JP2001285036A - 遅延回路及びそれを用いた発振回路 - Google Patents

遅延回路及びそれを用いた発振回路

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JP2001285036A
JP2001285036A JP2000097892A JP2000097892A JP2001285036A JP 2001285036 A JP2001285036 A JP 2001285036A JP 2000097892 A JP2000097892 A JP 2000097892A JP 2000097892 A JP2000097892 A JP 2000097892A JP 2001285036 A JP2001285036 A JP 2001285036A
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Masaru Koseki
賢 小関
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源電圧の依存性を抑制でき、遅延時間及び
発振周波数の安定化を実現でき、高速な発振信号を生成
可能な発振回路を提供する。 【解決手段】 インバータ30にトランジスタP53と
N53からなる電流源によって電源電圧依存性のない定
電流I31とI32を供給し、インバータ30の出力端
子に容量素子C51,C52及びスイッチング用トラン
ジスタP55とN55からなる負荷容量部60を接続
し、制御電圧発振部10において電源電圧VDDまたは共
通電位VSSにそれぞれ一定の電圧差に保たれる制御電圧
BP,VBNが生成され、これらの制御電圧に応じて負荷
容量部60の容量素子の充放電時に、電圧の変動幅を一
定に保つことができ、遅延回路の遅延時間を電源電圧に
依存せず一定に保持できるので、このような遅延回路に
よって構成された発振回路は、電源電圧に依存せず安定
した発振周波数を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、PLL回
路の電圧制御発振回路(VCO)などを構成する遅延回
路、特に、遅延時間の電源電圧依存性を低減できる遅延
回路及び当該遅延回路を用いた発振回路に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】奇数段の遅延回路をリング状に接続する
ことによって発振回路を構成することができる。一般的
に、PLL回路の電圧制御発振回路(VCO)は、制御
電圧に応じて遅延時間が可変な遅延回路によって構成さ
れている。図9は、一般的に用いられている遅延回路の
一例示している。図示のように、この遅延回路は、pM
OSトランジスタP11とnMOSトランジスタN11
からなるCMOSインバータ及びその出力端子に接続さ
れている容量負荷C11によって構成されている。図示
のインバータINV1において、トランジスタP11と
N11の導通時抵抗を大きく設計することにより、通常
のインバータよりも大きな遅延時間を生成することが可
能である。
【0003】図9に示す遅延回路において、その遅延時
間td は、トランジスタP11及びN11の流す電流
量、出力端子に接続されている負荷容量C11の容量
値、並びに出力端子に接続されているトランジスタの入
力容量によってほぼ決定される。トランジスタの流す電
流Idsは、線形領域において次式によって与えられる。
【0004】
【数1】
【0005】一方、飽和領域では、トランジスタの電流
dsは次式によって与えられる。
【0006】
【数2】
【0007】なお、式(1)及び式(2)において、W
とLはそれぞれトランジスタのチャネル幅及びチャネル
長で、Kは伝達コンダクタンスパラメータ、λはチャネ
ル長変調係数である。さらに、式(1)及び式(2)に
おいて、トランジスタのゲート−ソース間電圧Vgs及び
ソース−ドレイン間電圧Vdsは電源電圧に大きく依存し
た量であり、電源電圧の変動に伴って遅延回路の遅延時
間td も大きく変化することが式(1)及び式(2)か
ら分かる。このような遅延回路を奇数段接続し、リング
状に形成された発振回路の発振周波数もやはり電源電圧
に大きく依存する。
【0008】これまでに、このような遅延回路を含む発
振回路の電源電圧依存性を抑制し、発振周波数の安定化
をはかるために、種々の遅延回路が提案されていた。図
10は、公開特許公報“特開平6−260837”によ
って開示された遅延回路を用いた発振回路の一例を示し
ている。この発振回路例では、遅延回路を構成するイン
バータへの供給電流を電源電圧に依存せず一定に保つこ
とで、遅延時間の電源電圧依存性を抑制し、発振周波数
の安定化をはかる。
【0009】図10に示すように、この遅延回路は制御
電圧発生部10a、電流供給部20a及びインバータ3
0によって構成されている。制御電圧発生部10aは、
電源電圧VDDと共通電位VSSとの間に直列接続されてい
るpMOSトランジスタP21と抵抗素子R21、及び
電源電圧VDDと共通電位VSSとの間に直列接続されてい
る抵抗素子R22とnMOSトランジスタN21によっ
て構成されている。トランジスタP21と抵抗素子R2
1との接続点であるノードND21から、制御電圧VBP
が出力され、抵抗素子R22とトランジスタN21との
接続点であるノードND22から制御電圧VBNが出力さ
れる。
【0010】電流供給部20aは、pMOSトランジス
タP22とnMOSトランジスタN22によって構成さ
れ、インバータ30に電流を供給する。図示のように、
トランジスタP22は電源電圧VDDとインバータ30を
構成するトランジスタP23のソースとの間に接続さ
れ、そのゲートに制御電圧VBPが印加され、トランジス
タN22は、インバータ30を構成するnMOSトラン
ジスタN23のソースと共通電位VSSとの間に接続さ
れ、そのゲートに制御電圧VBNが印加される。インバー
タ30の出力端子と入力端子が互いに接続されている。
即ち、インバータ30の出力信号が入力側にフィードバ
ックされ、インバータ30の遅延時間に応じた発振周波
数で発振する発振回路が構成される。
【0011】上述した構成において、トランジスタP2
1とP22、さらにトランジスタN21とN22はそれ
ぞれカレントミラー回路が構成され、トランジスタP2
2及びトランジスタN22は定電流源として動作する。
このため、トランジスタP23,N23のスイッチング
動作に応じてインバータ30に流れる電流はトランジス
タP22とN22の供給電流によって決定される。電源
電圧VDDが変化した場合、それに応じてトランジスタP
22とN22のゲートに供給される制御電圧VBP及びV
BNも変化するので、電源電圧VDDに依存せずほぼ一定の
電流がインバータ30に供給される。このため、インバ
ータ30の遅延時間が電源電圧VDDへの依存性を低減で
き、発振回路の発振周波数を安定化できる。
【0012】しかし、この発振回路において、インバー
タ30の出力に付けられた負荷容量や、次段のトランジ
スタの入力容量に蓄えられる電荷量は一定ではなく、通
常電源電圧VDDが高くなるほど充電量及び放電量が増加
していく。容量に蓄えられる電荷量Qは、通常、その容
量値C及び端子電圧Vに基づき、(Q=C・V)によっ
て表される。電源電圧VDDが高くなると、電圧Vの変化
量ΔVがそれに応じて大きくなり、容量値Cが一定であ
るとしても、充放電に伴って移動する電荷量ΔQが大き
くなる。一方、図10に示す発振回路では、インバータ
30の出力に接続されている負荷容量の充放電は、イン
バータ30を流れる電流によって行われる。インバータ
30の電流がカレントミラー回路によってほぼ一定に保
たれているため、電源電圧VDDが高くなるほど充放電に
要する時間が長くなる。即ち、インバータ30の遅延時
間が電源電圧VDDが高くなるに連れて大きくなるという
特性を持つ。このような遅延回路を奇数段リング状に接
続して構成された発振回路の発振周波数は、電源電圧V
DDの上昇に伴い低下する傾向がある。
【0013】図11は、発振周波数の安定化をはかる他
の回路例を示している。この回路は、公開特許公報“特
開平6−260837”によって開示され、リング状に
接続されている発振ループのなかにしきい値電圧にヒス
テリシス性を持つシュミット回路を挿入することによっ
て、発振周波数の電源電圧依存性を低減する。
【0014】図11に示すように、この発振回路におい
て、制御電圧発生部10b及び電流供給部20bは、図
10に示す発振回路のそれぞれの部分回路とほぼ同じ構
成を有する。図11に示す発振回路では、インバータ3
0の出力端子に容量素子C31が接続され、さらに、シ
ュミット回路40が接続されている。シュミット回路4
0の出力端子に出力回路50が接続されている。
【0015】シュミット回路40では、出力信号がpM
OSトランジスタP36及びnMOSトランジスタN3
6のゲートに印加されるので、出力信号に応じて、トラ
ンジスタP36とN36が交互にオン/オフする。例え
ば、シュミット回路40の出力信号がハイレベルのと
き、トランジスタP36がオフし、トランジスタN36
がオンする。逆に、シュミット回路40の出力信号がロ
ーレベルのとき、トランジスタP36がオンし、トラン
ジスタN36がオフする。トランジスタP36とN36
のオン/オフにより、シュミット回路40のしきい値電
圧にヒステリシス性が持たせられる。
【0016】インバータ30の出力信号電圧、即ち、ノ
ードNaの電圧がしきい値電圧VthH を越えたとき、シ
ュミット回路40の状態が反転し、出力端子Nbの電圧
がローレベルになる。ノードNaの電圧がしきい値電圧
thL より低くなったとき、シュミット回路40の状態
が反転し、出力端子Nbの電圧がハイレベルになる。シ
ュミット回路40の出力信号がインバータ30の入力端
子に供給され、これに応じてインバータ30が状態反転
が起きる。
【0017】シュミット回路40の出力端子がインバー
タ30の入力端子に接続されている。このように、シュ
ミット回路40の出力信号をインバータ30の入力端子
にフィードバックすることによって発振回路が構成され
ている。また、シュミット回路40の出力信号がインバ
ータからなる出力部50を介して出力される。
【0018】図10に示す発振回路と同じように、イン
バータ30にカレントミラー回路によって定電流が供給
される。この定電流によって容量素子C31が充電また
は放電される。容量素子C31は、ノードNaの電圧が
シュミット回路40のしきい値電圧VthH とVthL の間
往復するに伴って充放電を繰り返す。容量素子C31の
充放電に伴う電荷の変化量ΔQは、シュミット回路40
のしきい値電圧の差ΔVth(=VthH −VthL )によっ
て決まり、ΔQ=C・ΔVthとなる。
【0019】図11に示す発振回路において、容量素子
C31の充電電流、放電電流、シュミット回路40のし
きい値電圧の幅(VthH −VthL )が、互いに補償しあ
い、電源電圧VDDに依存しない安定した遅延時間が得ら
れ、さらに発振回路として動作する場合、安定した発振
周波数を実現できる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の発振回路では、回路の構成を工夫することによっ
て、遅延時間の電源電圧依存性を抑制し、発振回路とし
て動作する場合の発振周波数の安定化をはかったもの
の、その改善はまだ十分ではない。例えば、図10に示
す回路例では、インバータ30が出力端子に接続されて
いる負荷容量の変化に応じて遅延時間が変化するので、
発振周波数の安定性が次段の入力負荷容量によって影響
される。また、図11に示す回路例では、シュミット回
路40の次段の動作速度は電源電圧に依存するものであ
り、その分の変化が無視できる程度に抑制するために、
遅延時間を決定する容量素子C31の容量値を大きくす
る必要がある。このため、容量素子C31の充放電時間
が長くなり、発振周波数を高くできない。例えば、容量
素子C31の容量値は最低でも数pFが必要であり、高
速な発振信号を生成できないという不利益が生じる。
【0021】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、電源電圧の依存性を抑制でき、
遅延時間及び発振周波数の安定化を実現でき、高速な発
振信号を生成可能な発振回路を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の遅延回路は、入力信号を遅延させて出力す
る遅延回路であって、入力端子に上記入力信号が入力さ
れるインバータと、上記インバータに電源電圧に応じた
動作電流を供給する電流源回路と、上記インバータの出
力端子に接続され、制御信号に応じて充電または放電す
る容量回路と、上記容量回路において上記充電または放
電に伴う電荷の変化量が一定となるように、上記制御信
号を生成する制御電圧発生回路とを有する。
【0023】また、本発明の発振回路は、奇数段の遅延
回路をリング状に接続して構成された発振回路であっ
て、上記各遅延回路は、入力端子に上記入力信号が供給
されるインバータと、上記インバータに電源電圧に応じ
た動作電流を供給する電流源回路と、上記インバータの
出力端子に接続され、制御信号に応じて充電または放電
する容量回路と、上記容量回路において上記充電または
放電に伴う電荷の変化量が一定となるように、上記制御
信号を生成する制御電圧発生回路とを有する。
【0024】また、本発明では、好適には、上記容量回
路は、一方の電極が第1の電源電圧に、他方の電極が第
1の接続ノードに接続されている第1の容量素子と、上
記第1の接続ノードと上記インバータの出力端子との間
に設けられている第1のスイッチング素子と、一方の電
極が第2の電源電圧に、他方の電極が第2の接続ノード
に接続されている第2の容量素子と、上記第2の接続ノ
ードと上記インバータの出力端子との間に設けられてい
る第2のスイッチング素子とを含み、上記第1のスイッ
チング素子は、上記制御電圧発生回路によって発生され
た第1の制御信号に応じて、上記第1の容量素子が充放
電時の電圧変動幅が一定になるようにオン/オフし、上
記第2のスイッチング素子は、上記制御電圧発生回路に
よって発生された第2の制御信号に応じて、上記第2の
容量素子が充放電時の電圧変動幅が一定になるようにオ
ン/オフする。
【0025】また、本発明では、好適には、上記第1の
スイッチング素子は、上記第1の接続ノードと上記イン
バータの出力端子との間に接続され、制御端子に上記第
1の制御信号が印加される第1のスイッチング用トラン
ジスタを含み、上記第2のスイッチング素子は、上記第
2の接続ノードと上記インバータの出力端子との間に接
続され、制御端子に上記第2の制御信号が印加される第
2のスイッチング用トランジスタを含む。
【0026】また、本発明では、好適には、上記電流源
回路は、第1の電源電圧と上記インバータとの間に接続
され、第1の電流制御信号に応じて上記インバータに第
1の動作電流を供給する第1の電流源と、第2の電源電
圧と上記インバータとの間に接続され、第2の電流制御
信号に応じて上記インバータに第2の動作電流を供給す
る第2の電流源とを有する。
【0027】また、本発明では、好適には、上記第1の
電流源は、上記第1の電源電圧と上記インバータとの間
に接続され、制御端子に上記第1の電流制御信号が印加
される第1の電流供給用トランジスタと、上記第2の電
流源は、上記第2の電源電圧と上記インバータとの間に
接続され、制御端子に上記第2の電流制御信号が印加さ
れる第2の電流供給用トランジスタとを有する。
【0028】さらに、本発明では、好適には、上記制御
電圧発生回路は、上記第1の電源電圧より所定の電圧だ
け低い第1の制御信号を発生する第1の電圧発生回路
と、上記第2の電源電圧より所定の電圧だけ高い第2の
制御信号を発生する第2の電圧発生回路とを有する。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る遅延回路の一
実施形態を示す回路図である。図示のように、本実施形
態の遅延回路は、制御電圧発生部10、電圧制御型電流
源部20、インバータ30及び負荷容量部60によって
構成されている。
【0030】制御電圧発生部10は、電源電圧VDDに応
じて、制御電圧V41,V42,V43及びV44を発
生する。このうち、制御電圧V41とV44は、電圧制
御型電流源部20に供給され、制御電圧V42とV43
は、負荷容量部60に供給される。
【0031】電圧制御型電流源部20は、制御電圧V4
1とV44に応じて、インバータ30に定電流I21と
I22を供給する。負荷容量部60は、制御電圧V42
とV43に応じて、変化する負荷容量をインバータ30
の出力端子に提供する。
【0032】次に本発明の原理について説明する。通常
のインバータ回路の遅延時間を決定する要因は、従来技
術の説明で述べたように、トランジスタの流す電流値、
出力の負荷容量、及び次段のトランジスタの入力容量で
ある。このうち、トランジスタの流す電流値は、本発明
において、インバータ30に接続されている電圧制御型
電流源部20と当該電圧制御型電流源部20に供給され
た制御電圧VBP,VBNによって、電源電圧VDDによら
ず、ほぼ一定に保たれる。ただし、これだけでは、出力
負荷容量及び次段の入力容量が充放電する電荷量が電源
電圧の変動に対して一定でないため、回路の遅延時間も
一定とはならない。そこで、本発明では、インバータ3
0の出力に電圧制御された充放電電荷量を持つ負荷容量
を接続し、制御電圧VBP,VBNに応じてその充放電電荷
量が電源電圧によらず一定となるように制御し、かつ、
その充放電電荷量が、次段の回路の入力容量より十分大
きくなるような設計することによって、充放電を行う電
流値と、その充放電電荷量がともに電源電圧によらず一
定となる。これによって、遅延回路の遅延時間の電源電
圧依存性を抑制でき、このような遅延回路を用いて構成
された発振回路の発振周波数を電源電圧に依存せず、安
定に保つことができる。
【0033】図2は、本実施形態の遅延回路の具体的な
構成例を示す回路図である。図示のように、制御電圧発
生部10において、電源電圧VDDと共通電位VSSとの間
に、pMOSトランジスタP51,P52と抵抗素子R
52が直列接続されている。トランジスタP51とP5
2は、ゲートがそれぞれのドレインに接続されている、
いわゆるダイオード接続されている。トランジスタP5
2と抵抗素子R52との接続点から制御電圧VBPが出力
されている。同じように、電源電圧VDDと共通電位VSS
との間に、抵抗素子R51とnMOSトランジスタN5
1,N52が直列接続されている。トランジスタN51
とN52は、ゲートがそれぞれのドレインに接続されて
いる、いわゆるダイオード接続されている。トランジス
タN52と抵抗素子R51との接続点から制御電圧VBN
が出力されている。
【0034】電圧制御型電流源部20は、pMOSトラ
ンジスタP53とnMOSトランジスタN53によって
構成されている。トランジスタP53はゲートに制御電
圧VBPが印加され、ソースが電源電圧VDDに接続され、
ドレインがインバータ30を構成するpMOSトランジ
スタP54のソースに接続されている。トランジスタN
53はゲートに制御電圧VBNが印加され、ソースが共通
電位VSSに接続され、ドレインがインバータ30を構成
するnMOSトランジスタN54のソースに接続されて
いる。
【0035】負荷容量部60は、容量素子C51,C5
2、pMOSトランジスタP55及びnMOSトランジ
スタN55によって構成されている。容量素子C52
は、電源電圧VDDとトランジスタP55のソースとの間
に接続されている。トランジスタP55は、ゲートに制
御電圧VBPが印加され、ドレインがインバータ30の出
力端子ND32に接続されている。容量素子C51は、
共通電位VSSとトランジスタN55のソースとの間に接
続されている。トランジスタN55は、ゲートに制御電
圧VBNが印加され、ドレインがインバータ30の出力端
子ND32に接続されている。
【0036】容量素子C51とC52は、インバータ3
0の負荷容量を構成する。即ち、インバータ30の負荷
容量は、pMOSトランジスタP55を介して接続され
ている容量素子C52及びnMOSトランジスタN55
を介して接続されている容量素子C51によって構成さ
れている。そして、負荷容量を制御するのは、制御電圧
発生回路10によって生成された制御電圧VBP及び制御
電圧VBNである。
【0037】上述した構成を有する本実施形態の遅延回
路において、制御電圧発生部10によって発生された制
御電圧VBPとVBNに応じて、電圧制御型電流源部20に
よってインバータ30に供給される電流I31とI32
が制御され、さらに、負荷容量部60によってインバー
タ30の出力端子に接続される負荷容量が制御される。
これによって、電源電圧VDDに依存せず、安定した遅延
時間を持つ遅延回路が実現される。
【0038】以下、本実施形態の遅延回路の各部分の動
作について説明する。図3は、遅延回路において、制御
電圧VBP,VBN、容量素子C51とC52の端子電位及
びインバータ30の出力信号の波形をそれぞれ示す波形
図である。ここで、図2の回路図及び図3の波形図を参
照しつつ、本実施形態の遅延回路の動作を説明する。
【0039】制御電圧発生部10において、トランジス
タP51,P52のしきい値電圧をともにVthp とし、
トランジスタN51,N52のしきい値電圧をともにV
thnとする。ここで、図2に示すように、トランジスタ
N51のゲート電圧をV1とし、抵抗素子R51を流れ
る電流をIとし、その抵抗値をRとすると、トランジス
タN51及びN52は、それぞれゲートとドレインが接
続されており、常に飽和領域で動作するから、トランジ
スタN51,N52及び抵抗素子R51について、次の
3つの連立方程式が成り立つ。
【0040】
【数3】
【0041】
【数4】
【0042】
【数5】
【0043】ただし、ここで、WとLはそれぞれトラン
ジスタのチャネル幅とチャネル長、Kは伝達コンダクタ
ンスパラメータ、チャネル長変調係数は簡単のため無視
されている。
【0044】式(5)をそれぞれ式(3)及び式(4)
に代入することによって、式(3)と式(4)は、それ
ぞれ次のように変形することができる。
【0045】
【数6】
【0046】
【数7】
【0047】ここで、L/(RW)<<1という近似を
用いると、式(6)と式(7)の右辺がなくなって、次
の式が得られる。
【0048】
【数8】
【0049】
【数9】
【0050】式(8)及び式(9)に基づいて、制御電
圧VBNについて解くと、次の結果が得られる。
【0051】
【数10】
【0052】ここで、共通電位VSSについて、VSS=0
とすれば、VBN=2Vthn となる。もし、共通電位VSS
が揺れて、ΔVSSが発生すれば、VBN=Δ2VSS+V
thn となり、共通電位VSSの揺れがそのまま制御電圧V
BNに伝わっていく。逆に電源電圧VDDが揺れて、ΔVDD
が発生しても、制御電圧VBNに伝わらない。即ち、制御
電圧VBNは共通電位VSSの変動にのみ追従して変化す
る。
【0053】また、上記と同様な計算がpMOSトラン
ジスタP51,P52及び抵抗素子R52に適用するこ
とによって、制御電圧VBPが次のように求められる。
【0054】
【数11】
【0055】ただし、式(10)において、pMOSト
ランジスタのしきい値電圧Vthp は、正の値で表現して
いる。式(10)から分かるように制御電圧VBPは電源
電圧VDDの変動ΔVDDにのみ追従し、共通電位VSSの変
動には追従しない。
【0056】以上説明したように、制御電圧発生部10
において、電源電圧VDDの変動と共通電位VSSの変動と
を分けて考えることができる。ただし、以上の解析に用
いられた近似式(L/(RW)<<1)が良く成り立つ
ように、各トランジスタにおいて、W/L比を大きくと
る必要がある。実際に抵抗素子R51及びR52とし
て、数十KΩ(キロオウム)、W/L比が30以上を用
いる。さらに、以上の解析において無視したチャネル長
変調係数λの影響が現れないように、トランジスタのチ
ャネル長Lを大きめにとることが必要である。そのた
め、制御電圧VBPを発生する回路において、トランジス
タP51,P52それぞれに対して、並列に接続されて
いる複数のpMOSトランジスタを用いて、また、制御
電圧VBPの配線に対電源電圧の容量を付けるなどして、
電源に対するインピーダンスを十分小さくする。同様
に、制御電圧VBNを発生する回路において、同様な方法
によって共通電位に対するインピーダンスを十分小さく
する。
【0057】電圧制御型電流源部20において、トラン
ジスタP53のゲートに制御電圧VBPが印加され、トラ
ンジスタN53のゲートに制御電圧VBNが印加される。
このため、トランジスタN53において、ゲートーソー
ス間電圧Vgsn は、次式によって求められる。
【0058】
【数12】
【0059】即ち、トランジスタN53のゲート−ソー
ス間電圧Vgsn は、電源電圧VDD及び共通電位VSSによ
らずに一定となる。同様に、トランジスタP53のゲー
ト−ソース間電圧Vgsp は、次式によって求まる。
【0060】
【数13】
【0061】このように、トランジスタP53のゲート
−ソース電圧Vgsp も電源電圧VDD及び共通電位VSS
よらずに、一定となる。よって、電圧制御型電流源部2
0において、二つのトランジスタP53とN53は、そ
れぞれ飽和領域において電流源として働き、インバータ
30に常に一定の電流I31またはI32を供給する。
【0062】図2に示す遅延回路を複数段(奇数段)を
リング状に接続することによって、発振回路が構成され
る。トランジスタP53によって供給される電流I31
は、インバータ30のトランジスタP54が導通してい
る間に、インバータ30の出力端子に接続されている負
荷容量の充電に使われる。一方、トランジスタN53に
よって供給される電流I31は、インバータ30のトラ
ンジスタN54が導通している間に、インバータ30の
出力端子に接続されている負荷容量の放電に使われる。
インバータ30を構成するトランジスタP54及びN5
4は、定電流源となるトランジスタP53及びN53の
定電流性を妨げないように導通時の抵抗値がトランジス
タP53及びN53の抵抗値に比べて十分小さくなるよ
うに設計される。
【0063】従来の遅延回路によってリング状の発振回
路が構成された場合に、インバータ30の出力端子に、
次段のインバータの入力端子が接続されている。即ち、
インバータの出力電流によって充放電が行われるのは、
次段のインバータを構成するトランジスタのゲート容量
であった。この充放電に伴う電荷の変化量が電源電圧の
変動に応じて変化する。一方、インバータ30によって
出力される電流が定電流源の制御によってほぼ一定に保
持される。このため、電源電圧の変化に伴い、遅延回路
の遅延時間が変化する。これを解決するために、本実施
形態の遅延回路において、図2に示すようにインバータ
30の出力端子に制御電圧VBP,VBNによって制御され
た負荷容量部60が設けられている。
【0064】負荷容量部60において、容量素子C51
とC52の充電及び放電は、それぞれトランジスタN5
5及びトランジスタP55を介して行われる。容量素子
C51及びC52の充放電に伴う電圧の変動は、電源電
圧に依存せず常にほぼ一定の量に保持される。即ち、容
量素子C51とC52の充放電電荷量は一定であり、充
放電に要する時間も一定になる。
【0065】図3は、容量素子C51及びC52の充放
電に伴うそれぞれの端子電圧の変化を示している。ここ
で、図2に示す遅延回路は、奇数段がリング状に接続さ
れて発振回路が構成されている場合を例に説明する。こ
の場合、発振回路は一定の発振周波数で発振し、インバ
ータ30の出力端子から発振信号Sout が出力される。
図3において、容量素子C51の電位V51は、負荷容
量部60におけるトランジスタN55のソース電圧であ
り、また、容量素子C52の電位V52は、トランジス
タP55のソース電圧である。
【0066】図2に示すように、トランジスタP55の
ゲートに、制御電圧VBP(=VDD−2Vthp )が印加さ
れ、トランジスタN55のゲートに、制御電圧VBN(=
SS+2Vthn )が印加される。このため、トランジス
タN55において、そのゲート−ソース間電圧V
gsn5は、次式によって与えられる。
【0067】
【数14】
【0068】同様に、トランジスタP55のゲート−ソ
ース間電圧Vgsp5は、次式によって与えられる。
【0069】
【数15】
【0070】例えば、インバータ30の出力信号Sout
がローレベルのとき、容量素子C51の電圧V51もロ
ーレベルになる。そこから出力信号Sout が立ち上がっ
ていくとき、容量素子C51がトランジスタN55のソ
ース電流によって充電され、電圧V51が上昇する。電
圧V51が共通電位VSSに対して、トランジスタN55
のVthn 分高いレベルに達したとき、即ち、V51=V
SS+Vthn のとき、式(14)によって、Vgsn5=V
thn である。V51がさらに上昇すると、トランジスタ
N55のゲート−ソース間電圧Vgsn5がVthn より低く
なり、トランジスタN55が遮断し、容量素子C51の
充電はこれ以上に行われなくなる。即ち、容量素子C5
1の充放電に伴う電圧の変動ΔVは、しきい値電圧V
thn に等しく、これによって容量素子C51の充放電に
おける電荷の変化量も一定になる。
【0071】pMOSトランジスタP55を介して、イ
ンバータ30の出力端子に接続されている容量素子C5
2も同様で、充放電に伴う電圧の変化がしきい値電圧V
thpに等しい。例えば、インバータ30の出力Sout
ハイレベルのとき、電圧V52もハイレベルになる。そ
こから出力信号Sout が立ち下がっていくとき、容量素
子C52がトランジスタP55のソース電流によって充
電され、電圧V52が降下する。電圧V52が電源電圧
DDに対して、トランジスタP55のしきい値電圧V
thp 分低いレベルに達したとき、即ち、V52=VDD
thp のとき、式(15)によって、Vgsp5=Vthp
ある。V52がさらに降下すると、トランジスタP55
のゲート−ソース間電圧Vgsp5がVthp より低くなり、
トランジスタp55が遮断し、容量素子C52の充電は
これ以上に行われなくなる。即ち、容量素子C52の充
放電に伴う電圧の変動ΔVは、しきい値電圧Vthp に等
しく、これによって容量素子C52の充放電における電
荷の変化量も一定になる。
【0072】このため、電源電圧VDD及び共通電位VSS
の変化に依存せず、負荷容量部60において、容量素子
C51及びC52の充放電による電圧の変化が一定に保
持され、充放電に伴う電荷の変化量も一定になるので、
遅延回路の遅延時間が電源電圧に依存せず、常に一定に
保たれる。
【0073】図4は、図3の一部分を拡大して表示した
ものである。図示のように、ここで、出力信号Sout
共通電位VSSから立ち上がっていくときの拡大図であ
る。出力信号Sout が上昇しはじめたとき、容量素子C
51が充電中であるため、波形の傾きがなだらかであ
り、容量素子C51の充電によって電圧V51がほぼト
ランジスタN55のしきい値電圧Vthn に達したとき、
トランジスタN55が遮断し、容量素子C51の充電が
終了する。これに応じて、出力信号Sout が急峻に立ち
上がっていく。インバータ30の出力信号Sout が共通
電位VSSから次段のインバータの論理反転電圧VTHに到
達するまでの時間TH は、図4に示すように、TH =T
71+T72で与えられる。ここで、T71は、容量素
子C51が充電されている時間で、T72は容量素子C
51の充電が終わり、次段の遅延回路の入力側のゲート
容量のみが充電されるための時間である。
【0074】電源電圧VDDが高くなり、論理反転電圧V
THが高くなると、次段の遅延回路のゲート容量の充電時
間T72が長くなるが、容量素子C51の充電時間T7
1は、変わらない。時間TH のうち、電源電圧依存性の
ない時間T71の占める割合をできるだけ大きく設計す
ることによって、遅延時間の電源電圧依存性を抑制でき
る。例えば、容量素子C51及びC52の容量値を、次
段の遅延回路のトランジスタのゲート容量、例えば、イ
ンバータ30を構成するトランジスタN54及びP54
のゲート容量より十分大きく設定することによって、電
源電圧に応じて変化する時間T72に対して、電源電圧
依存性のない時間T71の方が大きくなり、遅延時間の
電源電圧VDD及び共通電位VSSへの依存性を大幅に低減
できる。
【0075】実際に容量素子C51とC52は、別途に
設けたトランジスタのゲート容量によって代用すること
が可能である。この場合、これらのトランジスタの(L
×W)の値、即ち、チャネルの面積がインバータ30を
構成するトランジスタP54及びN54の(L×W)値
の30〜40倍程度に設定すればよい。
【0076】なお、図2に示す遅延回路の制御電圧発生
部10において、ダイオード接続されているトランジス
タP51,P52またはトランジスタN51,N52に
よって、制御電圧VBP,VBNを生成する。これらの制御
電圧には、周波数特性を良くするために、制御電圧VBP
の生成側において、電圧VBPの出力配線対電源電圧に容
量を接続し、また、制御電圧VBNの生成側において、電
圧VBNの出力配線対共通電位に容量を接続することが有
効である。この容量が大きくなると、出力される制御電
圧VBPまたはVBNは、その容量にどれだけ電荷が蓄えて
いるかによって決まる。pMOSトランジスタP51,
P52及び抵抗素子R52、並びにnMOSトランジス
タN51,N52及び抵抗素子R51は、ある一定のレ
ベルまで前述の容量を充電し、行き過ぎたら放電する、
いわゆるチャージポンプなどと同様な働きをする。この
ため、実際に制御電圧発生部10は、チャージポンプ回
路によって置き換えることが可能である。
【0077】図5は、チャージポンプ回路によって構成
された制御電圧発生回路10Aの構成例を示している。
図示のように、ここで例えば、チャージポンプなどによ
って、図2に示す制御電圧発生回路が置き換えられた。
制御電圧VBPの配線と電源電圧との間に、容量素子Cp
が接続され、制御電圧VBNの配線と交通電位との間に、
容量素子CN が接続されている。チャージポンプによっ
て、容量素子CP 及びCN に対する充放電を制御するこ
とによって、制御電圧VBP及びVBNをそれぞれ任意の電
圧値に設定することができる。このため、遅延回路の遅
延時間は、外部から例えば、チャージポンプから入力さ
れる制御電圧VBP及びVBNによって制御でき、電圧制御
遅延回路及び電圧制御発振回路(VCO)を構成するこ
とが可能である。
【0078】図5に示す制御電圧発生回路10Aによっ
て生成された制御電圧VBP及びVBNを図2に示す電圧制
御型電流源部20及び負荷容量部60に供給することに
よって、図2に示す遅延回路と同様に、電源電圧の変動
に依存しない安定した遅延時間を持つ遅延回路を実現で
きる。また、制御電圧発生回路10Aによって生成され
た制御電圧VBP及びVBNは所定の制御信号、例えば、位
相差信号に応じて制御することによって、遅延回路の遅
延時間は制御信号によって制御可能であり、このような
遅延回路によって構成された発振回路は、発振周波数が
外部の制御信号によって制御され、PLL回路のVCO
として用いることができる。
【0079】また、図5に示す制御電圧発生回路10A
によって発生された制御電圧VBPまたはVBNの何れか一
方だけを電圧制御型電流源部20及び負荷容量部60に
供給することも可能である。この場合に、他方の制御電
圧は、図2に示す制御電圧発生部10によって供給する
ことができる。
【0080】次に、本実施形態の遅延回路によって構成
された発振回路と従来の発振回路の動作特性を比較し、
本実施形態の遅延回路によって構成される発振回路の発
振周波数の安定性を示す。上述したように、本実施形態
の遅延回路を奇数段用いてリング状い接続することによ
って、発振回路が構成される。例えば、図2に示す遅延
回路を3段用いて、図6に示すようにリング状に接続す
れば、発振回路が構成される。図6において、遅延回路
100−1,100−2及び100−3は、例えば、図
2に示す遅延回路と同じものによって構成されている。
【0081】図7及び図8は、電源電圧VDD及び共通電
位VSSの変動に対して、本発明の遅延回路からなる発振
回路と図10及び図11に示す従来の発振回路の動作特
性を比較するグラフである。図7及び図8において、
“従来例1”とは、図10に示す発振回路であり、“従
来例2”とは図11に示す発振回路である。
【0082】図7は、電源電圧VDDの変動に応じて、発
振周波数の変化を示すグラフであるなお、共通電位VSS
は0Vに安定していると仮定する。図示のように、例え
ば、電源電圧VDDが2.5Vから5Vの範囲内に変動す
るとき、従来例1の発振回路の発振周波数は約24.5
MHzから39MHzに大きく変動する。従来例2の発
振回路の発振周波数は、約26MHzから19MHzに
変動する。これらに対して、本発明の発振回路では、発
振周波数が約25MHzから27MHzの範囲内に抑え
られている。特に、電源電圧VDDが約3.5Vから4.
5Vの範囲内において、本発明の発振回路の発振周波数
は、ほぼ一定(27MHz)に保たれている。
【0083】図8は、共通電位VSSの変動に応じて、発
振周波数の変化を示すグラフである。この場合、電源電
圧VDDが4Vに固定されている。図示のように、共通電
位VSSが0Vを中心に、−1.5Vから1.5Vまでの
範囲内で変動するとき、従来例1及び従来例2の発振回
路の発振周波数は、何れも大きく変化する。これらに対
して、本発明の発振回路では、発振周波数の変化はわず
かに抑えられる。特に、共通電位VSSが−0.5Vから
0.5Vの範囲内にあるとき、本発明の発振回路の発振
周波数は、ほぼ27MHzに保たれている。
【0084】図7及び図8に示すように、従来の発振回
路に対して、本発明の発振回路は、電源電圧VDD及び共
通電位VSSへの依存性が大幅に低減され、電源電圧VDD
または共通電位VSSがある一定の範囲内に保持されてい
る場合、本発明の発振回路の発振周波数はほぼ一定の値
に保つことができる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の遅延回路
によれば、電源電圧に依存せず安定した遅延時間を提供
できる。さらに、本発明の遅延回路を用いた発振回路を
構成した場合、電源電圧の変化に対して、発振周波数を
一定に保つことができ、電源電圧の依存性を解消し、安
定した遅延時間及び発振周波数を提供することができ
る。これによって、例えば、低消費電力化のため複数の
電源電圧を使い分けているLSIの場合、電源電圧を変
えても本発明の遅延回路及び発振回路を設計変更せずに
利用できる利点がある。また、電源電圧がノイズなどの
影響で不安定になった場合などでも、安定した遅延時間
及び発振周波数を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遅延回路の一実施形態を示す回路
図である。
【図2】本発明に係る遅延回路の一具体例を示す回路図
である。
【図3】図2に示す遅延回路の波形を示す波形図であ
る。
【図4】図3に示す波形図の一部分を拡大した拡大図で
ある。
【図5】制御電圧発生回路の他の構成例を示す回路図で
ある。
【図6】奇数段の遅延回路によって構成されている発振
回路の回路図である。
【図7】電源電圧の変動に対して発振回路の発振周波数
を示すグラフである。
【図8】共通電位の変動に対して発振回路の発振周波数
を示すグラフである。
【図9】従来の遅延回路の一例を示す回路図である。
【図10】従来の発振回路の一例を示す回路図である。
【図11】従来の発振回路の他の例を示す回路図であ
る。
【符号の説明】
10,10A,10a,10b…制御電圧発生部、20
…電圧制御型電流源部、20a,20b…電流源供給
部、30…インバータ、40…シュミット回路、50…
出力回路、60…負荷容量部、VDD…電源電圧、VSS
共通電位。100−1,100−2.100−3…遅延
回路。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号を遅延させて出力する遅延回路で
    あって、 入力端子に上記入力信号が入力されるインバータと、 上記インバータに電源電圧に応じた動作電流を供給する
    電流源回路と、 上記インバータの出力端子に接続され、制御信号に応じ
    て充電または放電する容量回路と、 上記容量回路において上記充電または放電に伴う電荷の
    変化量が一定となるように、上記制御信号を生成する制
    御電圧発生回路とを有する遅延回路。
  2. 【請求項2】上記容量回路は、一方の電極が電源電圧
    に、他方の電極が接続ノードに接続されている容量素子
    と、 上記接続ノードと上記インバータの出力端子との間に設
    けられているスイッチング素子とを含み、上記スイッチ
    ング素子は、上記制御電圧発生回路によって発生された
    上記制御信号に応じて、充放電時上記容量素子の電圧変
    動幅が一定になるようにオン/オフする請求項1記載の
    遅延回路。
  3. 【請求項3】上記スイッチング素子は、上記接続ノード
    と上記インバータの出力端子との間に接続され、制御端
    子に上記制御信号が印加されるトランジスタを含む請求
    項2記載の遅延回路。
  4. 【請求項4】上記容量回路は、一方の電極が第1の電源
    電圧に、他方の電極が第1の接続ノードに接続されてい
    る第1の容量素子と、 上記第1の接続ノードと上記インバータの出力端子との
    間に設けられている第1のスイッチング素子と、 一方の電極が第2の電源電圧に、他方の電極が第2の接
    続ノードに接続されている第2の容量素子と、 上記第2の接続ノードと上記インバータの出力端子との
    間に設けられている第2のスイッチング素子とを含み、
    上記第1のスイッチング素子は、上記制御電圧発生回路
    によって発生された第1の制御信号に応じて、上記第1
    の容量素子が充放電時の電圧変動幅が一定になるように
    オン/オフし、上記第2のスイッチング素子は、上記制
    御電圧発生回路によって発生された第2の制御信号に応
    じて、上記第2の容量素子が充放電時の電圧変動幅が一
    定になるようにオン/オフする請求項1記載の遅延回
    路。
  5. 【請求項5】上記第1のスイッチング素子は、上記第1
    の接続ノードと上記インバータの出力端子との間に接続
    され、制御端子に上記第1の制御信号が印加される第1
    のスイッチング用トランジスタを含み、 上記第2のスイッチング素子は、上記第2の接続ノード
    と上記インバータの出力端子との間に接続され、制御端
    子に上記第2の制御信号が印加される第2のスイッチン
    グ用トランジスタを含む請求項4記載の遅延回路。
  6. 【請求項6】上記制御電圧発生回路は、上記第1の電源
    電圧より所定の電圧だけ低い上記第1の制御信号を発生
    する第1の電圧発生回路と、 上記第2の電源電圧より所定の電圧だけ高い上記第2の
    制御信号を発生する第2の電圧発生回路とを有する請求
    項4記載の遅延回路。
  7. 【請求項7】上記電流源回路は、第1の電源電圧と上記
    インバータとの間に接続され、第1の電流制御信号に応
    じて上記インバータに第1の動作電流を供給する第1の
    電流源と、 第2の電源電圧と上記インバータとの間に接続され、第
    2の電流制御信号に応じて上記インバータに第2の動作
    電流を供給する第2の電流源とを有する請求項1記載の
    遅延回路。
  8. 【請求項8】上記第1の電流源は、上記第1の電源電圧
    と上記インバータとの間に接続され、制御端子に上記第
    1の電流制御信号が印加される第1の電流供給用トラン
    ジスタと、 上記第2の電流源は、上記第2の電源電圧と上記インバ
    ータとの間に接続され、制御端子に上記第2の電流制御
    信号が印加される第2の電流供給用トランジスタとを有
    する請求項7記載の遅延回路。
  9. 【請求項9】上記制御電圧発生回路は、上記第1の電源
    電圧より所定の電圧だけ低い上記第1の電流制御信号を
    発生する第1の電圧発生回路と、 上記第2の電源電圧より所定の電圧だけ高い上記第2の
    電流制御信号を発生する第2の電圧発生回路とを有する
    請求項7記載の遅延回路。
  10. 【請求項10】奇数段の遅延回路をリング状に接続して
    構成された発振回路であって、 上記各遅延回路は、 入力端子に上記入力信号が供給されるインバータと、 上記インバータに電源電圧に応じた動作電流を供給する
    電流源回路と、 上記インバータの出力端子に接続され、制御信号に応じ
    て充電または放電する容量回路と、 上記容量回路において上記充電または放電に伴う電荷の
    変化量が一定となるように、上記制御信号を生成する制
    御電圧発生回路とを有する発振回路。
  11. 【請求項11】上記容量回路は、一方の電極が電源電圧
    に、他方の電極が接続ノードに接続されている容量素子
    と、 上記接続ノードと上記インバータの出力端子との間に設
    けられているスイッチング素子とを含み、上記スイッチ
    ング素子は、上記制御電圧発生回路によって発生された
    上記制御信号に応じて、充放電時上記容量素子の電圧変
    動幅が一定になるようにオン/オフする請求項10記載
    の発振回路。
  12. 【請求項12】上記スイッチング素子は、上記接続ノー
    ドと上記インバータの出力端子との間に接続され、制御
    端子に上記制御信号が印加されるトランジスタを含む請
    求項11記載の発振回路。
  13. 【請求項13】上記容量回路は、一方の電極が第1の電
    源電圧に、他方の電極が第1の接続ノードに接続されて
    いる第1の容量素子と、 上記第1の接続ノードと上記インバータの出力端子との
    間に設けられている第1のスイッチング素子と、 一方の電極が第2の電源電圧に、他方の電極が第2の接
    続ノードに接続されている第2の容量素子と、 上記第2の接続ノードと上記インバータの出力端子との
    間に設けられている第2のスイッチング素子とを含み、
    上記第1のスイッチング素子は、上記制御電圧発生回路
    によって発生された第1の制御信号に応じて、上記第1
    の容量素子が充放電時の電圧変動幅が一定になるように
    オン/オフし、上記第2のスイッチング素子は、上記制
    御電圧発生回路によって発生された第2の制御信号に応
    じて、上記第2の容量素子が充放電時の電圧変動幅が一
    定になるようにオン/オフする請求項10記載の発振回
    路。
  14. 【請求項14】上記第1のスイッチング素子は、上記第
    1の接続ノードと上記インバータの出力端子との間に接
    続され、制御端子に上記第1の制御信号が印加される第
    1のスイッチング用トランジスタを含み、 上記第2のスイッチング素子は、上記第2の接続ノード
    と上記インバータの出力端子との間に接続され、制御端
    子に上記第2の制御信号が印加される第2のスイッチン
    グ用トランジスタを含む請求項13記載の発振回路。
  15. 【請求項15】上記制御電圧発生回路は、上記第1の電
    源電圧より所定の電圧だけ低い上記第1の制御信号を発
    生する第1の電圧発生回路と、 上記第2の電源電圧より所定の電圧だけ高い上記第2の
    制御信号を発生する第2の電圧発生回路とを有する請求
    項13記載の発振回路。
  16. 【請求項16】上記電流源は、第1の電源電圧と上記イ
    ンバータとの間に接続され、第1の電流制御信号に応じ
    て上記インバータに第1の動作電流を供給する第1の電
    流源と、 第2の電源電圧と上記インバータとの間に接続され、第
    2の電流制御信号に応じて上記インバータに第2の動作
    電流を供給する第2の電流源とを有する請求項10記載
    の発振回路。
  17. 【請求項17】上記第1の電流源は、上記第1の電源電
    圧と上記インバータとの間に接続され、制御端子に上記
    第1の電流制御信号が印加される第1の電流供給用トラ
    ンジスタと、 上記第2の電流源は、上記第2の電源電圧と上記インバ
    ータとの間に接続され、制御端子に上記第2の電流制御
    信号が印加される第2の電流供給用トランジスタとを有
    する請求項16記載の発振回路。
  18. 【請求項18】上記制御電圧発生回路は、上記第1の電
    源電圧より所定の電圧だけ低い上記第1の電流制御信号
    を発生する第1の電圧発生回路と、 上記第2の電源電圧より所定の電圧だけ高い上記第2の
    電流制御信号を発生する第2の電圧発生回路とを有する
    請求項16記載の発振回路。
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