JP2000175046A - 画像処理方法および装置 - Google Patents

画像処理方法および装置

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JP2000175046A
JP2000175046A JP11276637A JP27663799A JP2000175046A JP 2000175046 A JP2000175046 A JP 2000175046A JP 11276637 A JP11276637 A JP 11276637A JP 27663799 A JP27663799 A JP 27663799A JP 2000175046 A JP2000175046 A JP 2000175046A
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JP11276637A
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Kimitoshi Nagao
公俊 長尾
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粒状除去領域とシャープネス強調領域の境界が
不連続になり画像に不自然なアーチファクトを生じさせ
ずに、粒状を抑制し、かつ画像シャープネスを強調する
処理を行うディジタル画像のノイズ抑制およびシャープ
ネス強調のための画像処理方法およびこれを実施する画
像処理装置を提供する。 【解決手段】原画像にシャープネス強調および平滑化を
行って被写体画像エッジとノイズとの混在画像データを
求め、原画像にエッジ検出を行ってノイズ領域の重み付
けデータを求め、これをエッジとノイズとの混在画像デ
ータに乗じてノイズ領域のノイズデータを各色毎に求
め、各色のノイズデータから、好ましくはそれらの色相
関を計算して得られた色相関成分に基づいて全色に共通
に存在する共通ノイズ成分と色依存ノイズ成分とを求
め、これらにそれぞれの抑制係数を乗じて、共通ノイズ
抑制成分と色依存ノイズ抑制成分とを求め、これらをシ
ャープネス強調画像から選択的に除去することにより、
上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル画像の
粒状などのノイズ(雑音)を抑制し、かつディジタル画
像のシャープネスを強調するディジタル画像のノイズ抑
制およびシャープネス強調のための画像処理方法および
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】銀塩写真等の画像を画像入力スキャナで
収録し、画像出力プリンタで出力するようなディジタル
画像では、スキャナとプリンタによる大幅なシャープネ
ス劣化があり、それを回復するために従来からラプラシ
アンフィルタやアンシャープマスク(USM)によるシ
ャープネス強調が行われている。しかし、画像のシャー
プネスが向上すると共に画像中の粒状やスキャナ等の電
気的なノイズ(雑音)などの画像ノイズも強調され、粒
状やノイズが悪化する副作用があり、得られた画像は視
覚的に不快感を与えるものとなるため、粒状やノイズの
悪化が許容される範囲内、すなわち、視覚的に不快感を
与えない範囲内で控え目なシャープネス強調しか行えな
いという欠点があった。
【0003】特に、撮影に用いる銀塩カラー写真感光材
料が発色したシアン、マゼンタ、イエローの色素の他に
未現像ハロゲン化銀粒子や現像銀粒子を含むもの、例え
ば本出願人に係る欧州特許(EPC)第800114A
号の実施例に記載された銀塩カラー写真感光材料である
場合には、上記従来技術によるシャープネス強調処理を
行ったり、色補正や階調修正等のデジタル画像処理演算
を行うと、画像に含まれる未現像ハロゲン化銀粒子や現
像銀粒子による粒状が強調され、画質が好ましくないも
のとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ディジタル
画像において、従来より、ノイズとなる粒状を除去して
シャープネスを強調する画像処理法としては幾つか提案
されているが、粒状を除去する方法として、粒状を平均
化したり、ぼかす方法を用いているため、ぼけた粒状パ
ターンが視覚的には不快に感じられたり、除去してはな
らない画像の微細構造を粒状と共に除去したり、不自然
な違和感のあるアーチファクトが生じる等の欠点を有し
ており、写真のような審美的な画像には適さないもので
あった。
【0005】例えば、上述した従来の粒状抑制・シャー
プネス強調画像処理方法では、シャープネスはアンシャ
ープマスクで強調し、粒状はぼかしたり、平滑化によっ
て抑制する手法を用い、原画像から粒状(ノイズ)信号
と輪郭信号を信号レベルで分離して、輪郭信号はシャー
プネス強調し、平滑領域は粒状抑制することにより、小
さい信号を粒状と見做して処理するので、粒状の信号レ
ベルと近い画像細部信号、すなわち、芝生や衣類のテク
スチャや頭髪等の画像信号が粒状と共に抑制され、画像
処理のアーティファクトとして視覚的に不快な画像とな
る欠点があるという問題があった。すなわち、このよう
な従来法では、粒状抑制の方法としてぼけや平均化を用
いており、ぼけた粒状パターンは粒状が良くなったかの
ように見えるが、逆にぼけて広がった粒状パターンが視
覚的には不快なパターンと認識され、特に、ポートレー
ト写真等の顔や肌、あるいは壁や空等の一様な被写体で
目立つという問題があった。
【0006】本発明は、上記従来技術の欠点を鑑みてな
されたものであって、写真、印刷、テレビジョン、電子
スチル写真、各種複写機等の画像において、特に、上記
のような未現像ハロゲン化銀粒子や現像銀粒子を含む写
真画像において、カメラによるぼけ、写真感光材料の粒
状やぼけ等の画像に固有のノイズ、すなわち雑音と鮮鋭
度(シャープネス)劣化、もしくはその原稿画像をスキ
ャナなどの画像入力装置でデジタル化する際に、上記の
ような欠点、すなわち、粒状が強調され、視覚的に不快
に見えるという欠点や、コントラストの低い画像信号が
粒状と誤認され、抑制あるいは除去されるという欠点
や、粒状除去領域とシャープネス強調領域の境界が不連
続になり画像に不自然なアーチファクトが見られるとい
う欠点を生じさせずに、粒状を抑制し、かつ画像シャー
プネスを強調する処理を行うディジタル画像のノイズ抑
制およびシャープネス強調のための画像処理方法および
これを実施する画像処理装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、先ず、原画像データにシャープネス強調
処理を行い、画像と共にこの画像中に含まれるノイズを
鮮鋭化したシャープネス強調画像データを作成し、前記
原画像データに平滑化処理を行って、平滑化画像データ
を作成し、前記シャープネス強調画像データからこの平
滑化画像データを減算して、シャープネス強調された被
写体画像のエッジと、同じくシャープネス強調されたノ
イズと、が混在する被写体画像エッジとノイズとの混在
画像データを作成し、次いで、前記原画像データからエ
ッジ検出を行って被写体エッジ領域とノイズ領域を識別
するためのエッジ領域の重み付けデータを求め、このエ
ッジ領域の重み付けデータからノイズ領域の重み付けデ
ータを求め、前記被写体画像エッジとノイズとの混在画
像データに、前記ノイズ領域の重み付けデータを乗じ
て、ノイズ領域のノイズデータを各色毎に求め、続い
て、この各色のノイズデータの色相関を計算し、得られ
た色相関成分に基づいて全色に共通に存在する黒白ノイ
ズ成分とカラーノイズ成分とを求め、こうして得られた
黒白ノイズ成分とカラーノイズ成分とにそれぞれの抑制
係数を乗じて、黒白ノイズ抑制成分とカラーノイズ抑制
成分とを求め、最後に、前記シャープネス強調画像デー
タから前記黒白ノイズ抑制成分と前記カラーノイズ抑制
成分とを選択的に除去することにより、ノイズが抑制さ
れ、画像エッジ領域におけるシャープネス強調が保持さ
れた処理画像を作成することを特徴とするディジタル画
像のノイズ抑制およびシャープネス強調のための画像処
理方法を提供するものである。
【0008】また、本発明は、原画像データにシャープ
ネス強調処理を行い、画像と共にこの画像中に含まれる
ノイズを鮮鋭化したシャープネス強調画像データを作成
し、前記原画像データに平滑化処理を行って、平滑化画
像データを作成し、前記シャープネス強調画像データか
らこの平滑化画像データを減算して、シャープネス強調
された被写体画像のエッジと、同じくシャープネス強調
されたノイズと、が混在する被写体画像エッジとノイズ
との混在画像データを作成し、前記原画像データからエ
ッジ検出を行って被写体エッジ領域とノイズ領域を識別
するためのエッジ領域の重み付けデータおよびノイズ領
域の重み付けデータを求め、前記被写体画像エッジとノ
イズとの混在画像データに、前記ノイズ領域の重み付け
データを乗じて、ノイズ領域のノイズデータを各色毎に
求め、この各色のノイズデータから黒白ノイズ成分とカ
ラーノイズ成分とを求め、こうして得られた黒白ノイズ
成分とカラーノイズ成分とにそれぞれの抑制係数を乗じ
て、黒白ノイズ抑制成分とカラーノイズ抑制成分とを求
め、前記シャープネス強調画像データから前記黒白ノイ
ズ抑制成分と前記カラーノイズ抑制成分とを選択的に除
去することにより、ノイズが抑制され、画像エッジ領域
におけるシャープネス強調が保持された処理画像を作成
することを特徴とするディジタル画像のノイズ抑制およ
びシャープネス強調のための画像処理方法を提供するも
のである。
【0009】ここで、前記黒白ノイズ成分と前記カラー
ノイズ成分とは、前記ノイズ領域の各色のノイズデータ
の色相関を計算し、得られた色相関成分に基づいて求め
られ、前記黒白ノイズ成分は、前記色相関成分に基づい
て全色に共通に存在する成分として求められ、前記カラ
ーノイズ成分は、前記色相関成分に基づいて各色毎に独
立に存在する成分として求められるのが好ましい。ま
た、前記ノイズ領域の重み付けデータは、前記エッジ領
域の重み付けデータから求められるのが好ましい。
【0010】また、本発明は、原画像データにシャープ
ネス強調処理を行い、画像と共にこの画像中に含まれる
ノイズを鮮鋭化したシャープネス強調画像データを作成
するシャープネス処理部と、前記原画像データに平滑化
処理を行って、平滑化画像データを作成する平滑化処理
部と、前記シャープネス強調画像データからこの平滑化
画像データを減算して、シャープネス強調された被写体
画像のエッジと、同じくシャープネス強調されたノイズ
と、が混在する被写体画像エッジとノイズとの混在画像
データを作成するエッジ・ノイズ混在成分抽出部と、前
記原画像データからエッジ検出を行って被写体エッジ領
域とノイズ領域を識別するためのエッジ領域の重み付け
データを求めるエッジ検出部と、このエッジ領域の重み
付けデータからノイズ領域の重み付けデータを求めるノ
イズ領域重み付け係数演算部と、前記被写体画像エッジ
とノイズとの混在画像データに、このノイズ領域の重み
付けデータを乗じてノイズ領域のノイズデータを各色毎
に求め、この各色のノイズデータの色相関を計算し、得
られた色相関成分に基づいて全色に共通に存在する黒白
ノイズ成分とカラーノイズ成分とを求め、得られた黒白
ノイズ成分とカラーノイズ成分とにそれぞれの抑制係数
を乗じて、黒白ノイズ抑制成分とカラーノイズ抑制成分
とを求めるノイズ成分識別処理部と、前記シャープネス
強調画像データから前記黒白ノイズ抑制成分と前記カラ
ーノイズ抑制成分とを選択的に除去することにより、ノ
イズが抑制され、画像エッジ領域におけるシャープネス
強調が保持された処理画像を作成する出力画像演算部と
を有することを特徴とするディジタル画像のノイズ抑制
およびシャープネス強調のための画像処理装置を提供す
るものである。
【0011】また、本発明は、原画像データにシャープ
ネス強調処理を行い、画像と共にこの画像中に含まれる
ノイズを鮮鋭化したシャープネス強調画像データを作成
するシャープネス処理部と、前記原画像データに平滑化
処理を行って、平滑化画像データを作成する平滑化処理
部と、前記シャープネス強調画像データからこの平滑化
画像データを減算して、シャープネス強調された被写体
画像のエッジと、同じくシャープネス強調されたノイズ
と、が混在する被写体画像エッジとノイズとの混在画像
データを作成するエッジ・ノイズ混在成分抽出部と、前
記原画像データからエッジ検出を行って被写体エッジ領
域とノイズ領域を識別するためのエッジ領域の重み付け
データを求めるエッジ検出部と、このエッジ領域の重み
付けデータからノイズ領域の重み付けデータを求めるノ
イズ領域重み付け係数演算部と、前記被写体画像エッジ
とノイズとの混在画像データに、このノイズ領域の重み
付けデータを乗じてノイズ領域のノイズデータを各色毎
に求め、この各色のノイズデータから黒白ノイズ成分と
カラーノイズ成分とを求め、得られた黒白ノイズ成分と
カラーノイズ成分とにそれぞれの抑制係数を乗じて、黒
白ノイズ抑制成分とカラーノイズ抑制成分とを求めるノ
イズ成分識別処理部と、前記シャープネス強調画像デー
タから前記黒白ノイズ抑制成分と前記カラーノイズ抑制
成分とを選択的に除去することにより、ノイズが抑制さ
れ、画像エッジ領域におけるシャープネス強調が保持さ
れた処理画像を作成する出力画像演算部とを有すること
を特徴とするを提供するものである。ここで、前記ノイ
ズ成分識別処理部は、前記ノイズ領域の各色のノイズデ
ータの色相関を計算し、得られた色相関成分に基づいて
全色に共通に存在する前記黒白ノイズ成分と前記カラー
ノイズ成分とを求めるものであるのが好ましい。
【0012】上記各態様において、前記ノイズは粒状を
含み、前記ノイズ領域は粒状領域であり、前記黒白ノイ
ズは黒白粒状であり、カラーノイズは色素粒状であるの
が好ましく、前記原画像データは銀塩カラー写真感光材
料に撮影された画像からスキャナ等の画像収録装置によ
り収録されたデジタル画像データであり、前記黒白粒状
は未現像ハロゲン化銀粒子および現像銀粒子の少なくと
も一方による粒状を含むのが好ましい。また、前記原画
像データは銀塩カラー写真感光材料に撮影された画像か
らスキャナ等の画像収録装置によって収録されたデジタ
ル画像データであり、前記黒白ノイズは前記未現像ハロ
ゲン化銀粒子および現像銀粒子の少なくとも一方による
黒白粒状に加え、さらに前記画像収録装置の固定パター
ンノイズを含むのが好ましい。また、前記原画像データ
はデジタルカメラ等のような画像撮影デバイスによって
直接撮影されたデジタル画像データであり、前記黒白ノ
イズは前記画像撮影デバイスの固定パターンノイズであ
り、カラーノイズは前記色相関の弱いノイズであるのが
好ましい。
【0013】また、前記エッジ検出は局所分散方式によ
るものが好ましく、前記シャープネス強調処理はガウシ
ャン型のアンシャープマスク処理であるのが好ましく、
また前記平滑化処理はガウシャン型のマスク処理である
のが好ましい。勿論、これらはガウシャン型に限られる
ものではなく、他のものでも良い。また、シャープネス
強調は、粒状抑制無しでは粒状がかなり目立っても、必
要十分に強く掛けるのが好ましい。
【0014】本発明においては、先ず、カラー原画像に
シャープネス強調処理を行い、画像を鮮鋭化すると共に
画像中に含まれるノイズ(粒状・雑音)を共に鮮鋭化し
ておき、画像のエッジ部と平坦部とを領域分割し、平坦
部をノイズ(粒状)領域と見做してノイズ(粒状)の信
号を検出する。次に、例えばR(赤)、G(緑)、B
(青)のノイズ(粒状)信号の色相関を計算し、色相関
が強ければ3色に共通して含まれる黒白ノイズ(黒白粒
状)と見做し、色相関が弱ければ各色に独立して含まれ
るカラーノイズ(色素粒状)と見做すことによって、両
者の識別を行う。識別した黒白ノイズ(黒白粒状)を3
色の鮮鋭化画像信号のノイズ(粒状)領域から選択的に
除去することにより、例えば、銀塩カラー写真感光材料
の未現像ハロゲン化銀粒子や現像銀粒子による黒白粒状
や画像入力装置(スキャナ等の画像収録装置やデジタル
カメラ等の撮像デバイス)の固定パターンノイズなどの
黒白ノイズ(黒白粒状)成分を除去することができる。
一方、残るカラーノイズ(色素粒状)については、例え
ばR,G,Bのそれそれの色毎にノイズ(粒状)抑制を
行う。
【0015】本発明の画像処理方法および装置に適用さ
れるノイズ(粒状)抑制法では、画像の被写体成分と同
時にノイズ(粒状)成分もシャープネス強調により微細
化されており、そのノイズ(粒状)成分をシャープネス
強調画像から差し引く方法でノイズ(粒状)を抑制する
ので、元のノイズ(粒状)より空間的に細かくかつ濃淡
変化の小さいノイズ(粒状)を実現することができる。
従って、ノイズ(粒状)は空間的に微細化されるので、
例えば、銀塩カラー写真感光材料で微粒子乳剤を用いた
時に得られるような細かい粒状(ノイズ)にすることが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に係るディジタル画像のノ
イズ抑制およびシャープネス強調のための画像処理方法
およびこれを実施する画像処理装置を添付の図面に示す
好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明に係る画像処理装置を組み
込んだ、カラー画像を読み取り、粒状抑制・シャープネ
ス強調の画像処理を行い、カラー画像を出力するカラー
画像再生システムのブロック図である。図2は、本発明
に係る画像処理方法を実施する画像処理装置の一実施例
のブロック図である。図3は、本発明の画像処理方法の
処理アルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
以下の説明では、ディジタル画像としてカラー写真画
像、カラー画像データとしてR(赤)、G(緑)および
B(青)の3色の色データを代表例として説明するが、
本発明はこれに限定されない。
【0018】図1に示すように、カラー画像再生システ
ム10は、カラー写真画像(カラーネガフィルム、カラ
ーリバーサルフィルムなどのフィルム画像などやディジ
タルカメラ等の撮影画像)などのカラー画像を読み取っ
てディジタル入力画像データを得る画像入力装置12
と、画像入力装置12から入力される入力画像データに
所要の画像処理とともに本発明のディジタル画像のノイ
ズ抑制およびシャープネス強調のための画像処理を施し
て、出力画像データI1 を得る画像処理装置14と、画
像処理装置14から出力される出力画像データI1 に基
づいてプリント画像などのカラー画像を出力する画像出
力装置16とを具備する。
【0019】画像入力装置12は、ディジタルカラー画
像データを作成して、画像処理装置14への入力画像デ
ータとして出力するためのもので、例えば、画像収録装
置、具体的には、カラー(またはモノクロ)ネガフィル
ムやカラー(またはモノクロ)リバーサルフィルムなど
のカラーフィルム画像をCCD素子などの撮像素子や撮
像デバイス等によって読み取ってディジタル画像データ
を作成するフィルムスキャナ装置、印刷物や反射プリン
ト画像などのカラー反射原稿画像を撮像素子によって読
み取ってディジタル画像データを作成する反射原稿用ス
キャナ装置や、画像撮影デバイス、具体的には、被写体
を撮像素子、撮像デバイス等で直接撮影してディジタル
画像データを作成するディジタルカメラや電子スチルカ
メラやビデオカメラ、もしくは、これらで作成されたデ
ィジタル画像データを格納した記録媒体、例えば、スマ
ートメディア、PCカードなどの半導体メモリーやF
D、Zipなどの磁気記録媒体やMO、MDなどの光磁
気記録媒体やCD−ROM、Photo−CDなどの光
記録媒体などをドライブしてディジタル画像データとし
て読み出すドライバ、これらのディジタル画像データを
読み込んでソフトコピー画像を表示するCRTモニタ、
液晶モニタなどの表示装置、および読み込んだもしくは
表示されたディジタル画像データを全体的にもしくは部
分的に画像処理する画像処理用PC、WSなどのコンピ
ュータなどを挙げることができる。
【0020】画像出力装置16は、最終処理画像データ
として画像処理装置14から出力される出力画像データ
に基づいて、カラー写真画像などのカラー入力画像が再
現されたカラー画像を出力するためのもので、反射プリ
ント画像や反射原稿画像などのカラーハードコピー画像
を出力するディジタルフォトプリンタや複写機や電子写
真、レーザプリンタ、インクジェット、熱昇華型、TA
などの種々の方式のディジタルカラープリンタなどの画
像出力装置、ソフトコピー画像として表示するTV、C
RTモニタ、液晶モニタ等の表示装置やPCやWSなど
のコンピュータなどを挙げることができる。
【0021】本発明の特徴とする画像処理装置14は、
画像入力装置12からの入力画像データの色および調子
(階調)を画像出力装置14に所望の色および調子再現
で出力するために調整処理して原画像データI0 を作成
する色・調子処理部18と、この色・調子処理部18に
よって処理された原画像データI0 に本発明の最も特徴
とする部分であって、本発明のディジタル画像のノイズ
抑制およびシャープネス強調のための画像処理方法を実
施して出力画像データI1 を作成する粒状抑制・シャー
プネス強調画像処理部20と、色および調子再現性が調
整された画像データに基づいて再生画像を表示する画像
モニタおよび種々の所要の画像処理や本発明の画像処理
を行うためのパラメータを設定する画像処理パラメータ
設定部からなる画像モニタ・画像処理パラメータ設定部
22とを有する。
【0022】ここで、色・調子処理部18は、画像入力
装置12から入力される入力画像データの色および調子
(階調)の再現性を画像出力装置16において適正に再
現されるように色変換または色補正(階調変換または補
正も含む)を行って、本発明の画像処理方法を実施する
ための原画像データI0 を作成するものであり、ここで
行われる処理としては、例えば、色(グレイ)変換や補
正、階調補正、濃度(明るさ)補正、彩度補正、倍率変
換、濃度ダイナミックレンジの圧縮・伸長などの種々の
処理を挙げることができる。
【0023】画像モニタ・画像処理パラメータ設定部2
2は、画像モニタおよび画像処理パラメータ設定部から
なり、画像モニタに画像入力装置12から入力された入
力画像データに基づいて入力画像を表示するとともに、
この画像モニタを用いて(例えばGUIなどによって)
入力画像データに色・調子処理部18および本発明の画
像処理方法を実施するための粒状抑制・シャープネス強
調画像処理部20で行う各種の画像処理のパラメータを
図示しないマウスやキーボードなどのデータ入力機によ
って設定するためのものである。ここで、設定されるパ
ラメータは、上述した各種の処理に用いられる補正係
数、変換係数、倍率などや後に詳細に説明する本発明の
画像処理方法を実施する上で必要となる様な係数などの
パラメータなどを挙げることができる。
【0024】本発明の画像処理方法を実施する粒状抑制
・シャープネス強調画像処理部(以下、単に本画像処理
部という)20は、色・調子処理部18で作成された原
画像データI0 に本発明の特徴とする粒状抑制・シャー
プネス強調画像処理を行って、画像出力装置16に出力
するための出力画像データである最終処理画像データI
1 を作成するためのものである。
【0025】ここで、本画像処理部20は、図2に示す
ように、原画像データI0 にシャープネス強調処理を行
って、画像とともにこの画像中に含まれる粒状あるいは
ノイズ(雑音)をも鮮鋭化されたシャープネス強調画像
データIS を作成するシャープネス強調処理部24と、
原画像データI0 に平滑化処理を行って、平滑化画像デ
ータIL を作成する平滑化処理部26と、シャープネス
強調画像データIS から平滑化画像データIL を減算し
て、共にシャープネス強調された被写体画像のエッジと
粒状とが混在する被写体画像エッジと粒状との混在画像
データΔIEGを作成するエッジ・粒状混在成分抽出部2
8と、原画像データI0 からエッジ検出を行って、被写
体エッジ領域と粒状領域とを識別するためのエッジ成分
0 を求めるエッジ検出部30と、このエッジ成分E0
から粒状領域の重み付けデータW G を求める粒状領域重
み付け係数演算部32と、エッジ・粒状混在成分抽出部
28で得られた混在画像データΔIEGにこの粒状領域の
重み付けデータWG を乗じて粒状領域の粒状データG0
をR,G,Bの各色毎に求め、このR,G,Bの粒状デ
ータG0 間の色相関を計算して得られた色相関成分C
RGB に基づいてR,G,Bの3色に共通に存在する黒白
粒状成分GAgとR,G,Bの3色に独立に存在する色素
粒状成分GDye とを識別して分離し、それぞれの成分に
それぞれの抑制係数αAgとαDye を乗じて黒白粒状抑制
成分G’Agと色素粒状抑制成分G’Dyeとを求める粒状
成分識別処理部34と、シャープネス強調処理部24で
作成されたシャープネス強調画像データIS から黒白粒
状抑制成分G’Agと色素粒状抑制成分G’Dye とを引き
算して選択的に除去し、画像出力装置16へ出力するた
めの出力画像データとして、最終処理画像データI1
作成する出力画像演算部36とを有する。
【0026】図2に示す粒状抑制・シャープネス強調画
像処理部20は、基本的に以上のように構成されるが、
以下に図3に示す本発明の画像処理方法の処理アルゴリ
ズムを示すフローチャートを参照しながら、本処理部2
0の作用および本発明の画像処理方法について詳細に説
明する。
【0027】本発明においては、図2および図3に示す
ように、各色、各画素毎に先ず、原画像I0 から、シャ
ープネス強調処理部24においてシャープネス強調画像
Sを、平滑化処理部26において平滑化画像IL を作
成し、エッジ・粒状混在成分抽出部28においてエッジ
と粒状(ノイズ)が混在した微細画像データΔIEGを抽
出する。一方、エッジ検出部30において原画像I0
ら画像中の被写体のエッジ成分E0 を検出し、粒状領域
重み付け係数演算部32においてエッジ成分E0 から粒
状領域の重み付けデータWG (x,y)を求める。
【0028】粒状成分識別処理部34において、先ず、
粒状領域重み付け係数演算部32で得られた粒状領域重
み付け係数データWG (x,y)を、先にエッジ・粒状
混在成分抽出部28で求めたエッジ・粒状混在微細画像
データΔIEG(x,y)に乗算し、粒状領域の粒状成分
0 を識別分離し、R,G,Bの各色毎に求める。この
粒状成分G0 には未現像のハロゲン化銀粒子や現像銀粒
子などの銀粒状からなる黒白粒状と色素粒状とが混在し
ている。次に、R,G,Bの粒状成分G0 から粒状の色
相関成分CRGB を計算し、これが主として上述した銀粒
状からなるR,G,Bの3原色に共通に存在する黒白粒
状を表わすと見做し、色相関成分CRGB に所定係数を乗
じたものをR,G,Bの粒状成分G0 に乗じて色相関の
ある、もしくは強い黒白粒状成分GAgを求める。一方、
粒状成分G0 から黒白粒状成分GAgを減算して、R,
G,Bの3色に独立に存在する色素粒状成分GDye を求
め、粒状成分G0 から黒白粒状成分GAgと色素粒状成分
Dye とを識別して分離する。続いて、黒白粒状成分G
Agと色素粒状成分GDye とにそれぞれの抑制係数αAg
αDye を乗じて黒白粒状抑制成分G’Agと色素粒状抑制
成分G’Dye とを求める。
【0029】最後に、出力画像演算部36において、シ
ャープネス強調処理部24で作成されたシャープネス強
調画像データIS から黒白粒状抑制成分G’Agと色素粒
状抑制成分G’Dye とを引き算して選択的に除去するこ
とによって、画像出力装置16へ出力するための出力画
像データとして、粒状が抑制され、画像エッジ領域にお
けるシャープネスが強調された最終処理画像I1 を得る
ことができる。
【0030】本発明の特徴は、 i)先ず、原画像からシャープネス強調画像と平滑化画
像とを作成し、エッジ・粒状混在の画像データを作成
し、 ii)そのエッジ・粒状混在画像データから、別途原画像
から局所的な分散等の方法により求めたエッジ像データ
から計算した粒状領域の重み係数を用いて、エッジ成分
と粒状成分を識別し、粒状成分を抽出し、 iii)エッジ成分から平坦領域の重み付け関数WG を求
める。WG を用いて画像のエッジ領域のシャープネス強
調を保持し、平坦領域は粒状抑制を行って、 IV)粒状を微粒子化手法で抑制し、画像エッジ(輪郭)
と粒状の領域を非線形変換で識別することにより、粒状
抑制処理とシャープネス強調処理をファジー(Fuzzy)に
配分した点である。すなわち、粒状領域とエッジ領域の
境界はon/off的なものではなく、両領域がオーバ
ーラップしていて、その比率が徐々に変わっていくよう
なものなので、境界が不自然に目立つことなく、極めて
自然なものとなる。
【0031】次に、本発明の画像処理方法の各工程につ
いて図3(および図2)を参照して簡単に説明する。 1)シャープネス強調工程(シャープネス強調処理部2
4による) アンシャープマスクUSMやガウシアン型アンシャープ
マスク(Gaussian USM)、あるいはラプラシアンフィ
ルタを用いて、原画像I0 に画像のぼけ回復とシャープ
ネス向上のための強調を行い、シャープネス強調画像I
S を求める。 2)エッジ・粒状混在成分の抽出工程(エッジ・粒状混
在成分抽出部28による) 例えば、原画像のn×nの平滑化マスクなどの平均化や
ぼけマスクを用いて原画像I0 の平滑化画像IL を作成
し(平滑化工程(平滑化処理部26による))、シャー
プネス強調画像IS からエッジ・粒状混在の微細画像デ
ータΔIEGを作成する。
【0032】3)エッジ領域と平坦領域の重み付け係数
の算出工程(粒状領域重み付け係数演算部32による) 局所的分散等のエッジ検出マスクを用いて原画像I0
ら画像被写体のエッジE0 検出し(エッジ検出(エッジ
検出部30による))、そのエッジ成分から抑制したい
粒状のある平坦(粒状)領域の重み付け関数WG を求め
る。
【0033】4)エッジと粒状の識別・分離工程(粒状
成分識別処理部34による) 先に求めたエッジ・粒状混在の微細画像データΔIEG
粒状領域の重み付け関数WG を乗じて、粒状成分G0
求める。 5)黒白粒状成分と色素粒状成分の識別・分離工程(粒
状成分識別処理部34による) R、G、Bの粒状成分G0 から粒状の色相関成分CRGB
を計算し、これが主として未現像ハロゲン化銀や現像銀
による黒白粒状成分GAgを表すものであると見做す。元
の粒状成分G0 から黒白粒状成分GAgを取り除いた残り
の成分を色素粒状成分GDye と見做す。 6)黒白粒状と色素粒状の抑制成分の算出工程(粒状成
分識別処理部34による) 黒白粒状成分GAgと色素粒状成分GDye にそれぞれの抑
制定数αAgとαDye を掛けたものを、それぞれ黒白粒状
抑制成分GAg ' と色素粒状抑制成分GDye ' とする。
【0034】7)シャープネス強調画像から黒白粒状と
色素粒状の抑制工程(最終処理画像の算出工程)(出力
画像演算部36による) シャープネス強調を行った画像IS から、粒状領域で求
めた黒白粒状抑制成分GAg ' と色素粒状抑制成分GDye
' を除算することにより、原画像I0 の被写体エッジ領
域はシャープネス強調され、粒状領域は粒状抑制された
最終の処理画像I1 を得る。 本発明においては、以上の画像処理を行うことによっ
て、画像のエッジ領域はシャープネス強調され、かつ平
坦領域は粒状抑制を行うことができる。本発明におい
て、粒状抑制の程度を決めるパラメータは、粒状・エッ
ジ成分の濃度変動ΔDの平方自乗平均(RMS)に基づ
いて自動設定することもできる。また、粒状・ノイズを
抑制し、かつシャープネスを強調する以上の本発明の画
像処理アルゴリズムを、ディジタル化された画像データ
に対して、コンピュータあるいは専用処理装置14を使
用して処理することができる。
【0035】本発明の画像処理方法および装置において
対象とする画像としては、特に制限的ではないが、銀塩
カラーフィルムなどの銀塩カラー写真感光材料を用いた
写真画像、ディジタルカメラによる写真画像、印刷、各
種複写機等のハードコピー画像のみならず、テレビジョ
ン、コンピュータのCRT、液晶などの表示装置に表示
されるソフトコピー画像であってもよい。また、以上の
説明では、これらの画像において抑制すべきノイズとし
て粒状を代表例として説明しているが、本発明はこれに
限定されず、写真感光材料の粒状等に起因する原稿画像
に固有のノイズ、もしくはこれらの原稿画像をスキャナ
等の画像入力装置で読み取ってディジタル画像化する際
に付加されるノイズ、あるいはビデオカメラや電子スチ
ルカメラやディジタルスチルカメラで撮影してディジタ
ル画像化する時に混入するノイズなど、画像再現におい
てざらついて見える抑制の対象となるノイズであればど
のようなものでもよい。また、以上の説明では、特に識
別・分離して抑制すべきノイズである粒状として、銀塩
カラー写真感光材料の未現像ハロゲン化銀粒子や現像銀
粒子などの銀粒状からなる黒白粒状と色素粒状とを挙げ
ているが、本発明はこれに限定されず、黒白粒状に基づ
くR,G,Bのランダムなノイズの他に、例えば画像入
力装置、具体的には、スキャナやディジタルカメラ等の
撮像素子(CCDやMOS型)や撮像デバイスなどの固
定パターンノイズやエイリアジングによるモアレ等の
R,G,Bの色相関を有するような、もしくは色相関の
強いノイズやアーチファクトであってもよい。
【0036】次に、本発明の画像処理方法の各工程につ
いて詳細に説明する。 1)まず、シャープネス強調工程について説明する。 ここで、画像のシャープネスを強調する方法としては、
アンシャープマスク(Unsharp masking, USM)またはラプ
ラシアン(Laplacian) が良く知られている。本発明にお
いても、これらを用いることにより、画像のシャープネ
ス劣化が軽度なものであれば、画像のシャープネスを強
調することができる。アンシャープマスクは、次式のよ
うに原画像I0(x,y)から、I0(x,y)を平均化あるいはぼ
かした画像<I0(x,y)>を引いて求めたエッジ強調成分
0(x,y)−<I0(x,y)>に係数aを掛けて原画像I0(x,
y)に加算することによって、シャープネス強調画像IS
(x,y) を求める方法である。 IS (x,y) =I0(x,y)+a〔I0(x,y)−<I0(x,y)>〕 (1) ここで、aはシャープネス強調の程度を調節する定数で
あり、x,yは、画像中の注目画素の位置を示す。
【0037】ラプラシアンは、画像I0(x,y)の二次微分
(ラプラシアン)▽2 0(x,y)を原画像から引くことに
よって、シャープネス強調する方法で、次式で表され
る。 IS (x,y) =I0(x,y)−▽2 0(x,y) (2) ラプラシアンによるシャープネス強調の具体的な例とし
ては、下記のような3×3の係数配列が良く用いられ
る。 0 −1 0 −1 −1 −1 1 −2 1 −1 5 −1 −1 9 −1 −2 5 −2 (3) 0 −1 0 −1 −1 −1 1 −2 1
【0038】この係数配列では、特に強いシャープネス
強調を掛けたときに、画像のエッジに不自然な輪郭が発
生し易い。そこで、そのような欠点を少なくするため
に、本発明では式(4)に示したような正規分布型(Gau
ssian)のぼけ関数を用いたアンシャープマスクを用いる
のが好ましい。 G(x,y)=(1/2πσ2)exp[−(x2 + y2)/2σ2] (4) ここで、σ2 は正規分布関数の広がりを表すパラメータ
であり、マスクの端x=x1 における値とマスクの中心
x=0における値の比、 G(x1,0)/G(0,0)=exp[−x1 2/2σ2] (5) が0.1〜1.0となるように調節することによって、
3×3のアンシャープマスクのシャープさを所望のもの
とすることができる。上記式(5)の値を1.0に近い
値にすると、式(3)の中央のラプラシアンフィルタと
ほぼ同じマスクを作ることができる。マスクのシャープ
さを変更するには、この他にマスクの大きさを変更する
方法があり、たとえば5×5、7×7、9×9等のマス
クを用いることによって、シャープネス強調の空間周波
数域の大幅な変更が可能となる。
【0039】また、マスクの関数形としても、上記の正
規分布型以外のもの、たとえば、下記式(6)のような
指数関数型のマスクを用いることができる。 E(x,y)=exp[−(x2 + y2)1/2/a] (6) ここで、aは上記式(4)のσ2 と同様にアンシャープ
マスクの広がりを表すパラメータであり、マスクの端の
値とマスクの中心値の比、 E(x1,0)/E(0,0)=exp[−x1/a] (7) が0.1〜1.0となるように調節することによって、
3×3のアンシャープマスクのシャープさを所望のもの
とすることができる。式(8)に、E(x1,0)/E(0,0)=
0.3としたときの式(6)の指数関数のマスクの数値例
を示す。 0.18 0.30 0.18 0.30 1.00 0.30 (8) 0.18 0.30 0.18 このマスクから、アンシャープマスクの1例を計算する
と、次式(9)のようになる。 −0.12 −0.22 −0.12 −0.21 2.32 −0.21 (9) −0.12 −0.21 −0.12
【0040】このようなアンシャープマスクを用いて、
原画像I0(x,y)からシャープネス強調画像IS (x,y)を
求めることができる。なお、本発明に用いられるアンシ
ャープマスクおよびシャープネス強調方法は、上述した
ものに限定されるわけではなく、この他の従来公知のア
ンシャープマスクや空間周波数フィルタリング等による
シャープネス強調方法を適用可能なことはもちろんであ
る。
【0041】2)次に平滑化工程について説明する。 平滑化を行う方法としては、実空間領域の処理と空間周
波数領域の処理を挙げることができる。実空間領域処理
では、隣接する画素全体の和を求め平均値を計算してそ
の値に置き換える方法、各画素に重み係数、たとえば正
規分布型の関数を掛けて平均値を求める方法、メディア
ンフィルタのような非線型な処理を行う方法等の種々の
方法がある。一方、空間周波数領域の処理では、ローパ
スフィルタを掛ける方法がある。たとえば、重み係数を
用いる平均化の方法では下記式(10)を挙げることが
できる。
【0042】
【数1】
【0043】ただし、nは平均化のマスクサイズであ
る。本発明では、実空間領域処理の中で、正規分布型の
重み係数を掛けて平均値を求める方法を用いることにす
るが、これに限定されない。この時、処理のマスクとし
ては、下記のようなn×n画素のマスクを用いるのが好
ましい。具体的には3×3から5×5、7×7、9×9
程度のものを用いるのが好ましい。 w11 w12 w13・・・・・ w1n w21 w22 w23・・・・・ w2n w31 w32 w33・・・・・ w3n ・ ・ ・ ・ (11) ・ ・ ・ ・ wn1 wn2 wn3・・・・・ wnn
【0044】式(12)に9×9画素のマスクの一例を
示す。この式(12)では中心の値を1.0に正規化し
た値で示しているが、実際の処理ではマスク全体の和が
1.0になるようにする。 0.09 0.15 0.22 0.28 0.30 0.28 0.22 0.15 0.09 0.15 0.26 0.38 0.47 0.51 0.47 0.38 0.26 0.15 0.22 0.38 0.55 0.69 0.74 0.69 0.55 0.38 0.22 0.28 0.47 0.69 0.86 0.93 0.86 0.69 0.47 0.28 0.30 0.51 0.74 0.93 1.00 0.93 0.74 0.51 0.30 (12) 0.28 0.47 0.69 0.86 0.93 0.86 0.69 0.47 0.28 0.22 0.38 0.55 0.69 0.74 0.69 0.55 0.38 0.22 0.15 0.26 0.38 0.47 0.51 0.47 0.38 0.26 0.15 0.09 0.15 0.22 0.28 0.30 0.28 0.22 0.15 0.09
【0045】このようなマスクを用いて、原画像I0(x,
y)から平滑化画像IL (x,y)を求めることができる。な
お、本発明に用いられる平滑化方法としては、上述した
種々の方法に限定されるわけではなく、従来公知の平滑
化方法はいずれも適用可能なことはいうまでもない。
【0046】3)次いで、粒状とエッジの混在成分の抽
出工程について説明する。 こうして得られたシャープネス強調画像IS (x,y)と平
滑画像IL (x,y) から両者の差、すなわち下記式(1
3)を計算し、粒状とエッジとの混在成分ΔIEG(x,y)
として抽出する。 ΔIEG(x,y)=IS (x,y) −IL (x,y) (13)
【0047】4)エッジ検出工程について説明する。 ここでは、一例として局所分散方式によるエッジ検出を
代表例として説明するが、本発明はこれに限定される訳
ではない。
【0048】前処理:濃度変換 エッジ検出を行う際に、先ず、R,G,Bで相関の無い
粒状やノイズを減少させ、エッジ検出の精度を向上させ
るため、原画像I0(x,y)のR,G,Bの3色の濃度値D
R ,DG ,DB を視覚濃度(Visual density)DV に変換
する。変換式は式(14)に示したように、R,G,B
の3色の濃度値DR ,DG ,DB に重み係数r,g,b
を掛けて視覚濃度(Visual density)DV に変換するもの
である。 DV =(rDR +gDG +bDB )/(r+g+b) (14) 重み係数としては、例えば、r:g:b=4:5:1の
ような値を用いる。この変換を行うのは、R,G,Bで
相関の無い粒状やノイズを減少させ、エッジ検出の精度
を向上させるためである。前処理の配列の大きさは範囲
は5×5、あるいは7×7画素程度のものを用いるのが
よいが、それは、次の処理で配列内の画像濃度の変動
を、配列内で小さい配列、例えば、3×3程度の配列を
用いて、移動しながら計算するためである。
【0049】なお、エッジ検出における重み係数r,
g,bは以下のようにして求めることができる。重み係
数については、視覚で観察したときに目立つ(これは、
分光的な視感度分布に対応するという見方もあるが)、
すなわち寄与の大きい色の画像データの重み係数が大き
いという考えに基づいて最適な値に設定するのが好まし
い。一般には、視覚評価実験等に基づいて経験的な重み
係数が求められており、下記のような値が一般的な知見
として知られている(公知文献としては、野口高史、
「心理対応の良い粒状評価法)、日本写真学会誌,57
(6),415(1994)があり、色によって異なる
が、下記の比に近い数値が示されている)。 r:g:b=3:6:1 r:g:b=4:5:1 r:g:b=2:7:1 ここで、係数の比r:g:bとして好ましい値の範囲を
規定するとすれば、r+g+b=10.0でbを1.0
としたときに、gの値として、 g=5.0〜7.0 の範囲の値が好ましい。ただし、r=10.0−b−g
である。
【0050】局所分散によるエッジ検出 エッジの検出は、上記視覚濃度DV の画像データからN
E ×NE 画素の配列を移動しつつ、配列内の画像濃度変
動を式(15)を用いて、その位置毎の局所的な標準偏
差σを順次局所分散として計算することによって、画像
中の被写体エッジの検出を行う。画素配列の大きさ(N
E ×NE )は、検出精度および計算負荷を考慮して適宜
決めればよいが、例えば3×3、あるいは5×5程度の
大きさを用いるのが好ましい。
【0051】
【数2】 ただし、Dijは局所分散を計算するNE ×NE の画素配
列の濃度で、<D>はその配列の平均濃度で、下記式
(16)のように表される。
【0052】
【数3】
【0053】5)次に、エッジ検出による粒状領域とエ
ッジ領域の重み付け係数の算出工程について説明する。 上記式(15)および(16)に示す局所分散σ(x,y)
から、下記式(17)および(18)のように非線形変
換(ルックアップテーブル(LUT)変換)を行って、
エッジ領域および粒状領域の重み付け係数(データ)W
E (x,y) およびWG (x,y) を求める。ただし、σ(x,y)
=σijである。 WE (x,y) =L{σ(x,y) } (17) WG (x,y) =1−WE (x,y) (18) ここで、上記式(17)に示すLUT変換L{σ(x,y)
}は、下記式(19)で表すことができる。 L{σ(x,y) }=1− exp [−σ(x,y)/aE ] (19) ただし、aE は局所分散σ(x,y)の値を重み付けW
E (x,y) に変換する際の係数で、WE =0.5に割り付
けるσ(x,y)の閾値σT とすると、 aE =−σT / loge (0.5) である。σT の値は、粒状と被写体輪郭の信号の大きさ
によって適切な値にする必要があるが、各色8bit
(256階調)のカラー画像では10〜100の範囲の
値が好ましい。なお、このように非線形変換を、LUT
(Look up table) として作成しておくと、変換に要する
計算時間を短縮することができるので好ましい。
【0054】エッジ領域の重み付けWE (x,y) を求める
ための非線形変換式L{σ(x,y) }としては、上記式に
限定されるものではなく、他の式を用いることもでき
る。たとえば、下記式(20)のようなガウシャン型の
関数を用いても良い。 L{σ(x,y) }=1− exp{− [σ(x,y)]2 /aE1 2 } (20) ただし、aE1はσ(x,y) からWE (x,y) に変換する際の
係数で、WE =0.5に割り付けるσ(x,y) の閾値をσ
T とすると、 aE1 2 =−σT 2 / loge (0.5) である。σT の値は、各色8bit(256階調)のカ
ラー画像では10〜100の範囲の値が好ましい。な
お、上述の局所分散方式のエッジ検出法では、局所分散
σ(x,y) を計算し、非線形変換によって、エッジ領域の
重み付け係数WE を直接求めているが、本発明はこれに
限定されず、得られた局所分散σ(x,y) からエッジ領域
の重み付け係数WE を求めてもよい。
【0055】ところで、本発明においてエッジ検出法と
しては、上記局所分散方式のエッジ検出法に限定される
わけではなく、他のエッジ検出法も利用可能である。上
記局所分散方式以外のエッジ検出法には、一次微分や二
次微分に基づく方法があり、それぞれに、更に幾つかの
方法がある。まず、空間的な一次微分に基づく方法とし
ては、下記の2つのオペレータがある。差分型エッジ抽
出オペレータとして、 Prewittのオペレータ、 Sobelの
オペレータ、 Robertsのオペレータなどがある。 Rober
tsのオペレータは下記式(21)で表わすことができ
る。 g(i,j)={[f(i,j) - f(i+l,j+l)]2+[f(i+l,j) - f(i,j+l)]21/2 (21) テンプレート型オペレータとして、8方向のエッジパタ
ーンに相当する3×3テンプレートを用いる Robinson
のオペレータや Kirshのオペレータがある。次に、空間
的な二次微分に基づく方法としては、ラプラシアンを用
いた方法がある。この場合、雑音を強調してしまうの
で、先ず正規分布型のぼかし処理をしてからエッジ検出
する方法が良く用いられる。
【0056】次に、粒状とエッジの識別・分離工程にお
ける粒状とエッジの重み付けについて説明する。ここで
は、粒状成分とエッジ成分を識別し、分離するには、粒
状とエッジの特徴を利用する。先ず、空間的な領域で
は、粒状はフィルム全体すなわち画像全体にあるが、被
写体の輪郭やエッジの部分よりも平坦な部分で目立つ。
一方、エッジは画像中の主として被写体の輪郭部分と被
写体表面の微細構造のある部分にある。また、濃度領域
では、粒状は主として撮影に用いた写真感光材料の粒状
で構成されているので、濃度差は小さいものが多いが、
エッジは被写体のコントラストに依存しており、画像に
よって大きく異なるが、濃度差は微小なものから非常に
大きいものまで変化に富んだものとなっている。
【0057】6)次に、粒状とエッジの識別・分離工程
について説明する。 粒状とエッジを識別・分離するために、先ず両者の空間
的な特徴を利用して、粒状とエッジの領域分割を行う。
原画像から検出した被写体のエッジを用いて求めた粒状
領域の重み付け係数WG (x,y) を、粒状とエッジの混在
画像データ(濃度変動値)ΔIEG(x,y) に乗算すること
によって、エッジ領域ではエッジ情報を減少させ、粒状
領域における粒状情報の比率の高い粒状成分G0 (x,y)
を得ることができる。 G0 (x,y) =WG (x,y) ×ΔIEG(x,y) (22) 図4(a),(b)および(c)に、それぞれ本工程に
おいて、粒状とエッジの混在画像データΔIEG(x,y) か
ら識別・分離して得られた銀塩フィルムの画像(正確に
は、シャープネス強調画像)のR,G,Bの粒状成分の
2次元濃度プロファイルG0R(x,y) , G0G(x,y) ,G0B
(x,y) の一例をx方向の濃度プロファイルで模式的に示
す。なお、これらの粒状成分には、未現像ハロゲン化銀
粒子や現像銀粒子による黒白粒状成分と色素雲による色
素(カラー)粒状とが混在している。同図から明らかな
ように、R,G,Bの粒状成分の濃度プロファイルG0R
(x,y) , G0G(x,y) ,G0B(x,y) に、銀粒状に基づく同
様なノイズが、3箇所R,G,B共通に存在することが
わかる。
【0058】なお、本発明においては、濃度領域での特
徴を利用して、粒状とエッジの画像情報の分離を行って
もよい。すなわち、濃度差ΔD(x,y) の小さい信号は主
として粒状成分で、エッジ信号も幾分混在し、濃度差の
大きい信号は主としてエッジ成分で、濃度差の大きめの
粒状成分が混在しているので、濃度差の大小を用いて粒
状とエッジの分離を行うことができる。粒状成分G
0 (x,y) の分離は、下記の式(23)で表す非線形変換
のLUTを用いて行うことができる。 G0 (x,y) =LUT(ΔD(x,y) ) (23) ただし、LUTは LUT (ΔD)=ΔD× exp [−(ΔD)2/aG 2] (24) で、aG 2 は粒状の濃度変動の閾値GT から決まる定数
で、 aG 2 =−GT 2/ loge (1/2) である。
【0059】ここで、粒状の濃度変動の閾値GT は、粒
状とエッジの混在画像データΔIEG(x,y) の中で、この
値以下の濃度変動は粒状であると見做すものであるが、
式(24)から容易に判るように、この閾値を境にon
/off的に分離するのではなく、濃度変動が大きくな
るにつれて徐々に小さくなるLUT形状に従って、分離
する粒状が減少していくようにしている。従って、粒状
と共にエッジも混入するが、その割合も徐々に減少す
る。このような非線型変換LUTを非線型変換関数NL
Gとして表わし、上記式(23)および(24)を参照
することにより、粒状成分G0(x,y)を、上記式(22)
の代わりに、下記式(25)として表わすこともでき
る。 G0(x,y)=NLG{ΔIEG(x,y) ×WG (x,y) } (25)
【0060】ところで、粒状の識別閾値GT の値は、処
理する画像の粒状やノイズの大きさとシャープネス強調
処理の程度によって、最適な値を選択するのが好まし
い。粒状の識別は、シャープネス強調処理を行った画像
で行うので、その粒状は元の画像の粒状がシャープネス
強調処理でシャープになり、かつ濃度変動が大きくなっ
た粒状である。したがって、粒状抑制処理を行う際に、
周辺のn×n画素の濃度変動を参照して、シャープネス
強調処理後の粒状の大きさをRMS粒状度σ等の物理値
で表し、それに基づいて粒状の識別閾値GT を決めるこ
とになる。以下に、その決定方法について説明する。
【0061】カラー写真感光材料の粒状は、通常、マイ
クロデンシトメータを用いて、48μφの測定開口を用
いてRMS粒状度で測定されており、一般的あるいは典
型的なカラーネガフィルム、例えばSuper G ACE 100, 2
00, 400, 800(いずれも富士写真フイルム社製)などで
は4〜5の値(RMS粒状度σ48を1000倍した値で
表示したもの)となっている。このフィルムを開口面積
Aでスキャニングすることによってディジタル化する
と、その開口面積でのフィルムの粒状度σscは、良く知
られたSelwynの粒状度の式S=σ√Aを用いて、上記4
8μφの開口で測定したRMS粒状度σ48から次式(2
6)で換算することができる。 σsc=σ48√A48/√Asc (26) ここで、A48は48μφの開口の面積である。たとえ
ば、フィルムの粒状度が4で、ディジタル化のスキャニ
ング開口を12μφ(開口面積はA12)とすると、 σsc=σ48√A48/√A12=0.016 (27) となる。ただし、いずれの場合も光学系とスキャニング
開口によるぼけは同じとする。
【0062】シャープネス強調を行ったときに粒状度σ
scがp倍に大きくなったとすると、 σsc’=pσsc (28) となる。粒状の識別閾値GT の値は、処理すべき画像の
粒状度に比例する値、すなわちGT =kG σsc’が好ま
しい。ただし、kG は定数で、1.0〜3.0の値が好
ましい。GT の値をσより大きくすればするほど粒状は
より完全に識別できるようになる反面、粒状の濃度変動
に近い低コントラストの被写体情報が粒状として誤認さ
れる確率が高まる。逆にσより小さくすると被写体情報
は誤認されにくくなるが、粒状の中で濃度変動の大きい
粒状が捕らえられなくなってしまい、画像の中に粗い粒
状が残ることになる。
【0063】7)黒白(銀)粒状成分と色素粒状成分の
識別・分離工程について説明する。 ハロゲン化銀粒子や現像銀粒子による黒白の粒状成分
は、銀像の分光濃度分布がほぼ平坦であるため、フィル
ムをスキャナで走査する際にR,G,Bの各色の粒状成
分に共通に含まれている。一方、色素による粒状を構成
している色素雲が、銀塩フィルムのR,G,Bの各乳剤
層でほぼ独立に生成されるため、粒状パターンもほぼ独
立と見做せる。従って、画像データを局所的に見て、銀
粒状はR,G,Bの相関が大きくまたは強く(色相関が
あり)、色素粒状は相関が小さいまたは弱い(色相関が
無い)ことを利用して両者の識別を行う。エッジと粒状
の識別・分離工程で式(22)によって得られたR,
G,Bの粒状成分G0i(x,y) (ただし、i=R,G,
B)から色相関成分CRGB (x,y) を計算し、色相関が強
ければ3色に共通して含まれている黒白粒状と見做し、
色相関が弱ければ各色に独立に含まれている色素雲によ
る色素粒状と見做すことによって、黒白粒状と色素粒状
の識別を行う。色相関を計算するには、下記式(29)
に示すように、先ず、各色毎に画素(x,y) を中心とする
n×n画素の粒状成分(データ)G0i(x,y) の平均値<
0i(x,y) >を求める。次に、各色における平均値<G
0i(x,y) >と粒状データG0i(x,y) との差から変動値Δ
0i(x,y) を求め、その変動値の総和を局所的な色相関
成分CRGB (x,y) とする。
【0064】
【数4】
【0065】図5に、本工程において、図4(a),
(b)および(c)に示すR,G,Bの粒状成分の2次
元濃度プロファイルG0R(x,y) , G0G(x,y) ,G0B(x,
y) から得られた銀塩フィルムの画像におけるRGBの
色相関成分の2次元濃度プロファイルCRGB (x,y) の一
例をx方向の濃度プロファイルで模式的に示す。同図か
ら明らかなように、この色相関成分の2次元濃度プロフ
ァイルCRGB (x,y) には、R,G,B共通に存在する黒
白粒状成分が、3箇所で色相関があるまたは強い部分と
して抽出されていることがわかる。
【0066】こうして得られた粒状の色相関成分CRGB
(x,y) を定数Cmax で正規化した上で、R,G,Bの粒
状成分G0i(x,y) に掛けたものを、未現像ハロゲン化銀
や現像銀による黒白粒状成分GAgi (x,y) と見做す(下
記式(30))。ここで、この定数Cmax の値は、画像
全体のCRGB (x,y) の最大値としても良く、あるいは平
均値の定数倍(たとえば2倍)としても良く、また、画
像に含まれるハロゲン化銀粒子と現像銀の量、原画像の
粒状の粗さ、およびシャープネス強調の強さに基づいて
値を設定しても良い。画像データがR,G,B各色8b
itならば、10〜100の範囲に入る値が好ましい。 GAgi (x,y) ={CRGB (x,y) /Cmax }×G0i(x,y) (30)
【0067】ここで、未現像ハロゲン化銀や現像銀によ
る黒白粒状成分GAgi (x,y) には、R,G,B共通に存
在する黒白粒状成分G0Ag (x,y) の他に、各色毎に異な
る未現像ハロゲン化銀や現像銀による黒白(銀)粒状成
分をも共存している。しかしながら、図4(a),
(b)、(c)および図5から明らかなように、元々、
色相関成分CRGB (x,y) 自体が、R,G,Bの粒状成分
0R(x,y) , G0G(x,y) ,G0B(x,y) から相関の強い部
分で大きな値を持ち、相関ない部分では小さい値を持
ち、略0と見做せる値となる特性を持つ。このため、黒
白粒状成分GAgi (x,y) は、RGB各色毎のバラツキは
小さく、R,G,B共通に存在する黒白粒状成分G0Ag
(x,y) と見做すことができ、G0Ag (x,y) ≒GAg R(x,
y) ≒GAg G(x,y) ≒GAg B(x,y) ≒GAgi (x,y) と表
すことができる。
【0068】さらに、詳細に説明すると、RGBの粒状
成分G0i(x,y) は、RGB共通に存在する黒白粒状成分
0Ag (x,y) とRGB毎の色素粒状成分G0Dyei (x,y)
とからなり、下記式(31a)で表される。 G0i(x,y) =G0Ag (x,y) +G0Dyei (x,y) (31a) ここで、特に、黒白粒状成分の大きいところでは、G
0Ag (x,y) ≫G0Dyei (x,y) であり、色相関係数CRGB
(x,y) が大きく、 G0i(x,y) ≒G0Ag (x,y) (31b) と近似でき、RGB共通と見做すことができる。この
時、CRGB (x,y) /Cmax≒1と近似できるので、従っ
て、上記式(30)のGAgi (x,y) は、G0Ag (x,y) と
見做すことができ、RGB共通と見做すことができる。
また、上記式(31a)において、黒白粒状成分の小さ
いところでは、G0Ag(x,y) ≪G0Dyei (x,y) であり、 G0i(x,y) ≒G0Dyei (x,y) (31c) と近似でき、RGBの色素粒状成分が支配的になるが、
色相関係数CRGB (x,y)が小さいので、上記式(30)
のGAgi (x,y) は、小さい値となり、例えばこの時、C
RGB (x,y) /Cmax ≒0と近似できるので、GAgi (x,
y) も、G0Ag (x,y) も0と見做すことができ、RGB
共通に0と見做すことができる。
【0069】なお、以上の説明では、RGB共通に存在
する黒白粒状成分をG0Ag (x,y) 、RGB毎の色素粒状
成分をG0Dyei (x,y) 、未現像ハロゲン化銀や現像銀に
よる黒白粒状成分をGAgi (x,y) と厳密に表現している
が、上記式(30)で得られる黒白粒状成分GAgi (x,
y) は、RGB共通に存在する黒白粒状成分G0Ag (x,y)
と見做すことができるので、以下の説明では、これら
を黒白粒状成分GAg(x,y) として表現する。もちろん、
黒白粒状成分GAg(x,y) としては、上記式(30)で得
られる黒白粒状成分GAgi (x,y) のいずれか1つ、また
はGAgi (x,y) (i=R,G,B)の平均値を用いても
よい。
【0070】一方、色素粒状成分GDyei(x,y) 、(ただ
し、iはR,G,B)は、下記式(31)のように、各
色毎に粒状成分G0(x,y)から黒白粒状成分GAg(x,y) を
引くことによって求める。 GDyei(x,y) =G0i(x,y) −GAg(x,y) (31)
【0071】図6ならびに図7(a),(b)および
(c)に、本工程において、図5のRGBの色相関成分
の2次元濃度プロファイルCRGB (x,y) を用いて、図4
(a),(b)および(c)に示すR,G,Bの粒状成
分の2次元濃度プロファイルG 0R(x,y) , G0G(x,y) お
よびG0B(x,y) から識別・分離された銀塩フィルムの画
像における未現像ハロゲン化銀粒子や現像銀粒子などの
銀粒状による黒白粒状成分の2次元濃度プロファイルG
Ag(x,y) ならびに色素雲による色素粒状成分の2次元濃
度プロファイルGDyeR(x,y) ,GDyeG(x,y) およびG
DyeB(x,y) の各々の一例をx方向の濃度プロファイルで
それぞれ模式的に示す。なお、図6では、黒白粒状成分
Agi (x,y) が各色でほとんど同じであるので、代表と
して1つの濃度プロファイルのみを示す。これらの図か
ら明らかなように、黒白粒状成分の2次元濃度プロファ
イルGAg(x,y) には、3箇所のR,G,B共通に存在す
る黒白の銀粒状成分が抽出され、色素粒状成分の2次元
濃度プロファイルGDyeR(x,y) ,GDyeG(x,y) およびG
Dy eB(x,y) には色相関のないまたは弱い部分のみが抽出
されていることがわかる。以下の説明では、表現を単純
化するために、特に区別の必要がある時を除いて、添字
i(=R,G,B)を省略して示す。
【0072】8)黒白粒状と色素粒状の抑制成分の算出
工程について説明する。 上記式(30)によって得られた黒白粒状成分GAg(x,
y) に抑制定数αAgを乗じたものを黒白粒状抑制成分G
Ag(x,y)'とし、一方、上記式(31)によって得られた
色素粒状成分GDye (x,y) に抑制定数αDye を乗じたも
のを色素粒状抑制成分GDye (x,y)'とする。 GAg(x,y)'=αAg×GAg(x,y) GDye (x,y)'=αDye ×GDye (x,y) (32)
【0073】9)最後に、シャープネス強調画像からの
粒状抑制工程(粒状抑制・シャープネス強調の最終処理
画像の作成工程)について説明する。 シャープネス強調工程において式(1)で求めたシャー
プネス強調画像IS (x,y) データから、黒白粒状抑制成
分GAg(x,y)'と色素粒状抑制成分GDye (x,y)'を差し引
いて、シャープネス強調画像IS の粒状領域から黒白お
よび色素粒状抑制成分を選択的に除去することにより、
粒状が抑制されたシャープネス強調画像を得ることがで
きる。 I1 (x,y) =IS (x,y) −GAg(x,y)'−GDye (x,y)' (33) こうして、原画像I0(x,y)から粒状などのノイズが抑制
されかつ十分にシャープネスが強調された最終処理画像
1(x,y)を得ることができる。本発明の画像処理方法お
よびこれを実施する画像処理装置は基本的に以上のよう
に構成される。
【0074】本発明のディジタル画像のノイズ抑制およ
びシャープネス強調のための画像処理方法および装置を
種々の原画像に対して具体的に実施した。まず、欧州特
許第800,114A号の実施例1〜5に記載されてい
る感光材料を用い、同実施例に記載の画像形成方法によ
って画像形成を行う際に、その画像処理において、図1
および図2に示す本発明の画像処理装置を追加し、図3
に示す本発明の粒状抑制・シャープネス強調の画像処理
方法を実施したところ、同様に粒状が抑制され、且つシ
ャープネスが大幅に向上した画像が得られた。
【0075】本発明の画像処理方法を、未現像ハロゲン
化銀粒子や現像銀粒子の無い通常の主な銀塩カラー写真
感光材料、すなわち、すなわち、カラーネガフィルムお
よびカラーリバーサルフィルムに撮影した写真画像(3
5mm、ブローニー、新写真システムAPS、レンズ付
フィルム(LF)、インスタント)などに適用したとこ
ろ、粒状とシャープネス共に一見して判る程の顕著な改
善効果を得ることができた。特に粒状については銀塩カ
ラー写真感光材料の微粒子化による粒状改良に匹敵する
処理効果を持つため、従来の平均化や揺らぎの減少に基
づく各種の粒状除去処理法の欠点であった「ぼけ粒状」
的な不自然さや違和感がない。また、シャープネスにつ
いては、上記の粒状抑制と組み合わせることにより、従
来のアンシャープマスクやラプラシアンフィルタよりか
なり大幅な強調効果を得ることができる。
【0076】なお、上述した例では、シャープネス強調
画像からエッジ領域と識別・分離された平坦領域を粒状
領域あるいはノイズ領域と見做し、この平坦領域である
ノイズ領域に存在するノイズ成分をR,G,Bの粒状成
分に共通に存在する色相関のある(強い)銀粒状などに
よる黒白粒状成分などの黒白ノイズ成分と、色相関の無
い(弱い)色素雲などによる色素粒状成分などのカラー
ノイズ成分とに識別して分離し、これらをそれぞれ選択
的に抑制しているが、エッジ領域においては、粒状抑制
などのノイズ抑制を行っていないが、本発明はこれに限
定されず、エッジ領域においても、画像エッジに重畳さ
れたノイズ成分を黒白ノイズ成分とカラーノイズ成分と
に識別・分離して、これらをそれぞれ選択的に抑制して
もよい。しかしながら、平坦領域と異なり、エッジ領域
のエッジ像は、色相関が強いため、エッジ領域では、未
現像ハロゲン化銀粒子や現像銀粒子からなる銀粒状など
による黒白粒状成分などの黒白ノイズ成分と色素雲など
による色素粒状成分などのカラーノイズ成分とを識別す
るのが困難である。
【0077】また、銀塩カラー写真感光材料における画
像においては、エッジ領域の銀エッジ像は、同時に粒状
も形成しているが、色素エッジ像と共に主として画像を
形成しているので、銀粒状ほど抑制する必要はない場合
が多い。むしろ、エッジ領域の銀エッジ像は、印刷画像
の墨版のように画像エッジや輪郭を際立たせる効果を発
揮する場合があり、積極的に残すほうが良い場合もあ
る。なお、エッジ領域の銀エッジ像を抑制せずに残す
と、原画像に色物のエッジや輪郭部がある場合、色物の
エッジや輪郭部に黒いエッジや輪郭が残ってしまい、画
像として好ましくなくなってしまう。このため、エッジ
領域では、一般的には、未現像ハロゲン化銀粒子や現像
銀粒子による黒白像は除去せず、画質向上のために残す
のが好ましいが、さらに好ましくは、原画像の絵柄に応
じて未現像ハロゲン化銀粒子や現像銀粒子による黒白像
を除去するか、残すかを適宜決定するのがよい。
【0078】なお、上述した説明では、銀塩カラー写真
感光材料、特に欧州特許第800,114A号に記載さ
れている感光材料に担持される画像においては、現像銀
粒子と共に未現像ハロゲン化銀粒子が残っている場合を
対象としているが、本発明はこれに限定されず、例え
ば、特開平8−89977号公報に記載のドライ定着部
材による処理などのように、ハロゲン化銀溶剤を用いて
透明化する処理を行い、黒白粒状成分への未現像ハロゲ
ン化銀粒子の寄与を低減させてもよい。この場合には、
黒白粒状成分はほとんど現像銀粒子によって構成され
る。もちろん、本発明においては、残存する未現像ハロ
ゲン化銀の透明化処理は、実施しても、実施しなくても
よいことはもちろんである。
【0079】本発明に係るディジタル画像のノイズ抑制
およびシャープネス強調のための画像処理方法および装
置について実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は
これに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお
いて、種々の改良および設計の変更を行ってよいことは
もちろんである。
【0080】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の画像処理
方法および装置によれば、画像の被写体成分と同時に粒
状等のノイズ成分もシャープネス強調により微細化され
ており、その粒状等のノイズ成分をシャープネス強調画
像から差し引く方法で粒状等のノイズを抑制するので、
元の粒状等のノイズより空間的に細かくかつ濃淡変化の
小さい粒状等のノイズを実現することができ、従って、
粒状等のノイズは空間的に微細化されるので、例えば、
銀塩カラー写真感光材料で微粒子乳剤を用いた時に得ら
れるような細かい粒状にすることができる。
【0081】また、本発明を、銀塩カラー写真感光材
料、特に色素の他に未現像のハロゲン化銀粒子や現像銀
粒子を含む感光材料に撮影された画像をディジタル化し
た画像に適用すると、従来の画像処理方法で見られたよ
うな欠点、すなわち、粒状が強調され視覚的に不快に見
えるという欠点、コントラストの低い画像信号が粒状と
誤認され、抑制あるいは除去される欠点、粒状除去領域
とシャープネス強調領域の境界が不連続になり画像に不
自然なアーティファクトが見られるという欠点を生じさ
せずに、粒状を抑制し、かつ画像シャープネスを大幅に
強調した画像を得ることができる。また、本発明によれ
ば、粒状等のノイズはシャープネス強調され、空間的に
微細化されるので、銀塩カラー写真感光材料では微粒子
乳剤を用いた時に得られるような細かい粒状となり、平
滑化を用いた従来法の欠点であるぼけ粒状のような視覚
的な違和感や不快感の無い自然な粒状抑制効果が得られ
る。
【0082】さらに、本発明を、ディジタルスチルカメ
ラなどによって撮像された画像に適用すると、R,G,
Bの色相関を有するようなノイズやアーティファクト、
すなわち、撮像デバイス、撮像素子(CCDやMOS型
等)などの固定パターンノイズやエイリアジングによる
モアレ等のR,G,Bの色相関を有するようなノイズや
アーティファクトと、フォトンノイズや電子回路等の熱
雑音等のランダムなノイズとを識別・分離し、それらを
除去・抑制することによって、画質の向上を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像処理装置を組み込んだ、カ
ラー写真画像を読み取り、粒状抑制・シャープネス強調
の画像処理を行い、出力装置でカラー画像を出力するシ
ステムの一実施例を示すブロック図である。
【図2】 本発明に係る粒状抑制・シャープネス強調の
画像処理装置の一実施例を示すブロック図である。
【図3】 本発明の粒状を抑制しつつシャープネスを強
調するための画像処理方法の一実施例を示すフローチャ
ートである。
【図4】 (a),(b)および(c)は、それぞれ、
図3に示す画像処理方法の粒状とエッジの識別・分離工
程において得られた銀塩フィルムの画像におけるR,
G,Bの粒状成分の2次元濃度プロファイルG0R(x,y)
, G0G(x,y) ,G 0B(x,y) の一例をx方向の濃度プロ
ファイルで模式的に示すグラフである。
【図5】 図3に示す画像処理方法の黒白粒状と色素粒
状分の識別・分離工程において得られた銀塩フィルムの
画像におけるRGBの色相関成分の2次元濃度プロファ
イルCRGB (x,y) の一例をx方向の濃度プロファイルで
模式的に示すグラフである。
【図6】 図3に示す画像処理方法の黒白粒状と色素粒
状分の識別・分離工程において得られた銀塩フィルムの
画像における黒白粒状成分の2次元濃度プロファイルG
Ag(x,y) の一例をx方向の濃度プロファイルで模式的に
示すグラフである。
【図7】 (a),(b)および(c)は、それぞれ、
図3に示す画像処理方法の黒白粒状と色素粒状分の識別
・分離工程において得られた銀塩フィルムの画像におけ
る色素粒状成分の2次元濃度プロファイルGDyeR(x,y)
,GDyeG(x,y)およびGDyeB(x,y) の一例をx方向の濃
度プロファイルでそれぞれ模式的に示すグラフである。
【符号の説明】
10 カラー画像再生システム 12 画像入力装置 14 画像処理装置 16 画像出力装置 18 色・調子処理部 20 粒状抑制・シャープネス強調画像処理部 22 画像モニタ・画像処理パラメータ設定部 24 シャープネス強調処理部 26 平滑化処理部 28 エッジ・粒状混在成分抽出部 30 エッジ検出部 32 粒状領域重み付け係数演算部 34 粒状成分識別処理部 36 出力画像演算部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原画像データにシャープネス強調処理を行
    い、画像と共にこの画像中に含まれるノイズを鮮鋭化し
    たシャープネス強調画像データを作成し、 前記原画像データに平滑化処理を行って、平滑化画像デ
    ータを作成し、 前記シャープネス強調画像データからこの平滑化画像デ
    ータを減算して、シャープネス強調された被写体画像の
    エッジと、同じくシャープネス強調されたノイズと、が
    混在する被写体画像エッジとノイズとの混在画像データ
    を作成し、 前記原画像データからエッジ検出を行って被写体エッジ
    領域とノイズ領域を識別するためのエッジ領域の重み付
    けデータを求め、 このエッジ領域の重み付けデータからノイズ領域の重み
    付けデータを求め、 前記被写体画像エッジとノイズとの混在画像データに、
    前記ノイズ領域の重み付けデータを乗じて、ノイズ領域
    のノイズデータを各色毎に求め、 この各色のノイズデータの色相関を計算し、得られた色
    相関成分に基づいて全色に共通に存在する黒白ノイズ成
    分とカラーノイズ成分とを求め、 こうして得られた黒白ノイズ成分とカラーノイズ成分と
    にそれぞれの抑制係数を乗じて、黒白ノイズ抑制成分と
    カラーノイズ抑制成分とを求め、 前記シャープネス強調画像データから前記黒白ノイズ抑
    制成分と前記カラーノイズ抑制成分とを選択的に除去す
    ることにより、ノイズが抑制され、画像エッジ領域にお
    けるシャープネス強調が保持された処理画像を作成する
    ことを特徴とするディジタル画像のノイズ抑制およびシ
    ャープネス強調のための画像処理方法。
  2. 【請求項2】前記ノイズは粒状を含み、前記ノイズ領域
    は粒状領域であり、前記黒白ノイズは黒白粒状、カラー
    ノイズは色素粒状である請求項1に記載の画像処理方
    法。
  3. 【請求項3】前記原画像データは銀塩カラー写真感光材
    料に撮影された画像から画像収録装置によって収録され
    たデジタル画像データであり、前記黒白粒状は未現像ハ
    ロゲン化銀粒子および現像銀粒子の少なくとも一方によ
    る粒状を含む請求項2に記載の画像処理方法。
  4. 【請求項4】前記原画像データは銀塩カラー写真感光材
    料に撮影された画像から画像収録装置によって収録され
    たデジタル画像データであり、前記黒白ノイズは前記未
    現像ハロゲン化銀粒子および現像銀粒子の少なくとも一
    方による黒白粒状に加え、さらに各色のランダムなノイ
    ズ、前記画像収録装置の固定パターンノイズおよびエイ
    リアジングによるモアレの少なくとも一つを含む請求項
    1〜3のいずれかに記載の画像処理方法。
  5. 【請求項5】前記原画像は画像撮影デバイスによって撮
    影された画像であり、前記黒白ノイズは各色のランダム
    なノイズ、前記画像撮影デバイスの固定パターンノイズ
    およびエイリアジングによるモアレの少なくとも一つの
    前記色相関の強いノイズであり、カラーノイズは前記色
    相関の弱いノイズである請求項1に記載の画像処理方
    法。
  6. 【請求項6】原画像データにシャープネス強調処理を行
    い、画像と共にこの画像中に含まれるノイズを鮮鋭化し
    たシャープネス強調画像データを作成し、 前記原画像データに平滑化処理を行って、平滑化画像デ
    ータを作成し、 前記シャープネス強調画像データからこの平滑化画像デ
    ータを減算して、シャープネス強調された被写体画像の
    エッジと、同じくシャープネス強調されたノイズと、が
    混在する被写体画像エッジとノイズとの混在画像データ
    を作成し、 前記原画像データからエッジ検出を行って被写体エッジ
    領域とノイズ領域を識別するためのエッジ領域の重み付
    けデータおよびノイズ領域の重み付けデータを求め、 前記被写体画像エッジとノイズとの混在画像データに、
    前記ノイズ領域の重み付けデータを乗じて、ノイズ領域
    のノイズデータを各色毎に求め、 この各色のノイズデータから黒白ノイズ成分とカラーノ
    イズ成分とを求め、 こうして得られた黒白ノイズ成分とカラーノイズ成分と
    にそれぞれの抑制係数を乗じて、黒白ノイズ抑制成分と
    カラーノイズ抑制成分とを求め、 前記シャープネス強調画像データから前記黒白ノイズ抑
    制成分と前記カラーノイズ抑制成分とを選択的に除去す
    ることにより、ノイズが抑制され、画像エッジ領域にお
    けるシャープネス強調が保持された処理画像を作成する
    ことを特徴とするディジタル画像のノイズ抑制およびシ
    ャープネス強調のための画像処理方法。
  7. 【請求項7】原画像データにシャープネス強調処理を行
    い、画像と共にこの画像中に含まれるノイズを鮮鋭化し
    たシャープネス強調画像データを作成するシャープネス
    処理部と、 前記原画像データに平滑化処理を行って、平滑化画像デ
    ータを作成する平滑化処理部と、 前記シャープネス強調画像データからこの平滑化画像デ
    ータを減算して、シャープネス強調された被写体画像の
    エッジと、同じくシャープネス強調されたノイズと、が
    混在する被写体画像エッジとノイズとの混在画像データ
    を作成するエッジ・ノイズ混在成分抽出部と、 前記原画像データからエッジ検出を行って被写体エッジ
    領域とノイズ領域を識別するためのエッジ領域の重み付
    けデータを求めるエッジ検出部と、 このエッジ領域の重み付けデータからノイズ領域の重み
    付けデータを求めるノイズ領域重み付け係数演算部と、 前記被写体画像エッジとノイズとの混在画像データに、
    このノイズ領域の重み付けデータを乗じてノイズ領域の
    ノイズデータを各色毎に求め、この各色のノイズデータ
    の色相関を計算し、得られた色相関成分に基づいて全色
    に共通に存在する黒白ノイズ成分とカラーノイズ成分と
    を求め、得られた黒白ノイズ成分とカラーノイズ成分と
    にそれぞれの抑制係数を乗じて、黒白ノイズ抑制成分と
    カラーノイズ抑制成分とを求めるノイズ成分識別処理部
    と、 前記シャープネス強調画像データから前記黒白ノイズ抑
    制成分と前記カラーノイズ抑制成分とを選択的に除去す
    ることにより、ノイズが抑制され、画像エッジ領域にお
    けるシャープネス強調が保持された処理画像を作成する
    出力画像演算部とを有することを特徴とするディジタル
    画像のノイズ抑制およびシャープネス強調のための画像
    処理装置。
  8. 【請求項8】原画像データにシャープネス強調処理を行
    い、画像と共にこの画像中に含まれるノイズを鮮鋭化し
    たシャープネス強調画像データを作成するシャープネス
    処理部と、 前記原画像データに平滑化処理を行って、平滑化画像デ
    ータを作成する平滑化処理部と、 前記シャープネス強調画像データからこの平滑化画像デ
    ータを減算して、シャープネス強調された被写体画像の
    エッジと、同じくシャープネス強調されたノイズと、が
    混在する被写体画像エッジとノイズとの混在画像データ
    を作成するエッジ・ノイズ混在成分抽出部と、 前記原画像データからエッジ検出を行って被写体エッジ
    領域とノイズ領域を識別するためのエッジ領域の重み付
    けデータを求めるエッジ検出部と、 このエッジ領域の重み付けデータからノイズ領域の重み
    付けデータを求めるノイズ領域重み付け係数演算部と、 前記被写体画像エッジとノイズとの混在画像データに、
    このノイズ領域の重み付けデータを乗じてノイズ領域の
    ノイズデータを各色毎に求め、この各色のノイズデータ
    から黒白ノイズ成分とカラーノイズ成分とを求め、得ら
    れた黒白ノイズ成分とカラーノイズ成分とにそれぞれの
    抑制係数を乗じて、黒白ノイズ抑制成分とカラーノイズ
    抑制成分とを求めるノイズ成分識別処理部と、 前記シャープネス強調画像データから前記黒白ノイズ抑
    制成分と前記カラーノイズ抑制成分とを選択的に除去す
    ることにより、ノイズが抑制され、画像エッジ領域にお
    けるシャープネス強調が保持された処理画像を作成する
    出力画像演算部とを有することを特徴とするディジタル
    画像のノイズ抑制およびシャープネス強調のための画像
    処理装置。
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