JP3431736B2 - 弾性表面波フィルタ - Google Patents

弾性表面波フィルタ

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JP3431736B2 JP26979495A JP26979495A JP3431736B2 JP 3431736 B2 JP3431736 B2 JP 3431736B2 JP 26979495 A JP26979495 A JP 26979495A JP 26979495 A JP26979495 A JP 26979495A JP 3431736 B2 JP3431736 B2 JP 3431736B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共振器型弾性表面
波フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、弾性表面波装置は弾性表面波
(Surface Acoustic Wave 、以下、SAWという)を励
振するためのすだれ状トランスデューサ(Interdigital
Trancducer 、以下、IDTという)を有している。そ
の、そのIDTを加工することにより、弾性表面波装置
にいろいろな特性及び機能を持たせることができる。従
来、弾性表面波装置といえば主にSAWフィルタを指す
ことが多く、そのSAWフィルタの中では多電極型SA
Wフィルタが主役であった。しかるに、近年、多電極型
SAWフィルタの他に、共振器型SAWフィルタの研究
開発も盛んになり、SAWフィルタと言えば必ずしも多
電極型SAWフィルタを意味しなくなってきている。本
発明はその共振器型SAWフィルタに関するものであ
る。共振器型SAWフィルタは、古典的な電気フィルタ
の設計方法に基づくSAW共振子を用いて構成されるフ
ィルタである。SAW共振子の本体はIDTであり、場
合によっては、左右に反射器を有してる。反射器もID
Tと同様にすだれ状の電極指で構成され、その全電極指
は電気的に短絡されている場合もあれば、開放されてい
る場合もある。反射器は主にIDTから左右に漏洩する
SAWを音響的に反射するための装置であるので、全電
極指の電気的短絡または開放とほとんど無関係である。
SAWフィルタのインピーダンス特性はLC共振器のイ
ンピーダンス特性にきわめて類似している。そのため、
電気フィルタの設計方法が適用できるわけである。
【0003】図2は、従来のSAW共振子を示す平面図
である。例えば水晶基板、LiTa03 基板、或いはL
iNb03 基板のような圧電基板1に対して、一般的な
半導体の製造プロセス技術の例えばリフトオフ(Lift-O
ff)技術等が用いられて、IDT2と反射器3とが形成
されている。IDT2では、入力端子4に接続されたす
だれ状の電極指と出力端子5に接続された電極指とが交
互に配置されている。IDT2と反射器3は、一般的に
AlまたはAlを主材料とする合金でできている。反射
器3が不要の場合には、これは除かれる。図3(1),
(2),(3)は、図2中の反射器を説明する図であ
り、同図(1)は略図、同図(2)は全電極指が電気的
に短絡された反射器、及び同図(3)が全電極指が開放
された反射器をそれぞれ示している。反射器の電極指の
本数は、50〜100本程度が適当である。図2中の反
射器は、一般的に図3(2)もしくは図3(3)の形態
をとっている。また、反射器3は、所望のインピーダン
スを得るために、IDT2の一番外側の電極指から励振
するSAWの4分の1波長の距離の前後に配置されるの
が一般的である。反射器3は、IDT2と同じ製造工程
で同時に作製されるので、その膜厚及び材質はIDT2
と同じである。目安としての膜厚は、数百オングストロ
ームから数千オングストロームまでであり、材質は純A
lまたはAlを主材料とする合金が使用される。また、
場合によっては、純Au、純Tiまたはこれらの金属を
主材料とする合金が用いられる場合もある。以上のよう
な構成のSAW共振子はLC共振器とよく似たリアクタ
ンス特性を示すため、その等価回路をLC共振器で近似
的に表すことが多い。
【0004】図4(1),(2)は、図2の等価回路と
リアクタンス特性を示す図であり、同図(1)が等価回
路、同図(2)がリアクタンス特性をそれぞれ示してい
る。等価回路は、端子間に直列に接続されたインダクタ
10とキャパシタ11と抵抗12と、それらと並列に接
続されたキャパシタ13とで表される。この等価回路を
有したSAW共振子のリアクタンス特性は、図4(2)
が示す共振周波数Frと反共振周波数Faとを持ってい
る。このようなリアクタンス特性の素子で電気フィルタ
を設計する方法は、古くから知られている。共振子でフ
ィルタを構成するにあたって、はしご型回路がフィルタ
の基本回路となる。 図5は、一段はしご型回路を示す
回路図である。はしご型回路には、二通りの構成が考え
られる。図5(a)の回路と図5(b)の回路は対称で
あり、(a)の左の端子からみたインピーダンスは
(b)の右の端子からみたインピーダンスに等しく、
(a)の右の端子からみたインピーダンスは(b)の左
の端子からみたインピーダンスに等しい。共振子でフィ
ルタを構成するとき、はしご型回路間のインピーダンス
を考えながら(a)または(b)の回路を選択する。図
中の21は並列アーム(アームは英語のarmからきた
外来語)共振子で、22は直列アーム共振子である。並
列アーム共振子21の反共振周波数と直列アーム共振子
22の共振周波数が非常に接近または一致すれば、系全
体の入力端子と出力端子における整合状態がきわめて良
好な帯域フィルタの特性が得られる。
【0005】図6は、図5の1段はしご型回路の伝送特
性を説明する図である。図6中の31は、図5の並列ア
ーム共振子21と直列アーム共振子22のリアクタンス
特性を示している。ここで、各曲線Xp ,Xs は、各共
振子21,22のリアクタンス特性である。共振周波数
と反共振周波数は図6に示されている通りである。結果
的に、図5に示されるl段はしご型回路の挿入損失特性
は、図6の32の特性のようになる。この挿入損失は、
帯域フィルタの伝送特性であり、はしご型回路の段数を
増やすことにより、通過帯域の左右の減衰量が増加す
る。その段数はフィルタの特性の条件によって決まる。
しかし、はしご型フィルタの段数が増加すると、共振子
の数もこれに比例して増加する。
【0006】図7は、4段はしご型回路で構成される共
振器型フィルタを示す回路図である。この共振器型フィ
ルタは、図5に示された各1段はしご型回路41,4
2,43,44が、4個縦続接続されたものである。各
1段はしご型回路41〜44は、並列アーム共振子41
a〜44aと、直列アーム共振子41b〜44bをそれ
ぞれ有している。ただし、各段の間の相互反射を考慮し
て、接続するときにインピーダンスの等しい端子同士が
接続されている。結果的に、直列アームにおいては2組
の2個直列接続SAW共振子系、並列アームにおいてl
組の2個並列接続SAW共振子系ができる。各段に2個
の共振子があるので合計8個のSAW共振子が必要にな
ってくる。ところが、一般的に直列に接続する2個のS
AW共振子または並列に接続する2個のSAW共振子
は、1個のSAW共振子に合成することが可能である。
この合成共振子は2個の共振子系とほぼ同じインピーダ
ンス特性を持っていることが特徴である。例えば、l段
目回路41の共振子41b及び2段目回路42の共振子
42aと、3段目回路43の共振子43b及び4段目回
路44の共振子44aとは、それぞれ直列に接続し、2
段目回路42の共振子42bと3段目回路43の共振子
43aは並列に接続する。
【0007】図8は、共振子合成後の4段はしご型フィ
ルタを示す回路図である。それぞれの共振子系を合成す
ると、図7の4段はしご型フィルタの構成は、図8の構
成になる。即ち、図7に示される共振器型フィルタで
は、合計8個の共振子が必要であったが、共振子合成を
行なうことによって5個の共振子51,52,53,5
4,55で、図7と同じ伝送特性およびインピーダンス
特性を有する共振器型フィルタが得られる。なお、図8
で並列アームに配置される共振子51と共振子55は、
図7の各共振子41a,44bと同じであり、合成され
ない共振子である。直列アームの共振子52は2個の共
振子4lb,42aの合成共振子、直列アームに配置さ
れた共振子54は2個の共振子43b,44aの合成共
振子、及び並列アームに配置された共振子53は2個の
共振子42b,43aの合成共振子である。図7を構成
する各共振子をSAW共振子でそれぞれ構成する場合、
その合成方法は次の図9に示されているようになる。
【0008】図9は、SAW共振子の合成を説明する図
である。図9(1)は従来の単体のSAW共振子で、こ
こでは反射器を省略するが、反射器があっても差しつか
えない。また、ここではSAW共振子のIDT合成を説
明するためなので、圧電基板を図示していないが、すべ
てのSAW共振子は圧電基板上に作製されている。同図
中のWは対向する電極指の交差長である。また、λは励
振するSAWの波長であり、電極指幅の4倍に等しい。
2個のSAW共振子を合成するとき、例えば、図9の
(2)に示すように、2個の直列接続SAW共振子を1
個のSAW共振子に合成すると、後者の交差長は前者の
単体の交差長の半分になる。図9(3)のように、2個
の並列接続SAW共振子を1個のSAW共振子に合成す
ると、後者の交差長は前者の単体の交差長Wの2倍にな
る。それぞれの場合の合成後のSAW共振子のインピー
ダンス特性は、合成前の直列接続SAW共振子系または
並列接続SAW共振子系のインピーダンス特性とほぼ同
じである。ただし、直列接続SAW共振子系の場合では
合成後のSAWの励振領域は面積的に合成前の4分のl
になるのに対し、並列接続SAW共振子の場合では合成
後のSAWの励振領域は面積的に合成前と同じである。
このようにして共振器型フィルタの共振子が合成されて
いく。例えば、4段はしご型回路で構成される共振器型
SAWフィルタの場合では8個のSAW共振子を必要と
するところ、5個のSAW共振子で同じ伝送特性とイン
ピーダンス特性を有する共振器型SAWフィルタの構成
が可能である。即ち、用いられるSAW共振子の数は、
ほぼ段数と同じとなる。また、減衰量はほぼ段数に比例
して増加するので、所望のフィルタの特性が決まれば、
その段数もほぼ決まる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
SAW共振子を用いた共振器型SAWフィルタでは、次
のような課題があった。SAW共振子の数を減らす目的
で、一般的に直列接続する2個の共振子および並列に接
続する2個の共振子は、それぞれl個の合成共振子に合
成される。それら各合成共振子のインピーダンス特性
は、2個の直列接続の共振子および2個の並列共振子と
それぞれほぼ同じである。図9の(2)において、直列
接続の2個のSAW共振子を合成した後得たSAW共振
子の交差長は、合成前の単体SAW共振子の交差長の半
分になる。図9の(3)において、並列接続の2個のS
AW共振子を合成した後得たSAW共振子の交差長は、
合成前の単体SAW共振子の交差長の2倍になる。
【0010】合成SAW共振子に高周波電力を入力する
と各々の電極指間にSAWが励振する。図9の(3)で
は、単体同志で比較すると、合成SAW共振子の交差長
は、合成前の単体SAW共振子より2倍長いため、明ら
かに合成SAW共振子において励振したSAWのエネル
ギー密度は、同じ電力を印加したとすると、合成前の単
体SAW共振子の場合と比べて半分になり、単体SAW
共振子より電力的に2倍強くなるわけである。しかし、
図9の(2)では、交差長が単体SAW共振子の半分し
かなく、明らかに、励振したSAWのエネルギー密度は
合成前の単体SAW共振子の場合と比べて2倍になり、
合成前の単体SAW共振子より電力的に、2倍破壊され
やすくなるのである。
【0011】実際に、図8に示すように共振器型SAW
フィルタを構成し、通電実験を行なったところ、高電力
による破壊はほとんど直列アームの合成共振子52また
は54で発生した。これは、直列の2個のSAW共振子
を合成したことによって、合成SAW共振子52または
54には、合成前の単体のSAW共振子の電力が印加さ
れるため、SAWのエネルギー密度は、合成前の単体の
SAW共振子に比べて4倍高くなる。このことが、原因
であると推定できる。本発明は以上のような欠点を除去
し、高耐電力の共振器型SAWフィルタを提供すること
を課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明のうちの第1の発明は、直列アーム共振子及
び並列アーム共振子からなるはしご型回路が複数段、縦
続接続されて構成される共振器型SAWフィルタの回路
において、前記各段の隣接する直列アーム共振子同士が
合成されると共に、前記各段の隣接する並列アーム共振
子同士が合成されて形成されるSAWフィルタであっ
て、前記各並列アーム共振子及び前記各直列アーム共振
子を次のように形成している。即ち、前記各並列アーム
共振子は、SAW共振子で構成して圧電基板上に形成
し、前記各直列アーム共振子は、SAW共振子で構成す
るときと同一のインピーダンス特性を持ち、且つ該SA
W共振子よりも耐電力特性に優れたLC共振子により構
成して前記圧電基板上に形成している。 第2の発明で
は、前記各並列アーム共振子は、SAW共振子で構成し
て圧電基板上に形成し、前記各直列アーム共振子は、S
AW共振子で構成するときと同一のインピーダンス特性
を持ち、且つ該SAW共振子よりも耐電力特性に優れた
LC共振子、水晶共振子または圧電共振子により構成し
て前記圧電基板の外部に形成している。 第1及び第2の
発明によれば、以上のように共振器型SAWフィルタを
構成したので、合成後の並列アーム共振子はSAW共振
子で形成され、直列アーム共振子は、合成SAW共振子
の代わりに、これよりも耐電力特性に優れた共振子で構
成される。そのため、合成後の共振器型SAWフィルタ
において、従来の課題となっていた直列アーム共振子で
の電力破壊が防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施形態を示す
共振器型SAWフィルタの回路図である。従来の課題で
説明したように、共振器型SAWフィルタの直列アーム
における直列接続の2個のSAW共振子を合成してl個
のSAW共振子にすることによって、フィルタの直列ア
ームのSAW共振子で電力破壊が起こっいた。本実施
形態の共振器型SAWフィルタでは、その直列アームを
形成する合成SAW共振子の代わりに、高電力に強い共
振子の例えばLC共振子等を使用している。このSAW
フィルタは、入力端子対61a,61bと出力端子対6
2a,62b間に順に接続された、並列アームのSAW
共振子63と、直列アームのLC共振子64と、並列ア
ームのSAW共振子65と、直列アームのLC共振子6
6と、並列アームのSAW共振子67とを、備えてい
る。各LC共振子64,66は、例えば各SAW共振子
63,65,67と共に同一の圧電基板に形成されてい
る。
【0014】図1のフィルタは、図7の4段はしご型フ
ィルタの共振子を合成した図8のフィルタに対応するも
のであり、SAW共振子63は合成の行われないSAW
共振子51、SAW共振子65は合成されたSAW共振
子53、及びSAW共振子67は合成の行われないSA
W共振子55にそれぞれ該当する。また、各LC共振子
64,66は、図7のSAW共振子52,54にそれぞ
れ該当する。各LC共振子64,66は同じ構成で同じ
特性を有するものである。LC共振子64は、直列に接
続されたインダクタ64−1とキャパシタ64−2と、
それらに対して並列に接続されたキャパシタ64−3と
で、構成されている。また、LC共振子66は、直列に
接続されたインダクタ66−1とキャパシタ66−2
と、それらに対して並列に接続されたキャパシタ66−
3とで構成されている。LC共振子はSAW共振子に比
べて高電力に強く、しかも、大きさはSAW共振子に対
して数倍大きい程度であり、共振器型SAWフィルタの
小型化の妨げにはならない。
【0015】各インダクタ64−1,66−1は、渦巻
き型でも直線型でもどちらで形成してもよい。キャパシ
タ64−2,66−2,64−3,66−3は、誘電体
を挟むサンドイッチ型または電極指の広いSAW共振子
のIDT型でもよい。但し、直列アームの合成SAW共
振子と同じインピーダンス特性を、各LC共振子64,
66に持たせるために、各インダクタ64−1,66−
1のインダクタンスLと、キャパシタ64−2,66−
2のキャパシタンスcと、各キャパシタ64−3,66
−3のキャパシタンスCo とは、独立に評価してから構
成する必要がある。例えば、LiTaO3 板を圧電基板
とする中心周波数835MHzの共振器型SAWフィル
タの場合では、共振子のトランスデューサ及び反射器の
電極指幅は約l.l5μm、各SAW共振子63,67
における電極指の交差長とその対数はそれぞれ約70μ
mと70対程度、SAW共振子65の交差長と対数はそ
れぞれ約90μmと100対程度である。各LC共振子
64,66を従来のようにSAW共振子で構成した場
合、その交差長と対数はそれぞれ約55μmと110対
程度であるが、各LC共振子64,66で構成して同じ
インピーダンス特性を得るためには、インダクタンスL
を約10nH、キャパシタンスC0 を約122pF、及
びキャパシタンスcを約3.73pFにしなければなら
ない。
【0016】本実施形態では、各インダクタ64−1,
66−1を線幅150μm程度、巻数7〜10程度の平
面渦巻き型インダクタでそれぞれ構成している。キャパ
シタ64−2,66−2とキャパシタ64−3,66−
3とはすだれ状型で、従来のSAW共振子と同じ構成で
ある。しかしながら、その線幅は7Oμm前後としてい
るので10MHz以上のSAWを励振しないから、それ
らは800MHz帯ではキャパシタとしてしか働かな
い。また、キャパシタ64−3,66−3の交差長と対
数はそれぞれ150μm程度と15対程度で、キャパシ
タ64−2,66−2の交差長と対数はそれぞれ450
μm程度と3対程度である。各インダクタ64−1,6
6−1と各キャパシタ64−2,66−2とキャパシタ
64−3,66−3とは、すべて高電力に強い単―素子
なので、このように構成した図1の共振器型SAWフィ
ルタは従来のものと比べて3〜4倍程度形状的に大きく
なるものの、数十倍以上高耐電力なものとなる。なお、
各素子値から、各インダクタ64−1,66−1と各キ
ャパシタ64−2,66−2とキャパシタ64−3,6
6−3とは、容易に入手可能な単―素子なので、それら
LC共振子64,66を、圧電基板に対して外付けのL
C共振器で構成してもよい。例えば、各インダクタ64
−1,66−1はコイル断面積が約lmm2 程度で巻数
が2〜3のインダクタで構成し、各キャパシタ64−
2,66−2と各キャパシタ64−3,66−3は、寸
法が0.5×1×2mm3 のセラミックキャパシタで構
成してもよい。
【0017】次に、図1の共振器型SAWフィルタの動
作を説明する。図1の動作原理は従来のものとまったく
同じである。入力端子対61a,61bから高周波信号
が入力されると各LC共振子64,66において、従来
のようにSAWに変換されずに、次の(1),(2)式
で表わされる各LC共振子64,66の共振周波数Fr
と反共振周波数Fa間付近の周波数の信号だけが容易に
通過する。これ以外の周波数帯域の信号は反射され、入
力端子対61a,61bに戻される。
【数1】 このとき、SAW共振子63,65,67で、ある程度
のSAWが励振されるが、各LC共振子64,66のよ
うに主流電力は通過しないので、まず電力による破壊の
可能性は、ほとんどない。各SAW共振子63,65,
67の共振周波数をfr(=2Fr−Fa)と反共振周
波数をfa(=Fr)とすると、図6の説明から明かな
ように、それらSAW共振子63,65,67の影響で
共振周波数frと反共振周波数fa間付近の周波数の信
号だけが容易に通過し、これ以外の周波数帯域の信号
は、反射されて入力端子対61a,61bに戻される。
SAWフィルタにおける各素子がこのように機能する
と、結局、SAW共振子の共振周波数frからLC共振
子の反共振周波数Faまでを帯域とする帯域フィルタに
なる。そして、通過可能な周波数の信号だけが、出力端
子対62a,62bに到達し、出力信号として抽出され
る。ここで、例えば周波数FrとFaはそれぞれ83
6.5MHzと849MHzで、frは824MHzで
ある。
【0018】以上のように、本実施形態では、共振器型
SAWフィルタにおいて、高電力に弱い直列アームのS
AW共振子を、そのSAW共振子と同じインピーダンス
特性を有するLC共振子64,66に変更して構成して
いる。LC共振子は高耐電力であり、直列アームでの電
力破壊が防止される。そのため、このSAWフィルタ
は、自動車電話或いは携帯電話等において送信フィルタ
として用いられている高電力に強いセラミックスフィル
タの代わりに、使用可能になる。また、共通のアンテナ
で送受信を行うために通信機器に設けられ、高耐電力の
SAWフィルタを必要とするSAW共用器も、本実施形
態のSAWフィルタを用いることで実現できる。なお、
本発明は、上記実施形態に限定されず種々の変形が可能
である。例えば、上記実施形態では、4段はしご回路に
基づいたSAWフィルタを説明しているが、はしご回路
の段数に制限はない。また、直列アームをSAW共振子
63,65,67と同一基板に形成されたLC共振子6
4,66で構成しているが、外付けのLC共振子、水晶
共振子、または圧電共振子等で直列アームを構成しても
よい。
【0019】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、第1及び第
2の発明によれば、共振器型SAWフィルタにおいて、
合成後の高電力に弱い直列アームのSAW共振子を、そ
のSAW共振子と同一のインピーダンス特性を有し、耐
電力特性に優れたLC共振子水晶共振子または圧電共
振子に変更して構成している。そのため、合成後の直列
アームにおける耐高電力性が確保され、電力破壊から解
放される。よって、高電力用に適した共振器型SAWフ
ィルタが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す共振器型SAWフィル
タの回路図である。
【図2】従来のSAW共振子を示す平面図である。
【図3】図2中の反射器を説明する図である。
【図4】図2の等価回路とリアクタンス特性を示す図で
ある。
【図5】1段はしご型回路を示す回路図である。
【図6】図5の1段はしご型回路の伝送特性を説明する
図である。
【図7】4段はしご型回路で構成される共振器型フィル
タを示す回路図である。
【図8】共振子合成後の4段はしご型フィルタを示す回
路図である。
【図9】SAW共振子の合成を説明する図である。
【符号の説明】 61a,61b 入力端子対 62a,62b 出力端子対 63,65,67 SAW共振子(並列アーム) 64,66 LC共振子(直列アーム)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−327399(JP,A) 特開 平6−276046(JP,A) 特開 平6−350390(JP,A) 特開 平7−15276(JP,A) 特開 平6−6111(JP,A) 特開 昭51−92147(JP,A) 実開 昭50−136341(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/64 H03H 9/145

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直列アーム共振子及び並列アーム共振子
    からなるはしご型回路が複数段、縦続接続されて構成さ
    れる共振器型弾性表面波フィルタの回路において、前記
    各段の隣接する直列アーム共振子同士が合成されると共
    に、前記各段の隣接する並列アーム共振子同士が合成さ
    れて形成される弾性表面波フィルタであって、 前記各並列アーム共振子は、弾性表面波共振子で構成し
    て圧電基板上に形成し、 前記各直列アーム共振子は、弾性表面波共振子で構成す
    るときと同一のインピーダンス特性を持ち、且つ該弾性
    表面波共振子よりも耐電力特性に優れたLC共振子によ
    り構成して前記圧電基板上に形成したことを特徴とする
    弾性表面波フィルタ。
  2. 【請求項2】 直列アーム共振子及び並列アーム共振
    子からなるはしご型回路が複数段、縦続接続されて構成
    される共振器型弾性表面波フィルタの回路において、前
    記各段の隣接する直列アーム共振子同士が合成されると
    共に、前記各段の隣接する並列アーム共振子同士が合成
    されて形成される弾性表面波フィルタであって、 前記各並列アーム共振子は、弾性表面波共振子で構成し
    て圧電基板上に形成し、 前記各直列アーム共振子は、弾性表面波共振子で構成す
    るときと同一のインピーダンス特性を持ち、且つ該弾性
    表面波共振子よりも耐電力特性に優れたLC共振子、水
    晶共振子または圧電共振子により構成して前記圧電基板
    の外部に形成したことを特徴とする弾性表面波フィル
    タ。
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