JP2001267710A - 電子回路装置および多層プリント配線板 - Google Patents

電子回路装置および多層プリント配線板

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JP2001267710A
JP2001267710A JP2000077844A JP2000077844A JP2001267710A JP 2001267710 A JP2001267710 A JP 2001267710A JP 2000077844 A JP2000077844 A JP 2000077844A JP 2000077844 A JP2000077844 A JP 2000077844A JP 2001267710 A JP2001267710 A JP 2001267710A
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substrate
layer
circuit device
electronic circuit
wiring board
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JP2000077844A
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Masuo Kato
益雄 加藤
Toshihiro Murayama
敏宏 村山
Yasushi Tateno
泰史 立野
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子部品を内蔵して高密度実装し、実装部品間
の電気的影響を遮断することができ、簡略な工程で形成
される多層プリント配線板およびそれを含む電子回路装
置を提供する。 【解決手段】第1の絶縁性基板1c上に順に積層された
第1の配線層2、第2の絶縁性基板1b、第2の配線層
2および第3の絶縁性基板1aと、第2の基板1bの一
部に形成された空孔6と、空孔6に面した第1の基板1
c表面に形成された内蔵電子部品3c、4と、少なくと
も空孔6に面した第3の絶縁性基板1a表面および第2
の基板1bの側面に形成された金属層7とを有する多層
プリント配線板、およびそれを含む電子回路装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品が内蔵さ
れ、電子部品の高密度実装が可能である多層プリント配
線板およびそれを含む電子回路装置に関し、特に、内蔵
部品と表面実装部品あるいは外部との電気的影響が遮断
された多層プリント配線板およびそれを含む電子回路装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】多層プリント配線板は導電体層と絶縁基
板とが順次積層された構造を有し、導電体層からなる配
線の収容量が大きいという特徴をもつ。多層プリント配
線板の表面には例えば半導体チップ等の電子部品が搭載
される。また、多層プリント配線板の内部に、導電体層
あるいは絶縁基板の一部が除去された空孔を設け、その
空孔に半導体チップ等の電子部品を内蔵した多層プリン
ト配線板もある。多層プリント配線板の表面だけでな
く、内部にも電子部品を実装することにより、多層プリ
ント配線板の実装密度を格段に向上させることができ
る。
【0003】図4に、従来のプリント配線板に電子部品
が実装された電子回路装置の断面図を示す。図4に示す
電子回路装置の場合、絶縁性の上層基板1aの片面に配
線となる導電体層2が形成されており、上層基板1aに
は導電体層2と接続するように電子部品3aが実装され
ている。下層基板1cの両面にも導電体層2が形成され
ており、下層基板1cの両面には導電体層2と接続する
ように電子部品3cあるいは半導体チップ4が実装され
ている。
【0004】従来のプリント配線板に電子部品を実装す
る場合、積層される絶縁基板のうちの少なくとも1つ
に、金属ケースを用いてシールドが行われていた。例え
ば、図4に示す電子回路装置においては、表面に実装さ
れた電子部品3cあるいは半導体チップ4を含む下層基
板1cは、全体が金属ケース5により被覆されている。
【0005】このようなシールド構造とすることによ
り、上層基板1aに実装された電子部品3aと、下層基
板1cに実装された電子部品3cとの相互の電気的な影
響を遮断して、例えば電磁波による雑音等の問題の軽減
が図られていた。また、このようなシールド構造によ
り、下層基板1cに実装された電子部品3cと外部との
電気的な影響も遮断されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように従来のプリント配線板に電子部品を実装し、積層
される絶縁基板を金属ケースを用いてシールドした場合
には、電子部品が実装された電子回路装置全体の厚さが
大きくなるという問題がある。また、金属ケースを設け
ることによる重量の増加の問題もある。
【0007】一方、金属ケースのかわりに、樹脂モール
ド表面に金属被膜が形成されたものをシールド部材とし
て用いる場合もある。この場合には、金属ケースの場合
に比較して重量の増加は小さいが、電子回路装置全体の
厚さが増大する問題は解消されない。
【0008】上記のように、絶縁基板上の実装部品間の
相互の電気的影響、あるいは内蔵された実装部品と外部
との電気的影響を遮断するため、金属ケースあるいは金
属被膜を有する樹脂ケースを設ける場合、絶縁基板の層
間を接合させる前に、金属ケースまたは樹脂ケースを取
り付ける工程が必要となる。
【0009】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、したがって本発明は、電子部品が高密度に実
装され、かつ薄型化および軽量化された電子回路装置を
提供することを目的とする。また本発明は、内蔵電子部
品と表面実装部品あるいは外部との電気的な影響を遮断
することができる電子回路装置を提供することを目的と
する。
【0010】さらに本発明は、電子部品を内蔵して電子
部品を高密度に実装し、実装部品間の電気的な影響を遮
断することが可能であり、かつ、簡略な工程で形成され
る多層プリント配線板を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の電子回路装置は、第1の基板と、前記第1
の基板上に形成された第1の配線層と、前記第1の配線
層上に形成された第2の基板と、前記第2の基板上に形
成された第2の配線層と、前記第2の配線層上に形成さ
れた第3の基板と、前記第2の基板の一部に形成され
た、前記第2の基板を貫通する空孔と、前記空孔に面し
た前記第1の基板表面に形成された内蔵電子部品と、少
なくとも前記空孔に面した前記第3の基板表面および前
記第2の基板の側面に形成された金属層とを有すること
を特徴とする。
【0012】本発明の電子回路装置は、好適には、前記
第3の基板上に形成された第3の配線層と、前記第3の
配線層上に形成された表面実装電子部品とを有すること
を特徴とする。本発明の電子回路装置は、好適には、前
記金属層は金属メッキ層であることを特徴とする。
【0013】あるいは、本発明の電子回路装置は、好適
には、前記金属層は、少なくとも前記空孔に面した前記
第3の基板表面および前記第2の基板の側面に貼付され
た金属シートであることを特徴とする。あるいは、本発
明の電子回路装置は、好適には、前記空孔に面した前記
第3の基板表面の前記金属層は、前記第2の配線層と同
一の層からなることを特徴とする。
【0014】これにより、従来の電子回路装置において
実装部品間の電気的な影響を遮断するために用いられて
いた金属ケース等が不要となり、電子回路装置の薄型化
および軽量化が可能となる。本発明の電子回路装置によ
れば、空孔内に金属層が形成されることにより、内蔵電
子部品と表面実装部品あるいは外部との電気的な影響が
遮断される。また、本発明の電子回路装置は、電子部品
が表面のみでなく内部にも実装されていることから、電
子部品の高密度実装が可能である。
【0015】さらに、上記の目的を達成するため、本発
明の多層プリント配線板は、第1の絶縁性基板と、前記
第1の絶縁性基板上に形成された第1の配線層と、前記
第1の配線層上に形成された第2の絶縁性基板と、前記
第2の絶縁性基板上に形成された第2の配線層と、前記
第2の配線層上に形成された第3の絶縁性基板と、前記
第2の絶縁性基板の一部に形成された、前記第2の絶縁
性基板を貫通する空孔と、前記空孔に面した前記第1の
絶縁性基板表面に形成された内蔵電子部品と、少なくと
も前記空孔に面した前記第3の絶縁性基板表面および前
記第2の絶縁性基板の側面に形成された金属層とを有す
ることを特徴とする。
【0016】本発明の多層プリント配線板は、好適に
は、前記第3の絶縁性基板上に形成された第3の配線層
を有することを特徴とする。本発明の多層プリント配線
板は、好適には、前記金属層は金属メッキ層であること
を特徴とする。
【0017】あるいは、本発明の多層プリント配線板
は、好適には、前記金属層は、少なくとも前記空孔に面
した前記第3の絶縁性基板表面および前記第2の絶縁性
基板の側面に貼付された金属シートであることを特徴と
する。あるいは、本発明の多層プリント配線板は、好適
には、前記空孔に面した前記第3の絶縁性基板表面の前
記金属層は、前記第2の配線層と同一の層からなること
を特徴とする。
【0018】これにより、電子部品を内蔵して電子部品
を高密度に実装しながら、実装された電子部品間の電気
的な影響を遮断することが可能となる。また、本発明の
多層プリント配線板によれば、多層プリント配線板を構
成する個々の基板に、電気的な影響を遮断する目的で金
属ケース等を設ける必要がないため、多層プリント配線
板の形成工程を簡略化することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の多層プリント配
線板およびそれを含む電子回路装置およびその製造方法
の実施の形態について、図面を参照して説明する。 (実施形態1)図1に、本実施形態の多層プリント配線
板およびそれを含む電子回路装置の断面図を示す。
【0020】図1の電子回路装置は、絶縁性の上層基板
1a、中層基板1bおよび下層基板1cからなる多層プ
リント配線板を有する。各基板1a、1b、1cの表層
あるいは層間には導電体層2が形成されており、導電体
層2は回路配線層となっている。
【0021】上層基板1aの表面には導電体層2に接続
するように電子部品3aが実装されている。また、下層
基板1cの両面にはそれぞれ導電体層2に接続するよう
に電子部品3cあるいは半導体チップ4が実装されてい
る。中層基板1bには所定の位置に空孔6が設けられて
いる。下層基板1cの中層基板1bと対向する側の表面
に実装された電子部品3cおよび半導体チップ4は、空
乏6内に配置されている。これにより、半導体チップを
含む電子部品が多層プリント配線板に内蔵された構造と
なっている。
【0022】空乏6に面した上層基板1aの下面および
中層基板1bの側面には、シールド金属層7が形成され
ている。シールド金属層7としては例えば銅箔や、アル
ミニウム、鉄等を用いることができる。シールド金属層
7は接地されたGND電極とする。中層基板1bと下層
基板1cとは接合剤8により接合されている。接合剤8
としてはハンダ、導電性接着剤あるいは異方性導電接着
剤等を用いることができる。
【0023】上記のように、本実施形態の多層プリント
配線板およびそれを含む電子回路装置によれば、上層基
板1aおよび中層基板1bの空孔6に面した部分にシー
ルド金属層7が形成され、これにより、上層基板1aに
実装された電子部品3aと、下層基板1cに実装された
電子部品3cとが電気的に遮断される。
【0024】したがって、電子部品間における電磁波な
どの影響を防止して、電子回路および配線の電気特性を
向上させることができる。また、従来の電子回路装置に
おいて用いられる、電子部品間を電気的に遮断するため
の金属ケース等が不要であり、電子回路装置を薄型化す
ることができる。
【0025】次に、上記の本実施形態の電子回路装置を
形成するための電子部品の実装方法について説明する。
本実施形態の電子回路装置を構成する多層プリント配線
板の上層基板1a、中層基板1bおよび下層基板1cの
材料としては、例えばガラスエポキシ材が用いられる。
あるいは、高耐熱材としてガラスポリイミド材やセラミ
ック材等が用いられることもある。
【0026】上層基板1a、中層基板1bおよび下層基
板1cとなる絶縁性基板の片面または両面には、導電体
層2となる銅箔をあらかじめ接着する。上層基板1aと
中層基板1bの層間に形成される導電体層2は、これら
の絶縁性基板を積層する前に、配線パターンにエッチン
グされる。
【0027】あるいは、上記のように絶縁性基板表面の
銅箔をエッチングして、配線パターンを形成するかわり
に、絶縁性基板上に無電解銅メッキにより導電体層2を
析出させてもよい。この場合、配線パターン以外の部分
をあらかじめレジストで被覆しておき、導電体層2を配
線パターンに沿って析出させる。
【0028】その後、上層基板1aと中層基板1bと
を、接着シートのプリプレグを介して重ね合わせてか
ら、加熱加圧して接着する。上層基板1aと中層基板1
bとを積層する前に、中層基板1bの所定の箇所に空孔
6を形成しておく。
【0029】あらかじめ銅箔が接着された絶縁性基板を
用いる場合には、中層基板1bおよび銅箔にエッチング
等を行って空孔6を形成する。一方、無電解メッキによ
り絶縁性基板上に導電体層2を析出させる場合には、無
電解メッキを行う前にエッチングを行って空孔6を形成
する。
【0030】上層基板1aと中層基板1bとを接着した
後、空孔6に面した上層基板1aの表面および中層基板
1bの側面にシールド金属層7を形成する。シールド金
属層7は、例えば金属メッキにより形成することができ
る。あるいは、金属シートを貼付して形成することもで
きる。あるいは、上層基板1aの表面に形成される導電
体層2を利用して、シールド金属層7とすることもでき
る。
【0031】さらに、上層基板1aの空孔6と反対側の
面、すなわち外層となる面に電子部品3aを実装する。
一方、下層基板1cについても、表面の導電体層2に接
続するように電子部品3cあるいは半導体チップ4を実
装する。その後、下層基板1cに実装された電子部品3
cおよび半導体チップ4が空孔6内に配置されるように
して、中層基板1bと下層基板1cとを接合させる。接
合剤8としては例えばハンダ、導電性接着剤あるいは異
方性導電接着剤等を用いることができる。以上の工程に
より、図1に示す本実施形態の多層プリント配線板およ
びそれを含む電子回路装置が形成される。
【0032】上記の本実施形態1の電子回路装置におい
て、多層プリント配線板への電子部品の実装方法は、任
意の方法を用いることができる。例えば、図2に示すよ
うに、半導体チップ4と下層基板1cとの間はモールド
樹脂9により封止されてもよい。
【0033】(実施形態2)図3に、本実施形態の多層
プリント配線板およびそれを含む電子回路装置の断面図
を示す。図3の電子回路装置は、実施形態1に示す電子
回路装置と同様に、絶縁性の上層基板1a、中層基板1
bおよび下層基板1cからなる多層プリント配線板を有
する。各基板1a、1b、1cの表層あるいは層間には
導電体層2が形成されており、導電体層2は回路配線層
となっている。
【0034】実施形態1の電子回路装置は、中層基板1
bと下層基板1cとの間が接合剤8によって接合されて
いるが、本実施形態の電子回路装置は、上層基板1aと
中層基板1bとの層間、および中層基板1bと下層基板
1cとの層間がそれぞれ接合剤8によって接合されてい
る。
【0035】上層基板1aの表面には導電体層2に接続
するように電子部品3aが実装されている。また、下層
基板1cの両面にはそれぞれ導電体層2に接続するよう
に電子部品3cあるいは半導体チップ4が実装されてい
る。中層基板1bには所定の位置に空孔6が設けられて
いる。下層基板1cの中層基板1bと対向する側の表面
に実装された電子部品3cおよび半導体チップ4は、空
乏6内に配置されている。これにより、半導体チップを
含む電子部品が多層プリント配線板に内蔵された構造と
なっている。
【0036】空乏6に面した上層基板1aの下面には、
シールド金属層7aが形成されている。また、空乏6に
面した中層基板1bの側面と、側面に近接する中層基板
1bの上下面には、シールド金属層7bが形成されてい
る。
【0037】すなわち、断面図において、空孔6に面し
た中層基板1bの側面は、シールド金属層7bによって
コの字型に被覆された状態となっている。あるいは、シ
ールド金属層7bは中層基板1bの側面と、側面に近接
する上下面の一方を被覆するL字型の形状であってもよ
い。
【0038】シールド金属層7a、7bとしては例えば
銅箔や、アルミニウム、鉄等を用いることができる。シ
ールド金属層7a、7bは接地されたGND電極とす
る。中層基板1bと下層基板1cとは接合剤8により接
合されている。接合剤8としてはハンダ、導電性接着剤
あるいは異方性導電接着剤等を用いることができる。特
に図示しないが、接合剤8の厚さに応じて、接合剤8の
周囲をソルダーレジスト等により封止してもよい。
【0039】上記のように、本実施形態の多層プリント
配線板およびそれを含む電子回路装置によれば、上層基
板1aの下面にシールド金属層7aが形成され、中層基
板1bの空孔6周囲にシールド金属層7bが形成され
る。また、上層基板1aと中層基板1bとは接合剤8を
介して接合される。
【0040】したがって、図3に示すように、上層基板
1aと中層基板1bとの層間に形成される導電体層2
は、中層基板1bにのみ接触し、上層基板1a側には接
触しない。すなわち、上層基板1a表面に一様に形成さ
れた導電体層をシールド金属層7aとして利用すること
ができる。
【0041】これにより、上層基板1aに予め接着され
た銅箔にエッチングを行って配線パターンに加工する工
程、あるいは、上層基板1a上に配線パターンを有する
レジストを形成してから導電体層を析出させる工程等が
不要となる。したがって、本実施形態の実装方法によれ
ば、簡略な工程で実装部品間の電気的影響を遮断するこ
とが可能となる。
【0042】上記の本実施形態の多層プリント配線板お
よびそれを含む電子回路装置によれば、上層基板1aに
実装された電子部品3aと、下層基板1cに実装された
電子部品3cあるいは半導体チップ4とが電気的に遮断
される。したがって、電子部品間における電磁波などの
影響を防止して、電子回路および配線の電気特性を向上
させることができる。
【0043】また、従来の電子回路装置において用いら
れる、電子部品間を電気的に遮断するための金属ケース
等が不要であり、電子回路装置を薄型化することができ
る。例えば、図3に示す本実施形態の電子回路装置にお
いて、上層基板1a表面に形成された導電体層2の表面
から下層基板1cの表面に形成された導電体層2の表面
までの距離L1 は3.80mmとすることができる。
【0044】一方、図4に示す従来の電子回路装置にお
いて、上層基板1aとその表面の導電体層2との厚さL
2 は例えば0.75mmであり、金属ケース5の表面か
ら下層基板1cの表面に形成された導電体層2の表面ま
での距離L3 は例えば3.30mmである。また、金属
ケース5の厚さL4 は例えば0.25mmである。以上
から、L1 は4.05mmとなる。したがって、図4に
示す従来の電子回路装置に比較して、図3に示す本実施
形態の電子回路装置はより薄型化できる。
【0045】上記の本実施形態の電子回路装置を形成す
るための電子部品の実装方法について、以下に説明す
る。本実施形態の電子回路装置は、上層基板1aと中層
基板1bとの接合方法を除き、実施形態1と同様の方法
に従って形成することができる。
【0046】本実施形態の電子回路装置を構成する多層
プリント配線板の上層基板1a、中層基板1bおよび下
層基板1cの材料としては、例えばガラスエポキシ材が
用いられる。あるいは、高耐熱材としてガラスポリイミ
ド材やセラミック材等が用いられることもある。
【0047】上層基板1a、中層基板1bおよび下層基
板1cとなる絶縁性基板の片面または両面には、導電体
層2となる銅箔をあらかじめ接着する。上層基板1aと
中層基板1bの層間に形成される導電体層2は、これら
の絶縁性基板を積層する前に、配線パターンにエッチン
グされる。
【0048】あるいは、上記のように絶縁性基板表面の
銅箔をエッチングして、配線パターンを形成するかわり
に、絶縁性基板上に無電解銅メッキにより導電体層2を
析出させてもよい。この場合、配線パターン以外の部分
をあらかじめレジストで被覆しておき、導電体層2を配
線パターンに沿って析出させる。
【0049】中層基板1bには、上層基板1aあるいは
下層基板1cとの接合前に、あらかじめ所定の箇所に空
孔6を形成しておく。あらかじめ銅箔が接着された絶縁
性基板を用いる場合には、中層基板1bおよび銅箔にエ
ッチング等を行って空孔6を形成する。一方、無電解メ
ッキにより絶縁性基板上に導電体層2を析出させる場合
には、無電解メッキを行う前にエッチングを行って空孔
6を形成する。
【0050】上層基板1aの下面(中層基板1bと接合
される側の表面)については、少なくとも空孔6に面す
る部分に導電体層2を残しておき、シールド金属層7a
として利用する。また、空孔6周囲の中層基板1bに
は、例えば金属メッキによりシールド金属層7bを形成
する。
【0051】さらに、上層基板1aの空孔6と反対側の
面、すなわち外層となる面に電子部品3aを実装する。
一方、下層基板1cについても、表面の導電体層2に接
続するように電子部品3cあるいは半導体チップ4を実
装する。その後、電子部品3aが実装された上層基板1
aと中層基板1bとの間を接合剤8を介して接合させ
る。接合剤8としては例えばハンダ、導電性接着剤ある
いは異方性導電接着剤等を用いることができる。
【0052】また、下層基板1cに実装された電子部品
3cおよび半導体チップ4が空孔6内に配置されるよう
にして、中層基板1bと下層基板1cとを接合させる。
接合剤8としては例えばハンダ、導電性接着剤あるいは
異方性導電接着剤等を用いることができる。以上の工程
により、図3に示す本実施形態の多層プリント配線板お
よびそれを含む電子回路装置が形成される。
【0053】本発明の多層プリント配線板およびそれを
含む電子回路装置の実施形態は、上記の説明に限定され
ない。例えば、4層以上の絶縁性基板を有する多層プリ
ント配線板に、内蔵電子部品を電気的に遮蔽するための
上記の金属層を設けることもできる。その他、本発明の
要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0054】
【発明の効果】本発明の電子回路装置によれば、電子部
品が高密度に実装された電子回路装置の薄型化および軽
量化が可能となる。また、本発明の電子回路装置によれ
ば、内蔵電子部品と表面実装部品あるいは外部との電気
的な影響を遮断することが可能となる。
【0055】本発明の多層プリント配線板によれば、電
子部品を内蔵して電子部品を高密度に実装しながら、実
装部品間の電気的な影響を遮断し、かつ多層プリント配
線板の形成工程を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る多層プリント配線板
およびそれを含む電子回路装置の断面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る多層プリント配線板
およびそれを含む電子回路装置の断面図である。
【図3】本発明の実施形態2に係る多層プリント配線板
およびそれを含む電子回路装置の断面図である。
【図4】従来の電子回路装置の断面図である。
【符号の説明】
1a…上層基板、1b…中層基板、1c…下層基板、2
…導電体層、3、3a、3c…電子部品、4…半導体チ
ップ、5…金属ケース、6…空孔、7、7a、7b…シ
ールド金属層、8…接合剤、9…モールド樹脂。
フロントページの続き (72)発明者 立野 泰史 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5E321 AA17 BB23 CC16 GG05 5E336 AA07 AA08 AA11 BB03 BB15 BC02 BC15 BC26 BC34 CC31 EE01 EE08 GG11 GG30 5E344 AA01 AA22 AA23 AA26 BB02 BB03 BB06 BB08 BB10 BB15 CC05 CC14 CC15 CC24 CD01 CD02 DD02 DD06 EE07 EE13 EE21 5E346 CC04 CC10 CC16 CC31 CC32 CC34 CC42 DD12 DD23 FF45 GG22 HH04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の基板と、 前記第1の基板上に形成された第1の配線層と、 前記第1の配線層上に形成された第2の基板と、 前記第2の基板上に形成された第2の配線層と、 前記第2の配線層上に形成された第3の基板と、 前記第2の基板の一部に形成された、前記第2の基板を
    貫通する空孔と、 前記空孔に面した前記第1の基板表面に形成された内蔵
    電子部品と、 少なくとも前記空孔に面した前記第3の基板表面および
    前記第2の基板の側面に形成された金属層とを有する電
    子回路装置。
  2. 【請求項2】前記第3の基板上に形成された第3の配線
    層と、 前記第3の配線層上に形成された表面実装電子部品とを
    有する請求項1記載の電子回路装置。
  3. 【請求項3】前記金属層は金属メッキ層である請求項1
    記載の電子回路装置。
  4. 【請求項4】前記金属層は、少なくとも前記空孔に面し
    た前記第3の基板表面および前記第2の基板の側面に貼
    付された金属シートである請求項1記載の電子回路装
    置。
  5. 【請求項5】前記空孔に面した前記第3の基板表面の前
    記金属層は、前記第2の配線層と同一の層からなる請求
    項1記載の電子回路装置。
  6. 【請求項6】第1の絶縁性基板と、 前記第1の絶縁性基板上に形成された第1の配線層と、 前記第1の配線層上に形成された第2の絶縁性基板と、 前記第2の絶縁性基板上に形成された第2の配線層と、 前記第2の配線層上に形成された第3の絶縁性基板と、 前記第2の絶縁性基板の一部に形成された、前記第2の
    絶縁性基板を貫通する空孔と、 前記空孔に面した前記第1の絶縁性基板表面に形成され
    た内蔵電子部品と、 少なくとも前記空孔に面した前記第3の絶縁性基板表面
    および前記第2の絶縁性基板の側面に形成された金属層
    とを有する多層プリント配線板。
  7. 【請求項7】前記第3の絶縁性基板上に形成された第3
    の配線層を有する請求項6記載の多層プリント配線板。
  8. 【請求項8】前記金属層は金属メッキ層である請求項6
    記載の多層プリント配線板。
  9. 【請求項9】前記金属層は、少なくとも前記空孔に面し
    た前記第3の絶縁性基板表面および前記第2の絶縁性基
    板の側面に貼付された金属シートである請求項6記載の
    多層プリント配線板。
  10. 【請求項10】前記空孔に面した前記第3の絶縁性基板
    表面の前記金属層は、前記第2の配線層と同一の層から
    なる請求項6記載の多層プリント配線板。
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