JP2001279219A - 熱圧成形体用接着剤組成物、それを用いた熱圧成形体、及びその製造方法 - Google Patents

熱圧成形体用接着剤組成物、それを用いた熱圧成形体、及びその製造方法

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JP2001279219A
JP2001279219A JP2000092668A JP2000092668A JP2001279219A JP 2001279219 A JP2001279219 A JP 2001279219A JP 2000092668 A JP2000092668 A JP 2000092668A JP 2000092668 A JP2000092668 A JP 2000092668A JP 2001279219 A JP2001279219 A JP 2001279219A
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JP2000092668A
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Mitsuhiro Yoshida
光宏 吉田
Takeshi Enokida
健 榎田
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Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経時で希釈剤の溶出、飛散のない熱圧成形体
を形成することができ、高物性、耐久性、作業性に優れ
た熱圧成形体用の接着を可能ならしめる熱圧成形体用接
着剤、並びにこれを用いた熱圧成形体及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 アルカリ珪酸塩水溶液(A1)を含有す
るA液、並びに有機ポリイソシアネート(B1)を含有
するB液からなることを特徴とする、熱圧成形体用接着
剤組成物、並びにこれを用いた熱圧成形体及びその製造
方法により解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ珪酸塩水
溶液を含有するA液と、有機ポリイソシアネートを含有
するB液からなり、低粘度であって、物性に優れた成形
体が得られる熱圧成形体用接着剤組成物、並びにそれを
用いた熱圧成形体及び熱圧成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】木質チップ、木質繊維等のリグノセルロ
ース系材料、ゴムチップ材料、フォームチップ材料、無
機材料等の熱圧成形体用の接着剤としては、従来、尿素
樹脂、メラミン樹脂、尿素メラミン樹脂、フェノール樹
脂、フェノールメラミン樹脂等のホルマリン縮合系接着
剤やエポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコン系
接着剤等が使用されている。
【0003】最近は、例えばリグノセルロース系材料の
熱圧成形体用の接着剤に関しては、シックハウス症候群
の原因物質の1つである、接着剤から放出されるホルマ
リンを低減化させる必要が、住宅環境や健康面での安全
性の点から出てきた。
【0004】前記問題に対応できる接着剤としては、非
ホルマリン縮合系接着剤であるイソシアネート系接着剤
がホルマリンを放出しないという特徴に加えて、その卓
越した接着特性、耐熱水性等により使用されつつある。
更に、ゴムチップ材料、フォームチップ材料、無機材料
等においてもイソシアネート系接着剤は、その卓越した
接着特性、耐熱水性、更には弾性等の特徴により使用さ
れている。
【0005】しかし、イソシアネート系接着剤は、連続
又はバッチ式プレスにて熱圧成形する際の接触する金属
表面(以下、熱盤と称する)に強固に接着し、熱圧成形
体を安定的に連続製造できないという問題点があり、こ
れを改善するためには、内部離型剤を使用する等の技術
が開示されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】イソシアネート系接着剤を使用するに当た
っては、有機ポリイソシアネートのみを使用する一液タ
イプよりは、有機ポリイソシアネートと、ポリオール等
の活性水素基含有化合物を組み合わせる二液タイプの方
が物性、硬化性、耐久性等において優れている。また、
有機ポリイソシアネートには、平均官能基数や接着性向
上等のため、ポリイソシアネート化合物と活性水素基含
有化合物を反応させて得られるイソシアネート基末端ウ
レタンプレポリマーを用いることが多い。
【0007】例えば、リグノセルロース材料用接着剤と
しては、有機ポリイソシアネートとポリオールとを組み
合わせて使用する先行技術として、例えば特開平4−6
3168号公報、特開平9−314522号公報、特開
平10−152666号公報があり、更に有機ポリイソ
シアネート化合物とポリオールと内部離型剤とを組み合
わせて使用する先行技術として、特開平10−1807
22号公報、特開平10−180723号公報、特開平
11−124561号公報、特開平12−124562
号公報がある。
【0008】しかし、前記の一液タイプだけでなく二液
タイプのイソシアネート系接着剤では、通常使用される
有機ポリイソシアネートが高粘度であるという問題点が
ある。例えば、イソシアネート基末端のウレタンプレポ
リマーは、後述する有機ポリイソシアネートと活性水素
基を有する化合物との反応により得られるが、そのプレ
ポリマー中にはその反応の結果生ずるウレタン結合(−
NHCOO−)が生じ、その水素原子と酸素原子との間
で分子内や分子間で水素結合を生じやすく、それにより
分子自体が凝集するため粘度が高くなる。
【0009】特に冬期の場合、温度が低いため見かけの
粘度が高くなり、送液時に加温、加圧等の対策をとる必
要がある。このように粘度が高くなると、混合性の悪
さ、外観不良だけでなく濡れ性や浸透性が悪くなるため
接着不良等の問題が生じる。また、有機ポリイソシアネ
ートとして、低分子量のポリイソシアネートを用いれ
ば、粘度を低下させることができるが、揮発性や低温固
化という問題が発生する。例えば、トリレンジイソシア
ネートは、特定化学物質に指定されていて種々の規制が
ある。ジフェニルメタンジイソシアネートは、融点39
℃で常温では固体であり取扱いにくい。
【0010】一方、ホルマリン縮合系接着剤の場合には
水希釈により低粘度化が図れるが、イソシアネート系接
着剤の場合には、イソシアネート基と水との反応のた
め、ホルマリン縮合系接着剤と同様の水希釈の方法がと
れない。
【0011】そのため、イソシアネート系接着剤におい
て、イソシアネート基と反応する官能基を有しない化合
物の添加による低粘度化を図る方法があり、例えば活性
水素を有しない有機溶剤等による希釈が考えられる。し
かし、有機溶剤による希釈については、基本的には有機
溶剤が引火性を有する危険物のため作業環境上の制約を
受ける。このように、低粘度化と耐久性保持という要件
の両立を図ることができなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に着目してなされたもので、経時で溶出物、飛散物の
ない熱圧成形体を形成することができ、高物性、耐久
性、作業性に優れた熱圧成形体用の接着を可能ならしめ
ることを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意研究の
結果、アルカリ珪酸塩水溶液とポリイソシアネートの組
み合わせが効果的であることを見いだし、本発明を完成
させるに至った。
【0014】すなわち、本発明は、以下の(1)〜(1
1)に示されるものである。 (1) アルカリ珪酸塩水溶液(A1)を含有するA
液、並びに有機ポリイソシアネート(B1)を含有する
B液からなることを特徴とする、熱圧成形体用接着剤組
成物。
【0015】(2) A液が、更にアミノ基及び活性水
素基含有化合物(A2)を含有することを特徴とする、
前記(1)の熱圧成形体用接着剤組成物。
【0016】(3) B液が、更に希釈剤(B2)を含
有することを特徴とする、前記(1)又は(2)の熱圧
成形体用接着剤組成物。
【0017】(4) 更にワックスエマルジョン(C)
を含有するC液からなることを特徴とする、前記(1)
〜(3)の熱圧成形体用接着剤組成物。
【0018】(5) 更に触媒(D)を含有するD液か
らなることを特徴とする、前記(1)〜(4)の熱圧成
形体用接着剤組成物。
【0019】(6) 更に界面活性剤(E)を含有する
E液からなることを特徴とする、前記(1)〜(5)の
熱圧成形体用接着剤組成物。
【0020】(7) 更にホルマリン縮合系樹脂(F)
を含有するF液からなることを特徴とする、前記(1)
〜(6)のいずれかに記載の熱圧成形体用接着剤組成
物。
【0021】(8) ワックスエマルジョン(C)が、
パラフィン系ワックスエマルジョンであることを特徴と
する、前記(4)〜(7)の熱圧成形体用接着剤組成
物。
【0022】(9) (C)が、モンタン系ワックスエ
マルジョンであることを特徴とする、前記(4)〜
(7)の熱圧成形体用接着剤組成物。
【0023】(10) 前記(1)〜(9)の熱圧成形
体用接着剤組成物を用いることを特徴とする、熱圧成形
体。
【0024】(11) 前記(1)〜(9)の熱圧成形
体用接着剤組成物を用いることを特徴とする、熱圧成形
体の製造方法。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の接着剤組成物の構
成成分について述べる。本発明に用いられるA液の主成
分であるアルカリ珪酸塩水溶液(A1)は、主としてそ
のアルカリ珪酸塩中のシラノール基と、後述するB液の
主成分であるポリイソシアネートのイソシアネート基と
の反応によって、無水珪酸−ウレタン複合体を形成させ
る効果だけではなく、そこに含まれる水とB液のイソシ
アネート基との反応によって生じる炭酸ガスと共にウレ
ア結合を生じさせ、無水珪酸−ウレア複合体を形成し、
更に発生した炭酸ガスがアルカリ珪酸塩をゲル化させて
無水珪酸ゲルをも形成させる効果をも有する。
【0026】(A1)におけるアルカリ珪酸塩は、例え
ば珪酸カリウムや、式:Na2O・xSiO2(x=0.
5〜4)で表わされる珪酸ソーダ等を主成分とするもの
が挙げられる。
【0027】また、(A1)の固形分濃度は、通常10
〜70質量%であることが好ましく、特に20〜50質
量%となるように調整することが好ましい。このような
(A1)としては、1号珪酸ソーダS2、2号珪酸ソー
ダN5、2号珪酸ソーダQ3、2号珪酸ソーダT8(い
ずれも東曹産業株式会社製)等が挙げられる。
【0028】また、本発明では、A液にアミノ基及び活
性水素基含有化合物(A2)を用いると、得られる熱圧
成形体の強度が向上するので好ましくなる。(A2)に
おけるアミノ基の種類は、第一アミノ基、第二アミノ
基、第三アミノ基のいずれでもよいが、活性水素を有す
ることが必須である。
【0029】(A2)としては、低分子モノアミン類、
低分子ジアミン類、低分子ポリアミン類、低分子アミノ
アルコール類等が挙げられる。なお、「低分子」とは
(数平均)分子量500未満のものを示し、「高分子」
とは数平均分子量500以上のものを示す。
【0030】低分子モノアミン類としては、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジエチルアミン、
ジプロピルアミン、ジブチルアミン、アニリン、N−メ
チルアニリン、ジフェニルアミン等が挙げられる。
【0031】低分子ジアミン類としては、エチレンジア
ミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、トリレンジアミン、4,4′−ジアミノ−ジフェニ
ルメタン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノ−
ジシクロヘキシルメタン、N,N−ジメチルエチレンジ
アミン、N,N′−ジメチルエチレンジアミン等が挙げ
られる。
【0032】低分子ポリアミン類としては、ジエチレン
トリアミン、ジブチレントリアミン、ジプロピレントリ
アミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。
【0033】低分子アミノアルコール類としては、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジ
エタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−
n−ブチルエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノ
ールアミン、N−フェニルジプロパノールアミン、N−
(β−アミノエチル)エタノールアミン、N−(β−ア
ミノエチル)エタノールアミン、N−(β−アミノエチ
ル)プロパノールアミン、N−(β−アミノエチル)イ
ソプロパノールアミン、N,N,N′,N′−テトラヒ
ドロキシエチルエチレンジアミン、N、N″−ビス(β
−ヒドロキシエチル)ジエチレントリアミン等が挙げら
れる。
【0034】高分子ポリアミン類としては、分子内にオ
キシアルキレン構造を有するポリオキシアルキレンポリ
アミン類を挙げることができ、例えば、ポリオキシプロ
ピレンジアミンとして、ジェファーミンD−2000
(ハンツマン・スペシャリティー・ケミカルズ社製、ア
ミン当量約1000)やポリオキシプロピレントリアミ
ンとして、テックスリムTR−5050(ハンツマン・
スペシャリティー・ケミカルズ社製、アミン当量約19
30)、ジェファーミンT−403(ハイツマン・スペ
シャリティー・ケミカルズ社製、アミン当量約160)
等を挙げることができる。
【0035】本発明における好ましいアミノ基及び活性
水素基含有化合物(A2)は、低分子アミノアルコール
類である。
【0036】本発明においては、接着性、反応性等を考
慮して、A液に(A1)及び(A2)以外の活性水素基
含有化合物を併用してもよい。このような活性水素基含
有化合物としては、低分子モノオール類、低分子ジオー
ル類、低分子ポリオール類、高分子ポリオール類等が挙
げられる。
【0037】低分子モノオール類としては、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノ
ール、ラウリルアルコール、シクロヘキサノール、メチ
ルシクロヘキサノール、メトキシエタノール、エトキシ
エタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノ
ール等が挙げられる。
【0038】低分子ジオール類としては、エチレングリ
コール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパン
ジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−
メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、
1,9−ノナンジオール、2,2−ジエチル−1,3−
プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,
3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサン
ジオール、2−n−ヘキサデカン−1,2−エチレング
リコール、2−n−エイコサン−1,2−エチレングリ
コール、2−n−オクタコサン−1,2−エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、あるいはビスフェノールAのエチレンオ
キサイド又はプロピレンオキサイド付加物、水素添加ビ
スフェノールA、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプ
ロピル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオネ
ート等が挙げられる。
【0039】低分子ポリオール類としては、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
蔗糖等が挙げられる。
【0040】高分子ポリオールには、ポリエーテルポリ
オール、ポリエステルポリオール、ポリアミドポリオー
ル、ポリアミド−エステルポリオール、ポリエーテル−
エステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポ
リオレフィンポリオール、動植物油系ポリオール等があ
る。
【0041】ポリエーテルポリオールとしては、前述の
低分子活性水素基含有化合物の単独又は混合物に、エチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキ
サイド、スチレンオキサイド等のエポキサイドを単独又
は混合物で公知の方法で付加重合して得られる高分子の
モノオール、ポリオール、クオドロール、窒素ポリオー
ル等を挙げることができる。
【0042】ポリエステルポリオール、ポリアミドポリ
オール、ポリアミド−エステルポリオールとしては、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼラ
イン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタ
ル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸、ジアルキ
ルエステル、又は酸無水物等の1種以上と、前述の低分
子ジオール類、低分子ポリオール類、低分子アルカノー
ルアミン類、低分子ジアミン類、低分子ポリアミン類の
単独又は混合物との反応物が挙げられる。また、低分子
ジオール類、低分子ポリオール類、低分子アルカノール
アミン類、低分子ジアミン類、低分子ポリアミン類を開
始剤として、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン
等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得
られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられ
る。
【0043】ポリエーテル−エステルポリオールとして
は、前述のポリエーテルポリオールと、前述のポリカル
ボン酸との反応物が挙げられる。
【0044】ポリカーボネートポリオールとしては、前
述の低分子ポリオールと、ジエチレンカーボネート、ジ
メチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニ
ルカーボネート等との脱アルコール反応、脱フェノール
反応等で得られるものが挙げられる。
【0045】ポリオレフィンポリオールとしては、水酸
基含有ポリブタジエン、水素添加した水酸基含有ポリブ
タジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水素添加した水
酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプロピ
レン、水酸基含有塩素化ポリエチレン等が挙げられる。
【0046】動植物系ポリオールには、ヒマシ油系ポリ
オール、脱水ヒマシ油系ポリオール、絹フィブロイン等
が挙げられる。
【0047】B液は、有機ポリイソシアネート(B1)
を含有するものであり、このような(B1)としては、
ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと称
する)、MDIとMDI系多核縮合体との混合物(以
下、ポリメリックMDIと称する)、トリレンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ナ
フタレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタン
ジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネー
ト等のポリイソシアネートの単独又は2種以上の混合物
や、これらのウレア変性体、ビウレット変性体、二量
(ウレトジオン変性)体、三量(イソシアヌレート変
性)体、カルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性
体、としたもの等が挙げられる。また、更にポリイソシ
アネートと、前述の(A)と同様な活性水素基含有化合
物と反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリ
マーも好適に用いることができる。
【0048】本発明における好ましい(B1)は、前述
のA液や、後述するワックスエマルジョン(C)、触媒
(D)、界面活性剤(E)等との相溶性や、接着性等を
考慮すると、ポリメリックMDI、ポリメリックMDI
とポリオールを反応させて得られるイソシアネート基末
端ウレタンプレポリマーから選択されるものである。
【0049】本発明では、(B1)にイソシアネート基
含有プレポリマーを用いた場合において、B液に希釈剤
(B2)を用いると好ましくなる。これは、(B2)に
よりB液の粘度が低下するため、リグノセルロース系材
料、ゴムチップ材料、フォームチップ材料、無機材料等
への分散性が向上し、成形体の強度が向上するためであ
る。また、場合によっては分散性向上の効果にプラスし
て、更に強度を向上させることができる。
【0050】希釈剤(B2)は、使用環境温度(約−5
〜40℃)で低粘性の液状であること、労働衛生上の観
点から揮発性が小さいこと、特に熱圧成形後の揮発性が
小さいことが要求され、また、熱圧成形体の耐久性に悪
影響を及ぼさないことが要求されている。
【0051】希釈剤(B2)は、アルカリ珪酸塩水溶液
(A1)又はアミノ基及び活性水素基含有化合物(A
2)との接触により、イソシアネート基との反応性を有
する生成物を生じさせるものか、希釈剤自身が硬化する
ものである反応性希釈剤、及び(A1)又は(A2)と
の接触では反応しにくい難反応性希釈剤に大別される。
本発明では、反応性希釈剤のほうが、成形体内部に、遊
離の希釈剤が残存せず、強度低下を引き起こすことがな
いので好ましい。
【0052】反応性希釈剤としては、例えば低分子二塩
基酸とモノオールとのジエステル類、脂肪族一塩基酸と
モノオールやポリオールとのエステル類、低分子カーボ
ネート類、環状エステル類、エポキシ類、酸無水物、各
種のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類等
が挙げられる。
【0053】低分子二塩基酸のジエステル類において、
それを構成する酸成分としては、グルタル酸、コハク
酸、アジピン酸、マロン酸、シュウ酸、ピメリン酸、フ
タル酸等が挙げられ、アルコール成分としては、前述の
低分子モノオール類や高分子モノオール類が挙げられ
る。本発明においては低分子モノオール類が好ましい。
【0054】脂肪族一塩基酸のエステル類において、そ
れを構成する酸成分としては、例えばギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバリン酸、吉草酸、イソ
吉草酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、2−エチルヘキ
サン酸、カプリル酸、ラウリン酸、安息香酸等が挙げら
れ、アルコール成分としては、前述の低分子モノオール
類、高分子モノオール類、低分子ジオール類、高分子ジ
オール類、低分子ポリオール類、高分子ポリオール類が
挙げられる。本発明においては低分子モノオール類、低
分子ジオール類が好ましい。
【0055】具体的な脂肪族一塩基酸のエステル類とし
ては、例えばメチルセロソルブアセテート、エチルセロ
ソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチ
ルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテ
ート、3−メトキシブチルアルコールアセテート、3−
メチル−3−メトキシブチルアルコールアセテート、エ
チレングリコールジアセテート、ジエチレングリコール
ジアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、
エチレングリコールジフォメート等が挙げられる。
【0056】低分子カーボネート類としては、例えばジ
エチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられ
る。
【0057】環状エステル類としては、ε−カプロラク
トン、γ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン等が挙
げられる。
【0058】エポキシ類としては、エピクロルヒドリン
と酢酸等のカルボン酸から得られるグリシジルエステル
類、メチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエ
ーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシ
プロピレンジグリシジルエーテル等のポリオキシアルキ
レン構造を有するポリオキシエチレンジグリシジルエー
テル、不飽和二重結合の酸化で得られる、シクロヘキセ
ンオキサイド、スチレンオキサイド、3,4−エポキシ
−6−メチルシクロヘキシルメチルカルボキシレート、
3,4−エポキシ−シクロヘキシルメチルカルボキシレ
ート等が挙げられる。
【0059】酸無水物としては、無水マレイン酸、メチ
ルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水
フタル酸、無水メチルナジック酸、ドデシル無水コハク
酸、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等が挙げら
れる。
【0060】各種のアクリル酸エステル又はメタクリル
酸エステルとしては、アクリル酸又はメタクリル酸のメ
チル、エチル、ブチル等のアルキルエステルのほか、ア
クリル酸又はメタクリル酸とエチレングリコール、ジエ
チレングリコール、(数平均)分子量100〜5,00
0のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、及びそれらの共重合物、(数
平均)分子量100〜5,000のエチレンオキシド、
プロピレンオキシド共重合ジオール又はトリオール等の
アルコール類とのエステル等が挙げられる。
【0061】難反応性希釈剤としては、エーテル類等が
挙げられ、このエーテル類としては、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、クラウンエーテル等が挙げられる。
【0062】有機ポリイソシアネート(B1)と希釈剤
(B2)の配合量比は、固形分換算の質量比で、(B
1)/(B2)=5/95〜40/60が好ましく、特
に(B1)/(B2)=10/90〜30/70が好ま
しい。
【0063】B液のイソシアネート含量は、有機ポリイ
ソシアネート(B1)と希釈剤(B2)の配合比率にも
よるが、15〜35質量%が好ましく、特に20〜33
質量%がより好ましい。また、25℃における粘度は3
00mPa・s以下、好ましくは100mPa・s以下
である。
【0064】本発明では、C液としてワックスエマルジ
ョン(C)を用いることができる。ワックスエマルジョ
ン(C)を用いる目的は、熱圧成形する際の熱盤との接
着を回避させるための離型剤としての効果である。
【0065】ワックスエマルジョン(C)のワックス成
分としては、例えば、パラフィンワックス、モンタンワ
ックス、カルナバワックス、ライスワックス等の天然ワ
ックス、及びパラフィンワックス誘導体、モンタンワッ
クス誘導体、硬化ひまし油、ステアリン酸アミド等の合
成ワックスを水性エマルジョンにしたもの等が挙げられ
る。その中でも特に、パラフィン系ワックス、モンタン
系ワックス及びその誘導体が良好な離型性を発現し、二
次的効果として、熱圧成形体の耐熱水性に良好な効果を
与えることになる。
【0066】ワックス成分のエマルジョン化には、公知
の乳化剤を用いることが可能である。このような乳化剤
としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩等の界面
活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアリールエーテル等の脂肪酸とのエステ
ル等の界面活性剤を挙げることができる。
【0067】ワックス成分の融点は40〜160℃であ
る。ワックス成分の融点が40℃未満の場合では、通常
の熱圧成形温度である100〜200℃の条件下で蒸
発、気化しやすくなり、離型性を発揮しづらくなる。一
方、融点が160℃以上の場合では、熱圧成形温度が2
00℃の条件下であっても成形時間内に成形体の内部の
温度が必ずしもその温度まで上昇するとは限らないた
め、ワックス成分が成形体表面に熱移動しづらくなり、
熱盤との離型性を発揮できない。また、安定なワックス
エマルジョンを得ることが難しい。
【0068】ワックスエマルジョン(C)の固形分は、
10〜60質量%のものが好ましい。そして、その
(C)成分の添加量は、熱圧成形体用材料に対して、
0.3〜10質量%が好ましく、更に好ましくは0.5
〜8質量%である。
【0069】更にワックス成分は、ポリスチレン換算の
数平均分子量が100〜1,000である成分をゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)のピーク
面積比で80%以上含有するものである。ワックス成分
中の、GPCのピーク面積比で80%以上の成分が、数
平均分子量100未満の場合は、通常の熱圧成形温度で
ある100〜200℃の条件下で蒸発、気化しやすくな
り、離型性を発揮しづらくなる。また、この成分の数平
均分子量が1,000以上の場合は、ワックスエマルジ
ョンの安定性が悪くなるとともに有機ポリイソシアネー
ト化合物との相溶性が低下することと、下記のように融
点が相対的に高くなるため、ワックス成分が成形体表面
に熱移動しづらくなり、熱盤との離型性を発揮できな
い。数平均分子量100〜1,000の成分がGPCの
ピーク面積比で80%未満の場合は、ワックスエマルジ
ョンの安定性が悪くなるとともに有機ポリイソシアネー
ト化合物との相溶性が低下することと、下記のように融
点が相対的に高くなるため、ワックス成分が成形体表面
に熱移動しづらくなり、熱盤との離型性を発揮できな
い。
【0070】本発明では、D液として、触媒(D)を用
いることができる。触媒(D)は、前記A液に用いられ
る活性水素基含有化合物及び/又は反応性希釈剤の生成
物と、有機ポリイソシアネート(B2)との反応硬化を
促進するための触媒だけでなく、(A1)による反応性
希釈剤の反応の促進作用や、反応性希釈剤の硬化反応の
触媒としても作用するものである。
【0071】触媒(D)としては、アミン系触媒、金属
系触媒等がある。アミン系触媒の具体例として、トリエ
チルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホ
リン、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデ
セン−7、N−メチルイミダゾール、1−メチルイミダ
ゾール、1−エチルイミダゾール、1−プロピルイミダ
ゾール、1−シアノイミダゾール、1−シアノメチルイ
ミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4−
ジメチルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダ
ゾール、1−メチル−4−エチルイミダゾール、1−エ
チル−2−メチルイミダゾール、1−エチル−4−メチ
ルイミダゾール、ピリジン、α−ピコリン等が挙げられ
る。
【0072】金属系触媒としては、触媒活性を発現でき
る金属化合物であれば特に制限はなく、例えば、スズ、
亜鉛、カルシウム、チタン等のエステル化物、金属塩、
酸誘導体、酸化物、塩化物等が挙げられ、具体的には、
ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレー
ト、ジブチルチンジクロライド、オクチル酸スズ、オク
チル酸亜鉛、ナフテン酸カルシウム、テトラブチルチタ
ネート、テトラステアリルチタネート、酸化スズ、塩化
スズ、塩化マグネシウム等が挙げられる。
【0073】触媒(D)の配合量は、質量比で(B1)
に対して、0.01〜20質量%が好ましく、特に0.
03〜15質量%が好ましい。かかる(D)の配合量が
下限値未満である場合には、硬化反応が不充分で、目的
とした成形体が得られにくくなる傾向があり、また上限
値を越える場合には、硬化反応が速すぎて熱盤での熱圧
までに熱圧成形体が反応固化してしまい正常な成形体が
得られない。
【0074】本発明では、E液として、界面活性剤
(E)を用いることができる。界面活性剤(E)として
は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキ
レンオキシドを含有するポリグリコールエーテルと、少
なくとも1個の活性水素を含有する有機化合物とを縮合
することによって得られる。この少なくとも1個の活性
水素を含有する有機化合物としては、アルコール、フェ
ノール、チオール、1級又は2級アミンや、1個以上の
アルキル置換基を有するフェノール系化合物のポリアル
キレンオキシド誘導体を挙げることができる。
【0075】また(E)成分としては、シリコーン系界
面活性剤も挙げることができ、例えば、各種のシロキサ
ンポリアルキレンオキシドブロック共重合体が挙げられ
る。具体的には、日本ユニカー製のL−5340、テー
・ゴールドシュミット製のB−8451、B−8407
等を挙げることができる。なお、界面活性剤の添加量
は、活性水素基含有化合物(A)に対して0.05〜5
質量%が好ましい。
【0076】本発明では、F液として、ホルマリン縮合
系樹脂(F)を用いることができる。ホルマリン縮合系
樹脂(F)としては、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素メ
ラミン共縮合樹脂、フェノール樹脂、フェノールメラミ
ン共縮合樹脂等が挙げられる。(B1)と(F)の配合
比は、固形分換算の質量比で、(B1)/(F)=5/
95〜95/5が好ましく、特に(B1)/(F)=1
0/90〜90/10が好ましい。
【0077】本発明の接着剤組成物には、必要に応じ
て、セメント、高炉スラグ、石こう、炭酸カルシウム、
粘土、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、生石
灰、消石灰、ベントナイト等の無機充填剤、高分子ビー
ズ等の有機充填剤、顔料、染料、レベリング剤、難燃
剤、老化防止剤、耐熱性付与剤、抗酸化剤、紫外線吸収
剤等を適宜配合することができる。
【0078】本発明の熱圧成形体は、リグノセルロース
系材料、ゴムチップ材料、フォームチップ材料、無機材
料等に、本発明の接着剤組成物を塗布し、加熱圧縮する
ことによって得られるものである。
【0079】リグノセルロース系材料としては、パーテ
ィクルボード、オリエンテッドストランドボード(OS
B)、ウェイファーボード、ラミネーテッドベニアラン
バー(LVL)、ラミネーテッドストランドランバー
(LSL)、パラレルストランドランバー(PSL)等
に使用される木質削片であるストランドチップ、ダスト
チップ、フレークチップや、ハードボード、中密度繊維
板(MDF)、インシュレーションボード等に使用され
るファイバー、コーリャン茎、バガス、籾殻、麻、わ
ら、い草、あし、椰子の実や樹、ゴムの樹、とうもろこ
し、おがくず等が挙げられる。これらは単独で使用して
もよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0080】ゴムチップ材料としては、粒状やひじき状
等、種々のタイプを使用することができ、ポリウレタ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル、クロロプレン、ポリブタジエン、アクリ
ロニトリル等を材料とするゴムが挙げられ、具体的には
ポリウレタンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレ
ン−プロピレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、
ニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、天然ゴム等を粉砕したものを用いることができる。
【0081】フォームチップ材料としては、粉状や鱗片
状や繊維状等種々のタイプを使用することができ、具体
的には密度や発泡度の異なる各種ウレタンフォーム、各
種発泡スチレンフォーム等を挙げることができる。
【0082】無機材料としては、粉状や鱗片状や繊維状
等種々のタイプを使用することができ、具体的には、水
酸化カルシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、無水珪
酸、酸化鉄、ガラスフレーク、セメント粉、カーボンブ
ラック、珪石、石綿、タルク、クレー、マイカ、グラフ
ァイト等を挙げることができる。
【0083】本発明の熱圧成形体の製造方法は、前述の
接着剤組成物を成形体用材料に塗布してから熱圧成形す
るという方法である。成形条件はボードの公知の成形条
件であればすべて適用できる。好ましい熱圧条件は、温
度:70〜230℃、圧力:1〜10MPa、時間:成
形体の厚さ1mm当たり5〜15秒である。
【0084】A液の添加量は、熱圧成形体用材料に対し
て、0.3〜50質量%が好ましく、更に好ましくは1
〜30質量%である。
【0085】B液の添加量は、熱圧成形体用材料に対し
て、3〜50質量%が好ましく、更に好ましくは5〜3
0質量%である。
【0086】接着剤組成物の使用方法としては、前記各
種熱圧成形体用材料に塗布する直前にA〜F液を全て混
合してから使用する、B液とB液以外の液を混合してか
ら使用する、A〜F液を別々に塗布してから使用する、
等の方法が挙げられる。なお、このとき水を加えた混合
系であってもよい。
【0087】連続ラインで製造する場合において、C
液、D液、E液、F液を用いる場合はA液にこれらをあ
らかじめ混合しておいたもの、すなわちB液以外の液を
予備混合してから使用するほうが好ましい。これらの予
備混合物及び必要に応じて使用する水をスタティックミ
キサーでB液と連続的に混合してから、各種熱圧成形体
用材料に塗布し成形することができる。
【0088】また、A液、C液、D液、E液、及びF液
については、これらを混合した状態もしくは個別に、B
液の塗布以前に、熱圧成形体用材料に直接塗布する方法
は、A液、C液、D液、E液及びF液と、B液との反応
を抑制し、可使時間の延長につながるため、好ましい方
法である。
【0089】
【発明の効果】このように本発明の、アルカリ珪酸塩水
溶液(A1)を含有するA液、並びに有機ポリイソシア
ネート(B1)を含有するB液を主成分とする接着組成
物を用いることによって、低粘度故の作業性の良さ、及
び物性に優れた熱圧成形体を得ることができる。また、
特定組成のワックスエマルジョン(C)を用いた場合、
その熱圧成形時に、熱盤表面との接着を防ぐことができ
るだけでなく、物性面でも優れた熱圧成形体を得ること
が可能となった。
【0090】
【実施例、比較例】次に、本発明の熱圧成形体用接着剤
組成物、及びそれを用いた熱圧成形体、及びその製造方法
を、製造例及び実施例に基づいて更に詳細に説明する
が、本発明はかかる製造例及び実施例のみに限定される
ものではない。
【0091】[B液の合成]攪拌機、温度計、冷却器及
び窒素ガス導入管のついた、容量が2,000mlの反
応器を用いて、原料イソシアネートと原料モノ又はポリ
オールを表1に示す量を仕込んだ後、80℃まで昇温し
て3時間反応させて、有機ポリイソシアネートN−1〜
N−5を合成した。原料仕込み比率を表1に示す。次い
で、表2に示す配合で、有機ポリイソシアネートと希釈
剤を配合して、各種B液を調製した。分析値を表2に示
す。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】[B液を構成する有機ポリイソシアネート
(B1)の合成原料] PMDI−1 :ポリメリックMDI NCO含量=31.1% ポリメリックMDI中のMDI含有量=42% PMDI−2 :ポリメリックMDI NCO含量=30.1% ポリメリックMDI中のMDI含有量=30% PPG−200 :ポリ(オキシプロピレン)ポリオー
ル 数平均分子量=200 平均官能基数=2 PEG−2000:ポリ(オキシエチレン)ポリオール 数平均分子量=2,000 平均官能基数=2 MPEG−700:メトキシポリエチレングリコール 数平均分子量=700 平均官能基数=1 [B液を構成する希釈剤(B2)] RD−1:プロピレンカーボネート RD−2:プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート RD−3:カプリル酸と2−エチルヘキサノールのエチ
レンオキサイド付加体とのモノエステル RD−4:エチレングリコールジグリシジルエーテル
【0095】[接着剤組成物の調製及び評価]上記、表
2により得られたB液と、アルカリ珪酸塩水溶液(A
1)を用いたA液、ワックスエマルジョン(C)からな
るC液、触媒(D)からなるD液、界面活性剤(E)か
らなるE液、ホルマリン縮合系樹脂(F)からなるF
液、を組み合わせて熱圧成形体用材料用接着剤組成物と
して実施例1〜5、比較例1〜5を調整した。その各接
着剤組成物の仕込み量及び成形性、成形体の各種物性を
表3に示す。なお、接着剤は、B液以外の液を予備混合
してから使用した。
【0096】比較例1は、ワックスエマルジョンを用い
なかったため成形体が熱盤に非常に強固に接着し、物性
評価はできなかった。比較例2〜5についてもワックス
エマルジョンを用いなかったため成形体が熱盤に非常に
強固に接着したが、下記の物性評価用のサンプル作成の
必要上、熱盤の上下に離型紙を敷いて熱圧成形した。
【0097】
【表3】
【0098】[A液原料] A−1:1号珪酸ソーダS2(東曹産業株式会社製) A−2:N−(β−アミノエチル)エタノールアミン A−3:N,N,N′,N′−テトラヒドロキシエチル
エチレンジアミン A−4:エチレングリコール [C液原料] C−1:モンタン系ワックスエマルジョン(固形分=3
0%、融点=78℃、GPCによる数平均分子量100
〜1,000の成分=88.8%) C−2:パラフィン系ワックスエマルジョン(固形分=
30%、融点=60℃、GPCによる数平均分子量10
0〜1,000の成分=82.3%)※数平均分子量
は、ポリスチレン換算) [D液原料] D−1:トリエチルアミン D−2:ジブチルチンジラウレート [E液原料] E−1:B−8407(テー・ゴールドシュミット製シ
リコーン系界面活性剤) [F液原料] F−1:尿素メラミン共縮合樹脂(尿素/メラミン=
1.5(モル比)、固形分=50%)
【0099】[熱圧成形体の成形方法] A.成形条件 ボードサイズ:40cm×40cm ボード厚み:15mm 設定密度:720kg/m3 (木質ボード) 200kg/m3 (ゴムチップボード、ウレタンフォ
ームチップボード) 600kg/m3 (タルクボード) 製品含水率:9% (木質ボード) マット含水率:14% (木質ボード) プレス温度:200℃ (木質ボード、タルクボ
ード) 80℃ (ゴムチップボード、ウレタンフォーム
チップボード) プレス圧力:3MPa(面圧) プレス時間:150秒 ※木質ボード:パーティクルボード及び中密度繊維板
【0100】B.成形方法 表2に記載の熱圧成形体の作成について、針葉樹の木質
チップを用いて得られるパーティクルボード(実施例
1、比較例1)については、下記の(1)の方法にて作
成し、木質繊維を用いて得られる中密度繊維板(実施例
2、比較例2)については下記の(2)の方法にて作成
した。また、ゴムチップボード(実施例3、比較例3)
については下記の(3)の方法にて、ウレタンフォーム
チップボード(実施例4、比較例4)については下記の
(4)の方法にて、タルクボード(実施例5、比較例
5)については下記の(5)の方法にて作成した。 (1)実施例1、比較例1の成形体の作成方法 表2に記載の量の針葉樹の木質チップを撹拌羽根のつい
た容積約0.5m3のブレンダーに投入し、そこに表2
に記載の量の各種成分及びマット含水率用の水の混合物
を、約5分間混合撹拌しながらスプレー塗布した。その
後、その接着剤組成物が塗布された木質チップを取り出
して、成形後の成形体の密度が設定密度になるように計
量し、高抗張力ステンレススチール板上に前記ボードサ
イズになるようにフォーミングし、更に同形状の高抗張
力ステンレススチール板を上に載せ、前記条件で熱圧成
形した。 (2)実施例2、比較例2の成形体の作成方法 表3に記載の量の針葉樹の木質チップを加圧リファイナ
ー(解繊機)を用いて、蒸解圧力=0.7MPa、蒸解
温度=150℃の条件で解繊(繊維化)した。それを配
管に通し、そこに表2に記載の量の各種成分及びマット
含水率用の水の混合物を同時に配管内に添加して、気流
乾燥機にて前記マット含水率になるまで乾燥させた。そ
の後、その接着剤組成物が塗布された木質繊維を取り出
して、成形後の成形体の密度が設定密度になるように計
量し、高抗張力ステンレススチール板上に前記ボードサ
イズになるようにフォーミング成形装置を用いてフォー
ミングし、更に同形状の高抗張力ステンレススチール板
を上に載せ、前記条件で熱圧成形した。 (3)実施例3、比較例3の成形体の作成方法 平均粒径3mmに粉砕したSBRゴムチップに接着剤を
塗布した後、成形後の成形体の密度が設定密度になるよ
うに計量し、高抗張力ステンレススチール板上に前記ボ
ードサイズになるようにフォーミング成形装置を用いて
フォーミングし、更に同形状の高抗張力ステンレススチ
ール板を上に載せ、前記条件で熱圧成形した。 (4)実施例4、比較例4の成形体の作成方法 平均粒径3mmに粉砕した軟質ウレタンフォームチップ
に接着剤を塗布した後、成形後の成形体の密度が設定密
度になるように計量し、高抗張力ステンレススチール板
上に前記ボードサイズになるようにフォーミング成形装
置を用いてフォーミングし、更に同形状の高抗張力ステ
ンレススチール板を上に載せ、前記条件で熱圧成形し
た。 (5)実施例5、比較例5の成形体の作成方法 タルクに接着剤を塗布した後、成形後の成形体の密度が
設定密度になるように計量し、高抗張力ステンレススチ
ール板上に前記ボードサイズになるようにフォーミング
成形装置を用いてフォーミングし、更に同形状の高抗張
力ステンレススチール板を上に載せ、前記条件で熱圧成
形した。
【0101】C.評価方法 [物性測定]前記、表2の実施例1、比較例1の成形体
の各種物性値については、JISA−5908に準じて
測定し、実施例2、比較例2の成形体の各種物性値につ
いては、JIS A−5905に準じて測定し、その結
果を表2に示す。また、実施例−3〜5、比較例−3〜
5については、JIS A−5908に準じて測定し
た。 [離型性の評価]ボード上下に高抗張力ステンレススチ
ール板を置き、前記成形時に離型性の確認を行い、その
結果を表2に示す。
【0102】本発明に接着剤を用いた成形体は、材料の
種類を問わず良好な成形性を示し、また、物性も良好で
あった。一方、比較例は成形性が悪く、特に比較例−1
は、成形体そのものが得られなかった。成形体が得られ
た比較例も、接着剤が均一に塗布されなかったためか、
良好な物性のものは得られなかった。
フロントページの続き Fターム(参考) 2B260 BA01 BA07 BA13 BA15 BA18 BA23 CB01 CB02 DA05 DA17 DB02 DB04 DB15 DD02 EA03 EB02 EB06 EB42 EC08 4J040 AA011 AA012 BA182 EB032 EC002 EE022 EF051 EF052 EF061 EF062 EF071 EF072 EF111 EF112 EF121 EF122 EF131 EF132 EF161 EF162 EF181 EF182 EF201 EF202 EF281 EF282 EK112 FA142 HA096 HA136 HA311 HA312 HB02 HB07 HB14 HB24 HB30 HB43 HB44 HB46 HB47 HC01 HC24 HD42 JA03 JA13 KA14 KA24 KA38 LA07 MA01 MA08 MA09 MA10 MA12 NA12

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ珪酸塩水溶液(A1)を含有す
    るA液、並びに有機ポリイソシアネート(B1)を含有
    するB液からなることを特徴とする、熱圧成形体用接着
    剤組成物。
  2. 【請求項2】 A液が、更にアミノ基及び活性水素基含
    有化合物(A2)を含有することを特徴とする、請求項
    1に記載の熱圧成形体用接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 B液が、更に希釈剤(B2)を含有する
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱圧成形体
    用接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 更にワックスエマルジョン(C)を含有
    するC液からなることを特徴とする、請求項1から3の
    いずれかに記載の熱圧成形体用接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 更に触媒(D)を含有するD液からなる
    ことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の
    熱圧成形体用接着剤組成物。
  6. 【請求項6】 更に界面活性剤(E)を含有するE液か
    らなることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに
    記載の熱圧成形体用接着剤組成物。
  7. 【請求項7】 更にホルマリン縮合系樹脂(F)を含有
    するF液からなることを特徴とする、請求項1から6の
    いずれかに記載の熱圧成形体用接着剤組成物。
  8. 【請求項8】 ワックスエマルジョン(C)が、パラフ
    ィン系ワックスエマルジョンであることを特徴とする、
    請求項4から7のいずれかに記載の熱圧成形体用接着剤
    組成物。
  9. 【請求項9】 (C)が、モンタン系ワックスエマルジ
    ョンであることを特徴とする、請求項4から7のいずれ
    かに記載の熱圧成形体用接着剤組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のいずれかに記載の熱
    圧成形体用接着剤組成物を用いることを特徴とする、熱
    圧成形体。
  11. 【請求項11】 請求項1から9のいずれかに記載の熱
    圧成形体用接着剤組成物を用いることを特徴とする、熱
    圧成形体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006008971A (ja) * 2004-06-21 2006-01-12 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd 植物繊維質ボード用バインダー組成物及びこれを用いた植物繊維質ボードの製造方法
EP2287254A1 (de) * 2009-07-10 2011-02-23 Evonik Goldschmidt GmbH Kompositformkörper enthaltend oberflächenaktives Additiv
CN103627330A (zh) * 2012-08-29 2014-03-12 卢清友 一种复合胶料

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