JP2001274097A - GaN系結晶成長用基板およびその用途 - Google Patents

GaN系結晶成長用基板およびその用途

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JP2001274097A JP2000085070A JP2000085070A JP2001274097A JP 2001274097 A JP2001274097 A JP 2001274097A JP 2000085070 A JP2000085070 A JP 2000085070A JP 2000085070 A JP2000085070 A JP 2000085070A JP 2001274097 A JP2001274097 A JP 2001274097A
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Masahiro Furuta
正寛 古田
Hiroshi Hamamura
寛 濱村
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスク層における結晶粒界の貫通、さらに
は、マスク層の剥がれやマスク層におけるクラックが抑
制されたGaN系結晶成長用基板を提供することであ
り、またそれによって、半導体素子の特性劣化を抑制す
ること。 【解決手段】 GaN系結晶が成長可能な結晶基板1面
に、選択成長法を適用し得るマスク層2を設ける。マス
ク層は、該層内に発生する結晶粒界が層厚方向に連続し
ないように、その一部または全部を多層膜構造とする。
これによって結晶粒界の貫通を抑制し、さらにはマスク
層内の応力を緩和する。マスク層を多層膜構造として形
成するには、多元蒸着法または多元スパッタリング法を
用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はGaN系半導体の結
晶成長の技術分野、およびそれを用いた素子の技術分野
に属する。
【0002】
【従来の技術】GaN系結晶をエピタキシャル成長させ
るための結晶基板としては、サファイア結晶基板が一般
的に用いられている。従来、より高品質のGaN系結晶
を成長させるために、サファイア結晶基板上に、Zn
O、AlN等からなるバッファ層を形成し、その上にG
aN系結晶を成長させていたが、得られたGaN系結晶
は、格子定数の差、熱膨張係数の差等によって、転位を
高密度に含むものであった。転位は、半導体素子にとっ
て、特性を損なうものとなる。
【0003】これに対し、転位密度の低いGaN系結晶
を成長させ得る方法の1つとして、選択成長法(ELO
(Epitaxial Lateral Overgrowth)法、選択横方向成長
法、とも呼ばれる)が報告されている。選択成長法で
は、図4に示すように、ベースとなる結晶基板10上
に、GaN系結晶が実質的に成長し得ない材料からなる
マスク層20が、マスク領域(マスク層が形成されてい
る領域)10aと非マスク領域(マスク層が形成されて
いない領域)10bを描くように特定のマスクパターン
にて形成する。選択成長法は、これを結晶成長用基板と
して用い、その非マスク領域10bを結晶成長の出発面
として、GaN系結晶30を成長させ、該結晶がマスク
層20上面を横方向にも成長して該マスク層を埋め込ん
で覆うまで成長させる方法である。このマスク層を埋め
込んで覆ったGaN系結晶層中には、特定の部分に、転
位線の伝搬の少ない部分が形成されている。
【0004】上記選択成長法のためのマスク層には、G
aN系結晶が実質的に成長し得ないように(即ち、マス
ク層上面をGaN系結晶が横方向に成長するように)、
SiO2、SiNX、W等の非晶質体が用いられている。
また、マスク層を成膜する方法としては、CVD法(化
学気相堆積法)、スパッタリング法が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者等が
従来の選択成長法に用いられているマスク層を観察した
ところ、次に挙げる問題が存在し、GaN系結晶の品質
やデバイスの特性に悪影響を与えていることがわかっ
た。
【0006】先ず、マスク層材料にタングステン等の高
融点金属を単独で用いる場合には、図4(b)に模式的
に示すように、基板表面から立ち上がる柱状結晶となり
易く、いずれの成膜方法でも、マスク層を厚さ方向に貫
通する多数の結晶粒界mが問題となる。タングステン等
は特に触媒作用が強く、GaN系結晶成長に用いられる
アンモニア、水素等の分子(原子)が活性化し、これら
が前記の貫通する結晶粒界を通って結晶基板面に達し、
マスク層直下の結晶基板面をエッチングするという問題
が生じる。結晶基板面がエッチングされたならば、発光
素子や受光素子では、光や電流の通過が阻害され、デバ
イスの特性が低下する。
【0007】また、マスク層を用いてGaN系結晶を選
択成長させる場合には、どのようなマスク層材料であっ
ても、該マスク層が結晶基板から剥がれたり、該マスク
層にクラックが生じたりするという問題がある。これ
は、マスク層と結晶基板との熱膨張率の差によってマス
ク層内に生じる大きな応力が原因と考えられる。例え
ば、CVDは高温の成膜条件を要するために、マスク層
には最初から大きな応力が残される。また高温のために
マスク層の組織が結晶化するという傾向もある。マスク
層の結晶化は、選択成長法には好ましくない。一方、ス
パッタリング法は、常温〜100℃程度の低い温度でア
モルファスの膜が得られるが、GaN系結晶を成長させ
る際に1000℃に達する高温条件にさらされ、やはり
マスク層と結晶基板との熱膨張率の差によってクラック
が生じ、GaN系結晶の品質は低下する。クラックや剥
がれ等の生じたマスク層上に成長したGaN系結晶は、
当然に品質が低いものとなる。
【0008】本発明の課題は上記問題を解消し、マスク
層における結晶粒界の貫通、さらには、マスク層の剥が
れやマスク層におけるクラックが抑制されたGaN系結
晶成長用基板を提供することであり、またそれによっ
て、半導体素子の特性劣化を抑制することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の特徴を
有するものである。 (1)GaN系結晶が成長可能な結晶基板面に、選択成
長法を適用し得るマスク層が設けられ、該マスク層の一
部または全部が、該マスク層内に発生する結晶粒界が層
厚方向に連続しないように形成された多層膜構造である
ことを特徴とするGaN系結晶成長用基板。
【0010】(2)上記多層膜構造の各層が、アモルフ
ァスおよび/または多結晶からなる層である上記(1)
記載のGaN系結晶成長用基板。
【0011】(3)上記多層膜構造が、多元蒸着法また
は多元スパッタリング法によって、複数の材料を順番に
堆積させて得られた構造である上記(1)または(2)
に記載のGaN系結晶成長用基板。
【0012】(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記
載のGaN系結晶成長用基板が当該素子の基板として用
いられ、該基板上にGaN系結晶層および電極がGaN
系半導体素子構造をなすように形成されてなるGaN系
半導体素子。
【0013】本発明でいうGaN系結晶とは、式InX
GaYAlZN(0≦X≦1,0≦Y≦1,0≦Z≦1,
X+Y+Z=1)で決定される化合物半導体である。特
に、厚膜層として有用なものとしてはGaN、AlGa
N、InGaN等が挙げられる。
【0014】本明細書では、GaN系結晶やサファイア
基板等の六方格子結晶の格子面を4つのミラー指数(h
kil)によって指定する場合があれば、記載の便宜
上、指数が負のときには、その指数の前にマイナス記号
を付けて表記するものとし、この負の指数に関する表記
方法以外は、一般的なミラー指数の表記方法に準じる。
従って、GaN系結晶の場合では、C軸に平行なプリズ
ム面(特異面)は6面あるが、例えば、その1つの面は
(1−100)と表記し、該(1−100)面に垂直な
方向は〔1−100〕、それと等価な方向の集合を〈1
−100〉と表記する。また、(1−100)面に垂直
でかつC軸に平行な面は(11−20)と表記し、該
(11−20)面に垂直な方向は〔11−20〕、それ
と等価な方向の集合を〈11−20〉と表記する。但
し、図面にミラー指数を記入する場合があれば、指数が
負のときには、その指数の上にマイナス記号を付けて表
記し、ミラー指数の一般的な表記方法に全て準じる。本
発明でいう結晶方位は、全て、結晶基板上に成長したG
aN系結晶を基準とする方位である。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に一例を示すように、本発明
のGaN系結晶成長用基板(以下、「当該成長用基板」
とも言う)は、GaN系結晶が成長可能な結晶基板1の
基板面に、選択成長法を適用し得るマスク層2を設けた
構造を有するものである。そして、このマスク層の一部
または全部が、該マスク層内に結晶粒界が厚み方向に連
続しないように(即ち、柱状結晶を発生させないよう
に、または柱状結晶が発生してもその延伸を止めるよう
に)形成された多層膜構造であることを特徴とする。多
層膜構造の各層は、アモルファス(非晶質体)および/
または微小な多結晶からなり、いずれも各層に柱状結晶
が発生し難く、また発生したとしても次層との界面で結
晶粒界の延伸を止め得るような結晶粒度であればよい。
【0016】マスク層にタングステン等の高融点金属材
料を用いた場合、従来ならば図4(b)に示したよう
に、層厚方向に貫通する結晶粒界mが生じるが、マスク
層を本発明のように多層膜構造としたことによって、仮
に各層に柱状結晶が発生したとしても、図2(a)に模
式的に示すように、柱状結晶の成長は次層との界面で止
められ、結晶粒界mも次層との界面で止められて次の層
内に延伸できなくなる。これは、隣り合う層同士で、各
々の層を構成する原子半径が互いに異なり、また、各々
の層の結晶構造も互いに異なる場合もあるために、柱状
結晶が次の層へそのまま継続して成長することができな
いからである。これによって、結晶粒界がマスク層全体
を厚さ方向に貫通することが妨げられ、従来の問題とし
て挙げた活性化した窒素・水素は、結晶基板面に到達し
難くなり、マスク層直下がエッチングされることも抑制
される。また、この多層膜構造は、薄膜を順次重ね合わ
せた構造であって、隣り合う層同士は互いに異なる材料
からなる積層構造であるから、各薄膜に発生する応力は
小さく、積層構造全体からみても、従来のような単層構
造のマスク層よりも小さい応力となっている。
【0017】結晶基板は、GaN系結晶がC軸を厚み方
向として成長可能なものであればよい。例えば、従来か
らGaN系結晶を成長させる際に汎用されている、サフ
ァイア、水晶、SiC等を用いてもよい。なかでも、サ
ファイアのC面、A面、6H−SiC基板、特にC面サ
ファイア基板が好ましい。
【0018】また、図1に示すように、上記結晶基板を
基礎の結晶基板1aとして用い、その表面に、GaN系
結晶との格子定数や熱膨張係数の違いを緩和するための
ZnO、MgOやAlN等のバッファ層1bを設けた構
造のもの、さらにはGaN系結晶薄膜を成長させたもの
を結晶基板としても良い。特に、結晶基板の表層がGa
N系材料である場合には、上記したように、該表層とマ
スク層との密着性や安定性が向上する。
【0019】「選択成長法を適用し得るマスク層」と
は、GaN系結晶が実質的に成長し得ない材料を少な
くとも表面に有する薄膜であって、結晶基板面上にマ
スク領域(結晶基板面を覆う領域)と非マスク領域(結
晶基板面が露出する領域)とを形成するパターンとして
設けられたものをいう。これらは、選択成長法にお
いて、GaN系結晶がマスク層上を横方向に成長するた
めの重要な条件である。なお、マスク層の厚さは、公知
の選択成長法においては、通常50nm〜500nm程
度である。
【0020】マスク層の各層の材料としては、Si、T
i、Ta、Zr等の窒化物や酸化物、即ち、SiO2
SiNX、SiO1-XX、TiO2、ZrO2等が挙げら
れる他、W等の高融点金属や、本発明者等が提唱するタ
ングステン窒化物WNX、その他の高融点金属(Re、
Os、Ta、Mo、Nb、Ir、Ru、Hf等)または
それらと酸素、窒素等との化合物が挙げられる。
【0021】積層に際して互いに好ましく隣接する材料
の組み合わせは、各組を(a/b)で表すとして、例え
ば、(W/Re)、(W/Os)、(Os/Re)、
(W/Ta)、(Ta/Os)等、上記W、Re、O
s、Ta、Mo等の高融点金属同士の2、3層を1組と
してそれが1組以上積層された多層構造が挙げられる。
【0022】本発明におけるマスク層の多層膜構造は、
2種類の薄膜が交互に積層されたもの、3種類以上の薄
膜が循環的にまたは順不同に積層されたもの、さらには
多層膜の層の総数だけ全て材料が異なるように積層され
たもの等、材料の組み合わせは自由である。多層膜構造
を構成する各層の膜厚は、応力を効果的に緩和し、また
結晶粒界を分断し、またマスク層の結晶化を抑制する点
から、一層当たり0.3nm〜250nm、特に0.3
nm〜100nmが好ましい。上記したマスク層のトー
タルの厚さを鑑みれば、当該多層膜構造の層数は、一層
当たりの厚さに応じて2層〜1500層程度となる。
【0023】本発明におけるマスク層の多層膜構造の概
念は、次の(A)、(B)のように大きく2つに分けら
れる。 (A):図2(b)に示すように、上下に隣合った層同
士の境界が明確な多層膜構造。図2(b)の例は、説明
のための概略図であって、2種類の材料が交互に計4層
積層された状態として示している。例えば、同図中、a
1、a2がTaからなる層であり、b1、b2がOsか
らなる層である。
【0024】上記(A)の多層膜構造を形成する方法と
しては、多層に積層可能な成膜法であればよく、蒸着
法、MBE法、スパッタリング法、CVD法等が挙げら
れる。スパッタリング法には、マグネトロンスパッタリ
ング法とイオンビームスパッタリング法とが含まれる。
【0025】(B):各層を構成する材料がその層の中
心部分では明確であるが、上下に隣合った層同士の境界
が明確でない多層膜構造。例えば、2種類の材料(Ta
/Os)の交互の積層であって、層厚の増加と共に、両
材料の含有比率が交互に入れ替わってピークとなるよう
な態様である。このように層の界面が不明確であって
も、例えば、一方の材料の含有比率が他方よりも高い部
分(曲線の交点から交点まで)を1層と見なせばよい。
このような多層膜構造であっても、隣り合った材料同士
が互いの結晶化を抑制し、層厚方向に貫通する結晶粒界
を阻止する。
【0026】上記(B)の界面が不明確な層膜構造を形
成する方法としては、多元蒸着法において原料の供給量
を連続的に変化させる方法や、多元スパッタリング法に
おいて基板上に複数の材料を堆積させながら同時に基板
ホルダーを変位(回転等)させ堆積する材料の比率に偏
りを生じさせる方法等が挙げられる。この多元スパッタ
リング法による場合、各層の厚さは、投入パワー、基板
ホルダーの回転数等によって調整が可能である。
【0027】マスク層は、全体が多層膜構造であること
が好ましいが、必要に応じてマスク層の一部だけを多層
膜構造としてもよい。例えば、マスク層のパターンのう
ちの特定のパターン部分だけが多層膜構造となっている
態様や、マスク層のパターン全体にわたって多層膜構造
が広がっているが、層厚方向については上層部だけであ
る等の態様である。このような構造は、例えば、多元ス
パッタリング法の基板ホルダーを一時的に回転させれ
ば、一部だけが多層膜構造となる。
【0028】マスク層のパターンは、GaN系結晶の成
長のしかたや、転位線の伝搬のしかたに大きな影響を与
える重要なものである。特に、マスク領域と非マスク領
域との比率や、マスク領域と非マスク領域との境界線の
方向が重要である。結晶成長方法や雰囲気ガス等の成長
条件によって例えば、マスク領域と非マスク領域との境
界線を〈1−100〉方向の直線とする場合、GaN系
結晶は横方向に高速に成長する結果、マスク層を平坦に
埋め込んだときのGaN系結晶層の厚さは、比較的薄く
て済む。一方、マスク領域と非マスク領域との境界線を
〈11−20〉方向の直線とする場合、横方向成長速度
に対しC軸方向の成長速度が速いため、マスク層を平坦
に埋め込むには、GaN系結晶層はある程度の厚さが必
要となる。
【0029】マスク層のパターンのうち、GaN系半導
体素子の形成に特に有用なものとして、ストライプ状の
パターンが挙げられる。ストライプ状のパターンは、帯
状のマスク領域と帯状の非マスク領域とが交互に並ぶよ
う、帯状のマスク層を縞状に配置したパターンである。
この帯の長手方向が、上記したマスク領域と非マスク領
域との境界線の方向である。これら有用なパターンの帯
幅やピッチ等、詳細な仕様は、公知の選択成長法を参照
してよい。
【0030】マスク層のパターン形成方法は、例えば上
記成膜法により、基板全面を覆うように多層膜構造を有
する層を形成した後、フォトリソグラフィー技術によっ
て感光性レジストのパターニングを行い、エッチングに
よって結晶基板の非マスク領域となる部分を露出させる
等の方法が挙げられる。
【0031】本発明のGaN系半導体素子は、当該成長
用基板が素子の基板として用いられ、選択成長法による
GaN系結晶層を下層として、その上に種々のGaN系
結晶層がGaN系半導体素子構造をなすように積層さ
れ、必要な電極が付与されてなるものである。素子の種
類(発光素子、受光素子、HEMT等の電子デバイス
等)や素子内の積層構造、発光・受光に関するメカニズ
ム、電極(ショットキー電極、オーミック電極等)の種
類等は限定されず、公知技術を参照してよい。
【0032】図3は、本発明のGaN系半導体素子の一
例として受光素子を示したものである。同図に示す受光
素子の構造中、基板Sが、本発明によるGaN系結晶成
長用基板である。同図の例では、基板Sは、サファイア
結晶基板1a上に、AlN低温バッファ層1bが形成さ
れ、その上にマスク層2が紙面に垂直方向に延びるスト
ライプパターンにて形成された構造となっている。マス
ク層2は、Taのアモルファス膜とOsのアモルファス
膜とを交互に積層したアモルファス多層膜構造である。
【0033】図3の素子構造の例では、基板S上にGa
N系結晶層3、4、5を積層状に成長させ、n型電極
6、p型電極7を設けたものである。GaN系結晶層
は、下側から順に、n型GaN系結晶層(コンタクト
層)3、アンドープGaN系結晶層(受光層)4、p型
GaN系結晶層(コンタクト層)5である。両電極6、
7は、共にオーミック電極である。
【0034】GaN系結晶層3〜5のうち層3が、選択
成長法によって基板S上に成長させた層であって、層3
の成長後、その場で供給原料を変えて、層4、層5を順
次積層状に成長させたものである。
【0035】図3の素子全体の構造は、基板側から受光
対象光Lを入射させて用いる構造であり、マスク層の剥
離やクラックが十分に抑制された特徴によって、GaN
系結晶の品質、デバイスとしての特性が改善されてい
る。
【0036】
【発明の効果】以上のように、当該成長用基板は、マス
ク層を多層膜構造として形成しているので、結晶粒界の
貫通が抑制され、また、応力が緩和されて、マスク層の
剥がれやクラックも抑制される。これによって、GaN
系結晶の品質劣化の抑制、マスク層直下の結晶基板面の
エッチングの抑制、デバイスとしたときの特性劣化の抑
制が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のGaN系結晶成長用基板を示す模式図
である。マスク層が、マスク領域と非マスク領域とを描
くパターンにて形成されていることを示唆するように、
同図では、3つのマスク層を描いている。
【図2】図2(a)は、多層膜構造の作用を説明する図
であり、結晶粒界が次層との界面で止められる概念を模
式的に描いている。図2(b)は、多層膜構造の一例を
模式的に示す図である。
【図3】本発明のGaN系半導体素子の一例を模式的に
示す断面図である。電極には他と区別するためのハッチ
ングを施している。
【図4】図4(a)は、従来の選択成長法によるGaN
系結晶成長法を示す図であり、図4(b)は、マスク層
内に発生する柱状結晶による結晶粒界の貫通状態を模式
的に示す図である。断面を示すハッチングは省略してい
る。
【符号の説明】
1 結晶基板 2 マスク層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱村 寛 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 Fターム(参考) 4G077 BA01 BE11 BE15 DA02 DA05 DA11 DB01 ED06 EE07 EF03 EF04 HA06 5F041 CA40 CA65 CA66 CA77 5F045 AA05 AA19 AB14 AB31 AB32 AB33 AF09 BB12 BB13 BB16 CA07 CA13 DA52 DB02 DB04 DB06 5F049 MA02 MA03 MA04 MB07 PA04 PA20 5F103 AA08 DD30 GG02 HH03 LL01 LL04 RR10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaN系結晶が成長可能な結晶基板面
    に、選択成長法を適用し得るマスク層が設けられ、該マ
    スク層の一部または全部が、該マスク層内に発生する結
    晶粒界が層厚方向に連続しないように形成された多層膜
    構造であることを特徴とするGaN系結晶成長用基板。
  2. 【請求項2】 上記多層膜構造の各層が、アモルファス
    および/または多結晶からなる層である請求項1記載の
    GaN系結晶成長用基板。
  3. 【請求項3】 上記多層膜構造が、多元蒸着法または多
    元スパッタリング法によって、複数の材料を順番に堆積
    させて得られた構造である請求項1または2に記載のG
    aN系結晶成長用基板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のGaN
    系結晶成長用基板が当該素子の基板として用いられ、該
    基板上にGaN系結晶層および電極がGaN系半導体素
    子構造をなすように形成されてなるGaN系半導体素
    子。
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