JP2001272469A - 放射線測定警報システム - Google Patents

放射線測定警報システム

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JP2001272469A JP2000086032A JP2000086032A JP2001272469A JP 2001272469 A JP2001272469 A JP 2001272469A JP 2000086032 A JP2000086032 A JP 2000086032A JP 2000086032 A JP2000086032 A JP 2000086032A JP 2001272469 A JP2001272469 A JP 2001272469A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】放射線漏れ事故に際して、多数の住民や事故対
策作業員の放射線被爆量をリアルタイムに測定し、正確
な被爆放射線量を認識して危険性を判断し、その結果を
危険度に応じてリアルタイムに警報として個別に知らせ
ることができるシステムを提供する。 【解決手段】相互に無線通信のできる親機1と複数の子
機2とから構成され、子機2は、放射線を感知しこれを
測定信号データに変換するとともに当該測定信号データ
を含む電気的信号データを送受信でき、しかも親機1か
らの警報信号を受信することにより警報(危険/安全)
の出力表示できるようにしたものであり、親機1は、子
機2から送信されてくる測定信号データからノイズを弁
別して真正放射線データを抽出し、これを予め定めた安
全基準と比較して危険度を判別し、その判別結果に応じ
て警報信号を子機に送信し得るようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、相互に無線通信のでき
る親機と複数の子機との組み合わせにかかる放射線測定
警報システムであって、放射線漏れ事故などに際して、
多数の住民や事故対策作業員などに子機を携帯させて、
その放射線の被爆量をリアルタイムに測定し、これを無
線通信により自動的に親機に知らせ、親機において正確
な被爆放射線量を認識して危険性を判断し、その結果を
危険度に応じて子機を携帯する被爆者やその虞のある人
々にリアルタイムに警報として個別に知らせることがで
きる社会システムを提供せんとするものである。
【0002】
【従来の技術】近年、原子力発電所やそれと関連する原
子燃料製造施設や放射性廃棄物処理施設など原子力平和
利用施設からの放射能漏れ事故が世界の各地で起こって
おり、そのために周辺地域住民が放射線被爆したり、被
爆被害を最小限にするために避難させたり、被爆量を測
定しながら作業したり治療をうけたりする対応措置がと
られることがある。これらの原子力利用施設は、本来安
全性が担保されてのみ、その存在が認められるものであ
る。従って施設運営者側からは、いつも放射線漏れ対策
は考えられる限り万全に施されているので絶対に安全で
あるとの説明がなされるが、現実には放射線漏れ事故が
しばしば起こっており、住民や関係者の間に被爆被害も
発生している。即ち、原子力利用施設の安全神話は崩れ
去り、人間の能力の限界を感じざるを得ない。しかも、
絶対的安全性を前提にしているため、万一の事故に対応
する周辺住民に対する有効な放射線測定警報システムが
殆ど提案されていない。
【0003】放射線測定器や放射線測定システムとして
は、例えば特開平10−197645号,特開平8−8
2681号等数多く開発されたり提案されているが、こ
れらはいずれも特定の施設内で関係者が利用することを
目的にして放射線を正確に測定する方法についてのみ研
究開発されているものである。このため、広域に不特定
多数の人々が動き回って散在する住民の放射線被爆量を
リアルタイムに測定したり、その住民に放射線被爆の危
険性をリアルタイムに警報したりするシステムには利用
に適さないものばかりである。
【0004】実際事故の起こった東海村の例において
も、特定地域の住民の退避勧告をしたり、外出禁止警告
を出すだけで、住民の各人がどのくらい放射線被爆があ
ったかは、後刻測定して安全性の許容範囲か否かを知ら
せるなどの対応策をとるだけで、住民の不安と不満はぬ
ぐいきれていない。万一放射線漏れ事故があった場合、
被爆の虞がある住民は、個別に携帯した測定器でリアル
タイムに被爆量を測定することができ、その危険性を直
ちに警報により各人に警報として知らせてほしいという
のが、せめてもの願である。本発明は、このような住民
の願いをかなえることを目標として研究開発したもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】放射線漏れ事故は、人
間の五感では認識できない。そのため不特定多数の人々
が動き回って散在する住民の放射線被爆リアルタイムに
感知しそれを測定してその住民に放射線被爆の危険性を
警報できるシステムであることが必要である。このよう
な要請を実現するためには、放射線を測定できる器具を
住民なら誰でも容易に携帯することができ、しかもその
生活活動をなんら制限することがない小型の形状にする
こと、放射線測定値にはノイズが混在し易いのでそのノ
イズを除いて放射線の測定値を常に正確にできること、
測定結果からの危険性の判定は専門家により正確に行う
必要があること、危険性の判定結果はその放射線を測定
した子機ごとに個別に警報を通知できるようにすること
等の課題を解決させる必要がある。
【0006】また、放射線の測定センサーは、例えば、
α線の場合には光電管ダイオードなどの半導体式、β線
の場合にはプラスチックシンチレーション式、γ線も半
導体式で測定できることが知られており、小型化の可能
性はあるが、α線、β線、γ線のそれぞれを測定する際
のグローブが異なっているうえ、測定値にはノイズが混
在しており、放射線の種類別に真正な放射線量の測定値
を認識するのは非常に難しい。また、種類別に真正な放
射線量を認識できたとしても、その危険度がどの程度な
のかの判断は専門家でないと困難である。更に、放射線
被爆したらリアルタイムでその被爆量を測定でき、しか
も危険にさらされていることをリアルタイムに警報など
により知らせることが困難である。
【0007】これらの技術的課題を解消し、放射能漏れ
事故による被曝被害を最小限にし、住民の不安を可及的
に軽減せんとするのが、本発明の目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような課
題を解消しようとするもので、次のような構成としたも
のである。
【0009】特許を受けようとする第1発明は、相互に
無線通信のできる親機と複数の子機との組み合わせにか
かる放射線測定警報システムであって、当該子機は、放
射線検出部と子機送信装置と子機受信装置と警報装置と
子機制御部とから構成されており、放射線を感知しこれ
を測定信号データに変換するとともに当該測定信号デー
タを含む電気的信号データを送受信でき、しかも親機か
らの警報信号を受信することにより警報(危険/安全)
の出力表示できるようにしたものであり、前記親機は、
送信装置と受信装置と測定信号データから真正放射線デ
ータを弁別抽出するノイズ弁別装置と、当該真正放射線
データの危険度を判別する危険度判別手段と、その判別
結果に応じて警報信号を子機に送信するようにした警報
信号発信手段とから構成されており、子機から送信され
てくる測定信号データからノイズを弁別して真正放射線
データを抽出し、これを予め定めた安全基準と比較して
危険度を判別し、その判別結果に応じて警報信号を子機
に送信し得るようにしたものであることを特徴とする放
射線測定警報システムである。
【0010】特許を受けようとする第2発明は、相互に
無線通信のできる親機と複数の子機との組み合わせにか
かる広域放射線測定警報システムである。
【0011】当該子機は、放射線検出部と子機送信装置
と子機受信装置と警報装置と子機制御部とから構成され
ている。
【0012】当該放射線検出部は、放射線を感知し電気
的測定信号に変換するセンサーと、当該センサーからの
測定信号を増幅するプリアンプとから成る。
【0013】子機送信装置は、表面波発信器とトランジ
スタにより高周波を発信する子機発信部と、測定信号デ
ータを高周波に変調する子機変調部と、送信用パターン
アンテナ部とからなり送信データを高周波送信できるよ
うにしたものである。
【0014】子機受信装置は、受信用パターンアンテナ
部と受信用高周波プリアンプ部と高周波信号を受信デー
タに復調する子機復調部とからなり、複数の子機からの
高周波信号を受信し、受信データに復調できるようにし
たものである。
【0015】警報装置は、非常時にスイッチを押すこと
により、非常用電波を継続的に送信する状態にする非常
用発信スイッチと、親機からの警報信号を受けて子機に
音や光で放射線を浴びていることを知らせる警報表示部
とからなるものである。
【0016】子機制御部は、親機からのコマンドを解釈
し、コマンドに対応する応答や、ID管理や、時間管理
を行う手段を構成するようにした子機制御部とから成
る。
【0017】当該子機は、センサーで放射線を感知する
とこれを電気的測定信号データに変換したうえ、当該測
定信号データを発信装置で送信するとともに、親機との
間で電気的信号データを送受信し得るようになし、親機
から警報信号を受信することにより警報装置に警報(危
険/安全)を出力表示できるようにしたものである。
【0018】また前記親機は、送信装置と受信装置とデ
ータ処理部と親機制御部と出力手段とから構成されてい
る。
【0019】当該送信装置は、表面波発信器とトランジ
スタにより高周波を発信する発信部と、送信データを高
周波に変調する変調部と、送信用アンテナ部から出力さ
れる電波の出力をコントロールできる可変ゲインアンプ
部と、送信アンテナ部とからなり、送信データを高周波
送信できるようにしたものである。
【0020】受信装置は、無指向性受信アンテナと指向
性受信アンテナの2種類のアンテナを備えた受信アンテ
ナ部と、当該無指向性アンテナと指向性アンテナとを切
り替えることのできるアンテナ切替部と、受信プリアン
プ部と高周波信号を受信データに復調する復調部とから
なり、複数の子機からの高周波信号を受信し、受信デー
タに復調できるようにしたものである。
【0021】データ処理部は、子機より送信されてきた
測定データを前記受信装置で受信し、この測定信号デー
タを登録保存するデータベース手段と、当該データベー
ス手段から測定信号データを取り出し、この測定信号デ
ータを分析してノイズ信号を判別除去して真正放射線測
定データを抽出変換し、必要に応じて当該真正放射線デ
ータを保存するノイズ弁別装置と、当該真正放射線測定
データをとりだし、これを予め定めた安全基準データと
比較して危険度を判別し、対応を指令する危険度判別手
段と、危険度判別装置による判別結果に応じて警報信号
を必要に応じて発信装置から子機に送信するようにした
警報信号発信手段とからなる。
【0022】親機制御部は、可変ゲインアンプ部のゲイ
ンコントロールができるようにするゲインコントロール
手段と、これによって電波の届く範囲や距離を特定した
りその距離を測定できるようにする距離測定手段と、指
向性アンテナで電波の届く方向を特定できるようにする
方向特定手段と、親機から子機の子機制御部へ指定時間
を設定する指定時間設定手段と、必要なコマンドをデー
タとして送信できるようにするコマンド送信手段と、親
機からの送信に応じた子機からの応答信号を受信できる
応答信号受信手段と、受信した信号から予め付加されて
いるIDを識別してその信号を発信した子機を特定でき
るようにするID識別手段とからなる。
【0023】出力手段部は、電波の届く範囲や距離や、
電波の届く特定方向や、信号を発信した子機の特定結果
や、子機からの測定信号データやそれから抽出された真
正放射線測定データや、当該真正放射線測定データの危
険度判別結果や、子機に発信した警報内容などデータ処
理部や親機制御部で処理した内容を必要に応じて出力で
きるようにした出力手段部とからなる。
【0024】当該親機は、複数の子機との間で高周波無
線通信をすることにより、子機から送信されてくる測定
信号データを保存し、この測定信号データからノイズを
弁別して真正放射線データを抽出し、この真正放射線デ
ータを予め定めた安全基準データと比較して危険度を判
別し、その判別結果に応じて警報信号を子機に送信する
ようにするとともに、必要に応じて、親機ではID識別
手段により複数の子機の場所や個数や子機をもった人を
識別特定したり、無指向性アンテナと指向性アンテナと
を切替えて受信する方向特定手段や距離測定手段を使用
することにより親機を基点として子機の位置を特定した
り、子機にコマンドその他の信号を送信したり、子機か
らの応答信号を受信したり、非常時において子機から非
常用電波の発信がおこなえるようにしたことを特徴とす
る放射線測定警報システムである。
【0025】当該第1発明,第2発明は、親機を、電波
の届く特定範囲内の中心に置き、複数の子機に対して、
呼出のための送信データを高周波送信するが、その呼出
し用の電波の送信手段は、一斉送信やポーリング等の手
段によって行う。子機にはIDとして予めその子機を所
持する者の氏名や識別番号等が付加入力されており、親
機には上記のIDを記憶させておく。IDにより一斉送
信の場合は時間で、ポーリングのときは呼ばれたときに
応答する。親機は、子機から応答する高周波を受信でき
た場合は、特定範囲内に居ると判断して、その結果を親
機の出力手段部を介して出力する。親機からの電波の届
く特定範囲を可変できるので、目的の送受信範囲を設定
して送信データを高周波送信し、その範囲中において子
機を持つ人の人数とその名前を瞬時に確認することがで
きる。親機は単一の発信機でありながら、子機にはID
が付加されているので、複数組の呼出信号を送信するこ
とができると共に、混在する複数組の人員から各組毎の
人員を容易に区別して把握することが可能である。この
ような無線通信による各人への通信機能が本発明のベー
スとなる特徴である。
【0026】さらに第1発明、第2発明は、子機に警報
装置として非常用発信スイッチを設け、非常時にこのス
イッチを押すことにより、子機から非常用電波を常に発
信する状態にすることができるので、子機の方向及び距
離を速やかに特定して、所持者の所在位置を容易に探し
出すことができるようにしてある。
【0027】これら基本的機能の他に、次のような各種
の機能を同じに備えている点に特徴がある。即ち第2発
明は、親機にアンテナ切替部を設けて、これを操作して
無指向性のアンテナと指向性のアンテナを切替自在とし
ているので、例えば無指向性のアンテナで送信できる距
離を測定した後、指向性アンテナにより方向を特定し
て、両者の情報から子機の所持者の居る位置を親機によ
り容易に探し出すことがきるようにしたものである。
【0028】また第2発明は、親機に送信用アンテナ部
から出力される電波の出力をコントロールできる可変ゲ
インアンプ部を備えたので、親機からの電波の送受信レ
ベルを外部に漏れることがない室内や特定範囲となるよ
うに調整できる。従って特定室内や所定の地域内に居る
人数の確認をとることができるようになっている。
【0029】特許を受けようとする第3発明は、親機に
おける送信装置のゲインアンプ部を、送信用アンテナ部
から出力される電波の出力をコントロールしながら変化
できる可変ゲインアンプ部とし、当該可変ゲインアンプ
部のゲインコントロールによって電波の届く範囲や距離
を特定したりその距離を測定し、親機から電波の送受信
可能な特定範囲内の子機に呼出信号を送信し、親機から
の呼出信号を受信した子機からの信号を受信して、特定
範囲内にある子機数とそのIDから子機を特定確認する
ようにしたことを特徴とする第2発明に記載する放射線
測定警報システムである。
【0030】当該第3発明は、第2発明の従属項であ
り、その特徴は無線方式による放射線測定警報システム
において、親機に、電波の届く特定範囲を可変できる可
変ゲインアンプ部を搭載して、送受信できる範囲を変え
ながらその範囲中の子機と通信し、通信できたときにそ
の子機を持つ人や装着場所を特定して、その人が所定の
範囲内に居ることを確認することができるようにした事
を特徴とする放射線測定警報システムである。
【0031】特許を受けようとする第4発明は、親機に
おける受信装置の受信アンテナ部として、無指向性受信
アンテナと指向性受信アンテナの2種類を備えるととも
に、受信装置のアンテナ切替部9により、無指向性アン
テナと指向性アンテナの切り替えができるようにし、こ
れによって電波の届く方向を全方位にしたり特定方向に
限定できるようになし、無指向性のアンテナで送信でき
る距離を測定するとともに、アンテナ切替部により指向
性アンテナに切り替えてその方向を特定し、子機を持っ
ている人の居る場所を親機により確認できるようにした
ことを特徴とする第2発明に記載する放射線測定警報シ
ステムである。
【0032】第4発明は、第2発明の従属項であって、
その特徴は、親機の受信装置にアンテナ切替部を設け
て、これを操作して無指向性のアンテナと指向性のアン
テナを切替自在としているので、例えば無指向性のアン
テナで送信できる距離を測定した後、指向性アンテナに
より方向を特定して、両者の情報から子機の所持者の居
る位置を親機により容易に探し出すことがきるようにし
たものである。特許を受けようとする第5発明は、親機
と複数の子機との間で相互に無線通信できるようにする
際、人口衛星や地上電波中継所など電波を中継する中継
手段を介在させるようにしたことを特徴とする請求項第
1発明または第2発明に記載する放射線測定警報システ
ムである。
【0033】
【実施例】以下に本発明に係る放射線測定警報システム
の実施例を説明すると、図1は、本発明に係る放射線測
定警報システム全体の使用状態を示す説明図であり、図
2は、本発明を構成する子機の実施例を示す斜視図であ
り、図3は本発明を構成する子機の腕時計型実施例にお
ける構成を示す斜視図であり、図4は本発明を構成する
子機の具体的装着例を示す斜視図であり、図5は、本発
明に係る放射線測定警報システムの親機の構成を示すブ
ロック図であり、図6は、本発明に係る放射線測定警報
システムの子機の構成を示すブロック図であり、図7
は、本発明に係る放射線測定警報システムにおいて特定
範囲にある複数の子機と個別に無線通信をする原理を示
す説明図であり、図8は、本発明に係る放射線測定警報
システムにおいて、1台の親機で特定の子機の所在位置
を探す原理を示す説明図である。
【0034】図において、1は高周波通信のできる親機
であり、2,2,2…は、高周波通信のできる複数の子
機である。本発明に係る放射線測定警報システムは、相
互に無線通信のできる当該親機1と複数の子機2,2,2
…と必要に応じて中継手段3,3の組み合わせにかかる
ものである。1台の親機1に対して複数の子機2,2,2
…の組み合わせというのは、例えば1台の親機に対して
原子力利用施設Aの周辺に住む住民群に応じて1万台と
か2万台の子機を管理するようにすることが望ましい。
住民である放射線測定者は、図3に示すように子機2を
腕時計のように所持したり、建築物に装着したり、自動
車に付着するなどして放射線測定準備をしておくことに
なる。この子機2,2,2…には個別に氏名や識別番号等
のID情報が付加入力されており、このID情報は親機
1にも同様に付加入力されている。尚この際、子機2,
2,2…にはいくつかのグループ単位でID情報を付加
入力するようにしてもよい。
【0035】図5は、子機の構成を示す説明図であり、
当該子機2は、放射線検出部21と、子機送信装置22
と、子機受信装置23と、警報装置24と、子機制御部
25を備えたものである。図示実施例の具体的な子機2
は、図3にしめすように手首にバンドで装着できるよう
な時計型に小型化したもので、バンドを装着しない場合
には図2に示すようになり円盤状のメダル型となる。当
該子機2を使用する態様は、図4に示すように被曝する
おそれのある建物や自動車などに装着しても良い。尚、
図3、図5中の26は放射線を感知するセンターで、2
7はプリアンプであり、35は警報表示部である。ま
た、図中22は子機送信装置で、23は子機受信装置で
あり、34は非常用発信スイッチである。また、図3中
の30は送信パターンアンテナ部であるが、これは受信
パターンアンテナ部と兼用になっている。
【0036】以下、子機の構成部分について詳細に説明
すると、当該放射線検出部21は、放射線を感知し電気
的測定信号に変換するセンサー26と、当該センサー2
6からの測定信号を増幅するプリアンプ17とから成
る。本実施例における当該センサー26として光電ダイ
オードを用いた。当該光電ダイオードは、市販のもので
約10mm角程度なので、子機2は、直径約30mm前
後の円形時計型にまで小型化することが充分可能であ
る。また、このセンサー26は必ずしも光電ダイオード
に限る必要がないこと勿論である。例えば、α線用の半
導体、β線用のプラスチックシンチレーション、γ線用
の半導体などと測定できる放射線の種類によって複数の
センサーを組み合わせても良い。その場合にはα線、β
線、γ線のそれぞれを測定できるように各センサのバイ
アス電圧を変えたり切換えたりするように構成する必要
がある。
【0037】当該子機送信装置22は、表面波発信器と
トランジスタにより高周波を発信する子機発信部28と
送信データを高周波に変調する子機変調部29と送信用
パターンアンテナ部30とからなり、送信データを高周
波送信できるようにしたものである。
【0038】また子機受信装置23は、受信用パターン
アンテナ部31と受信高周波プリアンプ部32と高周波
信号を受信データに復調する子機復調部33とからな
り、複数の子機2,2,2,…からの高周波信号を受信
し、受信データに復調できるようにしたものである。
【0039】また警報装置24は、非常時にこのスイッ
チを押すことにより、非常用電波を継続的にする非常用
発信スイッチ34と、親機1からの警報信号を受けて子
機1に音や光で放射線を浴びていることを知らせる警報
表示部35とからなるものである。
【0040】更に子機制御部15は、親機1からの高周
波送信で送信されてきたコマンド解釈手段36、コマン
ドに対応するコマンド応答手段37、ID管理手段3
8、時間管理手段39が構成されている。
【0041】このようにしてなる子機1は、センサー2
6で放射線を感知すると、これを電気的測定信号データ
に変換したうえ、当該測定信号データを子機送信装置2
2で送信するとともに、親機1との間で電気的信号デー
タを送受信し得るようになし、親機1から警報信号を受
信することにより警報装置24の警報表示部35により
警報(危険/安全)を出力表示できるようにしたもので
ある。子機1の測定信号データは、ノイズを含んだ生の
データで、加工したり分析した後のものではない。
【0042】親機1は、送信装置12と、受信装置13
と、データ処理部14Aと親機制御部14Bとからなる
中央処理装置14と、出力手段部15とを備えたもので
ある。当該親機1は、住民が所持する多数の子機2,2,
2…を集中管理し、送信されてくる放射線測定データを
分析したり、測定した放射線の危険度を判断したり、警
告を子機に送信するための装置である。
【0043】この親機1について図6に基づいて以下詳
細に説明する。親機1の送信装置12は、表面波発信器
とトランジスタにより高周波を発信する発信部4と、送
信データを高周波に変調する変調部5と、送信用アンテ
ナ部6から出力される電波の出力をコントロールできる
可変ゲインアンプ部7と、送信アンテナ部6とからな
り、警報信号データやコマンドや応答信号を高周波送信
できるようにしたものである。
【0044】また前記受信装置13は、無指向性受信ア
ンテナ8aと指向性受信アンテナ8bの2種類のアンテ
ナを備えた受信アンテナ部8と、当該無指向性アンテナ
8bと指向性アンテナ8aとを切り替えることのできる
アンテナ切替部9と、受信プリアンプ部10と、高周波
信号を受信データに復調する復調部11とからなるもの
で、複数の子機2,2,2…からの測定信号データやコ
マンドや応答信号などを高周波信号として受信し、これ
を受信データに復調できるようにしたものである。
【0045】前記中央処理装置14は、基本的なデータ
処理機能部14Aと親機制御機能部14Bとからなる。
当該中央処理装置はすべてをコンピュータを用いて処理
することができるものであるが、それに限る必要はな
い。本発明において、前者のデータ処理部14Aは、測
定した放射線の処理を行うための必須構成要素である
が、後者の親機制御部14Bは使いやすくするために必
要に応じて設ける補助的機能である。
【0046】前者のデータ処理部14Aは、データベー
ス手段16と、ノイズ弁別装置17と、危険度判別手段
18と、警報信号発信手段19とからなる。即ち、子機
1より送信されてきた測定データを前記受信装置13受
信し、この測定信号データをファイルに登録保存するデ
ータベース手段16と、当該データベース手段165か
ら測定信号データを取り出し、この測定信号データを分
析してノイズ信号を判別除去して真正放射線測定データ
を抽出し、必要に応じて当該真正放射線データを測定保
存するノイズ弁別装置17と、当該真正放射線測定デー
タをとりだし、これを予め定めた安全基準データと比較
して危険度を判別し、対応を指令する危険度判別手段1
8と、当該危険度判別手段18装置による判別結果に応
じて警報信号を必要に応じて送信装置12から子機に送
信するようにした警報信号発信手段18とから構成され
ている。
【0047】放射線の測定信号は、微小な場合が多く認
識するためには増幅する必要があるためノイズが混入し
易く、ノイズを低減する必要がある。そこで、本発明
は、ノイズ弁別装置17でノイズ信号を判別したうえ、
除去して、真正放射線測定データを確認できるようにし
ている。本実施例のノイズ弁別装置17における弁別方
法としては、例えばコンピュータで処理する場合、次の
3通りの方法がある。第1に、入力波形の最大ピーク値
に対応する波形面積と波形全面積との比に応じてノイズ
信号と真正放射線測定信号とを弁別する手段(図9)、
第2に、入力波形からフラクタル次元を求め、このフラ
クタル次元に応じてノイズ信号と真正放射線測定信号と
を弁別する手段(図10)、第3に、入力波形の歪率を
求め、この歪率に応じてノイズ信号と真正放射線測定信
号とを弁別する手段(図11)である。いずれかひとつ
の手段で弁別してもよいが、少なくとも2以上のノイズ
弁別手段で弁別されたノイズ信号と真正放射線測定信号
とを比較して、最終的に真正放射線測定信号を抽出特定
するようにすると確実性があって望ましい。
【0048】以下前記3つの弁別手段の実施例を説明す
る。前記図9は第1の波形面積と波形全面積との比によ
りノイズ信号と真正信号とを弁別する手段により行う信
号特徴抽出処理を測定信号データに適用した場合の一例
を示す図である。同図の左側は、放射線パルスの正常波
形を示しており、右側は放射線パルスに溶接などの外部
要因により振動ノイズが重畳した波形を表している。
【0049】図10は、第2の入力波形からフラクタル
次元を求めて弁別する手段による信号特徴抽出を、放射
線測定波形の出力信号に適用した例である。図の左側
は、通常な状態の放射線検出器の波形、右側は、外部要
因によりノイズが重畳した波形を表している。
【0050】図11は、第3の入力波形の歪率を求めて
弁別する手段により信号特徴抽出を放射線波形の出力信
号に適用した例である。図の左側は、通常温度状態にお
ける出力波形、右側は、高温状態において、検出器の特
性変化などに起因するノイズが発生した場合を想定した
出力波形を表している。グラフの下に歪度を示してい
る。いずれも具体的には、データベース手段15から測
定信号データを取り出し、信号データから信号の特徴を
特徴抽出アルゴリズムに従って抽出したうえ、判定処理
アルゴリズムにより擬似信号であるか否かの判定を行
い、擬似信号を削除したり、他に登録して擬似信号が危
険度判別手段18に伝わらないようにして弁別する方法
である。
【0051】後者の親機制御部14Bは、可変ゲインア
ンプ部7のゲインコントロールができるようにするゲイ
ンコントロール手段40と、これによって電波の届く範
囲や距離を特定したりその距離を測定できるようにする
距離測定手段41と、指向性アンテナで電波の届く方向
を特定できるようにする方向特定手段42と、親機1か
ら子機2の子機制御部25へ指定時間を設定する指定時
間設定手段43と、必要なコマンドをデータとして送信
できるようにするコマンド送信手段44と、親機からの
送信に応じた子機からの応答信号を受信できる応答信号
受信手段45と、受信信号から予め付加されているID
を識別して、その信号を発信した子機を特定できるよう
にするID識別手段46の全部又は一部とから構成され
ている。
【0052】前記出力手段部23は、電波の届く範囲や
距離や、電波の届く特定方向や、子機1からの応答信号
や、その受信できた人数や、信号を発信した子機1を持
つ人や場所の識別特定などを出力できるように構成され
ている。
【0053】当該図示実施例に係る放射線測定警報シス
テムは、具体的に次のように使用される。まず、放射線
測定警報システムを用いて漏洩している放射線を測定す
る方法について述べる。
【0054】放射線漏れ事故が起こり子機2,2,2…の
センサー26で放射線を感知すると、これを電気的測定
信号データに変換したうえ、当該測定信号データを子機
送信装置22で送信する。即ち、当該子機2から親機1
に対して高周波無線通信をする。すると、親機1では、
子機2,2,2…から送信されてきた測定信号データを一
度データベース手段16に保存する。次にこのデータベ
ース手段16から測定信号データを取り出し、当該測定
信号データからノイズを弁別して真正放射線データを抽
出し、この真正放射線データを予め定めた安全基準デー
タと比較して危険度を判別する。その上でその判別結果
に応じて警報信号を前記子機1に送信する。すると当該
子機2は、親機1から警報信号を受信して警報装置24
の警報表示部35により警報(危険/安全)を出力表示
する。
【0055】尚、親機1ではID識別手段46により必
要に応じて特定範囲内に居る複数の子機2,2,2の場所
や個数や子機2,2,2をもった人を識別したり、アンテ
ナ切替部9で無指向性アンテナ8aと指向性アンテナ8
bとを切替えて受信する方向特定手段や距離測定手段を
使用することにより親機1を基点として子機2,2,2の
ある方向や距離等からその位置を特定したり、子機にコ
マンドその他の信号を送信したり、子機1からの応答信
号を受信したり、非常時において子機から非常用電波の
発信がおこなえるようにしたことを特徴とする放射線測
定警報システムである。
【0056】また、本発明に係る親機1は、送信出力を
可変できる可変ゲインアンプ6を持っており、電波の届
く範囲を容易に変えることができる。そこで、親機1
は、図7に示すように電波の届く特定範囲を決めて、無
指向性アンテナ10aから一斉送信して、散在する子機
からの放射線測定活動を開始させることができる。次に
夫々の子機2,2,2,…は、IDにより予め応答する
時間が決められていて、一斉放送から予め定められてい
た時間に親機と通信することもできる。こうすることに
より、ポーリングによる方法よりも迅速に特定の子機に
よる放射線の測定信号データを受信し、リアルタイムに
その放射線の危険性を判定してその結果当該子機2たち
に警報を発信することができる。
【0057】次に、特定の子機2の居る場所を探す方法
について述べる。まず、子機2の居る場所を探すため
に、無指向アンテナを用いて送信するが、その際の送信
出力を徐々に出力をあげていき、子機の対応があった場
合に、その出力の届く範囲を規定したテーブルから子機
の距離を求める(操作1)。次に、アンテナ切替部によ
り送信アンテナを単一指向性アンテナ10bに切り替
え、送信レベルが一番高い方向を子機の居る方向と特定
する(操作2)。そして、操作1により定まった距離と
操作2により特定された方向の交差する地点に探してい
る子機2を持った人が居ることになる。
【0058】このようにして子機2の居る場所を探す方
法の原理を図8に示す。即ち親機1が存在する地図上現
在位置を中心に、操作1により定まった距離に円を描
き、操作2により定まった方向に直線を描き、両者の
描線の交差点を示す位置に探している不在の子機が居る
ことが分かることになる。
【0059】更に、子機2が、事故に遭遇したり、身動
きが取れなくなったときなど非常事態がおこったとき
は、子機2の非常用スイッチ34を押すことにより非常
用電波を継続的に送信した状態にすることもできる。こ
のようにすれば、親機1や救助隊などが当該子機2を発
見し易くする事もできることになる。
【0060】
【発明の効果】本発明は、それぞれにIDを付加入力し
てなる1台の親機と複数の子機との間で無線通信できる
ように組み合わせたものである。具体的には、原子力利
用施設Aの周辺に住む多数の住民に配布し、それぞれが
子機2,2,2…を携帯したり、使用する自動車に装着し
たり、建物に装着するなど生活に密着した場に装着して
おくようにしておく。そして、原子力利用施設Aから不
測の事故により放射線が漏れた場合、周辺住民が携帯し
たり装着したりしている多数の子機のセンサーで放射線
を感知すると、直ちにこれを電気的測定信号データに変
換したうえ、当該測定信号データを子機送信装置で親機
に送信する。このように当該子機から親機に対して高周
波無線通信で測定信号データが送信されると、当該子機
から送信されてきた測定信号データを一端データベース
手段に漏れなく保存する。そのうえで、直ちにこのデー
タベース手段から測定信号データを取り出し、当該測定
信号データからノイズを弁別して真正放射線データを抽
出し、この真正放射線データを予め定めた安全基準デー
タと比較して危険度を判別し、その判別結果に応じて警
報信号をリアルタイムに子機に送信する。すると当該子
機2は、親機1から警報信号を受信して警報装置24に
より警報(危険/安全)を出力表示する。これによっ
て、携帯したり装着している住民は、放射能漏れ事故が
発生していること、自分が放射線被曝していること、そ
の結果自分がどの程度危険にさらされているか、などを
リアルタイムに知ることが出来る。その結果、住民は迅
速に治療や避難や待機など適切な対応策を講じることが
出来ることになる。
【0061】また、本発明は、親機ではID識別手段に
より必要に応じて特定範囲内に居る複数の子機の居場所
や個数や子機を所有する人を識別し特定できるし、無指
向性アンテナと指向性アンテナとを切替えて受信する方
向特定手段や距離測定手段を使用することにより親機を
基点として子機のある方向や距離等からその位置を特定
することもできる。また、当該子機にコマンドその他の
信号を送信したり、子機からの応答信号を受信したり、
非常時において子機から非常用電波の発信がおこなえる
ように構成してあるので、様々な状況に対応することが
できる。このように当該放射線測定警報システムは、多
様な事態に対応でき、使い勝手が良いものとなってい
る。
【0062】従って親機は、放射能漏れ対策中央管理セ
ンターとして、複雑で高度なデータの収集、ノイズ分
別、分析、危険度判断、個別警告などの重要で高度な管
理業務を分担することができる。一方子機は、小型で携
帯に便利なものとなっており、しかも放射能感知機能と
警報機能と親機との通信機能だけをの役割分担を果たし
ている。つまり、本発明に係る放射線測定警報システム
は、子機と親機とを組み合わせることにより、機動性と
技術的困難性を両立させるようにした点に特徴がある。
また本発明は、被害当事者である住民に放射線感知する
役割をもっており、放射線の測定や警報システムの一部
として組み込み参加させるようにした点が第2の特徴で
ある。特に本願発明の放射線測定警報システムは、住民
参加型の情報開示方式にしたことによって、信頼性と実
効性の高い社会システムとなるものである。
【0063】このように一般には事故が起こっても認識
することが困難な放射能漏れを検知測定する子機を、被
害者側にある原子力利用施設の周辺住民に持たせること
により常に住民全員で監視し、測定し、警報を発するシ
ステムとなる。この結果、こ測定警報システムが作動し
ない限り安全であることが事実上立証されることにな
り、不信感からくる住民の不安が除かれる。そして、万
一事故が起こった場合でも、リアルタイムに当該システ
ムが作動し、直接被害者となる周辺住民に的確に、且つ
効率良く知らせることが出来るので、被曝による被害を
最小限度にすることが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る放射線測定警報システム全体の
使用状態を示す説明図である。
【図2】 本発明を構成する子機の実施例を示す斜視図
である。
【図3】 本発明を構成する子機の腕時計型実施例にお
ける構成を示す斜視図である。
【図4】 本発明を構成する子機の腕時計型実施例にお
ける構成を示す斜視図である。
【図5】 本発明に係る放射線測定警報システムの親機
の構成を示すブロック図である。
【図6】 本発明に係る放射線測定警報システムの子機
の構成を示すブロック図である。
【図7】 本発明に係る放射線測定警報システムにおい
て特定範囲にある複数の子機と個別に無線通信をする原
理を示す説明図である。
【図8】 本発明に係る放射線測定警報システムにおい
て、1台の親機で特定の子機の所在位置を探す原理を示
す説明図である。
【図9】 波形面積と波形全面積との比からノイズ信号
を弁別する手段により、ノイズ弁別装置における信号特
徴抽出処理を測定信号データに適用した場合の一例を示
す図である。
【図10】 入力波形からフラクタル次元を求めてノイ
ズ信号を弁別する手段による信号特徴抽出を放射線波形
の出力信号に適用した例である。
【図11】 入力波形の歪率を求めて弁別する手段によ
り信号特徴抽出を放射線波形の出力信号に適用した例で
ある。
【符号の説明】
1: 親機 2: 子機 3: 中継手段 4: 発信部 5: 変調部 6: 送信アンテナ部 7: 可変ゲインアンプ部 8: 受信アンテナ部 8a: 無指向性アンテナ 8b: 指向性アンテナ 9: アンテナ切替部 10: 受信プリアンプ部 11: 復調部 12: 送信装置 13: 受信装置 14: 中央処理装置 14A: データ処理部 14B: 親機制御部 15: 出力手段部 16: データベース手段 17: ノイズ弁別装置 18: 危険度判別手段 19: 警報信号発信手段 21: 放射線検出部 22: 子機送信装置 23: 子機受信装置 24: 警報装置 25: 子機制御部 26: センサー 27: プリアンプ 28: 子機発信部 29: 子機変調部 30: 送信パターンアンテナ部 31: 受信パターンアンテナ部 32: 受信高周波プリアンプ 33: 子機復調部 34: 非常用発信スイッチ 35: 警報表示部 36: コマンド解釈手段 37: コマンド応答手段 38: ID管理手段 39: 時間管理手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月12日(2000.6.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、相互に無線通信ので
きる親機と複数の子機との組み合わせにかかる放射線測
定警報システムであって、放射線漏れ事故などに際し
て、多数の住民や事故対策作業員などに子機を携帯させ
て、その放射線の被曝量をリアルタイムに測定し、これ
を無線通信により自動的に親機に知らせ、親機において
正確な被爆放射線量を認識して危険性を判断し、その結
果を危険度に応じて子機を携帯する被爆者やその虞のあ
る人々にリアルタイムに警報として個別に知らせること
ができる社会システムを提供せんとするものである。
【0002】
【従来の技術】 近年、原子力発電所やそれと関連する
原子燃料製造施設や放射性廃棄物処理施設など原子力平
和利用施設からの放射能漏れ事故が世界の各地で起こっ
ており、そのために周辺地域住民が放射線被曝したり、
被曝被害を最小限にするために避難させたり、被曝量を
測定しながら作業したり治療をうけたりする対応措置が
とられることがある。これらの原子力利用施設は、本来
安全性が担保されてのみ、その存在が認められるもので
ある。従って施設運営者側からは、いつも放射線漏れ対
策は考えられる限り万全に施されているので絶対に安全
であるとの説明がなされるが、現実には放射線漏れ事故
がしばしば起こっており、住民や関係者の間に被曝被害
も発生している。即ち、原子力利用施設の安全神話は崩
れ去り、人間の能力の限界を感じざるを得ない。しか
も、絶対的安全性を前提にしているため、万一の事故に
対応する周辺住民に対する有効な放射線測定警報システ
ムが殆ど提案されていない。
【0003】 放射線測定器や放射線測定システムとし
ては、例えば特開平10−197645号、特開平8−
82681号、特開平10‐10234号、特開平8‐
334563号等数多く開発されたり提案されている。
これらはいずれも特定の施設内で関係者が利用すること
を目的にして放射線を正確に測定する方法について研究
開発されているものや、特定の観測ポイントを設けて放
射線の分布状況を自動的に入手して視覚化するものであ
る。
【0004】 上記特開平10−197645号には、
プローブ交換が容易かつ簡単で、また、その際に設定ミ
スなどのおそれのない放射線測定器を提供するものであ
り、複数のプローブの一つが選択されて接続部を介して
共通の測定部に接続されて用いられる放射線測定器であ
って、プローブと測定部が接続される接続部の形状が共
通で、かつ、該接続部にどのプローブが接続されたかを
自動的に測定部に通知するプローブ種通知手段を有する
ものである。
【0005】 上記特開平8−82681号には、サー
ジノイズに起因して監視機能を変更することなく、サー
ジノイズの影響のみを低減することを目的とし、放射線
検出器で発生した信号パルスを波高弁別した後にパルス
計数して放射線を測定するに際し、放射線検出器からの
信号について正極側及び負極側で波高弁別を行い、この
波高弁別により負極側の信号を検出すると、この検出時
間から所定期間だけ放射線検出器からの信号の検出を禁
止する不感時間を設けるように構成されている。
【0006】 上記特開平8‐334563号には、緊
急時に時々刻々変化する放射線の分布状況を出来るだけ
リアルタイムで視覚化された情報として自動的に入手で
きるようにし、その際の時間面での短縮、効率の改善、
情報精度の向上、そして測定担当者の被曝低減を図るも
のである。
【0007】 上記目的を達成する手段として、測定現
場において放射線量測定を行う多数の移動可能な子局
と、子局から遠く離れた場所でデータ処理を行う親局と
からなり、少なくとも20〜30個所程度設置される各
子局は、その設置場所を検知するGPS位置測定器と、
一定時間毎に放射線量を測定する放射線測定器と、検出
した位置データと放射線量データを無線で親局に伝送す
るデータ送信装置を有し、親局は、各子局からの位置及
び放射線量データを受信するデータ受信装置と、受信デ
ータを瞬時にデータベース化しリアルタイムで放射線量
率のコンターマップを描かせ、地理情報システム上に重
ねて測定エリアの放射線量率マップとして画像化するデ
ータ処理装置を有している。
【0008】 上記の特開平10‐10234号には、
原子力発電所等放射性物質が存在する作業場において、
これらの場所の空間放射線量当量率や表面汚染密度を測
定すると共に、位置情報を複数の無線発信機からの信号
によって求めるようにするものである。
【0009】 上記目的を達成する手段として、放射線
を取扱う放射線作業エリア内の複数の場所にそれぞれ無
線発信機を配置し、これら複数の無線発信機からの電波
を放射線作業者が有する可搬型の放射能測定器によって
受信し、演算処理することによってエリア内での位置情
報を求めると共に放射線測定を行なうものである。
【0010】 上記のように従来の放射線測定器やシス
テムは、特定施設内の放射線を測定する方法や特定の観
測ポイントを設けて放射線の分布状態を視覚化するだけ
で、広域に不特定多数の人々が動き回って散在する住民
の放射線被曝量をリアルタイムに測定し放射線被曝の危
険性を直ちに判断し、その住民に放射線被曝の危険性を
リアルタイムに警報するシステムや技術的思想は一切示
されていない。
【0011】 実際事故の起こった東海村の例において
も、特定地域の住民の退避勧告をしたり、外出禁止警告
を出すだけで、住民の各人がどのくらい放射線被曝があ
ったかは、後刻測定して安全性の許容範囲か否かを知ら
せるなどの対応策をとるだけで、住民の不安と不満はぬ
ぐいきれていない。万一放射線漏れ事故があった場合、
被曝の虞がある住民は、個別に携帯した測定器でリアル
タイムに被曝量を測定することができ、その危険性を直
ちに警報により各人に警報として知らせてほしいという
のが、せめてもの願である。本発明は、このような住民
の願いをかなえることを目標として研究開発したもので
ある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】 放射線漏れ事故は、
人間の五感では認識できない。そのため不特定多数の人
々が動き回って散在する住民の放射線被曝リアルタイム
に感知しそれを測定してその住民に放射線被曝の危険性
を警報できるシステムであることが必要である。このよ
うな要請を実現するためには、放射線を測定できる器具
を住民なら誰でも容易に携帯することができ、しかもそ
の生活活動をなんら制限することがない小型の形状にす
ること、放射線測定値にはノイズが混在し易いのでその
ノイズを除いて放射線の測定値を常に正確にできるこ
と、測定結果からの危険性の判定は専門家により正確に
行う必要があること、危険性の判定結果はその放射線を
測定した子機ごとに個別に警報を通知できるようにする
こと等の課題を解決させる必要がある。
【0013】 また、放射線の測定センサーは、例え
ば、α線の場合には光電管ダイオードなどの半導体式、
β線の場合にはプラスチックシンチレーション式、γ線
も半導体式で測定できることが知られており、小型化の
可能性はあるが、α線、β線、γ線のそれぞれを測定す
る際のグローブが異なっているうえ、測定値にはノイズ
が混在しており、放射線の種類別に真正な放射線量の測
定値を認識するのは非常に難しい。また、種類別に真正
な放射線量を認識できたとしても、その危険度がどの程
度なのかの判断は専門家でないと困難である。更に、放
射線被爆したらリアルタイムでその被爆量を測定でき、
しかも危険にさらされていることをリアルタイムに警報
などにより知らせることが困難である。
【0014】 これらの技術的課題を解消し、放射能漏
れ事故による被曝被害を最小限にし、住民の不安を可及
的に軽減せんとするのが、本発明の目的である。
【0015】
【課題を解決するための手段】 本発明は上記のような
課題を解消しようとするもので、次のような構成とした
ものである。
【0016】 特許を受けようとする第1発明は、相互
に無線通信のできる親機と複数の子機との組み合わせに
かかる放射線測定警報システムであって、当該子機は、
放射線検出部と子機送信装置と子機受信装置と警報装置
と子機制御部とから構成されており、放射線を感知しこ
れを測定信号データに変換するとともに当該測定信号デ
ータを含む電気的信号データを送受信でき、しかも親機
からの警報信号を受信することにより警報(危険/安
全)の出力表示できるようにしたものであり、前記親機
は、送信装置と受信装置と測定信号データから真正放射
線データを弁別抽出するノイズ弁別装置と、当該真正放
射線データの危険度を判別する危険度判別手段と、その
判別結果に応じて警報信号を子機に送信するようにした
警報信号発信手段とから構成されており、子機から送信
されてくる測定信号データからノイズを弁別して真正放
射線データを抽出し、これを予め定めた安全基準と比較
して危険度を判別し、その判別結果に応じて警報信号を
子機に送信し得るようにしたものであることを特徴とす
る放射線測定警報システムである。
【0017】 特許を受けようとする第2発明は、相互
に無線通信のできる親機と複数の子機との組み合わせに
かかる広域放射線測定警報システムである。
【0018】 当該子機は、放射線検出部と子機送信装
置と子機受信装置と警報装置と子機制御部とから構成さ
れている。
【0019】 当該放射線検出部は、放射線を感知し電
気的測定信号に変換するセンサーと、当該センサーから
の測定信号を増幅するプリアンプとから成る。
【0020】 子機送信装置は、表面波発信器とトラン
ジスタにより高周波を発信する子機発信部と、測定信号
データを高周波に変調する子機変調部と、送信用パター
ンアンテナ部とからなり送信データを高周波送信できる
ようにしたものである。
【0021】 子機受信装置は、受信用パターンアンテ
ナ部と受信用高周波プリアンプ部と高周波信号を受信デ
ータに復調する子機復調部とからなり、複数の子機から
の高周波信号を受信し、受信データに復調できるように
したものである。
【0022】 警報装置は、非常時にスイッチを押すこ
とにより、非常用電波を継続的に送信する状態にする非
常用発信スイッチと、親機からの警報信号を受けて子機
に音や光で放射線を浴びていることを知らせる警報表示
部とからなるものである。
【0023】 子機制御部は、親機からのコマンドを解
釈し、コマンドに対応する応答や、ID管理や、時間管
理を行う手段を構成するようにした子機制御部とから成
る。
【0024】 当該子機は、センサーで放射線を感知す
るとこれを電気的測定信号データに変換したうえ、当該
測定信号データを発信装置で送信するとともに、親機と
の間で電気的信号データを送受信し得るようになし、親
機から警報信号を受信することにより警報装置に警報
(危険/安全)を出力表示できるようにしたものであ
る。
【0025】 また前記親機は、送信装置と受信装置と
データ処理部と親機制御部と出力手段とから構成されて
いる。
【0026】 当該送信装置は、表面波発信器とトラン
ジスタにより高周波を発信する発信部と、送信データを
高周波に変調する変調部と、送信用アンテナ部から出力
される電波の出力をコントロールできる可変ゲインアン
プ部と、送信アンテナ部とからなり、送信データを高周
波送信できるようにしたものである。
【0027】 受信装置は、無指向性受信アンテナと指
向性受信アンテナの2種類のアンテナを備えた受信アン
テナ部と、当該無指向性アンテナと指向性アンテナとを
切り替えることのできるアンテナ切替部と、受信プリア
ンプ部と高周波信号を受信データに復調する復調部とか
らなり、複数の子機からの高周波信号を受信し、受信デ
ータに復調できるようにしたものである。
【0028】 データ処理部は、子機より送信されてき
た測定データを前記受信装置で受信し、この測定信号デ
ータを登録保存するデータベース手段と、当該データベ
ース手段から測定信号データを取り出し、この測定信号
データを分析してノイズ信号を判別除去して真正放射線
測定データを抽出変換し、必要に応じて当該真正放射線
データを保存するノイズ弁別装置と、当該真正放射線測
定データをとりだし、これを予め定めた安全基準データ
と比較して危険度を判別し、対応を指令する危険度判別
手段と、危険度判別装置による判別結果に応じて警報信
号を必要に応じて発信装置から子機に送信するようにし
た警報信号発信手段とからなる。
【0029】 親機制御部は、可変ゲインアンプ部のゲ
インコントロールができるようにするゲインコントロー
ル手段と、これによって電波の届く範囲や距離を特定し
たりその距離を測定できるようにする距離測定手段と、
指向性アンテナで電波の届く方向を特定できるようにす
る方向特定手段と、親機から子機の子機制御部へ指定時
間を設定する指定時間設定手段と、必要なコマンドをデ
ータとして送信できるようにするコマンド送信手段と、
親機からの送信に応じた子機からの応答信号を受信でき
る応答信号受信手段と、受信した信号から予め付加され
ているIDを識別してその信号を発信した子機を特定で
きるようにするID識別手段とからなる。
【0030】 出力手段部は、電波の届く範囲や距離
や、電波の届く特定方向や、信号を発信した子機の特定
結果や、子機からの測定信号データやそれから抽出され
た真正放射線測定データや、当該真正放射線測定データ
の危険度判別結果や、子機に発信した警報内容などデー
タ処理部や親機制御部で処理した内容を必要に応じて出
力できるようにした出力手段部とからなる。
【0031】 当該親機は、複数の子機との間で高周波
無線通信をすることにより、子機から送信されてくる測
定信号データを保存し、この測定信号データからノイズ
を弁別して真正放射線データを抽出し、この真正放射線
データを予め定めた安全基準データと比較して危険度を
判別し、その判別結果に応じて警報信号を子機に送信す
るようにするとともに、必要に応じて、親機ではID識
別手段により複数の子機の場所や個数や子機をもった人
を識別特定したり、無指向性アンテナと指向性アンテナ
とを切替えて受信する方向特定手段や距離測定手段を使
用することにより親機を基点として子機の位置を特定し
たり、子機にコマンドその他の信号を送信したり、子機
からの応答信号を受信したり、非常時において子機から
非常用電波の発信がおこなえるようにしたことを特徴と
する放射線測定警報システムである。
【0032】 当該第1発明,第2発明は、親機を、電
波の届く特定範囲内の中心に置き、複数の子機に対し
て、呼出のための送信データを高周波送信するが、その
呼出し用の電波の送信手段は、一斉送信やポーリング等
の手段によって行う。子機にはIDとして予めその子機
を所持する者の氏名や識別番号等が付加入力されてお
り、親機には上記のIDを記憶させておく。IDにより
一斉送信の場合は時間で、ポーリングのときは呼ばれた
ときに応答する。親機は、子機から応答する高周波を受
信できた場合は、特定範囲内に居ると判断して、その結
果を親機の出力手段部を介して出力する。親機からの電
波の届く特定範囲を可変できるので、目的の送受信範囲
を設定して送信データを高周波送信し、その範囲中にお
いて子機を持つ人の人数とその名前を瞬時に確認するこ
とができる。親機は単一の発信機でありながら、子機に
はIDが付加されているので、複数組の呼出信号を送信
することができると共に、混在する複数組の人員から各
組毎の人員を容易に区別して把握することが可能であ
る。このような無線通信による各人への通信機能が本発
明のベースとなる特徴である。
【0033】 さらに第1発明、第2発明は、子機に警
報装置として非常用発信スイッチを設け、非常時にこの
スイッチを押すことにより、子機から非常用電波を常に
発信する状態にすることができるので、子機の方向及び
距離を速やかに特定して、所持者の所在位置を容易に探
し出すことができるようにしてある。
【0034】 これら基本的機能の他に、次のような各
種の機能を同じに備えている点に特徴がある。即ち第2
発明は、親機にアンテナ切替部を設けて、これを操作し
て無指向性のアンテナと指向性のアンテナを切替自在と
しているので、例えば無指向性のアンテナで送信できる
距離を測定した後、指向性アンテナにより方向を特定し
て、両者の情報から子機の所持者の居る位置を親機によ
り容易に探し出すことがきるようにしたものである。
【0035】 また第2発明は、親機に送信用アンテナ
部から出力される電波の出力をコントロールできる可変
ゲインアンプ部を備えたので、親機からの電波の送受信
レベルを外部に漏れることがない室内や特定範囲となる
ように調整できる。従って特定室内や所定の地域内に居
る人数の確認をとることができるようになっている。
【0036】 特許を受けようとする第3発明は、親機
における送信装置のゲインアンプ部を、送信用アンテナ
部から出力される電波の出力をコントロールしながら変
化できる可変ゲインアンプ部とし、当該可変ゲインアン
プ部のゲインコントロールによって電波の届く範囲や距
離を特定したりその距離を測定し、親機から電波の送受
信可能な特定範囲内の子機に呼出信号を送信し、親機か
らの呼出信号を受信した子機からの信号を受信して、特
定範囲内にある子機数とそのIDから子機を特定確認す
るようにしたことを特徴とする第2発明に記載する放射
線測定警報システムである。
【0037】 当該第3発明は、第2発明の従属項であ
り、その特徴は無線方式による放射線測定警報システム
において、親機に、電波の届く特定範囲を可変できる可
変ゲインアンプ部を搭載して、送受信できる範囲を変え
ながらその範囲中の子機と通信し、通信できたときにそ
の子機を持つ人や装着場所を特定して、その人が所定の
範囲内に居ることを確認することができるようにした事
を特徴とする放射線測定警報システムである。
【0038】 特許を受けようとする第4発明は、親機
における受信装置の受信アンテナ部として、無指向性受
信アンテナと指向性受信アンテナの2種類を備えるとと
もに、受信装置のアンテナ切替部9により、無指向性ア
ンテナと指向性アンテナの切り替えができるようにし、
これによって電波の届く方向を全方位にしたり特定方向
に限定できるようになし、無指向性のアンテナで送信で
きる距離を測定するとともに、アンテナ切替部により指
向性アンテナに切り替えてその方向を特定し、子機を持
っている人の居る場所を親機により確認できるようにし
たことを特徴とする第2発明に記載する放射線測定警報
システムである。
【0039】 第4発明は、第2発明の従属項であっ
て、その特徴は、親機の受信装置にアンテナ切替部を設
けて、これを操作して無指向性のアンテナと指向性のア
ンテナを切替自在としているので、例えば無指向性のア
ンテナで送信できる距離を測定した後、指向性アンテナ
により方向を特定して、両者の情報から子機の所持者の
居る位置を親機により容易に探し出すことがきるように
したものである。
【0040】 特許を受けようとする第5発明は、親機
と複数の子機との間で相互に無線通信できるようにする
際、人口衛星や地上電波中継所など電波を中継する中継
手段を介在させるようにしたことを特徴とする請求項第
1発明または第2発明に記載する放射線測定警報システ
ムである。
【0041】
【実施例】 以下に本発明に係る放射線測定警報システ
ムの実施例を説明すると、図1は、本発明に係る放射線
測定警報システム全体の使用状態を示す説明図であり、
図2は、本発明を構成する子機の実施例を示す斜視図で
あり、図3は本発明を構成する子機の腕時計型実施例に
おける構成を示す斜視図であり、図4は本発明を構成す
る子機の具体的装着例を示す斜視図であり、図5は、本
発明に係る放射線測定警報システムの親機の構成を示す
ブロック図であり、図6は、本発明に係る放射線測定警
報システムの子機の構成を示すブロック図であり、図7
は、本発明に係る放射線測定警報システムにおいて特定
範囲にある複数の子機と個別に無線通信をする原理を示
す説明図であり、図8は、本発明に係る放射線測定警報
システムにおいて、1台の親機で特定の子機の所在位置
を探す原理を示す説明図である。
【0042】 図において、1は高周波通信のできる親
機であり、2,2,2…は、高周波通信のできる複数の
子機である。本発明に係る放射線測定警報システムは、
相互に無線通信のできる当該親機1と複数の子機2,2,
2…と必要に応じて中継手段3,3の組み合わせにかか
るものである。1台の親機1に対して複数の子機2,2,
2…の組み合わせというのは、例えば1台の親機に対し
て原子力利用施設Aの周辺に住む住民群に応じて1万台
とか2万台の子機を管理するようにすることが望まし
い。住民である放射線測定者は、図3に示すように子機
2を腕時計のように所持したり、建築物に装着したり、
自動車に付着するなどして放射線測定準備をしておくこ
とになる。この子機2,2,2…には個別に氏名や識別番
号等のID情報が付加入力されており、このID情報は
親機1にも同様に付加入力されている。尚この際、子機
2,2,2…にはいくつかのグループ単位でID情報を
付加入力するようにしてもよい。
【0043】 図5は、子機の構成を示す説明図であ
り、当該子機2は、放射線検出部21と、子機送信装置
22と、子機受信装置23と、警報装置24と、子機制
御部25を備えたものである。図示実施例の具体的な子
機2は、図3にしめすように手首にバンドで装着できる
ような時計型に小型化したもので、バンドを装着しない
場合には図2に示すようになり円盤状のメダル型とな
る。当該子機2を使用する態様は、図4に示すように被
曝するおそれのある建物や自動車などに装着しても良
い。尚、図3、図5中の26は放射線を感知するセンタ
ーで、27はプリアンプであり、35は警報表示部であ
る。また、図中22は子機送信装置で、23は子機受信
装置であり、34は非常用発信スイッチである。また、
図3中の30は送信パターンアンテナ部であるが、これ
は受信パターンアンテナ部と兼用になっている。
【0044】 以下、子機の構成部分について詳細に説
明すると、当該放射線検出部21は、放射線を感知し電
気的測定信号に変換するセンサー26と、当該センサー
26からの測定信号を増幅するプリアンプ17とから成
る。本実施例における当該センサー26として光電ダイ
オードを用いた。当該光電ダイオードは、市販のもので
約10mm角程度なので、子機2は、直径約30mm前
後の円形時計型にまで小型化することが充分可能であ
る。また、このセンサー26は必ずしも光電ダイオード
に限る必要がないこと勿論である。例えば、α線用の半
導体、β線用のプラスチックシンチレーション、γ線用
の半導体などと測定できる放射線の種類によって複数の
センサーを組み合わせても良い。その場合にはα線、β
線、γ線のそれぞれを測定できるように各センサのバイ
アス電圧を変えたり切換えたりするように構成する必要
がある。
【0045】 当該子機送信装置22は、表面波発信器
とトランジスタにより高周波を発信する子機発信部28
と送信データを高周波に変調する子機変調部29と送信
用パターンアンテナ部30とからなり、送信データを高
周波送信できるようにしたものである。
【0046】 また子機受信装置23は、受信用パター
ンアンテナ部31と受信高周波プリアンプ部32と高周
波信号を受信データに復調する子機復調部33とからな
り、複数の子機2,2,2,…からの高周波信号を受信
し、受信データに復調できるようにしたものである。
【0047】 また警報装置24は、非常時にこのスイ
ッチを押すことにより、非常用電波を継続的にする非常
用発信スイッチ34と、親機1からの警報信号を受けて
子機1に音や光で放射線を浴びていることを知らせる警
報表示部35とからなるものである。
【0048】 更に子機制御部15は、親機1からの高
周波送信で送信されてきたコマンド解釈手段36、コマ
ンドに対応するコマンド応答手段37、ID管理手段3
8、時間管理手段39が構成されている。
【0049】このようにしてなる子機1は、センサー2
6で放射線を感知すると、これを電気的測定信号データ
に変換したうえ、当該測定信号データを子機送信装置2
2で送信するとともに、親機1との間で電気的信号デー
タを送受信し得るようになし、親機1から警報信号を受
信することにより警報装置24の警報表示部35により
警報(危険/安全)を出力表示できるようにしたもので
ある。子機1の測定信号データは、ノイズを含んだ生の
データで、加工したり分析した後のものではない。
【0050】 親機1は、送信装置12と、受信装置1
3と、データ処理部14Aと親機制御部14Bとからな
る中央処理装置14と、出力手段部15とを備えたもの
である。当該親機1は、住民が所持する多数の子機2,
2,2…を集中管理し、送信されてくる放射線測定デー
タを分析したり、測定した放射線の危険度を判断した
り、警告を子機に送信するための装置である。
【0051】 この親機1について図6に基づいて以下
詳細に説明する。親機1の送信装置12は、表面波発信
器とトランジスタにより高周波を発信する発信部4と、
送信データを高周波に変調する変調部5と、送信用アン
テナ部6から出力される電波の出力をコントロールでき
る可変ゲインアンプ部7と、送信アンテナ部6とからな
り、警報信号データやコマンドや応答信号を高周波送信
できるようにしたものである。
【0052】 また前記受信装置13は、無指向性受信
アンテナ8aと指向性受信アンテナ8bの2種類のアン
テナを備えた受信アンテナ部8と、当該無指向性アンテ
ナ8bと指向性アンテナ8aとを切り替えることのでき
るアンテナ切替部9と、受信プリアンプ部10と、高周
波信号を受信データに復調する復調部11とからなるも
ので、複数の子機2,2,2…からの測定信号データや
コマンドや応答信号などを高周波信号として受信し、こ
れを受信データに復調できるようにしたものである。
【0053】 前記中央処理装置14は、基本的なデー
タ処理機能部14Aと親機制御機能部14Bとからな
る。当該中央処理装置はすべてをコンピュータを用いて
処理することができるものであるが、それに限る必要は
ない。本発明において、前者のデータ処理部14Aは、
測定した放射線の処理を行うための必須構成要素である
が、後者の親機制御部14Bは使いやすくするために必
要に応じて設ける補助的機能である。
【0054】 前者のデータ処理部14Aは、データベ
ース手段16と、ノイズ弁別装置17と、危険度判別手
段18と、警報信号発信手段19とからなる。即ち、子
機1より送信されてきた測定データを前記受信装置13
受信し、この測定信号データをファイルに登録保存する
データベース手段16と、当該データベース手段165
から測定信号データを取り出し、この測定信号データを
分析してノイズ信号を判別除去して真正放射線測定デー
タを抽出し、必要に応じて当該真正放射線データを測定
保存するノイズ弁別装置17と、当該真正放射線測定デ
ータをとりだし、これを予め定めた安全基準データと比
較して危険度を判別し、対応を指令する危険度判別手段
18と、当該危険度判別手段18装置による判別結果に
応じて警報信号を必要に応じて送信装置12から子機に
送信するようにした警報信号発信手段18とから構成さ
れている。
【0055】 放射線の測定信号は、微小な場合が多く
認識するためには増幅する必要があるためノイズが混入
し易く、ノイズを低減する必要がある。そこで、本発明
は、ノイズ弁別装置17でノイズ信号を判別したうえ、
除去して、真正放射線測定データを確認できるようにし
ている。本実施例のノイズ弁別装置17における弁別方
法としては、例えばコンピュータで処理する場合、次の
3通りの方法がある。第1に、入力波形の最大ピーク値
に対応する波形面積と波形全面積との比に応じてノイズ
信号と真正放射線測定信号とを弁別する手段(図9)、
第2に、入力波形からフラクタル次元を求め、このフラ
クタル次元に応じてノイズ信号と真正放射線測定信号と
を弁別する手段(図10)、第3に、入力波形の歪率を
求め、この歪率に応じてノイズ信号と真正放射線測定信
号とを弁別する手段(図11)である。いずれかひとつ
の手段で弁別してもよいが、少なくとも2以上のノイズ
弁別手段で弁別されたノイズ信号と真正放射線測定信号
とを比較して、最終的に真正放射線測定信号を抽出特定
するようにすると確実性があって望ましい。
【0056】 以下前記3つの弁別手段の実施例を説明
する。前記図9は第1の波形面積と波形全面積との比に
よりノイズ信号と真正信号とを弁別する手段により行う
信号特徴抽出処理を測定信号データに適用した場合の一
例を示す図である。同図の左側は、放射線パルスの正常
波形を示しており、右側は放射線パルスに溶接などの外
部要因により振動ノイズが重畳した波形を表している。
【0057】 図10は、第2の入力波形からフラクタ
ル次元を求めて弁別する手段による信号特徴抽出を、放
射線測定波形の出力信号に適用した例である。図の左側
は、通常な状態の放射線検出器の波形、右側は、外部要
因によりノイズが重畳した波形を表している。
【0058】 図11は、第3の入力波形の歪率を求め
て弁別する手段により信号特徴抽出を放射線波形の出力
信号に適用した例である。図の左側は、通常温度状態に
おける出力波形、右側は、高温状態において、検出器の
特性変化などに起因するノイズが発生した場合を想定し
た出力波形を表している。グラフの下に歪度を示してい
る。いずれも具体的には、データベース手段15から測
定信号データを取り出し、信号データから信号の特徴を
特徴抽出アルゴリズムに従って抽出したうえ、判定処理
アルゴリズムにより擬似信号であるか否かの判定を行
い、擬似信号を削除したり、他に登録して擬似信号が危
険度判別手段18に伝わらないようにして弁別する方法
である。
【0059】 後者の親機制御部14Bは、可変ゲイン
アンプ部7のゲインコントロールができるようにするゲ
インコントロール手段40と、これによって電波の届く
範囲や距離を特定したりその距離を測定できるようにす
る距離測定手段41と、指向性アンテナで電波の届く方
向を特定できるようにする方向特定手段42と、親機1
から子機2の子機制御部25へ指定時間を設定する指定
時間設定手段43と、必要なコマンドをデータとして送
信できるようにするコマンド送信手段44と、親機から
の送信に応じた子機からの応答信号を受信できる応答信
号受信手段45と、受信信号から予め付加されているI
Dを識別して、その信号を発信した子機を特定できるよ
うにするID識別手段46の全部又は一部とから構成さ
れている。
【0060】 前記出力手段部23は、電波の届く範囲
や距離や、電波の届く特定方向や、子機1からの応答信
号や、その受信できた人数や、信号を発信した子機1を
持つ人や場所の識別特定などを出力できるように構成さ
れている。
【0061】 当該図示実施例に係る放射線測定警報シ
ステムは、具体的に次のように使用される。まず、放射
線測定警報システムを用いて漏洩している放射線を測定
する方法について述べる。
【0062】 放射線漏れ事故が起こり子機2,2,2…
のセンサー26で放射線を感知すると、これを電気的測
定信号データに変換したうえ、当該測定信号データを子
機送信装置22で送信する。即ち、当該子機2から親機
1に対して高周波無線通信をする。すると、親機1で
は、子機2,2,2…から送信されてきた測定信号データ
を一度データベース手段16に保存する。次にこのデー
タベース手段16から測定信号データを取り出し、当該
測定信号データからノイズを弁別して真正放射線データ
を抽出し、この真正放射線データを予め定めた安全基準
データと比較して危険度を判別する。その上でその判別
結果に応じて警報信号を前記子機1に送信する。すると
当該子機2は、親機1から警報信号を受信して警報装置
24の警報表示部35により警報(危険/安全)を出力
表示する。
【0063】 尚、親機1ではID識別手段46により
必要に応じて特定範囲内に居る複数の子機2,2,2の場
所や個数や子機2,2,2をもった人を識別したり、アン
テナ切替部9で無指向性アンテナ8aと指向性アンテナ
8bとを切替えて受信する方向特定手段や距離測定手段
を使用することにより親機1を基点として子機2,2,2
のある方向や距離等からその位置を特定したり、子機に
コマンドその他の信号を送信したり、子機1からの応答
信号を受信したり、非常時において子機から非常用電波
の発信がおこなえるようにしたことを特徴とする放射線
測定警報システムである。
【0064】 また、本発明に係る親機1は、送信出力
を可変できる可変ゲインアンプ6を持っており、電波の
届く範囲を容易に変えることができる。そこで、親機1
は、図7に示すように電波の届く特定範囲を決めて、無
指向性アンテナ10aから一斉送信して、散在する子機
からの放射線測定活動を開始させることができる。次に
夫々の子機2,2,2,…は、IDにより予め応答する
時間が決められていて、一斉放送から予め定められてい
た時間に親機と通信することもできる。こうすることに
より、ポーリングによる方法よりも迅速に特定の子機に
よる放射線の測定信号データを受信し、リアルタイムに
その放射線の危険性を判定してその結果当該子機2たち
に警報を発信することができる。
【0065】 次に、特定の子機2の居る場所を探す方
法について述べる。まず、子機2の居る場所を探すため
に、無指向アンテナを用いて送信するが、その際の送信
出力を徐々に出力をあげていき、子機の対応があった場
合に、その出力の届く範囲を規定したテーブルから子機
の距離を求める(操作1)。次に、アンテナ切替部によ
り送信アンテナを単一指向性アンテナ10bに切り替
え、送信レベルが一番高い方向を子機の居る方向と特定
する(操作2)。そして、操作1により定まった距離と
操作2により特定された方向の交差する地点に探してい
る子機2を持った人が居ることになる。
【0066】 このようにして子機2の居る場所を探す
方法の原理を図8に示す。即ち親機1が存在する地図上
現在位置を中心に、操作1により定まった距離に円を
描き、操作2により定まった方向に直線を描き、両者
の描線の交差点を示す位置に探している不在の子機が居
ることが分かることになる。
【0067】 更に、子機2が、事故に遭遇したり、身
動きが取れなくなったときなど非常事態がおこったとき
は、子機2の非常用スイッチ34を押すことにより非常
用電波を継続的に送信した状態にすることもできる。こ
のようにすれば、親機1や救助隊などが当該子機2を発
見し易くする事もできることになる。
【0068】
【発明の効果】 本発明は、それぞれにIDを付加入力
してなる1台の親機と複数の子機との間で無線通信でき
るように組み合わせたものである。具体的には、原子力
利用施設Aの周辺に住む多数の住民に配布し、それぞれ
が子機2,2,2…を携帯したり、使用する自動車に装着
したり、建物に装着するなど生活に密着した場に装着し
ておくようにしておく。そして、原子力利用施設Aから
不測の事故により放射線が漏れた場合、周辺住民が携帯
したり装着したりしている多数の子機のセンサーで放射
線を感知すると、直ちにこれを電気的測定信号データに
変換したうえ、当該測定信号データを子機送信装置で親
機に送信する。このように当該子機から親機に対して高
周波無線通信で測定信号データが送信されると、当該子
機から送信されてきた測定信号データを一端データベー
ス手段に漏れなく保存する。そのうえで、直ちにこのデ
ータベース手段から測定信号データを取り出し、当該測
定信号データからノイズを弁別して真正放射線データを
抽出し、この真正放射線データを予め定めた安全基準デ
ータと比較して危険度を判別し、その判別結果に応じて
警報信号をリアルタイムに子機に送信する。すると当該
子機2は、親機1から警報信号を受信して警報装置24
により警報(危険/安全)を出力表示する。これによっ
て、携帯したり装着している住民は、放射能漏れ事故が
発生していること、自分が放射線被曝していること、そ
の結果自分がどの程度危険にさらされているか、などを
リアルタイムに知ることが出来る。その結果、住民は迅
速に治療や避難や待機など適切な対応策を講じることが
出来ることになる。
【0069】 また、本発明は、親機ではID識別手段
により必要に応じて特定範囲内に居る複数の子機の居場
所や個数や子機を所有する人を識別し特定できるし、無
指向性アンテナと指向性アンテナとを切替えて受信する
方向特定手段や距離測定手段を使用することにより親機
を基点として子機のある方向や距離等からその位置を特
定することもできる。また、当該子機にコマンドその他
の信号を送信したり、子機からの応答信号を受信した
り、非常時において子機から非常用電波の発信がおこな
えるように構成してあるので、様々な状況に対応するこ
とができる。このように当該放射線測定警報システム
は、多様な事態に対応でき、使い勝手が良いものとなっ
ている。
【0070】 従って親機は、放射能漏れ対策中央管理
センターとして、複雑で高度なデータの収集、ノイズ分
別、分析、危険度判断、個別警告などの重要で高度な管
理業務を分担することができる。一方子機は、小型で携
帯に便利なものとなっており、しかも放射能感知機能と
警報機能と親機との通信機能だけをの役割分担を果たし
ている。つまり、本発明に係る放射線測定警報システム
は、子機と親機とを組み合わせることにより、機動性と
技術的困難性を両立させるようにした点に特徴がある。
また本発明は、被害当事者である住民に放射線感知する
役割をもっており、放射線の測定や警報システムの一部
として組み込み参加させるようにした点が第2の特徴で
ある。特に本願発明の放射線測定警報システムは、住民
参加型の情報開示方式にしたことによって、信頼性と実
効性の高い社会システムとなるものである。
【0071】 このように一般には事故が起こっても認
識することが困難な放射能漏れを検知測定する子機を、
被害者側にある原子力利用施設の周辺住民に持たせるこ
とにより常に住民全員で監視し、測定し、警報を発する
システムとなる。この結果、こ測定警報システムが作動
しない限り安全であることが事実上立証されることにな
り、不信感からくる住民の不安が除かれる。そして、万
一事故が起こった場合でも、リアルタイムに当該システ
ムが作動し、直接被害者となる周辺住民に的確に、且つ
効率良く知らせることが出来るので、被曝による被害を
最小限度にすることが出来るものである。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年10月31日(2000.10.
31)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、相互に無線通信ので
きる親機と複数の子機との組み合わせにかかる放射線測
定警報システムであって、放射線漏れ事故などに際し
て、多数の住民や事故対策作業員などに子機を携帯させ
て、その放射線の被曝量をリアルタイムに測定し、これ
を無線通信により自動的に親機に知らせ、親機において
正確な被曝放射線量を認識して危険性を判断し、その結
果を危険度に応じて子機を携帯する被曝者やその虞のあ
る人々にリアルタイムに警報として個別に知らせること
ができる社会システムを提供せんとするものである。
【0002】
【従来の技術】 近年、原子力発電所やそれと関連する
原子燃料製造施設や放射性廃棄物処理施設など原子力平
和利用施設からの放射能漏れ事故が世界の各地で起こっ
ており、そのために周辺地域住民が放射線被曝したり、
被曝を最小限にするために避難させたり、被曝量を測定
しながら作業したり治療をうけたりする対応措置がとら
れることがある。これらの原子力利用施設は、本来安全
性が担保されてのみ、その存在が認められるものであ
る。従って施設運営者側からは、いつも放射線漏れ対策
は考えられる限り万全に施されているので絶対に安全で
あるとの説明がなされるが、現実には放射線漏れ事故が
しばしば起こっており、住民や関係者の間に被曝被害も
発生している。即ち、原子力利用施設の安全神話は崩れ
去り、人間の能力の限界を感じざるを得ない。しかも、
絶対的安全性を前提にしているため、万一の事故に対応
する周辺住民に対する有効な放射線測定警報システムが
殆ど提案されていない。
【0003】 放射線測定器や放射線測定システムとし
ては、例えば特開平10−197645号、特開平8−
82681号、特開平10−10234号、特開平8−
334563号等数多く開発されたり提案されている
が、これらはいずれも特定の施設内で関係者が利用する
ことを目的にして放射線を正確に測定する方法について
いるものや、特定の観測ポイントを設けて放射線の分布
状況を自動的に入手して視覚化するものである。
【0004】 上記特開平10−197645号には、
プローブ交換が容易かつ簡単で、また、その際に設定ミ
スなどのおそれのない放射線測定器を提供するものであ
り、複数のプローブの一つが選択されて接続部を介して
共通の測定部に接続されて用いられる放射線測定器であ
って、プローブと測定部が接続される接続部の形状が共
通で、かつ、該接続部にどのプローブが接続されたかを
自動的に測定部に通知するプローブ種通知手段を有する
ものである。
【0005】 上記特開平8−82681号には、サー
ジノイズに起因して監視機能を変更することなく、サー
ジノイズの影響のみを低減することを目的とし、放射線
検出器で発生した信号パルスを波高弁別した後にパルス
計数して放射線を測定するに際し、放射線検出器からの
信号について正極側及び負極側で波高弁別を行い、この
波高弁別により負極側の信号を検出すると、この検出時
間から所定期間だけ放射線検出器からの信号の検出を禁
止する不感時間を設けるように構成されている。
【0006】 上記特開平8‐334563号には、緊
急時に時々刻々変化する放射線の分布状況を出来るだけ
リアルタイムで視覚化された情報として自動的に入手で
きるようにし、その際の時間面での短縮、効率の改善、
情報精度の向上、そして測定担当者の被曝低減を図るも
のである。
【0007】 上記目的を達成する手段として、測定現
場において放射線量測定を行う多数の移動可能な子局
と、子局から遠く離れた場所でデータ処理を行う親局と
からなり、少なくとも20〜30個所程度設置される各
子局は、その設置場所を検知するGPS位置測定器と、
一定時間毎に放射線量を測定する放射線測定器と、検出
した位置データと放射線量データを無線で親局に伝送す
るデータ送信装置を有し、親局は、各子局からの位置及
び放射線量データを受信するデータ受信装置と、受信デ
ータを瞬時にデータベース化しリアルタイムで放射線量
率のコンターマップを描かせ、地理情報システム上に重
ねて測定エリアの放射線量率マップとして画像化するデ
ータ処理装置を有している。
【0008】 上記の特開平10‐10234号には、
原子力発電所等放射性物質が存在する作業場において、
これらの場所の空間放射線量当量率や表面汚染密度を測
定すると共に、位置情報を複数の無線発信機からの信号
によって求めるようにするものである。
【0009】 上記目的を達成する手段として、放射線
を取扱う放射線作業エリア内の複数の場所にそれぞれ無
線発信機を配置し、これら複数の無線発信機からの電波
を放射線作業者が有する可搬型の放射能測定器によって
受信し、演算処理することによってエリア内での位置情
報を求めると共に放射線測定を行なうものである。
【0010】 上記のように従来の放射線測定器やシス
テムは、特定施設内の放射線を測定する方法や特定の観
測ポイントを設けて放射線の分布状態を視覚化するだけ
で、広域に不特定多数の人々が動き回って散在する住民
の放射線被曝量をリアルタイムに測定し放射線被曝の危
険性を直ちに判断し、その住民に放射線被曝の危険性を
リアルタイムに警報するシステムや技術的思想は一切示
されていない。
【0011】 実際事故の起こった東海村の例において
も、特定地域の住民に退避勧告をしたり、外出禁止警告
を出すだけで、住民の各人がどのくらい放射線被曝があ
ったかは、後刻測定して安全性の許容範囲か否かを知ら
せるなどの対応策をとるだけで、住民の不安と不満はぬ
ぐいきれていない。万一放射線漏れ事故があった場合、
被曝の虞がある住民は、個別に携帯した測定器でリアル
タイムに被曝量を測定することができ、その危険性を直
ちに警報により各人に警報として知らせてほしいという
のが、せめてもの願いである。本発明は、このような住
民の願いをかなえることを目標として研究開発したもの
である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】 放射線漏れ事故は、
人間の五感では認識できない。そのため不特定多数の人
々が動き回って散在する住民の放射線被曝量をリアルタ
イムに感知し、それを測定してその住民に放射線被曝の
危険性を警報できるシステムであることが必要である。
このような要請を実現するためには、放射線を測定でき
る器具を住民なら誰でも容易に携帯することができ、し
かもその生活活動をなんら制限することがない小型の形
状にすること、放射線測定値にはノイズが混在し易いの
でそのノイズを除いて放射線の測定値を常に正確にでき
ること、測定結果からの危険性の判定は専門家により正
確に行う必要があること、危険性の判定結果はその放射
線を測定した子機ごとに個別に警報を通知できるように
すること等の課題を解決させる必要がある。
【0013】 また、放射線の測定センサーは、例え
ば、α線の場合には光電管ダイオードなどの半導体式、
β線の場合にはプラスチックシンチレーション式、γ線
も半導体式で測定できることが知られており、小型化の
可能性はあるが、α線、β線、γ線のそれぞれを測定す
る際のグローブが異なっているうえ、測定値にはノイズ
が混在しており、放射線の種類別に真正な放射線量の測
定値を認識するのは非常に難しい。また、種類別に真正
な放射線量を認識できたとしても、その危険度がどの程
度なのかの判断は専門家でないと困難である。更に、放
射線被曝したらリアルタイムでその被曝量を測定でき、
しかも危険にさらされていることをリアルタイムに警報
などにより知らせることが困難である。
【0014】 これらの技術的課題を解消し、放射能漏
れ事故による被曝被害を最小限にし、住民の不安を可及
的に軽減せんとするのが、本発明の目的である。
【0015】
【課題を解決するための手段】 本発明は上記のような
課題を解消しようとするもので、次のような構成とした
ものである。
【0016】 特許を受けようとする第1発明は、相互
に無線通信のできる親機と複数の子機との組み合わせに
かかる放射線測定警報システムである。
【0017】 当該子機は、放射線を感知し電気的測定
信号に変換するセンサーと、当該センサーからの測定信
号を増幅するプリアンプとから成る放射線検出部と、表
面波発信器とトランジスタにより高周波を発信する子機
発信部と、測定信号データを高周波に変調する子機変調
部と、送信用パターンアンテナ部とからなり送信データ
を高周波送信できるようにした子機送信装置と、受信用
パターンアンテナ部と受信用高周波プリアンプ部と高周
波信号を受信データに復調する子機復調部とからなり、
複数の子機からの高周波信号を受信し、受信データに復
調できるようにした子機受信装置と、非常時にスイッチ
を押すことにより、非常用電波を継続的に送信する状態
にする非常用発信スイッチと、親機からの警報信号を受
けて子機に音や光で放射線を浴びていることを知らせる
警報表示部とからなる警報装置と、親機からのコマンド
を解釈するコマンド解釈手段、コマンドに対応するコマ
ンド応答手段、ID管理手段、時間管理手段などからな
るようにした子機制御部とから構成されている。
【0018】 当該子機は、センサーで放射線を感知す
るとこれを電気的測定信号データに変換したうえ、当該
測定信号データを発信装置で送信するとともに、親機と
の間で電気的信号データを送受信し得るようになし、親
機から警報信号を受信することにより警報装置に警報
(危険/安全)を出力表示できるようにしたものであ
る。
【0019】 また前記親機は、送信装置と受信装置と
データ処理部と親機制御部と出力手段とから構成されて
いる。
【0020】 当該送信装置は、表面波発信器とトラン
ジスタにより高周波を発信する発信部と、送信データを
高周波に変調する変調部と、送信用アンテナ部から出力
される電波の出力をコントロールできる可変ゲインアン
プ部と、送信アンテナ部とからなり、送信データを高周
波送信できるようにしたものである。
【0021】 受信装置は、無指向性受信アンテナと指
向性受信アンテナの2種類のアンテナを備えた受信アン
テナ部と、当該無指向性アンテナと指向性アンテナとを
切り替えることのできるアンテナ切替部と、受信プリア
ンプ部と高周波信号を受信データに復調する復調部とか
らなり、複数の子機からの高周波信号を受信し、受信デ
ータに復調できるようにしたものである。
【0022】 データ処理部は、子機より送信されてき
た測定データを前記受信装置で受信し、この測定信号デ
ータを登録保存するデータベース手段と、当該データベ
ース手段から測定信号データを取り出し、この測定信号
データを分析してノイズ信号を判別除去して真正放射線
測定データを抽出変換し、必要に応じて当該真正放射線
データを保存するノイズ弁別装置と、当該真正放射線測
定データをとりだし、これを予め定めた安全基準データ
と比較して危険度を判別し、対応を指令する危険度判別
手段と、危険度判別装置による判別結果に応じて警報信
号を必要に応じて発信装置から子機に送信するようにし
た警報信号発信手段とからなる。
【0023】 親機制御部は、可変ゲインアンプ部のゲ
インコントロールができるようにするゲインコントロー
ル手段と、これによって電波の届く範囲や距離を特定し
たりその距離を測定できるようにする距離測定手段と、
指向性アンテナで電波の届く方向を特定できるようにす
る方向特定手段と、親機から子機の子機制御部へ指定時
間を設定する指定時間設定手段と、必要なコマンドをデ
ータとして送信できるようにするコマンド送信手段と、
親機からの送信に応じた子機からの応答信号を受信でき
る応答信号受信手段と、受信した信号から予め付加され
ているIDを識別してその信号を発信した子機を特定で
きるようにするID識別手段とからなる。
【0024】 出力手段部は、電波の届く範囲や距離
や、電波の届く特定方向や、信号を発信した子機の特定
結果や、子機からの測定信号データやそれから抽出され
た真正放射線測定データや、当該真正放射線測定データ
の危険度判別結果や、子機に発信した警報内容などデー
タ処理部や親機制御部で処理した内容を必要に応じて出
力できるようにした出力手段部とからなる。
【0025】 当該親機は、複数の子機との間で高周波
無線通信をすることにより、子機から送信されてくる測
定信号データを保存し、この測定信号データからノイズ
を弁別して真正放射線データを抽出し、この真正放射線
データを予め定めた安全基準データと比較して危険度を
判別し、その判別結果に応じて警報信号を子機に送信す
るようにするとともに、親機ではID識別手段により複
数の子機の場所や個数や子機をもった人を識別特定した
り、無指向性アンテナと指向性アンテナとを切替えて受
信する方向特定手段や距離測定手段を使用することによ
り親機を基点として子機の位置を特定したり、子機にコ
マンドその他の信号を送信したり、子機からの応答信号
を受信したり、非常時において子機から非常用電波の発
信がおこなえるようにしたことを特徴とする放射線測定
警報システムである。
【0026】 当該第1発明は、親機を電波の届く特定
範囲内の中心に置き、複数の子機に対して、呼出のため
の送信データを高周波送信するが、その呼出し用の電波
の送信手段は、一斉送信やポーリング等の手段によって
行う。子機にはIDとして予めその子機を所持する者の
氏名や識別番号等が付加入力されており、親機には上記
のIDを記憶させておく。IDにより一斉送信の場合は
時間で、ポーリングのときは呼ばれたときに応答する。
親機は、子機から応答する高周波を受信できた場合は、
特定範囲内に居ると判断して、その結果を親機の出力手
段部を介して出力する。親機からの電波の届く特定範囲
を可変できるので、目的の送受信範囲を設定して送信デ
ータを高周波送信し、その範囲中において子機を持つ人
の人数とその名前を瞬時に確認することができる。親機
は単一の発信機でありながら、子機にはIDが付加され
ているので、複数組の呼出信号を送信することができる
と共に、混在する複数組の人員から各組毎の人員を容易
に区別して把握することが可能である。このような無線
通信による各人への通信機能が本発明のベースとなる特
徴である。
【0027】 さらに第1発明は、子機に警報装置とし
て非常用発信スイッチを設け、非常時にこのスイッチを
押すことにより、子機から非常用電波を常に発信する状
態にすることができるので、子機の方向及び距離を速や
かに特定して、子機の所持者の所在位置を容易に探し出
すことができるようにしてある。
【0028】 これら基本的機能の他に、次のような各
種の機能を同時に備えている点に特徴がある。即ち親機
にアンテナ切替部を設けて、これを操作して無指向性の
アンテナと指向性のアンテナを切替自在としているの
で、例えば無指向性のアンテナで送信できる距離を測定
した後、指向性アンテナにより方向を特定して、両者の
情報から子機の所持者の居る位置を親機により容易に探
し出すことがきるようにしたものである。
【0029】 また第1発明は、親機に送信用アンテナ
部から出力される電波の出力をコントロールできる可変
ゲインアンプ部を備えたので、親機からの電波の送受信
レベルを外部に漏れることがない室内や特定範囲となる
ように調整できる。従って特定室内や所定の地域内に居
る人数の確認をとることができるようになっている。
【0030】 特許を受けようとする第2発明は、親機
における送信装置のゲインアンプ部を、送信用アンテナ
部から出力される電波の出力をコントロールしながら変
化できる可変ゲインアンプ部とし、当該可変ゲインアン
プ部のゲインコントロールによって電波の届く範囲や距
離を特定したり、その距離を測定し、親機から電波の送
受信可能な特定範囲内の子機に呼出信号を送信し、親機
からの呼出信号を受信した子機からの信号を受信して、
特定範囲内にある子機数とそのIDから子機を特定確認
するようにしたことを特徴とする第1発明に記載する放
射線測定警報システムである。
【0031】 当該第2発明は、第1発明の従属発明で
あり、その特徴は無線方式による放射線測定警報システ
ムにおいて、親機に、電波の届く特定範囲を可変できる
可変ゲインアンプ部を搭載して、送受信できる範囲を変
えながらその範囲中の子機と通信し、通信できたときに
その子機を持つ人や装着場所を特定して、その人が所定
の範囲内に居ることを確認することができるようにした
事を特徴とする放射線測定警報システムである。
【0032】 特許を受けようとする第3発明は、親機
における受信装置の受信アンテナ部として、無指向性受
信アンテナと指向性受信アンテナの2種類を備えるとと
もに、受信装置のアンテナ切替部9により、無指向性ア
ンテナと指向性アンテナの切り替えができるようにし、
これによって電波の届く方向を全方位にしたり特定方向
に限定できるようになし、無指向性アンテナで送信でき
る距離を測定するとともに、アンテナ切替部により指向
性アンテナに切り替えてその方向を特定し、子機を持っ
ている人の居る場所を親機により確認できるようにした
ことを特徴とする第1発明に記載する放射線測定警報シ
ステムである。
【0033】 第3発明は、第1発明の従属発明であっ
て、その特徴は、親機の受信装置にアンテナ切替部を設
けて、これを操作して無指向性アンテナと指向性アンテ
ナを切替自在としているので、例えば無指向性アンテナ
で送信できる距離を測定した後、指向性アンテナにより
方向を特定して、両者の情報から子機の所持者の居る位
置を親機により容易に探し出すことがきるようにしたも
のである。
【0034】 特許を受けようとする第4発明は、親機
と複数の子機との間で相互に無線通信できるようにする
際、人口衛星や地上電波中継所など電波を中継する中継
手段を介在させるようにしたことを特徴とする請求項1
に記載する放射線測定警報システムである。
【0035】
【実施例】 以下に本発明に係る放射線測定警報システ
ムの実施例を説明すると、図1は、本発明に係る放射線
測定警報システム全体の使用状態を示す説明図であり、
図2は、本発明を構成する子機の実施例を示す斜視図で
あり、図3は本発明を構成する子機の腕時計型実施例に
おける構成を示す斜視図であり、図4は本発明を構成す
る子機の具体的装着例を示す斜視図であり、図5は、本
発明に係る放射線測定警報システムの親機の構成を示す
ブロック図であり、図6は、本発明に係る放射線測定警
報システムの子機の構成を示すブロック図であり、図7
は、本発明に係る放射線測定警報システムにおいて特定
範囲にある複数の子機と個別に無線通信をする原理を示
す説明図であり、図8は、本発明に係る放射線測定警報
システムにおいて、1台の親機で特定の子機の所在位置
を探す原理を示す説明図である。
【0036】 図において、1は高周波通信のできる親
機であり、2,2,2…は、高周波通信のできる複数の
子機である。本発明に係る放射線測定警報システムは、
相互に無線通信のできる当該親機1と複数の子機2,2,
2…と必要に応じて中継手段3,3の組み合わせにかか
るものである。1台の親機1に対して複数の子機2,2,
2…の組み合わせというのは、例えば1台の親機に対し
て原子力利用施設Aの周辺に住む住民群に応じて1万台
とか2万台の子機を管理するようにすることが望まし
い。住民である放射線測定者は、図3に示すように子機
2を腕時計のように所持したり、建築物に装着したり、
自動車に付着するなどして放射線測定準備をしておくこ
とになる。この子機2,2,2…には個別に氏名や識別番
号等のID情報が付加入力されており、このID情報は
親機1にも同様に付加入力されている。尚この際、子機
2,2,2…にはいくつかのグループ単位でID情報を
付加入力するようにしてもよい。
【0037】 図5は、子機の構成を示す説明図であ
り、当該子機2は、放射線検出部21と、子機送信装置
22と、子機受信装置23と、警報装置24と、子機制
御部25を備えたものである。図示実施例の具体的な子
機2は、図3に示すように手首にバンドで装着できるよ
うな時計型に小型化したもので、バンドを装着しない場
合には図2に示すようになり円盤状のメダル型となる。
当該子機2を使用する態様は、図4に示すように被曝す
るおそれのある建物や自動車などに装着しても良い。
尚、図3、図5中の26は放射線を感知するセンサー
で、27はプリアンプであり、35は警報表示部であ
る。また、図中22は子機送信装置で、23は子機受信
装置であり、34は非常用発信スイッチである。また、
図3中の30は送信パターンアンテナ部であるが、これ
は受信パターンアンテナ部と兼用になっている。
【0038】 以下、子機の構成部分について詳細に説
明すると、当該放射線検出部21は、放射線を感知し電
気的測定信号に変換するセンサー26と、当該センサー
26からの測定信号を増幅するプリアンプ27とから成
る。本実施例における当該センサー26として光電ダイ
オードを用いた。当該光電ダイオードは、市販のもので
約10mm角程度なので、子機2は、直径約30mm前
後の円形時計型にまで小型化することが充分可能であ
る。また、このセンサー26は必ずしも光電ダイオード
に限る必要がないこと勿論である。例えば、α線用の半
導体、β線用のプラスチックシンチレーション、γ線用
の半導体などと測定できる放射線の種類によって複数の
センサーを組み合わせても良い。その場合にはα線、β
線、γ線のそれぞれを測定できるように各センサのバイ
アス電圧を変えたり切換えたりするように構成する必要
がある。
【0039】 当該子機送信装置22は、表面波発信器
とトランジスタにより高周波を発信する子機発信部28
と送信データを高周波に変調する子機変調部29と送信
用パターンアンテナ部30とからなり、送信データを高
周波送信できるようにしたものである。
【0040】 また子機受信装置23は、受信用パター
ンアンテナ部31と受信高周波プリアンプ部32と高周
波信号を受信データに復調する子機復調部33とからな
り、複数の子機2,2,2,…からの高周波信号を受信
し、受信データに復調できるようにしたものである。
【0041】 また警報装置24は、非常時にこのスイ
ッチを押すことにより、非常用電波を継続的に発信する
非常用発信スイッチ34と、親機1からの警報信号を受
けて子機2に音や光で放射線を浴びていることを知らせ
る警報表示部35とからなるものである。
【0042】 更に子機制御部25は、親機1からの高
周波送信で送信されてきたコマンド解釈手段36、コマ
ンドに対応するコマンド応答手段37、ID管理手段3
8、時間管理手段39が構成されている。
【0043】 このようにしてなる子機2は、センサー
26で放射線を感知すると、これを電気的測定信号デー
タに変換したうえ、当該測定信号データを子機送信装置
22で送信するとともに、親機1との間で電気的信号デ
ータを送受信し得るようになし、親機1から警報信号を
受信することにより警報装置24の警報表示部35によ
り警報(危険/安全)を出力表示できるようにしたもの
である。子機2の測定信号データは、ノイズを含んだ生
のデータで、加工したり分析した後のものではない。
【0044】 親機1は、送信装置12と、受信装置1
3と、データ処理部14Aと親機制御部14Bとからな
る中央処理装置14と、出力手段部15とを備えたもの
である。当該親機1は、住民が所持する多数の子機2,
2,2…を集中管理し、送信されてくる放射線測定デー
タを分析したり、測定した放射線の危険度を判断した
り、警告を子機に送信するための装置である。
【0045】 この親機1について図6に基づいて以下
詳細に説明する。親機1の送信装置12は、表面波発信
器とトランジスタにより高周波を発信する発信部4と、
送信データを高周波に変調する変調部5と、送信用アン
テナ部6から出力される電波の出力をコントロールでき
る可変ゲインアンプ部7と、送信アンテナ部6とからな
り、警報信号データやコマンドや応答信号を高周波送信
できるようにしたものである。
【0046】 また前記受信装置13は、無指向性受信
アンテナ8aと指向性受信アンテナ8bの2種類のアン
テナを備えた受信アンテナ部8と、当該無指向性アンテ
ナ8bと指向性アンテナ8aとを切り替えることのでき
るアンテナ切替部9と、受信プリアンプ部10と、高周
波信号を受信データに復調する復調部11とからなるも
ので、複数の子機2,2,2…からの測定信号データや
コマンドや応答信号などを高周波信号として受信し、こ
れを受信データに復調できるようにしたものである。
【0047】 前記中央処理装置14は、基本的なデー
タ処理機能部14Aと親機制御機能部14Bとからな
る。当該中央処理装置はすべての処理についてコンピュ
ータを用いて処理することができるものであるが、それ
に限る必要はない。本発明において、前者のデータ処理
部14Aは、測定した放射線の処理を行うための必須構
成要素であるが、後者の親機制御部14Bは使いやすく
するために必要に応じて設ける補助的機能である。
【0048】 前者のデータ処理部14Aは、データベ
ース手段16と、ノイズ弁別装置17と、危険度判別手
段18と、警報信号発信手段19とからなる。即ち、子
機2より送信されてきた測定データを前記受信装置13
受信し、この測定信号データをファイルに登録保存する
データベース手段16と、当該データベース手段16か
ら測定信号データを取り出し、この測定信号データを分
析してノイズ信号を判別除去して真正放射線測定データ
を抽出し、必要に応じて当該真正放射線データを測定保
存するノイズ弁別装置17と、当該真正放射線測定デー
タをとりだし、これを予め定めた安全基準データと比較
して危険度を判別し、対応を指令する危険度判別手段1
8と、当該危険度判別手段18装置による判別結果に応
じて警報信号を必要に応じて送信装置12から子機に送
信するようにした警報信号発信手段18とから構成され
ている。
【0049】 放射線の測定信号は、微小な場合が多く
認識するためには増幅する必要があるためノイズが混入
し易く、ノイズを低減する必要がある。そこで、本発明
は、ノイズ弁別装置17でノイズ信号を判別したうえ、
除去して、真正放射線測定データを確認できるようにし
ている。本実施例のノイズ弁別装置17における弁別方
法としては、例えばコンピュータで処理する場合、次の
3通りの方法がある。第1に、入力波形の最大ピーク値
に対応する波形面積と波形全面積との比に応じてノイズ
信号と真正放射線測定信号とを弁別する手段(図9)、
第2に、入力波形からフラクタル次元を求め、このフラ
クタル次元に応じてノイズ信号と真正放射線測定信号と
を弁別する手段(図10)、第3に、入力波形の歪率を
求め、この歪率に応じてノイズ信号と真正放射線測定信
号とを弁別する手段(図11)である。いずれかひとつ
の手段で弁別してもよいが、少なくとも2以上のノイズ
弁別手段で弁別されたノイズ信号と真正放射線測定信号
とを比較して、最終的に真正放射線測定信号を抽出特定
するようにすると確実性があって望ましい。
【0050】 以下前記3つの弁別手段の実施例を説明
する。前記図9は第1の波形面積と波形全面積との比に
よりノイズ信号と真正信号とを弁別する手段により行う
信号特徴抽出処理を測定信号データに適用した場合の一
例を示す図である。同図の左側は、放射線パルスの正常
波形を示しており、右側は放射線パルスに溶接などの外
部要因により振動ノイズが重畳した波形を表している。
【0051】 図10は、第2の入力波形からフラクタ
ル次元を求めて弁別する手段による信号特徴抽出を、放
射線測定波形の出力信号に適用した例である。図の左側
は、通常な状態の放射線検出器の波形、右側は、外部要
因によりノイズが重畳した波形を表している。
【0052】 図11は、第3の入力波形の歪率を求め
て弁別する手段により信号特徴抽出を放射線波形の出力
信号に適用した例である。図の左側は、通常温度状態に
おける出力波形、右側は、高温状態において、検出器の
特性変化などに起因するノイズが発生した場合を想定し
た出力波形を表している。グラフの下に歪度を示してい
る。
【0053】 いずれも具体的には、データベース手段
15から測定信号データを取り出し、信号データから信
号の特徴を特徴抽出アルゴリズムに従って抽出したう
え、判定処理アルゴリズムにより擬似信号であるか否か
の判定を行い、擬似信号を削除したり、他に登録して擬
似信号が危険度判別手段18に伝わらないようにして弁
別する方法である。
【0054】 後者の親機制御部14Bは、可変ゲイン
アンプ部7のゲインコントロールができるようにするゲ
インコントロール手段40と、これによって電波の届く
範囲や距離を特定したりその距離を測定できるようにす
る距離測定手段41と、指向性アンテナで電波の届く方
向を特定できるようにする方向特定手段42と、親機1
から子機2の子機制御部25へ指定時間を設定する指定
時間設定手段43と、必要なコマンドをデータとして送
信できるようにするコマンド送信手段44と、親機から
の送信に応じた子機からの応答信号を受信できる応答信
号受信手段45と、受信信号から予め付加されているI
Dを識別して、その信号を発信した子機を特定できるよ
うにするID識別手段46の全部又は一部とから構成さ
れている。
【0055】 前記出力手段部23は、電波の届く範囲
や距離や、電波の届く特定方向や、子機2からの応答信
号や、その受信できた人数や、信号を発信した子機2を
持つ人や場所の識別特定などを出力できるように構成さ
れている。
【0056】 当該図示実施例に係る放射線測定警報シ
ステムは、具体的に次のように使用される。まず、放射
線測定警報システムを用いて漏洩している放射線を測定
する方法について述べる。
【0057】 放射線漏れ事故が起こり子機2,2,2…
のセンサー26で放射線を感知すると、これを電気的測
定信号データに変換したうえ、当該測定信号データを子
機送信装置22で送信する。即ち、当該子機2から親機
1に対して高周波無線通信をする。すると、親機1で
は、子機2,2,2…から送信されてきた測定信号データ
を一度データベース手段16に保存する。次にこのデー
タベース手段16から測定信号データを取り出し、当該
測定信号データからノイズを弁別して真正放射線データ
を抽出し、この真正放射線データを予め定めた安全基準
データと比較して危険度を判別する。その上でその判別
結果に応じて警報信号を前記子機2に送信する。すると
当該子機2は、親機1から警報信号を受信して警報装置
24の警報表示部35により警報(危険/安全)を出力
表示する。
【0058】 尚、親機1ではID識別手段46により
特定範囲内に居る複数の子機2,2,2の場所や個数や子
機2,2,2をもった人を識別したり、アンテナ切替部9
で無指向性アンテナ8aと指向性アンテナ8bとを切替
えて受信する方向特定手段や距離測定手段を使用するこ
とにより親機1を基点として子機2,2,2のある方向や
距離等からその位置を特定したり、子機にコマンドその
他の信号を送信したり、子機2からの応答信号を受信し
たり、非常時において子機から非常用電波の発信がおこ
なえるようにしたことを特徴とする放射線測定警報シス
テムである。
【0059】 また、本発明に係る親機1は、送信出力
を可変できる可変ゲインアンプ6を持っており、電波の
届く範囲を容易に変えることができる。そこで、親機1
は、図7に示すように電波の届く特定範囲を決めて、無
指向性アンテナ10aから一斉送信して、散在する子機
からの放射線測定活動を開始させることができる。次に
夫々の子機2,2,2,…は、IDにより予め応答する
時間が決められていて、一斉放送から予め定められてい
た時間に親機と通信することもできる。こうすることに
より、ポーリングによる方法よりも迅速に特定の子機に
よる放射線の測定信号データを受信し、リアルタイムに
その放射線の危険性を判定して、その結果、当該子機2
たちに警報を発信することができる。
【0060】 次に、特定の子機2の居る場所を探す方
法について述べる。まず、子機2の居る場所を探すため
に、無指向性アンテナを用いて送信するが、その際の送
信出力を徐々にあげていき、子機の対応があった場合
に、その出力の届く範囲を規定したテーブルから子機の
距離を求める(操作1)。次に、アンテナ切替部により
送信アンテナを単一指向性アンテナ10bに切り替え、
送信レベルが一番高い方向を子機の居る方向と特定する
(操作2)。そして、操作1により定まった距離と操作
2により特定された方向の交差する地点に探している子
機2を持った人が居ることになる。
【0061】 このようにして子機2の居る場所を探す
方法の原理を図8に示す。即ち親機1が存在する地図
上、現在位置を中心にして操作1により定まった距離に
円を描き、操作2により定まった方向に直線を描
き、両者の描線の交差点を示す位置に探している不在の
子機が居ることが分かることになる。
【0062】 更に、子機2が、事故に遭遇したり、身
動きが取れなくなったときなど非常事態がおこったとき
は、子機2の非常用スイッチ34を押すことにより非常
用電波を継続的に送信した状態にすることもできる。こ
のようにすれば、親機1や救助隊などが当該子機2を発
見し易くする事もできることになる。
【0063】
【発明の効果】 本発明は、それぞれにIDを付加入力
してなる1台の親機と複数の子機との間で無線通信でき
るように組み合わせたものである。具体的には、原子力
利用施設Aの周辺に住む多数の住民に配布し、それぞれ
が子機2,2,2…を携帯したり、使用する自動車に装着
したり、建物に装着するなど生活に密着した場に装着し
ておくようにしておく。そして、原子力利用施設Aから
不測の事故により放射線が漏れた場合、周辺住民が携帯
したり装着したりしている多数の子機のセンサーで放射
線を感知すると、直ちにこれを電気的測定信号データに
変換したうえ、当該測定信号データを子機送信装置で親
機に送信する。このように当該子機から親機に対して高
周波無線通信で測定信号データが送信されると、当該子
機から送信されてきた測定信号データをいったんデータ
ベース手段に漏れなく保存する。そのうえで、直ちにこ
のデータベース手段から測定信号データを取り出し、当
該測定信号データからノイズを弁別して真正放射線デー
タを抽出し、この真正放射線データを予め定めた安全基
準データと比較して危険度を判別し、その判別結果に応
じて警報信号をリアルタイムに子機に送信する。すると
当該子機2は、親機1から警報信号を受信して警報装置
24により警報(危険/安全)を出力表示する。これに
よって、携帯したり装着している住民は、放射能漏れ事
故が発生していること、自分が放射線被曝しているこ
と、その結果、自分がどの程度危険にさらされているか
等をリアルタイムに知ることが出来る。その結果、住民
は迅速に治療や避難や待機など適切な対応策を講じるこ
とが出来ることになる。
【0064】 また、本発明は、親機ではID識別手段
により特定範囲内に居る複数の子機の居場所や個数や子
機を所有する人を識別し特定できるし、無指向性アンテ
ナと指向性アンテナとを切替えて受信する方向特定手段
や距離測定手段を使用することにより親機を基点として
子機のある方向や距離等からその位置を特定することも
できる。また、当該子機にコマンドその他の信号を送信
したり、子機からの応答信号を受信したり、非常時にお
いて子機から非常用電波の発信がおこなえるように構成
してあるので、様々な状況に対応することができる。こ
のように当該放射線測定警報システムは、多様な事態に
対応でき、使い勝手が良いものとなっている。
【0065】 従って、親機は、放射能漏れ対策中央管
理センターとして、複雑で高度なデータの収集、ノイズ
分別、分析、危険度判断、個別警告などの重要で高度な
管理業務を分担することができる。一方子機は、小型で
携帯に便利なものとなっており、しかも放射能感知機能
と警報機能と親機との通信機能だけをの役割分担を果た
している。つまり、本発明に係る放射線測定警報システ
ムは、子機と親機とを組み合わせることにより、機動性
と技術的困難性を両立させるようにした点に特徴があ
る。また本発明は、被害当事者である住民に放射線感知
する役割をもっており、放射線の測定や警報システムの
一部として組み込み参加させるようにした点が第2の特
徴である。特に本願発明の放射線測定警報システムは、
住民参加型の情報開示方式にしたことによって、信頼性
と実効性の高い社会システムとなるものである。
【0066】 このように一般には事故が起こっても認
識することが困難な放射能漏れを検知測定する子機を、
被害者側にある原子力利用施設の周辺住民に持たせるこ
とにより常に住民全員で監視し、測定し、警報を発する
システムとなる。この結果、この測定警報システムが作
動しない限り安全であることが事実上立証されることに
なり、不信感からくる住民の不安が除かれる。そして、
万一事故が起こった場合でも、リアルタイムに当該シス
テムが作動し、直接被害者となる周辺住民に的確に、且
つ効率良く知らせることが出来るので、被曝による被害
を最小限度にすることが出来るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G01S 13/75 G01S 13/80 13/76 13/79 Fターム(参考) 2F073 AA22 AA32 AA33 AB01 AB02 AB03 BB01 BC02 CC01 CC07 CC08 CC12 CD00 DD06 DD07 DE13 DE14 DE16 EF07 EF09 FF01 FG01 FG02 FG14 GG01 GG04 2G088 AA06 AA09 EE11 EE21 FF17 FF19 JJ01 JJ09 KK20 KK24 LL11 MM09 5C087 AA02 AA03 AA10 AA25 BB20 BB46 BB65 BB74 DD03 EE05 EE18 FF01 FF03 FF17 GG08 GG12 GG32 GG66 5J070 AE20 BC06 BC08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相互に無線通信のできる親機と複数の子機
    との組み合わせにかかる放射線測定警報システムであっ
    て、当該子機は、放射線検出部と子機送信装置と子機受
    信装置と警報装置と子機制御部とから構成されており、
    放射線を感知しこれを測定信号データに変換するととも
    に当該測定信号データを含む電気的信号データを送受信
    でき、しかも親機からの警報信号を受信することにより
    警報(危険/安全)の出力表示できるようにしたもので
    あり、前記親機は、送信装置と受信装置と測定信号デー
    タから真正放射線データを弁別抽出するノイズ弁別装置
    と、当該真正放射線データの危険度を判別する危険度判
    別手段と、その判別結果に応じて警報信号を子機に送信
    するようにした警報信号発信手段と親機制御部とから構
    成されており、子機から送信されてくる測定信号データ
    からノイズを弁別して真正放射線データを抽出し、これ
    を予め定めた安全基準と比較して危険度を判別し、その
    判別結果に応じて警報信号を子機に送信し得るようにし
    たものであることを特徴とする放射線測定警報システ
    ム。
  2. 【請求項2】相互に無線通信のできる親機と複数の子機
    との組み合わせにかかる広域放射線測定警報システムで
    あって、当該子機は、放射線を感知し電気的測定信号に
    変換するセンサーと、当該センサーからの測定信号を増
    幅するプリアンプとから成る放射線検出部と、表面波発
    信器とトランジスタにより高周波を発信する子機発信部
    と、測定信号データを高周波に変調する子機変調部と、
    送信用パターンアンテナ部とからなり送信データを高周
    波送信できるようにした子機送信装置と、受信用パター
    ンアンテナ部と受信用高周波プリアンプ部と高周波信号
    を受信データに復調する子機復調部とからなり、複数の
    子機からの高周波信号を受信し、受信データに復調でき
    るようにした子機受信装置と、非常時にスイッチを押す
    ことにより、非常用電波を継続的に送信する状態にする
    非常用発信スイッチと、親機からの警報信号を受けて子
    機に音や光で放射線を浴びていることを知らせる警報表
    示部とからなる警報装置と、親機からのコマンドを解釈
    するコマンド解釈手段、コマンドに対応するコマンド応
    答手段、ID管理手段、時間管理手段などからなるよう
    にした子機制御部とから構成されており、当該子機は、
    センサーで放射線を感知するとこれを電気的測定信号デ
    ータに変換したうえ、当該測定信号データを発信装置で
    送信するとともに、親機との間で電気的信号データを送
    受信し得るようになし、親機から警報信号を受信するこ
    とにより警報装置により警報(危険/安全)を出力表示
    できるようにしたものであり、前記親機は、表面波発信
    器とトランジスタにより高周波を発信する発信部と、送
    信データを高周波に変調する変調部と、送信用アンテナ
    部から出力される電波の出力をコントロールできる可変
    ゲインアンプ部と、送信アンテナ部とからなり、送信デ
    ータを高周波送信できるようにした送信装置と、無指向
    性受信アンテナと、指向性受信アンテナの2種類のアン
    テナを備えた受信アンテナ部と、当該無指向性アンテナ
    と指向性アンテナとを切り替えることのできるアンテナ
    切替部と、受信プリアンプ部と、高周波信号を受信デー
    タに復調する復調部とからなり、複数の子機からの高周
    波信号を受信し、受信データに復調できるようにした受
    信装置と、子機より送信されてきた測定データを前記受
    信装置で受信し、この測定信号データを登録保存するデ
    ータベース手段と、当該データベース手段から測定信号
    データを取り出し、この測定信号データを分析してノイ
    ズ信号を判別除去して真正放射線測定データを抽出変換
    し、必要に応じて当該真正放射線データを保存するノイ
    ズ弁別装置と、当該真正放射線測定データをとりだし、
    これを予め定めた安全基準データと比較して危険度を判
    別し、対応を指令する危険度判別手段と、危険度判別装
    置による判別結果に応じて警報信号を必要に応じて発信
    装置から子機に送信するようにした警報信号発信手段と
    からなるデータ処理部と、可変ゲインアンプ部のゲイン
    コントロールができるようにするゲインコントロール手
    段と、これによって電波の届く範囲や距離を特定したり
    その距離を測定できるようにする距離測定手段と、指向
    性アンテナで電波の届く方向を特定できるようにする方
    向特定手段と、親機から子機の子機制御部へ指定時間を
    設定する指定時間設定手段と、必要なコマンドをデータ
    として送信できるようにするコマンド送信手段と、親機
    からの送信に応じた子機からの応答信号を受信できる応
    答信号受信手段と、受信した信号から予め付加されてい
    るIDを識別してその信号を発信した子機を特定できる
    ようにするID識別手段とから構成するようにした親機
    制御部と、電波の届く範囲や距離や、電波の届く特定方
    向や、信号を発信した子機の特定結果や、子機からの測
    定信号データやそれから抽出された真正放射線測定デー
    タや、当該真正放射線測定データの危険度判別結果や、
    子機に発信した警報内容などデータ処理部や親機制御部
    で処理した内容を必要に応じて出力できるようにした出
    力手段部とから構成されており、当該親機と複数の子機
    との間で高周波無線通信をすることにより、子機から送
    信されてくる測定信号データを保存し、この測定信号デ
    ータからノイズを弁別して真正放射線データを抽出し、
    この真正放射線データを予め定めた安全基準データと比
    較して危険度を判別し、その判別結果に応じて警報信号
    を子機に送信するようにするとともに、必要に応じて、
    親機ではID識別手段により複数の子機の場所や個数や
    子機をもった人を識別特定したり、無指向性アンテナと
    指向性アンテナとを切替えて受信する方向特定手段や距
    離測定手段を使用することにより親機を基点として子機
    の位置を特定したり、子機にコマンドその他の信号を送
    信したり、子機からの応答信号を受信したり、非常時に
    おいて子機から非常用電波の発信がおこなえるようにし
    たことを特徴とする放射線測定警報システムである。
  3. 【請求項3】親機における送信装置のゲインアンプ部
    を、送信用アンテナ部から出力される電波の出力をコン
    トロールしながら変化できる可変ゲインアンプ部とし、
    当該可変ゲインアンプ部のゲインコントロールにより電
    波の届く範囲や距離を演算特定したりその距離を測定
    し、親機から電波の送受信可能な特定範囲内の子機に呼
    出信号を送信し、親機からの呼出信号を受信した子機か
    らの信号を受信して、特定範囲内にある子機数とそのI
    Dから子機を特定確認するようにしたことを特徴とする
    請求項2に記載する放射線測定警報システム。
  4. 【請求項4】親機における受信装置の受信アンテナ部と
    して、無指向性受信アンテナと指向性受信アンテナの2
    種類を備えるとともに、受信装置のアンテナ切替部によ
    り、無指向性アンテナと指向性アンテナの切り替えがで
    きるようにし、これによって電波の届く方向を全方位に
    したり特定方向に限定できるようになし、無指向性のア
    ンテナで送信できる距離を測定するとともに、アンテナ
    切替部により指向性アンテナに切り替えてその方向を特
    定し、子機を持っている人の居る場所を親機により確認
    できるようにしたことを特徴とする請求項2に記載する
    放射線測定警報システム。
  5. 【請求項5】親機と複数の子機との間で相互に無線通信
    できるようにする際、人口衛星や地上電波中継所など電
    波を中継する中継手段を介在させるようにしたことを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載する放射線測定警
    報システム。
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