JP2001272175A - 耐火材の取付構造及び取付方法 - Google Patents

耐火材の取付構造及び取付方法

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JP2001272175A
JP2001272175A JP2000090122A JP2000090122A JP2001272175A JP 2001272175 A JP2001272175 A JP 2001272175A JP 2000090122 A JP2000090122 A JP 2000090122A JP 2000090122 A JP2000090122 A JP 2000090122A JP 2001272175 A JP2001272175 A JP 2001272175A
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refractory
tube
hole
mounting
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JP2000090122A
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Shigeru Asakura
滋 朝倉
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Meisei Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取付・交換作業を簡便にかつ経済的に行うこ
とができる耐火材の取付構造及び取付方法を提供する。 【解決手段】 焼却炉・工業用加熱炉等の炉の内面部に
敷設したボイラー用のチューブ2を覆う耐火材Tとし
て、互いに隣接するチューブ2どうしの間の空間に配置
可能な第1耐火材T1と、チューブ2および第1耐火材
T1を被覆する第2耐火材T2とを用いた耐火材の取付
構造およびその耐火材の取付方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却炉・工業用加
熱炉等の炉(以下、単に「炉」という)の内面部に敷設
したボイラー用のチューブを覆う耐火材の取付構造及び
取付方法に関する。尚、本発明に係る炉としては、例え
ば、ゴミ焼却設備の焼却炉や、石油精製・石油化学・電
力・ガス事業等における加熱炉、さらには、製鉄事業に
おける工業用加熱炉等が含まれるものとする。
【0002】
【従来の技術】例えば、近年におけるゴミ焼却処理にあ
っては、多種多様のゴミを焼却する必要がある。その場
合には、廃棄プラスチック、ビン、生ゴミなど分別回収
し、ゴミの種類に応じた焼却処理を行う。特に、焼却処
理した場合にダイオキシンを発生させ易い廃棄プラスチ
ックの焼却処理に際しては、焼却温度を1200℃以上
の高温としてダイオキシンの発生を阻止している。この
焼却温度は、以前の焼却温度が約800℃程度であった
ことと比較して極めて高温となっている。
【0003】一方、ゴミ排出量の増大に伴って焼却炉2
0の大型化が進み、前記焼却温度の高温化と相まって焼
却廃熱量も増大している。そこで、最近のゴミ焼却設備
では、焼却炉20にボイラー設備等を併設して、燃焼廃
熱を利用した発電を行ったり、温水プールの運営等を行
うことが多くなっている。
【0004】焼却炉20の廃熱を利用するためには、例
えば図9および図10に示すごとく焼却炉20の壁部2
1などにボイラー用のチューブ2を設ける。その際、焼
却炉20の内部で生じる熱や排ガスから前記チューブ2
を保護するために、前記チューブ2を耐火材Tで被覆す
る。当該耐火材Tは、例えば、図9に示すごとく、チュ
ーブ2の側に取り付けたボルト部材9aに取り付ける。
さらに具体的には、前記ボルト部材9aは、前記チュー
ブ2に係るフィン部4の所定の位置に予め取り付けてお
く。そして、前記チューブ20および前記フィン部4に
フィットする表面形状を有すると共に前記ボルト部材9
aに外挿可能な貫通孔8を有する耐火材Tを、前記ボル
ト部材9aに挿通し、ナット部材17を用いて固定す
る。前記貫通孔8の一方の端部には前記ナット部材17
を埋設可能な凹部を形成してあり、ナット部材17の締
結が終了したのち、当該凹部にキャップ部材19を嵌入
させて耐火材Tの取付けが終了する。 尚、前記チュー
ブ2と耐火材Tとの間、および、隣接する耐火材Tどう
しの間には、伝熱性あるいは耐火性等を有するモルタル
12を配している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記耐火材T
は、焼却炉20の内部で発生する腐食性の排ガスやスラ
ッジ等により摩耗し、損傷する。このような摩耗等は、
耐火材Tのうち炉内側に面した部分に生じるから、摩耗
が進行した耐火材Tは定期的に交換する必要がある。た
だし、焼却炉20に設けた全ての耐火材Tが均等に損傷
を受けているわけではなく、未だ使用可能な耐火材Tも
存在する場合が多い。このような場合であっても、従来
工法では一部の耐火材Tを取り替えるために全ての耐火
材Tを除去しなければならず、当該作業に際しての手間
が多大であった。特に、最近では焼却炉20の稼働時間
が長時間化する傾向にあり、焼却炉休転期間を極力短期
化するために、耐火材Tを交換する場合には当該交換作
業を迅速に行う必要がある。
【0006】また、耐火材Tとチューブ2との間には前
記モルタル12が存在するため、耐火材Tとチューブ2
とはあたかも接着された状態にある。この状態からチュ
ーブ2に損傷を与えることなく耐火材Tのみを除去する
ことも容易ではない。
【0007】さらに、前記耐火材Tは、前記チューブ2
の外形にフィットさせるべく複雑な形状を有しており、
耐火材Tの単価は決して安価なものではないから、耐火
材Tを完全に取り替えてしまうのは経済的とはいえな
い。
【0008】一方、耐火材Tを取り付ける場合にも、従
来の取付構造では不都合な点があった。即ち、前記ボル
ト部材9aが前記チューブ2に対して所定の位置及び姿
勢で取り付けられていない場合には、耐火材Tとチュー
ブ2とがフィットしなかったり、両者間の空間が増大し
て焼却炉20の内部の熱がチューブ2に伝わり難くなる
ことがある。また、ボルト部材9aの取付誤差が過大と
なると、隣接して配置する耐火材Tどうしが干渉して、
耐火材Tを隙間なく取り付けることができない等の不都
合も生じる。
【0009】本発明の目的は、上記従来の問題点を解消
し、取付・交換作業を簡便にかつ経済的に行うことがで
きる耐火材の取付構造及び取付方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】〔構成1〕本発明に係る
耐火材の取付構造は、請求項1に記載したごとく、互い
に隣接するチューブどうしの間の空間に配置可能な第1
耐火材と、前記チューブおよび前記第1耐火材を被覆す
る第2耐火材とを用いて、耐火層を2層に構成した点に
特徴を有する。 〔作用効果〕本構成のごとく、互いに隣接するチューブ
どうしの間の空間に第1耐火材を配置して第1の耐火層
を構成し、さらに、チューブおよび第1耐火材を第2耐
火材で被覆して第2の耐火層を構成しておけば、第2耐
火材のみを炉の内部空間に露出させることができる。こ
の結果、燃焼熱や燃焼排ガス等による摩耗・損傷が生じ
るのを第2耐火材のみに止めることが可能となる。つま
り、第1耐火材およびチューブには、炉内の燃焼排ガス
等が直に接触することがなく、これらの部材が損傷する
のを有効に防止することができる。よって、例えば、炉
の改修を行う場合には、第2耐火材のみを交換すればよ
く、改修作業を簡単に済ますことができる。
【0011】また、第1耐火材および第2耐火材を任意
の特性を備えた材料で形成することで、炉壁の特性を適
宜設定することができる。特に、燃焼炎等と接触しない
第1耐火材の特性を選択することで、例えば、主に伝熱
性を発揮する炉壁を構成したり、あるいは、主に断熱性
を発揮する炉壁を構成することが可能となる。さらに、
第1耐火材は継続して使用することができるから、炉の
改修費用も低減化することができる。
【0012】〔構成2〕本発明に係る耐火材の取付構造
は、請求項2に記載したごとく、前記第1耐火材が、前
記チューブの外面に沿うよう形成した曲面状の第1表面
と、前記炉の内部側に向く平面状の第2表面とを有して
おり、前記第2耐火材が、前記第2表面に対向する平面
状の第3表面を有するように構成することができる。 〔作用効果〕本構成のごとく、第1耐火材に、前記チュ
ーブの外面に沿うような曲面状の第1表面を形成してお
くことで、第1耐火材をチューブにフィットさせて配置
することができる。これにより、炉内で生じた熱を効率
よくチューブに伝達させることができる。さらに、第1
耐火材に、前記炉の内部側に向く平面状の第2表面を形
成し、第2耐火材に、前記第2表面に対向する平面状の
第3表面を形成することで、第1耐火材に対して第2耐
火材をフィットさせることができる。この結果、チュー
ブと第1耐火材との間に加えて、第1耐火材と第2耐火
材とに亘る隙間を少なくすることができ、炉内からチュ
ーブへの伝熱効率を高めることができる。
【0013】〔構成3〕本発明に係る耐火材の取付構造
は、請求項3に記載したごとく、前記第1耐火材が貫通
孔を有しており、前記チューブに取り付けた耐火材支持
金具に対して前記貫通孔を外挿可能に構成すると共に、
前記耐火材支持金具を、その先端部が前記貫通孔から突
出するように構成し、前記第2耐火材に形成した有底孔
を、前記耐火材支持金具の突出先端部に外挿可能に構成
することができる。 〔作用効果〕本構成のごとく、前記チューブに取り付け
た耐火材支持金具に対して第1耐火材の貫通孔を外挿可
能に構成しておけば、第1耐火材の取り付け作業が非常
に簡単なものになる。また、第2耐火材の取付けを、第
1耐火材の貫通孔から突出した耐火材支持金具の先端部
に第2耐火材の有底孔を外挿可能にしておけば、第2耐
火材の取付作業も簡単なものとなる。しかも、一つの耐
火材支持金具によって第1耐火材と第2耐火材とを支持
することができると共に、第1耐火材と第2耐火材との
位置関係も自動的に定まるため、第1耐火材及び第2耐
火材の取付作業が極めて効率的に行えることとなる。ま
た、耐火材支持金具の先端が炉の内部空間に露出しない
から、耐火材支持金具を熱から保護することができ、そ
の結果、第1耐火材および第2耐火材の取付状態を長期
に亘って維持することができる。
【0014】〔構成4〕本発明に係る耐火材の取付構造
は、請求項4に記載したごとく、前記炉の側壁に敷設し
た前記チューブに取り付けた前記耐火材支持金具が、前
記側壁の法線方向とは異なる方向に延出しており、前記
第1耐火材が、上下左右方向に互いに隣接して配置され
る前記第1耐火材どうしの間で対向する第1外周面を有
すると共に、前記第2耐火材が、上下左右方向に互いに
隣接して配置される前記第2耐火材どうしの間で対向す
る第2外周面を有しており、前記第1外周面と前記第2
外周面とが、共に、前記耐火材支持金具の延出方向に対
して平行となるように構成することができる。 〔作用効果〕前述のごとく、第1耐火材及び第2耐火材
は、前記耐火材支持金具に沿って外挿させつつ取り付け
る。そして、本構成のごとく、前記炉の側壁に敷設した
チューブに取り付ける耐火材支持金具を、前記側壁の法
線方向とは異なる方向に延出させておけば、第1耐火材
及び第2耐火材の取付作業をより簡便にすることができ
る。例えば、前記耐火材支持金具を水平方向からやや上
方に向けておけば、第1耐火材及び第2耐火材を単に引
っ掛けて取り付けることができる。また、本構成のごと
く、第1耐火材の第1外周面および第2耐火材の第2外
周面を、共に前記耐火材支持金具の延出方向に対して平
行に構成しておけば、第1耐火材及び第2耐火材を取り
付ける際に隣接する耐火材と干渉することがなく、両耐
火材の外挿操作が容易になる。そして、隣接する第1耐
火材どうし、および、特に隣接する第2耐火材どうしの
間の隙間を最小にすることができるため、第1耐火材お
よびチューブを確実に保護することが可能となる。
【0015】〔構成5〕本発明に係る耐火材の取付構造
は、請求項5に記載したごとく、前記貫通孔の内径、お
よび、前記有底孔の内径を、前記耐火材支持金具の外径
よりも大きく構成することができる。 〔作用効果〕本構成のごとく、前記貫通孔の内径および
前記有底孔の内径を、前記耐火材支持金具の外径よりも
大きく構成しておけば、前記耐火材支持金具が熱膨張し
て、前記貫通穴或いは前記取付用穴を拡大させるような
外力が発生するのを防止し、第1耐火材或いは第2耐火
材が破損するのを阻止することができる。
【0016】〔手段1〕本発明に係る耐火材の取付方法
は、請求項6に記載したごとく、炉の内面部に敷設した
ボイラー用のチューブのうち、互いに隣接する前記チュ
ーブどうしの間に第1耐火材を配置し、当該第1耐火材
に形成した貫通孔に長尺状の耐火材支持金具を挿通する
と共に、前記耐火材支持金具の一方の端部を前記貫通孔
から突出させた状態に固定し、当該耐火材支持金具に通
電して、前記耐火材支持金具の他方の端部を、前記チュ
ーブに設けた金具取付部に溶着し、有底孔を有する前記
第2耐火材を、前記貫通孔から突出した前記一方の端部
に近接させると共に、前記有底孔を前記耐火材支持金具
に外挿させて、前記第2耐火材を係止する点に特徴を有
する。 〔作用効果〕本手段のごとく、まず、チューブどうしの
間に第1耐火材を配置し、当該第1耐火材の貫通孔に耐
火材支持金具を挿通したのち、通電して、耐火材支持金
具をチューブに設けた金具取付部に溶着する方法であれ
ば、第1耐火材の貫通孔をガイドとして耐火材支持金具
を取り付けることができる。つまり、第1耐火材の姿勢
を先に決定した状態で耐火材支持金具を取り付けるもの
であるから、第1耐火材をチューブに対して最適な位置
および姿勢で取り付けることができる。また、上記方法
であれば、耐火材支持金具の取付に際して取付位置のマ
ーキング作業が不要となり、耐火材支持金具の取付作業
を大幅に簡略化することができる。さらに、耐火材支持
金具の先端部に第2耐火材の有底孔を挿通して第2耐火
材を固定する方法であれば、第2耐火材の取付け・取外
し作業が簡単なものとなる。しかも、耐火材支持金具
を、第1耐火材及び第2耐火材の取り付けに兼用するこ
とができるため、耐火材の取付構造そのものを簡略化す
ることができる。そして上記のごとく、耐火材の取付け
・取外し作業が簡単なものとなり、耐火材の取付構造を
簡略化することで、耐火材の取付費用あるいは改修費用
が安価なものとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】(概要)本発明に係る耐火材の取
付構造及び取付方法について、図面を参照しながら説明
する。本発明に係る耐火材Tは、一般のゴミ焼却炉や他
の炉、例えば、石油精製・石油化学・電力・ガス事業等
における加熱炉、さらには、製鉄事業における工業用加
熱炉等の各種炉に用いるものである。本実施形態では、
その中でも特に、前記炉がゴミ焼却設備の焼却炉1であ
る場合を示す。当該焼却炉1には、廃熱を利用するため
にボイラー用のチューブ2を設けてある。前記耐火材T
は、主に、焼却炉1で発生した熱を前記チューブ2に伝
達すると共に、このチューブ2を保護するために用い
る。図1には、前記チューブ2を備えた焼却炉1の内部
を模式的に示してある。
【0018】本発明に係る耐火材Tは、前記チューブ2
が焼却炉1の内部で発生する腐食性ガスやスラッジ等に
よって腐食し、損傷するのを防止すると共に、焼却炉1
の内部で発生する熱を前記チューブ2に効率的に伝達す
るためのものである。よって、前記チューブ2は前記耐
火材Tによって完全に被覆され、焼却炉1の内部側には
露出しない。本発明に係る耐火材Tは、前記チューブ2
に近接して取り付ける第1耐火材T1と、当該第1耐火
材T1に対向させると共に、前記焼却炉1の内側に露出
させた状態に取り付ける第2耐火材T2とからなる。つ
まり、前記チューブ2と前記第1耐火材T1とは、前記
第2耐火材T2によって完全に被覆される。
【0019】(第1耐火材)第1耐火材T1は、図1乃
至図4に示すごとく、焼却炉1の壁面3に沿って敷設し
たボイラー用のチューブ2に対してできるだけ近接させ
た状態に取り付ける。前記チューブ2は、例えば、円筒
形状である。隣接するチューブ2どうしは平板状のフィ
ン部4で連結してある。前記第1耐火材T1は、隣接す
るチューブ2の間の空間に配置する。そのため、前記チ
ューブ2の外周面2aに沿わせる曲面状の第1表面5を
有している。当該第1表面5は、2本のチューブ2に対
向するために一対設けてある。尚、これら一対の第1表
面5の間には、前記フィン部4に沿わせるための中間平
面6を設けてある。さらに、第1耐火材T1のうち前記
焼却炉1の内部側に向く位置には平面状の第2表面7を
設けてある。
【0020】図2には、第1耐火材T1の第1表面5と
中間平面6との境界部分、および、第1表面5と第2表
面7との境界部分を稜線状に形成した例を示している
が、これらの部分は面取加工を施しておいてもよい。例
えば、曲面状に面取加工しておくことで、施工に際して
第1耐火材T1を他物に衝突させたような場合でも、衝
突箇所に集中する応力を低減することができて、第1耐
火材T1の破損を最小限に止めることができる。
【0021】前記第1耐火材T1をチューブ2に取り付
けた状態を図1に示す。図1から明らかなごとく、第1
耐火材T1が、隣接するチューブ2どうしの間の空間を
充填し、隣接する第1耐火材T1の第2表面7が略連続
して一つの平面を構成している。本実施形態では、図1
に示すごとく、当該第2表面7が、チューブ2の外周面
2aのうち焼却炉1の最内部側に突出する部分と略接す
る状態となるように第1耐火材T1を構成してある。
【0022】前記第1耐火材T1の取付けは、第1耐火
材T1の略中央に設けた貫通孔8を用いて行う。つま
り、図1乃至図4に示すごとく、前記貫通孔8に長尺状
の耐火材支持金具9を貫通させ、第1耐火材T1を引っ
掛ける状態に取り付ける。本実施形態では、図4に示す
ごとく、前記貫通孔8は前記フィン部4の法線方向Xに
対して所定の角度だけ傾斜させてある。通常は、第1耐
火材T1を引っ掛けて固定し易いように、貫通孔8は、
前記フィン部4側から焼却炉1の内方側に位置するほど
上方に位置するよう傾斜させてある。
【0023】尚、本実施形態では、長尺状の前記耐火材
支持金具9を、丸形断面を有する棒状の部材で構成する
例を示した。しかし、断面形状としては、この他にも矩
形断面あるいは三角形断面であってもよく、さらには、
棒状部材ではなく板状部材を用いて前記耐火材支持金具
9を構成するものであってもよい。要するに、前記第1
耐火材T1を係止し得るものであれば任意の形状を用い
ることができる。
【0024】前記第1耐火材T1は、焼却炉1の高温に
耐え得るよう、そして、焼却炉1の内部で発生した熱を
効率よくチューブ2に伝達できるよう、例えば炭化ケイ
素系の材料あるいは窒化ケイ素系の材料を用いて、焼結
などの手法を用いて構成する。その際、前記貫通孔8を
同時に形成することとすれば、第1耐火材T1を形成す
る際の手間が省けて好都合である。
【0025】前記第1耐火材T1および前記第2耐火材
T2を支持する耐火材支持金具9は、例えば既存の溶接
装置10を用い、チューブ2に設けた金具取付部に溶着
する。ここでは、隣接するチューブ2どうしの間に設け
たフィン部4を前記金具取付部として用いる。前記フィ
ン部4および前記耐火材支持金具9は、例えば一般のS
S材や鋳鋼等を用いて形成することができる。特に、前
記耐火材支持金具9としては既存のスタッドピン等を用
いることもできる。
【0026】前記耐火材支持金具9の取付けに際して
は、第1耐火材T1に設けた前記貫通孔8をガイドとし
て利用する。即ち、第1耐火材T1をボイラーチューブ
2の間に位置決めした後、前記貫通孔8に耐火材支持金
具9を挿通する。これにより、耐火材支持金具9の取付
角度、取付位置が確定する。この状態で、溶接装置10
を動作させ、耐火材支持金具9およびフィン部4に通電
して両者を溶接する。
【0027】本方法のごとく、第1耐火材T1をガイド
として耐火材支持金具9を取り付けることとすれば、耐
火材支持金具9の取付に際して取付位置のマーキング作
業が不要となり、第1耐火材T1をチューブ2に対して
最適な位置状態で取り付けることができるなど、耐火材
支持金具9の取付作業を大幅に簡略化することができ
る。
【0028】例えば、耐火材支持金具9は、図1あるい
は図3に示すごとく、前記チューブ2に対面した場合に
千鳥状となるように配置する。このように配置しておけ
ば、後述する第2耐火材T2を取り付ける際にも、これ
ら第2耐火材T2を千鳥状に配置することができる。つ
まり、図3に示すごとく、第2耐火材どうしが水平方向
において隣接する境界部分が、ちょうど前記第1耐火材
T1の表面に重なることとなる。この結果、焼却炉1内
の燃焼排ガス等が前記チューブ2に直接到達するのを阻
止することができ、チューブ2の保護効果を高めること
ができる。
【0029】図4に示すごとく、特に、焼却炉1の壁面
3に敷設したチューブ2に取り付ける耐火材支持金具9
は、壁面3の法線方向Xとは異なる方向に延出してい
る。本実施形態では、法線方向X即ち水平方向に対して
上向きとなるように耐火材支持金具9を設けてある。こ
れにより、第1耐火材T1を耐火材支持金具9に引っ掛
けて固定することができ、第1耐火材T1を容易に取り
付けることができる。
【0030】当該取付作業を容易にするために、第1耐
火材T1の外周面は全て、前記貫通孔8の延出方向と平
行に構成してある。前記第1耐火材T1の外周面を特に
第1外周面11と称する。当該第1外周面11は、上下
左右方向に互いに隣接して配置される第1耐火材T1ど
うしの間で対向する面である。本実施形態では、第1外
周面11のうち左右に位置する両側面を垂直面とし、上
下に位置する上面及び下面を傾斜面としてある。これら
第1外周面11を前記貫通孔8の延出方向と平行にする
ことで、第1耐火材T1を単にスライドさせるだけで前
記チューブ2に着脱することができ、第1耐火材T1の
着脱操作を簡便なものにすることができる。
【0031】また、上下の第1外周面11を傾斜させた
ことで、通常は焼却炉1の下方に位置する熱源からの熱
線が、第1外周面11どうしの隙間などからチューブ2
に達する可能性が低くなる。この結果、チューブ2が局
所的に高温化して損傷が促進するのを防止できる等の効
果を期待することもできる。勿論、第1耐火材T1を取
り付ける壁面3の最上部や最下部、あるいは、壁面3の
途中に突出部分が存在するような部位においては、第1
耐火材T1の上下端部の形状などは任意に構成すること
ができる。
【0032】図2に示すごとく、前記第1耐火材T1と
前記チューブ2との間にはモルタル12を設ける。当該
モルタル12としては、例えば、耐熱性を有するものや
伝熱性を有するもの、さらには、耐熱性と伝熱性との双
方を有するものを用いることができる。当該モルタル1
2は、第1耐火材T1を前記チューブ2に接着する機能
の他に、焼却炉1の内部で生じた燃焼ガスが前記チュー
ブ2に接触するのを遮断してチューブ2の腐食などを防
止する機能、さらには、チューブ2と第1耐火材T1と
の間の空気層を排除して、前記焼却炉1の内部で生じた
熱を前記チューブ2に効率的に伝達する機能等を有す
る。また、前記モルタル12を設ける際のモルタル代
は、前記チューブ2や前記第1耐火材T1、前記第2耐
火材T2の熱膨張の程度等を考慮して設定する。
【0033】(第2耐火材)前記複数の第1耐火材T1
に対しては、図1乃至図4に示すごとく、さらに第2耐
火材T2を取り付ける。当該第2耐火材T2は、例え
ば、略矩形状を呈する板状部材で構成する。図1等にお
いては、第2耐火材T2の厚みが第1耐火材T1の厚み
と同等になるように示している。しかし、第2耐火材T
2の厚みは任意に設定することができる。即ち、第2耐
火材T2の腐食の進行程度等を考慮し、所定の耐用年数
を満足できるような厚みに構成するとよい。
【0034】また、前記第1耐火材T1および前記第2
耐火材T2を任意の特性を備えた材料で形成すること
で、前記焼却炉1の側壁の特性を適宜設定することがで
きる。特に、ボイラー用のチューブ2を被覆する本実施
形態の場合には、燃焼炎等と接触しない第1耐火材T1
の特性を選択することで、例えば、主に伝熱性を発揮す
る側壁を構成することが可能となる。勿論、炉の種類等
によっては、第1耐火材T1の特性を選択して、断熱性
を発揮する側壁を構成すること等も可能である。このよ
うに第1耐火材T1と前記第2耐火材T2とを異種材料
で構成することは、前記側壁の構築コストを低減化する
ためにも有効である。例えば、前記耐火材T1を耐熱性
・耐摩耗性・耐腐食性を有する高級な材料を用いて構成
する一方、前記第2耐火材T2を、それ程高機能を有す
るものではない材料を用いて構成することも可能となる
からである。具体的には、第1耐火材T1としては、1
200℃程度に加熱すると比較的酸化し易く摩耗程度も
早くなる炭化ケイ素系(SiC系)の材料を用いてお
き、第2耐火材T2としては、1200℃以上の高温と
なっても良好な耐摩耗性・耐腐食性等を発揮する窒化ケ
イ素系(SiN系)の材料を用いることができる。
【0035】この他に、敷設したチューブ2の全ての部
分で均等に加熱効果を得ようとすれば、熱源からの距離
に応じて第2耐火材T2の厚みを異ならせてもよい。例
えば、熱源からの距離が大きいほど第2耐火材T2の厚
みを薄く構成しておけば、チューブ2の何れの箇所に対
しても同等の熱量を伝達させることが可能となる。ま
た、焼却炉1の内部環境の差異により、腐食等が生じ易
い位置に設置する第2耐火材T2は、その厚みを大きく
設定しておいてもよい。この結果、何れの位置に取り付
けた第2耐火材T2であっても同等の耐用年数を確保す
ることができる。
【0036】前記第2耐火材T2は、前記第1耐火材T
1に重ねて取り付ける。具体的には、図1乃至図4に示
すごとく、前記第1耐火材T1の貫通孔8から突出した
耐火材支持金具9の端部に第2耐火材T2を近接させ、
第2耐火材T2に設けた有底孔13を前記端部に外挿さ
せて第2耐火材T2を固定する。前記有底孔13の延出
方向は、前記耐火材支持金具9の傾斜角度に適合させて
ある。このように、第2耐火材T2も、第1耐火材T1
と同様に耐火材支持金具9によって吊り下げ固定するこ
とができる。前記有底孔13の深さは、第2耐火材T2
の板厚よりも小さく設定する。即ち、耐火材支持金具9
の先端部は、第2耐火材T2を貫通せず、焼却炉1の内
部側に露出しない。これにより、耐火材支持金具9が熱
から保護され、第1耐火材T1及び第2耐火材T2の取
付状態を確実なものにすることができる。尚、前記貫通
孔8の内径および前記有底孔13の内径は、図4に示す
ごとく、前記耐火材支持金具9の熱膨張を考慮して、前
記耐火材支持金具9の外径に対して余裕を持たせてあ
る。
【0037】前記第2耐火材T2は、前記第1耐火材T
1の前記第2表面7に対向させる平面状の第3表面14
を有している。これら第2表面7と第3表面14との間
にもモルタル12を充填し、第1耐火材T1と第2耐火
材T2との間の空間をなくして焼却炉1の内部で生じた
熱をチューブ2に伝達し易くしてある。図2あるいは図
4では、熱の伝達効率を高めるために、第1耐火材T1
の第2表面7と第2耐火材T2の第3表面14とを共に
平面状に形成して、両者間の隙間を縮小させ易い構成に
してある。しかし、この例に限られるものではなく、両
者間の隙間を小さくし得るものであれば、前記第2表面
7および前記第3表面14の形状は任意でよい。
【0038】前記第2耐火材T2も前記第1耐火材T1
と同様に、焼却炉1の高温に耐え得るよう、例えば炭化
ケイ素系(SiC系)の材料あるいは窒化ケイ素系(S
iN系)の材料を用い、焼結などの手法を用いて構成す
る。その際、前記有底孔13を同時に形成することとす
れば、第2耐火材T2を形成する際の手間が省けて好都
合である。
【0039】前記第2耐火材T2の取付作業を容易にす
るために、第1耐火材T1と同様に第2耐火材T2の外
周面は全て前記有底孔13の延出方向と平行に構成す
る。前記第2耐火材T2の外周面を特に第2外周面15
と称する。当該第2外周面15は、上下左右方向に互い
に隣接して配置される第2耐火材T2どうしの間で対向
する面である。本実施形態では、第2外周面15のうち
左右に位置する両側面を垂直面とし、上下に位置する上
面及び下面を傾斜面としてある。これら第2外周面15
を前記有底孔13の延出方向と平行にすることで、第2
耐火材T2を耐火材支持金具9の延出方向に沿って単に
スライドさせるだけで耐火材支持金具9に着脱すること
ができ、第2耐火材T2の着脱操作を簡便なものにする
ことができる。
【0040】また、第2外周面15のうち上下に位置す
る面を傾斜させたことで、通常は焼却炉1の下方に位置
する熱源からの熱線が、第2外周面15どうしの隙間な
どからチューブ2あるいは第1耐火材T1に直接に達す
る可能性が低くなる。この結果、チューブ2あるいは第
1耐火材T1が局所的に高温化して損傷を受けることを
防止できる等の効果を期待することもできる。
【0041】第2耐火材T2を固定した状態における前
記耐火材支持金具9の先端と前記有底孔13との取り合
い関係を図4に示す。図4から明らかなごとく、前記有
底孔13の内径は前記耐火材支持金具9の外径よりも大
きく構成してある。これは、耐火材支持金具9が熱膨張
して、耐火材支持金具9と有底孔13とが密嵌するのを
防止し、有底孔13の内径が拡大するような外力が有底
孔13に加わるのを阻止して、第2耐火材T2が破損す
るのを防止するものである。
【0042】尚、第2耐火材T2の厚みなど第2耐火材
T2の形状は任意に設定することができる。例えば、第
2耐火材T2が焼却炉1の何れの位置に取り付けられて
いるかによって、第2耐火材T2の摩耗・損傷程度には
差が生じる。これに対処するため、例えば、摩耗・損傷
の激しい位置に設ける第2耐火材T2は、その厚みに余
裕を持たせておくとよい。一方、摩耗・損傷程度の少な
い箇所に取り付ける第2耐火材T2は薄く構成しておけ
ばよい。第2耐火材T2が薄いほど、チューブ2に至る
伝熱量を多く確保することができるうえに、第2耐火材
T2のコストを低減化することができるからである。ま
た、第2耐火材T2が軽量化され、その脱着作業も容易
なものとなる。
【0043】(効果)以上のごとく、第1耐火材を配置
して第1の耐火層を構成すると共に、チューブおよび第
1耐火材を第2耐火材で被覆して第2の耐火層を構成す
ることで、第2耐火材のみを炉の内部空間に露出させる
ことができる。この結果、燃焼熱や燃焼排ガス等による
摩耗・損傷が生じるのを第2耐火材のみに止めることが
可能となる。つまり、第1耐火材およびチューブには、
炉内の燃焼排ガス等が直に接触することがなく、これら
の部材が損傷するのを有効に防止することができる。よ
って、例えば、炉の改修を行う場合には、第2耐火材の
みを交換すればよく、改修作業を簡単に済ますことがで
きる。
【0044】また、第1耐火材および第2耐火材を任意
の特性を備えた材料で形成することで、側壁の特性を適
宜設定することができる。特に、燃焼炎等と接触しない
第1耐火材の特性を選択することで、例えば、主に伝熱
性を発揮する側壁を構成することが可能となる。さら
に、第1耐火材は継続して使用することができるから、
炉の改修費用も低減化することができる。
【0045】一方、本発明に係る耐火材Tの取付方法で
あれば、まず、チューブ2どうしの間に第1耐火材T1
を配置し、当該第1耐火材T1の貫通孔8に耐火材支持
金具9を挿通したのち、通電して耐火材支持金具9をチ
ューブ2に溶着するから、第1耐火材T1の貫通孔8を
ガイドとして耐火材支持金具9を取り付けることができ
る。つまり、第1耐火材T1の姿勢を先に決定した状態
で耐火材支持金具9を取り付けるものであるから、第1
耐火材T1をチューブ2に対して最適な位置および姿勢
で取り付けることができる。また、上記方法であれば、
耐火材支持金具9の取付に際して取付位置のマーキング
作業が不要となり、耐火材支持金具9の取付作業を大幅
に簡略化することができる。さらに、耐火材支持金具9
の先端部に第2耐火材T2の有底孔13を挿通して第2
耐火材T2を固定するから、第2耐火材T2の取付け・
取外し作業が簡単なものとなる。しかも、耐火材支持金
具9を、第1耐火材T1及び第2耐火材T2の取り付け
に兼用することができるため、耐火材Tの取付構造その
ものを簡略化することができる。この他、耐火材Tの取
付け・取外し作業が簡単なものとなり、耐火材Tの取付
構造が簡略化されることで、耐火材Tそのもののコスト
が低下し、耐火材Tの取付費用あるいは改修費用を低減
することができるため、経済性に優れた耐火材の取付方
法を提供することができる。
【0046】〔別実施形態〕 〈1〉 図1あるいは図3においては、前記第1耐火材
T1と前記第2耐火材T2とを千鳥状に配置する例を示
したが、図5に示すごとく、高さ方向の幅が共に等しい
第1耐火材T1と第2耐火材T2とを上下左右に並列し
て配置することもできる。ここでは、前記第1耐火材T
1の幅寸法に対して前記第2耐火材T2の幅寸法を大き
く設定してある。特定の第1耐火材T1を固定する耐火
材支持金具9に第2耐火材T2を取り付けた状態では、
当該第2耐火材T2の両端部は、前記特定の第1耐火材
T1の左右に夫々隣接する他の第1耐火材T1に重な
る。
【0047】本構成のごとく、第1耐火材T1と第2耐
火材T2との高さ寸法を一致させておけば、補修などの
目的で特定の第1耐火材T1のみを交換する場合の手間
が軽減される。例えば、図3に示す場合には、特定の第
1耐火材T1を除去するのに、当該第1耐火材T1を覆
っている4つの第2耐火材T2を取り外す必要があっ
た。しかし、図5の取付構造であれば、特定の第1耐火
材T1を除去するのに、当該第1耐火材T1を覆ってい
る2つの第2耐火材T2を取り外せば足りる。
【0048】図示は省略するが、その他にも前記第1耐
火材T1の縦方向における長さ寸法は、前記第2耐火材
T2の縦方向における長さ寸法に照らして任意に設定す
ることができる。例えば、第1耐火材T1の縦方向長さ
を、第2耐火材T2の縦方向長さの2倍或いは3倍に設
定することが可能である。
【0049】尚、図3および図5に示した何れの耐火材
の配置においても、上下左右に隣接する第2耐火材T2
どうしの境界が前記チューブの上に位置する部分が生じ
る。このような部分では、焼却炉1の内部の燃焼排ガス
がチューブ2に直接到達するとも考えられる。しかし、
例えば、第2耐火材T2の厚みを大きくして、隣接する
第2耐火材T2どうしの対向面積を増大させる等に構成
することで、前記燃焼排ガスがチューブ2に到達するの
を極力防止することができる。
【0050】尚、本別実施形態の場合でも、第1耐火材
T1および第2耐火材の平面形状及び立体形状等は、前
記壁面3に設けたチューブ2を隙間なく被覆できるもの
であれば任意の形状を選択することができる。
【0051】〈2〉 図1乃至図4に係る実施形態で
は、第1耐火材T1および第2耐火材T2を主に垂直な
壁面3に取り付ける場合を示した。しかし、図6に示す
ごとく、前記第1耐火材T1および前記第2耐火材T2
は、焼却炉1の壁面3のうち下方に向いた部分に取り付
けることも可能である。但し、この場合には、前記耐火
材支持金具9を例えばボルト部材9aで構成しておき、
前記第1耐火材T1および前記第2耐火材T2は、ワッ
シャ部材16あるいはナット部材17を用いて落下を防
止しつつ固定することができる。これらワッシャ部材1
6およびナット部材17は、通常のSS鋼材等を用いて
形成することができる。
【0052】前記ボルト部材9aは、長いものと短いも
のとの二種類を用意しておくとよい。つまり、図6に示
すごとく、第2耐火材T2を固定するボルト部材9a
は、長く構成しておき、第1耐火材T1のみを支持する
ボルト部材9aは前記第1耐火材T1の厚みと略同等の
長さに構成しておく。
【0053】図6の実施形態では、第2耐火材T2の配
設個数は、第1耐火材T1の個数の半分で済むこととな
る。よって、第1耐火材T1および第2耐火材T2の取
付け総数が低減し、当該取付作業を迅速に行うことがで
きる。
【0054】尚、本別実施形態の場合には、第1耐火材
T1の面積と比較して大きな面積を有する第2耐火材T
2の厚みを薄く構成しておく必要がある。即ち、耐火材
を取り付ける作業者が、持ち運べる程度の重量に構成し
ておくのが理想的である。通常、前記第1耐火材T1も
第2耐火材T2も、およそ2.5kg程度の重量となる
ように構成する。
【0055】前記ナット部材17を取り付けるに際し、
前記第2耐火材T2には、前記ナット部材17を落とし
込めるだけの凹部18を形成しておく。本構成であれ
ば、前記ナット部材17を取り付けた後、前記凹部18
にキャップ部材19を嵌入させ、前記ナット部材18を
保護することができる。
【0056】〈3〉 本発明の耐火材Tは、前記チュー
ブ2の屈曲部位に対しても取り付け可能である。例え
ば、図7、垂直方向に形成した壁面3が下向きに移行す
る部分に対して第1耐火材T1および第2耐火材T2を
取り付ける例を示す。併せて、図8には、当該取付け部
分を正面から見た図を示す。ここでは、壁面3の垂直部
分に取り付ける第1耐火材をT1aとし、下向き部分に
取り付ける第1耐火材をT1bとする。第2耐火材につ
いても同様にT2aおよびT2bとする。
【0057】何れの第1耐火材T1a,T1bもボルト
部材9aおよびワッシャ部材16を用いて取り付ける。
垂直部分に取り付ける第1耐火材T1aもワッシャ部材
16を用いて取り付けてあるのは、壁面3が鋼板などで
構成されている場合を想定したものである。焼却炉1に
よっては、壁面3の全体あるいは曲面部を鋼板などの金
属板で構成する場合がある。このような焼却炉1では、
壁面3が加熱された際の壁面3そのものの膨張変形を考
慮しておく必要がある。壁面3に膨張変形等が生じる
と、互いに隣接する第1耐火材T1どうしが干渉しあっ
たり、互いの相対角度が変化する場合がある。当該干渉
などが生じた場合でも、第1耐火材T1aが脱落しない
ように前記ワッシャ部材16を用いて固定するのであ
る。
【0058】本実施形態では、図7に示すごとく、前記
第1耐火材T1a,T1bの端縁部の厚みを中央部分の
厚みに比べて薄く形成してある。これにより、上下に隣
接する第1耐火材T1どうしの当接部において互いの相
対角度が変化した場合でも、焼却炉1の内面側に面して
形成される第1耐火材T1どうしの隙間が過度に変化す
るのを防止することができる。
【0059】第2耐火材T2a,T2bは、図7に示す
ごとくナット部材17を用いて取り付ける。図6で示し
た例と同様に、個々の第2耐火材T2a,T2bには凹
部18を形成してある。前記ボルト部材9aに前記ナッ
ト部材17を取り付けた後は、前記凹部18にキャップ
部材19を嵌入させておく。
【0060】曲面部分に取り付けた夫々の第1耐火材T
1a,T1bには、第2耐火材T2a,T2bを取り付
ける。図8に示した例では、特定の第1耐火材T1a,
T1bに対して、第2耐火材T2a,T2bを、両者の
上下縁どうしを一致させた状態に取り付ける。横方向に
隣接する第1耐火材T1a,T1bの並びに対しては、
前記第1耐火材T1a,T1bの一つおきに前記第2耐
火材T2a,T2bを取りつける。この場合には、一つ
の第2耐火材T2a,T2bによって二つの第1耐火材
T1a,T1bを覆うこととなる。これにより、取り付
けるべき第1耐火材T1a,T1bおよび第2耐火材T
2a,T2bの取付け総数を削減できると共に、前記第
2耐火材T2a,T2bの取付け工数を短縮することが
できる。
【0061】尚、当該実施形態に拘わらず、一つの第2
耐火材T2a,T2bが一つの第1耐火材T1a,T1
bを覆うように取り付けてもよいし、上下に隣接する複
数の第1耐火材T1a,T1bを一つの第2耐火材T2
a,T2bが覆うように取り付けるものであってもよ
い。これら耐火材の取付態様は、壁面3の曲率などに応
じて適宜変更可能である。
【0062】本構成のごとく耐火材を取り付けるものと
すれば、壁面3がどのような部材で構成されているかに
拘わらず、また、壁面3の曲率の多少の大小に拘わら
ず、耐火材を確実に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耐火材の取付構造及び取付方法を
示す斜視図
【図2】本発明に係る耐火材の取付構造を示す平断面図
【図3】本発明に係る耐火材の取付構造を示す正面図
【図4】本発明に係る耐火材の取付構造を示す側断面図
【図5】別実施形態に係る耐火材の配置状態を示す説明
【図6】別実施形態に係る耐火材の取付構造を示す断面
【図7】別実施形態に係る耐火材の取付状態を示す断面
【図8】別実施形態に係る耐火材の取付状態を示す正面
【図9】従来技術に係る耐火材の取付状態を示す説明図
【図10】従来技術に係る耐火材の取付構造を示す平断
面図
【符号の説明】
1 焼却炉(焼却炉・工業用加熱炉等の炉) 2 チューブ 5 第1耐火材の第1表面 7 第1耐火材の第2表面 8 貫通孔 9 耐火材支持金具 11 第1外周面 13 有底孔 14 第2耐火材の第3表面 15 第2外周面 T 耐火材 T1 第1耐火材 T2 第2耐火材 X 加熱炉の側壁の法線方向
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F27D 1/12 F27D 1/12 R 1/14 1/14 A 1/16 1/16 Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉・工業用加熱炉等の炉(以下、単
    に「炉」という)の内面部に敷設したボイラー用のチュ
    ーブを覆う耐火材の取付構造であって、 互いに隣接する前記チューブどうしの間の空間に配置可
    能な第1耐火材と、 前記チューブおよび前記第1耐火材を被覆する第2耐火
    材とを用いて、耐火層を2層に構成してある耐火材の取
    付構造。
  2. 【請求項2】 前記第1耐火材が、前記チューブの外面
    に沿うよう形成した曲面状の第1表面と、前記炉の内部
    側に向く平面状の第2表面とを有しており、 前記第2耐火材が、前記第2表面に対向する平面状の第
    3表面を有している請求項1に記載の耐火材の取付構
    造。
  3. 【請求項3】 前記第1耐火材が貫通孔を有しており、
    前記チューブに取り付けた耐火材支持金具に対して前記
    貫通孔を外挿可能に構成すると共に、 前記耐火材支持金具を、その先端部が前記貫通孔から突
    出するように構成し、前記第2耐火材に形成した有底孔
    を、前記耐火材支持金具の突出先端部に外挿可能に構成
    してある請求項1又は2の何れかに記載の耐火材の取付
    構造。
  4. 【請求項4】 前記炉の側壁に敷設した前記チューブに
    取り付けた前記耐火材支持金具が、前記側壁の法線方向
    とは異なる方向に延出しており、 前記第1耐火材が、上下左右方向に互いに隣接して配置
    される前記第1耐火材どうしの間で対向する第1外周面
    を有すると共に、 前記第2耐火材が、上下左右方向に互いに隣接して配置
    される前記第2耐火材どうしの間で対向する第2外周面
    を有しており、 前記第1外周面と前記第2外周面とが、共に、前記耐火
    材支持金具の延出方向と平行に形成してある請求項1か
    ら3の何れかに記載の耐火材の取付構造。
  5. 【請求項5】 前記貫通孔の内径、および、前記有底孔
    の内径を、前記耐火材支持金具の外径よりも大きく構成
    してある請求項1から4の何れかに記載の耐火材の取付
    構造。
  6. 【請求項6】 焼却炉・工業用加熱炉等の炉の内面部に
    敷設したボイラー用のチューブのうち、互いに隣接する
    前記チューブどうしの間に第1耐火材を配置し、 当該第1耐火材に形成した貫通孔に長尺状の耐火材支持
    金具を挿通すると共に、前記耐火材支持金具の一方の端
    部を前記貫通孔から突出させた状態に固定し、当該耐火
    材支持金具に通電して、前記耐火材支持金具の他方の端
    部を、前記チューブに設けた金具取付部に溶着し、 有底孔を有する前記第2耐火材を、前記貫通孔から突出
    した前記一方の端部に近接させると共に、前記有底孔を
    前記耐火材支持金具に外挿させて、前記第2耐火材を係
    止する耐火材の取付方法。
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