JP2001273923A - 正極集電体の製造方法 - Google Patents
正極集電体の製造方法Info
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Abstract
造を精密に制御することができる正極集電体の製造方法
を提供する。 【解決手段】 炭素繊維又はグラファイト繊維からなる
フェルト状の基材を用意し、基材の一方の表面に、ガラ
ス繊維からなる布状体若しくは綿状体を積重し、布状体
若しくは綿状体をニードルパンチにより基材に打ち込む
ことにより高抵抗層を形成する正極集電体の製造方法で
ある。基材厚みに対し2倍以上、15倍未満の繊維長さ
を有するガラス繊維からなる布状体若しくは綿状体を、
基材に打ち込む。
Description
ム−硫黄電池等に好適に用いられる正極集電体の製造方
法に関し、詳しくは高抵抗層の構造を精密に制御するこ
とができる正極集電体の製造方法に関するものである。
S電池」という。)は、300〜350℃の高温で作動
させる密閉型高温二次電池であって、負極活物質である
ナトリウムと正極活物質である硫黄とを、ナトリウムイ
オンを選択的に透過させる機能を有する固体電解質(例
えばβ−アルミナ、β"−アルミナ等)により隔離収納
した構造を有するものである。
円筒状の正極容器9の内部に有底円筒状の固体電解質管
13を配置し、固体電解質管13内部に負極活物質のナ
トリウム2を、外部には正極活物質の硫黄4を隔離収納
したものである。固体電解質管13は、α−アルミナ等
からなる絶縁体リング3、円筒状金具5を介して正極容
器9に接合され、正極側と負極側とが電気的に絶縁され
るように構成されている。
のナトリウム2が外部回路に電子を放出してナトリウム
イオンとなり、固体電解質管13内を透過して正極側に
移動し、正極活物質の硫黄4及び外部回路から供給され
る電子と反応して多硫化ソーダを生成することによっ
て、2V程度の電圧を発生させる。
加することによって、多硫化ソーダが外部回路に電子を
放出して硫黄とナトリウムイオンを生成し、固体電解質
管13内を透過して負極側に移動したナトリウムイオン
を、外部回路から供給する電子と反応させて電気的に中
性化することにより、電気エネルギーを化学エネルギー
に変換する。
絶縁物であるため、正極と負極との間の導通を確保し、
電池の内部抵抗を低減することを目的として、正極集電
体11を配設することが一般的である。正極集電体11
は、導電性を有する炭素繊維又はグラファイト繊維から
なるフェルト材で構成された部材であり、正極活物質の
硫黄4を含浸させ、正極容器9内周面と固体電解質管1
3外周面の双方に当接するように配置することにより、
正極と負極との間の導通が確保され、電池の内部抵抗も
低減される。
の固体電解質管13と当接する表面側に、絶縁性物質で
あるガラス繊維をニードルパンチにより打ち込んで形成
された高抵抗層を有している。高抵抗層は、固体電解質
管13と正極集電体11との接触面近傍の導電性を低下
させるため、充電時に固体電解質管13と正極集電体1
1との接触面近傍のみで電子の授受反応が行われること
を回避できる。従って、当該部分に絶縁物である硫黄が
析出し、充電反応の進行とともに電池の内部抵抗が上昇
することに起因する充電回復性の低下(多硫化ソーダが
残存しているにも拘わらず充電反応が進行せず、充電が
完結しない現象)を防止することが可能である。
を有する正極集電体を配設した場合でもなお、充電回復
性が低下したり、或いは逆に電池の内部抵抗が上昇し、
放電時におけるナトリウムイオンの正極側への移動が妨
げられる場合が生じていた。これらの不具合は、高抵抗
層の構造が精密に制御されていないことに起因するもの
である。
被覆率(以下、「表面被覆率」という。)が所定の範囲
内に制御されていない場合には適切な電池の内部抵抗が
得られず、基材厚みに対するガラス繊維が打ち込まれた
深さの比率(以下、「内部到達率」という。)が所定の
範囲内に制御されていない場合には充電回復性が低下す
ることが判明している。
に鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、表面被覆率や内部到達率などの高抵抗層の構造を精
密に制御することができる正極集電体の製造方法を提供
することにある。
した結果、高抵抗層を形成するためのガラス繊維の繊維
長さ、ガラス繊維表面を被覆するバインダー量及びその
脱脂条件により、表面被覆率や内部到達率などの高抵抗
層の構造を精密に制御可能であることを見出して本発明
を完成した。
ラファイト繊維からなるフェルト状の基材を用意し、当
該基材の一方の表面に、ガラス繊維からなる布状体若し
くは綿状体を積重し、当該布状体若しくは綿状体をニー
ドルパンチにより基材に打ち込むことにより高抵抗層を
形成する正極集電体の製造方法であって、基材厚みに対
し2倍以上、15倍未満の繊維長さを有するガラス繊維
からなる布状体若しくは綿状体を、基材に打ち込むこと
を特徴とする正極集電体の製造方法が提供される。
ラファイト繊維からなるフェルト状の基材を用意し、当
該基材の一方の表面に、ガラス繊維からなる布状体若し
くは綿状体を積重し、当該布状体若しくは綿状体をニー
ドルパンチにより基材に打ち込むことにより高抵抗層を
形成する正極集電体の製造方法であって、ガラス繊維質
量に対し0.5質量%以上、2.2質量%未満のバイン
ダーを繊維表面に付着せしめたガラス繊維からなる布状
体若しくは綿状体を、基材に打ち込んだ後、空気中、3
00℃以上、600℃以下の条件でバインダーを脱脂す
ることを特徴とする正極集電体の製造方法が提供され
る。
パンチの際に、金属針のフック部分を基材厚みの70〜
100%の深さまで打ち込むことが好ましい。
を形成するためのガラス繊維の繊維長さ、ガラス繊維表
面に付着するバインダー量及びその脱脂条件を適正な範
囲に規定したものである。このような製造方法によれ
ば、表面被覆率や内部到達率などの高抵抗層の構造を精
密に制御することが可能となる。以下、本発明の正極集
電体について詳細に説明する。
下、単に「集電体」という。)は、絶縁性に優れること
に加えて、多硫化ソーダとの親和性が高いガラス繊維を
高抵抗層の材料とし、当該ガラス繊維を、高い導電性を
有し、正極活物質の硫黄に対する耐食性に優れる炭素繊
維又はグラファイト繊維をフェルト状とした基材の一方
の表面側からニードルパンチにより打ち込んで高抵抗層
を形成したものである。
工等に用いられるニードルパンチ機を使用して行うこと
ができる。ニードルパンチ機は、先端部や長手方向の中
途にフックを有する金属針が多数突設された針ボード
を、加工対象物に対して鉛直方向に打ち込み、引き抜く
操作を繰り返すことが可能な装置である。また、ニード
ルパンチ機には、針ボードの打ち込みに同期して加工対
象物を水平方向に移動可能なベルトコンベアー等の移動
手段が併設されている。
ガラス繊維からなる布状体(例えば不織布等)や綿状体
を基材表面に積重し、ガラス繊維側から針ボードを打ち
込むと、金属針のフック部分に係合されたガラス繊維が
金属針と共に基材の厚み方向に打ち込まれる。更に、ベ
ルトコンベアー等で基材を水平方向へ移動させながら、
針ボードを打ち込むことにより、基材全体に均一な間隔
でガラス繊維が打ち込まれる。
を継続的に打ち込むと、基材表面のガラス繊維が基材内
に打ち込まれて徐々に減少し、基材内部と基材表面の双
方にガラス繊維からなる高抵抗層が形成される。更に打
ち込みを継続すると最終的には基材を構成する炭素繊維
等の一部が表面に露出するようになる。
は、基材の一方の表面が高抵抗層で被覆され、当該部分
の電気抵抗が高いため、充電時に固体電解質管と集電体
との接触面近傍のみに絶縁物である硫黄が析出して絶縁
層が形成されることを防止できる。従って、充電反応の
進行とともに電池の内部抵抗が上昇することがなく、充
電回復性が高い点において好ましいものである。
ドルパンチにより打ち込んで高抵抗層を形成しているた
め、ガラス繊維が基材の厚み方向に配向している。多硫
化ソーダに対する濡れ性に優れるガラス繊維が基材の厚
み方向に配向していると、当該ガラス繊維に沿って多硫
化ソーダが移動するため、集電体における多硫化ソーダ
の移動が促進される。従って、電池が大型化し集電体の
厚みが増加した場合でも、円滑な充電が可能となり、充
電回復率が高められるという効果がある。
5%としたものが好ましいことが判明している。表面被
覆率を20%以上とすることにより、固体電解質管と集
電体との接触面近傍の導電性を確実に低下させることが
でき、充電回復性を向上させることが可能である一方、
表面被覆率を85%以下とすることにより電池の内部抵
抗が一定値以下に抑制されるため、放電時におけるナト
リウムイオンの正極側への移動を円滑に行うことが可能
となるからである。
するためのガラス繊維の繊維長さを適正な範囲に規定し
たものである。ガラス繊維の繊維長さを適正な範囲に規
定することにより、表面被覆率が精密に制御された集電
体を得ることができる。具体的には、ガラス繊維の繊維
長さを基材厚みに対し2倍以上とすることにより、表面
被覆率を20%以上に制御することが可能となる。
くした場合には、ニードルパンチの際にガラス繊維が基
材内部に完全に埋没してしまうため、表面被覆率が20
%未満となるおそれがあるからである。
パンチの際の金属針の打ち込さ深さを浅くすることによ
り、基材表面のガラス繊維の残存量を多くする方法も考
えられるが、このような方法で製造した集電体は内部到
達率が低下することに起因して、電池の充電回復性を低
下させる点において好ましくない。
に対し15倍未満とすることにより、表面被覆率を85
%以下に制御することが可能となる。繊維長さを基材厚
みに対し15倍以上と長くした場合には、ニードルパン
チの際に基材表面に残存するガラス繊維が多くなるた
め、表面被覆率を85%以下に制御することが困難とな
るからである。
パンチの際の金属針の打ち込み回数を多くすることによ
り、基材表面のガラス繊維の残存量を減らす方法も考え
られる。
た集電体はニードルパンチ条件が過酷となることに起因
して、基材が損傷するため、集電体の電子伝導性が低下
し、電池とした場合に内部抵抗の上昇を招く点において
好ましくない。また、集電体は、ニードルパンチ後に所
定の長さ、幅に裁断し、金型を用いて円弧状に湾曲さ
せ、硫黄を含浸することにより電池部品とするため、基
材が損傷した集電体はこれらの工程で亀裂が発生する
等、取扱いが著しく困難となる点においても問題であ
る。
織布などの布状体、或いは綿状体に加工されたガラス繊
維をニードルパンチにより基材に打ち込む。従って、第
1の実施態様においては、繊維長さが所定範囲内に制御
されたガラス繊維の布状体、綿状体を用意する必要があ
る。
方法により加工すればよい。まず、原料となるガラス繊
維を所定の長さに切断して短繊維とし、機械的に解繊
し、当該短繊維を、そのまま均一に薄く綿状に積層し
軽いニードルパンチにより固定する方法、クロスレヤ
ー機等により、繊維方向を揃えた薄い網状体を作製し、
当該網状体を繊維方向が交差するように複数枚積層した
後、軽いニードルパンチにより固定する方法、溶媒に
分散させ、紙漉と同様の方法で不織布とする方法、等に
より不織布とすることができる。
するためのガラス繊維の表面に付着するバインダー量を
適正な範囲に規定したものである。バインダー量を適正
な範囲に規定することにより、ニードルパンチの際にガ
ラス繊維が破断することなく基材内部に打ち込まれ、表
面被覆率が精密に制御された集電体を得ることができ
る。具体的には、ガラス繊維表面に付着するバインダー
量をガラス繊維質量に対し0.5質量%以上とすること
により、表面被覆率を20%以上に制御することが可能
となる。
場合には、ニードルパンチの際にガラス繊維が破損して
しまい、基材とガラス繊維とが一体化できないため、表
面被覆率を20%以上に制御することができなくなるか
らである。なお、本明細書にいう「バインダー」とは、
ガラス繊維の破損を防止するためにガラス繊維の表面に
付着せしめる物質を意味し、例えばコーンスターチ、澱
粉類、ステアリン酸等の滑剤が挙げられる。
所定の表面被覆率を達成するためには、ガラス繊維表面
に所定量のバインダーが付着していることが必須の要件
である。但し、ガラス繊維を基材に打ち込んだ後にはバ
インダーを脱脂する必要がある点に留意しなければなら
ない。
00〜350℃の高温で作動する密閉型の電池であり、
電池内部には不活性ガスが封入されているため、有機物
であるバインダーが残存すると、高温分解により水素、
酸素、二酸化炭素等のガスが発生し電池の内圧が上昇す
る点において好ましくないからである。
うな酸素存在下における熱処理により脱脂することが可
能であるが、炭素繊維等で構成されている基材の酸化、
或いは基材への煤の付着により集電体の電子伝導性が低
下する事態は避ける必要がある。
着せしめるバインダー量の上限及び脱脂条件についても
規定した。こうすることにより、基材の酸化等を防止で
き、かつ、バインダー成分を完全に除去することが可能
となる。具体的には、バインダー量の上限を2.2質量
%未満とし、かつ、空気中において300℃以上、60
0℃以下の温度でバインダーを脱脂することとしてい
る。
ことにより空気中、300℃以上の条件で確実にバイン
ダーを脱脂することができ、温度を600℃以下に制限
すれば基材が酸化されたり、基材に煤が付着することは
なく、集電体の電子伝導性が低下する事態を回避できる
からである。
量が所定範囲内に制御されたガラス繊維の布状体、綿状
体を用意する必要がある。ガラス繊維はガラス原料を高
温で溶融して繊維状に引き抜き、冷却固化させることに
より得られるため、前記引き抜きの際にバインダーの希
釈溶液(水溶液など)を噴霧することにより溶媒を揮発
させバインダーのみをガラス繊維に付着させればよい。
バインダー量は希釈溶液の噴霧量によって制御すること
が可能である。このようにして得られたガラス繊維を、
第1の実施態様と同様の方法で不織布としたもの等を布
状体、綿状体として使用することができる。
1の実施態様と第2の実施態様を組み合わせること、即
ち、ガラス繊維の繊維長さ、ガラス繊維表面を被覆する
バインダー量及びその脱脂条件を所定の範囲内として集
電体を製造することが好ましい。これにより第1の実施
態様と第2の実施態様の効果の双方が発揮されるからで
ある。
パンチの際に、金属針のフック部分を基材厚みの70〜
100%の深さまで打ち込むことが好ましい。金属針の
フック部分を打ち込む深さ(以下「打ち込み深さ」とい
う。)によりガラス繊維が基材に打ち込まれる深さを制
御することができるため、内部到達率70〜100%の
集電体を形成することができるからである。内部到達率
を70%以上とすることにより、多硫化ソーダの移動が
更に促進され、充電回復性が向上する一方、内部到達率
を100%以下とすることにより、ガラス繊維が基材の
他方の表面まで突出し、正極容器と集電体との当接面に
おける接触抵抗が高くなることを防止できる。
体は、図1に示すような中空円筒状の正極容器9の内部
に有底円筒状の固体電解質管13が配置され、固体電解
質管13内部に負極活物質のナトリウム2、外部に正極
活物質の硫黄4が隔離収納された構造を有するNAS電
池1において、高抵抗層を有する面が固体電解質管13
の外周面に当接するように配置することにより、充電回
復性に優れ、内部抵抗が低いNAS電池を構成すること
が可能となる。
を、実施例を用いて更に詳細に説明する。但し、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、目
付量とは、シート状材料(フェルト材、布状体、綿状体
など)の単位面積当たりの質量(g/m2)を示すもの
であり、シート状材料の全質量をその面積で除すること
により算出することが可能である。
電体を製造した。基材としては、直径数μm〜10数μ
mの炭素繊維からなり、幅50cm、長さ300cm、
厚さ15mm、目付量1700g/m2のフェルト材を
使用した。基材の厚さは、厚板直径30mm、負荷加重
200gのダイヤル式シックネスゲージを用い、基材の
幅方向、長手方向の数点について測定した厚さの平均値
を使用した。
のガラス繊維からなる不織布を、基材と同一の幅及び長
さに切断したものを使用した。ガラス繊維は、クロスレ
ヤー機を用いて、一旦機械的に解繊し、繊維方向を揃え
た薄い網状体を作製し、当該網状体を繊維方向が交差す
るように積層する方法により目付量250g/m2の不
織布とした。
使用し、前記の不織布を基材に積重し、不織布側からニ
ードルパンチすることにより行った。ニードルパンチ条
件については、針の打ち込み深さを除き、全て同一の条
件で行った。即ち、針ボードの針形状、針密度、針のフ
ック位置、針の打込み数(単位面積当たりの針打込み密
度)等のニードルパンチ条件については同一の条件とし
た。なお、打ち込み深さは、基材厚みに対する比率
(%)で表記した。
成するガラス繊維の繊維長さを制御した場合の効果につ
いて評価した。繊維長さは、一旦機械的に解繊し所定長
さに切断することにより制御し、当該ガラス繊維をクロ
スレヤー機にかけて繊維長さの異なる不織布を得た。
率、破断荷重、当該集電体を組み込んだNAS電池の内
部抵抗及び充電回復率を基準として行った。以下、これ
らの測定方法を示す。
材にガラス繊維を打ち込んだ集電体(試料A)と、これ
と同一のパンチ条件でニードルパンチのみ行った基材
(試料B)を縦350mm×横100mmの大きさに切
り出した。次いで、各試料を表裏両面から縦400mm
×横200mmの平板状電極で厚さ13mmまで圧縮し
た状態で4端子法により抵抗値を測定し、試料Aの抵抗
値Raと試料Bの抵抗値Rbから、下記式(1)により表
面被覆率を計算した。 表面被覆率[%]=100×(1−Rb/Ra) …(1)
材にガラス繊維を打ち込んだ集電体を縦350mm×横
100mmの大きさに切り出し、試料を作製した。当該
試料を有酸素雰囲気下、1000℃、2時間の条件で熱
処理することにより基材部分を焼失させ、残留したガラ
ス繊維の長さの実測値Lrと熱処理前の基材厚みLiか
ら、下記式(2)により内部到達率を計算した。 内部到達率[%]=100×Lr/Li …(2)
ついては、図1に示す構造のNAS電池1に各実施例の
集電体を組み込み、以下の方法で測定した。正極容器9
は外径92mmのものを、固体電解質管13は全長45
0mm、外径60mm、肉厚2.5mmのものを、集電
体11は厚さ14mm、長さ350mmのものを使用し
た。
電圧端子を付けた後、320℃の高温槽に入れ、定格電
流による充放電を実施した。放電、充電の各状態におい
て充放電途中の電池電圧と通電電流から抵抗値を換算
し、放電全域、充電全域にわたる平均抵抗を計算し、平
均放電抵抗と平均充電抵抗を求めた。これらの平均放電
抵抗、平均充電抵抗の相加平均から平均抵抗値を算出し
た。平均抵抗値が3.5mΩ未満の場合は◎、3.5m
Ω以上の場合は×として評価した。
一定電圧とした場合の未充電容量Cr(Ah)と電池の
設計容量Cf(Ah)とから、下記式(3)により充電
回復率を計算した。電池の定格充電電流での値を充電回
復率1、定格の1/4の充電電流での値を充電回復率2
とし、充電回復率1が89%以上で、かつ、充電回復率
2が95%以上の場合は◎、充電回復率1が89%未
満、或いは充電回復率2が95%未満の場合は×として
評価した。 充電回復率[%]=100×(1−Cr/Cf) …(3)
を故意に浅くした場合(実施例1−7)、打ち込み深さ
を故意に深くした場合(実施例1−11,1−12,1
−15,1−18,1−21)等の、ごく例外的な場合
を除き、繊維長さが基材厚みの2倍以上、15倍未満の
集電体を組み込んだNAS電池は良好な内部抵抗を示し
た。
施例1−7)には、内部到達率が70%未満となること
に起因して多硫化ソーダの移動を促進することができな
いため、充電抵抗が上昇し、充電回復性の低下を招い
た。また、打ち込み深さを故意に深くした場合(実施例
1−11,1−12,1−15,1−18,1−21)
には、内部到達率が100%超となることに起因して、
ガラス繊維が基材の他方の表面まで突出するため、正極
容器と集電体との当接面における接触抵抗が高くなり、
内部抵抗が上昇した。
の深さから基材表面にまで連続して存在することにより
初めて多硫化ソーダの移動を促進する効果を奏するが、
繊維長さが基材厚みの2倍未満である場合(実施例1−
1〜1−6)には、打ち込み深さを70%以上とすると
ガラス繊維が基材内部に埋没してしまい、ガラス繊維が
基材表面にまで連続して存在する状態とはならなかっ
た。従って、表面被覆率が低下したことと相俟って、充
電時に固体電解質管と集電体との接触面近傍に硫黄が析
出し易い状態となり、充電抵抗の増加と充電回復率の低
下を招いた。
である場合(実施例1−22〜1−24)には、内部到
達率を100%以下とすると基材表面におけるガラス繊
維の残存が多く、表面被覆率が85%以下にならなかっ
た。従って、当該集電体を組み込んだNAS電池は内部
抵抗が3.5mΩ以上と高かった。
面に付着するバインダー量及びその脱脂条件を制御した
場合の効果について評価した。バインダー量は、ガラス
原料を高温で溶融して繊維状に引き抜いてガラス繊維と
する際に噴霧するバインダー希釈溶液の噴霧量によって
制御し、当該ガラス繊維をクロスレヤー機にかけてバイ
ンダー量の異なる不織布を得た。実施例2においては、
ガラス繊維の長さは全て60mm(基材厚みの4倍)と
した。
チの15質量%水溶液を使用した。バインダー量0質量
%の不織布(実施例2−1)は、不織布を作製した後に
空気雰囲気下(酸素約21質量%)で1000℃、2時
間の熱処理を実施することによりバインダーを完全に除
去したものである。
留バインダー量、集電体の表面被覆率、抵抗比率を基準
として行った。集電体の表面被覆率については実施例1
と同様の方法により測定した。以下、残留バインダー
量、集電体の抵抗比率の測定方法を示す。
が付着した状態の不織布の質量Waと、当該不織布を空
気雰囲気下において1000℃、2時間の熱処理を行っ
て脱脂した後の質量Wbから、下記式(4)により計算
した値を使用した。 バインダー量[質量%]=100×(1−Wb/Wa) …(4)
ーが付着した状態の不織布の質量Waと、当該不織布を
各実施例の脱脂条件において空気雰囲気下で熱処理を行
った後の質量Wcから、下記式(5)により計算した値
を使用した。 残留バインダー量[質量%]=100×(1−Wc/Wa) …(5)
同一の条件で熱処理した後に試料Aの抵抗値Rcを測定
し、試料Aの抵抗値Raと熱処理後の抵抗値Rcから、
下記式(6)により抵抗比率を計算した。 抵抗比率[%]=100×Rc/Ra …(6)
量、脱脂条件が本発明の範囲内である場合は全て残留バ
インダー量が0質量%と、完全にバインダーを除去でき
た。また、バインダー量、脱脂条件が本発明の範囲内の
不織布をニードルパンチして高抵抗層を形成した集電体
は全て抵抗比率が100%、即ち脱脂の際の熱処理によ
り基材の酸化や基材への煤の付着に伴う抵抗の上昇は認
められなかった。
量が0.5質量%未満の不織布を使用した場合(実施例
2−1〜2−4)、ニードルパンチの際にガラス繊維が
破損してしまい、基材とガラス繊維とが一体化できない
ため、表面被覆率が20%以上に上昇しなかった。
も脱脂温度が300℃未満の場合(実施例2−5,2−
11)にはバインダーが残留した。また、バインダー量
に拘わらず、脱脂温度が600℃を超えると基材の酸化
や基材への煤の付着により抵抗が上昇した(実施例2−
9,2−14,2−19)。更に、バインダー量が本発
明の範囲より高い場合には、本発明の脱脂条件において
はバインダーを完全に除去できなかった(実施例2−2
0〜2−24)。
体の製造方法は、表面被覆率や内部到達率などの高抵抗
層の構造を精密に制御することができる。従って、本発
明の製造方法は、内部抵抗が低く、充電回復性に優れた
NAS電池の提供に資することができる。
略断面図である。
4…硫黄、5…円筒状金具、7…陰極金具、9…正極容
器、10…くびれ部、11…正極集電体、13…固体電
解質管。
Claims (3)
- 【請求項1】 炭素繊維又はグラファイト繊維からなる
フェルト状の基材を用意し、当該基材の一方の表面に、
ガラス繊維からなる布状体若しくは綿状体を積重し、当
該布状体若しくは綿状体をニードルパンチにより基材に
打ち込むことにより高抵抗層を形成する正極集電体の製
造方法であって、 基材厚みに対し2倍以上、15倍未満の繊維長さを有す
るガラス繊維からなる布状体若しくは綿状体を、基材に
打ち込むことを特徴とする正極集電体の製造方法。 - 【請求項2】 炭素繊維又はグラファイト繊維からなる
フェルト状の基材を用意し、当該基材の一方の表面に、
ガラス繊維からなる布状体若しくは綿状体を積重し、当
該布状体若しくは綿状体をニードルパンチにより基材に
打ち込むことにより高抵抗層を形成する正極集電体の製
造方法であって、 ガラス繊維質量に対し0.5質量%以上、2.2質量%
未満のバインダーを繊維表面に付着せしめたガラス繊維
からなる布状体若しくは綿状体を、基材に打ち込んだ
後、空気中、300℃以上、600℃以下の条件でバイ
ンダーを脱脂することを特徴とする正極集電体の製造方
法。 - 【請求項3】 ニードルパンチの際に、金属針のフック
部分を基材厚みの70〜100%の深さまで打ち込む請
求項1又は2に記載の正極集電体の製造方法。
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JP2000087939A JP3416609B2 (ja) | 2000-03-28 | 2000-03-28 | ナトリウム−硫黄電池用正極集電体の製造方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2016519399A (ja) * | 2013-05-03 | 2016-06-30 | ジェナックス インコーポレイテッド | 不織布集電体、これを用いた電池の製造方法及びその製造システム |
KR101900821B1 (ko) | 2012-12-27 | 2018-09-20 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 나트륨 유황 전지의 양극재 펠트 제조 방법과 제조 장치 및 양극재 펠트 |
-
2000
- 2000-03-28 JP JP2000087939A patent/JP3416609B2/ja not_active Expired - Lifetime
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