JP2001274025A - 半導体スイッチ用トランス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で、生産性が高く、複数の半導体スイッ
チ素子を同時に制御することできる半導体スイッチ用ト
ランスを提供する。 【解決手段】 一次コイル用プリント基板126a〜126f
と、二次コイル用プリント基板127a〜127fとで構成さ
れ、プリント基板間に絶縁フィルム125a〜125kを挿入し
て積層したトランスにおいて、一次コイル用プリント基
板と、二次コイル用プリント基板とを交互に積層配置
し、一次コイル用プリント基板の端子対111c、111d、11
2c、112d同士を電気的に接続し、外部接続用の第一の一
次側端子対111a、111bまたは第二の一次側端子対112a、
112bとして取り出し、前記二次コイル用プリント基板12
7a〜127fの電極端子対101c〜106c、101d〜106dが各基板
毎に独立し、それぞれ外部接続用の二次側端子対101a〜
106a、101b〜106bとして取り出す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、半導体スイッチ用
トランスに関し、特に、複数の半導体スイッチ素子を同
時に制御することできる半導体スイッチ用トランスに関
する。

【０００２】

【従来の技術】電気的治療装置（除細動器）において、
除細動のための電気パルスを発生させるために、半導体
スイッチを使用した回路が使用されている。この半導体
スイッチを駆動する回路は、制御信号とスイッチ素子の
ゲートを直接駆動する回路部分とを、電気的絶縁をする
ために、トランスを介して接続するように構成されてい
る。また、半導体スイッチは、耐圧を上げるためにスイ
ッチ素子を直列接続し、多段構成をとる。

【０００３】このため、各スイッチ素子の導通／遮断の
タイミングがずれると、直列スイッチ素子のいずれかに
過電圧がかかりスイッチ素子が破壊されてしまう恐れが
ある。また、スイッチ素子が並列に接続されている場合
であっても、スイッチ素子に過電流がかかり、スイッチ
素子が破壊されてしまう恐れがある。そのため、各スイ
ッチ素子を同時に駆動する必要がある。したがって、半
導体スイッチ用トランスは、一次巻き線（制御信号の入
力側）と、二次巻き線（スイッチ素子のゲートを直接駆
動する側）との間の十分な結合度の確保、および、各二
次巻き線においての結合度の均一性の確保が必要であ
る。また、一次巻き線と、二次巻き線との間の絶縁耐圧
を確保する必要がある。また、各スイッチ素子を駆動す
る二次巻き線間の絶縁耐圧も同様に確保する必要があ
る。これらの要件を同時に満たすため、従来の半導体ス
イッチ用トランスは複雑な巻き上げ方法が要求されるも
のであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
半導体スイッチ用トランスは、上述の複雑な巻き上げ方
法をとるものであるため、生産性が悪く、サイズが大き
くなってしまう。よって、従来の半導体スイッチ用トラ
ンスを用いた半導体スイッチ駆動回路を含む電気的治療
装置の小型化、低コスト化を妨げるという問題点があっ
た。本発明は、前記従来の技術の問題点に鑑みてなされ
たものであって、小型で、生産性が高く、複数の半導体
スイッチ素子を同時に制御することできる半導体スイッ
チ用トランスを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項１記載に係る半導体スイッチ用トラ
ンスは、一次巻き線を構成する巻き線パターンが設けら
れた複数の一次コイル用プリント基板と、二次巻き線を
構成する巻き線パターンが設けられた複数の二次コイル
用プリント基板とで構成された半導体スイッチ用トラン
スであって、前記一次コイル用プリント基板と、前記二
次コイル用プリント基板とが、交互に積層配置されてい
ることで、一次巻き線と、二次巻き線との間の十分な結
合度の確保、および、各二次巻き線においての結合度の
均一性の確保ができる。

【０００６】本発明の請求項２記載に係る半導体スイッ
チ用トランスは、複数の前記一次コイル用プリント基板
の電極端子対同士が電気的に接続されて、外部接続用の
第一の一次側端子対または第二の一次側端子対として取
り出されていることで、１個のトランスでもって、複数
のスイッチ素子を駆動するができる。

【０００７】本発明の請求項３記載に係る半導体スイッ
チ用トランスは、複数の前記二次コイル用プリント基板
の電極端子対が各基板毎に独立し、それぞれ外部接続用
の二次側端子対として、取り出されていることで、各ス
イッチ素子を駆動する二次巻き線間の絶縁耐圧を確保で
きる。

【０００８】本発明の請求項４記載に係る半導体スイッ
チ用トランスは、前記一次コイル用プリント基板と、前
記二次コイル用プリント基板との間は絶縁フィルムを挿
入して積層されていることで、一次巻き線と、二次巻き
線との間の絶縁耐圧を確保することができる。

【０００９】本発明の請求項５記載に係る半導体スイッ
チ用トランスは、ベース基板上に略Ｅ字型の磁性材コア
が設置され、前記一次コイル用プリント基板と、前記二
次コイル用プリント基板と、前記絶縁フィルムとが、各
々の開口部を前記略Ｅ字型の磁性材コアに挿通され、最
上部には、閉磁路を形成するように、略Ｉ字型の磁性材
コアが設置されていることで、もれ磁束が少なくでき、
磁束密度を高くすることができる。

【００１０】本発明の請求項６記載に係る半導体スイッ
チ用トランスは、前記外部接続用の第一の一次側端子対
に電気的に接続された前記一次コイル用プリント基板
と、前記外部接続用の第二の一次側端子対に電気的に接
続された前記一次コイル用プリント基板とが、交互に積
層配置されたことで、トランスに流れる電流の向き（正
バイアス、逆バイアス）を変えることができる。

【００１１】本発明の請求項７に係る半導体スイッチ用
トランスは、前記二次コイル用プリント基板の電極端子
対が、基板毎に前記プリント基板の積層方向と直交する
方向にずれるように配置されていることで、二次側の隣
り合うプリント基板同士が接近した構成であっても、端
子に対する二次側の配線の接続が容易である。

【００１２】本発明の請求項８に係る半導体スイッチ用
トランスは、前記二次コイル用プリント基板の電極端子
対が、基板毎に前記プリント基板の積層順序にしたがっ
て順次ずれていることで、端子への接続を管理し易く回
路組立（配線組立）が容易である。

【００１３】本発明の請求項９に係る半導体スイッチ用
トランスは、前記外部接続用の第一の一次側端子対およ
び第二の一次側端子対に、前記半導体スイッチ用トラン
スの一次側電流を制御する制御回路を接続し、複数の前
記外部接続用の二次側端子対に、それぞれ半導体スイッ
チ素子のゲートを直接制御するゲート駆動回路を接続す
ることで、該半導体スイッチ素子が同時に制御できるよ
うに構成されたことで、二次側の複数の巻き線パターン
への電気エネルギーの発生を効果的にできる。

【００１４】本発明の請求項１０に係る半導体スイッチ
駆動回路は、前記外部接続用の第一の一次側端子対およ
び第二の一次側端子対に、制御信号により、前記トラン
スの一次側電流を制御する一次側領域が接続され、複数
の前記外部接続用の二次側端子対に、それぞれ半導体ス
イッチ駆動回路の半導体スイッチ素子のゲートを直接制
御する二次側領域が接続され、複数の前記半導体スイッ
チ素子が接続され、前記制御信号により、前記半導体ス
イッチ素子が同時に制御されるように構成されたこと
で、スイッチングが確実で且つ大電圧・大電流に耐える
ことができる半導体スイッチ駆動回路とすることができ
る。

【００１５】本発明の請求項１１に係る電気的治療装置
は、半導体スイッチ駆動回路を用いた電気的治療装置で
あって、電気パルスを発生させる回路に、前記半導体ス
イッチ駆動回路を含む構成としたことで、スイッチング
が確実で且つ大電圧・大電流に耐えることができる除細
動機能を高めることのできる電気的治療装置を提供でき
る。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るトランスの
実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明す
る。図１は、本実施の形態の係る半導体スイッチ用トラ
ンスの分解斜視図である。

【００１７】図１において、本実施の形態の半導体スイ
ッチ用トランス１００の構成は、ベース基板１２１の略
直交して隣り合う二辺上に一次側コネクタ１２２、二次
側コネクタ１２３が設けられており、一次側コネクタ１
２２にはそれぞれ二本のピンからなる正バイアス用の
（第一の）一次側端子対１１１ａ、１１１ｂと、逆バイ
アス用の（第二の）一次側端子対１１２ａ、１１２ｂと
が植設されている。また、二次側コネクタ１２３にはそ
れぞれ二本のピンからなる二次側端子対１０１ａ、１０
１ｂ、１０２ａ、１０２ｂ、１０３ａ、１０３ｂ、１０
４ａ、１０４ｂ、１０５ａ、１０５ｂ、１０６ａ、１０
６ｂが植設されている。

【００１８】そして、ベース基板１２１上のほぼ中央部
に略Ｅ字型の磁性材コア１２４ａが設置されている。６
枚の一次コイル用プリント基板１２６ａ〜１２６ｆ、６
枚の二次コイル用プリント基板１２７ａ〜１２７ｆ、が
各々の開口部を磁性材コア１２４ａに挿通し、さらに各
プリント基板間には、絶縁フィルム１２５ａ〜１２５ｋ
をそれぞれ挿入して積層配置し、最上部には、閉磁路を
形成するように、略Ｉ字型の磁性材コア１２４ｂが配置
されている。また、各プリント基板には各端子対１０１
ａ、１０１ｂ、１０２ａ、１０２ｂ、１０３ａ、１０３
ｂ、１０４ａ、１０４ｂ、１０５ａ、１０５ｂ、１０６
ａ、１０６ｂ、１１１ａ、１１１ｂ、１１２ａ、１１２
ｂのピンを挿通しかつ電気的に接続するための電極端子
対１０１ｃ、１０１ｄ、１０２ｃ、１０２ｄ、１０３
ｃ、１０３ｄ、１０４ｃ、１０４ｄ、１０５ｃ、１０５
ｄ、１０６ｃ、１０６ｄ、１１１ｃ、１１１ｄ、１１２
ｃ、１１２ｄが、電極取り出し部１３６ａ〜１３６ｆ、
１３７ａ〜１３７ｆ上にそれぞれ設けられている。

【００１９】上述のプリント基板積層配置の配置順は、
下から順に以下の順番で積層されている。 １２６ａ：正バイアス用の（第一の）一次側端子対１１
１ａ、１１１ｂに電気的に接続するための電極端子対１
１１ｃ、１１１ｄが電極取り出し部１３６ａ上に設けら
れている一次コイル用プリント基板 １２５ａ：絶縁フィルム １２７ａ：二次側端子対１０１ａ、１０１ｂに電気的に
接続するための電極端子１０１ｃ、１０１ｄが電極取り
出し部１３７ａ上に設けられている二次コイル用プリン
ト基板 １２５ｂ：絶縁フィルム １２６ｂ：逆バイアス用の（第二の）一次側端子対１１
２ａ、１１２ｂに電気的に接続するための電極端子対１
１２ｃ、１１２ｄが電極取り出し部１３６ｂ上に設けら
れている一次コイル用プリント基板 １２５ｃ：絶縁フィルム １２７ｂ：二次側端子対１０２ａ、１０２ｂに電気的に
接続するための電極端子１０２ｃ、１０２ｄが電極取り
出し部１３７ｂ上に設けられている二次コイル用プリン
ト基板 １２５ｄ：絶縁フィルム １２６ｃ：正バイアス用の（第一の）一次側端子対１１
１ａ、１１１ｂに電気的に接続するための電極端子対１
１１ｃ、１１１ｄが電極取り出し部１３６ｃ上に設けら
れている一次コイル用プリント基板 １２５ｅ：絶縁フィルム １２７ｃ：二次側端子対１０３ａ、１０３ｂに電気的に
接続するための電極端子１０３ｃ、１０３ｄが電極取り
出し部１３７ｃ上に設けられている二次コイル用プリン
ト基板 １２５ｆ：絶縁フィルム １２６ｄ：逆バイアス用の（第二の）一次側端子対１１
２ａ、１１２ｂに電気的に接続するための電極端子対１
１２ｃ、１１２ｄが電極取り出し部１３６ｄ上に設けら
れている一次コイル用プリント基板 １２５ｇ：絶縁フィルム １２７ｄ：二次側端子対１０４ａ、１０４ｂに電気的に
接続するための電極端子１０４ｃ、１０４ｄが電極取り
出し部１３７ｄ上に設けられている二次コイル用プリン
ト基板 １２５ｈ：絶縁フィルム １２６ｅ：正バイアス用の（第一の）一次側端子対１１
１ａ、１１１ｂに電気的に接続するための電極端子対１
１１ｃ、１１１ｄが電極取り出し部１３６ｅ上に設けら
れている一次コイル用プリント基板 １２５ｉ：絶縁フィルム １２７ｅ：二次側端子対１０５ａ、１０５ｂに電気的に
接続するための電極端子１０５ｃ、１０５ｄが電極取り
出し部１３７ｅ上に設けられている二次コイル用プリン
ト基板 １２５ｊ：絶縁フィルム １２６ｆ：逆バイアス用の（第二の）一次側端子対１１
２ａ、１１２ｂに電気的に接続するための電極端子対１
１２ｃ、１１２ｄが電極取り出し部１３６ｆ上に設けら
れている一次コイル用プリント基板 １２５ｋ：絶縁フィルム １２７ｆ：二次側端子対１０６ａ、１０６ｂに電気的に
接続するための電極端子１０６ｃ、１０６ｄが電極取り
出し部１３７ｆ上に設けられている二次コイル用プリン
ト基板

【００２０】好ましくは、二次コイル用プリント基板の
電極端子対１０１ｃ、１０１ｄ、１０２ｃ、１０２ｄ、
１０３ｃ、１０３ｄ、１０４ｃ、１０４ｄ、１０５ｃ、
１０５ｄ、１０６ｃ、１０６ｄおよびこれらが設けられ
た電極取り出し部１３７ａ〜１３７ｆが、基板毎にプリ
ント基板の積層方向と直交する方向にずれるように配置
され、さらに、プリント基板の積層順序にしたがって順
次ずれているように積層配置する。

【００２１】図２は、本実施の形態の係る半導体スイッ
チ用トランスの斜視図であり、図１のトランスを組み立
てたものである。つまり、図２は、各プリント基板が上
述の積層順に従って積層され、トランス組み立てが完成
した後の状態を示している。各一次コイル用プリント基
板の電極端子対１１１ｃ、１１１ｄ、１１２ｃ、１１２
ｄは、各一次側端子対１１１ａ、１１１ｂ、１１２ａ、
１１２ｂのピンに挿通しかつ電気的に接続されている。
各一次コイル用プリント基板の各々の開口部１４０は、
磁性材コア１２４ａの中央のコアに、各々の開口部１４
１は磁性材コア１２４ａの左側のコアにそれぞれ挿通さ
れている。各二次コイル用プリント基板の電極端子対１
０１ｃ、１０１ｄ、１０２ｃ、１０２ｄ、１０３ｃ、１
０３ｄ、１０４ｃ、１０４ｄ、１０５ｃ、１０５ｄ、１
０６ｃ、１０６ｄが、各二次側端子対１０１ａ、１０１
ｂ、１０２ａ、１０２ｂ、１０３ａ、１０３ｂ、１０４
ａ、１０４ｂ、１０５ａ、１０５ｂ、１０６ａ、１０６
ｂ、１１１ａ、１１１ｂ、１１２ａ、１１２ｂのピンに
挿通されている。各二次コイル用プリント基板の各々の
開口部１５１は、磁性材コア１２４ａの中央のコアに挿
通されている。この図２に示すように、二次コイル用プ
リント基板に関しては、下方から、１２７ａ〜１２７ｆ
の順に、プリント基板の積層がなされており、これら二
次コイル用プリント基板の積層方向と直交する方向に、
二次コイル用プリント基板の電極端子対が順次ずれるて
いることが示されている。

【００２２】次に、一次コイル用プリント基板の巻き線
パターンを説明する。図３は、逆バイアス用の（第二
の）一次側端子対１１２ａ、１１２ｂに電気的に接続す
るための電極端子対１１２ｃ、１１２ｄが設けられてい
る一次コイル用プリント基板１２６ｂの（ａ）表面、
（ｂ）裏面である。図３の（ａ）表面において、一次コ
イル用プリント基板１２６ｂの電極取り出し部１３６ｂ
に設けられた電極端子対１１２ｃから引き出された配線
は開口部１４１の周囲に渦巻き状に巻き線パターン１４
２が形成され、その端部はスルーホール１４３を介し
て、裏面（ｂ）の巻き線パターン１４４と電気的に接続
されている。図３の（ｂ）裏面には、表面と同様に開口
部１４１の周囲に渦巻き状に巻き線パターン１４４が形
成されている。この裏面の巻き線パターン１４４は、上
記のスルーホール１４３により表面の巻き線パターン１
４２と電気的に接続されており、その端部が一次コイル
用プリント基板１２６ｂの電極取り出し部１３６ｂに設
けられた電極端子対１１３ｄに接続されている。また、
他の一次コイル用プリント基板１２６ａ〜１２６ｇの巻
き線パターンは、電極取り出し部の形状が異なるが同様
に形成されるものである。

【００２３】次に、二次コイル用プリント基板の巻き線
パターンを説明する。図４は、二次側端子対１０３ａ、
１０３ｂのピンを挿通しかつ電気的に接続する電極端子
対１０３ｃ、１０３ｄが設けられている二次コイル用プ
リント基板である。図４の（ａ）において、二次コイル
用プリント基板１２７ｄの電極取り出し部１３７ｄに設
けられた電極端子対１０３ｄから引き出された配線は開
口部１５１の周囲に渦巻き状に巻き線パターン１５２が
形成され、その端部はスルーホール１５０を介して、裏
面（ｂ）の巻き線パターン１５３と電気的に接続されて
いる。図４の（ｂ）裏面には、表面と同様に開口部１５
１の周囲に渦巻き状に巻き線パターン１５３が形成され
ている。この裏面の巻き線パターン１５３は、上記のス
ルーホール１５０により表面の巻き線パターン１５２と
電気的に接続されており、その端部が二次コイル用プリ
ント基板１２７ｄの電極取り出し部１３７ｄに設けられ
た電極端子対１０３ｃに接続されている。また、他の二
次コイル用プリント基板１２７ａ〜１２７ｆの巻き線パ
ターンは、電極取り出し部の形状が異なるが同様に形成
されるものである。

【００２４】次に、本実施の形態の係る半導体スイッチ
用トランスを用いた半導体スイッチ駆動回路を説明す
る。図５は、本実施の形態の係る半導体スイッチ用トラ
ンスを用いた半導体スイッチ駆動回路の構成図である。
図５において、図１で示した半導体スイッチ用トランス
１００の外部接続用の第一の一次側端子対１１１ａ、１
１１ｂおよび第二の一次側端子対１１２ａ、１１２ｂ
に、半導体スイッチ用トランス１００の一次側電流を制
御する一次側制御領域２０１が接続されている。また外
部接続用として二次側端子対１０１ａ、１０１ｂ、１０
２ａ、１０２ｂ、１０３ａ、１０３ｂ、１０４ａ、１０
４ｂ、１０５ａ、１０５ｂ、１０６ａ、１０６ｂに、そ
れぞれゲート駆動回路が接続された二次側制御領域２０
２が接続され、半導体スイッチ素子２０３ａ〜２０３ｆ
が直列接続されている。一次側制御領域２０１の制御回
路は、正バイアス時には、電流が第二の一次側端子対１
１２ａから１１２ｂに向かって流れるように制御し、逆
バイアス時には、電流が第一の一次側端子対１１１ｂか
ら１１１ａに向かって流れるように制御する。二次側制
御領域２０２は、正バイアス時には、各ゲート駆動回路
が各半導体スイッチ素子を同時に導通するように制御
し、逆バイアス時には、各ゲート駆動回路が各半導体ス
イッチ素子を同時に遮断するように制御する。

【００２５】上述の半導体スイッチ駆動回路は、電気的
治療装置（除細動器）の除細動のための電気パルスを発
生させる回路に用いることができるものである。

【００２６】

【発明の効果】本発明の請求項１記載に係る半導体スイ
ッチ用トランスによれば、一次巻き線を構成する巻き線
パターンが設けられた複数の一次コイル用プリント基板
と、二次巻き線を構成する巻き線パターンが設けられた
複数の二次コイル用プリント基板とで構成された半導体
スイッチ用トランスであって、前記一次コイル用プリン
ト基板と、前記二次コイル用プリント基板とが、交互に
積層配置されていることで、一次巻き線と、二次巻き線
との間の十分な結合度の確保、および、各二次巻き線に
おいての結合度の均一性の確保ができる。

【００２７】本発明の請求項２記載に係る半導体スイッ
チ用トランスによれば、複数の前記一次コイル用プリン
ト基板の電極端子対同士が電気的に接続されて、外部接
続用の第一の一次側端子対または第二の一次側端子対と
して取り出されていることで、１個のトランスでもっ
て、複数のスイッチ素子を駆動するができる。

【００２８】本発明の請求項３記載に係る半導体スイッ
チ用トランスによれば、複数の前記二次コイル用プリン
ト基板の電極端子対が各基板毎に独立し、それぞれ外部
接続用の二次側端子対として、取り出されていること
で、各スイッチ素子を駆動する二次巻き線間の絶縁耐圧
を確保できる。

【００２９】本発明の請求項４記載に係る半導体スイッ
チ用トランスによれば、前記一次コイル用プリント基板
と、前記二次コイル用プリント基板との間は絶縁フィル
ムを挿入して積層されていることで、一次巻き線と、二
次巻き線との間の絶縁耐圧を確保することができる。

【００３０】本発明の請求項５記載に係る半導体スイッ
チ用トランスによれば、ベース基板上に略Ｅ字型の磁性
材コアが設置され、前記一次コイル用プリント基板と、
前記二次コイル用プリント基板と、前記絶縁フィルムと
が、各々の開口部を前記略Ｅ字型の磁性材コアに挿通さ
れ、最上部には、閉磁路を形成するように、略Ｉ字型の
磁性材コアが設置されていることで、もれ磁束が少なく
でき、磁束密度を高くすることができる。

【００３１】本発明の請求項６記載に係る半導体スイッ
チ用トランスによれば、前記外部接続用の第一の一次側
端子対に電気的に接続された前記一次コイル用プリント
基板と、前記外部接続用の第二の一次側端子対に電気的
に接続された前記一次コイル用プリント基板とが、交互
に積層配置されたことで、トランスに流れる電流の向き
（正バイアス、逆バイアス）を変えることができる。

【００３２】本発明の請求項７に係る半導体スイッチ用
トランスよれば、前記二次コイル用プリント基板の電極
端子対が、基板毎に前記プリント基板の積層方向と直交
する方向にずれるように配置されていることで、二次側
の隣り合うプリント基板同士が接近した構成であって
も、端子に対する二次側の配線の接続が容易にできる。

【００３３】本発明の請求項８に係る半導体スイッチ用
トランスによれば、前記二次コイル用プリント基板の電
極端子対が、基板毎に前記プリント基板の積層順序にし
たがって順次ずれていることで、端子への接続を管理し
易く回路組立（配線組立）が容易にできる。

【００３４】本発明の請求項９に係る半導体スイッチ用
トランスによれば、前記外部接続用の第一の一次側端子
対および第二の一次側端子対に、前記半導体スイッチ用
トランスの一次側電流を制御する制御回路を接続し、複
数の前記外部接続用の二次側端子対に、それぞれ半導体
スイッチ素子のゲートを直接制御するゲート駆動回路を
接続することで、該半導体スイッチ素子が同時に制御で
きるように構成されたことで、二次側の複数の巻き線パ
ターンへの電気エネルギーの発生を効果的にできる。

【００３５】本発明の請求項１０に係る半導体スイッチ
駆動回路によれば、前記外部接続用の第一の一次側端子
対および第二の一次側端子対に、制御信号により、前記
トランスの一次側電流を制御する一次側領域が接続さ
れ、複数の前記外部接続用の二次側端子対に、それぞれ
半導体スイッチ駆動回路の半導体スイッチ素子のゲート
を直接制御する二次側領域が接続され、複数の前記半導
体スイッチ素子が接続され、前記制御信号により、前記
半導体スイッチ素子が同時に制御されるように構成され
たことで、スイッチングが確実で且つ大電圧・大電流に
耐えることができる半導体スイッチ駆動回路を提供する
ことができる。

【００３６】本発明の請求項１１に係る電気的治療装置
によれば、半導体スイッチ駆動回路を用いた電気的治療
装置であって、電気パルスを発生させる回路に、前記半
導体スイッチ駆動回路を含む構成としたことで、スイッ
チングが確実で且つ大電圧・大電流に耐えることができ
る除細動機能を高めることのできる電気的治療装置を提
供できる。

【００３７】以上の効果により、本発明の半導体スイッ
チ用トランスは、プリント基板を重ねて組み上げること
により、十分な絶縁耐圧を確保することができ、複数の
半導体スイッチを同時に制御するとき、各スイッチの開
閉動作のタイミングがずれることなく制御することがで
きるトランスを提供することができるものである。ま
た、半導体スイッチ用トランスのサイズの縮小および製
作コストの低減が実現でき、さらに、本発明の半導体ス
イッチ用トランスを用いた半導体スイッチ駆動回路を内
蔵することにより、電気的治療装置の小型化、製作コス
トの低減ができるという効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施の形態の係る半導体スイッチ用トランス
の分解斜視図である。

【図２】本実施の形態の係る半導体スイッチ用トランス
の斜視図である。

【図３】本実施の形態に係る半導体スイッチ用トランス
の一次コイル用プリント基板の巻き線パターンを説明す
る図である。

【図４】本実施の形態に係る半導体スイッチ用トランス
二次コイル用プリント基板の巻き線パターンを説明する
図である。

【図５】本実施の形態に係る半導体スイッチ用トランス
を用いた半導体スイッチ駆動回路の構成図である。

【符号の説明】

１００ 半導体スイッチ用トランス １０１ａ、１０１ｂ 二次側端子対 １０２ａ、１０２ｂ 二次側端子対 １０３ａ、１０３ｂ 二次側端子対 １０４ａ、１０４ｂ 二次側端子対 １０５ａ、１０５ｂ 二次側端子対 １０６ａ、１０６ｂ 二次側端子対 １１１ａ、１１１ｂ 第一の一次側端子対 １１２ａ、１１２ｂ 第二の一次側端子対 １０１ｃ、１０１ｄ 電極端子対 １０２ｃ、１０２ｄ 電極端子対 １０２ｃ、１０３ｄ 電極端子対 １０４ｃ、１０４ｄ 電極端子対 １０５ｃ、１０５ｄ 電極端子対 １０６ｃ、１０６ｄ 電極端子対 １２１ ベース基板 １２２ 一次側コネクタ １２３ 二次側コネクタ １２４ａ、１２４ｂ 磁性材コア １２５ａ〜１２５ｋ 絶縁フィルム １２６ａ〜１２６ｆ 一次コイル用プリント基板 １２７ａ〜１２７ｆ 二次コイル用プリント基板 １３６ａ〜１３６ｆ 電極取り出し部 １３７ａ〜１３７ｆ 電極取り出し部 １４０、１４１、１５０ 開口部 １４２、１４４ 巻き線パターン １４３、１５０ スルーホール １５２、１５３ 巻き線パターン ２０１ 一次側制御領域 ２０２ 二次側制御領域 ２０３ａ〜２０３ｆ 半導体スイッチ素子

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津村 育洋 東京都新宿区西落合１丁目31番４号 日本 光電工業株式会社内 Ｆターム(参考） 5E043 AA08 AB09

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一次巻き線を構成する巻き線パターンが
   設けられた複数の一次コイル用プリント基板と、二次巻
   き線を構成する巻き線パターンが設けられた複数の二次
   コイル用プリント基板とで構成された半導体スイッチ用
   トランスであって、 前記一次コイル用プリント基板と、前記二次コイル用プ
   リント基板とが交互に積層配置されていることを特徴と
   する半導体スイッチ用トランス。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の半導体スイッチ用トラ
   ンスであって、 複数の前記一次コイル用プリント基板の電極端子対同士
   が電気的に接続されて、外部接続用の第一の一次側端子
   対または第二の一次側端子対として取り出されているこ
   とを特徴とする半導体スイッチ用トランス。
3. 【請求項３】 請求項１または２に記載の半導体スイッ
   チ用トランスであって、 複数の前記二次コイル用プリント基板の電極端子対が各
   基板毎に独立し、それぞれ外部接続用の二次側端子対と
   して、取り出されていることを特徴とする半導体スイッ
   チ用トランス。
4. 【請求項４】 請求項１〜３のいずれかに記載の半導体
   スイッチ用トランスであって、 前記一次コイル用プリント基板と、前記二次コイル用プ
   リント基板との間に絶縁フィルムを挿入して積層されて
   いることを特徴とする半導体スイッチ用トランス。
5. 【請求項５】 請求項１〜４のいずれかに記載の半導体
   スイッチ用トランスであって、 ベース基板上に略Ｅ字型の磁性材コアが設置され、前記
   一次コイル用プリント基板と、前記二次コイル用プリン
   ト基板と、前記絶縁フィルムとが、各々の開口部を前記
   略Ｅ字型の磁性材コアに挿通され、最上部には、閉磁路
   を形成するように、略Ｉ字型の磁性材コアが設置されて
   いることを特徴とする半導体スイッチ用トランス。
6. 【請求項６】 請求項１〜５のいずれかに記載の半導体
   スイッチ用トランスにおいて、 前記外部接続用の第一の一次側端子対に電気的に接続さ
   れた前記一次コイル用プリント基板と、前記外部接続用
   の第二の一次側端子対に電気的に接続された前記一次コ
   イル用プリント基板とが、交互に積層配置されたことを
   特徴とする半導体スイッチ用トランス。
7. 【請求項７】 請求項１〜６のいずれかに記載の半導体
   スイッチ用トランスにおいて、 前記二次コイル用プリント基板の電極端子対が、基板毎
   に前記プリント基板の積層方向と直交する方向にずれる
   ように配置されていることを特徴とする半導体スイッチ
   用トランス。
8. 【請求項８】 請求項７に記載の半導体スイッチ用トラ
   ンスにおいて、 前記二次コイル用プリント基板の電極端子対が、基板毎
   に前記プリント基板の積層順序にしたがって順次ずれて
   いることを特徴とする半導体スイッチ用トランス。
9. 【請求項９】 請求項１〜８のいずれかに記載の半導体
   スイッチ用トランスであって、 前記外部接続用の第一の一次側端子対および第二の一次
   側端子対に、前記半導体スイッチ用トランスの一次側電
   流を制御する制御回路を接続し、 複数の前記外部接続用の二次側端子対に、それぞれ半導
   体スイッチ素子のゲートを直接制御するゲート駆動回路
   を接続することで、 該半導体スイッチ素子が同時に制御できるように構成さ
   れたことを特徴とする半導体スイッチ用トランス。
10. 【請求項１０】 請求項９に記載の半導体スイッチ用ト
    ランスを用いた半導体スイッチ駆動回路であって、 前記外部接続用の第一の一次側端子対および第二の一次
    側端子対に、制御信号により、前記トランスの一次側電
    流を制御する一次側領域が接続され、 複数の前記外部接続用の二次側端子対に、それぞれ半導
    体スイッチ駆動回路の半導体スイッチ素子のゲートを直
    接制御する二次側領域が接続され、複数の前記半導体ス
    イッチ素子が接続され、 前記制御信号により、前記半導体スイッチ素子が同時に
    制御されるように構成されたことを特徴とする半導体ス
    イッチ駆動回路。
11. 【請求項１１】 請求項１０に記載の半導体スイッチ駆
    動回路を用いた電気的治療装置であって、 電気パルスを発生させる回路に、前記半導体スイッチ駆
    動回路を含む構成としたことを特徴とする電気的治療装
    置。