JP2001282443A - 座標読取装置 - Google Patents

座標読取装置

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JP2001282443A
JP2001282443A JP2000099356A JP2000099356A JP2001282443A JP 2001282443 A JP2001282443 A JP 2001282443A JP 2000099356 A JP2000099356 A JP 2000099356A JP 2000099356 A JP2000099356 A JP 2000099356A JP 2001282443 A JP2001282443 A JP 2001282443A
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JP
Japan
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loop
coordinate
panel
noise
voltage
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JP2000099356A
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English (en)
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Takuya Nagai
拓也 永井
Tsutomu Ohashi
勉 大橋
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズの影響を低減することにより座標の読
取精度を高めることができる座標読取装置を実現する。 【解決手段】 筆記パネル本体20は、筆記面21aを
有する筆記シート21と、板状のパネル22と、ループ
状パターン23が印刷されたシート24と、板状の支持
パネル25と、板状のバックパネル26とを順に積層一
体化して構成されている。パネル22は、アクリル樹
脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体)、PC(ポリカーボネート)などの非導電性
材料により厚さ1.0mmに形成されている。これによ
り、ノイズがループ状パターン23に発生する電圧に与
える影響を低減できるため、座標の読取精度を高めるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、座標入力手段か
ら発生する交番磁界により、座標入力シートに敷設され
た導線に発生する信号に基づいて上記座標入力手段の位
置座標を読み取る座標読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、座標読取装置として、たとえば図
13に示すものが知られている。図13は、従来の座標
読取装置の構成を示す説明図である。図13に示す座標
読取装置は、X座標を検出するためのX1〜Xmのセン
スコイルおよびY座標を検出するためのY1〜Ynのセ
ンスコイルを有する座標入力シート91と、この座標入
力シート91のセンスコイルを順次走査する走査回路9
2と、センスコイルに発生する誘導信号を検出して位置
座標の演算を行う検出回路90とを備える。そして、交
番磁界を発生するコイル101を有するペン89が座標
入力シート91に接触すると、ペン89が接触した付近
のセンスコイルには、コイル101から発生した交番磁
界との磁気結合により誘導信号97が誘起され、その誘
導信号97は、検出回路90に入力される。検出回路9
0に入力された誘導信号97は、増幅器93によって増
幅され、検波回路94によって例えば振幅検波される。
次にA/D変換回路95は、上記検波された誘導信号の
振幅を計測し、その計測値をCPU96に出力する。そ
して、CPU96は、入力されたデジタル値に基づいて
ペン89の位置座標を演算する。たとえば、デジタル値
と位置座標とを対応付けた位置座標テーブルを参照し、
デジタル値に対応する位置座標を選択するという演算手
法を用いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
座標読取装置のように、座標入力シートにセンスコイル
を敷設するものは、センスコイルの取付けに手間がかか
るという問題があった。そこで、本発明者らは、座標入
力シート上に銀ペーストによりループ状パターンを印刷
する手法を考えた。しかし、銀ペーストにそれを固める
ために配合する材料により、ループ状パターンの抵抗値
が大きくなるため、ノイズの影響により、座標の読取精
度が低下するという問題が発生した。
【0004】そこで、この発明は、上記諸問題を解決す
るためになされたものであり、その目的とするところ
は、ノイズの影響を低減することにより座標の読取精度
を高めることができる座標読取装置を実現することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段、作用および発明の効果】
本発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の
発明では、座標入力面上の座標入力手段から出力された
信号を検出して前記座標入力手段の前記座標入力面上の
位置座標を検出する座標読取装置において、前記信号を
検出する複数のループ状パターンが印刷された基板を備
えており、前記基板の印刷面と前記座標入力面との間
に、非導電性材料により形成された厚さ1.0mm以上
の非導電性基板を介在させたという技術的手段を用い
る。
【0006】座標入力面上の座標入力手段から出力され
た信号を検出する複数のループ状パターンが印刷された
基板の印刷面と上記座標入力面との間に、非導電性材料
により形成された厚さ1.0mm以上の非導電性基板が
介在されているため、ノイズの影響を低減することがで
きる。たとえば、後述する発明の実施の形態に記載する
ように、本発明者らの実験によればパネル22(非導電
性基板)の厚さhsを1.0mmにした場合、ノイズレ
ベルを30mVに低減することができた(図9)。とこ
ろで、ループ状パターンから検出できる電圧の最大値が
3.3Vであり、そのA/D変換回路のカウント値が2
56(8bit)である場合に、ノイズレベルの30m
Vは、上記カウント値の2〜3程度に相当し、位置座標
ではたとえば0.4mm程度に相当する。また、A/D
変換回路52(図6)のカウント値の下位3bit程度
は、誤差として発生する。したがって、ノイズレベルを
30mV以下にすることにより、ノイズの影響による位
置座標の誤差をA/D変換回路のカウント値の誤差範囲
内に納めることができるため、位置座標の読取精度をA
/D変換回路の精度レベルに高めることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る座標読取装
置の一実施形態について図を参照して説明する。なお、
以下に述べる各実施形態では、この発明に係る座標読取
装置として、座標入力シート上に描かれる手書き文字や
図形などを電気的に読み取る、いわゆる電子黒板を例に
挙げて説明する。 (第1実施形態) [主要構成]最初に、第1実施形態に係る電子黒板の主
要構成について図1および図2を参照して説明する。図
1は、電子黒板の主要構成を示す外観斜視説明図であ
り、図2は、図1に示す電子黒板にパーソナルコンピュ
ータ(以下、PCと略称する)およびプリンタを接続し
た状態を示す説明図である。
【0008】電子黒板1には、筆記パネル10と、筆記
面21aに筆記を行うための座標入力ペン60と、筆記
された軌跡およびその軌跡を示すデータを消去するため
のイレーサ40とが備えられている。筆記パネル10に
は、枠状のフレーム11が備えられており、そのフレー
ム11には、筆記パネル本体20が組み込まれている。
フレーム11の前面下端には、その下端に沿って板状の
台12が前面に張り出す形で取り付けられている。台1
2の上面には、座標入力ペン60を収容するための断面
半円形状の凹部12aが形成されており、その凹部12
aの右側には、イレーサ40などを置くための平面部1
2bが形成されている。
【0009】フレーム11の前面右側には、操作部30
が設けられている。操作部30には、操作音や警告音な
どの音を再生するスピーカ31と、筆記面21aに筆記
された内容を示すデータ(以下、筆記データと略称す
る)を記憶したページ数を7セグメントのLEDによっ
て表示するページ数表示LED32と、押すごとに1ペ
ージずつ戻るページ戻りボタン33と、押すごとに1ペ
ージずつ送るページ送りボタン34と、記憶されている
筆記データを押すごとに1ページずつ消去する消去ボタ
ン35と、記憶されている筆記データをプリンタ200
(図2)へ出力するために押すプリンタ出力ボタン36
と、記憶されている筆記データをPC100(図2)へ
出力するために押すPC出力ボタン37と、この電子黒
板1を起動あるいは停止するために押す電源ボタン38
とが設けられている。
【0010】フレーム11の前面下部には、この電子黒
板1の電源となる単2乾電池14aを4本収容するバッ
テリケース14が設けられており、そのバッテリケース
14の前面には、蓋14bが開閉可能に取付けられてい
る。バッテリケース14の右側には、スピーカ31のボ
リュームを調節するボリューム調節つまみ13cが設け
られており、その右側には、コネクタ13b、13aが
設けられている。図2に示すように、コネクタ13bに
は、プリンタ200と接続された接続ケーブル201の
プラグ202が接続され、コネクタ13aには、PC1
00と接続された接続ケーブル101のプラグ102が
接続される。つまり、電子黒板1の筆記面21aに筆記
された内容を示す筆記データをPC100へ出力し、P
C100に備えられたモニタ100aにより、電子黒板
1に筆記された内容を見ることができる。また、筆記デ
ータをプリンタ200へ出力し、電子黒板1に筆記され
た内容を印刷用紙203に印刷することもできる。
【0011】また、フレーム11の裏面上端の両端部に
は、この電子黒板1を壁に掛けるための金具15、15
が取付けられている。なお、座標入力ペン60には、交
番磁界を発生するためのコイル、発振回路および電池な
どが内蔵されている。この第1実施形態では、筆記面2
1aの高さH1は900mmであり、幅W1は600m
mである。また、フレーム11および台12は、ポリプ
ロピレンなどの合成樹脂により軽量に形成されており、
電子黒板1の総重量は10kg以下である。
【0012】[ネットワークの構成]次に、電子黒板1
と他の電子黒板1との間でデータの通信を行う場合のネ
ットワークの構成について、それをブロックで示す図3
を参照して説明する。なお、ここでは、企業内において
電子黒板1を備えた複数の部屋間、あるいは、企業間で
通信を行う場合を例に挙げて説明する。企業2内の部屋
3には、電子黒板1と、この電子黒板1と接続されたP
C100と、このPC100と接続されたLANボード
103とが備えられており、部屋4には、電子黒板1
と、この電子黒板1と接続されたPC100と、このP
C100と接続されたモデム108とが備えられてい
る。各部屋3に備えられたLANボード103は、LA
Nケーブル104によりHUB105に接続されてい
る。また、HUB105は、サーバ106に接続されて
おり、サーバ106は、インターネット300を介して
他の企業5に接続可能になっている。また、部屋4に備
えられたモデム108は、電話回線109から公衆通信
交換網301を介して他の企業5に接続可能になってい
る。なお、図示しないが、他の企業5内には、企業2内
と同様に、PCを介して通信可能な電子黒板1が備えら
れている。
【0013】ここで、上記ネットワークにおけるデータ
の流れについて説明する。ある部屋3に備えられた電子
黒板1に記憶された筆記データは、PC100からLA
Nボード103およびHUB105を介して指定された
部屋3のPC100へ送信される。そして、そのデータ
を受信した者は、PC100に備えられたモニタ100
aに受信データを表示することにより(図2)、あるい
は、受信データをPC100に接続されたプリンタ20
0により用紙203に印刷することにより(図2)、受
信データの内容を見ることができる。また、筆記データ
を、たとえばTIFF(Tag Image File
Format)形式で電子メールに画像ファイルとし
て添付し、サーバ106からインターネット300を介
して他の企業5へ送信することもできる。これにより、
他の企業5は、企業2から送信された電子メールに添付
されている画像ファイルをデコードすることにより、筆
記データの内容を見ることができる。
【0014】[筆記パネル本体20の構造]次に、筆記
パネル本体20の構造について、それを示す図4を参照
して説明する。図4に示すように、筆記パネル本体20
は、筆記面21aを有する筆記シート21と、板状のパ
ネル22と、ループ状パターン23が印刷されたシート
24と、板状の支持パネル25と、板状のバックパネル
26とを順に積層一体化して構成されている。この実施
形態では、筆記シート21は、貼り合わされたPET
(ポリエチレンテレフタラート)フィルムにより厚さ
0.1mmに形成されており、パネル22は、アクリル
樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体)、PC(ポリカーボネート)などの非導電
性材料により厚さ1.0mmに形成されている。また、
シート24は、PETにより厚さ180μmに形成され
ており、支持パネル25は、発泡スチロールなどの発泡
樹脂製材料により厚さ40mmに形成されている。さら
に、バックパネル25は、アルミニウムなどの導電性材
料により厚さ1.0mmに形成されている。
【0015】[ループ状パターン23の構成]次に、ル
ープ状パターン23の構成について図5を参照して説明
する。図5は、ループ状パターン23を構成するX座標
検出用のループ状パターン(以下、Xループと略称す
る)23XおよびY座標検出用のループ状パターン(以
下、Yループと略称する)23Yのうち、Xループの一
部を省略して示す説明図である。なお、図5の中に数字
のみを示すものの単位はmmである。図5に示すよう
に、XループX2には、XループX1の右側の長辺部分
およびXループX0の右側の長辺部分と、XループX3
の左側の長辺部分およびXループX4の左側の長辺部分
とが重ねられている。つまり、各Xループには、左側に
隣接する2つのXループおよび右側に隣接する2つのX
ループが重ねられている。このように隣接するループを
2つ重ねるのは、クロスポイントP(図6)を大きくす
る、つまり各ループから検出される電圧値を大きくする
ことにより、ノイズの影響を低減して位置座標の読取精
度を高めるためである。また、各ループで検出可能な最
大電圧の1/4以下の電圧(A/Dカウント値では、た
とえば最大256に対する1/4(=約60))は、ノ
イズの影響が大きいため使用することは望ましくない。
そこで、最大電圧を検出したループに隣接するループか
ら検出可能な最大電圧が上記1/4以下となるように各
ループを配置する。たとえば、その配置は図6に示すパ
ターンとなる。図5では、Xループの短辺部分の最大幅
は52mmであり、Xループの線幅は2mmである。ま
た、各Xループの隣接する長辺部分の重ねしろは4mm
であるため、各Xループの幅(内径)は、44mmとな
っている。また、Xループの折り返し部分を含む長さは
約1,820mmである。さらに、YループもXループ
と同じ配置構成であ、折り返し部分を含む長さは約1,
220mmである。また、XループおよびYループの持
つ抵抗値は、それぞれ50Ω以下にすることが望ましい
が、スクリーン印刷によってループを形成した場合、X
ループで45〜60Ω、Yループで25〜40Ωの範囲
の値となった。この範囲であれば、後述するパネル22
の厚さによりノイズを低レベルとすることができる。
【0016】[位置座標の検出手法]次に、筆記面21
a上のペン60の位置座標を検出するための手法につい
て図6を参照して説明する。図6(A)はXループX1
〜X3の一部を示す説明図であり、図6(B)は図6
(A)に示すXループX1〜X3に発生する電圧と幅方
向の距離との関係を示すグラフであり、図6(C)は図
6(A)に示すXループX1〜X3の相互に隣接するル
ープ間の電圧差を示すグラフである。
【0017】図6においてXループX1,X2,X3の
中心線をそれぞれC1,C2,C3とし、XループX
1,X2,X3に発生する電圧をそれぞれex1,ex
2,ex3とする。図6(B)に示すように、電圧ex
1〜ex3は、それぞれ各ループの中心C1〜C3にお
いて最大となり、長手方向の端部に近づくにつれて小さ
くなる単峰性を示す。なお、各ループは、自己のヌル
点、すなわち電圧ex1〜ex3がそれぞれ0となる点
N1〜N6が隣接するループの中心の外側となるように
P1/2で重ねられる。また、図6(C)に示すように
XループX1〜X3の相互に隣接するループ間の電圧差
は、ループの中心C1〜C3上にそれぞれ最大値を有
し、ループの中心とループの長辺部分との中間点、つま
り隣接するループが重なった部分の中間点で零となるグ
ラフとなる。
【0018】たとえば、図6(C)において(ex2−
ex1)を示すグラフ(実線で示す部分)は、Xループ
X2の中心線C2から、XループX1が重ねられた部分
の中間点Q1までの距離と(ex2−ex1)との関係
を示す。今、仮にペン60が点Q2に存在する場合、
(ex2−ex1)を検出すれば中心線C2から点Q2
までの距離ΔQ2Xを検出できるため、点Q2のX座標
を求めることができる。たとえば、図6(C)において
(ex2−ex1)の特性を示す部分(実線で描いた部
分)を8bitまたは10bitなどのデジタルデータ
に変換し、それをテーブル形式に変換すると位置座標テ
ーブルを得る。この位置座標テーブル58aは、ROM
58(図7)などに記憶され、ペン60の位置座標の演
算に用いられる。
【0019】[電子黒板1の主な電気的構成および制御
内容]次に、電子黒板1の主な電気的構成および制御内
容について図7および図8を参照して説明する。図7は
電子黒板1の電気的構成をブロックで示す説明図であ
り、図8は図7に示すCPU56が実行する主な制御内
容を示すフローチャートである。図7に示す制御装置5
0に備えられたCPU56は、電源ボタン38(図1)
がONしたことを検出すると(ステップ(以下、Sと略
す)100:Yes)、ROM58に記憶されている制
御プログラムや位置座標テーブルをRAM59のワーク
エリアにロードするなどの初期設定を行い(S20
0)、座標読取処理を実行する(S300)。
【0020】[座標読取処理]ここで座標読取処理につ
いて図7を参照して説明する。CPU56は、Xループ
X1〜Xmを順に選択するループ選択信号を入出力回路
(I/O)53を介してXループ切替え回路50aに出
力することにより、XループX1〜Xmのスキャンを行
う。続いてペン60のコイルL1から発生した交番磁界
と、いずれかのXループとの磁気結合によって発生した
信号は、増幅器50cによって増幅され、その増幅信号
は、バンドパスフィルタ(BPF)50dによって不要
な帯域が濾波され、振幅検波回路51によって振幅検波
される。続いてその振幅検波された信号は、A/D変換
回路52によって振幅、つまり電圧値に対応したデジタ
ル信号に変換され、入出力回路53を介してCPU56
に入力される。
【0021】続いてCPU56は、ペン60を検出した
と判定し、XループX1〜Xmをスキャンして入力され
たデジタル信号によって示される電圧値e1〜emをX
ループのループ番号と対応付けてRAM59の電圧値記
憶エリアに順次記憶して行く。続いてCPU56は、電
圧値記憶エリアに記憶された各電圧値に基づいて以下の
手順によってペン60のX座標を演算する。まず、電圧
値記憶エリアに記憶されている電圧値e1〜emの中で
最大の電圧値emaxを選択し、その電圧値emaxを
発生したXループのループ番号(以下、maxと称す
る)をRAM59に記憶する。そして、CPU56はe
maxの両隣の電圧値emax±1のうち大きい方を決
定し、その決定した電圧値を発生したXループのループ
番号(以下、max2と称する)をRAM59に記憶す
る。
【0022】続いてCPU56は、RAM59に記憶さ
れたループ番号maxおよびmax2を比較して、ルー
プ番号max2はループ番号maxからX軸の+方向ま
たは−方向のどちらに存在しているかを判定する。そし
て、max2≧maxである場合は、変数SIDEを1
に設定し、max2<maxである場合は、変数SID
Eを−1に設定する。続いてCPU56は、
【0023】 DIFF=e(max)−e(max2)・・・(1)
【0024】を演算し、その演算されたDIFFに最も
近い位置座標をROM58に記憶されている位置座標テ
ーブル58aから読出し、それをOFFSETとする。
続いてCPU56は、
【0025】 X1=(P1/2)×max+OFFSET×SIDE・・・(2)
【0026】を演算し、X座標X1を求める。ここで、
(P1/2)×maxは、ループ番号maxの中心のX
座標を示す。そしてCPU56は、各Yループのスキャ
ンを実行し、各Yループから検出した電圧値をRAM5
9のYループ用の電圧値記憶エリアに記憶する。続いて
CPU56は、前述のX座標の演算と同じ手法を用いて
ペン60のY座標を演算する。
【0027】[ノイズの影響に関する実験]次に、本発
明者らが行ったノイズの影響に関する実験について図9
を参照して説明する。図9(A)はパネル22の厚さを
示す説明図であり、図9(B)は図9(A)に示すパネ
ル22の厚さと、ノイズレベルおよびSN比との関係を
示すグラフである。最初に、本発明者らは、ノイズレベ
ルがどのぐらいであると、位置座標の読取精度に好まし
くない影響を与えるかについて検討した。たとえば、ル
ープ状パターンから検出できる電圧の最大値が3.3V
であり、その最大値を検出したときのA/D変換回路5
2(図7)のカウント値が256(8bit)であると
すると、そのカウント値に約2〜3の誤差が発生する
と、検出する位置座標に好ましくない影響を及ぼすこと
が分かった。たとえば位置座標に0.4mmの誤差が発
生してしまうことが分かった。そして、カウント値2〜
3をノイズレベルに換算すると約30mVとなった。
【0028】つまり、ノイズレベルが30mV以下にな
るようにパネル22の厚さhsを設定すればよいことが
分かった。そこで、本発明者らは、パネル22の厚さh
sを0.1mm〜1.6mmまで変化させて、ループ状
パターン23により検出されるノイズレベルおよびSN
比を測定した。その結果、図9(B)に示すように、パ
ネル22の厚さhsが1.0mm以上になると、ノイズ
レベルが30mV以下になることが分かった。なお、従
来のエナメル線や銅箔を用いたものは、ループの抵抗値
は、10Ω以下であり、ノイズ自体の発生が小さいが、
上記のようなパネル厚さを選択することは、ループコイ
ル抵抗値が10Ω以上でノイズ発生が多い場合に特に有
効である。ただし、ノイズレベルを30mVとするに
は、ループ抵抗値の上限は60Ω程度、望ましくは50
Ω以下である。さらに、各ループで検出可能な最小電圧
を検出可能な最大電圧の約1/4とすることで、ノイズ
レベルをさらに小さくでき、ループ数を必要以上に増や
すことなく、必要最小限のループ数で位置座標検出精度
を向上させることができる。以上のように、第1実施形
態の電子黒板1を使用すれば、厚さ1.0mm以上のパ
ネル22をシート24の上に積層しており、ノイズの影
響を低減することができるため、位置座標の読取精度を
高めることができる。しかも、ノイズレベルをA/D変
換回路52の誤差の範囲内に納めることができるため、
位置座標の読取精度をA/D変換回路52の精度レベル
に高めることができる。
【0029】(第2実施形態)次に、この発明に係る第
2実施形態について図10および図11を参照して説明
する。この第2実施形態に係る電子黒板は、アースによ
りノイズを逃がすことにより位置座標の読取精度を高め
ることができることを特徴とする。図10は、この実施
形態に係る電子黒板を構成するシート24(図4)に印
刷されたXループの配置間隔を示す説明図である。図1
1は、シート24をYループに沿って切断した横断面説
明図である。なお、図4に示すシート24の構造以外
は、前述の第1実施形態と同一であるため同一部分の説
明を省略し、同一部分については同一の符号を用いる。
また、図7における各層の厚さは、分かり易くするため
に実際の厚さよりも誇張して描かれている。
【0030】図11に示すように、シート24は、シー
ト本体24a、Yループ23Y、レジスト層24b、X
ループ23X、レジスト層24b、アースパターン24
c、レジスト層24bを順に積層して一体化した構造で
ある。つまり、Xループ23Xの上にレジスト層24b
を介してアースパターン24cを印刷した構造である。
Yループ23Y、レジスト層24b、Xループ23Xお
よびアースパターン24cは、それぞれ印刷(たとえば
スクリーン印刷)により形成されている。また、銀ペー
ストをスクリーン印刷することによって形成されたシー
トは、厚さ100μmのPETシート上に厚さ20μm
の銀ペーストのパターンと、厚さ20μmのレジスト層
とを交互に印刷して構成されている。さらに、シート2
4全体では、約230μmの厚さになっている。アース
パターン24cの構成をXループ23Xに基づいて説明
すると、図10に示すように、各Xループの幅(内径)
を長辺部分に沿って2等分する方向にアースパターン2
4cが印刷されており、アースパターン24cは、制御
回路50(図7)およびバックパネル26(図4)と同
じ箇所に接地されている。
【0031】つまり、ペン60により筆記面21a(図
1)に筆記する際に、ペン60を持つ手が筆記面21a
に接触すると、ペン60を持つ手がアンテナの役割をし
てノイズを誘導するおそれがある。そこで、アースパタ
ーン24cを印刷することにより、上記ノイズをアース
パターン24cへ逃がすことができるため、ノイズによ
る位置座標の読取精度が低下するのを防止することがで
きる。以上のように、第2実施形態の電子黒板を使用す
れば、ノイズをアースパターン24cに逃がすことがで
きるため、位置座標の読取精度を高めることができる。
【0032】(第3実施形態)次に、この発明に係る第
3実施形態について図12を参照して説明する。この第
3実施形態に係る電子黒板は、各ループをスキャンして
電圧値を検出する際に、最大電圧を検出したループの両
隣のループについては、さらに2回電圧検出を行い、両
隣の計3つの電圧値のうち、中間値を選択してノイズの
影響を受けないようにすることにより、位置座標の読取
精度を高めることができることを特徴とする。図12
は、この第3実施形態に係る電子黒板に備えられたCP
U56が実行する座標読取処理の流れを示すフローチャ
ートである。なお、前述の第1実施形態における座標読
取処理と同一処理については説明を簡略化する。
【0033】前述の第1実施形態では、最大電圧を検出
したループの両隣のループのうち、大きい方の電圧を検
出したループの電圧を用いて座標を演算する手法を説明
したが、その手法の場合、両隣のループのうちの一方が
ノイズの影響を受けて大きな電圧を発生した場合は、そ
のノイズの影響を受けた方の電圧値を選択して位置座標
を演算してしまうため、位置座標に誤差が生じるおそれ
がある。そこで、最大電圧を検出したループと、その両
隣のループについては、さらに2回(初回を含めて計3
回)スキャンを行って電圧を検出し、3つの電圧値のう
ちで2番目に大きな値(中間値)を選択して位置座標の
演算に使用する。つまり、ノイズの影響がない場合は、
計3回測定しても、いずれの電圧値にもそれほど差は発
生しないが、計3回のうち、1回ノイズの影響を受けて
いるとすると、その影響を受けたときの電圧値が他の2
回の電圧値よりも大きくなる。そこで、3回の測定デー
タのうちで2番目に大きな値(中間値)を選択すること
により、ノイズの影響を受けた方の電圧値を選択しない
ようにすることができる。
【0034】CPU56は、Xループをスキャンし(S
302)、ペン60を検出すると(S304:Ye
s)、各Xループから検出した電圧値をRAM59(図
7)に記憶し(S306)、その記憶した電圧値の中の
最大値を検出する(S308)。続いてCPU56は、
Yループをスキャンし(S310)、各Yループから検
出した電圧値をRAM59(図7)に記憶し(S31
2)、その記憶した電圧値の中の最大値を検出する(S
314)。続いてCPU56は、RAM59に記憶した
最大値を示すXループと、その両隣のXループおよび最
大値を示すYループと、その両隣のYループをそれぞれ
スキャンし(S316)、そのスキャンにより検出され
た電圧値をRAM59に記憶する(S318)。続いて
CPU56は、2回スキャンしていない場合は(S32
0:No)、再度、最大値のループと、その両隣のルー
プとをスキャンして検出された電圧値をRAM59に記
憶する(S316、S318)。これにより、最大値を
示したXループと、その左隣のXループおよび右隣のX
ループのそれぞれから検出した電圧値が3回分記憶され
たことになり(そのうちの1回分は、最初のスキャンに
よりS306、S312において記憶されている)、同
様に最大値を示したYループと、その両隣のYループに
ついても、それぞれから検出した電圧値が3回分記憶さ
れたことになる。
【0035】続いてCPU56は、2回スキャンした場
合は(S320:Yes)、RAM59に記憶した上記
計3回分の電圧値のうち、中間値をXループおよびYル
ープの最大値と各両隣のそれぞれについて選択する(S
322)。そしてCPU56は、上記選択した両隣のX
ループの2つの中間値のうち大きい方とS322におけ
る最大値の中間値とに基づいて前述の第1実施形態にお
ける演算手法を用いてX座標を演算し(S324)、同
様にY座標を演算する(S326)。以上のように、第
3実施形態の電子黒板を使用すれば、最大電圧を発生し
たループと、その両隣のループについては、さらに2回
(初回を含めて計3回)スキャンして電圧を検出し、そ
れら計3つの電圧値の中間値を選択することができるた
め、ノイズの影響を受けた電圧値を位置座標の演算に使
用しないようにすることができる。したがって、位置座
標の読取精度を高めることができる。
【0036】なお、パネル22を形成する材料は、前述
の実施形態に記載のものに限定されるものではなく、不
織布、紙などの他の非導電性材料を用いることもでき
る。ところで、筆記面21aが、請求項1に記載の座標
入力面に対応し、ペン60が座標入力手段に対応し、ペ
ン60から出力される交番磁界が信号に対応する。ま
た、シート24が基板に対応し、パネル22が非導電性
基板に対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る電子黒板の主要構成
を示す外観斜視説明図である。
【図2】図1に示す電子黒板にPCおよびプリンタを接
続した状態を示す説明図である。
【図3】電子黒板1と他の電子黒板1との間でデータの
通信を行う場合のネットワークの構成をブロックで示す
説明図である。
【図4】筆記パネル本体20の各構成部材を示す説明図
である。
【図5】ループ状パターン23を構成するXループ23
XおよびYループ23Yのうち、Xループの一部を省略
して示す説明図である。
【図6】図6(A)はXコイルX1〜X3の一部を示す
説明図であり、図6(B)は図6(A)に示すXコイル
X1〜X3に発生する電圧と幅方向の距離との関係を示
すグラフであり、図6(C)は図6(A)に示すXコイ
ルX1〜X3の相互に隣接するセンスコイル間の電圧差
を示すグラフである。
【図7】電子黒板1の電気的構成をブロックで示す説明
図である。
【図8】図7に示すCPU56が実行する主な制御内容
を示すフローチャートである。
【図9】図9(A)はパネル22の厚さを示す説明図で
あり、図9(B)は図9(A)に示すパネル22の厚さ
と、ノイズレベルおよびSN比との関係を示すグラフで
ある。
【図10】第2実施形態に係る電子黒板を構成するシー
ト24(図4)に印刷されたループの配置間隔を示す説
明図である。
【図11】シート24をYループに沿って切断した横断
面説明図である。
【図12】第3実施形態に係る電子黒板に備えられたC
PU56が実行する座標読取処理の流れを示すフローチ
ャートである。
【図13】従来の座標読取装置の構成を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 電子黒板(座標読取装置) 22 パネル(非導電性基板) 23 ループ状パターン 24 シート(基板) 60 ペン(座標入力手段) hs パネル22の厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F063 AA03 BA28 BA30 BB02 CA08 DA02 DA05 DB05 DD07 EB23 GA27 GA33 GA36 GA61 LA06 LA19 LA29 MA03 MA04 MA09 NA01 NA02 NA10 5B068 AA04 AA15 BB14 BC08 BC15 BD02 BD07 BD17 BE06 CC11

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 座標入力面上の座標入力手段から出力さ
    れた信号を検出して前記座標入力手段の前記座標入力面
    上の位置座標を検出する座標読取装置において、 前記信号を検出する複数のループ状パターンが印刷され
    た基板を備えており、前記基板の印刷面と前記座標入力
    面との間に、非導電性材料により形成された厚さ1.0
    mm以上の非導電性基板を介在させたことを特徴とする
    座標読取装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005513575A (ja) * 2001-12-29 2005-05-12 タイグエン エンタープライズ カンパニーリミテッド 誘導層に薄膜アンテナ列を格子状に内蔵したタッチ制御型ディスプレイ
JP2017535851A (ja) * 2014-10-07 2017-11-30 サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド 電子会議装置及びその制御方法、およびデジタルペン

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