JP2001270901A - セルロースエステルの製造方法 - Google Patents
セルロースエステルの製造方法Info
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- JP2001270901A JP2001270901A JP2000024477A JP2000024477A JP2001270901A JP 2001270901 A JP2001270901 A JP 2001270901A JP 2000024477 A JP2000024477 A JP 2000024477A JP 2000024477 A JP2000024477 A JP 2000024477A JP 2001270901 A JP2001270901 A JP 2001270901A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 塩化メチレン以外の有機溶媒を用いて常温、
常圧に近い状態で、溶液(ドープ)を調製するのに適し
た酢酸セルロースを製造する。 【解決手段】 セルロースを原料とし、エステル化反応
を行い、セルロースエステルを製造する方法において、
25℃における圧力が0.1MPa以上の量の二酸化炭
素存在下にエステル化反応させるセルロースエステルの
製造方法。
常圧に近い状態で、溶液(ドープ)を調製するのに適し
た酢酸セルロースを製造する。 【解決手段】 セルロースを原料とし、エステル化反応
を行い、セルロースエステルを製造する方法において、
25℃における圧力が0.1MPa以上の量の二酸化炭
素存在下にエステル化反応させるセルロースエステルの
製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースエステ
ル、特に、酢酸セルロースの製造方法に関し、詳しく
は、25℃における圧力が0.1MPa以上の量の二酸
化炭素存在下に反応させることを特徴とする酢酸セルロ
ースの製造方法に関するものである。
ル、特に、酢酸セルロースの製造方法に関し、詳しく
は、25℃における圧力が0.1MPa以上の量の二酸
化炭素存在下に反応させることを特徴とする酢酸セルロ
ースの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セルロースエステルは、セルロースの有
機酸エステルであり、特に、酢酸セルロースは、衣料用
繊維、タバコ・フィルター・チップ、プラスチックス、
フィルム、塗料など多岐の用途があり、セルロース誘導
体の中で最も生産量の多い、工業的に重要なものであ
る。
機酸エステルであり、特に、酢酸セルロースは、衣料用
繊維、タバコ・フィルター・チップ、プラスチックス、
フィルム、塗料など多岐の用途があり、セルロース誘導
体の中で最も生産量の多い、工業的に重要なものであ
る。
【0003】酢酸セルロースフィルムは、写真感光材料
の支持体として用いられる一方、その光学的等方性か
ら、近年市場の拡大している液晶表示装置にも用いられ
ており、一般に、ソルベントキャスト法により製造が行
われる。酢酸セルロースの酢化度は、得られるフィルム
の機械的強度や耐久性と密接な関係があり、酢化度が低
下するにしたがって、フィルムの弾性率、寸度安定性な
ど光学フィルムに要求される品質が低下することが知ら
れている。品質を満足するためには、酢化度が58%、
好ましくは59%以上の酢酸セルロースが必要とされ
る。酢化度が58%以上の酢酸セルロースは、一般に三
酢酸セルロース(トリアセチルセルロース:TAC)に
分類される。ソルベントキャスト法では、酢酸セルロー
スを溶媒中に溶解した溶液(ドープ)を支持体上に流延
し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。
の支持体として用いられる一方、その光学的等方性か
ら、近年市場の拡大している液晶表示装置にも用いられ
ており、一般に、ソルベントキャスト法により製造が行
われる。酢酸セルロースの酢化度は、得られるフィルム
の機械的強度や耐久性と密接な関係があり、酢化度が低
下するにしたがって、フィルムの弾性率、寸度安定性な
ど光学フィルムに要求される品質が低下することが知ら
れている。品質を満足するためには、酢化度が58%、
好ましくは59%以上の酢酸セルロースが必要とされ
る。酢化度が58%以上の酢酸セルロースは、一般に三
酢酸セルロース(トリアセチルセルロース:TAC)に
分類される。ソルベントキャスト法では、酢酸セルロー
スを溶媒中に溶解した溶液(ドープ)を支持体上に流延
し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。
【0004】ソルベントキャスト法に用いる溶媒は、高
い溶解力を有することはもちろん、蒸発が容易でフィル
ム中の残留量が少ないことも重要である。これまで、塩
化メチレンがこの用途で用いられてきたが、環境問題の
観点から、塩化メチレンの使用が制限される方向であ
り、代替溶媒の探索が重要な課題となってきており、こ
れまでに、アセトンを主成分とする有機溶媒を用いて、
冷却によって酢酸セルロースを溶解させる方法(特開平
9−95544)、アセトンを主成分とする有機溶媒を
用いて、1〜500MPaの高圧条件で、調製する方法
(特開平11−21379)などが提案されている。
い溶解力を有することはもちろん、蒸発が容易でフィル
ム中の残留量が少ないことも重要である。これまで、塩
化メチレンがこの用途で用いられてきたが、環境問題の
観点から、塩化メチレンの使用が制限される方向であ
り、代替溶媒の探索が重要な課題となってきており、こ
れまでに、アセトンを主成分とする有機溶媒を用いて、
冷却によって酢酸セルロースを溶解させる方法(特開平
9−95544)、アセトンを主成分とする有機溶媒を
用いて、1〜500MPaの高圧条件で、調製する方法
(特開平11−21379)などが提案されている。
【0005】ところで、代表的な酢酸セルロースの工業
的製法としては、無水酢酸を酢化剤、酢酸を希釈剤、硫
酸を触媒とする方法が挙げられる(たとえば、特開平5
−239101など参照)。パルプ原料を離解・解砕
後、酢酸を散布混合する前処理工程と、酢化剤、希釈
剤、触媒を用いて、前記前処理パルプを反応させる酢化
工程と、必要に応じて、酢酸セルロースを加水分解し
て所望の酢化度の酢酸セルロースとする熟成工程と、
熟成反応の終了した酢酸セルロースを反応溶液から、沈
殿分離、精製、安定化、乾燥する後工程より成ってい
る。
的製法としては、無水酢酸を酢化剤、酢酸を希釈剤、硫
酸を触媒とする方法が挙げられる(たとえば、特開平5
−239101など参照)。パルプ原料を離解・解砕
後、酢酸を散布混合する前処理工程と、酢化剤、希釈
剤、触媒を用いて、前記前処理パルプを反応させる酢化
工程と、必要に応じて、酢酸セルロースを加水分解し
て所望の酢化度の酢酸セルロースとする熟成工程と、
熟成反応の終了した酢酸セルロースを反応溶液から、沈
殿分離、精製、安定化、乾燥する後工程より成ってい
る。
【0006】塩化メチレン以外の溶媒を用いて、上記の
通常の方法で製造された酢酸セルロースの溶液を調製す
ることが試みられてきたが、アセトンを主成分とする溶
媒を用いる前記方法(特開平9−95544)では、酢
化度の高い、好ましくは61%程度の酢化度の酢酸セル
ロースから、保存安定性に優れた溶液(ドープ)を調整
することはできず、低酢化度の酢酸セルロースしか用い
ることができていないのが現状である。さらに、前記方
法(特開平11−21379)では、25℃において1
00MPaという過酷な圧力を必要とするのが現状であ
る。
通常の方法で製造された酢酸セルロースの溶液を調製す
ることが試みられてきたが、アセトンを主成分とする溶
媒を用いる前記方法(特開平9−95544)では、酢
化度の高い、好ましくは61%程度の酢化度の酢酸セル
ロースから、保存安定性に優れた溶液(ドープ)を調整
することはできず、低酢化度の酢酸セルロースしか用い
ることができていないのが現状である。さらに、前記方
法(特開平11−21379)では、25℃において1
00MPaという過酷な圧力を必要とするのが現状であ
る。
【0007】一方、二酸化炭素は、炭素源として広く有
機合成に用いられている。また、臨界点を越えた温度−
圧力領域の二酸化炭素(超臨界二酸化炭素)が、カフェ
イン、フレーバーなどの抽出の他、フッ素との高い親和
性を利用したフッ素系ポリマー合成の溶媒などとして検
討されてきている。しかしながら、極性が低く、高分子
量の有機化合物を溶解しにくいため、有機合成反応の媒
体として広く用いられてはいないのが現状である。
機合成に用いられている。また、臨界点を越えた温度−
圧力領域の二酸化炭素(超臨界二酸化炭素)が、カフェ
イン、フレーバーなどの抽出の他、フッ素との高い親和
性を利用したフッ素系ポリマー合成の溶媒などとして検
討されてきている。しかしながら、極性が低く、高分子
量の有機化合物を溶解しにくいため、有機合成反応の媒
体として広く用いられてはいないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塩化
メチレン以外の有機溶媒を用いて常温、常圧に近い状態
で、溶液(ドープ)を調製するのに適した酢酸セルロー
スを製造することにある。
メチレン以外の有機溶媒を用いて常温、常圧に近い状態
で、溶液(ドープ)を調製するのに適した酢酸セルロー
スを製造することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記の
方法により達成された。 (1)セルロースを原料とし、エステル化反応を行い、
セルロースエステルを製造する方法において、25℃に
おける圧力が0.1MPa以上の量の二酸化炭素存在下
にエステル化反応させることを特徴とするセルロースエ
ステルの製造方法。 (2)セルロースエステルが、酢酸セルロースであるこ
とを特徴とする(1)項記載のセルロースエステルの製
造方法。 (3)セルロースを原料とし、エステル化反応を行い、
セルロースエステルを製造する方法において、二酸化炭
素によって0.2MPa以上となる加圧条件下でエステ
ル化反応させることを特徴とするセルロースエステルの
製造方法。 (4)セルロースエステルが、酢酸セルロースであるこ
とを特徴とする(3)項記載のセルロースエステルの製
造方法。 本発明において「25℃における圧力が0.1MPa以
上の二酸化炭素存在下にエステル化反応させる」とは、
温度を25℃に限定する意味ではなく、その温度におい
て二酸化炭素が0.1MPaであるような濃度以上であ
ることをいう。
方法により達成された。 (1)セルロースを原料とし、エステル化反応を行い、
セルロースエステルを製造する方法において、25℃に
おける圧力が0.1MPa以上の量の二酸化炭素存在下
にエステル化反応させることを特徴とするセルロースエ
ステルの製造方法。 (2)セルロースエステルが、酢酸セルロースであるこ
とを特徴とする(1)項記載のセルロースエステルの製
造方法。 (3)セルロースを原料とし、エステル化反応を行い、
セルロースエステルを製造する方法において、二酸化炭
素によって0.2MPa以上となる加圧条件下でエステ
ル化反応させることを特徴とするセルロースエステルの
製造方法。 (4)セルロースエステルが、酢酸セルロースであるこ
とを特徴とする(3)項記載のセルロースエステルの製
造方法。 本発明において「25℃における圧力が0.1MPa以
上の二酸化炭素存在下にエステル化反応させる」とは、
温度を25℃に限定する意味ではなく、その温度におい
て二酸化炭素が0.1MPaであるような濃度以上であ
ることをいう。
【0010】
【発明実施の形態】本発明で原料として用いるセルロー
スとしては、より具体的には、綿花リンターまたは木材
パルプを用いる。綿花リンターと木材パルプを混合して
用いても良い。木材パルプの方が、安価で経済的であ
る。木材パルプを用いて、酢酸セルロースを製造する場
合を例にとって、一般的な処理法について、以下述べ
る。まず、木材パルプを解砕機で処理し、フラッフ状の
解砕パルプとする。この解砕パルプを前処理するが、解
砕パルプ100gに対して、場合によって、触媒(硫酸
など)を含む400〜1000g程度の氷酢酸を散布混
合し、攪拌機付きの密閉容器中で、20〜80℃の温度
にて、0.5〜4時間程度攪拌するのが好ましい。この
ような前処理は、セルロースに円滑で均一な酢化反応を
与えるため、セルロース繊維を膨潤させるのが目的であ
る。その後、解砕パルプ100gに対して、酢化剤であ
る無水酢酸150〜800g、好ましくは、200〜4
00g添加し、攪拌、混合する。内容物は、反応により
発熱するが、20〜60分かけて、ほぼ一定の速度で昇
温するように調整し、最終50〜80℃にて3〜20分
保持して、セルロースを酢化する。
スとしては、より具体的には、綿花リンターまたは木材
パルプを用いる。綿花リンターと木材パルプを混合して
用いても良い。木材パルプの方が、安価で経済的であ
る。木材パルプを用いて、酢酸セルロースを製造する場
合を例にとって、一般的な処理法について、以下述べ
る。まず、木材パルプを解砕機で処理し、フラッフ状の
解砕パルプとする。この解砕パルプを前処理するが、解
砕パルプ100gに対して、場合によって、触媒(硫酸
など)を含む400〜1000g程度の氷酢酸を散布混
合し、攪拌機付きの密閉容器中で、20〜80℃の温度
にて、0.5〜4時間程度攪拌するのが好ましい。この
ような前処理は、セルロースに円滑で均一な酢化反応を
与えるため、セルロース繊維を膨潤させるのが目的であ
る。その後、解砕パルプ100gに対して、酢化剤であ
る無水酢酸150〜800g、好ましくは、200〜4
00g添加し、攪拌、混合する。内容物は、反応により
発熱するが、20〜60分かけて、ほぼ一定の速度で昇
温するように調整し、最終50〜80℃にて3〜20分
保持して、セルロースを酢化する。
【0011】本発明においては、以上の前処理工程を含
む、酢化反応工程を25℃において圧力が0.1MPa
以上である二酸化炭素存在下に行うのが好ましい。二酸
化炭素の圧力は、25℃において好ましくは、0.1〜
50MPa、より好ましくは、4〜50MPaであり、
二酸化炭素の臨界点は、31℃、7.38MPaであ
り、臨界圧力(7.38MPa)以上で行うことが特に
好ましい。本発明においては、前処理工程、反応工程、
いずれも、耐圧容器(オートクレーブ)中で行われる。
二酸化炭素の導入は、液化ボンベから、直接あるいは間
接的に行われる。4MPaより低い圧力で行う場合に
は、解砕パルプ、必要に応じて、触媒(硫酸など)、氷
酢酸、有機溶媒をオートクレーブに仕込み、通常の液化
二酸化炭素ボンベから、目的の圧力になるまで気体とし
て直接導入し、好ましくは0〜130℃、より好ましく
は、20〜80℃にて、好ましくは0.5〜12時間、
より好ましくは、0.5〜4時間、前処理を行う。次い
で、別のオートクレーブに秤量した酢化剤(無水酢酸が
最も一般的)を添加し、好ましくは20〜130℃、よ
り好ましくは、50〜80℃にて酢化反応を行う。4M
Pa以上の圧力で行う場合には、液化ボンベとオートク
レーブの間に、冷却槽、ポンプ、流量計を取り付け、液
体として直接二酸化炭素を導入する。サイフォン式ボン
ベを用いて、一定量の二酸化炭素を液体としてオートク
レーブに秤量する方法で、直接または間接的に導入する
こともできる。ドライアイスを秤量し、オートクレーブ
に仕込むという方法も用いることができる。本発明にお
いて上記のような圧力に保つための二酸化炭素の量は、
解砕パルプ量に対し、好ましくは50質量%以上、より
好ましくは100〜50000質量%とするのが好まし
い。
む、酢化反応工程を25℃において圧力が0.1MPa
以上である二酸化炭素存在下に行うのが好ましい。二酸
化炭素の圧力は、25℃において好ましくは、0.1〜
50MPa、より好ましくは、4〜50MPaであり、
二酸化炭素の臨界点は、31℃、7.38MPaであ
り、臨界圧力(7.38MPa)以上で行うことが特に
好ましい。本発明においては、前処理工程、反応工程、
いずれも、耐圧容器(オートクレーブ)中で行われる。
二酸化炭素の導入は、液化ボンベから、直接あるいは間
接的に行われる。4MPaより低い圧力で行う場合に
は、解砕パルプ、必要に応じて、触媒(硫酸など)、氷
酢酸、有機溶媒をオートクレーブに仕込み、通常の液化
二酸化炭素ボンベから、目的の圧力になるまで気体とし
て直接導入し、好ましくは0〜130℃、より好ましく
は、20〜80℃にて、好ましくは0.5〜12時間、
より好ましくは、0.5〜4時間、前処理を行う。次い
で、別のオートクレーブに秤量した酢化剤(無水酢酸が
最も一般的)を添加し、好ましくは20〜130℃、よ
り好ましくは、50〜80℃にて酢化反応を行う。4M
Pa以上の圧力で行う場合には、液化ボンベとオートク
レーブの間に、冷却槽、ポンプ、流量計を取り付け、液
体として直接二酸化炭素を導入する。サイフォン式ボン
ベを用いて、一定量の二酸化炭素を液体としてオートク
レーブに秤量する方法で、直接または間接的に導入する
こともできる。ドライアイスを秤量し、オートクレーブ
に仕込むという方法も用いることができる。本発明にお
いて上記のような圧力に保つための二酸化炭素の量は、
解砕パルプ量に対し、好ましくは50質量%以上、より
好ましくは100〜50000質量%とするのが好まし
い。
【0012】触媒としては、好ましくは硫酸、塩酸、臭
化水素酸、過塩素酸が用いられ、さらに好ましくは硫酸
が用いられる。酸性イオン交換樹脂を用いることもでき
る。この場合には酸性イオン交換樹脂としてはAmberlys
t 15(商品名)、AmberliteIRP64 (商品名)、AMBERJE
T 1200 (商品名)、Nafion(商品名)等が好ましく用
いられる。触媒は、解砕パルプに対して、0.1〜20
00質量%、好ましくは、1〜1000質量%、より好
ましくは、10〜100質量%用いられる。
化水素酸、過塩素酸が用いられ、さらに好ましくは硫酸
が用いられる。酸性イオン交換樹脂を用いることもでき
る。この場合には酸性イオン交換樹脂としてはAmberlys
t 15(商品名)、AmberliteIRP64 (商品名)、AMBERJE
T 1200 (商品名)、Nafion(商品名)等が好ましく用
いられる。触媒は、解砕パルプに対して、0.1〜20
00質量%、好ましくは、1〜1000質量%、より好
ましくは、10〜100質量%用いられる。
【0013】エステル化反応においては、カルボン酸
(例えば酢酸)、酸無水物(例えば無水酢酸)、酸ハラ
イド(例えばアセチルクロリド)、カルボン酸エステル
(例えば酢酸エチル、酢酸メチル)などを用いることが
できるが、反応性、価格などの点で優れていることか
ら、好ましくは、酸無水物が用いられる。解砕パルプに
対して、100〜1000質量%、好ましくは、200
〜400質量%用いられる。
(例えば酢酸)、酸無水物(例えば無水酢酸)、酸ハラ
イド(例えばアセチルクロリド)、カルボン酸エステル
(例えば酢酸エチル、酢酸メチル)などを用いることが
できるが、反応性、価格などの点で優れていることか
ら、好ましくは、酸無水物が用いられる。解砕パルプに
対して、100〜1000質量%、好ましくは、200
〜400質量%用いられる。
【0014】必要に応じて有機溶媒を用いることができ
る。たとえば、対応するカルボン酸(酢酸など)、芳香
族炭化水素系溶媒(たとえばトルエン、キシレン)、ハ
ロゲン系溶媒(たとえば、塩化メチレン、エチレンクロ
リド、クロロベンゼン)、エステル系溶媒(たとえば、
酢酸エチル、酢酸メチル)、エーテル系溶媒(たとえば
ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン,ジオキサン)、ニトリル系溶媒(たとえ
ばアセトニトリル)、アミド系溶媒(たとえばN,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピ
ロリドン)、スルホランなどを用いることができる。好
ましくは、対応するカルボン酸、芳香族炭化水素系溶
媒、エステル系溶媒が用いられる。解砕パルプに対し
て、100〜20000質量%、好ましくは、300〜
1000質量%用いられる。
る。たとえば、対応するカルボン酸(酢酸など)、芳香
族炭化水素系溶媒(たとえばトルエン、キシレン)、ハ
ロゲン系溶媒(たとえば、塩化メチレン、エチレンクロ
リド、クロロベンゼン)、エステル系溶媒(たとえば、
酢酸エチル、酢酸メチル)、エーテル系溶媒(たとえば
ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン,ジオキサン)、ニトリル系溶媒(たとえ
ばアセトニトリル)、アミド系溶媒(たとえばN,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピ
ロリドン)、スルホランなどを用いることができる。好
ましくは、対応するカルボン酸、芳香族炭化水素系溶
媒、エステル系溶媒が用いられる。解砕パルプに対し
て、100〜20000質量%、好ましくは、300〜
1000質量%用いられる。
【0015】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0016】実施例1 木材パルプ(α−セルロース分87.5%)を家庭用ミ
キサーで水解砕後、アセトン置換し乾燥した。このパル
プ1gを500mlのオートクレーブに仕込み、これに
硫酸0.1gを含む160gの氷酢酸を均一に散布し、
オートクレーブの蓋を閉め、サイホン式二酸化炭素ボン
ベから二酸化炭素を液体で200g導入し、40℃にて
2時間攪拌した(二酸化炭素圧:8MPa)。さらに、
別のオートクレーブに無水酢酸7.0gを秤量し、これ
を先のオートクレーブに導入し、さらに40℃にて3時
間反応させた(二酸化炭素圧:8MPa)。常圧に戻し
た後、遠心分離(7000rpm、30分)により不溶
部を回収し、得られた酢酸セルロース中の不溶解残留物
含有量を定量した。得られた酢酸セルロースおよびその
不溶解部はともに酢化度61%程度であった。不溶解残
留物量は、1.6質量%であり、二酸化炭素を用いない
比較例に比べて濾過性が向上し、透明性も良好な1次酢
酸セルロース製品であった。
キサーで水解砕後、アセトン置換し乾燥した。このパル
プ1gを500mlのオートクレーブに仕込み、これに
硫酸0.1gを含む160gの氷酢酸を均一に散布し、
オートクレーブの蓋を閉め、サイホン式二酸化炭素ボン
ベから二酸化炭素を液体で200g導入し、40℃にて
2時間攪拌した(二酸化炭素圧:8MPa)。さらに、
別のオートクレーブに無水酢酸7.0gを秤量し、これ
を先のオートクレーブに導入し、さらに40℃にて3時
間反応させた(二酸化炭素圧:8MPa)。常圧に戻し
た後、遠心分離(7000rpm、30分)により不溶
部を回収し、得られた酢酸セルロース中の不溶解残留物
含有量を定量した。得られた酢酸セルロースおよびその
不溶解部はともに酢化度61%程度であった。不溶解残
留物量は、1.6質量%であり、二酸化炭素を用いない
比較例に比べて濾過性が向上し、透明性も良好な1次酢
酸セルロース製品であった。
【0017】比較例1 二酸化炭素を用いない他は、実施例1とほぼ同様の前処
理、反応を行った。その結果、酢化度は、61%程度と
実施例1並みであったが、不溶解残留物含有量が、7.
9質量%あり、濾過性の点で、不満足な結果であった。
理、反応を行った。その結果、酢化度は、61%程度と
実施例1並みであったが、不溶解残留物含有量が、7.
9質量%あり、濾過性の点で、不満足な結果であった。
【0018】参考例 実施例1、および比較例1で得られた酢酸セルロースを
用いて、溶液(ドープ)を調製することを検討した。す
なわち、酢酸セルロースを400質量%のアセトンに加
え、内温20℃にて2時間攪拌した。実施例1で得られ
た酢酸セルロースが溶解したのに対し、比較例1で得ら
れた酢酸セルロースは、溶解せずに膨潤するだけであっ
た。
用いて、溶液(ドープ)を調製することを検討した。す
なわち、酢酸セルロースを400質量%のアセトンに加
え、内温20℃にて2時間攪拌した。実施例1で得られ
た酢酸セルロースが溶解したのに対し、比較例1で得ら
れた酢酸セルロースは、溶解せずに膨潤するだけであっ
た。
【0019】
【発明の効果】本発明の方法によれば、塩化メチレン以
外の有機溶媒を用いて常温、常圧に近い状態で溶液(ド
ープ)を調製するのに適した酢酸セルロースを製造する
ことができる。
外の有機溶媒を用いて常温、常圧に近い状態で溶液(ド
ープ)を調製するのに適した酢酸セルロースを製造する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 忠久 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4C090 AA05 BA25 BA26 BD11 CA38 CA39 DA28 DA29 DA31
Claims (4)
- 【請求項1】 セルロースを原料とし、エステル化反応
を行い、セルロースエステルを製造する方法において、
25℃における圧力が0.1MPa以上の量の二酸化炭
素存在下にエステル化反応させることを特徴とするセル
ロースエステルの製造方法。 - 【請求項2】 セルロースエステルが、酢酸セルロース
であることを特徴とする請求項1記載のセルロースエス
テルの製造方法。 - 【請求項3】 セルロースを原料とし、エステル化反応
を行い、セルロースエステルを製造する方法において、
二酸化炭素によって0.2MPa以上となる加圧条件下
でエステル化反応させることを特徴とするセルロースエ
ステルの製造方法。 - 【請求項4】 セルロースエステルが、酢酸セルロース
であることを特徴とする請求項3記載のセルロースエス
テルの製造方法。
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP2001270901A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004007370A1 (ja) * | 2002-07-12 | 2004-01-22 | Shionogi Co., Ltd. | 酸触媒として機能するゼオライト類似体の簡易な製造法 |
JP2007216438A (ja) * | 2006-02-15 | 2007-08-30 | Forestry & Forest Products Research Institute | 木材の改質方法 |
JP2010516830A (ja) * | 2007-01-22 | 2010-05-20 | アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ | セルロースエーテルの製造法 |
KR20210059334A (ko) * | 2019-11-15 | 2021-05-25 | 한국생산기술연구원 | 초임계 이산화탄소를 이용한 소수화 나노셀룰로오스의 제조방법 |
-
2000
- 2000-02-01 JP JP2000024477A patent/JP2001270901A/ja active Pending
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KR102330998B1 (ko) * | 2019-11-15 | 2021-11-25 | 한국생산기술연구원 | 초임계 이산화탄소를 이용한 소수화 나노셀룰로오스의 제조방법 |
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