JP2001278871A - オキサゾリジン化合物およびその製造方法 - Google Patents
オキサゾリジン化合物およびその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】医薬品の製造中間体などとして有用な光学活性
β−アミノアルコール類の原料となるオキサゾリジン化
合物を簡便に製造する方法及び新規オキサゾリジン化合
物を提供する。 【解決手段】式(2)で表されるβ−アミノアルコール
化合物と、ホスゲン又はホスゲン等価体とを反応させる
工程を有する、式(1−1)で表されるオキサゾリジン
化合物の製造方法、及び式(1)表されるオキサゾリジ
ン化合物。 【化1】 (式中、R1はC1-6のアルキル基又はC7-20のアラルキ
ル基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキル基、C1-6の
ハロアルキル基又はC7-20のアラルキル基を表し、R3
は水素原子、C1-4のアルキル基又はトリメチルシリル
基を表し、R4はC2-8のアルキニル基、2−トリメチル
シリルエチニル基又はCO2R5で表される基等を表す。
R5は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表
す。)
β−アミノアルコール類の原料となるオキサゾリジン化
合物を簡便に製造する方法及び新規オキサゾリジン化合
物を提供する。 【解決手段】式(2)で表されるβ−アミノアルコール
化合物と、ホスゲン又はホスゲン等価体とを反応させる
工程を有する、式(1−1)で表されるオキサゾリジン
化合物の製造方法、及び式(1)表されるオキサゾリジ
ン化合物。 【化1】 (式中、R1はC1-6のアルキル基又はC7-20のアラルキ
ル基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキル基、C1-6の
ハロアルキル基又はC7-20のアラルキル基を表し、R3
は水素原子、C1-4のアルキル基又はトリメチルシリル
基を表し、R4はC2-8のアルキニル基、2−トリメチル
シリルエチニル基又はCO2R5で表される基等を表す。
R5は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表
す。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品製造中間体
等として有用なオキサゾリジン骨格を有するオキサゾリ
ジン化合物およびその製造方法に関する。
等として有用なオキサゾリジン骨格を有するオキサゾリ
ジン化合物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、式(12)で表されるα−ヒドロ
キシ−β−アミノ酸誘導体(BHP)が、式(13)で
表される抗エイズ薬(HIVプロテアーゼ阻害剤)のキ
ラルシントンとして注目され、このものの製造方法が種
々開発されている(下記式参照。)。
キシ−β−アミノ酸誘導体(BHP)が、式(13)で
表される抗エイズ薬(HIVプロテアーゼ阻害剤)のキ
ラルシントンとして注目され、このものの製造方法が種
々開発されている(下記式参照。)。
【0003】
【化4】
【0004】従来、式(12)で表される化合物の製造
方法としては、次のものが知られている。 (1)EP.72939号公報に記載の方法
方法としては、次のものが知られている。 (1)EP.72939号公報に記載の方法
【0005】
【化5】
【0006】(2)WO98/07687号公報に記載
の方法
の方法
【0007】
【化6】
【0008】(3)WO98/11057号公報に記載
の方法
の方法
【0009】
【化7】
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
方法は、比較的高価な貴金属触媒を用いるものであった
り、出発原料に天然物を用いるものであったり、得られ
るβ−アミノアルコ−ルの光学純度も必ずしも満足すべ
きものではなかったり等して、未だ確立された製造方法
であるとはいえないのが現状である。
方法は、比較的高価な貴金属触媒を用いるものであった
り、出発原料に天然物を用いるものであったり、得られ
るβ−アミノアルコ−ルの光学純度も必ずしも満足すべ
きものではなかったり等して、未だ確立された製造方法
であるとはいえないのが現状である。
【0011】そこで、本発明は、式(12)で表される
化合物に代表される光学活性β−アミノアルコール類の
原料となるオキサゾリジン化合物を簡便に製造する方法
及び新規オキサゾリジン化合物を提供することを目的と
する。
化合物に代表される光学活性β−アミノアルコール類の
原料となるオキサゾリジン化合物を簡便に製造する方法
及び新規オキサゾリジン化合物を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく、加水分解酵素であるリパーゼを用いたβ
−イミノアルコール類を速度論的光学分割により、β−
イミノアルコール類を高い光学純度で得ることができる
こと、このβ−イミノアルコール類を還元することに
よりβ−アミノアルコール類を容易に得ることができる
こと、およびこのものにホスゲン又はホスゲン等価体
を反応させることにより、式(1)で表される光学活性
オキサゾリジン化合物を簡便に製造できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
解決すべく、加水分解酵素であるリパーゼを用いたβ
−イミノアルコール類を速度論的光学分割により、β−
イミノアルコール類を高い光学純度で得ることができる
こと、このβ−イミノアルコール類を還元することに
よりβ−アミノアルコール類を容易に得ることができる
こと、およびこのものにホスゲン又はホスゲン等価体
を反応させることにより、式(1)で表される光学活性
オキサゾリジン化合物を簡便に製造できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は第1に、式(2) 式(2)
【0014】
【化8】
【0015】(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基
または炭素数7〜20のアラルキル基を表し、R2は、
炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロアルキ
ル基または炭素数7〜20のアラルキル基を現し、R3
は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリメチ
ルシリル基を表す。)で表されるβ−アミノアルコール
化合物と、ホスゲン又はホスゲン等価体とを反応させる
工程を有する、式(1−1)
または炭素数7〜20のアラルキル基を表し、R2は、
炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロアルキ
ル基または炭素数7〜20のアラルキル基を現し、R3
は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリメチ
ルシリル基を表す。)で表されるβ−アミノアルコール
化合物と、ホスゲン又はホスゲン等価体とを反応させる
工程を有する、式(1−1)
【0016】
【化9】
【0017】(式中、R1、R2およびR3は、前記と同
じ意味を表す。)〕で表されるオキサゾリジン化合物の
製造方法を提供する。
じ意味を表す。)〕で表されるオキサゾリジン化合物の
製造方法を提供する。
【0018】本発明においては、前記式(2)で表され
るβーアミノアルコール化合物として、光学活性化合物
を用いるのが好ましい。
るβーアミノアルコール化合物として、光学活性化合物
を用いるのが好ましい。
【0019】本発明は第2に、式(1)
【0020】
【化10】
【0021】(式中、R1およびR2は前記と同じ意味を
表し、R4は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜
8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基、2−
トリメチルシリルエチニル基、2−トリメチルシリルビ
ニル基、2−トリメチルシリルエチル基、またはCO2
R5で表される基を表す。ここで、R5は、水素原子もし
くは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)表されるオキ
サゾリジン化合物を提供する。第2の発明においては、
前記式(1)で表される化合物は、光学活性オキサゾリ
ン化合物であるのが好ましい。
表し、R4は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜
8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基、2−
トリメチルシリルエチニル基、2−トリメチルシリルビ
ニル基、2−トリメチルシリルエチル基、またはCO2
R5で表される基を表す。ここで、R5は、水素原子もし
くは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)表されるオキ
サゾリジン化合物を提供する。第2の発明においては、
前記式(1)で表される化合物は、光学活性オキサゾリ
ン化合物であるのが好ましい。
【0022】本発明によれば、医薬品の製造中間体とし
て有用な式(1)で表されるオキサゾリン化合物を簡便
に製造することができる。また、特に原料である式
(2)で表されるβ−アミノアルコール化合物として光
学活性化合物を用いる場合には、その光学活性が保持さ
れたままで、目的とする式(1)で表される光学活性オ
キサゾリンジン化合物を簡便に製造することができる。
て有用な式(1)で表されるオキサゾリン化合物を簡便
に製造することができる。また、特に原料である式
(2)で表されるβ−アミノアルコール化合物として光
学活性化合物を用いる場合には、その光学活性が保持さ
れたままで、目的とする式(1)で表される光学活性オ
キサゾリンジン化合物を簡便に製造することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】(原料となるβ−アミノアルコール化合
物)本発明においては、式(2)で表されるβ−アミノ
アルコール化合物を原料として用いる。式(2)におい
て、R1は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−
ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などの直鎖
もしくは分岐の炭素数1〜6のアルキル基、または、ベ
ンジル、α−メチルベンジル基、α、α−ジメチルベン
ジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、4−
フェニル−n−ブチル基などの直鎖もしくは分岐の炭素
数7〜20のアラルキル基を表す。
物)本発明においては、式(2)で表されるβ−アミノ
アルコール化合物を原料として用いる。式(2)におい
て、R1は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−
ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などの直鎖
もしくは分岐の炭素数1〜6のアルキル基、または、ベ
ンジル、α−メチルベンジル基、α、α−ジメチルベン
ジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、4−
フェニル−n−ブチル基などの直鎖もしくは分岐の炭素
数7〜20のアラルキル基を表す。
【0025】前記アラルキル基は、ベンゼン環の任意の
位置に置換基を有していてもよい。かかる置換基として
は、ニトロ基、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原
子、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基など
のアルコキシ基などが挙げられる。また、前記アラルキ
ル基は、同一または相異なる複数の置換基を有していて
もよい。
位置に置換基を有していてもよい。かかる置換基として
は、ニトロ基、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原
子、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基など
のアルコキシ基などが挙げられる。また、前記アラルキ
ル基は、同一または相異なる複数の置換基を有していて
もよい。
【0026】R2は、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基な
どの直鎖もしくは分岐の炭素数1〜6のアルキル基、
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基な
どの直鎖もしくは分岐の炭素数1〜6のアルキル基、
【0027】クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリ
クロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル
基、トリフルオロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモ
メチル基、トリブロモメチル基、2,2,2−トリクロ
ロエチル基、ペンタクロロエチル基、2,2,2−トリ
フルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,
2−トリブロモエチル基、ペンタブロモエチル基などの
炭素数1〜6のハロアルキル基、または、
クロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル
基、トリフルオロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモ
メチル基、トリブロモメチル基、2,2,2−トリクロ
ロエチル基、ペンタクロロエチル基、2,2,2−トリ
フルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,
2−トリブロモエチル基、ペンタブロモエチル基などの
炭素数1〜6のハロアルキル基、または、
【0028】ベンジル、α−メチルベンジル基、α、α
−ジメチルベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプ
ロピル基、4−フェニル−n−ブチル基などの直鎖もし
くは分岐の炭素数7〜20のアラルキル基を表す。前記
アラルキル基は、ベンゼン環の任意の位置に置換基を有
していてもよい。かかる置換基としては、ニトロ基、フ
ッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子、メチル基、エチ
ル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、イソプロポキシ基などのアルコキシ基などが
挙げられる。また、前記アラルキル基は、同一または相
異なる複数の置換基を有していてもよい。
−ジメチルベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプ
ロピル基、4−フェニル−n−ブチル基などの直鎖もし
くは分岐の炭素数7〜20のアラルキル基を表す。前記
アラルキル基は、ベンゼン環の任意の位置に置換基を有
していてもよい。かかる置換基としては、ニトロ基、フ
ッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子、メチル基、エチ
ル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、イソプロポキシ基などのアルコキシ基などが
挙げられる。また、前記アラルキル基は、同一または相
異なる複数の置換基を有していてもよい。
【0029】R3は、水素原子、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、se
c−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘ
キシル基などの直鎖もしくは分岐の炭素数1〜6のアル
キル基、またはトリメチルシリル基を表す。
n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、se
c−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘ
キシル基などの直鎖もしくは分岐の炭素数1〜6のアル
キル基、またはトリメチルシリル基を表す。
【0030】(β−アミノアルコール化合物(2)の合
成)式(2)で表される化合物は、例えば、β−イミノ
アルコール化合物(10)を還元することにより製造す
ることができる。
成)式(2)で表される化合物は、例えば、β−イミノ
アルコール化合物(10)を還元することにより製造す
ることができる。
【0031】
【化11】
【0032】(式中、R1、R2およびR3は前記と同じ
意味を表す。) この反応に用いられる還元剤としては、Na[Al(C
H3OCH2CH2O)2H2](VITRIDE)、ジイ
ソブチルアルミニウムハイドライドなどの水素化アルミ
ニウム類などを用いることができる。反応溶媒として
は、不活性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン(TH
F)、ジエチルエーテル、1,3−ジメトキシエタンな
どのエーテル系溶媒などが挙げられる。反応は、通常、
−100℃〜0℃の温度範囲で円滑に進行する。
意味を表す。) この反応に用いられる還元剤としては、Na[Al(C
H3OCH2CH2O)2H2](VITRIDE)、ジイ
ソブチルアルミニウムハイドライドなどの水素化アルミ
ニウム類などを用いることができる。反応溶媒として
は、不活性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン(TH
F)、ジエチルエーテル、1,3−ジメトキシエタンな
どのエーテル系溶媒などが挙げられる。反応は、通常、
−100℃〜0℃の温度範囲で円滑に進行する。
【0033】また、式(2)で表される化合物は、式
(10)で表される化合物にオクタカルボニルジコバル
トを反応させて三重結合を保護した後、炭素−窒素二重
結合を選択的に還元して得ることもできる(下記参
照。)
(10)で表される化合物にオクタカルボニルジコバル
トを反応させて三重結合を保護した後、炭素−窒素二重
結合を選択的に還元して得ることもできる(下記参
照。)
【0034】
【化12】
【0035】また、式(10)で表される化合物の水酸
基をアシル化剤を反応させて、式(11)で得られる化
合物を得たのち、リパーゼを用いる速度論的光学分割に
より、光学活性な式(10)で表されるβ−イミノアル
コール化合物を得ることもできる。
基をアシル化剤を反応させて、式(11)で得られる化
合物を得たのち、リパーゼを用いる速度論的光学分割に
より、光学活性な式(10)で表されるβ−イミノアル
コール化合物を得ることもできる。
【0036】
【化13】
【0037】前記アシル化剤としては、式:R6C(=
O)Xあるいは(R6CO)2O(式中、R6は炭素数1
〜6のアルキル基または炭素数1〜6のハロアルキル基
を表す。)が挙げられる。アシル化剤の使用量は、式
(10)で表される化合物1モルに対し、通常1.0〜
1.5モル当量である。
O)Xあるいは(R6CO)2O(式中、R6は炭素数1
〜6のアルキル基または炭素数1〜6のハロアルキル基
を表す。)が挙げられる。アシル化剤の使用量は、式
(10)で表される化合物1モルに対し、通常1.0〜
1.5モル当量である。
【0038】また、用いられる塩基としては、トリエチ
ルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなど
の有機塩基が挙げられる。塩基の使用量は、前記アシル
化剤1モルに対し、通常、1.0〜1.5モル当量であ
る。
ルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなど
の有機塩基が挙げられる。塩基の使用量は、前記アシル
化剤1モルに対し、通常、1.0〜1.5モル当量であ
る。
【0039】この反応に用いられるリパーゼは、脂肪酸
のグリセリンエステルである脂肪の加水分解反応を触媒
する酵素であり、動植物および微生物に広く存在する酵
素である。リパーゼの種類により、基質特異性、作用最
適pH、最適温度などが異なる。本発明においては、式
(11)で表される化合物のアシル基(R6CO−)部
分を加水分解する能力を有するリパーゼを選択して使用
する。かかるリパーゼとしては、リパーゼPSが挙げら
れる。このものは、凍結乾燥したものが市販されてお
り、そのまま本発明に使用することができる。リパーゼ
は、少なくとも加水分解反応を完結するだけの量が必要
であるが、その使用量は、反応系により適宜設定するこ
とができる。
のグリセリンエステルである脂肪の加水分解反応を触媒
する酵素であり、動植物および微生物に広く存在する酵
素である。リパーゼの種類により、基質特異性、作用最
適pH、最適温度などが異なる。本発明においては、式
(11)で表される化合物のアシル基(R6CO−)部
分を加水分解する能力を有するリパーゼを選択して使用
する。かかるリパーゼとしては、リパーゼPSが挙げら
れる。このものは、凍結乾燥したものが市販されてお
り、そのまま本発明に使用することができる。リパーゼ
は、少なくとも加水分解反応を完結するだけの量が必要
であるが、その使用量は、反応系により適宜設定するこ
とができる。
【0040】リパーゼを用いる場合には、最も加水分解
の触媒活性を発現する最適pH(通常、pH=6〜8付
近)となるように、反応系に緩衝溶液を用いるのが好ま
しい。緩衝溶液としては、リン酸二水素カリウム+水酸
化ナトリウム、リン酸水素二カリウム+リン酸水素二ナ
トリウム、フタル酸水素カリウム+水酸化ナトリウム、
ホウ酸+塩化カリウム+水酸化ナトリウム、ホウ砂+水
酸化ナトリウム、リン酸二ナトリウム+クエン酸などが
挙げられる。これらのうち、リン酸塩を用いる緩衝溶液
の使用が好ましい。
の触媒活性を発現する最適pH(通常、pH=6〜8付
近)となるように、反応系に緩衝溶液を用いるのが好ま
しい。緩衝溶液としては、リン酸二水素カリウム+水酸
化ナトリウム、リン酸水素二カリウム+リン酸水素二ナ
トリウム、フタル酸水素カリウム+水酸化ナトリウム、
ホウ酸+塩化カリウム+水酸化ナトリウム、ホウ砂+水
酸化ナトリウム、リン酸二ナトリウム+クエン酸などが
挙げられる。これらのうち、リン酸塩を用いる緩衝溶液
の使用が好ましい。
【0041】また、用いられる溶媒としては、例えば、
水とTHF、アセトニトリルなどの水と相溶性のある有
機溶媒との混合溶媒が挙げられる。反応は、室温〜50
℃の温度範囲で円滑に進行し、数時間から〜数百時間で
完結する。
水とTHF、アセトニトリルなどの水と相溶性のある有
機溶媒との混合溶媒が挙げられる。反応は、室温〜50
℃の温度範囲で円滑に進行し、数時間から〜数百時間で
完結する。
【0042】この反応は立体選択的である。式(11)
で表される化合物は、アシルオキシ基(R6COO−
基)に結合する不斉炭素原子に由来する2種類の光学異
性体が存在する。リパーゼは、この2種類の光学異性体
のうち、一方の異性体の加水分解反応のみを選択的に触
媒する(速度論的光学分割)。反応液には、加水分解生
成物と未加水分解物とが存在するが、加水分解生成物の
みを通常の有機合成化学的分離手段により、単離精製す
ることができる。なお、未加水分解物はラセミ化させ
て、再度加水分解反応に供することができる。
で表される化合物は、アシルオキシ基(R6COO−
基)に結合する不斉炭素原子に由来する2種類の光学異
性体が存在する。リパーゼは、この2種類の光学異性体
のうち、一方の異性体の加水分解反応のみを選択的に触
媒する(速度論的光学分割)。反応液には、加水分解生
成物と未加水分解物とが存在するが、加水分解生成物の
みを通常の有機合成化学的分離手段により、単離精製す
ることができる。なお、未加水分解物はラセミ化させ
て、再度加水分解反応に供することができる。
【0043】なお、式(10)で表される化合物のう
ち、R3がトリメチルシリル基の化合物は、脱シリル化
剤を作用させることにより、トリメチルシリル基が水素
原子に変換された、式(10)(R3=H)で表される
化合物を得ることもできる。脱シリル化剤としては、例
えば、フッ素、フッ化カリウム、テトラブチルアンモニ
ウムフロライド(TBAF)などのフッ化アンモニウム
塩などが挙げられる。脱シリル化剤の使用量は、式(1
0)(R3=SiMe3)で表される化合物1モルに対
し、通常1.0〜2.0モル当量程度である。
ち、R3がトリメチルシリル基の化合物は、脱シリル化
剤を作用させることにより、トリメチルシリル基が水素
原子に変換された、式(10)(R3=H)で表される
化合物を得ることもできる。脱シリル化剤としては、例
えば、フッ素、フッ化カリウム、テトラブチルアンモニ
ウムフロライド(TBAF)などのフッ化アンモニウム
塩などが挙げられる。脱シリル化剤の使用量は、式(1
0)(R3=SiMe3)で表される化合物1モルに対
し、通常1.0〜2.0モル当量程度である。
【0044】この反応に用いられる溶媒としては、不活
性溶媒、例えば、THF、ジエチルエーテル、1,3−
ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒などが挙げられ
る。反応は、通常、0℃〜80℃の温度範囲で円滑に進
行する。
性溶媒、例えば、THF、ジエチルエーテル、1,3−
ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒などが挙げられ
る。反応は、通常、0℃〜80℃の温度範囲で円滑に進
行する。
【0045】原料となる式(10)で表される化合物
は、例えば、次のようにして製造することができる。
は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0046】
【化14】
【0047】(式中、R1,R2およびR3は前記と同じ
意味を表し、rは、メチル基、エチル基などの低級アル
キル基を表す。) 先ず、カルボン酸エステル(3)に、式(4)で表され
る1,3−ジチアンの2−リチウム塩を作用させて、式
(5)で表される化合物を得る。
意味を表し、rは、メチル基、エチル基などの低級アル
キル基を表す。) 先ず、カルボン酸エステル(3)に、式(4)で表され
る1,3−ジチアンの2−リチウム塩を作用させて、式
(5)で表される化合物を得る。
【0048】式(5)で表される1,3−ジチアンの2
−リチウム塩は、例えば、例えば、THF、ジエチルエ
ーテル、1,3−ジメトキシエタンなどの不活性溶媒中
で、1,3−ジチアンに、n−ブチルリチウムなどの有
機リチウム、リチウム N,N−ジイソプロピルアミド
(LDA)などのリチウムアミド類を作用させることに
より調製することができる。
−リチウム塩は、例えば、例えば、THF、ジエチルエ
ーテル、1,3−ジメトキシエタンなどの不活性溶媒中
で、1,3−ジチアンに、n−ブチルリチウムなどの有
機リチウム、リチウム N,N−ジイソプロピルアミド
(LDA)などのリチウムアミド類を作用させることに
より調製することができる。
【0049】式(3)で表されるエステルと式(4)で
表されるリチウム塩を作用させる反応に用いられる溶媒
としては、例えば、テトラフドロフラン(THF)、ジ
エチルエーテル、1,3−ジメトキシエタンなどのエー
テル系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサンなどの飽和炭
化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素類などの1種若しくはこれら2種以上の混合溶
媒が挙げられる。反応は、通常−100℃〜0℃の温度
範囲で行われる。
表されるリチウム塩を作用させる反応に用いられる溶媒
としては、例えば、テトラフドロフラン(THF)、ジ
エチルエーテル、1,3−ジメトキシエタンなどのエー
テル系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサンなどの飽和炭
化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素類などの1種若しくはこれら2種以上の混合溶
媒が挙げられる。反応は、通常−100℃〜0℃の温度
範囲で行われる。
【0050】次いで、式(5)で表される化合物に、式
(6):R1ONH2(R1は前記と同じ意味を表す。)
で表されるアルコキシアミンを作用させることにより、
式(7)で表される化合物を得ることができる。この反
応においては、式(6)で表されるアルコキシアミンの
塩を反応系に加えて、塩基を用いてアルコキシアミンを
遊離の形として、式(5)で表される化合物と反応させ
ることもできる。かかるアルコキシアミンの塩として
は、塩酸塩や硫酸塩などが挙げられる。
(6):R1ONH2(R1は前記と同じ意味を表す。)
で表されるアルコキシアミンを作用させることにより、
式(7)で表される化合物を得ることができる。この反
応においては、式(6)で表されるアルコキシアミンの
塩を反応系に加えて、塩基を用いてアルコキシアミンを
遊離の形として、式(5)で表される化合物と反応させ
ることもできる。かかるアルコキシアミンの塩として
は、塩酸塩や硫酸塩などが挙げられる。
【0051】この反応に用いられる溶媒としては、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコ
ール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、T
HF、ジエチルエーテル、1,3−ジメトキシエタンな
どのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなどの1種若し
くはこれらの2種以上の混合溶媒が挙げられる。この反
応により得られる式(7)で表される化合物は、通常、
炭素−窒素間の二重結合に由来する2種類の立体異性体
が存在する。
ルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコ
ール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、T
HF、ジエチルエーテル、1,3−ジメトキシエタンな
どのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなどの1種若し
くはこれらの2種以上の混合溶媒が挙げられる。この反
応により得られる式(7)で表される化合物は、通常、
炭素−窒素間の二重結合に由来する2種類の立体異性体
が存在する。
【0052】次いで、式(7)で表される化合物の1,
3−ジチアン−2−イル基をアルデヒド基に変換するこ
とにより、式(8)で表される化合物を得る。この反応
は、例えば、塩基の存在下に水銀化合物を作用させるこ
とにより行うことができる。
3−ジチアン−2−イル基をアルデヒド基に変換するこ
とにより、式(8)で表される化合物を得る。この反応
は、例えば、塩基の存在下に水銀化合物を作用させるこ
とにより行うことができる。
【0053】この反応に用いられる水銀化合物として
は、例えば過塩素酸水銀などが挙げられる。塩基として
は、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムな
どの炭酸塩が挙げられる。水銀化合物の使用量は、式
(7)で表される化合物1モルに対し、通常1.5〜
3.0当量程度であり、塩基の使用量は、水銀化合物1
モルに対し、通常1.0〜2.0当量である。
は、例えば過塩素酸水銀などが挙げられる。塩基として
は、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムな
どの炭酸塩が挙げられる。水銀化合物の使用量は、式
(7)で表される化合物1モルに対し、通常1.5〜
3.0当量程度であり、塩基の使用量は、水銀化合物1
モルに対し、通常1.0〜2.0当量である。
【0054】また、溶媒としては、THF、ジエチルエ
ーテル、1,3−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶
媒と水との混合溶媒が挙げられる。反応は、通常、0℃
〜80℃の温度範囲で円滑に進行する。
ーテル、1,3−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶
媒と水との混合溶媒が挙げられる。反応は、通常、0℃
〜80℃の温度範囲で円滑に進行する。
【0055】次いで、式(8)で表されるアルデヒド化
合物に、式(9)で表されるアセチレンやトリメチルシ
リルアセチレンなどのアルキン類のアルカリ金属塩を反
応させることにより、式(10)で表される化合物を得
ることができる。
合物に、式(9)で表されるアセチレンやトリメチルシ
リルアセチレンなどのアルキン類のアルカリ金属塩を反
応させることにより、式(10)で表される化合物を得
ることができる。
【0056】式(9)で表される化合物は、例えば、ア
セチレンやトリメチルシリルアセチレンなどのアルキン
類に、金属ナトリウムなどのアルカリ金属、n−ブチル
リチウムなどの有機リチウムを反応させることによって
得ることができる。
セチレンやトリメチルシリルアセチレンなどのアルキン
類に、金属ナトリウムなどのアルカリ金属、n−ブチル
リチウムなどの有機リチウムを反応させることによって
得ることができる。
【0057】この反応に用いることができる溶媒として
は、例えば、THF、ジエチルエーテル、1,3−ジメ
トキシエタンなどのエーテル系溶媒、n−ペンタン、n
−ヘキサンなどの飽和炭化水素類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などの1種もしく
はこれら2種以上の混合溶媒が挙げられる。反応は、通
常−100℃〜0℃の温度範囲で行われる。
は、例えば、THF、ジエチルエーテル、1,3−ジメ
トキシエタンなどのエーテル系溶媒、n−ペンタン、n
−ヘキサンなどの飽和炭化水素類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などの1種もしく
はこれら2種以上の混合溶媒が挙げられる。反応は、通
常−100℃〜0℃の温度範囲で行われる。
【0058】(式(1)で表されるオキサゾリジン化合
物)次いで、得られた式(2)で表される化合物と、ホ
スゲン又はホスゲン等価体とを反応させることにより、
式(1−1)で表されるオキサゾリジン化合物に誘導す
ることができる。
物)次いで、得られた式(2)で表される化合物と、ホ
スゲン又はホスゲン等価体とを反応させることにより、
式(1−1)で表されるオキサゾリジン化合物に誘導す
ることができる。
【0059】
【化15】
【0060】(式中、R1、R2、R3およびR4は前記と
同じ意味を表す。) この反応に用いられるホスゲン等価体としては、ダイホ
スゲンなどが挙げられる。ホスゲン又はホスゲン等価体
の使用量は、式(2)で表される化合物1モルに対し、
1モル〜10程度が好ましい。ダイホスゲンを用いる場
合には、ダイホスゲンと等モル〜2倍モル程度の塩基を
添加するのが好ましい。塩基としては、例えば、トリエ
チルアミン、ピリジンなどの有機塩基が挙げられる。
又、触媒量の4−ジメチルアミノピリジンを同時に添加
するのも反応を円滑に進行させる上で好ましい。
同じ意味を表す。) この反応に用いられるホスゲン等価体としては、ダイホ
スゲンなどが挙げられる。ホスゲン又はホスゲン等価体
の使用量は、式(2)で表される化合物1モルに対し、
1モル〜10程度が好ましい。ダイホスゲンを用いる場
合には、ダイホスゲンと等モル〜2倍モル程度の塩基を
添加するのが好ましい。塩基としては、例えば、トリエ
チルアミン、ピリジンなどの有機塩基が挙げられる。
又、触媒量の4−ジメチルアミノピリジンを同時に添加
するのも反応を円滑に進行させる上で好ましい。
【0061】この反応に用いられる溶媒としては、塩化
メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロ
ロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ペンタン、ヘキサ
ン、、オクタンなどの飽和炭化水素、シクロヘキサンな
どの環状炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水
素、およびこれら2種以上の組み合わせを用いることが
できる。この反応は、−10℃〜用いる溶媒の沸点まで
の温度範囲で円滑に進行する。
メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロ
ロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ペンタン、ヘキサ
ン、、オクタンなどの飽和炭化水素、シクロヘキサンな
どの環状炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水
素、およびこれら2種以上の組み合わせを用いることが
できる。この反応は、−10℃〜用いる溶媒の沸点まで
の温度範囲で円滑に進行する。
【0062】また、式(1−1)において、R3がエチ
ニル基である化合物または2−トリメチルシリルエチニ
ル基である化合物は、その三重結合を二重結合に還元し
て、R4がビニル基である化合物、エチル基である化合
物に誘導することができる。
ニル基である化合物または2−トリメチルシリルエチニ
ル基である化合物は、その三重結合を二重結合に還元し
て、R4がビニル基である化合物、エチル基である化合
物に誘導することができる。
【0063】
【化16】
【0064】また、R3がエチニル基である化合物また
は2−トリメチルシリルエチニル基である化合物は、そ
の三重結合を完全に還元して、R4がエチル基である化
合物あるいは2−トリメチルシリルエチル基である化合
物に誘導することができる。
は2−トリメチルシリルエチニル基である化合物は、そ
の三重結合を完全に還元して、R4がエチル基である化
合物あるいは2−トリメチルシリルエチル基である化合
物に誘導することができる。
【0065】さらに、式(1)において、R3がエチニ
ル基である化合物は、該エチニル基を、例えば、ルテニ
ウム化合物の存在下に過ヨウ素酸塩を用いる酸化反応に
より、R4がカルボキシル基である化合物に誘導するこ
とができる。R4がカルボキシル基である化合物は、通
常のエステル化反応により対応するエステル化合物にさ
らに導くことができる。
ル基である化合物は、該エチニル基を、例えば、ルテニ
ウム化合物の存在下に過ヨウ素酸塩を用いる酸化反応に
より、R4がカルボキシル基である化合物に誘導するこ
とができる。R4がカルボキシル基である化合物は、通
常のエステル化反応により対応するエステル化合物にさ
らに導くことができる。
【0066】また、原料となる式(2)で表されるβ−
アミノアルコール化合物が光学活性化合物である場合に
は、その光学活性を保持したまま式(1)で表される光
学活性オキサゾリジン化合物を得ることができる。
アミノアルコール化合物が光学活性化合物である場合に
は、その光学活性を保持したまま式(1)で表される光
学活性オキサゾリジン化合物を得ることができる。
【0067】以上のようにして得られる式(1)で現さ
れるオキサゾリジン化合物の例を第1表に示す。なお、
第1表において、A〜Fは、以下の基を現す。
れるオキサゾリジン化合物の例を第1表に示す。なお、
第1表において、A〜Fは、以下の基を現す。
【0068】
【化17】
【0069】
【表1】
【0070】式(1)で表されるオキサゾリジン化合物
のうち、R2がベンジル(Bn)基である化合物は、例
えば、以下に示す公知の合成ルートにより、前述した式
(12)で表されるα−ヒドロキシ−β−アミノ酸誘導
体(BHP)に誘導することができる。
のうち、R2がベンジル(Bn)基である化合物は、例
えば、以下に示す公知の合成ルートにより、前述した式
(12)で表されるα−ヒドロキシ−β−アミノ酸誘導
体(BHP)に誘導することができる。
【0071】
【実施例】次に、製造例及び実施例により、本発明を更
に詳細に説明する。(製造例1) 1−(1,3)ジチアジン−2−イル−
2−フェニルエタノン(5a)の合成
に詳細に説明する。(製造例1) 1−(1,3)ジチアジン−2−イル−
2−フェニルエタノン(5a)の合成
【0072】
【化18】
【0073】アルゴン雰囲気下で、100mlのナス型
フラスコにフェニル酢酸エチル2.0g(0.012m
ol)のTHF25ml溶液に、別途調製した2−リチ
オ−1,3−ジチアンのTHF溶液25ml(0.01
2mol)を、−78℃でゆっくりと滴下し、さらに1
0分間攪拌した。反応液に、−78℃でメタノール、次
いで室温で2規定塩酸を加えることによって反応を停止
させた後、酢酸エチルで抽出を行い、有機層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮しし
て得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー
(n−ヘキサン:酢酸エチル=15:1)にて単離精製
を行い、目的物(5a)1.48gを得た。収率51%
フラスコにフェニル酢酸エチル2.0g(0.012m
ol)のTHF25ml溶液に、別途調製した2−リチ
オ−1,3−ジチアンのTHF溶液25ml(0.01
2mol)を、−78℃でゆっくりと滴下し、さらに1
0分間攪拌した。反応液に、−78℃でメタノール、次
いで室温で2規定塩酸を加えることによって反応を停止
させた後、酢酸エチルで抽出を行い、有機層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮しし
て得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー
(n−ヘキサン:酢酸エチル=15:1)にて単離精製
を行い、目的物(5a)1.48gを得た。収率51%
【0074】1H−NMR(CDCl3、δppm):
1.97−2.11(m,2H)、2.51−2.60
(m,2H)、3.19−3.29(m,2H)、3.
96(s,2H)、4.26(s,1H)、7.20−
7.34(m,5H)
1.97−2.11(m,2H)、2.51−2.60
(m,2H)、3.19−3.29(m,2H)、3.
96(s,2H)、4.26(s,1H)、7.20−
7.34(m,5H)
【0075】IR(neat,cm-1):1718,1
324,1263,1060,702
324,1263,1060,702
【0076】(製造例2) 1−(1,3)ジチアン−
2−イル−2−フェニルエタノン O−ベンジルオキシ
ム(7a)の合成
2−イル−2−フェニルエタノン O−ベンジルオキシ
ム(7a)の合成
【0077】
【化19】
【0078】アルゴン雰囲気下で、100mlの二口フ
ラスコに、先に得た(5a)26.2g(0.026m
ol)のメタノール90ml溶液を加え、次いで、ベン
ジルオキシアミン塩酸塩6.6g(0.042mol)
とピリジン4.5g(0.057mol)を加え、室温
で30分間攪拌した。反応液に飽和食塩水を加えること
によって反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出した。
有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液を
減圧濃縮して粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=18:1)
により単離精製を行い、目的物(7a)(異性体1及び
異性体2の混合物)8.3gを得た。収率84%
ラスコに、先に得た(5a)26.2g(0.026m
ol)のメタノール90ml溶液を加え、次いで、ベン
ジルオキシアミン塩酸塩6.6g(0.042mol)
とピリジン4.5g(0.057mol)を加え、室温
で30分間攪拌した。反応液に飽和食塩水を加えること
によって反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出した。
有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液を
減圧濃縮して粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=18:1)
により単離精製を行い、目的物(7a)(異性体1及び
異性体2の混合物)8.3gを得た。収率84%
【0079】異性体1の1H−NMR(CDCl3,δp
pm):1.78−2.07(m,2H)、2.67−
2.99(m,4H)、3.67(s、2H)、5.1
9(s、2H)、5.77(s、1H)、7.16−
7.37(m、10H)
pm):1.78−2.07(m,2H)、2.67−
2.99(m,4H)、3.67(s、2H)、5.1
9(s、2H)、5.77(s、1H)、7.16−
7.37(m、10H)
【0080】異性体2の1H−NMR(CDCl3,δp
pm):1.78−2.07(m,2H)、2.67−
2.99(m,4H)、4.07(s,2H)、4.5
0(s,1H)、5.20(s,2H)、7.16−
7.37(m、10H)
pm):1.78−2.07(m,2H)、2.67−
2.99(m,4H)、4.07(s,2H)、4.5
0(s,1H)、5.20(s,2H)、7.16−
7.37(m、10H)
【0081】IR(neat,cm-1):3002、1
743,1505,1463,1378,1263,1
225,1162,1041,701
743,1505,1463,1378,1263,1
225,1162,1041,701
【0082】(製造例3) 2−ベンジルオキシイミノ
−3−フェニルプロピオンアルデヒド(8a)の合成
−3−フェニルプロピオンアルデヒド(8a)の合成
【0083】
【化20】
【0084】100mlのナス型フラスコに、先に得た
(7a)6.7g(0.018mol)のTHF−H2
Oの混合溶液(THF:H2O=5:1)60mlを加
え、次いで、炭酸カルシウム4.2g(0.042mo
l)を加えた後、過塩素酸水銀・6水和物19.6g
(0.038mol)の5.0ml水溶液をゆっくりと
滴下し、10分間攪拌した。反応液にエーテルを加え
て、セライトろ過を行い、ろ液を濃縮し、粗生成物を得
た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサ
ン:酢酸エチル=20:1)により単離精製を行い、目
的物(異性体1および異性体2の混合物)(8a)4.
16gを得た。収率82%
(7a)6.7g(0.018mol)のTHF−H2
Oの混合溶液(THF:H2O=5:1)60mlを加
え、次いで、炭酸カルシウム4.2g(0.042mo
l)を加えた後、過塩素酸水銀・6水和物19.6g
(0.038mol)の5.0ml水溶液をゆっくりと
滴下し、10分間攪拌した。反応液にエーテルを加え
て、セライトろ過を行い、ろ液を濃縮し、粗生成物を得
た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサ
ン:酢酸エチル=20:1)により単離精製を行い、目
的物(異性体1および異性体2の混合物)(8a)4.
16gを得た。収率82%
【0085】異性体1の1H−NMR(CDCl3,δp
pm):3.80(s.2H)、5.34(s,2
H)、7.15−7.39(m,10H)、9.47
(s,1H)
pm):3.80(s.2H)、5.34(s,2
H)、7.15−7.39(m,10H)、9.47
(s,1H)
【0086】異性体2の1H−NMR(CDCl3,δp
pm):3.64(s,2H)、5.21(s,2
H)、7.15−7.39(m,10H)、10.28
(s,1H)
pm):3.64(s,2H)、5.21(s,2
H)、7.15−7.39(m,10H)、10.28
(s,1H)
【0087】IR(neat,cm-1):1710,1
223,1030,756,703
223,1030,756,703
【0088】(製造例4) 3−ヒドロキシ−1−フェ
ニル−5−トリメチルシリルペント−4−イン−2−オ
ン O−ベンジルオキシム(10a)の合成
ニル−5−トリメチルシリルペント−4−イン−2−オ
ン O−ベンジルオキシム(10a)の合成
【0089】
【化21】
【0090】アルゴン雰囲気下で、50mlの二口ナス
型フラスコにトリメチルシリルアセチレン640.0m
g(6.516mmol)のTHF5.0ml溶液を入
れ、そこへ、1.44Mのn−ブチルリチウムのヘキサ
ン溶液4.5ml(6.516mmol)を、−78℃
でゆっくりと滴下し、同温度で1時間攪拌した。そこ
へ、先に得た(8a)1.26g(4.344mmo
l)のTHF溶液(3.0ml)を−78度でゆっくり
と滴下し、同温度で30分間攪拌した。反応液に、−7
8℃でメタノール、室温で2規定塩酸を加えて反応を停
止させた。酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られ
た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n
−ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で分離精製して目
的物(10a)(トランス体:シス体=4.5:1の混
合物)を1.44g得た。収率85%
型フラスコにトリメチルシリルアセチレン640.0m
g(6.516mmol)のTHF5.0ml溶液を入
れ、そこへ、1.44Mのn−ブチルリチウムのヘキサ
ン溶液4.5ml(6.516mmol)を、−78℃
でゆっくりと滴下し、同温度で1時間攪拌した。そこ
へ、先に得た(8a)1.26g(4.344mmo
l)のTHF溶液(3.0ml)を−78度でゆっくり
と滴下し、同温度で30分間攪拌した。反応液に、−7
8℃でメタノール、室温で2規定塩酸を加えて反応を停
止させた。酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られ
た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n
−ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で分離精製して目
的物(10a)(トランス体:シス体=4.5:1の混
合物)を1.44g得た。収率85%
【0091】トランス体の1H−NMR(CDCl3,δ
ppm):0.00(s,9H)、3.02(d,J=
5.28Hz,1H)、3.52(d,J=14.52
Hz,1H)、3.90(d,J=14.52Hz,1
H)、4.76(d、J=5.28Hz,1H),5.
01(s,1H)、7.05−7.23(m,10H)
ppm):0.00(s,9H)、3.02(d,J=
5.28Hz,1H)、3.52(d,J=14.52
Hz,1H)、3.90(d,J=14.52Hz,1
H)、4.76(d、J=5.28Hz,1H),5.
01(s,1H)、7.05−7.23(m,10H)
【0092】シス体の1H−NMR(CDCl3,δpp
m):0.00(s,9H)、2.81(d,J=7.
26Hz,1H)、3.54(s,2H)、5.05
(s,2H)、5.17(d、J=7.26Hz,1
H)、7.05−7.23(m,10H)
m):0.00(s,9H)、2.81(d,J=7.
26Hz,1H)、3.54(s,2H)、5.05
(s,2H)、5.17(d、J=7.26Hz,1
H)、7.05−7.23(m,10H)
【0093】IR(neat,cm-1):3400,3
010,1236,866,772
010,1236,866,772
【0094】(製造例5) 1−(1−ベンジルオキシ
イミノ−2−フェニルエチル)−3−トリメチルシリル
プロピン−2−イル アセテート(11a)の合成
イミノ−2−フェニルエチル)−3−トリメチルシリル
プロピン−2−イル アセテート(11a)の合成
【0095】
【化22】
【0096】アルゴン雰囲気下で、30mlの二口ナス
型フラスコに、先に得た(10a)66.7mg(0.
190mmol)の塩化メチレン2.0ml溶液を加
え、トリエチルアミン38.4mg(0.380mmo
l)と触媒量のDMAPを加えた後、アセチルクロライ
ド29.8mg(0.380mmol)を0℃でゆっく
りと滴下し、同温度で10分間攪拌した。反応液に飽和
食塩水を加えることで反応を停止させた後、酢酸エチル
で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ
過した。ろ液を減圧濃縮して得られた粗生成物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エ
チル=10:1)で単離精製を行い、目的物(11a)
(トランス体とシス体の混合物)70.0mgを得た。
収率94%
型フラスコに、先に得た(10a)66.7mg(0.
190mmol)の塩化メチレン2.0ml溶液を加
え、トリエチルアミン38.4mg(0.380mmo
l)と触媒量のDMAPを加えた後、アセチルクロライ
ド29.8mg(0.380mmol)を0℃でゆっく
りと滴下し、同温度で10分間攪拌した。反応液に飽和
食塩水を加えることで反応を停止させた後、酢酸エチル
で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ
過した。ろ液を減圧濃縮して得られた粗生成物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エ
チル=10:1)で単離精製を行い、目的物(11a)
(トランス体とシス体の混合物)70.0mgを得た。
収率94%
【0097】トランス体の1H−NMR(CDCl3,δ
ppm):0.00(s,9H)、1.75(s,3
H)、3.62(d,J=14.52Hz,1H)、
3.80(d,J=14.52Hz,1H)、5.02
(s,2H)、5.87(s,1H)、7.07−7.
19(m,10H)
ppm):0.00(s,9H)、1.75(s,3
H)、3.62(d,J=14.52Hz,1H)、
3.80(d,J=14.52Hz,1H)、5.02
(s,2H)、5.87(s,1H)、7.07−7.
19(m,10H)
【0098】シス体の1H−NMR(CDCl3,δpp
m):0.01(s,9H)、1.64(s,3H)、
3.51(s,2H)、5.09(s,2H)、6.5
9(s,1H)、7.07−7.19(m,10H)
m):0.01(s,9H)、1.64(s,3H)、
3.51(s,2H)、5.09(s,2H)、6.5
9(s,1H)、7.07−7.19(m,10H)
【0099】IR(neat,cm-1):3008,2
950,1765,1517,1471,1241,1
038,880,770,705
950,1765,1517,1471,1241,1
038,880,770,705
【0100】(製造例6) 1−(1−ベンジルオキシ
イミノ−2−フェニルエチル)−3−トリメチルシリル
プロピン−2−イル アセテート(11a)の加水分解
イミノ−2−フェニルエチル)−3−トリメチルシリル
プロピン−2−イル アセテート(11a)の加水分解
【0101】
【化23】
【0102】20mlのナス型フラスコに、先に得た
(11a、トランス体:シス体=3.6:1の混合物)
51.9mg(0.132mmol)を秤量し、THF
0.25mlとリン酸緩衝溶液)0.9mlを加え、1
0分間攪拌した後、リパーゼPS(316.8mg)を
加え、40℃で155.5時間攪拌した。反応液をセラ
イトろ過した後、ろ液を濃縮して組成生物を獲た。この
ものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキ
サン:酢酸エチル=10:1)により単離精製を行い、
(10a*)を13.1mg得た。また、(11a)を
36.2g回収した。
(11a、トランス体:シス体=3.6:1の混合物)
51.9mg(0.132mmol)を秤量し、THF
0.25mlとリン酸緩衝溶液)0.9mlを加え、1
0分間攪拌した後、リパーゼPS(316.8mg)を
加え、40℃で155.5時間攪拌した。反応液をセラ
イトろ過した後、ろ液を濃縮して組成生物を獲た。この
ものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキ
サン:酢酸エチル=10:1)により単離精製を行い、
(10a*)を13.1mg得た。また、(11a)を
36.2g回収した。
【0103】(収率) 10a*:28%(トランス:シス=38.4:1の混
合物)、 11a:69%(トランス:シス=1.8:1の混合
物)。 (光学純度) 10a*のトランス体:99%ee以上、10a*のシ
ス体:99%ee以上 11aのトランス体:37%ee、11aのシス体:1
1%ee (旋光度) 10a*:α[D](23℃)=+48.5(c=0.
59,CHCl3) 11a:α[D](23℃)=+18.4(c=0.7
2.CHCl3)
合物)、 11a:69%(トランス:シス=1.8:1の混合
物)。 (光学純度) 10a*のトランス体:99%ee以上、10a*のシ
ス体:99%ee以上 11aのトランス体:37%ee、11aのシス体:1
1%ee (旋光度) 10a*:α[D](23℃)=+48.5(c=0.
59,CHCl3) 11a:α[D](23℃)=+18.4(c=0.7
2.CHCl3)
【0104】(製造例7) 3−ヒドロキシ−1−フェ
ニル−ペント−4−イン−2−オンO−ベンジルオキシ
ム(10b)の合成
ニル−ペント−4−イン−2−オンO−ベンジルオキシ
ム(10b)の合成
【0105】
【化24】
【0106】アルゴン雰囲気下に、50ml二口ナス型
フラスコに、先得た(10a*)262.0mg(0.
745mmol)のTHF3.0ml溶液を加え、0℃
で1.0MのTBAF(テトラブチルアンモニウムフロ
ライド)のTHF0.82ml(0.82mmol)を
ゆっくり滴下し、同温度で10分間滴下した。反応液に
2規定塩酸を加えて反応を呈しさせた後、酢酸エチルで
抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ
過し、ろ液を減圧濃縮して粗生成物を得た。このものを
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:
酢酸エチル=5:1)により、単離精製を行い(10
b)(トランス体:シス体の混合物)を193.0mg
を得た。収率93%
フラスコに、先得た(10a*)262.0mg(0.
745mmol)のTHF3.0ml溶液を加え、0℃
で1.0MのTBAF(テトラブチルアンモニウムフロ
ライド)のTHF0.82ml(0.82mmol)を
ゆっくり滴下し、同温度で10分間滴下した。反応液に
2規定塩酸を加えて反応を呈しさせた後、酢酸エチルで
抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ
過し、ろ液を減圧濃縮して粗生成物を得た。このものを
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:
酢酸エチル=5:1)により、単離精製を行い(10
b)(トランス体:シス体の混合物)を193.0mg
を得た。収率93%
【0107】トランス体の1H−NMR(CDCl3,δ
ppm):2.49(d,J=2.31Hz,1H)、
3.29(d,J=5.61Hz,1H)、3.63
(d,J=14.52Hz,1H),4.08(d,J
=14.52Hz,1H)、4.88(dd,J=3.
3Hz,2.31Hz,1H)、5.14(s,2
H)、7.19−7.35(m,10H)
ppm):2.49(d,J=2.31Hz,1H)、
3.29(d,J=5.61Hz,1H)、3.63
(d,J=14.52Hz,1H),4.08(d,J
=14.52Hz,1H)、4.88(dd,J=3.
3Hz,2.31Hz,1H)、5.14(s,2
H)、7.19−7.35(m,10H)
【0108】シス体の1H−NMR(CDCl3,δpp
m):2.39(d,J=2.31Hz,1H)、3.
11(d,J=7.92Hz,1H),3.66(s,
2H)、5.17(s,2H)、5.30(dd,J=
5.61Hz,2.31Hz,1H)、7.19−7.
35(m,10H)
m):2.39(d,J=2.31Hz,1H)、3.
11(d,J=7.92Hz,1H),3.66(s,
2H)、5.17(s,2H)、5.30(dd,J=
5.61Hz,2.31Hz,1H)、7.19−7.
35(m,10H)
【0109】IR(neat,cm-1):2993,2
330,1222,767
330,1222,767
【0110】(製造例8) 4−ベンジルオキシアミノ
−5−フェニルペンチル−1−イル−3−オール(2
a)の合成
−5−フェニルペンチル−1−イル−3−オール(2
a)の合成
【0111】
【化25】
【0112】アルゴン雰囲気下で、30mlの二口ナス
型フラスコに、VITRIDEのトルエン溶液206.2mg
(1.260mmol)を秤量し、THF1.5mlを
加え、先に得た(1a)44.0mg(0.158mm
ol、96%ee、トランス体:シス体=25.4:1
の混合物)のTHF1.5ml溶液を、−78℃で1.
5時間かけてゆっくりと滴下した。その後、−20℃ま
で2.5時間かけて自然昇温させた。反応液に2規定塩
酸を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した。有
機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を
減圧濃縮して粗生成物を得た。このものをシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=
3:1)で単離精製して、目的物(異性体混合物)(2
a)33.9mgを得た。収率77%
型フラスコに、VITRIDEのトルエン溶液206.2mg
(1.260mmol)を秤量し、THF1.5mlを
加え、先に得た(1a)44.0mg(0.158mm
ol、96%ee、トランス体:シス体=25.4:1
の混合物)のTHF1.5ml溶液を、−78℃で1.
5時間かけてゆっくりと滴下した。その後、−20℃ま
で2.5時間かけて自然昇温させた。反応液に2規定塩
酸を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した。有
機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を
減圧濃縮して粗生成物を得た。このものをシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=
3:1)で単離精製して、目的物(異性体混合物)(2
a)33.9mgを得た。収率77%
【0113】anti体の1H−NMR(CDCl3,δ
ppm):2.55(d,J=2.31Hz,1H)、
2.71−3.41(m,4H)、4.45−4.53
(br,1H)、4.67(s,2H)、5.84−
6.00(br,1H)、7.18−7.38(m,1
0H)
ppm):2.55(d,J=2.31Hz,1H)、
2.71−3.41(m,4H)、4.45−4.53
(br,1H)、4.67(s,2H)、5.84−
6.00(br,1H)、7.18−7.38(m,1
0H)
【0114】syn体の1H−NMR(CDCl3,δp
pm):2.53(d,J=1.98Hz,1H)、
2.71−3.41(m,4H)、4.45−4.53
(br,1H)、4.70(s,2H)、5.84−
6.00(br.1H)、7.18−7.38(m,1
0H)
pm):2.53(d,J=1.98Hz,1H)、
2.71−3.41(m,4H)、4.45−4.53
(br,1H)、4.70(s,2H)、5.84−
6.00(br.1H)、7.18−7.38(m,1
0H)
【0115】α[D](23℃)=+10.6(c=
0.68,CHCl3) IR(neat,cm-1):3400,3250,30
00,1505,1461,1230
0.68,CHCl3) IR(neat,cm-1):3400,3250,30
00,1505,1461,1230
【0116】(実施例1) 4−ベンジル−3−ベンジ
ルオキシ−5−エチニル−オキサゾリジン−2−オン
(1a)の合成
ルオキシ−5−エチニル−オキサゾリジン−2−オン
(1a)の合成
【0117】
【化26】
【0118】アルゴン雰囲気下に、50mlの二口ナス
型フラスコに、先に得た(2a)932.9mg(0.
118mmol)の塩化メチレン2.0ml溶液を入
れ、そこへ、トリエチルアミン35.7mg(0.35
3mmol)および触媒量のDMAPを加え、ダイホス
ゲン69.9mg(0.353mmol)を0℃でゆっ
くり滴下し、同温度で10分間攪拌した。反応液に飽和
食塩水を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで簡素鬱せ、ろ過し
た。ろ液を減圧能嘱して得られた粗生成物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル
=3:1)で単離精製を行い目的物(anti体及びs
yn体の異性体混合物、anti体:syn体=65:
35)(14a)27.7mgを得た。収率77%
型フラスコに、先に得た(2a)932.9mg(0.
118mmol)の塩化メチレン2.0ml溶液を入
れ、そこへ、トリエチルアミン35.7mg(0.35
3mmol)および触媒量のDMAPを加え、ダイホス
ゲン69.9mg(0.353mmol)を0℃でゆっ
くり滴下し、同温度で10分間攪拌した。反応液に飽和
食塩水を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで簡素鬱せ、ろ過し
た。ろ液を減圧能嘱して得られた粗生成物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル
=3:1)で単離精製を行い目的物(anti体及びs
yn体の異性体混合物、anti体:syn体=65:
35)(14a)27.7mgを得た。収率77%
【0119】anti体の1H−NMR(CDCl3,δ
ppm):2.67−3.07(m,2H)、2.82
(d,J=2.31Hz,1H)、3.91−4.00
(m,1H)、4.87(dd,J=4.95Hz,
2.31Hz,1H)、4.90−5.09(m,2
H)、7.07−7.40(m,10H)
ppm):2.67−3.07(m,2H)、2.82
(d,J=2.31Hz,1H)、3.91−4.00
(m,1H)、4.87(dd,J=4.95Hz,
2.31Hz,1H)、4.90−5.09(m,2
H)、7.07−7.40(m,10H)
【0120】syn体の1H−NMR(CDCl3,δp
pm):2.48(d,J=2.1Hz,1H)、2.
67−3.07(m,2H)、3.75−3.81
(m,1H)、4.63(dd,J=3.63Hz,
1.98Hz,1H)、4.90−5.09(m,2
H)、7.07−7.40(m,10H)
pm):2.48(d,J=2.1Hz,1H)、2.
67−3.07(m,2H)、3.75−3.81
(m,1H)、4.63(dd,J=3.63Hz,
1.98Hz,1H)、4.90−5.09(m,2
H)、7.07−7.40(m,10H)
【0121】α[D](23℃)=+99.3(c=
0.55,CHCl3) IR(neat,cm-1):1801,702
0.55,CHCl3) IR(neat,cm-1):1801,702
【0122】(実施例2) メチル 4−ベンジル−3
−ベンジルオキシ−2−オキソオキサゾリジン−5−カ
ルボキシレート(1b)の合成
−ベンジルオキシ−2−オキソオキサゾリジン−5−カ
ルボキシレート(1b)の合成
【0123】
【化27】
【0124】10mlのナス型フラスコに、先に得た
(1a)15.8mg(0.051mmol,ant
i:syn=65:35の異性体混合物)を秤量し、C
Cl4/CH3CN/H2O(2:3:3)の混合溶液
1.05mlを加えた。そこへ、過ヨウ素酸ナトリウム
44.0mg(0.206mmol)と三塩化ルテニウ
ム水和物2.1mg(0.010mmol)を加えて、
室温で3時間攪拌した。反応液に2規定塩酸を加えるこ
とで反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出した。有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減
圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物87.0
mgをTHF1.0mlに溶解させた後、ジアゾメタン
のエーテル溶液を反応液の色が変化するまでゆっくり加
えた。反応液を濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル
=2:1)で単離精製を行い、目的物(anti体及び
syn体の異性体混合物)(1b)15.1mgを得
た。収率86%
(1a)15.8mg(0.051mmol,ant
i:syn=65:35の異性体混合物)を秤量し、C
Cl4/CH3CN/H2O(2:3:3)の混合溶液
1.05mlを加えた。そこへ、過ヨウ素酸ナトリウム
44.0mg(0.206mmol)と三塩化ルテニウ
ム水和物2.1mg(0.010mmol)を加えて、
室温で3時間攪拌した。反応液に2規定塩酸を加えるこ
とで反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出した。有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減
圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物87.0
mgをTHF1.0mlに溶解させた後、ジアゾメタン
のエーテル溶液を反応液の色が変化するまでゆっくり加
えた。反応液を濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル
=2:1)で単離精製を行い、目的物(anti体及び
syn体の異性体混合物)(1b)15.1mgを得
た。収率86%
【0125】anti体の1H−NMR(CDCl3,δ
ppm):2.60−3.08(m,2H)、3.55
(s,3H)、4.05−4.13(m,1H)、4.
78(d,J=7.26Hz,1H)、4.95(s,
2H)、7.03−7.39(m,10H)
ppm):2.60−3.08(m,2H)、3.55
(s,3H)、4.05−4.13(m,1H)、4.
78(d,J=7.26Hz,1H)、4.95(s,
2H)、7.03−7.39(m,10H)
【0126】syn体の1H−NMR(CDCl3,δp
pm):2.60−3.08(m,2H)、3.66
(s,3H)、3.71−3.75(m,1H)、4.
45(d,J=3.96Hz,1H)、4.98(s,
2H)、7.03−7.39(m,10H)
pm):2.60−3.08(m,2H)、3.66
(s,3H)、3.71−3.75(m,1H)、4.
45(d,J=3.96Hz,1H)、4.98(s,
2H)、7.03−7.39(m,10H)
【0127】α[D](23℃)=+36.4(c=
0.3,CHCl3) IR(neat,cm-1):3005,2970,18
10,1237,1080,778
0.3,CHCl3) IR(neat,cm-1):3005,2970,18
10,1237,1080,778
【0128】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
医薬品製造中間体等として有用なオキサゾリジン化合物
を簡易に製造することができる。また、光学活性β−ア
ミノアルコール類を原料として用いる場合には、高い光
学純度で簡便にオキサゾリジン化合物を製造することが
できる。
医薬品製造中間体等として有用なオキサゾリジン化合物
を簡易に製造することができる。また、光学活性β−ア
ミノアルコール類を原料として用いる場合には、高い光
学純度で簡便にオキサゾリジン化合物を製造することが
できる。
Claims (2)
- 【請求項1】式(2) 【化1】 (式中、R1は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素
数7〜20のアラルキル基を表し、R2は、炭素数1〜
6のアルキル基、炭素数1〜6のハロアルキル基または
炭素数7〜20のアラルキル基を表し、R3は、水素原
子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリメチルシリル
基を表す。)で表されるβ−アミノアルコール化合物
と、ホスゲン又はホスゲン等価体とを反応させる工程を
有する、式(1−1) 【化2】 (式中、R1、R2およびR3は、前記と同じ意味を表
す。)〕で表されるオキサゾリジン化合物の製造方法。 - 【請求項2】式(1) 【化3】 (式中、R1およびR2は前記と同じ意味を表し、R
4は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアル
ケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基、2−トリメチ
ルシリルエチニル基、2−トリメチルシリルビニル基、
2−トリメチルシリルエチル基、またはCO2R5で表さ
れる基を表す。ここで、R5は、水素原子もしくは炭素
数1〜6のアルキル基を表す。)表されるオキサゾリジ
ン化合物。
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