JP2001269840A - 工作機械の熱変位推定方法 - Google Patents

工作機械の熱変位推定方法

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JP2001269840A
JP2001269840A JP2000086462A JP2000086462A JP2001269840A JP 2001269840 A JP2001269840 A JP 2001269840A JP 2000086462 A JP2000086462 A JP 2000086462A JP 2000086462 A JP2000086462 A JP 2000086462A JP 2001269840 A JP2001269840 A JP 2001269840A
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thermal displacement
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Harumitsu Senda
治光 千田
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Okuma Corp
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Okuma Corp
Okuma Machinery Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源投入時及び未投入時のあらゆる環境温度
変化に対処して、工作機械の熱変位量を正確に推定す
る。 【解決手段】 環境温度変化に伴う旋盤の熱変位を推定
するにあたり、旋盤の機体に、旋盤の熱変形時定数より
も小さい温度時定数を有する第1基準ブロック6と、旋
盤の熱変形時定数よりも大き温度時定数を有する第2基
準ブロック8とを設ける。各基準ブロック6,8の温度
を温度センサ7,9で測定し、温度測定装置10にて数
値化する。各温度測定値の差に係数を乗じた値に第2基
準ブロック8の温度測定値を加算して推定用暫定値を求
め、この暫定値に係数を乗じて熱変位量を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械の熱変位
推定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工作機械は、構造的特性上機械各部に存
在する熱源(例えば主軸の転がり軸受)や室温等の環境
温度の変化によって機体の熱変形を引き起こす。この熱
変形は加工精度に大きく影響することから、その防止対
策として、従来、発熱部を冷却する方法、機体内部に外
気を通過させて温度分布を均一にする方法、主要構造部
に温度制御された油を循環させて温度を均一にする方
法、機体温度情報や室温情報から熱変位量を推定して補
正する方法などが知られている。
【0003】特に、温度情報から熱変位量を推定して補
正する方法は簡易であり効果も高いとされている。例え
ば、機械稼働に伴う熱変位補正に関し、本出願人は特願
平9−22786号で回転数変化後の過渡状態から定常
状態に至るまで主軸の熱変位量を正確に求めることがで
きる方法を提案した。
【0004】一方、環境温度変化に伴う熱変位補正に関
しては、機械に電源が投入されていない状態でも熱変形
が発生することから、電源投入時の補正用初期値(基準
温度)を正確に求める必要がある。そこで、特公平7−
47257号公報では、電源再投入までの時間を監視
し、予め設定された時間より長ければ今回投入時の温度
を含む過去数回の温度の平均値を基準温度とし、そうで
なければ前回の基準温度を用いて環境温度変化に伴う熱
変位を推定する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、室温等の環
境温度は扉の開閉に代表される不特定な行為によっても
大きく変化し、電源が投入されていない状態でこうした
事態が発生すると、従来方法によっては熱変位量を正確
に推定することが困難であった。また、電池を利用する
ことにより、電源未投入時でも温度を継続的に監視し
て、熱変位量を推定する方法も考えられるが、電池は稼
働時間が制限されるなどの問題がある。
【0006】また、特願平2−121808号では、熱
容量の大きな容積体と小さな容積体との温度差を用い
て、工作機械の環境温度変化に対する補正量を算出する
方法が提案されているが、温度差のみを考慮しているた
め、環境温度が図4に示すように変化した場合に、補正
量を正確に求めることができなくなり、用途が電源投入
時つまり機械稼働時の熱変位補正に制限されるという問
題点があった。
【0007】そこで、本発明の目的は、電源投入時及び
未投入時のあらゆる環境温度変化に対処して、工作機械
の熱変位量を正確に推定することができる方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の熱変位推定方法は、環境温度変化に伴う
工作機械の熱変位を推定する方法であって、工作機械の
設置環境下に、工作機械の熱変形時定数よりも小さい温
度時定数を有する第1基準ブロックと、前記熱変形時定
数よりも大き温度時定数を有する第2基準ブロックとを
用意し、第1基準ブロック及び第2基準ブロックの温度
を測定し、各基準ブロックの温度測定値の差に係数を乗
じた値に第2基準ブロックの温度測定値を加算して推定
用暫定値を求め、推定用暫定値に係数を乗じて熱変位量
を推定することを特徴とする。
【0009】ここで、推定精度を高めるためには、電源
投入直後の推定用暫定値を、各基準ブロックの温度測定
値の差に係数を乗じた値に第2基準ブロックの温度測定
値を加算して求め、それ以降の推定用暫定値を、前回の
推定用暫定値を用いて一次遅れ系の演算式によって求め
るのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を旋盤に具体化した
一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すよう
に、このNC旋盤は、周知のように、ワークを回転させ
る主軸1、バイト3を保持する刃物台2、刃物台2をX
軸方向へ移動可能に支持するサドル5、及び、サドル5
をZ軸方向へ案内するレール4等から構成されている。
【0011】旋盤の機体には、室温等の環境温度変化に
伴う旋盤の熱変形時定数よりも小さい温度時定数を有す
る第1基準ブロック6と、第1基準ブロック6の温度を
検出する第1温度センサ7と、旋盤の熱変形時定数より
も大きい温度時定数を有する第2基準ブロック8と、第
2基準ブロック8の温度を検出する第2温度センサ9と
が設けられている。
【0012】そして、旋盤の熱変位補正システムは、第
1温度センサ7及び第2温度センサ9の出力をアナログ
信号からデジタル信号に変換して数値化する温度測定装
置10と、補正パラメータ等を記憶する記憶装置12
と、温度測定値及び補正パラメータを用いて熱変位量を
推定演算する熱変位推定演算器11と、その演算結果に
従い旋盤の各部を制御して熱変位補正を実行するNC装
置13とから構成されている。
【0013】上記構成の旋盤において、次に、熱変位推
定方法の第1実施例を説明する。図2は旋盤の環境温度
が図4に示すように変化する場合の熱変位補正プログラ
ムを示すフローチャートである。旋盤に電源が投入され
ると、まず、第1温度センサ7が第1基準ブロック6の
温度を測定し、第2温度センサ9が第2基準ブロック8
の温度を測定し、温度測定装置10が各センサ7,9の
出力を数値化する(図5参照)。
【0014】続いて、熱変位推定演算器11が基準ブロ
ック6,8の温度測定値と記憶装置12に予め記憶され
た補正パラメータとを用い式1により推定用暫定値を演
算する。なお、この推定用暫定値は環境温度変化に伴う
旋盤の熱変形特性と同様の特性を示す。 推定用暫定値=(第1温度センサ温度−第2温度センサ温度) ×α+第2温度センサ温度・・・・・・・・・・・・式1 α:係数
【0015】その後、熱変位推定演算器11は式2によ
り熱変位量を推定し、NC装置13がその推定値に従っ
て周知の方法で旋盤各部の位置補正を行う。 熱変位量=β×推定用暫定値・・・・・・・・・・・・・・・・・・式2 β;係数
【0016】図6は式2で求めた熱変位量の推定値を実
際値と比較して示すものである。ここから明らかなよう
に、この実施例の方法によれば、全補正時間域にわたり
熱変位量の推定値を実際値によく一致させることができ
る。
【0017】次に、熱変位推定方法の第2実施例を図3
のフローチャートに従って説明する。旋盤に電源が投入
されると、第1実施例と同様に、まず、各温度センサ
7,9が第1及び第2基準ブロック6,8の温度を測定
し、温度測定装置10が各センサ7,9の出力を数値化
する。続いて、熱変位推定演算器11が式1により推定
用暫定値の初期値を演算したのち、式2により初回目の
熱変位量を推定し、NC装置13がその推定値に従って
位置補正を行う。
【0018】そして2回目以降は、熱変位推定演算器1
1が前回の推定用暫定値を用いて一次遅れ系の式3によ
り推定用暫定値を演算し、式2によって熱変位量を推定
する。なお、式3による演算には一次遅れ特性を有する
デジタルフイルタを用いることができる。 推定用暫定値n=推定用暫定値n-1+ (第1温度センサ温度−推定用暫定値n-1)×γ・・・式3 ここで、γは係数、添字nはn回目の処理を示す。
【0019】この実施例の方法によれば、電源投入直後
における推定用暫定値の初期値を式1によって正確に算
出できるとともに、2回目以降の推定用暫定値も前回の
推定用暫定値に現在の環境温度変化に応じた変数を加算
して正確に求めることができ、もって全補正時間域にわ
たって熱変位量を高い精度で推定できる利点がある。
【0020】図8は環境温度が図7に示すように変化し
た場合に、旋盤で外径切削をしたときのワークの直径寸
法誤差を示すものである。初回目の寸法を基準としたと
き、補正を適用しない場合に、直径寸法誤差が最大7μ
mを示していたのに対し、第2実施例の補正を適用した
場合には、直径寸法誤差を2μm程度まで抑制すること
ができた。
【0021】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の熱変位推
定方法によれば、電源投入時及び未投入時のあらゆる環
境温度変化に対処して、工作機械の熱変位量を正確に推
定することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による熱変位推定方法の実施装置を示す
概略図である。
【図2】本発明による熱変位推定方法の第1実施例を示
すフローチャートである。
【図3】本発明による熱変位推定方法の第2実施例を示
すフローチャートである。
【図4】環境温度の経時変化を示す特性図である。
【図5】図4の環境下における計測温度の経時変化を示
す特性図である。
【図6】本発明の効果を確認する熱変位量の特性図であ
る。
【図7】環境温度の別の経時変化を示す特性図である。
【図8】図7の環境下において本発明の効果を確認する
直径寸法誤差の特性図である。
【符号の説明】
1・・主軸、2・・刃物台、3・・バイト、4・・X軸
案内面、5・・サドル、6・・第1基準ブロック、7・
・第1温度センサ、8・・第2基準ブロック、9・・第
2温度センサ、10・・温度測定装置、11・・熱変位
推定演算器、12・・記憶装置、13・・NC装置。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環境温度変化に伴う工作機械の熱変位を
    推定する方法であって、工作機械の設置環境下に、工作
    機械の熱変形時定数よりも小さい温度時定数を有する第
    1基準ブロックと、前記熱変形時定数よりも大き温度時
    定数を有する第2基準ブロックとを用意し、第1基準ブ
    ロック及び第2基準ブロックの温度を測定し、各基準ブ
    ロックの温度測定値の差に係数を乗じた値に第2基準ブ
    ロックの温度測定値を加算して推定用暫定値を求め、推
    定用暫定値に係数を乗じて熱変位量を推定することを特
    徴とする工作機械の熱変位推定方法。
  2. 【請求項2】 電源投入直後の推定用暫定値を、各基準
    ブロックの温度測定値の差に係数を乗じた値に第2基準
    ブロックの温度測定値を加算して求め、それ以降の推定
    用暫定値を、前回の推定用暫定値を用いて一次遅れ系の
    演算式により求めることを特徴とする請求項1記載の工
    作機械の熱変位推定方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010029973A (ja) * 2008-07-28 2010-02-12 Jtekt Corp 研削盤および研削方法
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