリバーサルフィルムなどのフィルム画像などやデジタ
ルカメラ等の撮影画像)などのカラー画像を読み取って
デジタル入力画像データを得る画像入力装置12と、画
像入力装置12から入力される入力画像データに所要の
画像処理とともに本発明のデジタル画像のノイズ抑制の
ための画像処理を施して、処理画像データI1 を得る画
像処理装置14と、画像処理装置14から出力される処
理画像データI1 に基づいてプリント画像などのカラー
画像を出力する画像出力装置16とを備える。
【0022】画像入力装置12は、デジタルカラー画像
データを作成して、画像処理装置14への入力画像デー
タとして出力するためのもので、例えば、カラー(また
はモノクロ)ネガフィルムやカラー(またはモノクロ)
リバーサルフィルムなどのカラーフィルム画像を読み取
ってデジタル画像データを作成するフィルムスキャナ装
置、印刷物や反射プリント画像などのカラー反射原稿画
像を読み取ってデジタル画像データを作成する反射原稿
用スキャナ装置が挙げられる。なお、本発明において
は、被写体を直接撮影してデジタル画像データを作成す
るデジタルカメラや電子スチルカメラやビデオカメラ、
もしくは、これらで作成されたデジタル画像データを格
納した記録媒体、例えば、スマートメディア、メモリー
ステック、PCカードなどの半導体メモリーやFD、Z
ipなどの磁気記録媒体やMO、MDなどの光磁気記録
媒体やCD−ROM、Photo−CDなどの光記録媒
体などをドライブしてデジタル画像データとして読み出
すドライバ、これらのデジタル画像データを読み込んで
ソフトコピー画像を表示するCRTモニタ、液晶モニタ
などの表示装置、および読み込んだもしくは表示された
デジタル画像データを全体的にもしくは部分的に画像処
理する画像処理用PC、WSなどのコンピュータなどで
あってもよい。
【0023】画像出力装置16は、最終処理画像データ
として画像処理装置14から出力される処理画像データ
1 に基づいて、カラー写真画像などのカラー入力画像
が再現されたカラー画像を出力するためのもので、反射
プリント画像や反射原稿画像などのカラーハードコピー
画像を出力するデジタルフォトプリンタや複写機や電子
写真、レーザプリンタ、インクジェット、熱昇華型、T
Aなどの種々の方式のデジタルカラープリンタなどの画
像出力装置、ソフトコピー画像として表示するTV、C
RTモニタ、液晶モニタ等の表示装置やPCやWSなど
のコンピュータなどを挙げることができる。
【0024】画像処理装置14は、画像入力装置12か
らの入力画像データの色および調子(階調)を画像出力
装置16に所望の色および調子再現で出力するために調
整処理して原画像データIO を作成する色・調子処理部
18と、この色・調子処理部18によって処理された原
画像データIO に本発明の最も特徴とする部分であっ
て、本発明のデジタル画像のノイズ抑制のための画像処
理方法を実施して処理画像データI1 を作成するノイズ
抑制画像処理部20と、色および調子再現性が調整され
た画像データに基づいて再生画像を表示する画像モニタ
および種々の所要の画像処理や本発明の画像処理を行う
ためのパラメータを設定する画像処理パラメータ設定部
からなる画像モニタ・画像処理パラメータ設定部22と
を有する。
【0025】ここで、色・調子処理部18は、画像入力
装置12から入力される入力画像データの色および調子
(階調)の再現性を画像出力装置16において適正に再
現されるように色変換または色補正(階調変換または補
正も含む)を行って、本発明の画像処理方法を実施する
ための原画像データIO を作成するものであり、ここで
行われる処理としては、例えば、色(グレイ)変換や補
正、階調補正、濃度(明るさ)補正、彩度補正、倍率変
換、濃度ダイナミックレンジの圧縮・伸長などの種々の
処理を挙げることができる。
【0026】画像モニタ・画像処理パラメータ設定部2
2は、画像モニタおよび画像処理パラメータ設定部から
なり、画像モニタに画像入力装置12から入力された入
力画像データに基づいて入力画像を表示するとともに、
この画像モニタを用いて(例えばGUIなどによって)
入力画像データに色・調子処理部18および本発明の画
像処理方法を実施するためのノイズ抑制画像処理部20
で行う各種の画像処理のパラメータを図示しないマウス
やキーボードなどのデータ入力機によって設定するため
のものである。ここで、設定されるパラメータは、上述
した各種の処理に用いられる補正係数、変換係数、倍率
などや後に詳細に説明する本発明の画像処理方法を実施
する上で必要となる様々な係数や定数などを挙げること
ができる。
【0027】本発明の画像処理方法を実施するノイズ抑
制画像処理部(以下、単に本画像処理部という)20
は、色・調子処理部18で作成された原画像データIO
に本発明の特徴とするノイズ抑制画像処理を行って、画
像出力装置16に出力するための最終処理画像データで
ある処理画像データI1 を作成するためのものである。
【0028】ここで、本画像処理部20は、図2に示す
ように、原画像データIO に平滑化処理を行って、平滑
化画像データIAVを作成する平滑化処理部26と、原画
像データI0 から平滑化画像データIAVを減算して、被
写体画像のエッジとノイズとが混在する混在画像データ
ΔIEGを作成するエッジ・ノイズ混在成分抽出部28
と、原画像データIO から被写体画像のエッジ検出を行
って、被写体エッジ領域とノイズ領域とを識別するため
のエッジ強度データEO を求めるエッジ検出部30と、
このエッジ強度データEO からノイズ領域の重み係数W
G を求めるノイズ領域重み係数演算部32と、エッジ・
ノイズ混在成分抽出部28で得られた混在画像データΔ
EGにノイズ重み係数演算部32で求められたノイズ領
域の重み付け係数WG を乗じて、ノイズ領域のノイズデ
ータG0 を求めるノイズ成分識別分離部34と、原画像
データIO におけるノイズ抑制の広がりを表すノイズ抑
制分布関数s1 を設定し、ノイズ成分識別分離部34で
求めたノイズデータG0 とこのノイズ抑制分布関数s1
との畳み込み積分を行ってノイズモトル抑制分布(本発
明におけるノイズ抑制分布に相当)Mを求めるノイズモ
トル抑制分布演算部(本発明におけるノイズ抑制分布演
算部に相当)36と、ノイズモトル抑制分布演算部36
で求められたノイズモトル抑制分布Mをノイズ成分識別
分離部34で求めたノイズデータG0 に乗算することに
よって、ノイズ抑制成分画像データにG 1 を算出するノ
イズモトル抑制成分演算部(本発明におけるノイズ抑制
成分演算部に相当)38と、ノイズモトル抑制成分演算
部38で算出されたノイズ抑制成分画像データG1 を変
倍して原画像データIO から減算するノイズ抑制演算処
理部40と、ノイズ抑制演算処理部40で得られた画像
データを画像出力装置16に適した処理画像データI1
に変換する出力画像演算部42とを有する。
【0029】図2に示すノイズ抑制画像処理部20は、
基本的に以上のように構成される。次に、図3に示す本
発明の画像処理方法の処理アルゴリズムを示すフローチ
ャートを参照しながら、本処理部20の作用に基づい
て、本発明の画像処理方法を概説する。
【0030】本実施例においては、図3に示すように、
各画素毎に先ず原画像データIO から、平滑化処理部2
6において平滑化処理を行い(ステップ100)、平滑
化画像データIAVを得、エッジ・ノイズ混在成分抽出部
28においてエッジとノイズとの混在した混在画像デー
タΔIEGを抽出する(ステップ102)。
【0031】一方、エッジ検出部30において原画像デ
ータIO から被写体エッジ領域とノイズ領域とを識別す
るためのエッジ強度データEO を求めてエッジ検出を行
い(ステップ104)、ノイズ領域重み係数演算部32
において、ノイズ領域の重み付け係数WG を計算して求
める(ステップ106)。さらに、ノイズ成分識別分離
部34において、ノイズデータの識別・分離を行う(ス
テップ108)。すなわち、混在画像データΔIEGに、
ノイズ重み係数演算部32で求められたノイズ領域の重
み付け係数WG を乗じて、ノイズデータG 0 を求める。
【0032】次に、ノイズモトル抑制分布演算部36に
おいて、原画像データI0 におけるノイズ抑制の広がり
を表すノイズ抑制分布関s1 を設定し、ノイズデータG
0 とこのノイズ抑制分布関数s1 との畳み込み積分を行
ってノイズモトル抑制分布Mを求め(ステップ11
0)、ノイズモトル抑制成分演算部38において、ノイ
ズモトル抑制分布MをノイズデータG0 に乗算すること
によって、ノイズ抑制成分画像データG1 を算出して、
ノイズ・モトル抑制成分の演算を行い(ステップ11
2)、ノイズ抑制演算処理部40において、原画像デー
タI0 から先に算出したノイズ抑制成分画像データG1
を変倍して減算して、ノイズ抑制画像演算を行い(ステ
ップ114)、さらに、画像出力装置16に適した画像
データに変換することによって処理画像データI1 を得
る。
【0033】次に、本発明の画像処理方法の上述した各
工程について詳細に説明する。まず、平滑化工程(ステ
ップ100)について説明する。平滑化を行う方法とし
ては、実空間領域の処理と空間周波数領域の処理を挙げ
ることができる。実空間領域処理では、隣接する画素全
体の和を求め平均値を計算してその値に置き換える方
法、各画素に重み係数、たとえば正規分布型の関数を掛
けて平均値を求める方法、メディアンフィルタのような
非線型な処理を行う方法等の種々の方法がある。一方、
空間周波数領域の処理では、ローパスフィルタを掛ける
方法がある。たとえば、重み係数を用いる平均化の方法
では下記式(4)を挙げることができる。なお、ここ
で、(x,y) 等は、画像内の注目画素の位置座標を表す。
【数1】
【0034】ただし、nは平均化のマスクサイズ、w
(x,y) は重み係数である。w(x,y) =1.0とすると、
単純平均となる。本発明では、実空間領域処理の中で、
正規分布型の重み係数を掛けて平均値を求める方法を用
いるが、これに限定されない。この時、処理のマスクと
しては、下記のようなn×n画素のマスクを用いるのが
好ましい。具体的には3×3から5×5、7×7、9×
9程度のものを用いるのが好ましい。 w11 w12 w13・・・・・ w1n w21 w22 w23・・・・・ w2n w31 w32 w33・・・・・ w3n ・ ・ ・ ・ (5) ・ ・ ・ ・ wn1 wn2 wn3・・・・・ wnn
【0035】式(6)に9×9画素のマスクの一例を示
す。この式(6)では中心の値を1.0に正規化した値
で示しているが、実際の処理ではマスク全体の和が1.
0になるようにする。 0.09 0.15 0.22 0.28 0.30 0.28 0.22 0.15 0.09 0.15 0.26 0.38 0.47 0.51 0.47 0.38 0.26 0.15 0.22 0.38 0.55 0.69 0.74 0.69 0.55 0.38 0.22 0.28 0.47 0.69 0.86 0.93 0.86 0.69 0.47 0.28 0.30 0.51 0.74 0.93 1.00 0.93 0.74 0.51 0.30 (6) 0.28 0.47 0.69 0.86 0.93 0.86 0.69 0.47 0.28 0.22 0.38 0.55 0.69 0.74 0.69 0.55 0.38 0.22 0.15 0.26 0.38 0.47 0.51 0.47 0.38 0.26 0.15 0.09 0.15 0.22 0.28 0.30 0.28 0.22 0.15 0.09
【0036】このようなマスクを用いて、原画像データ
0(x,y)から平滑化画像データIAV(x,y)を求めること
ができる。なお、本発明に用いられる平滑化方法として
は、上述した種々の方法に限定されるわけではなく、従
来公知の平滑化方法はいずれも適用可能なことはいうま
でもない。図4(a)には、エッジ成分が支配的な領域
Eと、ノイズモトル(粒状モトル)のある領域Aや領域
Bを含むノイズ領域とを有する原画像データI0 の一次
元波形の一例が示されている。図4(a)に示される原
画像データI0 は、ステップ100の平滑化工程によっ
て、図4(b)に示すようななだらかな変化を持った平
滑画像データIAVの波形に処理される。
【0037】次いで、エッジ・ノイズ混在成分の抽出工
程(ステップ102)について説明する。平滑化工程
(ステップ100)で得られた平滑画像データIAV(x,
y) を、下記式(7)に従って、原画像データI0 から
減算し、エッジとノイズの混在する微細構造データであ
る混在成分ΔIEG(x,y) を抽出する。 ΔIEG(x,y)=I0 (x,y) −IAV(x,y) (7) 図4(a)および(b)で示される波形から、エッジ・
ノイズ混在成分の抽出工程によって、図4(c)に示す
混在成分ΔIEG(x,y) の波形が抽出される。
【0038】次に、エッジ検出工程(ステップ104)
について説明する。ここでは、一例として局所分散方式
によるエッジ検出を代表例として説明するが、本発明は
これに限定される訳ではない。
【0039】エッジ検出を行う際に先ず、以下のような
前処理による濃度変換を行う。このような前処理を行う
のは、カラー画像データを構成するR画像データとG画
像データとB画像データで相関のないノイズを減少させ
以降で行うエッジ検出の際の精度を向上するためであ
る。すなわち、式(8)に示したように、原画像データ
0(x,y)のR,G,Bの3色の濃度値DR ,DG ,DB
に重み係数r,g,bを掛けて視覚濃度(Visual densit
y)DV に変換する。 DV =(rDR +gDG +bDB )/(r+g+b) (8) 重み係数としては、例えば、r:g:b=4:5:1の
ような値を用いる。この変換を行うのは、R,G,Bで
相関の無いノイズを減少させ、エッジ検出の精度を向上
させるためである。前処理の配列の大きさの範囲は5×
5、あるいは7×7画素程度のものを用いるのがよい
が、それは、後述する所定の配列内の画像濃度の変動
を、配列内で小さい配列、例えば、3×3程度の配列を
用いて、移動しながら計算するためである。
【0040】なお、エッジ検出における重み係数r,
g,bは以下のようにして求めることができる。重み係
数については、視覚で観察したときに目立つ(これは、
分光的な視感度分布に対応するという見方もあるが)、
すなわち寄与の大きい色の画像データの重み係数が大き
いという考えに基づいて最適な値に設定するのが好まし
い。一般には、視覚評価実験等に基づいて経験的な重み
係数が求められており、下記のような値が一般的な知見
として知られている(公知文献としては、野口高史、
「心理対応の良い粒状評価法)、日本写真学会誌,57
(6),415(1994)があり、色によって異なる
が、下記の比に近い数値が示されている)。 r:g:b=3:6:1 r:g:b=4:5:1 r:g:b=2:7:1 ここで、係数の比r:g:bとして好ましい値の範囲を
規定するとすれば、r+g+b=10.0でbを1.0
としたときに、gの値として、 g=5.0〜7.0 の範囲の値が好ましい。ただし、r=10.0−b−g
である。
【0041】次ぎに、エッジ検出工程(ステップ10
4)の局所分散によるエッジ検出について説明する。エ
ッジの検出は、上記視覚濃度DV の画像データからnE
×nE 画素の配列を移動しつつ、配列内の画像濃度変動
を式(9)を用いて、その位置毎の局所的な標準偏差で
ある局所分散σを順次注目画素(x,y) ごとに計算するこ
とによって、画像中の被写体エッジの検出を行う。画素
配列の大きさ(nE ×nE )は、検出精度および計算負
荷を考慮して適宜決めればよいが、例えば3×3、ある
いは5×5程度の大きさを用いるのが好ましい。
【0042】
【数2】 ただし、注目画素位置をx 、y とし、DV (x+i-nE /2 -
1/2, y+j-nE /2-1/2) は局所分散σ(x,y)を計算するn
E ×nE の画素配列の濃度で、< DV (x,y) > はその配
列の平均濃度で、
【数3】 である。
【0043】原画像データIO (x,y)から、上記式
(9)に示した局所分散σ(x,y) を計算し、被写体画像
のエッジ強度EO (x,y) を求めるには、下記式(11)
のような指数関数で表した式を用いる。 EO (x,y) =1− exp [−σ(x,y)/aE ] (11) ただし、aE は局所分散σ(x,y)の値をエッジ強度に変
換する際の係数であって、エッジ強度EO =0.5に割
り付ける局所分散σ(x,y)の閾値σT とすると、 aE =−σT / loge (0.5) (12) である。σT の値は、ノイズと被写体輪郭の信号の大き
さによって適切な値にする必要があるが、各色8bit
(256階調)のカラー画像では、10〜100の範囲
の値が好ましい。この変換は、ルックアップテーブルと
して作成しておくと、変換に要する計算時間を短縮する
ことができる。
【0044】エッジ強度EO (x,y) を求める変換式とし
ては、上記式に限定されるものではなく、他の式を用い
ることもできる。たとえば、下記式のようなガウシャン
型の関数を用いてもよい。 EO (x,y) =1− exp{− [σ(x,y)]2 /aE1 2 } (13) ただし、aE1はσ(x,y) からEO (x,y) に変換する際の
係数で、EO (x,y) =0.5に割り付ける局所分散σ
(x,y) の閾値をσT とすると、 aE1 2 =−σT 2 / loge (0.5) (14) である。σT の値は、各色8bit(256階調)のカ
ラー画像では、10〜100の範囲の値が好ましい。
【0045】また、このエッジ強度データEO (x,y)
は、以下に示す式(15)のように、最大の局所分散デ
ータσMax で正規化され、0以上1以下の正規化された
エッジ強度データEO (x,y) を得てもよい。 E0 (x,y) = σ(x,y) /σMax (15) ここで、σmax は、局所分散データσ (x,y)の最大値
で、σ (x,y)を正規化するための定数である。σMax
決定方法は、式(15)で求めた画像全体の局所分散デ
ータσ (x,y)から下記式(15)のように最大値を求め
る。 σMax =Max{σ (x,y)} (16)
【0046】また、画像全体から求まる最大値を用い
ず、画像の一部分、例えば画像の重要被写体のある確率
の高い画像の中央部分の特定範囲、あるいは全画像から
間引いた画像データ(原画像データの1/4〜1/10
程度)から上記式(15)や(16)を用いて最大値σ
Max を求めてもよい。この場合、画像中央部分の特定範
囲の画像データや間引いた画像データは、画像処理を施
して処理画像データを得る前に予め粗い画素密度で得る
ことのできる各種処理条件調整用原画像データ(プレス
キャン画像データ)を用いてもよいし、原画像データか
ら抜き出してもよい。より好ましくは、σMax は、局所
分散データσ (x,y)を大きい値から順番に並べた際の上
位5〜10%以内に含まれる値の平均値,例えば上位1
0%以内に含まれる値の平均値<σ (x,y)>Max10%をσ
Max とし、σ (x,y)がこのσMax を超える場合、すべて
σMax に置き換える。この場合、平均値は、画像全体の
平均値でも、重要被写体が撮影される場合の多い中央部
分の所定の範囲の平均値でも、あるいは、間引いた画像
データの平均値であってもよい。
【0047】ところで、本発明におけるエッジ検出法と
しては、上記局所分散方式のエッジ検出法に限定される
わけではなく、他のエッジ検出法も利用可能である。上
記局所分散方式以外のエッジ検出法には、一次微分や二
次微分に基づく方法があり、それぞれに、更に幾つかの
方法がある。まず、空間的な一次微分に基づく方法とし
ては、下記の2つのオペレータがある。差分型エッジ抽
出オペレータとして、 Prewittのオペレータ、 Sobelの
オペレータ、 Robertsのオペレータなどがある。 Rober
tsのオペレータは下記式で表わすことができる。 g(i,j)={[f(i,j) - f(i+l,j+l)]2+[f(i+l,j) - f(i,
j+l)]21/2 テンプレート型オペレータとして、8方向のエッジパタ
ーンに相当する3×3テンプレートを用いる Robinson
のオペレータや Kirshのオペレータがある。次に、空間
的な二次微分に基づく方法としては、ラプラシアンを用
いた方法がある。この場合、雑音を強調してしまうの
で、先ず正規分布型のぼかし処理をしてからエッジ検出
する方法が良く用いられる。図4(d)には、図4
(a)に示す原画像データI0 からエッジ検出工程で求
められたエッジ強度データE0 の波形を示している。図
4(a)に示すエッジ強度データE0 において、エッジ
領域Eの付近でエッジ強度データE0 の値が大きくなっ
ていることがわかる。
【0048】次に、ノイズ領域重付け係数の計算工程
(ステップ106)を説明する。エッジ検出工程(ステ
ップ104)で得られるエッジ強度データEO (x,y) を
用いて、下記式(17)に従って、エッジ領域の重み付
け係数WE (x,y) を求めた後、ノイズ領域の重み付け係
数WG (x,y) を、下記式(18)に従って求める。 WE (x,y) =1−αE +αE 0 (x,y) (17) WG (x,y) =1−WE (x,y) (18)
【0049】ここで、αE はエッジ領域とノイズ領域の
重み付けを設定する定数であり、オペレータが0以上1
以下の任意の値を設定することができる。エッジ領域の
重み付け係数WE (x,y) は、1−αE 以上1以下の値と
なり、W E (x,y) が大きいほど、その画素位置で被写体
のエッジ領域である確率が高いと判断され、WE (x,y)
が小さいほど、その画素位置でノイズ領域である確率が
高いと判断される。正規化されたエッジ強度データE0
(x,y) の値が1.0に近いエッジ領域では、αE の値に
かかわらずエッジ領域の重み付け係数WE (x,y) が1.
0に近い大きい値となり、ノイズ領域の重み付け係数W
G (x,y) は最も小さくなる。一方、正規化されたエッジ
強度データE0 (x,y) が1.0より小さくなるに連れ、
エッジ領域の重み付け係数WE (x,y) は最小値1−αE
に近づき、ノイズ領域の重み付けデータWG (x,y) は最
大値αE に近づく。このようなαE は一定の値にデフォ
ルト値として予め設定しておき、オペレータがこのデフ
ォルト値によって画像処理された処理画像を見ながらα
E の値を必要に応じて調整するようにしてもよい。な
お、αE が1の場合、正規化されたエッジ強度データE
O (x,y) 自身がエッジ領域の重み付け係数WE (x,y) と
なり、1.0−EO (x,y) がノイズ領域の重み付け係数
G (x,y) となる。図4(e)には、図4(d)で示さ
れるエッジ強度データから求まるノイズ領域の重み付け
係数WG (x,y) の波形を示している。
【0050】次に、ノイズデータの識別・分離工程工程
(ステップ108)について説明する。エッジ・ノイズ
混在成分の抽出工程(ステップ102)で得られたエッ
ジ成分およびノイズ成分の混在する混在成分ΔIEG(x,
y) に、下記式(19)で示されるように、ノイズ重付
け係数計算工程(ステップ106)で得られたノイズ領
域の重み付け係数WG (x,y) を乗算して、ノイズデータ
0 (x,y) を求める。 G0 (x,y) =ΔIEG(x,y) × WG (x,y) (19) 図4(f)には、図4(c)に示される混在成分ΔIEG
(x,y) と図4(e)に示されるノイズ領域の重み付け係
数WG (x,y) を乗算して得られるノイズデータG0 (x,
y) の波形を示している。図4(f)に示されるノイズ
データG0 (x,y)の波形より、エッジ領域の成分が除去
されていることがわかる。
【0051】次に、ノイズモトル抑制分布演算工程(ス
テップ110)について説明する。まず、原画像のノイ
ズ領域の画素におけるノイズ抑制の広がりを表すノイズ
抑制分布関数s(r)を式(1)のような関数を設定す
る。ここでrは、点Pをノイズ抑制の広がりの中心位置
(原点)とする座標(x,y) に位置する注目画素の原点P
からの距離である。 s(r)= exp(−r/a) (1) すなわち、s(x,y) = exp(−(x2 +y2
(1/2) /a) と表される。
【0052】ここで、上式(1)中のaは、原画像の画
素におけるノイズ抑制の広がりの範囲を調整する抑制範
囲定数であり、予め与えられ、あるいは入力により設定
される。抑制範囲定数aが入力により設定される場合、
ノイズ抑制を及ぼす範囲の境界の位置、すなわち抑制距
離rs とこの位置での値smin を定めることによって設
定される。すなわち、抑制距離rs での値smin から下
記式(20)によって抑制範囲定数aを計算して求め
る。 a = −rs /log(smin ) (20)
【0053】ここで、smin の値は0.1以上0.5以
下であるのが好ましく、抑制距離r s の値は1以上15
以下の範囲の値であることが好ましい。特に、フィルム
に記録された画像をスキャナ等で読み込んで原画像デー
タを得る場合、抑制距離rsの値の設定は、フィルムフ
ォーマット(フィルムの1コマの画像サイズ)やフィル
ムの種類や感度によって異なるフィルムの粒状(粒状モ
トル)の粗さ、およびフィルムを走査してディジタル画
像データを得るスキャナの走査アパーチャサイズに応じ
て適宜変更することが好ましい。すなわち、粗い粒状
(粒状モトルも大きい)の場合、抑制距離rs の値を大
きくし、逆に細かい粒状の場合、抑制距離rs の値を小
さくする。また、スキャナの走査アパーチャサイズに応
じて適宜変更するのは、同じフィルムであっても、スキ
ャナの走査アパーチャが15μm□の場合と10μm□
とした場合、抑制範囲定数aの値が同じでも、実際の画
像密度が1.5倍、10μm□の方の画像の画素密度が
高くなり、粒状の粗さが変化するからである。
【0054】また、この抑制距離rs は、平滑化工程
(ステップ100)における平均化のマスクサイズを大
きくするとステップ108で得られるノイズデータG0
に含まれるノイズモトルの成分も大きくぼけて広がるた
め、このノイズモトルの成分を抑制するために抑制距離
s を大きくする必要がある。それゆえ、平滑化工程
(ステップ100)における平均化のためのマスクサイ
ズに応じて、抑制距離rsも適宜変更するとよい。平滑
化工程における平均化のためのマスクサイズは、3×3
程度を最小マスクサイズとし、11×11程度を最大マ
スクサイズとするが、抑制範囲定数aは、このマスクサ
イズより1.5倍〜2倍程度大きめの値とし、例えば、
マスクサイズが3×3の場合、抑制距離rs の値を5程
度とするのが好ましい。
【0055】このようなノイズ抑制分布関数s(r)と
して式(2)のような関数を設定してもよい。 s(r)= exp(−r2 /a2 ) (2) ここで、rは、ノイズ抑制の広がりの中心位置からの距
離である。この場合、抑制範囲定数aは、抑制距離rs
とその位置での値smin を用いて下記式(21)によっ
て求める。 a = −rs /[log(Smin )](1/2) (21) あるいは、ノイズ抑制分布関数s(r)として下記式
(3)のような関数を設定してもよい。 s(r)= rect(r/a) (3) ここで、rect(r/a)は、値が1の矩形関数でで
あり、rは、ノイズ抑制の広がりの中心位置からの距離
である。この場合、抑制範囲定数aは、設定する抑制距
離rs とする。また式(1)や式(2)においてsmin
=1とすることで式(3)と同一のノイズ抑制分布関数
s(r)を得ることができる。
【0056】このようなノイズ抑制分布関数s(r)
は、下記式(22)に従って、0以上1以下のノイズ抑
制分布関数s1 (x,y) に正規化される。 s1 (x,y) = s(x,y) /S (22) ここで、Sは、下記式(23)によって求まる積分値で
ある。
【数4】 図4(g)には、式(1)を用いて得られる粒状抑制分
布関数s(x,y) を式(22)に従って正規化した粒状抑
制分布関数s1 (x,y) の一例が示される。
【0057】次に、この正規化されたノイズ抑制分布関
数s1(x,y)とノイズデータG0 (x,y) とを用い、下記式
(24)のようにノイズ抑制の及ぼす範囲において畳み
込み積分を行い、ノイズモトル抑制分布M(x,y) を算出
する。
【数5】 ここで算出するノイズモトル抑制分布M(x,y) は、原画
像データがフィルム画像からスキャナ等で読み取られた
画像データである場合、感光材料の粒子より生成される
現像抑制物質の拡散分布に相当するもので、ノイズデー
タG0 の変動を感光材料の粒子の分布に見立て、原画像
データI0 に含まれる、感光材料中で生成される現像抑
制物質の拡散分布に相当するノイズモトル抑制分布M
(x,y) を求めるものである。
【0058】図4に示す例で説明すると、図4(f)に
示されるノイズデータG0 と図4(g)に示されるノイ
ズ抑制分布関数s1(x,y)を用い、式(24)に従って算
出することで、図4(h)に示されるようなノイズモト
ル抑制分布M(x,y) を得る。図4(h)では、図中領域
Aや領域Bに示される部分でノイズモトル抑制分布の値
が大きくなり、原画像データI0 の領域Aや領域Bの部
分では、銀塩感光材料の場合、銀塩感光材料で生成され
る現像抑制物質が溜まっている、あるいは濃度が高くな
っていることを意味するものである。このようにしてノ
イズモトル抑制分布M(x,y) が算出される。
【0059】次に、ノイズモトル抑制成分演算工程(ス
テップ112)を説明する。ノイズモトル抑制成分演算
工程では、ステップ110で演算されて算出されたノイ
ズモトル抑制分布M(x,y) を下記式(25)で示すよう
に、ステップ108で求めたノイズデータG0 に乗算す
ることで、ノイズ抑制成分画像データG1 (x,y) を演算
する。 G1 (x,y) = G0(x,y) × M(x,y) (25)
【0060】ノイズモトル抑制分布M(x,y) をノイズデ
ータG0 に乗算するのは、銀塩感光材料の場合、銀塩感
光材料中で生成される現像抑制物質とその銀粒子の相互
作用を考慮するためである。図4に示す例では、図4
(i)にノイズ抑制成分画像データG1 (x,y) が示され
る。図4(f)に示されるノイズデータG0 と比較する
と、領域Aや領域Bでは、それ以外の領域に比べ、例え
ば領域Cに比べ、相対的に大きな値となっていることが
わかる。
【0061】最後に、ノイズ抑制画像演算工程(ステッ
プ114)について説明する。ノイズ抑制画像演算工程
では、ステップ112で求めたノイズ抑制成分画像デー
タG1 (x,y) を、下記式(26)で示すように、ノイズ
抑制係数αを用いて変倍した後、原画像データI0 から
減算し処理画像データI1 ’を求める。 I1'(x,y) = I0(x,y) − α×G1(x,y) (26) ここで、ノイズ抑制係数αは、ノイズ抑制の程度を制御
する設定可能なパラメータであり、適宜設定入力され
る。あるいは、予めデフォルト設定値を設け、必要に応
じて変更するものであってもよい。その後、画像出力装
置16に適した画像データの変換を行って処理画像デー
タI1 ’から処理画像データI1 を得る。
【0062】図4に示す例では、図4(j)に示すよう
な処理画像データI1 を得ることができ、領域Aや領域
B等のノイズモトルのほか、ノイズモトル以外のノイズ
成分が除去されていることがわかる。しかも、図4
(b)に示される平滑化された画像データIAVと比較し
て、図4(a)の原画像データにおけるエッジ領域Eの
急峻な画像データ変動が保持されている。
【0063】上記画像処理方法は、写真感光材料等にお
ける粒状成分のように、粒状成分が一定の画素領域に影
響を及ぼす、すなわち、粒状成分が他の画素の粒状成分
に影響を及ぼす場合、粒状抑制のための画像処理として
有効であるが、また、上記画像処理法は、他の画素のノ
イズ成分の影響を受けないCCDやMOS撮像素子等を
利用するデジタルカメラ等においても、効果的に適用す
ることができる。なぜなら、CCD撮像素子等で撮影さ
れた画像においても、他の画素の画像データを利用して
傷欠陥補正等を行うからである。CCD撮像素子として
は、特開平10−136391号に記載のハニカム配列
のものにも適用される。
【0064】なお、ノイズ抑制のための画像処理方法と
して、特開平11−250246号公報では、画像のエ
ッジ強度から求めた圧縮係数をノイズ成分に乗じてノイ
ズを抑制する方法が提案されているが、ノイズ領域では
一定の圧縮係数が掛かるのでノイズの振幅が比例的に圧
縮される。また、ノイズの振幅が大きくなる程圧縮率が
高くなる圧縮係数を採用することで、すなわち、ノイズ
の揺らぎの大きさ(振幅)に非線形変換を施すことで、
ノイズの揺らぎを上記公報に記載される画像処理方法よ
り均一な方向にすることもできる。しかし、本発明の画
像処理方法は、上記2つの方法と全く異なり、ノイズ成
分の揺らぎがノイズモトルのように集落を成すノイズ領
域で、そのノイズ成分を小さくするようにノイズ抑制を
施す処理であり、ノイズの揺らぎが大きい場所でより大
きく抑制し、ノイズ揺らぎを均一化することができる。
【0065】本発明の画像処理方法は以上のように説明
される。このような画像処理方法は、回路やハードウェ
アから成る上述した画像処理装置として構成してもよい
し、あるいは、ソフトウェアとしてコンピュータの中で
機能を発揮するようなプログラムであってもよく、この
場合、上記方法を実行するためのプログラムを記録した
コンピュータが読み取り可能な記録媒体、CD=ROM
等として提供するものであってもよい。
【0066】このような本発明の画像処理方法を、銀塩
カラー写真、例えば35mmカラーネガフィルムに撮影
した写真画像に適用したところ、粒状に関し一見して判
る程の顕著な改善効果を得ることができた。特に、感光
材料の微粒子化による粒状の改良に匹敵する処理効果を
持つため、従来の平均化や揺らぎの減少に基づく各種の
粒状除去処理法の欠点であった「ぼけ粒状」的な不自然
さや違和感がなくなった。
【0067】以上、本発明の画像処理方法、画像処理装
置および記録媒体について詳細に説明したが、本発明は
上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない
範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいの
はもちろんである。
【0068】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、先ず原画像(予めシャープネス強調することに
よって、被写体画像とノイズの双方を鮮鋭化した画像を
原画像としてもよい)から被写体輪郭とノイズ成分を抽
出し、ノイズ領域におけるノイズモトル等のようなノイ
ズ成分の大きな濃度揺らぎを抽出し選択的に除去するこ
とによってノイズ成分を抑制しているので、ノイズモト
ル等のような大きく粗いノイズ成分を処理画像が含むこ
とは少なく(濃度揺らぎが小さい)、従って、濃度揺ら
ぎが均一化され、空間的にも細かいノイズにすることが
でき、視覚的にも自然なノイズの抑制を実現することが
できる。
【0069】また、本発明によると、ノイズが粒状であ
る場合、粒状は、濃淡の揺らぎの大きいものが減少する
とともに、空間的な揺らぎの集落である粒状モトルが除
去・抑制され、粒状パターンが微細化、均一化されるの
で、銀塩写真の感光材料では微粒子乳剤を用いた時に得
られるような細かい粒状となり、平滑化を用いた従来法
の欠点であるぼけ粒状のような視覚的な違和感や不快感
の無い自然な粒状抑制効果が得られる。また、本発明の
画像処理法を銀塩カラー写真感光材料に適用することに
より、従来の粒状抑制処理方法の欠点であった、いわゆ
る「ぼけ粒状」的な不自然さや違和感がなく、粒状が改
善され、極めて顕著な改善効果を得ることができ、産業
上大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像処理装置を組み込んだ、カ
ラー写真画像を読み取り、ノイズ抑制の画像処理を行
い、出力装置でカラー画像を出力するシステムの一実施
例を示すブロック図である。
【図2】 本発明に係る画像処理装置の、ノイズ抑制の
画像処理を行う画像処理部の一実施例を示すブロック図
である。
【図3】 本発明の画像処理方法の一実施例を示すブロ
ック図である。
【図4】 (a)〜(j)は、本発明の画像処理方法に
よって画像データが処理される一例を示す図である。
【符号の説明】
10 カラー画像再生システム 12 画像入力装置 14 画像処理装置 16 画像出力装置 18 色・調子処理部 20 ノイズ抑制画像処理部 22 画像モニタ・画像処理パラメータ設定部 26 平滑化処理部 28 エッジ・ノイズ混在成分抽出部 30 エッジ検出部 32 ノイズ領域重み係数演算部 34 ノイズ成分識別分離部 36 ノイズモトル抑制分布演算部 38 ノイズモトル抑制成分演算部 40 ノイズ抑制演算処理部 42 出力画像演算部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原画像データに平滑化処理を行って、平滑
    化画像データを作成し、 前記原画像データから前記平滑化画像データを減算し
    て、被写体画像のエッジとノイズとが混在する混在画像
    データを作成し、 前記原画像データからエッジ検出を行って被写体エッジ
    領域とノイズ領域を識別するためのエッジ強度データを
    求め、 このエッジ強度データからノイズ領域の度合いを示すノ
    イズ領域の重み付け係数を求め、 前記混在画像データに、前記ノイズ領域の重み付け係数
    を乗じて、ノイズデータを求め、 原画像データにおけるノイズ抑制の広がりを表すノイズ
    抑制分布関数を設定し、前記ノイズデータとこのノイズ
    抑制分布関数との畳み込み積分を行ってノイズ抑制分布
    を求め、 前記ノイズデータに前記ノイズ抑制分布を乗算すること
    によって、ノイズ抑制成分画像データを算出し、 前記原画像データから前記ノイズ抑制成分画像データを
    変倍して減算することによって、原画像データのノイズ
    領域におけるノイズ成分を選択的に抑制した画像を作成
    することを特徴とするデジタル画像のノイズ抑制のため
    の画像処理方法。
  2. 【請求項2】前記ノイズ抑制分布関数は、原画像の画素
    における、ノイズ抑制の広がりの中心位置において値が
    最大であり、この中心位置から離れるに従って値が小さ
    くなる単調減少関数である請求項1に記載の画像処理方
    法。
  3. 【請求項3】前記ノイズ抑制分布関数は、原画像の画素
    におけるノイズ抑制を及ぼす範囲において一定の値を持
    つ矩形関数である請求項1に記載の画像処理方法。
  4. 【請求項4】前記ノイズ抑制分布関数の、原画像の画素
    における前記ノイズ抑制を及ぼす範囲は、画素数で1以
    上15以下の範囲の領域である請求項2または3に記載
    の画像処理方法。
  5. 【請求項5】前記ノイズ抑制分布関数は、原画像の画素
    におけるノイズ抑制を及ぼす範囲の境界の位置とこの位
    置での値を定めることによって設定される請求項2〜4
    のいずれかに記載の画像処理方法。
  6. 【請求項6】前記ノイズ抑制分布関数は、rを原画像の
    画素におけるノイズ抑制の広がりの中心位置からの距
    離、aを原画像の画素におけるノイズ抑制の広がりの範
    囲を定める抑制範囲定数とするとき、下記式(1)〜
    (3)のいずれかで表される請求項5に記載の画像処理
    方法。 s(r)= exp(−r/a) (1) s(r)= exp(−r2 /a2 ) (2) s(r)= rect(r/a) (3) ここで、式(3)のrect(r/a)は、値が1の矩
    形関数である。
  7. 【請求項7】原画像データに平滑化処理を行って、平滑
    化画像データを作成する平滑化処理部と、 前記原画像データから前記平滑化処理部で作成した前記
    平滑化画像データを減算して、被写体画像のエッジとノ
    イズとが混在する混在画像データを作成するエッジ・ノ
    イズ混在成分抽出部と、 前記原画像データからエッジ検出を行って被写体エッジ
    領域とノイズ領域を識別するためのエッジ強度データを
    求めるエッジ検出部と、 このエッジ検出部で求めたエッジ強度データからノイズ
    領域の度合いを示すノイズ領域の重み付け係数を求める
    ノイズ領域重み係数演算部と、 前記エッジ・ノイズ混在成分抽出部で作成した前記混在
    画像データに、前記ノイズ領域重み係数演算部で求めた
    前記ノイズ領域の重み付け係数を乗じて、ノイズデータ
    を求めるノイズ成分識別分離部と、 前記原画像データにおけるノイズ抑制の広がりを表すノ
    イズ抑制分布関数を設定し、前記ノイズ成分識別分離部
    で求めた前記ノイズデータとこのノイズ抑制分布関数と
    の畳み込み積分を行ってノイズ抑制分布を求めるノイズ
    抑制分布演算部と、 このノイズ抑制分布演算部において求められた前記ノイ
    ズ抑制分布を前記ノイズ成分識別分離部で求めた前記ノ
    イズデータに乗算することによって、ノイズ抑制成分画
    像データを算出するノイズ抑制成分演算部と、 前記原画像データから前記ノイズ抑制成分演算部で算出
    した前記ノイズ抑制成分画像データを変倍して減算して
    処理画像データを求めるノイズ抑制演算処理部とを有す
    ることを特徴とするデジタル画像のノイズ抑制のための
    画像処理装置。
  8. 【請求項8】コンピュータに、 原画像データに平滑化処理を行って、平滑化画像データ
    を作成する手順と、 前記原画像データから前記平滑化画像データを減算し
    て、被写体画像のエッジとノイズとが混在する混在画像
    データを作成する手順と、 前記原画像データからエッジ検出を行って被写体エッジ
    領域とノイズ領域を識別するためのエッジ強度データを
    求める手順と、 前記エッジ強度データからノイズ領域の度合いを示すノ
    イズ領域の重み付け係数を求める手順と、 前記混在画像データに、前記ノイズ領域の重み付け係数
    を乗じて、ノイズデータを求める手順と、 原画像データにおけるノイズ抑制の広がりを表すノイズ
    抑制分布関数を設定し、前記ノイズデータとこのノイズ
    抑制分布関数との畳み込み積分を行ってノイズ抑制分布
    を求める手順と、 前記ノイズデータに前記ノイズ抑制分布を乗算すること
    によって、ノイズ抑制成分画像データを算出する手順
    と、 前記原画像データから前記ノイズ抑制成分画像データを
    変倍して減算する手順を実行させて、原画像データのノ
    イズ領域におけるノイズ成分を選択的に抑制した画像を
    作成することを特徴とするプログラムを記録したコンピ
    ュータが読み取り可能な記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7508982B2 (en) 2002-09-27 2009-03-24 Fujifilm Corporation Image processing apparatus, method, and storage medium for removing noise from stereoscopic image pair
JP2010516174A (ja) * 2007-01-16 2010-05-13 トムソン ライセンシング 画像中のアーチファクトを軽減するシステムおよび方法
CN111738932A (zh) * 2020-05-13 2020-10-02 合肥师范学院 一种车载摄像头拍照图像自动去雨方法

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