JP2001281352A - 霧観測システム - Google Patents

霧観測システム

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JP2001281352A
JP2001281352A JP2000100334A JP2000100334A JP2001281352A JP 2001281352 A JP2001281352 A JP 2001281352A JP 2000100334 A JP2000100334 A JP 2000100334A JP 2000100334 A JP2000100334 A JP 2000100334A JP 2001281352 A JP2001281352 A JP 2001281352A
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JP2000100334A
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Yasunobu Omori
康伸 大森
Kiyoyuki Hata
清之 畑
Tadashi Furuta
匡 古田
Tomoya Matsuda
知也 松田
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 霧の移動予測を正確に行うことができ、ま
た、霧内部の濃度分布又は視程を正確に測定することが
できる霧観測システムを提供する。 【解決手段】 霧観測手段と、この霧観測手段の観測結
果から霧の分布状況を検出する霧分布検出手段と、上記
霧観測手段の周辺部に配置された複数の風観測手段と、
これら複数の風観測手段の観測結果から大気の速度分布
を検出する風分布検出手段と、この風分布検出手段によ
り検出された大気の速度分布に基づいて上記霧分布検出
手段により検出された霧分布の移動予測を行う移動予測
手段とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、霧の分布等を観
測し観測された霧分布について移動予測を行う霧観測シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空港、高速道路又は港湾などにお
いて発生した霧はこれらの移動路上を走行する移動体等
の交通障害の原因となり、このような移動体の安全走行
のためには、霧の移動、内部状況などを観測し、事前に
速度規制や通行規制の手段を講じたり、発生した霧を積
極的に消去する手段を設置する等の必要がある。このよ
うな霧を観測する手段としては、従来、送信波長が十分
に短い、例えばミリ波帯(35GHz〜40GHz帯)
の送信電波を使用するドップラレーダ等が広く利用され
ている。
【0003】例えば、特開平11−14749号公報に
は、ミリ波帯のマイクロ波を使用して雲や霧などの気象
観測を行うレーダ装置が記載されており、このようなミ
リ波帯のレーダ装置により、雲や霧などの観測対象まで
の距離、濃度、さらには移動予測を行うことが記載され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
な従来のレーダ装置は、観測された霧の移動方向や過去
の移動経路から例えば線形予測を行って霧の移動予測を
行うので、比較的短時間であればある程度正確な移動予
測を行うことができるが、数時間先のような長時間の場
合にはあまり正確な移動予測ができないという問題点が
あった。すなわち、一般のドップラレーダー装置では、
その原理上、視線方向のドップラ速度しか観測すること
ができず、例えば観測対象である霧が視線方向を横切る
ような方向に移動している場合にそのような移動方向を
認識することは困難であるし、また、ミリ波帯のレーダ
装置の場合、その使用周波数帯域の関係上、晴天大気の
速度分布を計測することができず、霧の周辺部、例えば
当該霧の移動方向前方においてその移動方向を横切る方
向の風が吹いている場合にそのような大気の速度分布を
認識することができないという問題点があった。
【0005】霧の移動方向が正確に把握できなければ当
該霧についての長時間先の移動位置は予測したものと大
幅にずれが生じ、霧周辺部における大気の速度分布を認
識することができなければそのような大気の速度分布に
よって移動方向が左右される霧分布について正確な移動
予測を行うことはきわめて困難となる。
【0006】また、従来のレーダ装置は、反射電波の信
号強度の減衰量により観測された霧内部の濃度を測定す
るが、このような信号強度の減衰は霧内部だけによるも
のでなく、霧とレーダ装置との間の距離によっても減衰
するので、遠方に発生した霧等については正確な濃度分
布又は視程を測定することが困難であるという問題点が
あった。
【0007】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、霧観測手段により観測され
た霧分布について長時間先まで正確な移動予測を行うこ
とができ、また、観測された霧内部の濃度分布又は視程
を正確に測定することができる新規な構成の霧観測シス
テムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る霧
観測システムは、霧観測手段と、この霧観測手段の観測
結果から霧の分布状況を検出する霧分布検出手段と、上
記霧観測手段の周辺部に配置された複数の風観測手段
と、これら複数の風観測手段の観測結果から大気の速度
分布を検出する風分布検出手段と、この風分布検出手段
により検出された大気の速度分布に基づいて上記霧分布
検出手段により検出された霧分布の移動予測を行う移動
予測手段とを備えたものである。
【0009】請求項2の発明に係る霧観測手段は、上記
霧観測手段をドップラ観測機能を有するドップラレーダ
装置したものである。
【0010】請求項3の発明に係る霧観測システムは、
上記風観測手段を光のエコーを測定するライダ装置又は
観測位置上空の高度分布を測定するドップラ風速計とし
たものである。
【0011】請求項4の発明に係る霧観測システムは、
複数のライダ装置と、これら複数のライダ装置の観測結
果から大気の速度分布を検出する風分布検出手段と、こ
の風分布検出手段により検出された大気の速度分布によ
り霧の輪郭を検出する霧輪郭検出手段と、上記風分布検
出手段により検出された大気の速度分布に基づいて上記
霧輪郭検出手段により検出された霧分布の移動予測を行
う移動予測手段とを備えたものである。
【0012】請求項5の発明に係る霧観測システムは、
霧内部に位置する上記ライダ装置の観測結果から光の減
衰量を測定し、この光の減衰量から上記霧内部の視程を
算出する霧視程換算手段を備えたものである。
【0013】請求項6の発明に係る霧観測システムは、
霧観測手段と、この霧観測手段の周辺部に配置され上記
霧観測手段から送信された送信電波を受信する複数の受
信手段と、これら複数の受信手段の一の受信手段により
受信された上記送信電波の受信電力レベルと他の受信手
段により受信された上記送信電波の受信電力レベルとの
差から上記送信電波の減衰量を測定し、この送信電波の
減衰量から霧内部の濃度を算出する濃度判定手段とを備
えたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態1.以下、この
発明の一実施形態について図1乃至図4を用いて説明す
る。図1はこの発明の一実施形態による霧観測システム
を示すブロック構成図、図2は図1に示す霧観測手段及
び複数の風観測手段による霧分布等の観測状況を模式的
に示す観測状況説明図、図3は図1に示す霧観測手段及
び風観測手段の配置関係を観測領域上空から示した配置
説明図である。本実施形態による霧観測システムでは、
例えば、図3に示すように霧観測手段の周辺部に複数の
風観測手段が相互に所定間隔をおいて配置される。図1
において、1は例えばミリ帯のレーダ装置等により構成
される霧観測手段、2は霧観測手段1により入手された
観測データ、例えばエコー強度データから観測領域内に
おける霧の分布状況を検出する霧分布検出手段、3は霧
観測手段1の周辺部に相互に所定間隔を設けて配置され
る複数の風観測手段、4はこれら複数の風観測手段3に
より入手された観測データ、例えば2次元的な大気の風
向及び風速データから大気の速度分布を検出する風分布
検出手段、5は風観測手段3により風向及び風速データ
の入手ができなかった領域について風分布検出手段4の
検出結果を補間する風分布補間手段、6はこの風分布補
間手段5により補間された大気の速度分布に基づいて霧
分布検出手段1により検出された霧分布の移動予測を行
う移動予測手段、7は霧分布検出手段2により検出され
た霧分布の分布状況を表示部(図示省略)に表示させる
と共に、移動予測手段6による移動予測の結果が霧分布
検出手段2により検出された霧分布と同一画面上に表示
できるよう構成された表示手段である。なお、霧観測手
段1はドップラ観測機能を有するドップラレーダ装置と
してもよくドップラ観測機能を有するレーダ装置を用い
た場合、さらに霧分布の方位、仰角及び距離毎のドップ
ラ速度を計測することができ、霧の分布状況だけでなく
霧内部の速度分布を観測しデータ処理することが可能で
ある。
【0015】また、図2及び図3において、8は地表
面、9は地表面8上に発生した霧、10は霧観測手段1
の観測領域であり、風観測手段3は少なくとも霧観測手
段1の観測領域10内の2次元的な大気の速度分布が観
測できるよう複数配置される。従って、観測領域をさら
に広く設定した場合又は観測領域10よりも広い範囲ま
で霧の移動予測が必要な場合などにはそのような範囲ま
で2次元的な大気の速度分布が観測できるよう複数の風
観測手段3を配置する。なお、大気の速度分布を観測す
る手段としては、光のエコーを測定するライダ装置ある
いは観測位置上空の高度分布を測定するウィンドプロフ
ァイラ(例えば、特開平10−197549号公報に記
載されたドップラ風速計はいわゆるウィンドプロファイ
ラの一種である。以下、ウィンドプロファイラとい
う。)などがあり、本実施の形態ではライダ装置を風観
測手段として用いた場合について説明する。ライダ装置
はドップラレーダと同様に視線方向のドップラ速度を計
測するものであり、その視線方向が相互に交差するよう
配置することにより2次元的な風向及び風速データを入
手することが可能である。
【0016】次に本実施形態による霧観測システムの動
作について図4を用いて説明する。図4(a)ないし図
4(e)は霧分布検出手段2の検出結果等をその上空か
ら2次元的に示す動作説明図であり、図中、同一符号は
同一又は相当部分を示す。本実施形態による霧観測シス
テムでは、霧観測手段1による霧の観測と併行して複数
の風観測手段3による2次元的な大気の速度分布の観測
が行われる。まず、霧分布の検出について説明する。本
システムが起動されると霧観測手段1は例えばCAPP
I走査等の回転走査を行う。この回転走査により霧観測
手段1周辺部の方位、仰角又は距離毎のエコー強度が得
られる。このエコー強度データが霧分布検出手段2に出
力されこのエコー強度データにより霧分布検出手段2が
観測領域内に発生した霧9の分布状況を検出する。霧分
布検出手段2により検出された霧分布のエコー強度デー
タ(以下、霧分布データという。)は表示手段7に出力
されてモニタ等の表示部に表示されると共に、移動予測
手段6に出力されて当該霧分布の移動予測のパラメータ
となる。
【0017】なお、このような霧分布データは霧観測手
段1の観測周期毎に得られるものであり、各観測周期毎
の霧分布データが表示手段7及び移動予測手段6にそれ
ぞれ出力される。この場合、検出された霧分布毎に識別
符号を付加しておくことにより複数の霧分布が検出され
た場合にもこれら霧分布の識別が容易となる。図4
(a)は霧分布検出手段2の検出結果を視覚的に示す動
作説明図であり、図4(a)に示すように霧観測手段1
では大気の風向及び風速分布を観測することはできず、
観測領域内に発生した霧9の分布状況だけが検出され
る。
【0018】次に大気の速度分布の検出について説明す
る。ライダ装置による2次元方向の風向及び風速の観測
には上述したように少なくとも2台以上のライダ装置に
よる2方向からの観測が必要である。また、光のエコー
を測定するライダ装置では霧の背後までライダ装置から
のレーザ光が到達しないので、観測領域内に霧が発生し
た場合、その霧分布領域および当該霧分布の背後の領域
については風向及び風速の観測を行うことが困難であ
る。そこで、本実施形態による霧観測システムでは、少
なくとも3台のライダ装置の視線方向が相互に交差する
ように複数の風観測手段3を配置し、3方向からの観測
により得られた各ドップラ速度データから2次元的な大
気の速度分布の検出を行うよう構成されることが望まし
い。3方向からの観測を行うことにより、2方向からの
観測では霧分布の死角となる霧分布背後の領域について
その大部分を観測することが可能となる。なお、観測原
理上は2方向からの観測により2次元的な風向及び風速
の検出を行うことができるので、観測条件に応じて2方
向からの観測により大気の速度分布の検出を行うように
してもよい。
【0019】これに対し、観測位置上空の高度分布を測
定するウィンドプロファイラを風観測手段として用いた
場合には、このような2方向又は3方向からのドップラ
速度の観測は不要となるが、ウィンドプロファイラは観
測位置上空の高度分布を測定するため方位方向の観測範
囲がライダ装置よりも狭く、正確な大気の速度分布を検
出するためにはライダ装置を用いる場合よりも相互の配
置間隔を狭くして多数配置することが必要である。例え
ば、ドップラレーダ装置の観測範囲(方位方向距離)が
半径約50km程度であるのに対し、ウィンドプロファ
イラでは半径約1km程度である。
【0020】複数の風観測手段3により観測された各観
測データはそれぞれ風分布検出手段4に出力され、これ
ら各観測データにより風分布検出手段4が2次元的な大
気の速度分布を検出する。すなわち、風分布検出手段4
では複数配置された風観測手段3における任意の2台又
は3台のライダ装置による2方向又は3方向のドップラ
速度データから2次元的な風向及び風速分布データが算
出され、このような2次元的な風向及び風速分布データ
から観測領域10内の任意の領域について大気の速度分
布が検出される。風分布検出手段4はこのような任意の
領域における大気の速度分布を複数組み合わせて観測領
域全体における大気の速度分布を検出する。図4(b)
は風分布検出手段4の検出結果を視覚的に示す動作説明
図であり、図中、複数の矢印はそれぞれ任意の領域にお
ける風向及び風速を示している。図4(b)に示すよう
に風分布検出手段4の検出により霧観測手段1の観測で
は得ることのできなかった2次元的な大気の速度分布を
検出することができる。
【0021】なお、霧分布が存在する領域については以
前としてこれら複数の風観測手段3による大気の速度分
布の観測ができないので、このような速度分布の観測不
可領域11については風分布補間手段5による速度分布
の補間を行う。具体的には、観測不可領域の周辺部にお
ける大気の速度分布から観測不可領域における風向・風
速の連続性を推定し、推定された風向・風速により当該
領域における大気の速度分布を擬似的に補間する。図4
(c)は風分布補間手段5の補間結果を視覚的に示す動
作説明図であり、図4(c)に示すように風分布補間手
段5の補間処理により観測不可領域の大気の速度分布デ
ータが補間され、この擬似的に補間された大気の速度分
布12により観測領域全体について大気の速度分布を把
握することができる。この風分布補間手段5の補間結
果、すなわち観測領域全体について大気の速度分布デー
タが移動予測手段6に出力され、霧分布検出手段2によ
り検出された霧分布の移動予測のパラメータとなる。
【0022】次に移動予測手段6の移動予測について詳
細に説明する。移動予測手段6には霧分布検出手段2か
らの霧分布データだけでなく、風分布補間手段5による
補間後の大気の速度分布データが入力されており、この
ような大気の速度分布データに基づいて霧分布検出手段
2により霧分布検出手段2により検出された霧分布につ
いての移動予測が行われる。図4(d)は霧分布検出手
段2の検出結果と風分布補間手段5の補間結果とを合成
し視覚的に示した動作説明図である。図4(d)に示す
ように、本実施形態による移動予測手段6では、風分布
補間手段5からの大気の速度分布データにより霧分布検
出手段2により検出された霧分布9の現在位置及びその
周辺部における大気の速度分布を求めることができる。
【0023】具体的には、まず、霧分布検出手段2から
の霧分布データにより霧分布検出手段2により検出され
た霧分布9の現在位置とその移動方向が算出され、その
算出された霧分布9の位置を通る大気の速度分布に基づ
いて当該霧分布9についての移動経路が特定される。上
述したように地表面8上に発生した霧9はその周辺部の
風の流れに影響を受けるので、このような大気の速度分
布による霧9の移動方向への影響を考慮して霧分布検出
手段2により検出されたから霧分布9についての移動経
路を算出することにより霧分布9の正確な移動経路を特
定することができる。そして、このようにして特定され
た移動経路上の速度分布を予測する時間で積分処理する
ことによりその予測時間に応じた霧分布の移動距離が算
出される。この移動距離は任意の予測時間について算出
すればよく、例えば霧分布9の現在位置から数分先ある
いは数時間先の各移動距離を算出しこれら各移動距離に
応じたそれぞれの位置を霧分布9の移動位置とする。
【0024】図4(e)は以上のようにして算出された
霧分布9の移動経路及び移動位置などを視覚的に示す動
作説明図である。図4(e)において、13は移動予測
部6により特定された霧分布9の移動経路、14は任意
の予測時間に対して算出された移動経路13上の移動距
離、15はこの移動距離14に対応した霧分布9の移動
位置である。図4(e)に示すように、本実施形態によ
る移動予測手段6では、霧分布検出手段2により検出さ
れた霧分布9の移動経路13、移動距離14及び移動位
置15が風分布補間手段5からの大気の速度分布データ
に基づいてそれぞれ算出されるので、霧分布検出手段2
により検出された霧分布9について大気の速度分布によ
る影響を考慮したより正確な移動予測を行うことができ
る。
【0025】最後に表示処理手段7の処理内容について
説明する。表示処理手段7には霧分布検出手段2からの
霧分布データと移動予測手段6からの予測結果のデータ
(以下、予測データという。)とがそれぞれ入力されて
いる。表示処理手段7はこれら各データから霧分布9及
び移動予測手段6の予測結果を2次元的又は3次元的に
表示させる表示データを生成する。そして、オペレータ
の指示又は予め設定されたプログラムなどに基づきこの
表示データによる霧分布検出手段2により検出された霧
分布及び移動予測手段6の移動予測結果がモニタ等の表
示部にそれぞれ表示される。図5は表示処理手段7によ
り図示省略したモニタ等の表示部に表示された霧分布及
びその移動経路などを示す表示例説明図である。なお、
図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。図5に示す
ように、表示処理部7の表示画面16には移動予測部6
に予測された霧分布9の移動経路13及びこの移動経路
13上の数分先あるいは数時間先の霧分布9の移動位置
15がそれぞれ表示され、本実施形態による霧観測シス
テムのオペレータはこのような表示画面16の表示内容
に基づき霧分布9の正確な移動位置等を判断することが
できる。
【0026】なお、図5は1つの霧分布9についてその
分布状況及び移動予測結果を示したが、霧分布検出手段
2により検出された霧分布が複数ある場合にはこれら複
数の霧分布についてその分布状況及び移動予測結果をそ
れぞれ表示部16に表示させる。上述したように霧分布
検出手段2により検出された検出された霧分布毎に識別
符号を付加しておくことにより、各霧分布毎の移動予測
が可能であるし、これら複数の霧分布についての各分布
状況及び移動予測結果が可能となる。
【0027】また、図5では霧分布検出手段2により検
出された霧分布9のみを表示部16に表示させていた
が、複数の風観測手段3により観測された大気の速度分
布を霧分布9とあわせて表示するようにしてもよい。こ
の場合、表示処理手段7には風分布補間手段5の補間結
果が出力されると共に、表示処理手段7は風分布補間手
段5の大気の速度分布データから大気の速度分布を表示
部16に表示させる表示データを生成する。また表示処
理手段7はさらに霧観測手段1による観測結果及び複数
の風観測手段3による観測結果のいずれかをオペレータ
の指示により選択して表示させるよう構成してもよい。
図6は例えば観測領域内の大気の速度分布を霧分布検出
手段2により検出された検出された霧分布と同様にして
表示部に表示させる霧観測システムのブロック構成図で
あり、図6において、7bは風分布補間手段5による補
間後の大気の速度分布を霧分布検出手段2により検出さ
れた検出された霧分布と同一画面又は選択的に表示部1
6に表示させるよう構成された表示処理手段である。図
6に示すような構成の霧観測システムによれば、霧観測
手段1の観測結果だけでなく複数の風観測手段3により
観測された大気の速度分布をも図5に示すような表示画
面16に表示することができ、霧観測システムにより霧
の移動等を監視するオペレータに対し判断の参考となる
情報を提供することができる。
【0028】以上のように、本実施の形態による霧観測
システムによれば、複数の風観測手段3により大気の速
度分布を観測し、この大気の速度分布による霧の移動へ
の影響を考慮して霧分布検出手段2により検出された霧
分布の移動予測を行うようにしたので、例えば、検出さ
れた霧分布の移動方向の前方にその移動方向を横切るよ
うな風の流れが存在しその風の影響によって当該霧分布
の移動方向が大幅に変更を受けるような場合において
も、大気の速度分布によりその移動方向及び移動距離な
どに影響を受ける霧分布についてより正確な移動経路及
び移動位置などを予測することができる。よって、本実
施形態による霧観測システムにより霧の移動等を監視す
るオペレータは、このような正確な霧の移動予測に基づ
いて上述したような空港、高速道路又は港湾などに霧の
警報、さらには事前の速度規制や通行規制の手段等を的
確に指示ないし実施することができる。
【0029】発明の実施の形態2.次に、本発明の他の
実施の形態による霧観測システムについて図7及び図8
を用いて説明する。上記実施の形態による霧観測システ
ムは、ミリ波帯のドップラレーダ装置等を霧の観測手段
として用いており、例えば既に設置されている既存の霧
観測手段の周辺部に複数の風観測手段3を配置する等の
場合を想定しているが、複数の風観測手段3による観測
結果を利用すれば、このような霧観測手段を使用しなく
ても霧分布の検出を行うことができる。本実施の形態で
は、ミリ波帯のドップラレーダ装置等の霧観測手段を使
用せずに霧分布の検出及び検出された霧分布についての
移動予測を行うことができる霧観測システムについて説
明する。
【0030】図7はこの発明の他の実施形態による霧観
測システムを示すブロック構成図、図8は図7に示す複
数の風観測手段による霧分布等の観測状況を模式的に示
す観測状況説明図である。なお、本実施形態による霧観
測システムでは、例えば図3に示すように複数の風観測
手段が相互に所定間隔をおいて配置される。また、本実
施形態による霧観測システムは複数の風観測手段の観測
結果から霧の分布状況をも検出するものであり、複数の
風観測手段における相互の間隔はさらに霧の分布状況が
検出できるような所定間隔により配置される。例えば、
霧の分布範囲をより正確に把握したい場合には風観測手
段3の間隔を短くすると共に、風観測手段3の配置数を
多くする必要がある。
【0031】図7において、17は風分布検出手段4に
より検出された大気の速度分布データが入力され、入力
された大気の速度分布データから例えば観測領域内に発
生した霧の輪郭を検出する霧輪郭検出手段、6cは風分
布補間手段5からの補間後の大気の速度分布データと霧
輪郭検出手段17により検出された霧輪郭のデータ(以
下、霧輪郭データという。)とに基づいて霧輪郭検出手
段17により検出された霧分布の移動予測を行う移動予
測手段、7cは霧輪郭検出手段17により検出された霧
分布の分布状況を表示部(図示省略)に表示させると共
に、移動予測手段6cによる移動予測の結果が霧輪郭検
出手段17により検出された霧分布と同一画面上に表示
できるよう構成された表示処理手段である。なお、図
中、同一符号は同一又は相当部分を示しこれらについて
の詳細な説明は省略する。また、本実施の形態による霧
観測システムも光のエコーを測定するライダ装置を風観
測手段として用いたものとする。
【0032】上述したように、ライダ装置では霧分布が
存在する領域については大気の速度分布の観測ができな
いので、観測領域10内に霧が発生していると、風分布
検出手段4による風分布の検出結果には図4(b)に示
すような観測不可領域11が発生する。また、このよう
な観測不可領域11は霧が分布している領域と推定する
ことができる。したがって、霧輪郭検出手段17では風
分布検出手段4の例えば図4(b)に示すような大気の
速度分布データから大気の速度分布の検出ができなかっ
た領域が霧の分布範囲として認識され、このような霧の
分布範囲が当該霧分布の輪郭データとして検出される。
霧輪郭検出手段17により検出された霧分布の輪郭デー
タ(以下、霧輪郭データという。)は表示手段7に出力
されてモニタ等の表示部に表示されると共に、移動予測
手段6に出力されて当該霧分布の移動予測のパラメータ
となる。
【0033】以上のように、本実施の形態による霧観測
システムによれば、大気の速度分布による霧の移動への
影響を考慮して霧輪郭検出手段17により検出された霧
分布の移動予測を行うようにしたので、例えば、検出さ
れた霧分布の移動方向の前方にその移動方向を横切るよ
うな風の流れが存在しその風の影響によって当該霧分布
の移動方向が大幅に変更を受けるような場合において
も、上記実施の形態による霧観測システムと同様に、よ
り正確な霧の移動予測を行うことができる。また、本実
施の形態による霧観測システムによれば、ミリ波帯のド
ップラレーダ装置等の霧観測手段を使用せずに霧分布の
検出を行うことができるので、既存の霧観測手段の設置
位置等に関係なく霧観測システムを実施することがで
き、上述したような正確な霧の移動予測を必要とする所
望の場所に霧観測システムを容易に適用することができ
る。
【0034】発明の実施の形態3.次に、本発明の他の
実施の形態による霧観測システムについて図9及び図1
0を用いて説明する。上記実施の形態による霧観測シス
テムは、いずれも霧分布の検出及び当該霧分布について
移動予測だけを行うものであったが、複数の風観測手段
3による観測結果を利用すれば、さらに検出された霧分
布について内部の動態に関する情報を入手したり、当該
霧内部の視程状況をも把握することが可能である。本実
施の形態では、検出された霧分布について上述したよう
な霧の移動予測ができると共に、さらに霧内部の動態に
関する情報や当該霧内部の視程状況をも把握することが
できる霧観測システムについて説明する。
【0035】図9はこの発明の他の実施形態による霧観
測システムを示すブロック構成図、図10は図9に示す
複数の風観測手段による霧分布等の観測状況を模式的に
示す観測状況説明図であり、本実施形態による風観測手
段3も例えば図3に示すように相互に所定間隔を設けて
配置される。また、図9及び図10に示すように、本実
施形態による霧観測システムは複数の風観測手段3の観
測結果に基づき霧分布の検出を行うものである。なお、
上記実施の形態1.による霧観測システムのように例え
ばミリ波帯のレーダ装置等により構成される霧観測手段
を用いて霧の分布状況を観測してもよいが霧観測手段を
使用しない場合と同様であり、霧観測手段を用いて霧の
分布状況を観測する霧観測システムの説明については省
略する。
【0036】図9において、18は風分布検出手段4に
より検出された大気の速度分布データと霧輪郭検出手段
17からの霧輪郭データとが入力され、この霧輪郭デー
タにより霧分布が検出された場所における風観測手段3
のドップラ速度データから当該霧分布の内部の視程を算
出する霧視程換算手段、7dは霧輪郭検出手段17によ
り検出された霧分布の分布状況及び霧視程換算手段18
により算出された霧分布の内部の視程を表示部(図示省
略)に表示させると共に、移動予測手段6cによる移動
予測の結果が霧輪郭検出手段17により検出された霧分
布等と同一画面上に表示できるよう構成された表示処理
手段である。なお、図中、同一符号は同一又は相当部分
を示しこれらについての詳細な説明は省略する。また、
本実施の形態による霧観測システムも光のエコーを測定
するライダ装置を風観測手段として用いたものとする。
【0037】図10に示すように、複数の風観測手段3
のいずれかが地表面8上に発生した霧9の内部に位置す
るような場合、このような霧9の内部に位置する風観測
手段3では使用されるレーザ光が大幅に減衰してしまう
ので上述したようないわゆる大気の速度分布を観測する
ことは困難となる。しかし、近距離であればドップラ速
度の観測は可能であり、本実施形態による霧観測システ
ムではこのような霧9の内部に位置する風観測手段3の
観測結果に基づいて霧9の内部の動態及び視程を計測す
る。なお、霧9の内部における視程の計測は、当該風観
測手段3の反射光の強度を測定し、このレーダ光の光の
減衰量に基づいて算出する。よって、本実施の形態によ
る各風観測手段3には反射光の強度を測定する手段がそ
れぞれ設けられている(図示省略)。
【0038】上述したように、霧輪郭検出手段17では
大気の速度分布の観測不可領域から例えば霧9の輪郭を
検出することができ、霧輪郭検出手段17からの霧輪郭
データが霧視程換算手段18に入力される。霧輪郭検出
手段17からの霧輪郭データは霧9の現在位置を示すデ
ータでもあり、霧視程換算手段18はこの霧輪郭データ
により検出された霧分布9の内部に位置する風観測手段
3を特定する。そして、特定された風観測手段3のドッ
プラ速度データに基づいて霧分布9の内部の部分的な速
度分布が検出される。霧視程換算手段18により検出さ
れた霧分布9内部の速度分布は霧9の内部の動態を示す
データ(以下、動態データという。)として霧輪郭検出
段17からの霧分布データと共に表示処理手段7dに出
力される。また、風観測手段3には反射光の強度を測定
する手段が設けられており、霧視程換算手段18は、霧
輪郭検出手段17からの霧輪郭データにより風観測手段
3が特定されると、その特定された風観測手段3によっ
て測定された反射光の強度から当該レーザ光の減衰率を
算出し、このレーザ光の減衰率に基づいて霧分布9の内
部の視程を算出する。
【0039】なお、レーザ光の減衰率の算出はいわゆる
レーザ方程式により行い、霧分布9内部の視程の算出は
レーザ光の減衰率と視程との換算式に基づいて行う。つ
まり、レーザ光の減衰率と視程との間には一定の関係が
成り立つので、予めそのような関係に基づく換算式を霧
視程換算手段18に設けておき、霧視程換算手段18は
この換算式に基づいて測定されたレーザ光の減衰率から
検出された霧分布9の内部における視程を算出する。通
常、霧内部の視程は減衰率が大きくなるほど指数関数的
に減少する。霧視程換算手段18により算出された霧分
布9内部の視程のデータ(以下、視程データという。)
は霧輪郭検出段17からの霧分布データと共に表示処理
手段7dに出力される。
【0040】そして、表示処理部7では霧視程換算手段
18からの動態データと視程データとに基づいて表示デ
ータが生成され、この表示データに基づいて霧輪郭検出
段17により検出された霧分布9内部における動態およ
び視程状態が例えば図5に示すような表示画面16に表
示される。なお、図5では霧分布9についての分布状況
及び移動予測結果を示しているが、例えば、表示画面の
空白部分に霧分布9内部における動態および視程状態を
それぞれ表示させればよい。また、上述したように霧輪
郭検出手段17により検出された霧分布毎に識別符号を
付加しておくことにより、複数の霧分布が検出された場
合にもこれら複数の霧分布について霧分布9内部におけ
る動態および視程状態を表示画面16に表示させること
が可能である。
【0041】以上のように、本実施の形態による霧観測
システムによれば、上記実施の形態2.による霧観測シ
ステムと同様により正確な霧の移動予測を行うことがで
きると共に、さらに移動予測された霧分布の内部の動態
及び視程状態をも検出して表示部に表示することがで
き、本実施形態による霧観測システムにより霧の移動等
を監視するオペレータに対し、さらに霧監視のための有
力な情報を提供することができる。例えば、オペレータ
はこのような霧の正確な移動予測、さらには霧内部の動
態及び視程情報に基づいて上述したような空港、高速道
路又は港湾などに霧の警報、事前の速度規制や通行規制
の手段等をより的確に指示ないし実施することができ
る。
【0042】発明の実施の形態4.次に、本発明の他の
実施の形態による霧観測システムについて図11を用い
て説明する。従来の霧観測システムでは、例えば霧観測
手段1における反射電波の信号強度の減衰量に基づいて
観測された霧内部の濃度を測定しているが、このような
測定では上述したように遠方に発生した霧等について正
確な濃度分布又は視程を測定することは困難である。本
実施の形態では、地表面に発生した霧と霧観測手段との
距離にかかわらず当該霧内部の正確な濃度分布又は視程
を測定することができる霧観測システムについて説明す
る。
【0043】図11はこの発明の他の実施形態による霧
観測システムの観測状況及びその構成を部分的に示すシ
ステム構成説明図であり、本実施形態による霧観測シス
テムでは、霧観測手段1及び風観測手段3の他に図11
に示すような1組の受信局が風観測手段3と同様にして
複数配置されている。なお、図11においては霧観測シ
ステムの全体構成及び風観測手段3については図示を省
略しているが、例えば上記実施形態1.による霧観測シ
ステムと同様にして構成及び配置される。
【0044】図11において、19及び20は地表面8
上に配置され、霧観測手段1から送信された送信電波を
それぞれ受信する1組の受信局、21はこれら1組の受
信局により受信された受信信号についてその受信電力を
それぞれ測定し、これら受信局19及び20間における
送信電波の減衰量を算出する減衰量算出手段、22は減
衰量算出手段21により算出された送信電波の減衰量か
ら霧9内部における局所的な霧の濃度分布を判定する濃
度判定手段、7eは濃度判定手段21により判定された
霧9の濃度分布データが入力され、例えば図示省略した
霧分布検出手段2からの霧分布データと共に表示部に表
示させる表示処理手段である。なお、図中、同一符号は
同一又は相当部分を示しこれらについての詳細な説明は
省略する。
【0045】次に動作について説明する。図11に示す
ように本実施形態による霧観測システムでは、霧観測手
段1の周辺部に例えば図3に示すような所定間隔で1組
の受信局19及び20が複数配置されており、これら1
組の受信局19及び20は霧観測手段1から送信された
送信電波をそれぞれ受信する。受信局19及び20によ
り受信された受信信号は減衰量算出手段21にそれぞれ
出力され、その受信電力がそれぞれ測定される。また、
減衰量算出手段21は各受信信号の受信電力の差をから
受信局19及び20間における送信電波の減衰量を算出
する。なお、受信局19及び20が図11に示すように
霧9の内部に位置している場合には、霧観測手段1から
送信された送信電波は受信局19及び20間の距離だけ
でなく当該霧9内部の濃度によってもさらに減衰する。
【0046】減衰量算出手段21により算出された受信
局19及び20間における送信電波の減衰量のデータ
(以下、減衰データという。)は濃度判定手段22に入
力され、この減衰量算出手段21からの減衰データに基
づいて地表面8上に発生した霧分布9内部の局所的な濃
度分布が算出される。すなわち、図11に示すように1
組の受信局19及び20が霧9の内部に位置している場
合、減衰量算出手段21により算出された受信局19及
び20間における送信電波の減衰量は受信局19及び2
0間の距離だけでなく当該霧9内部の濃度による減衰量
も含んだものとなるが、予め晴天大気中の送信電波の減
衰量を算出しておくことにより、受信局19及び20間
における距離のみによる送信電波の減衰量を求めること
ができる。
【0047】濃度判定手段22は減衰量算出手段21に
より算出された受信局19及び20間における送信電波
の減衰データから予め求められた晴天大気中の送信電波
の減衰データを差し引くことにより霧9の濃度による送
信電波の減衰量を算出する。減衰量算出手段21により
算出された受信局19及び20間における送信電波の減
衰データと晴天大気中の送信電波の減衰データとの差が
大きければそれだけ濃い霧が発生していると推定するこ
とができ、算出された霧9の濃度による送信電波の減衰
量に基づき霧9内部の局所的な濃度分布の判定を行う。
濃度判定手段22により判定された霧9内部の濃度分布
のデータは表示処理手段7eに入力され、例えば図示省
略した霧分布検出手段2からの霧分布データと共に表示
部に表示される。
【0048】なお、図5では霧分布9についての分布状
況及び移動予測結果を示しているが、例えば、表示画面
の空白部分や霧分布9自体に対応する濃度分布の情報を
表示させればよい。また、上述したように霧分布検出手
段17により検出された霧分布毎に識別符号を付加して
おくことにより、複数の霧分布が検出された場合にもこ
れら複数の霧分布について霧分布9内部における濃度分
布の情報を表示画面に表示させることが可能である。
【0049】以上のように、本実施の形態による霧観測
システムによれば、上記実施の形態1.による霧観測シ
ステムと同様により正確な霧の移動予測を行うことがで
きると共に、さらに移動予測された霧分布内部の濃度分
布をも検出して表示部に表示することができ、本実施形
態による霧観測システムにより霧の移動等を監視するオ
ペレータに対し、さらに霧監視のための有力な情報を提
供することができる。例えば、オペレータはこのような
霧の正確な移動予測、さらには霧内部の濃度分布の情報
に基づいて上述したような空港、高速道路又は港湾など
に霧の警報、事前の速度規制や通行規制の手段等をより
的確に指示ないし実施することができる。
【0050】なお、上記実施形態による霧観測システム
ではいずれも風観測手段3に光のエコーを測定するライ
ダ装置を使用した場合について説明したが、この風観測
手段3を観測位置上空の高度分布を測定するウィンドプ
ロファイラとしてもよく、上述したような効果を奏する
ことが可能である。この場合、ウィンドプロファイラの
観測範囲はライダ装置のそれよりも大幅に狭くなるの
で、ライダ装置を使用した場合と同様な大気の速度分を
検出するにはライダ装置を使用した場合よりも多数のウ
ィンドプロファイラを配置する。但し、ウィンドプロフ
ァイラでは霧内部の視程を検出することができないの
で、実施の形態3.による霧観測システムの風観測手段
3にはウィンドプロファイラは使用しない。
【0051】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、霧観測手段と、この霧観測手段の観測結果から霧の
分布状況を検出する霧分布検出手段と、複数の風観測手
段と、これら複数の風観測手段の観測結果から大気中の
速度分布を検出する風速・風向分布検出手段と、この風
速・風向検出手段により検出された大気中の速度分布に
基づいて上記霧分布検出手段により検出された霧の移動
予測を行う移動予測手段とを設けたので、大気の速度分
布によりその移動方向及び移動距離などに影響を受ける
霧分布についてより正確な移動経路及び移動位置などを
予測することができる。
【0052】また、請求項2の発明によれば、上記霧観
測手段をドップラ観測機能を有するドップラレーダ装置
としたので、さらに霧分布内部の速度分布を検出するこ
とができ、さらに正確な移動予測を行うことができる。
【0053】また、請求項3項の発明によれば、上記風
観測手段を光のエコーを測定するライダ装置又は上記風
観測手段を観測位置上空の高度分布を測定するドップラ
風速計としたので、大気の速度分布を正確に検出するこ
とができ、この大気の速度分布によりその移動方向及び
移動距離などに影響を受ける霧分布についてより正確な
移動経路及び移動位置などを予測することができる。
【0054】また、請求項4項の発明によれば、複数の
ライダ装置と、これら複数のライダ装置の観測結果から
大気中の速度分布を検出する風速・風向分布検出手段
と、この風速・風向分布検出手段により検出された大気
中の速度分布から霧の輪郭を検出する霧輪郭検出手段
と、上記大気中の速度分布に基づいて上記霧輪郭検出手
段により検出された霧の移動方向を予測する移動予測手
段とを設けたので、霧観測手段を使用せずに霧分布の検
出を行うことができ、既存の霧観測手段の設置位置等に
関係なく霧観測システムを実施することができ、正確な
霧の移動予測を必要とする所望の場所に霧観測システム
を容易に適用することができる。
【0055】また、請求項5項の発明によれば、霧内部
に位置する上記ライダ装置の観測結果から光の減衰量を
測定し、この光の減衰量から上記霧内部の視程を算出す
る霧視程換算手段を設けたので、さらに移動予測された
霧分布の内部の動態及び視程状態をも検出して表示部に
表示することができ、霧観測システムにより霧の移動等
を監視するオペレータに対し、さらに霧監視のための有
力な情報を提供することができる。
【0056】また、請求項6項の発明によれば、霧観測
手段と、この霧観測手段の周辺部にそれぞれ配置され上
記霧観測手段から送信された送信電波を受信する複数の
受信手段と、これら複数の受信手段の一の受信手段によ
り受信された上記送信電波の受信電力レベルと他の受信
手段により受信された上記送信電波の受信電力レベルと
の差から上記送信電波の減衰量を測定し、この送信電波
の減衰量から霧内部の濃度を算出する濃度判定手段とを
設けたので、霧分布内部の濃度分布をより正確に判定す
ることができ、霧観測システムにより霧の移動等を監視
するオペレータに対し、霧監視のための有力な情報を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態による霧観測システム
を示すブロック構成図である。
【図2】 図1に示す霧観測手段及び複数の風観測手段
による霧分布等の観測状況を模式的に示す観測状況説明
図である。
【図3】 図1に示す霧観測手段及び風観測手段の配置
関係を観測領域上空から示す配置説明図である。
【図4】 図1に示す霧観測システムの動作を説明する
ための動作説明図である。
【図5】 図1に示す表示処理手段7によりモニタ等の
表示部に表示された霧分布及びその移動経路などを示す
表示例説明図である。
【図6】 複数の風観測手段により観測された大気の速
度分布を表示部に表示させる霧観測システムのブロック
構成図である。
【図7】 この発明の他の実施形態による霧観測システ
ムを示すブロック構成図である。
【図8】 図7に示す霧観測手段及び風観測手段による
霧分布等の観測状況を模式的に示す観測状況説明図であ
る。
【図9】 この発明の他の実施形態による霧観測システ
ムを示すブロック構成図である。
【図10】 図9に示す霧観測手段及び風観測手段によ
る霧分布等の観測状況を模式的に示す観測状況説明図で
ある。
【図11】 この発明の他の実施形態による霧観測シス
テムの観測状況及びその構成を部分的に示すシステム構
成説明図である。
【符号の説明】
1 霧観測手段、2 霧分布検出手段、3 風観測手
段、4 風分布検出手段、5 風分布補間手段、6,6
c,6d 移動予測手段、7,7b,7c,7d,7e
表示処理手段、9,9c,9d,9e 霧17 霧輪
郭検出手段、18 霧視程換算手段、19,20 受信
局、22 霧濃度判定手段。
フロントページの続き (72)発明者 古田 匡 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 松田 知也 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5J070 AB24 AC06 AD01 AE12 AL02 BA01 5J084 AA02 AB08 BA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 霧観測手段と、この霧観測手段の観測結
    果から霧の分布状況を検出する霧分布検出手段と、上記
    霧観測手段の周辺部に配置された複数の風観測手段と、
    これら複数の風観測手段の観測結果から大気の速度分布
    を検出する風分布検出手段と、この風分布検出手段によ
    り検出された大気の速度分布に基づいて上記霧分布検出
    手段により検出された霧分布の移動予測を行う移動予測
    手段とを備えたことを特徴とする霧観測システム。
  2. 【請求項2】 上記霧観測手段は、ドップラ観測機能を
    有するドップラレーダ装置としたことを特徴とする請求
    項1記載の霧観測システム。
  3. 【請求項3】 上記風観測手段は、光のエコーを測定す
    るライダ装置又は観測位置上空の高度分布を測定するド
    ップラ風速計としたことを特徴とする請求項1記載の霧
    観測システム。
  4. 【請求項4】 複数のライダ装置と、これら複数のライ
    ダ装置の観測結果から大気の速度分布を検出する風分布
    検出手段と、この風分布検出手段により検出された大気
    の速度分布により霧の輪郭を検出する霧輪郭検出手段
    と、上記風分布検出手段により検出された大気の速度分
    布に基づいて上記霧輪郭検出手段により検出された霧分
    布の移動予測を行う移動予測手段とを備えたことを特徴
    とする霧観測システム。
  5. 【請求項5】 霧内部に位置する上記ライダ装置の観測
    結果から光の減衰量を測定し、この光の減衰量から上記
    霧内部の視程を算出する霧視程換算手段を備えたこと特
    徴とする請求項4記載の霧観測システム。
  6. 【請求項6】 霧観測手段と、この霧観測手段の周辺部
    に配置され上記霧観測手段から送信された送信電波を受
    信する複数の受信手段と、これら複数の受信手段の一の
    受信手段により受信された上記送信電波の受信電力レベ
    ルと他の受信手段により受信された上記送信電波の受信
    電力レベルとの差から上記送信電波の減衰量を測定し、
    この送信電波の減衰量から霧内部の濃度を算出する濃度
    判定手段とを備えたことを特徴とする霧観測システム。
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