JP2001285025A - アンテナ共用器 - Google Patents
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Abstract
耐電力性を有し、安定した特性を有するアンテナ共用器
を提供することを目的とするものである。 【解決手段】 入力端子に入力側を接続した送信側フィ
ルタと、この送信側フィルタに接続した移相回路と、こ
の移相回路に接続した受信側フィルタと、この受信側フ
ィルタに接続した出力端子と、前記送信側フィルタと移
相回路との間に接続したアンテナ端子とを備え、前記送
信側フィルタはラダー型弾性表面波フィルタであり、前
記アンテナ端子側の最外腕は直列腕SAW共振器45b
であり、送信側フィルタにおいて、送信信号の出力側か
らの反射波に対する耐電力性が、入力端子側からの電力
印加に対する耐電力性と同等以上である。
Description
通信機器に用いるアンテナ共用器に関するものである。
明する。
入、出力端子301,305間に送信側フィルタ30
2、移相回路303(図中点線で囲んだ部分)、受信側
フィルタ304の順に接続し、送信側フィルタ302と
移相回路303との間にアンテナ端子306を接続した
ものである。この送信側フィルタ302として弾性表面
波フィルタが適用されている。
テナ共用器を携帯端末機器に用いる場合、入力端子30
1より送信側フィルタ302に信号が入力されるときの
耐電力性の向上のみ改善することが行われてきた。
ンテナが完全に伸ばされている時、もしくは完全に収納
されている時に最も最良の状態となりアンテナ共用器の
アンテナ端子とアンテナの移相整合のとれた状態となる
が、それ以外の状況下、つまりアンテナが完全に伸ばさ
れていなかったり、仮にアンテナが破損した状況などで
はアンテナ共用器のアンテナ端子とアンテナの間では移
相不整合の状態、極端な場合はアンテナ共用器のアンテ
ナ端子から先が開放状態となることがある。
が受信回路側に回り込むことでの損失や雑音を抑制する
ため、送信側フィルタの出力端およびアンテナ側の出力
端子から受信側回路が送信周波数帯では開放状態に見え
るように移相回路が設けられている。
ンテナの間では移相不整合の状態においては、送信側フ
ィルタの出力端から出力された信号の一部が送信フィル
タに反射されることになる。またアンテナ共用器のアン
テナ端子から先が開放状態においては、出力信号が全反
射に近い形で送信側フィルタに出力端側から入力される
ことになる。この場合入力信号と反射波の重ね合わせに
より最大約2倍の高周波電圧および高周波電流が印加さ
れることが考えられる。
タに用いたアンテナ共用器の場合、出力側のSAW共振
器に最も大きな電力が印加されるため、出力端子側に近
いSAW共振器が劣化してしまうという問題を有してい
た。
号の入力に対しても耐電力性を有し、安定した特性を有
するアンテナ共用器を提供することを目的とするもので
ある。
に本発明のアンテナ共用器は、入力端子と、この入力端
子に入力側を接続した送信側フィルタと、この送信側フ
ィルタの出力側に入力側を接続した移相回路と、この移
相回路の出力側に入力側を接続した受信側フィルタと、
この受信側フィルタの出力側に接続した出力端子と、前
記送信側フィルタと移相回路との間に接続したアンテナ
端子とを備え、少なくとも前記送信側フィルタは、弾性
表面波フィルタで構成すると共に送信側の入力端子から
信号を入力した場合と、前記アンテナ端子から前記信号
と同じ信号を入力した場合の耐電力性が同等もしくは前
記アンテナ端子から入力した場合の方が優れた耐電力性
を有しているものであり、送信信号のアンテナ端子での
反射による電極の劣化を防止することにより、上記目的
を達成することができる。
は、入力端子と、この入力端子に入力側を接続した送信
側フィルタと、この送信側フィルタの出力側に入力側を
接続した移相回路と、この移相回路の出力側に入力側を
接続した受信側フィルタと、この受信側フィルタの出力
側に接続した出力端子と、前記送信側フィルタと移相回
路との間に接続したアンテナ端子とを備え、少なくとも
前記送信側フィルタは、弾性表面波フィルタで構成する
と共に送信側の入力端子から信号を入力した場合と、前
記アンテナ端子から前記信号と同じ信号を入力した場合
の耐電力性が同等もしくは前記アンテナ端子から入力し
た場合の方が優れた耐電力性を有しているアンテナ共用
器であり、送信信号がアンテナ端子で反射したとして
も、弾性表面波フィルタの劣化を防止し、安定したアン
テナ共用器の動作を得ることができるものである。
ルタを入力側から見た時と出力側から見た時の構成を等
しくした請求項1に記載のアンテナ共用器であり、入力
端子側及びアンテナ端子側からの印加電力に対して優れ
た耐電力性を有するものである。
ルタを形成する圧電基板上において、前記弾性表面波フ
ィルタのレイアウトは対称である請求項1に記載のアン
テナ共用器であり、入力端子側及びアンテナ端子側のど
ちらから電圧が印加されたとしても、放熱状況が等しく
なり、入力端子側及びアンテナ端子側からの印加電力に
対して同等の耐電力性を有し、安定した動作を行うアン
テナ共用器となる。
の入力端子に入力側を接続した送信側フィルタと、この
送信側フィルタの出力側に入力側を接続した移相回路
と、この移相回路の出力側に入力側を接続した受信側フ
ィルタと、この受信側フィルタの出力側に接続した出力
端子と、前記送信側フィルタと移相回路との間に接続し
たアンテナ端子とを備え、前記送信側フィルタは、ラダ
ー型弾性表面波フィルタで構成すると共に前記アンテナ
端子側の最外腕は直列腕SAW共振器であり、送信側フ
ィルタにおいて、送信信号の出力側(アンテナ端子側)
からの反射波に対する耐電力性が入力端子側からの電力
印加に対する耐電力性と同等以上となる。
の直列腕SAW共振器の内最も容量が小さい前記直列腕
SAW共振器は、前記最外腕以外の直列腕SAW共振器
の容量よりも大きくした請求項4に記載のアンテナ共用
器であり、送信側フィルタにおいて、送信信号の出力側
(アンテナ端子側)からの反射波に対する耐電力性が入
力端子側からの電力印加に対する耐電力性と同等以上と
なる。
SAW共振器のインターディジタルトランスデューサ電
極の分割前の対数をNi、分割後の対数をNaとする
と、Ni≦Naである請求項4に記載のアンテナ共用器
であり、送信側フィルタにおいて、送信信号の出力側
(アンテナ端子側)からの反射波に対する耐電力性が入
力端子側からの電力印加に対する耐電力性と同等以上と
なる。
SAW共振器のインターディジタルトランスデューサ電
極の分割前の交差幅をLi、分割後の交差幅をLaとす
るとLa≦Liとする請求項6に記載のアンテナ共用器
であり、送信側フィルタにおいて、送信信号の出力側
(アンテナ端子側)からの反射波に対する耐電力性が入
力端子側からの電力印加に対する耐電力性と同等以上と
なる。
最も近い並列腕SAW共振器を複数に分割した請求項4
に記載のアンテナ共用器であり、送信周波数帯におい
て、大きな電圧のかかる並列腕SAW共振器の耐電圧性
を高めて、劣化を抑制することができる。
最も近い並列腕SAW共振器の分割後の合成容量が分割
前の容量と同等である請求項8に記載のアンテナ共用器
であり、通常印加される高周波電圧の約2倍の高周波電
圧に対しても並列腕SAW共振器の劣化を抑制すること
ができる。
腕SAW共振器の内最も容量が小さい前記並列腕SAW
共振器は、前記分割した並列腕以外の並列腕SAW共振
器よりも大きな容量を有する請求項8に記載のアンテナ
共用器であり、仮にアンテナ端子において送信信号が全
反射した場合でも、最も大きな高周波電圧が印加される
出力側端子(アンテナ端子)に最も近い並列腕SAW共
振器の耐電圧性を特に高めておくことにより劣化を抑制
することができる。
タはラダー型弾性表面波フィルタで構成すると共に入力
端子側の最外腕が直列腕SAW共振器である請求項4に
記載のアンテナ共用器であり、仮にアンテナ端子におい
て送信信号が全反射したような場合においても、送信側
からの漏れ電力に対して受信側フィルタの劣化を抑制す
ることができる。
最外腕が直列腕SAW共振器を複数に分割した請求項1
1に記載のアンテナ共用器であり、送信側からの漏れ電
力に対して受信側フィルタの劣化を抑制することがで
き、十分な耐電力性を有するものである。
腕の直列腕SAW共振器の内最も容量が小さい前記直列
腕SAW共振器は、前記最外腕以外の直列腕SAW共振
器の容量よりも大きくした請求項12に記載のアンテナ
共用器であり、送信側からの漏れ電力に対して受信側フ
ィルタの劣化を抑制することができ、十分な耐電力性を
有するものである。
腕SAW共振器のインターディジタルトランスデューサ
電極の分割前の対数をNi、分割後の対数をNaとする
と、Ni≦Naである請求項12に記載のアンテナ共用
器であり、送信側からの漏れ電力に対して受信側フィル
タの劣化を抑制することができ、十分な耐電力性を有す
るものである。
腕SAW共振器のインターディジタルトランスデューサ
電極の分割前の交差幅をLi、分割後の交差幅をLaと
するとLa≦Liとする請求項14に記載のアンテナ共
用器であり、送信側からの漏れ電力に対して受信側フィ
ルタの劣化を抑制することができ、十分な耐電力性を有
するものである。
に最も近い並列腕SAW共振器を複数に分割した請求項
11に記載のアンテナ共用器であり、送信側からの漏れ
電力による並列腕SAW共振器の耐電圧性を高めて、劣
化を抑制することができる。
に最も近い並列腕SAW共振器の分割後の合成容量が分
割前の容量と同等である請求項11に記載のアンテナ共
用器であり、通常印加される高周波電圧の約2倍の高周
波電圧に対しても並列腕SAW共振器の劣化を抑制する
ことができる。
腕SAW共振器の内最も容量が小さい前記並列腕SAW
共振器は、他の並列腕SAW共振器の容量よりも大きな
容量を有する請求項16に記載のアンテナ共用器であ
り、送信側からの漏れ電力による最も大きな高周波電圧
が印加されるアンテナ端子に最も近い並列腕SAW共振
器の耐電圧性を高めることにより劣化を抑制することが
できる。
ィルタの入力側から見た時と出力側から見た時の構成を
等しくした請求項4に記載のアンテナ共用器であり、入
力端子側及びアンテナ端子側からの印加電力に対して優
れた耐電力性を有するものである。
ィルタを形成する圧電基板上において、前記弾性表面波
フィルタのレイアウトは対称である請求項4に記載のア
ンテナ共用器であり、入力端子側及びアンテナ端子側の
どちらから電圧が印加されたとしても、放熱状況が等し
くなり、入力端子側及びアンテナ端子側からの印加電力
に対して同等の耐電力性を有し、安定した動作を行うア
ンテナ共用器となる。
る。
は800MHz帯のアンテナ共用器(送信帯域:824M
Hz〜849MHz、受信帯域869MHz〜894MHz)に
ついて説明する。
ブロック回路図であり、入、出力端子1,5間に送信側
フィルタ2、移相回路3(図中点線で囲んだ部分)、受
信側フィルタ4の順に接続し、送信側フィルタ2と移相
回路3との間にアンテナ端子6を接続したものである。
図2に示すようにSAW共振器10a,10b,10
c,11a,11b,11cを直列腕と並列腕に配置
し、直列腕3段、並列腕3段の合計6段のSAW共振器
で構成されたラダー型の弾性表面波フィルタを用いた。
これらのSAW共振器は図3に示すように圧電基板上に
おいて一対のインターディジタルトランスデューサ電極
100の両側に反射器電極101を設けたものである。
テナ共用器の送信側フィルタ2として用いる弾性表面波
フィルタの上面図、図5は図4に示す弾性表面波フィル
タの回路図であり、直列腕5段、並列腕2段の合計7段
のSAW共振器で構成されている。40は圧電基板、4
1は入力用電極、42は出力用電極、43,44a,4
4b,45a,45bは直列腕SAW共振器、46,4
7は並列腕SAW共振器、48はアース電極である。
共振器も図3に示すように基本的に一対のインターディ
ジタルトランスデューサ電極の両側に反射器電極を設け
たものである。直列腕SAW共振器44aと44b,4
5aと45bとはそれぞれ同一構造のSAW共振器であ
る。
示す直列腕SAW共振器と並列腕SAW共振器の回路を
基本構成として、イメージインピーダンス法により、図
8に示すように接続し、隣接する並列腕SAW共振器お
よび直列腕SAW共振器をそれぞれ一つのSAW共振器
にまとめて表現した図6に示す弾性表面波フィルタを基
本構造とするものであり、図6において直列腕SAW共
振器63,64は図4、図5に示す直列腕SAW共振器
44aと44b、45aと45bの分割前に相当する。
ィルタと等価である図9、図10に示す弾性表面波フィ
ルタを準備する。図9に示す構成の弾性表面波フィルタ
は、図6に示す弾性表面波フィルタにおいて直列腕SA
W共振器64を94a,94bに分割したものであり、
図10に示す弾性表面波フィルタは図6に示す弾性表面
波フィルタの直列腕SAW共振器63,64をそれぞれ
103a,103b,104a,104bに分割したも
のである。
4,65及び並列腕SAW共振器66,67の容量をそ
れぞれC63,C64,C65,C66,C67とする
と、送信側フィルタの受信帯域の減衰量を確保するため
に容量を下げているため、(C63,C64)>C6
5,C66=C67の関係となっている。
合の図5、図9、図10において対応する直列腕及び並
列腕SAW共振器の容量を(表1)に示す。
共振器の開口長は分割前後で同じとし、対数はN段に分
割したSAW共振器については分割前の対数のN倍とし
た。従ってN段に分割した分割後の1つ1つのSAW共
振器の容量は分割前のSAW共振器の容量のN倍となっ
ている。従って図3、図9、図10においては分割した
SAW共振器はそれぞれ二つに分割したため分割前の容
量の2倍の容量を有するものとなっている。
いてはC43=C44a(あるいはC44b)*2、
(C45a、C45b)>C43>(C44a,C44
b)、C46=C47となっている。
力性評価を行った。試験方法としては、環境温度85
℃、印加周波数は849MHzとし、電力印加時間が10
0時間を越えた場合その印加電力に対しては耐電力性が
あるものとし、印加電力を30dBmから1dBmずつ
あげて試験を行い寿命が100時間満たなくなる印加電
力より1dBm低い電力を弾性表面波フィルタの耐電力
性限界レベルとした。
ナ共用器において、アンテナ端子6および出力端子5を
それぞれ50Ωで終端した状態で入力端子1に電力を印
加した場合と、アンテナ端子6は開放状態、出力端子5
は500Ωで終端した状態で入力端子1に電力を印加し
た場合の二つの場合について行った。この結果を(表
2)に示す。
の表面の観察によって劣化が確認されたSAW共振器に
ついても合せて示している。またどの弾性表面波フィル
タにおいても、受信側フィルタ4の弾性表面波フィルタ
が劣化することはなかった。
を開放にした場合、アンテナ端子を50Ωで終端した場
合よりも低い電力で弾性表面波フィルタが劣化してしま
うことがわかる。またこの実施の形態1の弾性表面波フ
ィルタのように容量が小さな中間段の直列腕SAW共振
器44a,44bを入力端子側初段の直列腕SAW共振
器43の容量と同じになるように多段分割すると同時に
最終段の直列腕SAW共振器45a,45bを初段の直
列腕SAW共振器43よりもそれぞれ容量が大きくなる
ように分割することが有効であることが比較例2,3と
比較するとわかる。
テナ端子を50Ω終端した場合においても耐電力性が最
終段の直列腕SAW共振器95,105によって決まっ
てしまうような設計の場合は、従来行われてきたような
電力の入力端子1側の直列腕SAW共振器を多段分割化
することでは耐電力性が改善されないばかりか、アンテ
ナ端子6が開放状態の場合には、さらに低い電力でやは
り最終段の直列腕SAW共振器が劣化してしまうことが
わかる。
タのように送信側の入力端子1から信号入力した場合
と、アンテナ端子6から前記信号と同じ信号を入力した
場合の耐電力性が同等もしくはアンテナ端子6から入力
した場合の方が優れた耐電力性を有するものを用いるこ
とにより、アンテナ端子での反射波による送信側のフィ
ルタ2の劣化を防止することができる。
では1.9GHz帯のアンテナ共用器(送信帯域:1.8
5GHz〜1.91GHz、受信帯域1.93GHz〜1.9
9GHz)を用いて説明する。このアンテナ共用器の構成
は図1に示したものと同じであるので説明を省略する。
ルタ4として図2に示すラダー型弾性表面波フィルタを
用いた。
おいては図12、実施の形態3においては図13、実施
の形態4においては図14、実施の形態5においては図
15に示す構成のラダー型弾性表面波フィルタを用い
た。また図11は、実施の形態2に示す送信側フィルタ
の圧電基板上でのレイアウトを示すものであり、110
は圧電基板、111は入力用電極、112は出力用電
極、113a,113b,114a,114b,114
c,114d,115a,115bは直列腕SAW共振
器、116,117は並列腕SAW共振器である。
ィルタは入力用電極111側から出力用電極112側を
見た場合と、逆に出力用電極112側から入力用電極1
11側を見た場合で構成が全く同じになるように、つま
り回路的にも圧電基板110上での配置的にも対称にな
るように形成されている。比較例4としてこの実施の形
態2と同じ回路構成で圧電基板110上での配置が異な
る弾性表面波フィルタを図16に示す。この図からわか
るように比較例4においては出力用電極112側の直列
腕SAW共振器115a,115bのインターディジタ
ルトランスデューサ電極115c,115dのバスバー
およびパッド電極115eの面積が他の直列腕SAW共
振器113a,113b、114a〜114dと比較す
ると小さくなっている。
構造となったラダー型弾性表面波フィルタを比較例5と
し、この構成を図17に示す。この弾性表面波フィルタ
は図18に示す直列腕SAW共振器と並列腕SAW共振
器の回路を基本構成としてイメージインピーダンス法に
より図19のように接続し、隣接する並列腕SAW共振
器および直列腕SAW共振器をそれぞれ一つのSAW共
振器にまとめたものである。
おいてそれぞれのSAW共振器の容量をC173,C1
74,C175,C176,C177(各数字は図17
におけるSAW共振器の番号と対応するものとする)と
すると、C173=2×C174、C173=C175
>C114、C116=C117となっている。図17
の各SAW共振器の容量を1とした場合、これに対応す
る図11、図13〜図16の弾性表面波フィルタの各S
AW共振器の容量を(表3)に示す。
1と同様基本構造の弾性表面波フィルタ(図17)にお
いて分割したSAW共振器の開口長はその分割前後で同
じとし、対数はN段に分割したSAW共振器については
分割前の対数のN倍とした。従ってN段に分割した分割
後の各SAW共振器の容量は分割前のSAW共振器の容
量のN倍となっている。
の形態1と同様の耐電力性評価試験を行った。但し、環
境温度は50℃、印加周波数は1.91GHzとし、印加
電力を27dBmから1dBmずつあげて試験を行い寿
命が100時間に満たなくなる印加電力より1dBm低
い電力を各弾性表面波フィルタの耐電力性限界レベルと
した。この結果を(表4)に示す。
の表面の観察によって劣化が確認されたSAW共振器に
ついても合せて示している。またどの弾性表面波フィル
タにおいても、試験を行った範囲において受信側弾性表
面波フィルタが劣化することはなかった。
を開放にした場合、アンテナ端子を終端した場合よりも
低い電力で弾性表面波フィルタが劣化してしまうことが
わかる。また実施の形態2と比較例4とを比較すると分
かるように弾性表面波フィルタの回路構成が等しくて
も、圧電基板上のレイアウトが異なると耐電力性が異な
ることがわかる。
共振器115a,115bのバスバーおよびパッド電極
の面積を他の直列腕SAW共振器と比較すると小さくし
たため、通電中に発生した熱の放熱が実施の形態2と比
較した場合悪く、そのため耐電力性が低下したと考えら
れる。つまり通電中に発生する熱の放熱のことも考慮す
ると回路的にだけでなく圧電基板上でのレイアウトも対
称にすることにより、放熱の偏りをできるだけ小さくす
ることができ、耐電力性を向上させることができる。ま
た圧電基板上でのレイアウトを考える際は、アンテナ端
子が開放された状況において入力電力よりも大きな電力
が印加される可能性のある出力端子5に最も近いSAW
共振器や最も最初に劣化してしまうSAW共振器のバス
バーやパッドの面積を広くし、放熱の効率を高めてやる
のが良いことが容易に考えられる。
腕SAW共振器の耐電力を改善していくと並列腕SAW
共振器が劣化するモードが観測される。これは試験後の
観察から出力端子5に近い並列腕SAW共振器のインタ
ーディジタルトランスデューサ電極間で放電してしまっ
たのが劣化原因とわかった。つまりこの場合も、アンテ
ナ端子での反射波と入力信号との重ね合わせにより、並
列腕SAW共振器にはアンテナ端子を50Ω終端して入
力端から電力を入力した場合よりも大きな高周波電圧が
印加されたためにインターディジタルトランスデューサ
電極間で放電を起こしてしまったと考えられる。従って
実施の形態4,5のように出力端子5に近い並列腕SA
W共振器を分割して各SAW共振器に印加される高周波
電圧を分圧してやるとこの並列腕SAW共振器の劣化を
抑制できアンテナ端子を開放した場合の耐電力性をさら
に向上させることができる。また耐電力性限界レベルも
通常観測される直列腕SAW共振器によって決定される
こととなる。
の形態8では1.9GHz帯のアンテナ共用器(送信帯
域:1.85GHz〜1.91GHz、受信帯域1.93G
Hz〜1.99GHz)について説明する。アンテナ共用器
の構成は、図1に示したものと同じであるので説明を省
略する。
と同じ構成のラダー型弾性表面波フィルタを用い、受信
側フィルタ3として実施の形態6は図20、実施の形態
7は図21、実施の形態8は図22、比較例6は図23
に示すラダー型弾性表面波フィルタをそれぞれ用いた。
ルタは入力端子1側の初段が直列腕SAW共振器20
3,213,223aである。また図20に示す弾性表
面波フィルタを基本構成として図21においては、入力
端子1側に最も近い並列腕SAW共振器のみ二段に分割
したものであり、図22においては入力端子1側に最も
近い直列腕SAW共振器223a,223bと並列腕S
AW共振器226a,226bの両方を二段に分割した
ものである。
フィルタは入力端子1側初段が並列腕SAW共振器23
6となっている。実施の形態7,8においても分割とし
た直列腕SAW共振器216a,216b,223a,
223b,226a,226bの開口長はその分割前で
ある直列腕SAW共振器203,206とそれぞれ同じ
とし、対数はN段に分割したSAW共振器については分
割前の対数のN倍とした。従ってN段に分割した分割後
の各SAW共振器の容量は分割前のSAW共振器の容量
のN倍となっている。実施の形態7,8においてはそれ
ぞれ二段に分割したので各SAW共振器は分割前の容量
の2倍の容量を有するものとなっている。
の形態2〜5と同様の耐電力性評価試験を行った。この
結果を(表5)に示す。
の表面の観察によって劣化を確認したSAW共振器につ
いても合せて示している。またどの弾性表面波フィルタ
においてもアンテナ端子を開放した状態の試験において
は試験を行った範囲では送信側弾性表面波フィルタが劣
化することはなかった。
タ4については入力端子1側初段が直列腕SAW共振器
203,213,223aのラダー型弾性表面波フィル
タを用いることにより、高耐電力性を有することが分か
る。これは移相回路3を有するアンテナ共用器では送信
電力のほとんどが移相回路3のアンテナ端子で反射され
ることによるものと考えられる。またアンテナ端子が開
放状態になった場合を考慮しても、受信側フィルタ4の
入力端子1側のSAW共振器を多段化することで耐電力
性をさらに向上させることができる。
る。
信側フィルタの劣化を防止するために、複数に分割した
最外腕(アンテナ端子6に最も近い)直列腕SAW共振
器の内最も容量が小さい直列腕SAW共振器の容量を前
記最外腕以外の直列腕SAW共振器の容量よりも大きく
する。そのために、最外腕以外の直列腕SAW共振器の
インターディジタルトランスデューサ電極の分割前の対
数をNi、分割後の対数をNaとすると、Ni≦Naと
すれば良い。さらに最外腕の直列腕SAW共振器のイン
ターディジタルトランスデューサ電極の分割前の交差幅
をLi、分割後の交差幅をLaとするとLa≦Liとす
ることにより、電極指1本あたりの抵抗の上昇は抑制さ
れ発熱の影響を軽減することができる。
振器は、耐電力性を考慮した場合、入力端子1および出
力端子2に近いほど容量が大きいものを用いることが好
ましい。
性表面波フィルタを用いた場合、図14、図15に示す
ように、アンテナ端子に最も近い並列腕SAW共振器を
複数に分割することにより、送信用周波数帯域におい
て、大きな電圧のかかる並列腕SAW共振器の耐電圧性
を高めて、劣化を抑制することができる。またアンテナ
端子に最も近い並列腕SAW共振器を複数に分割する時
は分割後の合成容量が分割前の容量と同等となるように
することにより、通常印加される高周波電圧の約2倍の
高周波電圧に対しても並列腕SAW共振器の劣化を抑制
することができる。さらに分割した並列腕SAW共振器
の内最も容量が小さい並列腕SAW共振器は、分割した
並列腕以外の並列腕SAW共振器よりも大きな容量を有
するようにすることにより、さらに最も大きな高周波電
圧が印加される出力側端子(アンテナ端子)に最も近い
並列腕SAW共振器の耐電圧性を向上させることができ
る。
性表面波フィルタを用いる場合、アンテナ端子側に最も
近い初段を直列腕SAW共振器とし、複数に分割すると
共に分割した直列腕SAW共振器内最も容量が小さい直
列腕SAW共振器は、前記初段以外の直列腕SAW共振
器の容量よりも大きくすることにより、さらに耐電力性
を向上させることができる。すなわち分割前のインター
ディジタルトランスデューサ電極の対数をNi、分割後
の対数をNaとすると、Ni≦Naとすればよい。
差幅をLaとするとLa≦Liとすることにより、電極
指1本あたりの抵抗の上昇は抑制され発熱の影響を軽減
することができる。
性表面波フィルタを用いた場合は、図21、図22に示
すようにアンテナ端子に最も近い並列腕SAW共振器を
複数に分割することにより、耐電圧性を高めて、劣化を
抑制することができる。この時分割後の合成容量が分割
前の容量と同等とすることにより、通常印加される高周
波電圧の約2倍の高周波電圧に対しても並列腕SAW共
振器の劣化を抑制することができる。さらに、分割した
並列腕SAW共振器の内最も容量が小さい並列腕SAW
共振器は、他の並列腕SAW共振器よりも大きな容量を
有するものとすることにより、さらに耐電圧性を高める
ことができる。
もラダー型弾性表面波フィルタを用いた場合は、入力側
から見た時と出力側から見た時の構成を回路的に、より
好ましくは圧電基板上のレイアウト的にも対称となるよ
うに設計することにより、通電中に発生する熱の放熱を
効率よく行うことができ、耐電力性を向上させることが
できる。
は、ラダー型弾性表面波フィルタを用いた場合について
のみ説明したが、送信側の入力端子から信号を入力した
場合と、アンテナ端子から前記信号と同じ信号を入力し
た場合の耐電力性が同等もしくはアンテナ端子から入力
した場合の方が優れた耐電力性を有しているようなもの
であればラチス型弾性表面波フィルタやラダー型の一部
に縦結合型弾性表面波フィルタ等他の弾性表面波フィル
タを用いた場合も同様の効果が得られるものである。
らの信号の入力に対して耐電力性を有し、安定した特性
を有するアンテナ共用器を提供することができる。
のブロック回路図
の回路図
器の構成図
の上面図
タの基本構造を示す回路図
構成回路図
本構造を形成するときの接続方法を説明するための回路
図
の回路図
タの回路図
タの上面図
タの回路図
タの回路図
タの回路図
上面図
回路図
基本構成回路図
に示す基本構成回路の接続方法を説明するための回路図
タの回路図
タの回路図
タの回路図
回路図
Claims (20)
- 【請求項1】 入力端子と、この入力端子に入力側を接
続した送信側フィルタと、この送信側フィルタの出力側
に入力側を接続した移相回路と、この移相回路の出力側
に入力側を接続した受信側フィルタと、この受信側フィ
ルタの出力側に接続した出力端子と、前記送信側フィル
タと移相回路との間に接続したアンテナ端子とを備え、
少なくとも前記送信側フィルタは、弾性表面波フィルタ
で構成すると共に送信側の入力端子から信号を入力した
場合と、前記アンテナ端子から前記信号と同じ信号を入
力した場合の耐電力性が同等もしくは前記アンテナ端子
から入力した場合の方が優れた耐電力性を有する構成と
したアンテナ共用器。 - 【請求項2】 弾性表面波フィルタは、入力側から見た
時と出力側から見た時の構成を等しくした請求項1に記
載のアンテナ共用器。 - 【請求項3】 弾性表面波フィルタを形成する圧電基板
上において、前記弾性表面波フィルタのレイアウトは対
称である請求項1に記載のアンテナ共用器。 - 【請求項4】 入力端子と、この入力端子に入力側を接
続した送信側フィルタと、この送信側フィルタの出力側
に入力側を接続した移相回路と、この移相回路の出力側
に入力側を接続した受信側フィルタと、この受信側フィ
ルタの出力側に接続した出力端子と、前記送信側フィル
タと移相回路との間に接続したアンテナ端子とを備え、
前記送信側フィルタは、ラダー型弾性表面波フィルタで
構成すると共に前記アンテナ端子側の最外腕は直列腕S
AW共振器であり、この直列腕SAW共振器は複数に分
割されたものであるアンテナ共用器。 - 【請求項5】 分割した最外腕の直列腕SAW共振器の
内最も容量が小さい前記直列腕SAW共振器は、前記最
外腕以外の直列腕SAW共振器の容量よりも大きくした
請求項4に記載のアンテナ共用器。 - 【請求項6】 最外腕の直列腕SAW共振器のインター
ディジタルトランスデューサ電極の分割前の対数をN
i、分割後の対数をNaとすると、Ni≦Naである請
求項4に記載のアンテナ共用器。 - 【請求項7】 最外腕の直列腕SAW共振器のインター
ディジタルトランスデューサ電極の分割前の交差幅をL
i、分割後の交差幅をLaとするとLa≦Liとする請
求項6に記載のアンテナ共用器。 - 【請求項8】 アンテナ端子に最も近い並列腕SAW共
振器を複数に分割した請求項4に記載のアンテナ共用
器。 - 【請求項9】 アンテナ端子に最も近い並列腕SAW共
振器の分割後の合成容量が分割前の容量と同等である請
求項8に記載のアンテナ共用器。 - 【請求項10】 分割した並列腕SAW共振器の内最も
容量が小さい前記並列腕SAW共振器は、前記分割した
並列腕以外の並列腕SAW共振器よりも大きな容量を有
する請求項8に記載のアンテナ共用器。 - 【請求項11】 受信側フィルタはラダー型弾性表面波
フィルタで構成すると共に入力端子側の最外腕が直列腕
SAW共振器である請求項4に記載のアンテナ共用器。 - 【請求項12】 入力端子側の最外腕が直列腕SAW共
振器を複数に分割した請求項11に記載のアンテナ共用
器。 - 【請求項13】 分割した最外腕の直列腕SAW共振器
の内最も容量が小さい前記直列腕SAW共振器は、前記
最外腕以外の直列腕SAW共振器の容量よりも大きくし
た請求項12に記載のアンテナ共用器。 - 【請求項14】 最外腕の直列腕SAW共振器のインタ
ーディジタルトランスデューサ電極の分割前の対数をN
i、分割後の対数をNaとすると、Ni≦Naである請
求項12に記載のアンテナ共用器。 - 【請求項15】 最外腕の直列腕SAW共振器のインタ
ーディジタルトランスデューサ電極の分割前の交差幅を
Li、分割後の交差幅をLaとするとLa≦Liとする
請求項14に記載のアンテナ共用器。 - 【請求項16】 アンテナ端子に最も近い並列腕SAW
共振器を複数に分割した請求項11に記載のアンテナ共
用器。 - 【請求項17】 アンテナ端子に最も近い並列腕SAW
共振器の分割後の合成容量が分割前の容量と同等である
請求項11に記載のアンテナ共用器。 - 【請求項18】 分割した並列腕SAW共振器の内最も
容量が小さい前記並列腕SAW共振器は、他の並列腕S
AW共振器の容量よりも大きな容量を有する請求項16
に記載のアンテナ共用器。 - 【請求項19】 弾性表面波フィルタは、入力側から見
た時と出力側から見た時の構成を等しくした請求項4に
記載のアンテナ共用器。 - 【請求項20】 弾性表面波フィルタを形成する圧電基
板上において、前記弾性表面波フィルタのレイアウトは
対称である請求項4に記載のアンテナ共用器。
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