JP2001270743A - 電子線硬化型光ファイバ用被覆材及びその硬化方法 - Google Patents

電子線硬化型光ファイバ用被覆材及びその硬化方法

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JP2001270743A
JP2001270743A JP2000090802A JP2000090802A JP2001270743A JP 2001270743 A JP2001270743 A JP 2001270743A JP 2000090802 A JP2000090802 A JP 2000090802A JP 2000090802 A JP2000090802 A JP 2000090802A JP 2001270743 A JP2001270743 A JP 2001270743A
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electron beam
coating material
meth
optical fiber
acrylate
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JP2000090802A
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Atsuo Kawada
敦雄 川田
Toshio Oba
敏夫 大庭
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 紫外線吸収剤を含有した電子線硬化型樹
脂組成物からなることを特徴とする電子線硬化型光ファ
イバ用被覆材。 【効果】 本発明によれば、光ファイバ用被覆材として
十分高い屈折率を有し、安価に製造することができ、経
時的に黄変を生じない優れた電子線硬化型光ファイバ用
被覆材が得られる。また、本発明の硬化方法には、光フ
ァイバの伝送損失に悪影響を及ぼさず、十分な硬化度が
得られ、かつ安定した特性を得ることができるという優
れた効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線硬化型の光
ファイバ用被覆材(光ファイバ心線の一次被覆材、二次
被覆材及び光ファイバテープ化材)及びその電子線硬化
方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】光通信
ファイバとしては、石英ガラス系、多成分ガラス系、プ
ラスチック系等の種々のものがあるが、現実にはその軽
量性、低損失性、高耐久性、更には伝送容量が大きいこ
とから石英ガラス系のものが広範囲の分野で大量に使用
されている。しかし、この石英ガラス系のものは、極め
て細く、外的要因で変化も起こることから、石英ガラス
系の光通信ファイバは、溶融紡糸された石英ガラスファ
イバ上に予め硬化物の軟らかい液状の硬化性樹脂でコー
ティング、硬化し、一次被覆した後、この一次被覆層を
保護するために、更に硬化物の硬い液状の硬化性樹脂で
二次被覆が施されている。このものは、光ファイバ心線
と呼ばれているが、更にこの心線を数本(通常は4本)
束ね、テープ化材を塗布硬化することにより、テープ心
線が製造されている。
【0003】これらの被覆材としては、ウレタンアクリ
レート系の紫外線硬化性樹脂組成物が提案されており、
特公平1−19694号、特許第2522663号、特
許第2547021号公報に記載されているように、ウ
レタンアクリレートオリゴマーと、反応性希釈剤と、光
重合開始剤とからなる紫外線液状硬化組成物が知られて
いる。
【0004】また、欧州特許出願第200366号に
は、ポリエーテルポリオールとヒドロキシ基を有する水
素化ジエンポリマーから誘導されたポリウレタンからな
る液状紫外線硬化性樹脂組成物が開示されており、この
実施例では、2,4−トルエンジイソシアネート又はイ
ソホロンジイソシアネートがポリウレタンの製造に用い
られているが、2,4−トルエンジイソシアネートをポ
リウレタンの製造に用いると、経時的に被覆が黄変する
という問題があった。また、イソホロンジイソシアネー
トを用いると、黄変を避けることができるが、このよう
な組成物からなる被覆材の屈折率は、光ファイバ用被覆
材としては低すぎるという問題があった。
【0005】更に、特表平10−510237号公報に
は、(A)ポリエーテル及び/又はポリオレフィン骨
格、1つ又はそれ以上のアルキル置換基を有する芳香族
基、及び反応性末端の3つのタイプの部分を含んでお
り、この3つのタイプの部分がウレタン結合及び/又は
尿素結合を介して結合されており、芳香族基が1つ又は
それ以上のアルキル置換基を介してウレタン結合及び/
又は尿素結合に連結されているウレタンオリゴマー約3
0〜約80重量%;(B)希釈剤が(A)の反応性末端
と反応することができる少なくとも1つの末端基をもっ
て停止されている1種類又は2種類以上の反応性希釈剤
約15〜約65重量%;(C)光重合開始剤0〜約10
重量%;(D)酸化防止剤0〜約5重量%;及び(E)
接着促進剤0〜約30重量%を含んでいる被覆組成物が
開示されている。また、この被覆組成物は、高い屈折
率、色変化に対する良好な抵抗性、及び改良された溶剤
に対する抵抗性を有する硬化した被覆を与えるが、これ
に使われる芳香族基が1つ又はそれ以上のアルキル置換
基を介してウレタン結合及び/又は尿素結合に連結され
ているウレタンオリゴマーは、原料に特殊なジイソシア
ネートを使用するため高価であるという問題があった。
【0006】一方、特許第2541997号公報には、
活性エネルギー線として電子線照射が記載されている
が、電子線の加速電圧については記載されておらず、従
来公知の高電圧で加速された電子線を光ファイバに照射
すると屈折率を高めるために添加されたファイバコア中
のドーパントを変質(黒色化)させ、伝送損失が大きく
なるという問題があった。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、光ファイバ用被覆材として十分高い屈折率を有し、
一般的な原料を使うので安価に製造することができ、経
時的に黄変を生じない電子線硬化型光ファイバ用被覆
材、及び、光ファイバ伝送損失に悪影響を及ぼさず、十
分な硬化度が得られ、かつ安定した特性が得られる電子
線硬化型光ファイバ用被覆材の硬化方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討を重
ねた結果、この黄変を引き起こす原因の一つとして、環
境中に存在する紫外線が組成物中のウレタン結合を共役
化したり、場合によっては切断に至らせる等の変化を生
じさせるものであり、特定の紫外線吸収剤がこの黄変を
防止する効果があることを見出すと共に、この樹脂組成
物に紫外線硬化を行うと、紫外線吸収剤が樹脂組成物の
硬化を阻害してしまうが、電子線硬化を行うことで紫外
線吸収剤による硬化阻害を避けることができることを見
出した。
【0009】更に、電子線の吸収線量はフィラメントに
流す電流値と処理速度により決定されるため、線引き速
度に比例して電流値をコントロールすることで吸収線量
を一定にすることが可能であることを知見した。即ち、
電子線は一般にフィラメントに電流を流すことにより加
熱されて放出した熱電子を電圧(加速電圧)によって加
速することにより得られるが、この時の加速電圧は光フ
ァイバに照射した場合の電子透過深さに影響する。この
ため、加速電圧が低すぎると被覆した樹脂表面しか硬化
しないという問題があり、更に、電子線はエネルギーが
大きいため、吸収線量が大きいとラジカル重合性官能基
以外の部分での架橋が生じるため、硬化物の特性を一定
にするには電子の加速電圧と同時に電子線の吸収線量も
制御することが必要であるという知見に鑑み、検討を重
ねた結果、紫外線吸収剤を含有した電子線硬化型樹脂組
成物、特に一分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽
和基を有するポリウレタン、ベンゾトリアゾール系又は
トリアジン系の紫外線吸収剤、及び反応性希釈剤を配合
したものを光ファイバ用被覆材として用い、この被覆材
を光ファイバに膜厚20〜200μmになるよう塗工
し、電圧50〜190kVで電子を加速することにより
得られる電子線を吸収線量が10〜100kGyになる
ように照射して硬化させることが有効であることを知見
し、本発明をなすに至った。
【0010】従って、本発明は、紫外線吸収剤を含有し
た電子線硬化型樹脂組成物、更に好ましくは、一分子中
に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有するポリウ
レタン、ベンゾトリアゾール系又はトリアジン系の紫外
線吸収剤、及び反応性希釈剤を含有する組成物からなる
電子線硬化型光ファイバ用被覆材、及び、この被覆材を
光ファイバに膜厚20〜200μmになるよう塗工し、
電圧50〜190kVで電子を加速することにより得ら
れる電子線を吸収線量が10〜100kGyになるよう
照射する電子線硬化型光ファイバ用被覆材の硬化方法を
提供する。
【0011】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の電子線硬化型光ファイバ用被覆材は、紫外線吸
収剤を含有する。ここで使用する紫外線吸収剤は、光フ
ァイバ用被覆材の経時的黄変の原因となる環境中に存在
する紫外線を吸収し、無害な熱エネルギーに変える物質
であればいずれでもよいが、ベンゾトリアゾール系又は
トリアジン系の紫外線吸収剤が黄変防止効果が高いので
好ましい。
【0012】ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とし
ては、例えば2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール(TINUVIN P(商品
名)、チバガイギ社製)、2−[2−ヒドロキシ−3,
5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2
H−ベンゾトリアゾール(TINUVIN 234(商
品名)、チバガイギ社製)、2−(3,5−ジ−t−ブ
チル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
(TINUVIN 320(商品名)、チバガイギ社
製)、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロ
キシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(TI
NUVIN 326(商品名)、チバガイギ社製)、2
−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール(TINUVIN
327(商品名)、チバガイギ社製)、2−(3,5
−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾト
リアゾール(TINUVIN 328(商品名)、チバ
ガイギ社製)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オ
クチルフェニル)ベンゾトリアゾール(TINUVIN
329(商品名)、チバガイギ社製)、メチル−3−
[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−
2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート
−ポリエチレングリコールとの縮合物(TINUVIN
213(商品名)、チバガイギ社製)、ヒドロキシフ
ェニルベンゾトリアゾール誘導体(TINUVIN 5
71(商品名)、チバガイギ社製)が挙げられ、トリア
ジン系の紫外線吸収剤としては、例えば2−{4−
[(2−ヒドロキシ−3−ジデシロキシプロピル)−オ
キシ]−2−ヒドロキシフェニル}−4,6−ビス
(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジ
ンと2−{4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシロキ
シプロピル)−オキシ]−2−ヒドロキシフェニル}−
4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,
5−トリアジンの混合物(TINUVIN 400(商
品名)、チバガイギ社製)が挙げられる。
【0013】紫外線吸収剤の含有量は、電子線硬化型光
ファイバ用被覆材(電子線硬化型樹脂組成物)中0.1
重量%未満では黄変防止効果が十分発揮されず、10重
量%より大きいと硬化性が低下してしまうおそれがある
ので、電子線硬化型樹脂組成物中0.1重量%以上10
重量%以下とすることが望ましく、更に0.5重量%以
上5重量%以下とすることがより望ましい。
【0014】本発明の電子線硬化型樹脂組成物は、硬化
性や強靱性から一分子中に少なくとも2個のエチレン性
不飽和基を有するポリウレタンを主成分とするものが望
ましい。
【0015】一分子中に少なくとも2個のエチレン性不
飽和基を有するポリウレタンとしては、例えばジイソシ
アネートとエチレン性不飽和基を有する化合物とを反応
させることにより得られ、また、別の例として、炭素数
2〜10のオキシアルキレン基からなるジオールとジイ
ソシアネート及びエチレン性不飽和基を有する化合物と
を反応させることにより得られる。
【0016】ここで、オキシアルキレン基からなるジオ
ールの数平均分子量は800〜10,000のものが好
ましい。数平均分子量が800未満であると、得られた
硬化皮膜が伸びなくなる場合があり、10,000より
大きいと電子線照射による硬化性が悪くなる場合があ
る。
【0017】炭素数2〜10のオキシアルキレン基から
なるジオールの具体例としては、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール、2−メチルテトラヒドロフラングリコール、
3−メチルテトラヒドロフラングリコール、ポリヘプタ
メチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、
ポリデカメチレングリコール、ビスフェノールAのポリ
アルキレンオキサイド付加体ジオールなどが挙げられる
が、吸水率や粘度の観点からポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、2−メチルテトラ
ヒドロフラングリコール、3−メチルテトラヒドロフラ
ングリコールが好ましい。ポリアルキレンオキサイドは
その単独重合体のみならず、それらのランダムもしくは
ブロック共重合体も使用することができる。
【0018】ジイソシアネートとしては、例えば2,4
−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソ
シアネート、1,3−キシレンジイソシアネート、1,
4−キシレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジ
イソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p
−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、2,2,4
−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,
4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートな
どが挙げられ、なかでも2,4−トルエンジイソシアネ
ートが特性的に優れ、かつ一般的に入手でき、安価に製
造できるので好ましい。これらのジイソシアネートは1
種単独で用いても、2種以上を併用して使用してもよ
い。
【0019】更に、エチレン性不飽和基を有する化合物
としては、例えば、水酸基、酸ハライド基、エポキシ基
を有する(メタ)アクリル系化合物を挙げることができ
る。
【0020】水酸基を有する(メタ)アクリル系化合物
としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
グリセリンジ(メタ)アクリレートなどやアルキルグリ
シジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートなど
のグリシジル基含有化合物と(メタ)アクリル酸の付加
物などが挙げられる。
【0021】酸ハライド基を有する(メタ)アクリル系
化合物としては、例えば(メタ)アクリル酸クロライ
ド、(メタ)アクリル酸ブロマイドなどを挙げることが
できる。
【0022】エポキシ基を有する(メタ)アクリル系化
合物としては、例えば(メタ)アクリル酸のグリシジル
エステルなどが挙げられる。
【0023】一分子中に2個のエチレン性不飽和基を有
するポリウレタンは、例えば、上記ジオールとジイソシ
アネートを従来公知の方法によりOH/NCO=0.5
〜2.0(モル比)で反応させた後、更に、エチレン性
不飽和基を有する化合物を反応させることにより製造す
ることができる。
【0024】また、上記ポリウレタンと紫外線吸収剤の
みでは粘度が高すぎて塗工性が悪い場合には、反応性希
釈剤で希釈することが望ましい。反応性希釈剤として
は、電子線照射によりラジカル重合可能な官能基を有す
るものであればよいが、ラジカル重合性に優れる(メ
タ)アクリロイル基を一分子中に1個以上有する化合物
が望ましい。
【0025】一分子中に1個の(メタ)アクリロイル基
を有する化合物として、具体的には、メトキシエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ
エチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエ
チレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノ
キシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノ
キシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、
ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、アルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メ
タ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレート、クミルフェノール
(メタ)アクリレート、クミルフェノキシポリエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、クミルフェノキシポ
リプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキ
シプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリ
ロイルキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、3
−アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−(メ
タ)アクリロキシプロパン、ポリプロピレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ポリε−カプロラクトンモノ
(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]アシッ
ドフォスフェート、トリクロロエチル(メタ)アクリレ
ート、2,2,3,3−テトラフロロプロピル(メタ)
アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロ
ブチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチ
ル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)
アクリレート、ジシクロペンテニルオキシアルキル(メ
タ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリ
レート、トリシクロデカニルオキシエチル(メタ)アク
リレート、トリシクロデカニルオキシエチル(メタ)ア
クリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリ
レート、モルホリン(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0026】一分子中に2個の(メタ)アクリロイル基
を有する化合物として、具体的には、2,2−ジメチル
−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒ
ドロキシプロピオネートのジ(メタ)アクリレート、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ネオペンチルグリセリンジ(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレン
オキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、2,2’
−ジ(ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンのジ(メ
タ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールのジ
(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンジ(メ
タ)アクリレート、ペンタンジ(メタ)アクリレート、
2,2−ビス(グリシジルオキシフェニル)プロパンの
ジ(メタ)アクリル酸付加物等が挙げられる。
【0027】一分子中に3個以上の(メタ)アクリロイ
ル基を有する化合物として、具体的には、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス
(アクリロキシメチル)イソシアヌレート、トリス(ア
クリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(アクリ
ロキシプロピル)イソシアヌレート、トリアリルトリメ
リット酸、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられ
る。
【0028】また、(メタ)アクリロイル基を有する化
合物以外に、ラジカル重合性に優れるN−ビニルピロリ
ドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトア
ミド、N−ビニルホルムアミド等のN−ビニル化合物を
使用することも可能である。これらの反応性希釈剤は、
1種又は2種以上を併用することが可能である。
【0029】ここで、本発明に用いる電子線硬化型光フ
ァイバ用被覆材(電子線硬化型樹脂組成物)は、一分子
中に2個のエチレン性不飽和基を有するポリウレタン1
00重量部に対し、前記反応性希釈剤5〜200重量
部、前記紫外線吸収剤0.2〜20重量部とすることが
好ましい。
【0030】本発明の光ファイバ用被覆材には、更に必
要に応じて、酸化防止剤、有機溶剤、可塑剤、界面活性
剤、シランカップリング剤、着色顔料、有機又は無機粒
子等の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で添加
することができる。
【0031】本発明の光ファイバ用被覆材は、上記した
所要の成分を配合した後、撹拌混合することにより調製
することができ、その粘度は、作業性の点で光ファイバ
の通常の製造条件との適合性から、通常500〜10,
000mPa・sec(25℃)、特に高速の製造条件
では500〜4,000mPa・sec(25℃)とす
ることが望ましい。
【0032】なお、本発明の光ファイバ用被覆材は、光
ファイバ用被覆材の一次被覆材(プライマリー材)とし
て使用される場合は、光ガラスファイバに直接被覆さ
れ、硬化皮膜を形成するが、外部力及び温度変化による
マイクロベンドから心線を保護するために5MPa以下
のヤング率を有することが望ましい。更に、この上層に
光ファイバを機械的に保護する目的で使用される二次被
覆材(セカンダリー材)及び光ファイバ心線を束ねるテ
ープ化材は、30MPa以上のヤング率を有することが
望ましい。
【0033】本発明においては、上記の成分を混合した
被覆材を光ファイバにダイコートなどの方法で20〜2
00μmの厚みになるよう塗工し、電圧50〜190k
Vで電子を加速することにより得られる電子線を吸収線
量10〜100kGy、望ましくは20〜50kGyに
なるように照射することで、光ファイバの伝送損失など
の特性に悪影響を及ぼすことなく、被覆材を良好に硬化
することができる。ここで、加速電圧が50kVより低
いと被覆材の内部硬化性が悪くなり、190kVより大
きいと光ファイバの特性を低下する。また、吸収線量が
10kGy未満の場合は組成物のゲル分率が低すぎ、1
00kGyより大きい場合はエチレン性官能基以外でも
架橋反応が起こり、例えば所定のヤング率より高くなっ
てしまう場合がある。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0035】[実施例1]2,4−トルエンジイソシア
ネート 51.5g、数平均分子量2,000のポリテ
トラメチレングリコール 42.3g、数平均分子量4
00のポリプロピレングリコール 22.0g、トリプ
ロピレングリコール 1.6gの混合液を反応容器に仕
込み、窒素雰囲気下、温度70〜80℃で3時間反応さ
せた。次いでこの反応混合物を40℃まで冷却し、反応
容器内を乾燥空気で置換し、2−ヒドロキシエチルアク
リレート 50.0gを加え、徐々に昇温させ、温度6
0〜70℃で2時間反応させた。次いでジブチルチンジ
ラウレート 0.1gを仕込み、更に4時間反応させ、
ウレタンアクリレートオリゴマー(オリゴマーaとす
る)を得た。次に、オリゴマーa 100重量部、イソ
ボルニルアクリレート 15重量部、N−ビニルカプロ
ラクタム 15重量部、トリシクロデカンジメタノール
ジアクリレート 15重量部を混合し、被覆材Aを調製
した。更に、被覆材Aにベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤TINUVIN320(商品名、チバガイギ社製)
2重量%を添加し、被覆材Bを調製した。この被覆材
Bを、アプリケータを用いてガラス板上に約100μm
の膜厚に塗布し、電圧160kVで電子を加速すること
により得られた電子線を吸収線量50kGyになるよう
照射し、硬化フィルムを得た。この硬化フィルムの特性
を下記方法で測定した。結果を表1に示す。
【0036】(1)硬化度 硬化フィルムの初期重量を測定した後、アセトンに13
時間浸漬し、フィルムを取り出して70℃で3時間乾燥
し、再度重量を測定し、下記式より求めた。硬化度=
(浸漬・乾燥後のフィルム重量/初期のフィルム重量)
×100(%) (2)黄変度 硬化フィルムの一部に紫外線照射装置により30J/c
2の紫外線を照射した後、白色板上に硬化フィルムを
置き、色差計により照射部と未照射部のb*値を測定
し、下記式より求めた。 黄変度=照射部のb*値−未照射部のb*値
【0037】[実施例2〜4]被覆材Aにトリアジン系
紫外線吸収剤TINUVIN400(商品名、チバガイ
ギ社製)をそれぞれ 1,2,4重量%添加し、それぞ
れ被覆材C,D,Eを調製した。これらの被覆材を、ア
プリケータを用いてガラス板上に約100μmの膜厚に
塗布し、電圧160kVで電子を加速することにより得
られた電子線を吸収線量50kGyになるよう照射し、
硬化フィルムを得た。これらの硬化フィルムの特性を上
記方法で測定した。結果を表1に示す。
【0038】[実施例5]2,4−トルエンジイソシア
ネート 48.0g、数平均分子量1,000のポリテ
トラメチレングリコール 60.0gを反応容器に仕込
み、窒素雰囲気下、温度70〜80℃で3時間反応させ
た。次いでこの反応混合物を40℃まで冷却し、反応容
器内を乾燥空気で置換し、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート 50.0gを加え、徐々に昇温させ、温度60
〜70℃で2時間反応させた。次いでジブチルチンジラ
ウレート 0.1gを仕込み、更に4時間反応させ、ウ
レタンアクリレートオリゴマー(オリゴマーbとする)
を得た。次に、このオリゴマーb 100重量部、イソ
ボルニルアクリレート 30重量部、N−ビニルカプロ
ラクタム 15重量部を混合し、組成物を調製した。更
に、この組成物にトリアジン系紫外線吸収剤TINUV
IN400(商品名、チバガイギ社製) 3重量%を添
加し、被覆材Fを調製した。この被覆材Fを、アプリケ
ータを用いてガラス板上に約100μmの膜厚に塗布
し、電圧160kVで電子を加速することにより得られ
た電子線を吸収線量50kGyになるよう照射し、硬化
フィルムを得た。この硬化フィルムの特性を上記方法で
測定した。結果を表1に示す。
【0039】[比較例1]被覆材Aに紫外線吸収剤を添
加せずに、アプリケータを用いてガラス板上に約100
μmの膜厚に塗布し、電圧160kVで電子を加速する
ことにより得られた電子線を吸収線量50kGyになる
よう照射し、硬化フィルムを得た。この硬化フィルムの
特性を上記方法で測定した。結果を表1に示す。
【0040】[比較例2〜4]被覆材Aに光重合開始剤
IRGACURE184(商品名、チバガイギ社製)3
重量%を添加して紫外線硬化型の被覆材Gを調製した。
更に被覆材Gにベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤TI
NUVIN320(商品名、チバガイギ社製)及びトリ
アジン系紫外線吸収剤TINUVIN400(商品名、
チバガイギ社製) 2重量%を混合し、それぞれ被覆材
H及びIを調製した。これらの被覆材を、アプリケータ
を用いてガラス板上に約100μmの膜厚に塗布し、メ
タルハライドランプからの紫外線を照射線量25mJ/
cm2で照射し、硬化フィルムを得た。これらの硬化フ
ィルムの特性を上記方法で測定した。結果を表1に示
す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、光ファイバ用被覆材と
して十分高い屈折率を有し、安価に製造することがで
き、経時的に黄変を生じない優れた電子線硬化型光ファ
イバ用被覆材が得られる。また、本発明の硬化方法に
は、光ファイバの伝送損失に悪影響を及ぼさず、十分な
硬化度が得られ、かつ安定した特性を得ることができる
という優れた効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/00 C03C 25/02 B Fターム(参考) 4D075 BB42Z BB47Z BB92Z BB94Z CA03 CA43 CA47 CB01 DA01 DB13 DB31 DC24 EA07 EA21 EB20 EB22 EB24 EB33 EB38 EB56 EC30 EC47 EC54 4G060 AC16 AD22 AD44 CB22 CB35 4J038 FA281 GA01 JB35 JB36 KA02 LA01 NA03 NA11 NA18 PA17 PB08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線吸収剤を含有した電子線硬化型樹
    脂組成物からなることを特徴とする電子線硬化型光ファ
    イバ用被覆材。
  2. 【請求項2】 前記電子線硬化型樹脂組成物が一分子中
    に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有するポリウ
    レタンを含有するものであることを特徴とする請求項1
    記載の電子線硬化型光ファイバ用被覆材。
  3. 【請求項3】 前記紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール
    系又はトリアジン系の紫外線吸収剤であることを特徴と
    する請求項1又は2記載の電子線硬化型光ファイバ用被
    覆材。
  4. 【請求項4】 前記紫外線吸収剤の含有量が0.1重量
    %以上10重量%以下であることを特徴とする請求項
    1,2又は3記載の電子線硬化型光ファイバ用被覆材。
  5. 【請求項5】 前記ポリウレタン100重量部、反応性
    希釈剤5〜200重量部、紫外線吸収剤0.2〜20重
    量部を配合することを特徴とする請求項2又は3記載の
    電子線硬化型光ファイバ用被覆材。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項記載の被
    覆材を光ファイバに膜厚20〜200μmになるよう塗
    工し、電圧50〜190kVで電子を加速することによ
    り得られる電子線を吸収線量が10〜100kGyにな
    るように照射することを特徴とする電子線硬化型光ファ
    イバ用被覆材の硬化方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3109036A4 (en) * 2014-02-21 2017-10-25 Nicca Chemical Co., Ltd. Method for producing fiber-reinforced resin composite material

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