JP2001272013A - 廃棄物の溶融炉 - Google Patents
廃棄物の溶融炉Info
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Abstract
し、且つ外部から加える補助熱源が少なくてすむ廃棄物
の溶融炉を提供する。 【解決手段】 シャフト炉内に廃棄物及び燃焼補助材料
を供給して、それらの可燃物質に対する化学量論的空気
量以下の雰囲気下で廃棄物を燃焼及びガス化し、残さを
溶融スラグとして炉外に排出する廃棄物の溶融炉であっ
て、高温ガス発生手段を、溶融スラグ排出口を頂点にし
た±90度以内の範囲で、炉心と溶融スラグ排出口との
間に向けて、燃焼補助材料層に高温ガスを吹き付けるよ
うに取り付けたことを特徴とする。
Description
及びガス化し、その残さである灰及びチャーを同じ炉内
で溶融して溶融スラグとなして炉外に排出する廃棄物の
溶融炉に関する。
炉で焼却処理して、その焼却灰を埋め立て処分すること
が一般的に行なわれていた。しかし最近、埋め立て処分
する際に焼却灰の容積が未だ充分に減少していないこ
と、焼却灰を埋め立て処分するに際し、飛散して周囲の
環境に悪影響を及ぼすこと等から、焼却灰を溶融スラグ
化してそれを埋め立て処分することが推奨されている。
廃棄物を溶融処理する方法としては、従来の焼却炉から
排出された焼却灰を別途の溶融炉で溶融スラグ化するも
のと、廃棄物を一つの炉内で溶融スラグ化までするもの
との2種類のものがある。
のとしては、例えば特公昭56―2234号公報(先行
技術−1)、特公昭60−11766号公報(先行技術
−2)、特開平2−298717号公報(先行技術−
3)、特開平4−124515号公報(先行技術−4)
に記載されたものがある。先行技術−1、2に記載され
た溶融炉は、コークス及び廃棄物の燃焼を加熱源とし
て、それを燃焼させるために富酸素空気を供給している
ものであり、溶融スラグを間欠的に排出するものであ
る。先行技術−3、4に記載された溶融炉はコークスの
燃焼とプラズマトーチからの熱風を加熱源としたもので
ある。
技術1、2においては、富酸素空気を作りだすための別
途の装置が必要となり、また溶融スラグを間欠的に排出
するには、排出口を開口したり閉じたりする作業が必要
となるという課題がある。また先行技術3、4において
はプラズマトーチを使用しているが、廃棄物等を燃焼さ
せるための空気を吹き込む羽口を別途には設けておら
ず、このため廃棄物の燃焼熱をほとんど利用できず、コ
ークス或いはプラズマトーチの電力等の補助熱源が増大
するという課題がある。従って、本発明は溶融スラグを
連続的に排出することを可能とし、且つ外部から加える
補助熱源が少なくてすむ廃棄物の溶融炉を提供すること
を目的とする。
に廃棄物及び燃焼補助材料を供給して、それらの可燃物
質に対する化学量論的空気量以下の雰囲気下で廃棄物を
燃焼及びガス化し、残さを溶融スラグとして炉外に排出
する廃棄物の溶融炉であって、高温ガス発生手段を、溶
融スラグ排出口を頂点にした±90度以内の範囲で、炉
心と溶融スラグ排出口との間に向けて、燃焼補助材料層
に高温ガスを吹き付けるように取り付けたことを特徴と
している。また、本発明は前記燃焼補助材料層の上に堆
積した廃棄物層に向けて空気を吹き込むような羽口を設
けたものである。また、本発明は炉底部近傍は平均値で
0.3〜5KPaの正圧としたものである。また、本発
明は、炉底部に設けた溶融スラグ排出口から溶融スラグ
を連続的に排出するものである。なお、本発明の溶融炉
に用いる燃焼補助材料は、火格子及び蓄熱体として機能
する物体がよく、コークスやセラミックスなどを用いる
ことができが、コークスは、溶融スラグに濡れ難く、か
つ適度に消耗し、操業の途中で補充するだけで交換の必
要がないので最適である。また、高温ガス発生手段とし
ては、操作性に優れて操炉が簡易で、炉の昇温も早く行
なえるプラズマトーチが最適である。
フト炉の炉底部に燃焼補助材料層を形成し、この燃焼補
助材料層を高温ガス発生手段から吹き込む熱風で加熱
し、且つ燃焼補助材料層の一部を燃焼させて、この熱で
燃焼補助材料層の上に積層している廃棄物を化学量論的
空気量以下の雰囲気下で燃焼及びガス化し、それによっ
て生じる残さである灰を燃焼補助材料層で溶融スラグ化
して炉外に排出するものである。灰及びチャーは溶融ス
ラグ化するから、それを冷却したときは溶融スラグはガ
ラス状物質になって灰及びチャーの体積が約1/5に減
ずると共に、重金属等がガラス状物質の中に閉じ込めら
れて溶出することがない。
態を、燃焼補助材料としてコークスを、高温ガス発生手
段としてプラズマトーチを用いた例で説明する。図1は
溶融炉の縦断面図、図2は図1のA−A断面図、図3は
本発明に係わる廃棄物の溶融炉のシステムを示す概略図
である。炉体2は、外殻201の内側に耐火材202を
内貼りしたもので、水平方向断面形状は略円形であり、
炉本体20と炉底体21とを結合して、炉底体21を炉
本体20に吊り下げる構造である。従って、炉底体21
の補修や炉本体20の内部の補修時には、炉底体21を
図示しない台車上に取り外して所定の場所に移動するこ
とができる。
体2内と連通した溶融スラグ排出口23を設ける。溶融
スラグ排出口23に連ねてスラグ樋15とスラグ冷却水
槽16とが設けてある。炉底部22上部のコークス層が
形成される部分の炉壁に、プラズマトーチ1を1又は数
箇所、溶融スラグ排出口23を頂点にした±90度以内
の範囲で、炉心と溶融スラグ排出口23との間に向け
て、コークス層に高温ガスを吹き付けるように取り付け
る。プラズマトーチ1は、下向きか、水平向きが好まし
いが、取り付け位置によっては上向きであってもよい。
また、前記コークス層上部の廃棄物層が形成される部分
の炉壁の高さの異なる位置に、第一の羽口3と第二の羽
口4を各々数ヶ所設ける。第一の羽口3及び第二の羽口
には、後述する熱交換器で高温になった空気が吹き込ま
れるように配管が連結されている。
設けてあり、供給口5に連接してプッシャー6が設けて
あり、プッシャー6には廃棄物供給装置7とコークス供
給装置8が連接してある。廃棄物供給装置7とコークス
供給装置8には、図示しない二重のゲートを設けて外気
の浸入を極力遮断するようにしている。炉体2の上部近
傍に排ガス口9が設けてあり、排ガス口9に連接して二
次燃焼炉10、一次冷却塔11、熱交換器12、二次冷
却塔13、集塵機14が連接しており、集塵器14の後
は図示しない誘引ファン及び排気塔が連接してある。
について説明する。まず常温状態の炉体2の昇温を始め
る際は、炉底部22にコークスを充填してコークス層2
5を形成し、そのうえでプラズマトーチ1を点火して約
1800℃の熱空気をコークス層25に向けて吹き込
む。炉底部22及びコークス層25はプラズマトーチ1
の熱空気とコークスが燃焼する燃焼熱で約3時間後に1
500℃程度に昇温する。そこに廃棄物供給装置7から
の廃棄物と、コークス供給装置8からのコークスと石灰
石の混合物をプッシヤー6で炉体2内に供給する。
回:1回の割合で行なうことにより、コークス層25の
上に廃棄物とコークスが交互に略層状になった廃棄物層
26が形成される。また、廃棄物に対するコークスの重
量割合は数%、例えば2%になるようにする。炉体2内
に供給する空気は、プラズマトーチ1及び第一、第二の
羽口3、4から供給し、その総空気量は炉体2内にある
コークスや廃棄物の可燃物質に対する化学量論的空気量
以下にし、実際的には化学量論的空気量:総空気量の比
は1:0.2〜0.5とする。
棄物層26は、乾燥されてその一部は上記燃焼空気によ
り燃焼し、他の一部は前記燃焼によって燃焼空気が消費
されるためガス化する。そして廃棄物の燃焼によって発
生した灰は、約1500℃に加熱されたコークス層25
からの熱風で溶融して溶融スラグとなり、コークス層2
5中を流下して炉底部22に溜る。炉底部22に溜まっ
た溶融スラグは、炉底に設けた溶融スラグ排出口23か
ら炉外に排出される。
交互に層状をなすように供給されるが、廃棄物層26の
上層部は、廃棄物中のコークスの量が相対的に少ない廃
棄物リッチ部261である。そこから下層部になるにつ
れて廃棄物が燃焼し或いはガス化してその量が速やかに
減少するが、コークスは廃棄物に比して燃焼し難く、そ
の量が減少しにくいから、廃棄物中のコークスの割合は
だんだん大きくなる混在部262となる。更にその下層
部になると、廃棄物は燃焼或いはガス化し尽くして灰あ
るいはチャーとなっているが、コークスは依然として多
量が残存しており、ここがコークスリッチ部263とな
り、コークス層25へと連なる。その結果、コークスの
消耗量と供給量とがバランスしている状態では、コーク
ス層25のレベルは所定の高さに維持される。
1500℃と高温であるから溶融して溶融スラグとな
り、コークス層25中を流下して炉底部22に溜り、溶
融スラグ排出口23から炉外へ排出されていく。コーク
ス層25は、極めて間隙の多い充填層であるから、溶融
スラグはその間を流下し易く、又炉底部22に溜まって
入る間も、蓄熱されたコークス層25にまんべんなく曝
されるから、部分的に冷却されることはない。また、プ
ラズマトーチ1の熱空気を、溶融スラグ排出口23に近
い部分のコークス層25の下層部に向けて吹き込んでい
るから、溶融スラグ排出口23周辺のコークス層や炉底
部、及び溶融スラグも高温を安定して保つことができ、
溶融スラグの安定した連続的な排出を維持することがで
きる。従って、廃棄物処理量が少なく、流出する溶融ス
ラグ量が少なくて凝固しやすい小型溶融炉には、特に効
果的である。なお、予備として溶融スラグ排出口23と
プラズマトーチ1を複数取付けた構造の溶融炉では、操
業時には、プラズマトーチ1と溶融スラグ排出口23の
関係が、前記位置関係にあるものを使用する。
向けてプラズマトーチの熱空気を吹き込むのであるが、
プラズマトーチからの熱空気量はプラズマエアーとシュ
ラウドエアーとの総和となる。プラズマトーチからの熱
空気の温度は1000〜2500℃の温度となり、それ
でコークス層を加熱すると共に熱空気中の酸素でコーク
ス層の一部が燃焼するから、コークス層中の温度を約1
500℃に安定的に保つことができる。コークス層の温
度を1500℃に保つためには、例えばコークスの燃焼
熱によることのみでは、その温度を保ためには富酸素空
気が必要であるが、本発明の溶融炉ではプラズマトーチ
を使用しているから、その熱空気は通常の空気でよい。
内の熱収支における入熱はプラズマトーチの熱量、廃棄
物の燃焼による熱量、コークスの燃焼による熱量でまか
なわれているが、例えばプラズマトーチの熱風源として
空気に替えて窒素を用いても差し支えはない。そのとき
は当然コークスの燃焼は空気に比して少なくなって入熱
も減少するから、それを補うためにプラズマトーチの出
力を大きくする必要がある。
ラウドエアーの吹き出し圧を、100〜200KPaの
正圧とすることで、コークス層のある炉底部22近傍
を、0.3〜5KPaの正圧にすることができる。炉底
部近傍の圧が5KPaを越えると、溶融スラグ排出口が
炉内と連通したとき炉内の約1500℃の熱風が強く噴
出するようになり、これによって炉内の熱量を多量に炉
外に持ち出すという不利益が生ずると共に、炉まわりで
作業する人に火傷を与える危険がある。また、炉底部近
傍の圧が0.3KPaを下まわると、外気との差圧によ
って生ずる溶融スラグを押し出す力が小さくなって、溶
融スラグの排出が困難になる。また、外気が吸引され
て、溶融スラグ排出口周辺の温度が低下してしまい、溶
融スラグが凝固しやすくなる。
棄物を溶融処理した実施例について説明する。溶融炉
は、プラズマトーチを2本、溶融スラグ排出口を中心と
して±45度の位置に、炉の中心と溶融スラグ排出口の
中間位置に向けて設けたものであるが、下記条件の下で
は1本だけの稼動で問題はなかった。また、羽口は円周
上に6本設けていたが、第一の羽口3だけを稼動させ
た。 本実施例に使用した廃棄物の性状を以下に示す。 廃棄物種類 :一般廃棄物(家庭ごみが主) 水分率 :55% 低位発熱量 :358KJ/Kg 灰分量 :8% 上記した性状の廃棄物を以下に示す条件で溶融処理した。 廃棄物供給量 :1000Kg/時間 コークス供給量 : 20Kg/時間 総合空気量:700Nm3/時間(化学量論的空気量に対し約0.3倍) プラズマトーチからの空気量 :150Nm3/時間 プラズマトーチからの吹き出し圧 :147KPa
ーチからの熱空気温度は約1800℃であり、炉底部の
コークス層25の雰囲気温度は1500℃であり、また
炉底部22の圧は平均的に正圧で1.5KPaであっ
た。炉体2内における各部の温度は、コクース層中で約
1500℃で大略一定しており、廃棄物層26の上部の
空間では500〜900℃であった。廃棄物は1回/1
分のバッチで供給したが、供給された瞬間は廃棄物中の
水分が蒸発するために熱が奪われて温度が低下するた
め、500〜900℃の間を上下したものと思われる。
廃棄物を供給し始めてから約60分経過後に、溶融スラ
グ排出口から溶融スラグが出始め、以後連続的に排出さ
れた。溶融スラグの排出量は平均的に1時間当たり約8
0Kgであった。なお、プラズマトーチからの熱空気量
は本実施例では150Nm3/時間としたが、これを2
50Nm3/時間とすると、炉底部22及びコークス層
26中の温度が低下して1500℃を維持できなくな
り、溶融スラグの排出が停滞するようになった。
むシュラウドエアーの吹き込み圧を147KPaとした
が、上記したコークス層25及び廃棄物層26の通風抵
抗で炉底部22近傍における圧力は1.5KPa程度と
なった。この圧力の下では溶融スラグは良好に排出され
ており、炉底部22から溶融スラグを押し出し、かつ溶
融スラグ排出口からの外気吸引防止すためには充分な作
用を有していた。なお、溶融スラグの液面が下がった
時、炉内の熱風が吹き出したが、その勢いは弱く危険を
生ずるものではなかった。
している。 1)高温ガス発生手段を溶融スラグ排出口近傍に設けた
ので、溶融スラグを高温に維持でき、連続的に排出する
ことを可能とした。 2)炉底部近傍圧力を適切にしたので、溶融スラグを良
好に押出すとともに、外気による冷却を防止し、連続的
に排出することを可能とした。 3)高温ガス発生手段と羽口を設けたので、外部から加
える補助熱源が少なくてすむ廃棄物の溶融炉を提供する
ことができた。 4)炉底部が分離可能な構造となっているから、炉底部
や高温ガス発生手段廻りの点検や補修を極めて容易に行
なうことができる。
グ排出口の位置関係を示す図
略図
5 供給口、7 廃棄物供給装置、 8 コークス供給
装置、 9 排ガス口、20 炉本体、 21 炉底
体、 22 炉底部、23 溶融スラグ排出口、 25
コークス層、 26 廃棄物層
Claims (5)
- 【請求項1】 シャフト炉内に廃棄物及び燃焼補助材料
を供給して、それらの可燃物質に対する化学量論的空気
量以下の雰囲気下で廃棄物を燃焼及びガス化し、残さを
溶融スラグとして炉外に排出する廃棄物の溶融炉であっ
て、 高温ガス発生手段を、溶融スラグ排出口を頂点にした±
90度以内の範囲で、炉心と溶融スラグ排出口との間に
向けて、燃焼補助材料層に高温ガスを吹き付けるように
取り付けたことを特徴とする廃棄物の溶融炉。 - 【請求項2】 前記燃焼補助材料層の上に堆積した廃棄
物層に向けて空気を吹き込むような羽口を設けた請求項
1記載の廃棄物の溶融炉。 - 【請求項3】 炉底部近傍は平均値で0.3〜5KPa
の正圧である請求項1又は2記載の廃棄物の溶融炉。 - 【請求項4】 炉底部に設けた溶融スラグ排出口から溶
融スラグを連続的に排出する請求項1乃至3のいずれか
に記載の廃棄物の溶融炉。 - 【請求項5】 燃焼補助材料がコークスで、高温ガス発
生手段がプラズマトーチである請求項1乃至4のいずれ
かに記載の廃棄物の溶融炉。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109469910A (zh) * | 2018-12-05 | 2019-03-15 | 航天环境工程有限公司 | 一种连续溢流排渣等离子熔融炉及应用 |
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2000
- 2000-03-27 JP JP2000086164A patent/JP4337072B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN109469910A (zh) * | 2018-12-05 | 2019-03-15 | 航天环境工程有限公司 | 一种连续溢流排渣等离子熔融炉及应用 |
CN109469910B (zh) * | 2018-12-05 | 2024-02-13 | 航天环境工程有限公司 | 一种连续溢流排渣等离子熔融炉及应用 |
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