JP2001278400A - 船舶用荷役ホースおよび荷役方法 - Google Patents

船舶用荷役ホースおよび荷役方法

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JP2001278400A
JP2001278400A JP2000102230A JP2000102230A JP2001278400A JP 2001278400 A JP2001278400 A JP 2001278400A JP 2000102230 A JP2000102230 A JP 2000102230A JP 2000102230 A JP2000102230 A JP 2000102230A JP 2001278400 A JP2001278400 A JP 2001278400A
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float
hose body
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Sadao Toma
貞男 遠間
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MUNAKATA KAIUN CO Ltd
Original Assignee
MUNAKATA KAIUN CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単でかつ安価なうえ、捩れもなく取
扱性にも優れた船舶用荷役ホースおよび荷役方法を提供
する。 【解決手段】 海上のタンカから陸上のタンクへ荷を荷
役するための船舶用荷役ホース15であって、ホース本
体20と、このホース本体20の長手方向所定間隔おき
に配置されホース本体20に浮力を与える浮子30とを
備える。浮子30は、一対の円柱状または円筒状浮子部
材31が互いに平行な姿勢で結合されて構成され、この
一対の浮子部材31の間にホース本体20が係止されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶用荷役ホース
および荷役方法に関する。詳しくは、海上の船から陸上
の貯蔵設備(たとえば、タンクなど)へ、あるいは、海
上において船から船へ荷を移送するために用いられる船
舶用荷役ホースおよびその船舶用荷役ホースを用いた荷
役方法に関する。
【0002】
【背景技術】船(タンカ)によって輸送してきた燃料
(液体)などの荷を、現地で荷揚げするには、船を桟橋
に付けて荷揚げする方法、あるいは、陸地から離れた場
所に設けられたシーバースに船を付け、そこから荷揚げ
する方法が一般的である。しかし、桟橋やシーバースが
ない場所で荷揚げするには、海上の船から船舶用荷役ホ
ースを用いて陸上の設備へ荷役する方法、あるいは、船
舶用荷役ホースを用いて船から船へ瀬取り荷役する方法
が採られている。
【0003】従来、このような荷役に用いられる船舶用
荷役ホースとして、特公昭51−31970号公報に開
示された「フロートを備えた船舶用ホース」が知られて
いる。この船舶用ホースは、長手方向一定間隔位置に環
状突起帯を有するホースと、このホースの各環状突起帯
位置に固定または回転可能に取り付けられたフロートと
から構成されている。各フロートは、半円筒状の一対の
フロート部材によって構成され、この一対のフロート部
材がホースの環状突起帯を挟むように抱き合わされ、こ
れらが互いに結合されてホースに固定されている。
【0004】この船舶用ホースを用いて荷役するには、
まず、海上の船と陸上との間に船舶用ホースを架設した
のち、船のエンジンを利用して船内の荷を船舶用ホース
を介して陸上の設備へ移送する。このとき、船舶用ホー
スは、少なくともフロートの部分が海面あるいは海面近
くに浮いた状態であるから、船舶用ホースを海面近くで
浮かした状態において、荷役作業を行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した船
舶用ホースは、ホースの長手方向一定間隔位置に環状突
起帯を設け、これに嵌合するように、半円筒状の一対の
フロート部材の内周面に溝を形成しなければならないか
ら、構造が複雑で、加工に工数がかかるうえ、ホースに
対するフロートの組み付けや取り外しが面倒であるとい
う欠点がある。しかも、フロートがホースの外周に抱き
合わされた円筒形状であるため、作業時にホース自体が
捩れてホースを損傷させたり、荷の移送に際して抵抗を
与える要因を構成する虞があるうえ、大きな浮力が得ら
れないという欠点もある。なお、大きな浮力が得られる
ようにするには、フロートを大きく形成すればよいが、
フロートを大きくすると、ホース本体に対するフロート
の組み付けや取り外しが一層面倒となり取扱性が低下す
るという課題が助長される。
【0006】本発明の目的は、このような従来の課題を
解消し、構造が簡単でかつ安価なうえ、捩れもなく取扱
性にも優れた船舶用荷役ホースを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、安定して荷役作業を行うこ
とができる荷役方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の船舶用荷役ホー
スおよび荷役方法は、上記目的を達成するため、次の構
成を採用する。請求項1に記載の船舶用荷役ホースは、
海上の船から荷役するための船舶用荷役ホースであっ
て、ホース本体と、このホース本体の長手方向所定間隔
おきに配置されホース本体に浮力を与える浮子とを備
え、前記浮子は、一対の円柱状または円筒状浮子部材が
互いに平行な姿勢で結合されて構成され、この一対の浮
子部材の間に前記ホース本体が係止されていることを特
徴とする。
【0008】この発明によれば、浮子は、一対の円柱状
または円筒状浮子部材が互いに平行な姿勢で結合されて
構成され、この一対の浮子部材の間にホース本体が係止
されているから、構造的にも簡単で、かつ、安価に構成
できる。しかも、浮子は一対の円柱状または円筒状浮子
部材が互いに平行な姿勢で結合された構成で、波などに
よっても反転するようなことも少ないから、ホース本体
に捩れなどを与えることがない。さらに、一対の浮子部
材の間にホース本体が係止された構造であるから、ホー
ス本体に対する浮子の組み付け、取り外しも容易にで
き、取扱性にも優れた利点がある。
【0009】請求項2に記載の船舶用荷役ホースは、請
求項1に記載の船舶用荷役ホースにおいて、前記浮子の
間隔が規定寸法以上に離れないように、浮子の間隔を規
定するロープが隣接する浮子間に掛け渡されていること
を特徴とする。この発明によれば、ロープによって浮子
の間隔が規定寸法以上離れないようになっているから、
つまり、浮子の間隔が大きく開いてしまうことがないか
ら、その間のホースも海中深く没することがなく、ホー
ス本体を略全長に亘って略海面近くに保持することがで
きる。
【0010】請求項3に記載の船舶用荷役ホースは、請
求項2に記載の船舶用荷役ホースにおいて、前記浮子間
におけるホース本体の長さが、前記浮子間の間隔よりも
長くなるように、ホース本体が浮子に係止されいている
ことを特徴とする。この発明によれば、浮子間における
ホース本体の長さが、浮子間の間隔よりも長くなるよう
に、ホース本体が浮子に係止されいているから、浮子間
の間隔が最大限に離れた場合でも、その間のホース本体
は弛みがある状態に保たれているから、浮子の浮動によ
る力がホース本体自体に作用することがない。よって、
ホース本体の損傷を少なくでき、ホース自体の寿命を向
上させることができる。
【0011】請求項4に記載の船舶用荷役ホースは、請
求項1ないし請求項3のいずれかに記載の船舶用荷役ホ
ースにおいて、前記浮子は、発泡スチロールにより形成
されていることを特徴とする。この発明によれば、浮子
は、発泡スチロールにより形成されているから、浮力が
大きく、浸水や沈没がなく、しかも、軽いため取扱性に
優れている。
【0012】請求項5に記載の船舶用荷役ホースは、請
求項1ないし請求項4のいずれかに記載の船舶用荷役ホ
ースにおいて、前記ホース本体の少なくとも片側端に
は、接続用治具が装着されていることを特徴とする。こ
の発明によれば、たとえば、船と陸上の設備との間で荷
役作業する場合、あるいは、船と船との間で瀬取り荷役
作業する場合でも、ホース本体に設けられた接続用治具
を荷積載側の荷取出口あるいは荷移載側の荷移載口に接
続することにより、ホースを簡単に接続することができ
る。従って、荷役作業の作業性を向上させることができ
る。
【0013】請求項6に記載の船舶用荷役ホースは、請
求項5に記載の船舶用荷役ホースにおいて、前記接続用
治具には、逆止弁が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、接続用治具は逆止弁を備えているか
ら、荷の逆流を阻止して、荷役作業を確実に行うことが
できる。
【0014】請求項7に記載の船舶用荷役ホースは、請
求項5または請求項6に記載の船舶用荷役ホースにおい
て、前記接続用治具には、前記ホース本体内に気密テス
ト用エアーを供給するエアー供給配管と、前記ホース本
体内の圧力を計測する圧力計とがそれぞれ設けられてい
ることを特徴とする。この発明によれば、接続用治具
は、エアー供給配管と圧力計とを備えているから、エア
ー供給配管から気密テスト用エアーを供給してホース本
体内にエアーを充満させ、このときの圧力を圧力計で計
測することにより、ホース本体の気密性をテストするこ
とができる。従って、荷がホース本体の繋ぎ目などから
漏れるような事故を未然に防止することができる。
【0015】請求項8に記載の船舶用荷役ホースは、請
求項5ないし請求項7のいずれかに記載の船舶用荷役ホ
ースにおいて、前記接続用治具には、ドレン配管が設け
られていることを特徴とする。この発明によれば、接続
用治具はドレン配管を備えているから、荷の移送前にホ
ース本体内の残油などを排出することができる。従っ
て、残油などによって荷が汚損されるのを防ぐことがで
きる。
【0016】請求項9に記載の荷役方法は、請求項1な
いし請求項8のいずれかに記載の船舶用荷役ホースを用
いた荷役方法であって、荷を積載した船を海上または陸
上に係留させ、この状態において、少なくとも前記船か
ら陸上までを前記船舶用荷役ホースで架設したのち、前
記船のエンジンを利用して荷役することを特徴とする。
この発明によれば、海上の船から陸上の貯蔵設備などに
荷を移送する際、船をアンカなどにより海上に係留させ
た状態、または、船をロープなどで陸上に係留させた状
態で荷役作業を行うため、船の浮動が少なく、そのた
め、船の浮動よって船舶用荷役ホースが浮遊することが
少なく、安定して荷役作業を行うことができる。
【0017】請求項10に記載の荷役方法は、請求項1
ないし請求項8のいずれかに記載の船舶用荷役ホースを
用いた荷役方法であって、荷を積載した船と荷が移載さ
れる船との間をロープでつなぐとともに、両船間を前記
船舶用荷役ホースで架設したのち、前記荷を積載した船
のエンジンを利用して瀬取り荷役することを特徴とす
る。海上において、船から船へ瀬取り荷役する際、荷を
積載した船がエンジンを駆動して荷を移送すると、その
船は潮や風の向きに従って漂う。この発明によれば、海
上において、船から船へ瀬取り荷役する際、荷積載側の
船は、荷移載側の船にロープをつないで係留された状態
にあるから、荷積載の船がエンジンを駆動して荷を移送
しても、安定して瀬取り荷役作業を行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は海上の船から陸上のタンク
に荷(たとえば、軽油など液体)を荷役する際の状態を
示している。同図において、11はタンカ、13は陸上
14に設置されたタンク、15は船舶用荷役ホースであ
る。タンカ11は、入港可能な水深位置(岸壁14Aか
ら離れた場所)において、前2本のアンカ12Aと後2
本の係船ブイ12Bとによって係留されている。タンク
13は、陸上14において、岸壁14Aから所定距離離
れた位置に設置されている。船舶用荷役ホース15は、
一定長さ(たとえば、10m程度)のホースを複数本接
続して約100〜200mの長さに構成したホース本体
20と、このホース本体20の長手方向所定間隔おきに
配置されホース本体20に浮力を与える浮子30とを備
えている。
【0019】図2に示すように、ホース本体20は、単
層あるいは複数層のチューブ21と、このチューブ21
の外周に沿って螺旋状に巻かれた外ワイヤ22と、前記
チューブ21の内周に沿って螺旋状に巻かれた内ワイヤ
23とから構成されている。外ワイヤ22は、断面が円
形で、表面にメッキ処理が施されている。内ワイヤ23
は、断面三角形状で、その三角形の底面が内側に位置す
るように配置されている。これにより、移送される荷の
抵抗が小さくなるようになっている。
【0020】図3に示すように、浮子30は、発泡スチ
ロールにより形成された一対の円柱状または円筒状浮子
部材31と、この一対の浮子部材31を互いに平行な姿
勢で結合する2本の結合帯32とから構成されている。
各浮子部材31の外周2箇所には前記結合帯32が収ま
る環状溝33が形成されている。結合帯32は、環状溝
33に収納された状態で一対の浮子部材31を結び付け
一体化させている。結合帯32によって結びつけられた
一対の浮子部材31の間には、ホース本体20が係止さ
れている。つまり、ホース本体20は、一対の浮子部材
31の間において、2本の結合帯32の上に浮子部材3
1と平行に配置され、かつ、紐34を用いて係止されて
いる。
【0021】図4に示すように、隣接する浮子30の間
には、浮子30の間隔が規定寸法以上に離れないよう
に、浮子30の間隔を規定するロープ40が隣接する浮
子30間に掛け渡されている。この場合、浮子30間に
おけるホース本体20の長さL1が、浮子30間の間隔
L2よりも長くなるように、ホース本体20が浮子30
に係止されいている。つまり、ホース本体20は、浮子
30間の間で弛みをもつように浮子30に係止されてい
る。
【0022】図5に示すように、ホース本体20の一端
側(タンカ側)には、ワンタッチで係合、離脱可能なワ
ンタッチカプラ50を介して、タンカ11側の荷取出口
に接続される接続用治具51が設けられている。接続用
治具51には、タンカ11側に設けられたバルブ57の
荷取出口フランジに接続されるフランジ52と、ホース
本体20内に気密テスト用エアーを供給するエアー供給
配管53と、ホース本体20内の圧力を計測する圧力計
54と、ドレン配管55とがそれぞれ設けられている。
【0023】図6に示すように、ホース本体20の他端
側(陸上側)には、ワンタッチで係合、離脱可能なワン
タッチカプラ60を介して、タンク13の荷移載口に接
続される接続用治具61が設けられている。接続用治具
61には、タンク13の荷移載口側フランジに接続され
るフランジ62と、逆止弁63と、バルブ64と、ホー
ス本体20内の圧力を計測する圧力計65と、ドレン配
管66とがそれぞれ設けられている。
【0024】次に、荷役作業について説明する。 (海上のタンカから陸上の貯蔵設備へ荷役する場合)図
1に示すように、荷を積載したタンカ11を海上にアン
カ12Aおよび係船ブイ12Bで係留させ、この状態に
おいて、タンカ11から陸上のタンク13までを船舶用
荷役ホース15で架設する。これには、船舶用荷役ホー
ス15の一端側の接続用治具51をタンカ11側のバル
ブ57に接続したのち、船舶用荷役ホース15をタンカ
11から繰り出して陸上14まで架設し、その先端の接
続用治具61を陸上のタンク13に接続する。すると、
船舶用荷役ホース15は、少なくとも浮子30の部分が
海面に浮いた状態にあるから、略全長に亘って、海面上
あるいは海面近くに保持される。
【0025】この状態において、エアー供給配管53か
らホース本体20内にエアーを供給する。すると、その
エアーによってホース本体20内の残油などがドレン配
管66を通じて外部へ排出される。すべての残油などが
排出されたのち、ホース本体20内の圧力が所定圧にな
るまで昇圧させ、この状態において、漏洩があるか否か
を点検する。漏洩がないことが確認できたら、タンカ1
1のエンジンによってポンプを駆動させタンカ11の荷
を船舶用荷役ホース15を通してタンク13まで移送す
る。
【0026】このような作業によって荷役作業を行う
と、海上のタンカ11から陸上のタンク13に荷を移送
する際、タンカ11を海上にアンカ12Aや係船ブイ1
2Bで係留させた状態で荷役作業を行うため、タンカ1
1の浮動が少なく、そのため、タンカ11の浮動よって
船舶用荷役ホース15が浮遊することが少なく、安定し
て荷役作業を行うことができる。なお、タンカ11を陸
上近くまで入港させることができれば、タンカ11をロ
ープを使って陸上(岸壁)に係留させて荷役作業を行っ
てもよい。
【0027】(海上において、タンカからタンカへ瀬取
り荷役する場合)図7に示すように、荷を積載したタン
カ11と荷が移載げされるタンカ71との間を複数本
(通常2本)のロープ72でつなぐ。このとき、タンカ
11を挟んでタンカ71とは反対側に船73を配置し、
この船73とタンカ11とを1本または複数本(通常1
本)のロープ74でつなぐ。この状態において、両タン
カ11,71間に船舶用荷役ホース15を架設したのち
(この作業は、海上のタンカから陸上の貯蔵設備へ荷役
する場合と同じ)、荷を積載したタンカ11のエンジン
を駆動させてタンカ11の荷を船舶用荷役ホース15を
通してタンカ71まで移送する。
【0028】このような方法によって瀬取り荷役作業を
行うと、海上において、タンカ11からタンカ71へ荷
を移送する際、荷積載側のタンカ11は、荷移載側のタ
ンカ71にロープ72をつないで係留された状態にある
から、荷積載側のタンカ11がエンジンを駆動して荷を
移送しても、安定して瀬取り荷役作業を行うことができ
る。つまり、タンカ11の前後からロープ72,74を
介してタンカ71および船73が引っ張ることによっ
て、タンカ11の位置を安定化させることができるた
め、安定して瀬取り荷役作業を行うことができる。
【0029】以上の荷役作業において用いた船舶用荷役
ホース15によれば、次の効果を奏することができる。 (1)浮子30は、一対の円柱状または円筒状浮子部材
31が互いに平行な姿勢で結合されて構成され、この一
対の浮子部材31の間にホース本体20が係止されてい
るから、構造的にも簡単で、かつ、安価に構成できる。
しかも、浮子30は一対の円柱状または円筒状浮子部材
31が互いに平行な姿勢で結合された構成で、波などに
よっても反転するようなことも少ないから、ホース本体
20に捩れなどを与えることがない。さらに、一対の浮
子部材31の間にホース本体20が係止された構造であ
るから、ホース本体20に対する浮子30の組み付け、
取り外しも容易にでき、取扱性にも優れた利点がある。
【0030】(2)ロープ40によって浮子30の間隔
が規定寸法以上離れないようになっているから、その間
のホース本体20も海中深く没することがなく、ホース
本体20を略全長に亘って略海面近くに保持することが
できる。しかも、浮子30間におけるホース本体20の
長さL1が、浮子30間の間隔L2よりも長くなるよう
に、ホース本体20が浮子30に係止されいているか
ら、浮子30間の間隔が最大限に離れた場合でも、その
間のホース本体20は弛みがある状態に保たれているか
ら、浮子30の浮動による力がホース本体20自体に作
用することがない。よって、ホース本体20の損傷を少
なくでき、ホース本体20自体の寿命を向上させること
ができる。さらに、浮子30は、発泡スチロールにより
形成されているから、浮力が大きく、浸水や沈没がな
く、しかも、軽いため、取扱性に優れている。
【0031】(3)ホース本体20の両端側には接続用
治具51,61が設けられているから、たとえば、タン
カとタンカとの間で瀬取り荷役作業する場合、あるい
は、タンカと陸上のタンクとの間で荷役作業をする場合
でも、接続用治具51,61を荷積載側および荷移載側
の荷取出口や荷移載口に接続することにより、船舶用荷
役ホース15を簡単に接続することができる。従って、
荷役作業の作業性を向上させることができる。
【0032】(4)接続用治具51は、エアー供給配管
53と圧力計54とを備えているから、エアー供給配管
53から気密テスト用エアーを供給してホース本体20
内にエアーを充満させ、このときの圧力を圧力計54で
計測することにより、ホース本体20の気密性をテスト
することができる。従って、荷がホース本体20の繋ぎ
目などから漏れるような事故を未然に防止することがで
きる。また、接続用治具61は逆止弁63を備えている
から、荷の逆流を阻止して、荷役作業を確実に行うこと
ができる。更に、接続用治具51,61はドレン配管5
5,66を備えているから、荷の移送前にホース本体2
0内の残油などを排出することができる。従って、残油
などによって荷が汚損されるのを防ぐことができる。
【0033】なお、上記実施形態では、一対の浮子部材
31を結合帯32にその外側から締め付けて一体化した
が、一方の浮子部材31に雌部材を設け、他方の浮子部
材31に前記雌部材に嵌合する雄部材を設け、この両者
の嵌合によって一対の浮子部材31を一体化するように
してもよい。また、上記実施形態では、一対の浮子部材
31の間にホース本体20を紐34で係止したが、いず
れかの浮子部材31のクランプ機構を設け、このクラン
プ機構によってホース本体20をクランプ保持するよう
にしてもよい。
【0034】また、上記実施形態では、ホース本体20
の両端側に接続用治具51,61を設けたが、接続され
る側の構成によっては、いずれか一方のみに接続用治具
を設けてもよい。また、上記実施形態では、接続用治具
51にフランジ52と、エアー供給配管53と、圧力計
54と、ドレン配管55とを設け、また、接続用治具6
1にフランジ62と、逆止弁63と、バルブ64と、圧
力計65と、ドレン配管66とを設けたが、必ずしもこ
れら全てを設ける必要はなく、接続される側の構成によ
っては適宜省略してもよい。
【0035】また、上記実施形態では、一対の浮子部材
31の間の上側にホース本体20を係止するようにした
が、一対の浮子部材31の間の下側にホース本体20を
係止するようにしても、略同様な効果が期待できる。
【0036】ところで、荷役作業を円滑に行えるか否か
は、現地での海気象条件によって大きく左右されること
が多い。そのため、気象庁から現地での海気象情報を一
定期間分、たとえば、1週間分入手し、これをファクス
やインターネットを介して、現地のタンカで受信するよ
うにすれば、海気象情報を含めて荷役作業を円滑に進め
ることができる。
【0037】
【発明の効果】本発明の船舶用荷役ホースおよび荷役方
法によれば、構造が簡単かつ安価なうえ、捩れもなく取
扱性にも優れるという効果が期待できる。本発明の荷役
方法によれば、安定して荷役作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る船舶用荷役ホースを用いて荷役作
業(タンカから陸上の設備への荷役作業)を行っている
状態を示す図である。
【図2】同上実施形態において用いられるホース本体を
示す図である。
【図3】同上実施形態において用いられる浮子の斜視図
である。
【図4】同上実施形態において用いられる浮子の間隔を
示す図である。
【図5】同上実施形態において用いられる接続用治具
(タンカ側治具)を示す図である。
【図6】同上実施形態において用いられる接続用治具
(陸上側治具)を示す図である。
【図7】本発明に係る船舶用荷役ホースを用いて瀬取り
荷役作業(タンカからタンカへの荷役作業)を行ってい
る状態を示す図である。
【符号の説明】
11 タンカ(船) 13 タンク(貯蔵設備) 14 陸上 15 船舶用荷役ホース 20 ホース本体 30 浮子 31 浮子部材 40 ロープ 51 接続用治具 53 エアー供給配管 54,65 圧力計 55,66 ドレン配管 63 逆止弁 71 タンカ(船) 72 ロープ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海上の船から荷役するための船舶用荷役
    ホースであって、 ホース本体と、このホース本体の長手方向所定間隔おき
    に配置されホース本体に浮力を与える浮子とを備え、 前記浮子は、一対の円柱状または円筒状浮子部材が互い
    に平行な姿勢で結合されて構成され、この一対の浮子部
    材の間に前記ホース本体が係止されていることを特徴と
    する船舶用荷役ホース。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の船舶用荷役ホースにお
    いて、 前記浮子の間隔が規定寸法以上に離れないように、浮子
    の間隔を規定するロープが隣接する浮子間に掛け渡され
    ていることを特徴とする船舶用荷役ホース。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の船舶用荷役ホースにお
    いて、 前記浮子間におけるホース本体の長さが、前記浮子間の
    間隔よりも長くなるように、ホース本体が浮子に係止さ
    れいていることを特徴とする船舶用荷役ホース。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の船舶用荷役ホースにおいて、 前記浮子は、発泡スチロールにより形成されていること
    を特徴とする船舶用荷役ホース。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の船舶用荷役ホースにおいて、 前記ホース本体の少なくとも片側端には、接続用治具が
    装着されていることを特徴とする船舶用荷役ホース。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の船舶用荷役ホースにお
    いて、 前記接続用治具には、逆止弁が設けられていることを特
    徴とする船舶用荷役ホース。
  7. 【請求項7】 請求項5または請求項6に記載の船舶用
    荷役ホースにおいて、 前記接続用治具には、前記ホース本体内に気密テスト用
    エアーを供給するエアー供給配管と、前記ホース本体内
    の圧力を計測する圧力計とがそれぞれ設けられているこ
    とを特徴とする船舶用荷役ホース。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし請求項7のいずれかに記
    載の船舶用荷役ホースにおいて、 前記接続用治具には、ドレン配管が設けられていること
    を特徴とする船舶用荷役ホース。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のいずれかに記
    載の船舶用荷役ホースを用いた荷役方法であって、 荷を積載した船を海上または陸上に係留させ、この状態
    において、少なくとも前記船から陸上までを前記船舶用
    荷役ホースで架設したのち、前記船のエンジンを利用し
    て荷役することを特徴とする荷役方法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項8のいずれかに
    記載の船舶用荷役ホースを用いた荷役方法であって、 荷を積載した船と荷が移載される船との間をロープでつ
    なぐとともに、両船間を前記船舶用荷役ホースで架設し
    たのち、前記荷を積載した船のエンジンを利用して瀬取
    り荷役することを特徴とする荷役方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100812224B1 (ko) * 2002-11-26 2008-03-13 민병이 해상 구조물용 만곡성 부기
JP2009121618A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Yokohama Rubber Co Ltd:The 流体搬送用ホース
JP2012158337A (ja) * 2011-01-28 2012-08-23 Niigata Loading Systems Ltd 船舶受渡し用流体荷役装置並びに搬送ボート
KR101507417B1 (ko) 2013-03-29 2015-03-31 삼성중공업 주식회사 파이프 부유장치 및 이를 구비하는 부유식 액화가스 충전소

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