JP2001271288A - ガスバリア材およびガスバリア容器 - Google Patents

ガスバリア材およびガスバリア容器

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JP2001271288A
JP2001271288A JP2000078097A JP2000078097A JP2001271288A JP 2001271288 A JP2001271288 A JP 2001271288A JP 2000078097 A JP2000078097 A JP 2000078097A JP 2000078097 A JP2000078097 A JP 2000078097A JP 2001271288 A JP2001271288 A JP 2001271288A
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gas barrier
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soluble polymer
layered compound
composite coating
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JP2000078097A
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Yumiko Kato
友美子 加藤
Junichi Kaminaga
純一 神永
Ryukichi Matsuo
龍吉 松尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】紙からなる基材に水溶性高分子と無機層状化合
物からなる混合液を含浸させて、酸素や水蒸気等のガス
バリア性に優れたガスバリア材を提供する事を目的とす
るものである。また、フィルムなどを積層することなく
高いガスバリア性をもつ紙材料を提供できる為、特に、
パルプモールドのような立体成型物に対しても高いガス
バリア性を付与できる事を目的とする。 【解決手段】紙からなる基材の少なくとも片面に水溶性
高分子と無機層状化合物とを含む混合液を含浸させ、そ
れらの複合被膜が基材上に形成されているガスバリア材
を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品、医薬品、電
子部材、電子機器等が、酸素や水蒸気等によって劣化し
たり変質したりすることを抑制する包装用容器として好
適なガスバリア紙材料と容器に関する。
【0002】
【従来の技術】食品、医薬品、電子部材、電子機器等
が、酸素や水蒸気等によって劣化したり変質したりする
ことを抑制するため、それらの包装用に、酸素や水蒸気
の透過度を抑制したガスバリアフィルムが使用されてい
る。
【0003】従来、ガスバリア材には、ポリビニルアル
コール(PVA)とエチレンビニルアルコールとの共重
合体、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等の樹脂フィルム、あ
るいはこれらの樹脂がコートされたフィルム、セラミッ
ク蒸着フィルム等が使用され、それらを様々な基材に積
層させたものが検討されている。(例:特開平11―1
65369号)
【0004】また、バリア容器としてはプラスチックな
どが多く使用されている。しかし、プラスチックは、殆
どが石油由来の有限な資源であり、燃焼熱が高く、環境
ホルモンの問題などが指摘されている。近年の環境保全
型思考や、2000年の容器包装リサイクル法の施行に
伴い、プラスチック材料から再生可能な天然資源由来の
紙への転換が必要となってくる。
【0005】なお、紙の上に無機層状化合物を有する樹
脂組成物層、熱可塑性樹脂層を設ける検討もされている
(特開平11―309816)。しかし、この場合は紙
がシート状に限定されて、成形体などの場合には応用で
きない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、紙を基材とし
て、それらの表面にガスバリア性の高いフィルム等を積
層したガスバリア材も検討されているが、これらは基材
の形状が限定されており、シート状の基材にガスバリア
性を付与させ、その後、成形加工するものが多い。
【0007】本発明は以上のような課題を解決しようと
するものであり、紙からなる基材に水溶性高分子と無機
層状化合物からなる混合液を含浸させて、酸素や水蒸気
等のガスバリア性に優れたガスバリア材を提供する事を
目的とするものである。また、フィルムなどを積層する
ことなく高いガスバリア性をもつ紙材料を提供できる
為、特に、パルプモールドのような立体成型物に対して
も高いガスバリア性を付与できる事を目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明の第1の発明は、紙
からなる基材の少なくとも片面に水溶性高分子と無機層
状化合物とを含む混合液を含浸させ、それらの複合被膜
が基材上に形成されているガスバリア材を提供する。
【0009】本発明の第2の発明は、第1の発明におけ
る紙から成る基材において、JISP8118に従って
測定した紙からなる基材の密度が0.70g/cm3
上、また、JIS P8117に従って測定した紙から
なる基材の透気度が60秒以上であるガスバリア材を提
供する。
【0010】本発明の第3の発明は、第1、2の発明に
おける水溶性高分子と無機層状化合物から成る複合被膜
が基材の両面に形成されているガスバリア材を提供す
る。
【0011】本発明の第4の発明は、第1〜3の発明に
おける水溶性高分子と無機層状化合物から成る複合被膜
の厚みが片側1〜100μmであるガスバリア材を提供
する。
【0012】本発明の第5の発明は、第1〜4の発明に
おける水溶性高分子と無機層状化合物から成る複合被膜
の厚みが、より好ましくは片側10〜30μmであるガ
スバリア材を提供する。
【0013】本発明の第6の発明は、第1〜5の発明に
おけるの紙からなる基材がパルプモールド成型体である
ことを特徴とするガスバリア容器を提供する。
【0014】本発明の第7の発明は、第1〜6の発明に
おけるガスバリア材、或いはガスバリア容器の表面に、
熱硬化性樹脂からなるオーバーコート剤をコーティング
したガスバリア材、或いはガスバリア容器を提供する。
【0015】本発明の第8の発明は、第1〜7の発明に
おける複合被膜中の水溶性高分子がポリビニルアルコー
ル系樹脂であるガスバリア材、或いはガスバリア容器を
提供する。
【0016】本発明の第9の発明は、第1〜8の発明に
おける複合被膜中の無機層状化合物がモンモリロナイト
であるガスバリア材、又はガスバリア容器を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細について説明
する。
【0018】本発明のガスバリア材は紙からなる基材の
少なくとも片面に水溶性高分子と無機層状化合物とを含
む複合被膜が形成されている。この複合被膜はガスバリ
ア性が高く、かつ湿度劣化や温度依存性の抑制された特
性を発揮するものとなる。
【0019】本発明において、かかる複合被膜の形成に
使用する無機層状化合物とは、層状構造を有する結晶性
の無機化合物をいい、例えば、カオリナイト族、スメク
タイト族、マイカ族等に代表される粘土鉱物をあげるこ
とができる。無機層状化合物である限り、その種類、粒
径、アスペクト比等は、そのガスバリアフィルムの使用
目的等に応じて適宜選択することができ、特に限定され
ない。一般的には、層状構造の層間に樹脂成分等が入り
込み、層間が拡大した複合体を得やすい点から、スメク
タイト族の無機層状化合物が適している。スメクタイト
族の無機層状化合物の具体例としては、モンモリロナイ
ト、ヘクトライト、サポナイト等をあげることができ、
これらの中でも、溶液中の安定性や、塗工性等の点から
好ましいものとしてモンモリロナイトをあげることがで
きる。
【0020】一方、複合被膜の形成に使用する水溶性高
分子としては、特に限定はないが、無機層状化合物と容
易に混合し、無機層状化合物の層間に入り込みやすいも
のを使用することが好ましい。例えば、無機層状化合物
として上述のカオリナイト族、スメクタイト族、マイカ
族等を使用する場合、PVA系樹脂、セルロース系樹
脂、アクリル系樹脂等の水系高分子が好ましく、特に、
ガスバリア性の点からPVA系樹脂が好ましい。
【0021】複合被膜の形成方法としては、例えば、ま
ず上述の無機層状化合物と水溶性高分子とを含むコーテ
ィング剤を調製する。ここで、無機層状化合物と水溶性
高分子との配合割合としては、無機層状化合物と水溶性
高分子との重量比を1:99〜90:10の範囲とする
ことが好ましい。次に、コーティング剤を、ディッピン
グ法、ロールコート法、スクリーン印刷法、スプレー法
等の公知の塗工方法によって基材の少なくとも一方の面
上にコーティングし、乾燥させる。これにより、基材上
に複合被膜を形成することができる。
【0022】ここで、複合被膜を基材に形成する場合に
は、乾燥後の片側の複合被膜の平均厚さが約1〜100
μmとなるようにコーティングすることが好ましく、特
に、10〜30μmとすることが好ましい。被膜が薄す
ぎると塗膜が形成されにくく、反対に被膜が厚すぎると
乾燥が困難な上、不経済である。
【0023】本発明のガスバリア材、ガスバリア容器に
おいて、複合被膜は以上のように無機層状化合物と水溶
性高分子とから形成することができるが、この複合被膜
には、必要に応じて、耐水性を付与し、バリア性の湿度
依存性を改善する為、複合被膜上にオーバーコート剤を
コーティングすることができる。オーバーコート剤とし
ては、イソシアネート樹脂の様な熱硬化性樹脂等が使用
される。
【0024】一方、本発明のガスバリア材、ガスバリア
容器において紙から成る基材としては、特に限定される
ものではなく、厚さ、密度、透気度、立体形状等は使用
する目的に応じて選定されるが、特にJIS P811
8に従って測定した紙からなる基材の密度が0.70g
/cm3 以上、JIS P8117に従って測定した紙
からなる基材の透気度が60秒以上であると優れたガス
バリア性を有するガスバリア材、ガスバリア容器が得ら
れる。
【0025】
【実施例】(実施例1、2、3)密度0.75g/cm
3 、透気度940秒のコートボール紙を基材として用い
た。モンモリロナイト、ポリビニルアルコールを重量比
50:50で配合してコーティング剤を調製した。この
コーティング剤を基材の両面に含浸した後、100℃の
オーブンで乾燥させ、片側の平均乾燥膜厚25μmの複
合被膜を形成させ、ガスバリア材とした(実施例1)。
さらに、このガスバリア材にイソシアネート樹脂からな
るコーティング剤を塗工し、ガスバリア材を作成した
(実施例2)。また、実施例1と同じ基材とコーティン
グ剤を使用して同様に含浸、乾燥させ、片側の平均乾燥
膜厚8μmの複合被膜を形成させ、ガスバリア材を作成
した(実施例3)。
【0026】(実施例4)密度0.65g/cm3 、透
気度40秒の紙を基材として使用する以外は実施例1を
繰り返し、ガスバリア材を作成した(実施例4)。
【0027】(実施例5、6)密度0.85g/cm
3 、透気度1280秒のパルプモールド成型体を基材と
して実施例1と同様に片側の平均乾燥膜厚25μmの被
膜を形成し、ガスバリア容器を作成した(実施例5)。
さらにこのガスバリア容器に、イソシアネート樹脂から
なるコーティング剤を塗工し、ガスバリア容器を作成し
た(実施例6)。
【0028】評価実施例1〜4で得られた各ガスバリア
材の酸素通過度、水蒸気通過度を次のように測定した。
【0029】酸素通過度 酸素通過度測定装置(モダンコントロール社製、OXT
RAN 10/40A)を用いて30℃、100%RH
雰囲気下で測定した。
【0030】水蒸気通過度 水蒸気通過度測定装置(モダンコントロール社製、PE
RMATRAN W6)を用いて40℃、90%RH雰
囲気下で測定した。
【0031】酸素通過度、水蒸気通過度の結果を表1に
示す。
【0032】
【表1】
【0033】実施例1、2、3は塗膜性も良好で、ピン
ホールも殆ど見られなかった。表1から、紙から成る基
材に水溶性高分子と無機層状化合物から成る複合被膜を
含浸しただけのもの(実施例1、3)でも、酸素通過
度、水蒸気通過度が低く、高いガスバリア性を示してい
た。更に、実施例2のように、複合皮膜上にイソシアネ
ートをコーティングしたものでは、耐水性が付与され湿
度依存性がなくなる為、更にガスバリア性の高いものが
得られた。また、実施例4については、実施例1〜3に
比較すると塗膜性が悪く、ピンホールが見られる為、酸
素通過度、水蒸気通過度が上がり、ガスバリア性が低め
であった。
【0034】評価 実施例5、6で得られた各ガスバリア容器の水蒸気通過
度を次のように測定した。
【0035】得られたガスバリア容器中に塩化カルシウ
ムを充填し、開口部をアルミで密封した。40℃、90
%RHに保管し、重量増加を調べ水蒸気通過度とした。
これらの結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】実施例のガスバリア容器では良好な塗膜性
を示し、殆どピンホールが見られなかった。表2から、
実施例のガスバリア容器は水蒸気通過度も低く、立体成
型物に対しても高いガスバリア性を付与できた。
【0038】
【発明の効果】本発明では、紙から成る基材上に水溶性
高分子と層状化合物を含む被膜を形成させることによ
り、酸素通過度と水蒸気通過度とが低く、優れたガスバ
リア性をもつ紙材料を得ることができる。
【0039】さらに、本発明によれば、フィルムなどを
積層することなく含浸などのコーティングのみで高いガ
スバリア性を付与できることから、特に、パルプモール
ドなどのような立体成型物に対しても高いガスバリア性
を付与でき、優れたガスバリア容器を得ることが可能に
なった。紙からなる基材に水溶性高分子と無機層状化合
物からなる混合液を含浸させて、酸素や水蒸気等のガス
バリア性に優れたガスバリア材を提供する特許。この複
合被膜は耐水性が低い為、湿度依存性がある。従って、
さらにイソシアネート樹脂などのオーバーコートをする
ことにより、耐水性を付与し、湿度依存性がなくなる
為、ガスバリア性もよくなる。
【0040】また、フィルムなどを積層することなく、
コーティングのみで高いガスバリア性をもつ紙材料を提
供できる。特に、パルプモールドのような立体成型物に
対しても高いガスバリア性を付与できる。
【0041】ガスバリア性は紙の密度や透気度が高い程
よい。ガスバリア性はコーティング剤の膜厚に依存する
が、厚すぎると乾燥が困難な為、規定の範囲が望まし
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21J 7/00 D21J 7/00 Fターム(参考) 3E086 BA04 BA14 BA15 BA24 BA25 BA35 BB02 BB05 CA01 CA28 CA31 4L055 AG27 AG64 AG82 AG94 AH02 AH37 AH49 AJ04 BE07 BE09 BE10 BF09 EA08 EA12 FA20 FA30 GA05 GA50

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙からなる基材の少なくとも片面に水溶性
    高分子と無機層状化合物とを含む混合液を含浸させ、そ
    れらの複合被膜が基材上に形成されているガスバリア
    材。
  2. 【請求項2】JIS P8118に従って測定した紙か
    らなる基材の密度が0.70g/cm3 以上、また、J
    IS P8117に従って測定した紙からなる基材の透
    気度が60秒以上である請求項1記載のガスバリア材。
  3. 【請求項3】水溶性高分子と無機層状化合物から成る複
    合被膜が基材の両面に形成されている請求項1または2
    記載のガスバリア材。
  4. 【請求項4】水溶性高分子と無機層状化合物から成る複
    合被膜の厚みが片側1〜100μmである請求項1〜3
    何れか記載のガスバリア材。
  5. 【請求項5】水溶性高分子と無機層状化合物から成る複
    合被膜の厚みが片側10〜30μmである請求項1〜4
    何れか記載のガスバリア材。
  6. 【請求項6】上記請求項1〜5何れか記載のガスバリア
    材に熱硬化性樹脂からなるオーバーコート剤をコーティ
    ングしたガスバリア材。
  7. 【請求項7】複合被膜中の水溶性高分子がポリビニルア
    ルコール系樹脂である請求項1〜6何れか記載のガスバ
    リア材。
  8. 【請求項8】複合被膜中の無機層状化合物がモンモリロ
    ナイトである請求項1〜7記載のガスバリア材。
  9. 【請求項9】パルプモールド成型体からなる基材の少な
    くとも片面に水溶性高分子と無機層状化合物とを含む混
    合液を含浸させ、それらの複合被膜が基材上に形成され
    ているガスバリア容器。
  10. 【請求項10】JIS P8118に従って測定した紙
    からなる基材の密度が0.70g/cm3 以上、また、
    JIS P8117に従って測定したパルプモールド成
    型体からなる基材の透気度が60秒以上である請求項9
    記載のガスバリア容器。
  11. 【請求項11】水溶性高分子と無機層状化合物から成る
    複合被膜が基材の内外両面に形成されている請求項9ま
    たは10記載のガスバリア容器。
  12. 【請求項12】水溶性高分子と無機層状化合物から成る
    複合被膜の厚みが片側1〜100μmである請求項9〜
    11何れか記載のガスバリア容器。
  13. 【請求項13】水溶性高分子と無機層状化合物から成る
    複合被膜の厚みが片側10〜30μmである請求項9〜
    12何れか記載のガスバリア容器。
  14. 【請求項14】上記請求項9〜13何れか記載のガスバ
    リア容器の表面に、熱硬化性樹脂からなるオーバーコー
    ト剤をコーティングしたガスバリア容器。
  15. 【請求項15】複合被膜中の水溶性高分子がポリビニル
    アルコール系樹脂である請求項9〜14何れか記載のガ
    スバリア容器。
  16. 【請求項16】複合被膜中の無機層状化合物がモンモリ
    ロナイトである請求項9〜15何れか記載のガスバリア
    容器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012158160A (ja) * 2011-02-03 2012-08-23 Toyo Aluminum Ekco Products Kk パルプモールド容器及びパルプモールド容器の製造方法
KR102263472B1 (ko) * 2020-09-28 2021-06-15 무림에스피 주식회사 종이 기반의 친환경 완충재 시트 및 이의 제조방법

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