JP2004195594A - 工作機械の加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱変位の変化量を推定し、加工開始時間を求めることで、加工精度を一定に確保する。
【解決手段】所要の主軸回転速度毎の飽和時熱変位量と熱変位時定数とを予め記憶する。主軸回転速度を変化させる指令後、回転速度の変化を検出した時に、回転速度変化前の飽和時熱変位量を算出し、カウンタをスタートする。指令された回転速度での回転速度変化後の飽和時熱変位量と熱変位時定数とを算出する。予め設定した加工寸法の許容値と回転速度指令時の熱変位の変化量(AS−EST0)とを比較し、許容値より(AS−EST0)の値が小さければそのまま加工し、大きければ、許容値以内に収束する収束時間を求め、収束時間内は加工停止指令で加工の待機をする。
【選択図】図7
【解決手段】所要の主軸回転速度毎の飽和時熱変位量と熱変位時定数とを予め記憶する。主軸回転速度を変化させる指令後、回転速度の変化を検出した時に、回転速度変化前の飽和時熱変位量を算出し、カウンタをスタートする。指令された回転速度での回転速度変化後の飽和時熱変位量と熱変位時定数とを算出する。予め設定した加工寸法の許容値と回転速度指令時の熱変位の変化量(AS−EST0)とを比較し、許容値より(AS−EST0)の値が小さければそのまま加工し、大きければ、許容値以内に収束する収束時間を求め、収束時間内は加工停止指令で加工の待機をする。
【選択図】図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱変位の変化量の推定に基づき加工を行う工作機械の加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に工作機械は、機械の特性上各部に熱源(例えば主軸の転がり軸受け)を持っており、この熱源によって発生した熱が機械各部に伝わることで機体の熱変形を引き起こす。この機体の熱変形は、加工精度に大きく影響することから、その防止策として、従来、発熱部を冷却する方法、或いは、機体温度情報から熱変形量を推定し補正する方法が広く採用されている。
【0003】
また、高精度な加工精度を必要とする場合には、オペレータは一般に主軸回転速度を変化させたあとに、十分な慣らし運転を行ってから加工をすることで熱変位による加工精度誤差の防止を行っている。また、回転速度変化後の過渡状態から定常状態に至るまで、回転速度と時間又は推定回数に応じて演算式の係数を変化させながら主軸の熱変位を推定することで、あらゆる運転状況において熱変位を正確に補正できるようにした方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−225781号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来方法は、熱変位が安定するまでの時間を経験上得るには、習得に多くの時間を要する。また、熱変位を補正する場合においても、熱変位変化量が大きな場合には、その推定誤差を免れることはできない。また、熱変位の原因となっている部分の例えば主軸の温度を計測しておき、その計測値から安定性を見極める方法も考えられるが、この方法では、主軸が温度上昇をした場合と温度降下した場合とでは、熱変位時定数の違いから定常状態になる時間が異なり、温度からの見極めには経験が必要となるばかりか、運転状況が異なると、同様の判断経験を活かすのが難しい。
【0006】
このように、従来は、熱変位の変化を、経験や勘等に基づいて求めることが多く、熱変位の変化が安定したと見極めて加工を開始する時間にバラツキが生じていた。このため、加工精度を一定に確保することが困難になっていた。
【0007】
そこで、本発明の課題は、熱変位の変化量を推定し、加工を開始する時間を求めることで、加工精度を一定に確保できる工作機械の加工方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明による工作機械の加工方法は、所要の主軸回転速度毎の飽和時熱変位量と熱変位時定数とを記憶し、記憶した前記飽和時熱変位量と前記熱変位時定数とを用いて主軸の熱変位の変化量を推定する機能を有する工作機械において、主軸回転速度を変化させる指令が出た後に、記憶された前記飽和時熱変位量と前記熱変位時定数とにより回転速度変化前の熱変位量と回転速度変化後の熱変位量とを予測し、2つの前記予測値の差から熱変位の変化量を推定し、前記変化量が予め設定した許容値以内の場合は、加工を行い、前記変化量が前記許容値より大きい場合は、前記変化量が前記許容値以内に収束する時間を算出し、該収束時間内は加工を待機することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明による工作機械の加工方法は、熱変位時定数として、回転速度変化前の飽和時熱変位量に対して回転速度変化後の飽和時熱変位量が増加する場合の増加時時定数と、同前飽和時熱変位量に対して同後飽和時熱変位量が減少する場合の減少時時定数とを予め記憶し、主軸回転速度を変化させる指令が出た時に、熱変位変化量が零或いは正の値の場合は、前記増加時時定数を用い、前記熱変位変化量が負の値の場合は、前記減少時時定数を用いて、熱変位の変化量を推定することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明による工作機械の加工方法は、主軸の熱変位を補正する工作機械において、熱変位変化の過渡状態における熱変位補正量の推定誤差を求めるための演算式を用いて補正誤差量を算出し、前記演算式に基づいて前記補正誤差量が予め設定した許容値以内に収束する時間を算出することを特徴とする。
【0011】
以下に、本発明による熱変位推定方法の原理を説明する。
工作機械の主軸熱変位変化は、主軸回転速度が変化した後に発生する。この時、熱変位変化が継続的に変化する過渡状態と熱変位変化がなくなり安定化した定常状態に分けることができる。また、一般には回転速度が速くなるにつれて、熱変位量が大きくなる。また、その熱変位時定数は、主軸の構成、並びに主軸外筒冷却がなされる場合には、その冷却能力によりほぼ一意的に決定されるが、主軸回転速度が上がり発熱量が増す場合と、回転速度が下がり発熱量が減る場合で熱変位時定数が異なることが多く、主軸回転速度によって変化する。
【0012】
回転速度に起因した主軸の飽和時熱変位量と熱変位時定数算出方法について説明する。
まず、回転速度を上げる場合について説明する。基準となる主軸回転速度として、例えば停止時の状態で主軸が十分に熱変位が安定している状態から最高回転速度に主軸を回転させ、主軸とテーブル間の熱変位変化と時間を記録する。この時、熱変位変化を連続的に記録するため、非接触式の変位計を用いるのが良い。測定例として、12000min-1で主軸を回転させた場合の結果を図1に示す。
【0013】
この計測結果をもとに、最小二乗法などを用いて、式1のカーブフィットを行う。
【式1】
δ:主軸熱変位変化 t:回転速度変化後からの時間
A:主軸熱変位変化幅 T:熱変位時定数
【式2】
この手法により回転速度をあげた時の飽和時熱変位量、時定数を1000〜2000min-1刻みで計測し、求める。図1の結果では、式2を得る。
【0014】
次に、回転速度を下げる場合について説明する。回転速度を上げた場合と同様に、基準となる主軸回転速度たとえば最高回転速度の状態で主軸が十分に熱変位が安定している状態から主軸を停止させ、主軸とテーブル間の熱変位変化と時間を記録する。その後、飽和時熱変位量と熱変位時定数を、回転速度を上げた場合と同様にして求める。この結果を表1に示す。また、実施の場合には、メモリ上に記憶しておく。
【0015】
【表1】
【0016】
次に、この結果を基にした熱変位推定方法について説明する。まず、指令された主軸回転速度から、回転速度変化後の飽和時熱変位量と熱変位時定数を表1から求める。ここで、指令された回転速度がメモリ上にない場合には、メモリ上にある指令回転速度より高い回転速度の値と低い回転速度の値を用いて、式3から算出する。
【式3】
AS:指令回転速度の飽和時熱変位量(回転速度変化後の飽和時熱変位量)
AU:指令回転速度より大きくメモリ上にある飽和時熱変位量
AD:指令回転速度より小さくメモリ上にある飽和時熱変位量
NS:指令回転速度
NU:AUを求めた回転速度
ND:ADを求めた回転速度
【0017】
また、熱変位時定数についてもメモリ上にない場合には、前記同様に求める。ただし、熱変位時定数は、熱変位量が増大する場合と減少する場合で熱変位時定数が異なるので、回転速度変化前の飽和時熱変位量と回転速度変化後の飽和時熱変位量から回転速度変化時の熱変位変化量を式4により求めて選択する。
【式4】
ΔD=AS−EST0
ΔD≧0 : 上昇時の時定数(増加時時定数)を使用
ΔD<0 : 降下時の時定数(減少時時定数)を使用
EST0:回転速度変化時の推定演算熱変位量
ΔD:回転速度変化時の熱変位変化量
なお、ΔD>0の場合に上昇時の時定数を、ΔD≦0の場合に降下時の時定数を用いるようにしても良い。
【0018】
熱変位の推定演算方法について、説明する。
熱変位は、継続的に変化するので熱変位変化の推定は、式5により演算する。このとき、回転速度変化時を基点とした時間とする。
【式5】
ESTT=EST0+(AS−EST0)・(1−exp(-t/TS))
ESTT:推定演算熱変位量
EST0:回転速度変化時の推定演算熱変位量(回転速度変化時のESTT)
t:回転速度変化後からの時間
AS:指令回転速度の飽和時熱変位量(回転速度変化後の飽和時熱変位量)
TS:熱変位時定数(回転速度変化後の熱変位時定数)
ここで、式5から回転速度変化後の熱変位の変化量EST0を推定し、その変化時間(1−exp(-t/TS))を見積もることができる。必要とする加工精度が可能かの判定は、これらの式を用いて行う。
【0019】
まず、熱変位補正機能を具備していない場合について説明する。
予め設定した加工寸法の許容値と回転速度変化時の熱変位の変化量(AS−EST0)を比較し、許容値より(AS−EST0)の値以内の場合は、そのまま加工する。大きい場合は、式6から許容値以内に収束する時間taを算出し、この収束時間taだけ加工を待機する。
【式6】
許容値≧|(AS−EST0)・exp(-t/TS)|
t:回転速度変化後からの時間
ta:左辺と右辺が等しくなる時の時間t
これにより、加工を開始した後の熱変位変化は、許容値以内に収まり、加工精度の確保が可能になる。
【0020】
次に、熱変位補正機能を具備している場合について説明する。
この場合には、熱変位補正量の推定誤差が、予め設定された誤差以内になる状態を判断する。熱変位補正システムとして、一般的な機械の温度計測値を用いる方法では、主軸温度と機体基準温度との差と熱変位量の関係式を用いる。これは、飽和状態で温度上昇と熱変位量の関係が線形特性を有し、比較的容易に補償が可能であるためである。
【0021】
例として、図2の運転条件での主軸温度上昇と、主軸とテーブル間の熱変位変化の計測結果を図3に示す。また、この結果に式7によって温度上昇値から熱変位量を推定演算したときの推定誤差を図4に示す。
【式7】
熱変位推定誤差=温度上昇値*7.3
【0022】
この結果から、過渡状態において熱変位変化の推定誤差が発生し、その誤差は回転速度変化後の熱変位変化量と熱変位変化時定数、及び計測された温度の時定数の関数で表すことができると分かる。そこで、誤差の評価関数を式8で表す。
【式8】
誤差値=F((AS−EST0),TS,TT,t)
EST0:回転速度変化時の推定演算熱変位量(回転速度変化時のESTT)
t:回転速度変化後からの時間
AS:指令回転速度の飽和時熱変位量(回転速度変化後の飽和時熱変位量)
TS:熱変位時定数(回転速度変化後の熱変位時定数)
TT:温度時定数
また、式8での計算結果例を図5に示す。この図から式8は、極大値をもつ関数であることが分かる。
【0023】
そこで、式9を満足する時間taは、極大値を越えての時間を求めることになる。
【式9】
許容値≧誤差値
そして、この時間taだけ加工の待機をする。これにより、変位変化が許容値以内に収まり、加工精度の確保が可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をマシニングセンタに具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。図6は立形マシニングセンタにおける熱変位補正システムを示すものであるが、横形マシニングセンタの場合も同様のシステムを採用できる。なお、熱変位補正システムを装備しない場合は、熱変位補正に関する構成を削除する。
【0025】
立形マシニングセンタは、周知のように、主軸ヘッド1、コラム2、主軸3、ベッド4、移動テーブル5等から構成されている。主軸3にはその発熱温度を測定する第1温度センサ6が取り付けられ、ベッド4には基準温度を測定する第2温度センサ7が取り付けられている。温度測定装置8は各温度センサ6,7からのアナログ信号をデジタル信号に変換して数値化する。熱変位推定演算判定器9は数値化された温度データと記憶装置10に予め記憶された補正パラメータ(飽和時熱変位量と熱変位時定数)とを用いて、主軸の熱変位の変化量を推定し、熱変位の補正量を算出する。また、記憶装置10には、本主軸の所要の主軸回転速度と各回転速度毎の飽和時熱変位量および熱変位時定数が記憶されており、該記憶情報と主軸の運転状況を基に、熱変位推定演算判定器9にて、今後の熱変位の変化量を推定し、回転速度変化情報をもとに加工継続かを判定し、NC装置11は、その情報に従って加工を行う。
【0026】
図7は熱変位推定方法の一実施形態を示すフローチャートである。
主軸回転速度の変化を検出する(S−1)と、回転速度変化直前の熱変位量を式5により算出する(S−2)。この時のEST0は、先回の回転速度変化時の推定演算熱変位量を用い、tは回転速度変化前の回転速度での運転時間を用いる。この計算結果をEST0として更新記録する。次に、主軸の回転速度を変化させる指令により回転速度変化があってからの時間を計測するために、時間カウンタtを開始する(S−3)。この時間tは、熱変位の変化量を演算するのに用いる。式3を使い、指令された回転速度での飽和時熱変位量の算出(S−4)と熱変位時定数を算出する。
【0027】
さらに、熱変位時定数は、熱変位量が増大する場合と減少する場合で時定数が異なるので、予測している回転速度変化前の推定演算熱変位量と回転速度変化後の飽和時熱変位量から式4により選択して求める(S−5,6)。次に、加工を待機する時間、すなわち収束時間を算出をする(S−7)。この場合、熱変位補正機能を具備している場合と、していない場合で算出方法が異なる。熱変位補正機能を具備していない場合には、予め設定した加工寸法の許容値と回転速度変化時の熱変位の変化量(AS−EST0)を比較し、許容値より(AS−EST0)の値が小さければそのまま加工し、大きければ式6から許容値を満たす収束時間taを求める。許容値より計算結果が大きい場合には、加工停止指令とともに、必要があれば、収束時間ta等を含めた待機状態を示すメッセージ等を表示装置(図示せず)により行う(S−8)。メッセージ等の表示を行うことにより、加工作業の進行状態を容易に把握できる。そして、この収束時間taだけ加工の待機をする(S−9)。
【0028】
熱変位補正機能を具備している場合には、熱変位補正量の推定誤差が、予め設定された許容値以内になる時間を算出する。主軸熱変位の補正システムとして一般的に温度を用いる方法では、主軸熱変位変化の過渡状態において補正誤差を生じることが多く、また回転速度変化時から飽和までの熱変位変化量、熱変位時定数、計測している温度の時定数と密接な関係がある。そこで、補正誤差の時間変化関数を式8で求める。
【0029】
例として、図5の誤差曲線を有する場合で、許容値が5μm、即ち誤差量が5μmである時間tを算出する。(AS−EST0)=20μm,TS=12min,TT=3minの場合、tb=1.31minとta=16.43minを得る。ここでtbである1.31minは、この時間後に誤差が拡大するため、taの16.43minを加工を待機する収束時間として算出する。収束時間中は、加工停止指令とともに、必要があれば待機時間を含めたメッセージの表示を行う(S−8,9)。
【0030】
待機方法としては、回転速度変化後の時間で式6,8を用いて誤差量を継続的に計算し、その結果が予め設定した許容値に達するまでとしてもよい。本説明は、マシニングセンタにおいて説明を行ったが、同様に回転工具により加工を行うターニングセンタについても適用できる。また、主軸の熱変位により加工寸法が変化する旋盤においても同様の手法にて、適用可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、熱変位の変化が安定したと見極めるまでの時間を推定でき、加工開始時間のバラツキを無くし、加工精度を一定に確保することができる。さらに収束時間が経過するまでの待ち時間を最小化し、加工作業の効率化をおこなうことができる。
【0032】
また、請求項2の発明によれば、熱変位時定数として、熱変位が増加する場合の増加時時定数と減少する場合の減少時時定数とを選択して用いて、熱変位の変化量の推定精度を向上できる。
【0033】
また、請求項3の発明によれば、熱変位補償機能を有する場合においても、熱変位推定誤差の生じやすい主軸回転速度変化後の過渡状態での推定補償誤差量を推定することで、加工精度を効率的に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】主軸の変位変化の経時変化を示す特性図である。
【図2】主軸の回転速度の経時変化を示す特性図である。
【図3】主軸の変位変化と温度上昇の経時変化を示す特性図である。
【図4】温度上昇値により熱変位を推定した誤差の経時変化を示す特性図である。
【図5】評価関数の経時変化を示す特性図である。
【図6】本発明の方法が実施される立形マシニングセンタの概略図である。
【図7】本発明に係る工作機械の加工方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・主軸ヘッド、2・・コラム、3・・主軸、4・・ベッド、5・・移動テーブル、6・・第1温度センサ、7・・第2温度センサ、8・・温度測定装置、9・・熱変位推定演算判定器、10・・記憶装置、11・・NC装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱変位の変化量の推定に基づき加工を行う工作機械の加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に工作機械は、機械の特性上各部に熱源(例えば主軸の転がり軸受け)を持っており、この熱源によって発生した熱が機械各部に伝わることで機体の熱変形を引き起こす。この機体の熱変形は、加工精度に大きく影響することから、その防止策として、従来、発熱部を冷却する方法、或いは、機体温度情報から熱変形量を推定し補正する方法が広く採用されている。
【0003】
また、高精度な加工精度を必要とする場合には、オペレータは一般に主軸回転速度を変化させたあとに、十分な慣らし運転を行ってから加工をすることで熱変位による加工精度誤差の防止を行っている。また、回転速度変化後の過渡状態から定常状態に至るまで、回転速度と時間又は推定回数に応じて演算式の係数を変化させながら主軸の熱変位を推定することで、あらゆる運転状況において熱変位を正確に補正できるようにした方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−225781号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来方法は、熱変位が安定するまでの時間を経験上得るには、習得に多くの時間を要する。また、熱変位を補正する場合においても、熱変位変化量が大きな場合には、その推定誤差を免れることはできない。また、熱変位の原因となっている部分の例えば主軸の温度を計測しておき、その計測値から安定性を見極める方法も考えられるが、この方法では、主軸が温度上昇をした場合と温度降下した場合とでは、熱変位時定数の違いから定常状態になる時間が異なり、温度からの見極めには経験が必要となるばかりか、運転状況が異なると、同様の判断経験を活かすのが難しい。
【0006】
このように、従来は、熱変位の変化を、経験や勘等に基づいて求めることが多く、熱変位の変化が安定したと見極めて加工を開始する時間にバラツキが生じていた。このため、加工精度を一定に確保することが困難になっていた。
【0007】
そこで、本発明の課題は、熱変位の変化量を推定し、加工を開始する時間を求めることで、加工精度を一定に確保できる工作機械の加工方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明による工作機械の加工方法は、所要の主軸回転速度毎の飽和時熱変位量と熱変位時定数とを記憶し、記憶した前記飽和時熱変位量と前記熱変位時定数とを用いて主軸の熱変位の変化量を推定する機能を有する工作機械において、主軸回転速度を変化させる指令が出た後に、記憶された前記飽和時熱変位量と前記熱変位時定数とにより回転速度変化前の熱変位量と回転速度変化後の熱変位量とを予測し、2つの前記予測値の差から熱変位の変化量を推定し、前記変化量が予め設定した許容値以内の場合は、加工を行い、前記変化量が前記許容値より大きい場合は、前記変化量が前記許容値以内に収束する時間を算出し、該収束時間内は加工を待機することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明による工作機械の加工方法は、熱変位時定数として、回転速度変化前の飽和時熱変位量に対して回転速度変化後の飽和時熱変位量が増加する場合の増加時時定数と、同前飽和時熱変位量に対して同後飽和時熱変位量が減少する場合の減少時時定数とを予め記憶し、主軸回転速度を変化させる指令が出た時に、熱変位変化量が零或いは正の値の場合は、前記増加時時定数を用い、前記熱変位変化量が負の値の場合は、前記減少時時定数を用いて、熱変位の変化量を推定することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明による工作機械の加工方法は、主軸の熱変位を補正する工作機械において、熱変位変化の過渡状態における熱変位補正量の推定誤差を求めるための演算式を用いて補正誤差量を算出し、前記演算式に基づいて前記補正誤差量が予め設定した許容値以内に収束する時間を算出することを特徴とする。
【0011】
以下に、本発明による熱変位推定方法の原理を説明する。
工作機械の主軸熱変位変化は、主軸回転速度が変化した後に発生する。この時、熱変位変化が継続的に変化する過渡状態と熱変位変化がなくなり安定化した定常状態に分けることができる。また、一般には回転速度が速くなるにつれて、熱変位量が大きくなる。また、その熱変位時定数は、主軸の構成、並びに主軸外筒冷却がなされる場合には、その冷却能力によりほぼ一意的に決定されるが、主軸回転速度が上がり発熱量が増す場合と、回転速度が下がり発熱量が減る場合で熱変位時定数が異なることが多く、主軸回転速度によって変化する。
【0012】
回転速度に起因した主軸の飽和時熱変位量と熱変位時定数算出方法について説明する。
まず、回転速度を上げる場合について説明する。基準となる主軸回転速度として、例えば停止時の状態で主軸が十分に熱変位が安定している状態から最高回転速度に主軸を回転させ、主軸とテーブル間の熱変位変化と時間を記録する。この時、熱変位変化を連続的に記録するため、非接触式の変位計を用いるのが良い。測定例として、12000min-1で主軸を回転させた場合の結果を図1に示す。
【0013】
この計測結果をもとに、最小二乗法などを用いて、式1のカーブフィットを行う。
【式1】
δ:主軸熱変位変化 t:回転速度変化後からの時間
A:主軸熱変位変化幅 T:熱変位時定数
【式2】
この手法により回転速度をあげた時の飽和時熱変位量、時定数を1000〜2000min-1刻みで計測し、求める。図1の結果では、式2を得る。
【0014】
次に、回転速度を下げる場合について説明する。回転速度を上げた場合と同様に、基準となる主軸回転速度たとえば最高回転速度の状態で主軸が十分に熱変位が安定している状態から主軸を停止させ、主軸とテーブル間の熱変位変化と時間を記録する。その後、飽和時熱変位量と熱変位時定数を、回転速度を上げた場合と同様にして求める。この結果を表1に示す。また、実施の場合には、メモリ上に記憶しておく。
【0015】
【表1】
【0016】
次に、この結果を基にした熱変位推定方法について説明する。まず、指令された主軸回転速度から、回転速度変化後の飽和時熱変位量と熱変位時定数を表1から求める。ここで、指令された回転速度がメモリ上にない場合には、メモリ上にある指令回転速度より高い回転速度の値と低い回転速度の値を用いて、式3から算出する。
【式3】
AS:指令回転速度の飽和時熱変位量(回転速度変化後の飽和時熱変位量)
AU:指令回転速度より大きくメモリ上にある飽和時熱変位量
AD:指令回転速度より小さくメモリ上にある飽和時熱変位量
NS:指令回転速度
NU:AUを求めた回転速度
ND:ADを求めた回転速度
【0017】
また、熱変位時定数についてもメモリ上にない場合には、前記同様に求める。ただし、熱変位時定数は、熱変位量が増大する場合と減少する場合で熱変位時定数が異なるので、回転速度変化前の飽和時熱変位量と回転速度変化後の飽和時熱変位量から回転速度変化時の熱変位変化量を式4により求めて選択する。
【式4】
ΔD=AS−EST0
ΔD≧0 : 上昇時の時定数(増加時時定数)を使用
ΔD<0 : 降下時の時定数(減少時時定数)を使用
EST0:回転速度変化時の推定演算熱変位量
ΔD:回転速度変化時の熱変位変化量
なお、ΔD>0の場合に上昇時の時定数を、ΔD≦0の場合に降下時の時定数を用いるようにしても良い。
【0018】
熱変位の推定演算方法について、説明する。
熱変位は、継続的に変化するので熱変位変化の推定は、式5により演算する。このとき、回転速度変化時を基点とした時間とする。
【式5】
ESTT=EST0+(AS−EST0)・(1−exp(-t/TS))
ESTT:推定演算熱変位量
EST0:回転速度変化時の推定演算熱変位量(回転速度変化時のESTT)
t:回転速度変化後からの時間
AS:指令回転速度の飽和時熱変位量(回転速度変化後の飽和時熱変位量)
TS:熱変位時定数(回転速度変化後の熱変位時定数)
ここで、式5から回転速度変化後の熱変位の変化量EST0を推定し、その変化時間(1−exp(-t/TS))を見積もることができる。必要とする加工精度が可能かの判定は、これらの式を用いて行う。
【0019】
まず、熱変位補正機能を具備していない場合について説明する。
予め設定した加工寸法の許容値と回転速度変化時の熱変位の変化量(AS−EST0)を比較し、許容値より(AS−EST0)の値以内の場合は、そのまま加工する。大きい場合は、式6から許容値以内に収束する時間taを算出し、この収束時間taだけ加工を待機する。
【式6】
許容値≧|(AS−EST0)・exp(-t/TS)|
t:回転速度変化後からの時間
ta:左辺と右辺が等しくなる時の時間t
これにより、加工を開始した後の熱変位変化は、許容値以内に収まり、加工精度の確保が可能になる。
【0020】
次に、熱変位補正機能を具備している場合について説明する。
この場合には、熱変位補正量の推定誤差が、予め設定された誤差以内になる状態を判断する。熱変位補正システムとして、一般的な機械の温度計測値を用いる方法では、主軸温度と機体基準温度との差と熱変位量の関係式を用いる。これは、飽和状態で温度上昇と熱変位量の関係が線形特性を有し、比較的容易に補償が可能であるためである。
【0021】
例として、図2の運転条件での主軸温度上昇と、主軸とテーブル間の熱変位変化の計測結果を図3に示す。また、この結果に式7によって温度上昇値から熱変位量を推定演算したときの推定誤差を図4に示す。
【式7】
熱変位推定誤差=温度上昇値*7.3
【0022】
この結果から、過渡状態において熱変位変化の推定誤差が発生し、その誤差は回転速度変化後の熱変位変化量と熱変位変化時定数、及び計測された温度の時定数の関数で表すことができると分かる。そこで、誤差の評価関数を式8で表す。
【式8】
誤差値=F((AS−EST0),TS,TT,t)
EST0:回転速度変化時の推定演算熱変位量(回転速度変化時のESTT)
t:回転速度変化後からの時間
AS:指令回転速度の飽和時熱変位量(回転速度変化後の飽和時熱変位量)
TS:熱変位時定数(回転速度変化後の熱変位時定数)
TT:温度時定数
また、式8での計算結果例を図5に示す。この図から式8は、極大値をもつ関数であることが分かる。
【0023】
そこで、式9を満足する時間taは、極大値を越えての時間を求めることになる。
【式9】
許容値≧誤差値
そして、この時間taだけ加工の待機をする。これにより、変位変化が許容値以内に収まり、加工精度の確保が可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をマシニングセンタに具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。図6は立形マシニングセンタにおける熱変位補正システムを示すものであるが、横形マシニングセンタの場合も同様のシステムを採用できる。なお、熱変位補正システムを装備しない場合は、熱変位補正に関する構成を削除する。
【0025】
立形マシニングセンタは、周知のように、主軸ヘッド1、コラム2、主軸3、ベッド4、移動テーブル5等から構成されている。主軸3にはその発熱温度を測定する第1温度センサ6が取り付けられ、ベッド4には基準温度を測定する第2温度センサ7が取り付けられている。温度測定装置8は各温度センサ6,7からのアナログ信号をデジタル信号に変換して数値化する。熱変位推定演算判定器9は数値化された温度データと記憶装置10に予め記憶された補正パラメータ(飽和時熱変位量と熱変位時定数)とを用いて、主軸の熱変位の変化量を推定し、熱変位の補正量を算出する。また、記憶装置10には、本主軸の所要の主軸回転速度と各回転速度毎の飽和時熱変位量および熱変位時定数が記憶されており、該記憶情報と主軸の運転状況を基に、熱変位推定演算判定器9にて、今後の熱変位の変化量を推定し、回転速度変化情報をもとに加工継続かを判定し、NC装置11は、その情報に従って加工を行う。
【0026】
図7は熱変位推定方法の一実施形態を示すフローチャートである。
主軸回転速度の変化を検出する(S−1)と、回転速度変化直前の熱変位量を式5により算出する(S−2)。この時のEST0は、先回の回転速度変化時の推定演算熱変位量を用い、tは回転速度変化前の回転速度での運転時間を用いる。この計算結果をEST0として更新記録する。次に、主軸の回転速度を変化させる指令により回転速度変化があってからの時間を計測するために、時間カウンタtを開始する(S−3)。この時間tは、熱変位の変化量を演算するのに用いる。式3を使い、指令された回転速度での飽和時熱変位量の算出(S−4)と熱変位時定数を算出する。
【0027】
さらに、熱変位時定数は、熱変位量が増大する場合と減少する場合で時定数が異なるので、予測している回転速度変化前の推定演算熱変位量と回転速度変化後の飽和時熱変位量から式4により選択して求める(S−5,6)。次に、加工を待機する時間、すなわち収束時間を算出をする(S−7)。この場合、熱変位補正機能を具備している場合と、していない場合で算出方法が異なる。熱変位補正機能を具備していない場合には、予め設定した加工寸法の許容値と回転速度変化時の熱変位の変化量(AS−EST0)を比較し、許容値より(AS−EST0)の値が小さければそのまま加工し、大きければ式6から許容値を満たす収束時間taを求める。許容値より計算結果が大きい場合には、加工停止指令とともに、必要があれば、収束時間ta等を含めた待機状態を示すメッセージ等を表示装置(図示せず)により行う(S−8)。メッセージ等の表示を行うことにより、加工作業の進行状態を容易に把握できる。そして、この収束時間taだけ加工の待機をする(S−9)。
【0028】
熱変位補正機能を具備している場合には、熱変位補正量の推定誤差が、予め設定された許容値以内になる時間を算出する。主軸熱変位の補正システムとして一般的に温度を用いる方法では、主軸熱変位変化の過渡状態において補正誤差を生じることが多く、また回転速度変化時から飽和までの熱変位変化量、熱変位時定数、計測している温度の時定数と密接な関係がある。そこで、補正誤差の時間変化関数を式8で求める。
【0029】
例として、図5の誤差曲線を有する場合で、許容値が5μm、即ち誤差量が5μmである時間tを算出する。(AS−EST0)=20μm,TS=12min,TT=3minの場合、tb=1.31minとta=16.43minを得る。ここでtbである1.31minは、この時間後に誤差が拡大するため、taの16.43minを加工を待機する収束時間として算出する。収束時間中は、加工停止指令とともに、必要があれば待機時間を含めたメッセージの表示を行う(S−8,9)。
【0030】
待機方法としては、回転速度変化後の時間で式6,8を用いて誤差量を継続的に計算し、その結果が予め設定した許容値に達するまでとしてもよい。本説明は、マシニングセンタにおいて説明を行ったが、同様に回転工具により加工を行うターニングセンタについても適用できる。また、主軸の熱変位により加工寸法が変化する旋盤においても同様の手法にて、適用可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、熱変位の変化が安定したと見極めるまでの時間を推定でき、加工開始時間のバラツキを無くし、加工精度を一定に確保することができる。さらに収束時間が経過するまでの待ち時間を最小化し、加工作業の効率化をおこなうことができる。
【0032】
また、請求項2の発明によれば、熱変位時定数として、熱変位が増加する場合の増加時時定数と減少する場合の減少時時定数とを選択して用いて、熱変位の変化量の推定精度を向上できる。
【0033】
また、請求項3の発明によれば、熱変位補償機能を有する場合においても、熱変位推定誤差の生じやすい主軸回転速度変化後の過渡状態での推定補償誤差量を推定することで、加工精度を効率的に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】主軸の変位変化の経時変化を示す特性図である。
【図2】主軸の回転速度の経時変化を示す特性図である。
【図3】主軸の変位変化と温度上昇の経時変化を示す特性図である。
【図4】温度上昇値により熱変位を推定した誤差の経時変化を示す特性図である。
【図5】評価関数の経時変化を示す特性図である。
【図6】本発明の方法が実施される立形マシニングセンタの概略図である。
【図7】本発明に係る工作機械の加工方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・主軸ヘッド、2・・コラム、3・・主軸、4・・ベッド、5・・移動テーブル、6・・第1温度センサ、7・・第2温度センサ、8・・温度測定装置、9・・熱変位推定演算判定器、10・・記憶装置、11・・NC装置。
Claims (3)
- 所要の主軸回転速度毎の飽和時熱変位量と熱変位時定数とを記憶し、記憶した前記飽和時熱変位量と前記熱変位時定数とを用いて主軸の熱変位の変化量を推定する機能を有する工作機械において、
主軸回転速度を変化させる指令が出た後に、
記憶された前記飽和時熱変位量と前記熱変位時定数とにより回転速度変化前の熱変位量と回転速度変化後の熱変位量とを予測し、
2つの前記予測値の差から熱変位の変化量を推定し、
前記変化量が予め設定した許容値以内の場合は、加工を行い、
前記変化量が前記許容値より大きい場合は、前記変化量が前記許容値以内に収束する時間を算出し、該収束時間内は加工を待機する
ことを特徴とする工作機械の加工方法。 - 熱変位時定数として、
回転速度変化前の飽和時熱変位量に対して回転速度変化後の飽和時熱変位量が増加する場合の増加時時定数と、
同前飽和時熱変位量に対して同後飽和時熱変位量が減少する場合の減少時時定数とを予め記憶し、
主軸回転速度を変化させる指令が出た時に、
熱変位変化量が零或いは正の値の場合は、前記増加時時定数を用い、
前記熱変位変化量が負の値の場合は、前記減少時時定数を用いて、熱変位の変化量を推定する
請求項1記載の工作機械の加工方法。 - 主軸の熱変位を補正する工作機械において、
熱変位変化の過渡状態における熱変位補正量の推定誤差を求めるための演算式を用いて補正誤差量を算出し、
前記演算式に基づいて前記補正誤差量が予め設定した許容値以内に収束する時間を算出する
請求項1または請求項2に記載の工作機械の加工方法。
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