JP2001278854A - 硫酸化中和物の製法 - Google Patents
硫酸化中和物の製法Info
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Abstract
中和物の製法を提供すること。 【解決手段】例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエ
ーテル硫酸エステルの様な硫酸化物を炭酸イオン及び/
又は炭酸水素イオンを存在させてアルカリ剤で中和させ
る硫酸化中和物の製法。
Description
化中和物の製法に関する。
キシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、アルキ
ルベンゼンスルホン酸等の中和塩は、食器用洗剤、シャ
ンプー、衣料用洗剤等の主活性剤として広く利用されて
いる。しかし、従来の硫酸化反応・中和技術で得られる
これらの中和物は淡黄色から黄色を呈しており、商品価
値を向上させるために色相の改善が望まれている。
際には、中和時又は中和後に漂白処理が行われている。
このような漂白処理に用いられる漂白剤は、塩素系及び
酸素系に大別され、塩素系漂白剤として次亜塩素酸塩
(ナトリウム塩、カリウム塩等)、酸素系漂白剤として
過酸化水素が主に使用されている。
る方が良いが、次亜塩素酸塩処理したポリオキシアルキ
レンアルキルエーテル硫酸化中和物は、皮膚感作性が指
摘され、工業会の自主規制により次亜塩素酸塩による漂
白は控えられている。
改善のためには多量の過酸化水素を使用する必要があ
る。しかし、製品中に過酸化水素が残存する可能性があ
り、残存した過酸化水素が多いと硫酸化中和物を配合し
た製品の色素まで退色させ、製品価値を損ねる恐れがあ
る。他に、色相良好な硫酸化中和物の製法として、特公
昭60−51520号公報には、硫酸化中和物水溶液
に、過酸化水素又は過酸化水素発生物質と、無水コハク
酸又は無水安息香酸を作用させる方法が記載されてい
る。しかし、この方法では過酸化物が残存し、漂白処理
後に熱による分解又は亜硫酸塩等で残存する過酸化物を
除去する必要がある。
は、還元性物質(二酸化硫黄、亜硫酸塩、重亜硫酸塩)
と酸化性物質(過酸化水素)をそれぞれ少量組み合わせ
ることにより、色相良好な硫酸化中和物を製造する方法
が開示されている。しかし、この方法は二種類の還元性
と酸化性物質を別々に用いるため、製造工程が長くなり
煩雑となる欠点がある。
ような問題点に着目してなされたものであり、本発明の
課題は、安全、かつ簡便に低コストで色相良好な硫酸化
中和物の製法を提供することにある。
物を炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンを存在させて
アルカリ剤で中和させる硫酸化中和物の製法に関するも
のである。
硫酸エステルとスルホン化物とを含む。硫酸化物の具体
例としては、脂肪族アルコール硫酸エステル、ポリオキ
シアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、アルキル
ベンゼンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、α−
スルホ脂肪酸アルキルエステルスルホン酸等が挙げられ
る。好ましくはポリオキシアルキレンアルキルエーテル
硫酸エステルである。これら硫酸化物は二種以上併用し
ても良い。
酸エステルとしては、次式: RO−(AO)n −H (式中、Rは炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキ
ル基を示し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示す。
nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す0〜
20の数である。n個のAは同一でも異なっていてもよ
い。)で表わされる化合物を常法で硫酸化したものであ
る。ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステ
ルは特に色相の改善効果が顕著なので、有用なものとし
て用いられる。
物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸
化リチウム)、アルカリ土類金属酸化物及び水酸化物
(例えば酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化
カルシウム及び水酸化カルシウム)、アルカリ金属の炭
酸塩及び炭酸水素塩(例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム)、アン
モニア、アルキル鎖の炭素数が2〜4の、モノ−、ジ−
及びトリ−アルカノールアミン(例えばモノ−、ジ−及
びトリエタノールアミン)、並びにアルキル鎖の炭素数
が2〜4の、1級、2級又は3級アルキルアミン等が挙
げられる。コスト及び入手の容易さから、水酸化ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニ
ア、トリエタノールアミンが好ましい。さらに、溶解性
の観点から水酸化ナトリウムが特に好ましい。また、二
種類以上の上記アルカリ剤を組み合わせても良い。
形態に合わせた濃度であれば良く、何ら制約を受けるも
のではない。また、水溶液や低級アルコールの溶液であ
っても何ら問題ない。アルカリ剤の添加量としては、得
られる硫酸化中和物のpHが5.0〜13になる量が好
ましく、中でも炭酸水素イオンの場合は5〜8、より好
ましくは6〜7であり、炭酸イオンの場合は8〜13、
より好ましくは9〜12である。
で、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンを中和反応系
に存在させる具体的な手段としては、例えば、炭酸イオ
ン及び/又は炭酸水素イオンを生じさせる成分を中和反
応系へ供給するという手段が挙げられる。かかる成分の
供給は、アルカリ剤と同時でも良く、アルカリ剤とは別
でも良い。後者の場合はアルカリ剤の後に供給する方が
良い。
酸ガス及び炭酸塩が挙げられる。炭酸水素イオンを生じ
させる成分としては炭酸ガス及び炭酸水素塩が挙げられ
る。炭酸ガス、炭酸塩及び炭酸水素塩は一種を単独で用
いても良く、二種以上を併用しても良い。炭酸塩、炭酸
水素塩としては、アルカリ金属の炭酸塩及び炭酸水素
塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
カリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。コスト及
び溶解性の観点から、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウムが好ましい。アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩は
アルカリ剤としても使用できる。アルカリ剤としてアル
カリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩を用いる場合、それ以外
のアルカリ剤を使用しなくても良い。
じさせる成分の濃度は、硫酸化中和物の製品形態に合わ
せた濃度であれば良く、何ら制約を受けるものではな
い。また、水溶液や低級アルコールの溶液であっても何
ら問題ない。炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンを生
じさせる成分の量は、アルカリ剤とのバランスもある
が、硫酸化物1当量に対して0.03当量以上が好まし
く、0.1当量以上がより好ましく、0.2当量以上が
特に好ましい。所望の効果を発揮させるために、かかる
成分の量は0.03当量以上が好ましい。また、かかる
成分の量が多すぎても、効果の点からは問題がないもの
の、コストアップを抑制する観点から、炭酸イオン及び
/又は炭酸水素イオンを生じさせる成分の量は硫酸化物
1当量に対して2当量以下が好ましく、1.5当量以下
がより好ましく、1.2当量以下が特に好ましい。
も、製品の安全性には問題はなく、pH緩衝剤としての
効果も期待できる。また、炭酸塩又は炭酸水素塩が製品
に残存することを回避したい場合は、製品を酸性雰囲気
にすれば良い。これにより炭酸塩又は炭酸水素塩を分解
し、炭酸ガスと無機塩にすることができる。
スを用いる場合、中和反応系に炭酸ガスを直接供給する
ことになる。炭酸ガスを供給する方法としては、炭酸ガ
スボンベや炭酸ガスホルダー(ガス用タンク)から供給
する方法、或いはドライアイスの昇華による手法、常用
の手段(配管、流量計等)により中和反応系に供給する
方法が挙げられる。
を接触させ、混合して中和反応を行うことにより硫酸化
中和物を合成する方法に適用される。なお、硫酸化と
は、硫酸エステル化及びスルホン化を総括し、硫酸化中
和物とは、硫酸エステル中和物及びスルホン酸中和物を
示す。
れるものではない。例えば、攪拌機の具備した中和反応
槽にアルカリ剤を予め仕込んでおき、そこへ硫酸化物を
仕込んでいく方法や、特開平2−218656号公報に
見られるように、ループ状の中和反応設備内で硫酸化中
和物を循環させながら、中和反応設備内へ硫酸化物とア
ルカリ剤を定量的に供給し、ラインミキサー等で攪拌機
で混合すると共に、定量的に抜き出す方法が取られる。
応場、即ち、中和反応系に、炭酸イオン及び/又は炭酸
水素イオンを生じさせる成分を同時に供給する。具体的
には、炭酸ガスを用いる場合、スパージャ等の設備を用
いて、中和反応槽の液内部へ炭酸ガスを吹き込む方法が
ある。これにより、液中に炭酸ガスが溶解し、炭酸イオ
ン及び/又は炭酸水素イオンが形成される。また炭酸塩
及び/又は炭酸水素塩を用いる場合、炭酸塩及び/又は
炭酸水素塩をアルカリ剤に溶解させたものを供給しても
良く、アルカリ剤と別途、供給しても良い。その結果、
溶解している炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンが中
和反応系に存在することとなる。そして、炭酸イオン及
び/又は炭酸水素イオンが中和反応系に存在することに
より、色相の良好な硫酸化中和物を得ることができる。
は、加圧下で行うことがより好ましい。中和反応系を加
圧下にすることにより、炭酸イオン濃度、炭酸水素イオ
ン濃度が増加し、効果が増大するためである。具体的な
加圧方法の例を次に示す。
程において、さらにガスを供給して加圧する方法。ガス
としては、アルカリ剤及び硫酸化中和物に対して不活性
であるガスが好ましく、例えば、二酸化炭素、空気、酸
素、窒素等が挙げられ、好ましくは二酸化炭素である。 2)アルカリ剤として、中和時に気体を発生し得る物質
を用いて加圧する方法。かかるアルカリ剤としては、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウム等が挙げられ、好ましくは炭酸ナトリウ
ムである。なお、両者の方法を併用しても何ら差し支え
はない。
1.78重量%の炭酸ナトリウム水溶液533gを仕込
んだ。ラウリルアルコール(カルコール2098:花王
(株)製)にエチレンオキサイドを付加させた。付加モ
ル数はアルコール1モル当たり2.5モルとした。得ら
れたエチレンオキサイド付加物を、三酸化硫黄ガスを用
いる常法により硫酸化し、硫酸化物を得た。常圧下で炭
酸ナトリウム水溶液を攪拌しながら、52gの上記硫酸
化物を約30秒間かけてそれに定量的に添加した。さら
に約5分間攪拌を継続して中和反応を完結させて、硫酸
化中和物を合成した。次いで、攪拌を停止して静置し、
泡立ちが消えたのを確認した後、最終生成物について表
1に示す分析を行った。
1.78重量%の炭酸ナトリウム水溶液533gを仕込
んだ。ただし、ホーロービーカーの外側を氷水で冷却
し、炭酸ナトリウム水溶液の温度を下げた。次いで、実
施例1と同様の方法で硫酸化中和物を合成した。
液を用いる以外は、実施例1と同様の方法(比較例1)
及び実施例2と同様の方法(比較例2)で硫酸化中和物
を合成した。
1.78重量%の炭酸ナトリウム水溶液533gを仕込
んだ。ラウリルアルコール(カルコール2098:花王
(株)製)75重量%とミリスチルアルコール(カルコ
ール4098:花王(株)製)25重量%とからなる混
合アルコールに、常法によりエチレンオキサイドを付加
させた。付加モル数はアルコール1モル当たり2.0モ
ルとした。得られたエチレンオキサイド付加物を、三酸
化硫黄ガスを用いる常法により硫酸化し、硫酸化物を得
た。常圧下で炭酸ナトリウム水溶液を攪拌しながら、5
2gの上記硫酸化物を約30秒間かけてそれに定量的に
添加した。さらに約5分間攪拌を継続して中和反応を完
結させて、硫酸化中和物を合成した。次いで、攪拌を停
止して静置し、泡立ちが消えたのを確認した後、最終生
成物について表2に示す分析を行った。
1.69重量%の炭酸ナトリウムと亜硫酸水素ナトリウ
ム0.0007重量%を含有する水溶液533gを仕込
んだ。ここで、亜硫酸水素ナトリウムは脱色剤として添
加した。次いで、実施例3と同様の方法で硫酸化中和物
を合成した。
液を用いる以外は、実施例3と同様の方法(比較例3)
及び実施例4と同様の方法(比較例4)で硫酸化中和物
を合成した。
在させることにより、Klett No. がより小さな、即ち、
色相のより良好な最終生成物を得ることができた。
分析は、次のようにして行った。最終生成物中の硫酸化
中和物はISO 2271に準じた方法で定量した。p
H及び色相の評価は次のようにして行った。最終生成物
にイオン交換水を加え、硫酸化中和物が10重量%とな
る試料を調製した後、pHを測定した。さらに、この液
をリン酸又は水酸化ナトリウムを用いてpHを7に調整
し、色相評価用の試料とした。この試料について、10
mm幅のセルを用いて、波長420nmの条件下でその
Klett No.(10%クレット)を測定した。
化中和物を得ることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 硫酸化物を炭酸イオン及び/又は炭酸水
素イオンを存在させてアルカリ剤で中和させる硫酸化中
和物の製法。 - 【請求項2】 炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンを
生じさせる成分を中和反応系へ供給することにより、炭
酸イオン及び/又は炭酸水素イオンを存在させる請求項
1記載の製法。 - 【請求項3】 炭酸イオンを生じさせる成分が、炭酸ガ
ス及び/又は炭酸塩である請求項1又は2記載の製法。 - 【請求項4】 炭酸水素イオンを生じさせる成分が、炭
酸ガス及び/又は炭酸水素塩である請求項1又は2記載
の製法。 - 【請求項5】 硫酸化物がポリオキシアルキレンアルキ
ルエーテル硫酸エステルである請求項1〜4いずれか記
載の製法。 - 【請求項6】 硫酸化物をアルカリ剤で中和させる工程
を加圧下で行う請求項1〜5いずれか記載の製法。
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