JP2001283970A - コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ケーブル接続を簡単に行うことができ、しかも
プラグとリセプタクルとが半差し状態となった場合で
も、十分な嵌合強度及び防水性能を確保することのでき
る構造を提供する。 【解決手段】プラグ２側の雄端子２１及びリセプタクル
３側の雌端子３１を樹脂製のハウジング２２、３２に固
定し、それらハウジング２２、３２を樹脂にてモールド
する。そして、プラグ２とリセプタクル３とを合わせた
状態で、プラグ側とリセプタクル側のハウジング２２と
３２、樹脂モールド部２３と３３とが相互に嵌合して雄
端子２１及び雌端子３１の防水が確保されるように構成
する。さらに、嵌合状態においてハウジング２２、３２
の嵌合部分の嵌合長さＬ1 が、樹脂モールド部２３、３
３の嵌合部分の嵌合長さＬ2 よりも長くなるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば太陽電池モ
ジュールの接続に用いられるコネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、一般住宅用あるいは業務用のソー
ラーシステムが種々開発されている。ソーラーシステム
は、例えば複数個の太陽電池セルからなる太陽電池モジ
ュールを建物の屋根や屋上に複数配列し、それらをケー
ブル接続することによって構築されている。

【０００３】太陽電池モジュールのケーブル接続には、
従来、図６に示すようなコネクタが用いられている。

【０００４】図６に示すコネクタ１０１は、ケーブル１
２に接続した雄端子１２１をゴムにてモールドしたプラ
グ１０２と、ケーブル１３に接続した雌端子１３１をゴ
ムにてモールドしたリセプタクル１０３とからなり、雄
端子１２１を雌端子１３１に差し込んだ状態で、プラグ
側のゴムモールド部（プラグ本体）１０２とリセプタク
ル側のゴムモールド部（リセプタクル本体）１０３とが
相互に嵌合して、雄端子１２１及び雌端子１３１の防水
を確保する構造となっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、図６に示し
た構造のコネクタによれば、雄端子・雌端子のモールド
材がゴムであることに加えて、十分な防水を確保するた
めにプラグ本体とリセプタクル本体との嵌合度合いを強
めに設定しているので、プラグ本体とリセプタクル本体
との挿入抵抗が大きくて、プラグをリセプタクルに簡単
に嵌め込むことができない。

【０００６】また、プラグ本体とリセプタクル本体との
挿入抵抗が大きいことから、作業者がプラグをリセプタ
クルにきっちりと差し込んだつもりでも、プラグがリセ
プタクルに完全に嵌まらずに半差し状態になることがあ
る。このような半差し状態のままで接続作業を終えてし
まうと、必要とする防水性能を確保することができず、
漏電・ショート等が発生する虞れがある。また、振動や
風などの影響によってコネクタが外れてしまうこともあ
る。

【０００７】本発明はそのような実情に鑑みてなされた
もので、プラグをリセプタクルに簡単に嵌め込むことが
でき、しかも、ケーブル接続において何らかの原因によ
り、プラグとリセプタクルとが半差し状態となった場合
でも、十分な嵌合強度及び防水性能を確保することが可
能なコネクタの提供を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明のコネクタは、雄
端子が設けられたプラグと、その雄端子が差し込まれる
雌端子が設けられたリセプタクルとからなるコネクタに
おいて、雄端子及び雌端子がそれぞれ樹脂製のハウジン
グに固定されているとともに、それらハウジングが樹脂
モールドされており、プラグとリセプタクルとを合わせ
た状態で、プラグ側のハウジングとリセプタクル側のハ
ウジング、及びプラグ側の樹脂モールド部とリセプタク
ル側の樹脂モールド部とが相互に嵌合して雄端子及び雌
端子の防水が確保されるとともに、嵌合状態においてハ
ウジングの嵌合部分の嵌合長さが、樹脂モールド部の嵌
合部分の嵌合長さよりも長くなるように構成されている
ことによって特徴づけられる。

【０００９】なお、本発明で言う「嵌合部分の嵌合長
さ」とは、雌端子への雄端子の差込方向における嵌合長
さのことである。

【００１０】本発明のコネクタによれば、プラグとリセ
プタクルとを合わせた状態で、プラグ側のハウジングと
リセプタクル側のハウジングとが嵌合し、さらにプラグ
側の樹脂モールド部とリセプタクル側の樹脂モールド部
とが嵌合するので、２重の防水効果により高い防水性能
を得ることができる。

【００１１】しかも、プラグとリセプタクルとを合わせ
た状態で、ハウジングの嵌合部分の嵌合長さが、樹脂モ
ールド部の嵌合部分の嵌合長さよりも長くなるように構
成しているので、プラグとリセプタクルとが半差し状態
となって樹脂モールド部の嵌合部分の嵌合長さが短くな
っても、ハウジング嵌合部分における嵌合長さを十分に
確保することができ、必要とする嵌合強度及び防水性能
を得ることができる（図５参照）。

【００１２】本発明のコネクタにおいて、プラグ側のハ
ウジングに弾力性のある樹脂を適用すれば、プラグ側の
ハウジングとリセプタクル側のハウジングとの嵌合力が
強くなり、より高い防水性能を得ることができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明の実施形態を、以下、図面
に基づいて説明する。

【００１４】図１は本発明の実施形態の構造を示す断面
図である。図２及び図３はそれぞれ図１に示す実施形態
を構成するプラグ及びリセプタクルの構造を示す断面図
である。図４は本発明の実施形態の外観形状を示す正面
図である。

【００１５】この実施形態のコネクタ（防水型）１は、
プラグ２とリセプタクル３によって構成されている。

【００１６】プラグ２は雄端子２１を備えている。雄端
子２１の後端部には接続用端子２１ａが一体形成されて
おり、この接続用端子２１ａにケーブル１２の導体（よ
り線）１２ａがカシメ（圧着）によって接続されてい
る。

【００１７】雄端子２１はハウジング２２に固定されて
いる。ハウジング２２の雄端子２１の周囲には、後述す
るリセプタクル３の嵌合スリーブ３２ａが入り込む大き
さの嵌合凹部２２ａが形成されている。ハウジング２２
の材料には、例えばウレタン系樹脂を配合した弾力性の
あるプラスチックを用いている。ハウジング２２は樹脂
にてモールドされ、その樹脂モールド部がプラグ本体２
３となっている。

【００１８】プラグ本体２３は、内側モールド部２３ａ
と外側モールド部２３ｂとからなる２重成形構造となっ
ている。内側モールド部２３ａはケーブル１２の導体１
２ａ及びケーブルの絶縁体１２ｂ（シース材１２ｃの一
部も含む）の外周面に密着している。外側モールド部２
３ｂはケーブル１２のシース材１２ｃの外周面に密着し
ている。内側モールド部２３ａの樹脂には、例えばＰＥ
（ポリエチレン）が用いられる。外側モールド部２３ｂ
の樹脂には、例えばＰＶＣ（ポリ塩化ビニル）が用いら
れる。

【００１９】プラグ本体２３（外側モールド部２３ｂ）
の先端部はハウジング２２よりも前方に突出しており、
この先端部に段付凹部２３ｃが形成されている。段付凹
部２３ｃの内面には防水を確保するための突条２３ｄが
形成されている。

【００２０】リセプタクル３は雌端子３１を備えてい
る。雌端子３１の後端部には接続用端子３１ａが一体成
形されており、この接続用端子３１ａにケーブル１３の
導体（より線）１３ａがカシメ（圧着）によって接続さ
れている。

【００２１】雌端子３１はハウジング（例えばナイロン
製）３２に固定されている。ハウジング３２には、雌端
子３１の側部を覆う形状でプラグ本体２３の嵌合凹部２
２ａに嵌まり合う形状の嵌合スリーブ３２ａと、雌端子
３１の前方部を覆う形状の嵌合凸部３２ｂが一体形成さ
れている。ハウジング３２は樹脂にてモールドされてお
り、その樹脂モールド部がリセプタクル本体３３となっ
ている。

【００２２】リセプタクル本体３３は、内側モールド部
３３ａと外側モールド部３３ｂとからなる２重成形構造
となっている。内側モールド部３３ａはケーブル１３の
絶縁体１３ｂ及びシース材１３ｃの外周面に密着してい
る。外側モールド部３３ｂはケーブル１３のシース材１
３ｃの外周面に密着している。内側モールド部３３ａの
樹脂には、例えばＰＥが用いられる。外側モールド部３
３ｂの樹脂には、例えばＰＶＣが用いられる。

【００２３】リセプタクル本体３３（外側モールド部３
３ｂ）の先端部は、プラグ本体２３の段付凹部２３ｃに
嵌まり合う形状の段付凸部３３ｃとなっている。この段
付凸部３３ｃの外周面には、プラグ本体２３の突条２３
ｄが嵌まり込む形状の凹溝３３ｄが形成されている。こ
れら段付凹部２３ｃと段付凸部３３ｃの嵌合及び突条２
３ｄと凹溝３３ｄとの嵌合によって、プラグ２とリセプ
タクル３との嵌合部分における防水性能が確保されてい
る。

【００２４】なお、リセプタクル３のハウジング３２の
外周面には、内側モールド部３３ａ及び外側モールド部
３３ｂとの密着強度・防水性能等を高めるための突起３
２ｃ、３２ｄが設けられている。

【００２５】そして、本実施形態においては、図１に示
すように、プラグ２とリセプタクル３とを完全に嵌合し
た状態で、プラグ２側のハウジング２２とリセプタクル
３側のハウジング３２との嵌合部分の嵌合長さＬ1 が、
プラグ本体２３（外側モールド部２３ｂ）とリセプタク
ル本体３３（外側モールド部３３ｂ）との嵌合部分の嵌
合長さＬ2 の約２倍の長さとなるように、各部の寸法が
設定されている。

【００２６】このような構造を採用することにより、ケ
ーブル接続を行う際に、何らかの原因により、プラグ２
とリセプタクル３とが半差し状態となっても、図５に示
すように、プラグ２側のハウジング２２とリセプタクル
３側のハウジング３２との嵌合部分の嵌合長さを十分に
確保することができ、必要とする嵌合強度及び防水性能
を得ることができる。

【００２７】本実施形態によれば、プラグ２とリセプタ
クル３とを合わせた状態で、プラグ２側とリセプタクル
３側の２つのハウジング２２、３２の全体が、プラグ本
体２３及びリセプタクル本体３３によって覆われ、それ
らハウジング２２、３２が外部に露出しない構造となっ
ているので、コネクタ１に外部衝撃が加わっても、その
衝撃力はプラグ本体２３及びリセプタクル本体３３にて
吸収され、ハウジング２２、３２が割れる可能性が少な
くなる。

【００２８】また、プラグ２とリセプタクル３とを合わ
せた状態で、プラグ２側のハウジング２２の嵌合凹部２
２ａにリセプタクル３側のハウジング３２の嵌合スリー
ブ３２ａが嵌まり込み、さらにプラグ本体２３の嵌合凹
部２３ｃにリセプタクル本体２３の嵌合凸部３３ｃが嵌
まり込むので、雄端子２１と雌端子３１とが一体化され
るとともに、それら雄端子２１及び雌端子３１の防水性
能が確保される。

【００２９】しかも、プラグ２側のハウジング２２の材
料に、例えばウレタン系樹脂を配合したプラスチックを
用いてハウジング２２に弾力性をもたせているので、プ
ラグ２側のハウジング２２とリセプタクル３側のハウジ
ング３２との嵌合力が強くなり、より高い防水性能を得
ることができる。

【００３０】本実施形態では、プラグ本体２３及びリセ
プタクル本体３３をそれぞれ内側モールド部２３ａ、３
３ａと外側モールド部２３ｂ、３３ｂとからなる２重成
形構造としているので、内側モールド部２３ａ、３３ａ
の樹脂として、ＣＶケーブルの絶縁体と同じ樹脂（Ｐ
Ｅ）を用いることにより、内部モールド部２３ａ、３３
ａとＣＶケーブルの絶縁体との密着性を高めることがで
きる。さらに、外側モールド部２３ｂ、３３ｂの樹脂と
して、ＣＶケーブルのシース材と同じ樹脂（ＰＶＣ）を
用いることにより、外側モールド部２３ｂ、３３ｂとＣ
Ｖケーブルのシース材との密着性も高めることができ
る。従って、このような２重成形構造を採用することに
より、プラグ２及びリセプタクル３の個々の防水性能に
も優れたコネクタ１を提供することができる。

【００３１】以上の実施形態では、１極タイプのコネク
タの例を示したが、本発明はこれに限られることなく、
１対の雄端子が設けられたプラグと、その各雄端子が差
し込まれる１対の雌端子が設けられたリセプタクルとか
らなる２極タイプのコネクタあるいは３極以上のコネク
タにも適用できる。

【００３２】なお、本発明のコネクタは、太陽電池モジ
ュールのケーブル接続のほか、例えば、融雪瓦用モジュ
ールあるいはテープヒータ用モジュールなどの各種の電
気機器のケーブル接続にも適用できる。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のコネクタ
によれば、プラグとリセプタクルとを合わせた状態で、
プラグ側のハウジングとリセプタクル側のハウジング、
及びプラグ側の樹脂モールド部とリセプタクル側の樹脂
モールド部とが相互に嵌合するので、２重の防水効果に
より高い防水性能を得ることができる。また、樹脂同士
の嵌合構造であるので、挿入抵抗があまり高くなく、プ
ラグとリセプタクルとを簡単に嵌合することができる。
その結果、ケーブル接続の作業性が向上する。

【００３４】さらに、プラグとリセプタクルとを合わせ
た状態で、ハウジングの嵌合部分の嵌合長さが、樹脂モ
ールド部の嵌合部分の嵌合長さよりも長くなるように構
成しているので、ケーブル接続時に何らかの原因によ
り、プラグとリセプタクルとが半差し状態となっても、
ハウジングの嵌合部分において十分な嵌合強度及び防水
性能を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態の構造を示す断面図である。

【図２】図１の実施形態に用いるプラグの構造を示す断
面図である。

【図３】図１の実施形態に用いるリセプタクルの構造を
示す断面図である。

【図４】本発明の実施形態の外観形状を示す正面図であ
る。

【図５】本発明の実施形態の作用説明図である。

【図６】従来のコネクタの構造例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ コネクタ ２ プラグ ２１ 雄端子 ２２ ハウジング ２２ａ 嵌合凹部 ２３ プラグ本体（樹脂モールド部） ２３ａ 内側モールド部 ２３ｂ 外側モールド部 ２３ｃ 段付凹部 ２３ｄ 突条 ３ リセプタクル ３１ 雌端子 ３２ ハウジング ３２ａ 嵌合スリーブ ３２ｂ 嵌合凸部 ３３ リセプタクル本体（樹脂モールド部） ３３ａ 内側モールド部 ３３ｂ 外側モールド部 ３３ｃ 段付凸部 ３３ｄ 凹溝 １２，１３ ケーブル

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 雄端子が設けられたプラグと、その雄端
   子が差し込まれる雌端子が設けられたリセプタクルとか
   らなるコネクタにおいて、 雄端子及び雌端子がそれぞれ樹脂製のハウジングに固定
   されているとともに、それらハウジングが樹脂モールド
   されており、プラグとリセプタクルとを合わせた状態
   で、プラグ側のハウジングとリセプタクル側のハウジン
   グ、及びプラグ側の樹脂モールド部とリセプタクル側の
   樹脂モールド部とが相互に嵌合して雄端子及び雌端子の
   防水が確保されるとともに、嵌合状態においてハウジン
   グの嵌合部分の嵌合長さが、樹脂モールド部の嵌合部分
   の嵌合長さよりも長くなるように構成されていることを
   特徴とするコネクタ。
2. 【請求項２】 プラグ側のハウジングに弾力性のある樹
   脂が用いられていることを特徴とする請求項１記載のコ
   ネクタ。