JP2001266751A - メタル隔壁およびこれを用いたプラズマデイスプレイパネル - Google Patents

メタル隔壁およびこれを用いたプラズマデイスプレイパネル

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JP2001266751A
JP2001266751A JP2000081699A JP2000081699A JP2001266751A JP 2001266751 A JP2001266751 A JP 2001266751A JP 2000081699 A JP2000081699 A JP 2000081699A JP 2000081699 A JP2000081699 A JP 2000081699A JP 2001266751 A JP2001266751 A JP 2001266751A
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Yutaka Akiba
豊 秋庭
Ryoji Inoue
良二 井上
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Hitachi Ltd
Proterial Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、メタル隔壁、及びこれを用いたプラ
ズマデイスプレイパネルの耐電圧特性を効率よく向上さ
せて、高信頼度化と低コスト化を同時に実現することを
目的とする。 【解決手段】本発明は、メタル隔壁の絶縁皮膜構造・材
料プロセス、及び駆動条件に着目し、放電時のポテンシ
ャル分布から高電界領域と低電界領域を切り分け、それ
ぞれの領域に対応する絶縁皮膜の被膜厚さを材料・プロ
セス条件や積層構造の適正化により形成し、メタル隔壁
の耐電圧特性を効率よく向上させ低コスト化することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報処理端末や平
面型、壁掛けテレビ等に用いられるプラズマデイスプレ
イパネルやそれを用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開平11−312470号公
報の従来技術では、メタル隔壁を用いたプラズマデイス
プレイパネル(PDP)により大幅な発光効率や輝度等
の性能向上を狙っている。そして、メタル隔壁を補助電
極ではなく駆動電極として用いる場合、パネル内部の電
極間に高電圧(高電界)が発生し、メタル表面の絶縁皮
膜の信頼度が重要になる。更に、被膜の耐圧特性を向上
させるため、メタル隔壁を形成するためのコストアップ
が問題になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】メタル隔壁の絶縁皮膜
として用いるガラス被膜は、ガラス粉末を電着法等各種
プロセスで金属板に塗布し焼き付けて形成されるが、内
部にピンホールが発生しやすく、かつ電界集中の起きや
すい隔壁の角部で被膜厚さが薄くなるという性質をも
つ。従って、膜厚は膜質を維持しながら制御することが
難しく不均一になり易い。このため、ガラス被膜は、膜
質、膜厚の信頼度に問題を残していた。
【0004】一方、ガラスに代わる被膜として熱膨張係
数を考慮すると、酸化アルミ等の酸化物セラミックスの
被膜がある。これらは、真空蒸着、スパッタリング、イ
オンプレーテイング等を用いて形成されるため、一定の
膜厚を得るのにスループットが問題になる。ガラスに比
べてコストアップになり易いが、膜厚の均一性がよく、
内部にピンホールを含まず、かつ耐電圧の点からPDP
用の絶縁皮膜には好ましい。
【0005】本発明の第一の目的は、このような状況の
基でメタル隔壁の絶縁皮膜の耐電圧を向上させる低コス
ト、高信頼度のメタル隔壁を提供することにある。
【0006】本発明の第二の目的は、前記したメタル隔
壁を用いて低コスト、高信頼度のプラズマデイスプレイ
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、第一の目的を
達成するために、(1)パネル駆動時におけるメタル隔
壁の高電界発生(高電圧印加)部分、(2)メタル隔壁
形状に対する酸化物セラミックス(酸化アルミ)の膜形
成速度、(3)絶縁皮膜を形成した金属薄板の積層固着
に着目した。
【0008】駆動波形で高電圧が印加される表示発光放
電の場合、複数の貫通孔でセルを形成したメタル隔壁は
図9に示す配置構造で駆動電極として働く。X電極、Y
電極がそれぞれアノード(0V)、カソード(―160
〜―180V)で、M電極はアノード(0V)として駆
動される。X,Y電極間のセル内部の壁面放電路にはグ
ロー放電時に発生するポテンシャル分布が形成される。
即ち、Y、M電極間に高電界領域、M電極内部に低電界
領域が形成され、それぞれグロー放電時の陰極暗部、陽
光柱を効率よく形成している。高電界領域は、図9
(a),(b)に示すように、M電極であるメタル隔壁
の両端、即ちX,Y電極と向かい合う両面に存在する。
従って、メタル隔壁に形成された絶縁皮膜の耐電圧特性
(耐圧)は、駆動方法からX,Y電極と向かい合う両面
部分の近傍で満足することが要求される。一方、メタル
隔壁の孔内面の中央部分では、低電界領域(低電圧領
域:陽光柱形成電圧10〜30V程度)となる。
【0009】また、絶縁皮膜の成膜膜形成速度は、スパ
ッタリング法を用いたPVDやCVD法等によれば、複
数の貫通孔を有する金属薄板の場合、孔内面の垂直面よ
りも上下表面の平面の方が2倍近く、或いはそれ以上に
速くなる条件、傾向のあることを見出した。耐電圧特性
から一定の膜厚を確保する場合、成膜時間が孔内面で決
定されるため通常スループットが低くなり、コスト面、
量産面で問題になる。しかし、上記したように耐電圧特
性を要求する領域、条件からメタル隔壁の上下表面の近
傍が問題であり、スループットの低い孔内面の耐電圧は
上下表面に対して20%程度以下であるため全体のスル
ープットにほとんど影響を与えない。
【0010】以上の知見を基に、前記した第一の目的を
達成するため、メタル隔壁を形成する金属薄板を、複数
の貫通孔を有する金属薄板の上下表面及びその孔内面を
酸化アルミ(Al23)等の酸化物セラミックスで被覆
し、かつ該酸化物セラミックスの厚さを該金属薄板の上
下表面の方を孔内面よりも2倍程度、或いはそれ以上に
厚くする条件で用いた。
【0011】更に、メタル隔壁を形成する積層構造の金
属薄板の場合、複数の貫通孔を有する金属薄板の上下表
面及びその孔内面を酸化アルミ(Al23)等の酸化物
セラミックスで被覆した金属薄板を、該貫通孔を合わせ
て複数枚積層し、該複数枚積層した金属薄板の最外層の
上下2表面、又は最外層の外部片側表面の酸化物セラミ
ックスの厚さを孔内面よりも十分に厚くして用いた。
【0012】このようにメタル隔壁の高電界発生部であ
る金属薄板の表面を酸化物セラミックスの絶縁皮膜で高
品質な膜を厚く形成できるため、高スループットで耐電
圧特性に優れた高信頼度で低コストのメタル隔壁が得ら
れた。
【0013】また、金属薄板の積層構造で形成されるメ
タル隔壁は、複数枚の金属薄板に形成された複数の貫通
孔を高精度で位置合せして固着する必要がある。固着に
用いるフリットガラスは、非晶質ガラス或いは結晶化ガ
ラスである。積層構造を形成するため、フリットガラス
を金属薄板に塗布、印刷するプロセスが必要になる。金
属薄板の絶縁皮膜にガラスを用いることができれば、こ
れを再溶融させ固着させることによりフリットガラスを
新たに用いなくても兼用させることができる。この場合
の問題は、ガラスの耐電圧特性が低下しやすいことであ
る。しかし、前記したメタル隔壁の高電界領域と低電界
領域に着目することにより解決できることがわかる。
【0014】即ち、前記した第一の目的を達成するた
め、複数の貫通孔を有する金属薄板を複数枚(3枚以上
の場合)積層したメタル隔壁において、最外層2枚の金
属薄板を上下表面及びその孔内面を酸化アルミ(Al2
3)等の酸化物セラミックスで被覆し、かつ金属薄板
の該最外層2枚に挟まれた残りの金属薄板を上下表面及
びその孔内面をガラスで被覆して、該貫通孔を合わせて
積層する。フリットガラスの働きは該最外層2枚に挟ま
れた残りの金属薄板を上下表面及びその孔内面を被覆し
たガラス被膜を再溶融させることにより実現され、金属
薄板が積層固着される。この場合のガラスは、再溶融さ
せるため非晶質ガラスを用い、封着等の後工程から軟化
点温度は約500度以上を用いる。このようにメタル隔
壁の低電界(低電圧)領域である金属薄板の表面を非晶
質ガラスで覆うことにより、絶縁皮膜形成と同時に積層
固着を容易にするため、低コストで高信頼度のメタル隔
壁が得られた。
【0015】更に、本発明は、第二の目的を達成するた
め、前記したメタル隔壁をグロー放電時の陰極暗部、陽
光柱を効率よく形成させる表示駆動用電極として用いる
ことにより、低コスト、高信頼度のプラズマデイスプレ
イパネルが得られた。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明す
る。
【0017】図1は、本発明の一実施例であり、図2に
示す矢印A―A’で示すメタル隔壁1の断面図を示す。
また、図1、図2に示すメタル隔壁1は、後述する図
7、図8に示すプラズマデイスプレイパネル2などに専
ら使用されるものである。
【0018】図において、この金属薄板5にはエッチン
グ加工等により複数の貫通孔6(6―1、6―
2、、、)があけられており、その貫通孔6の表面には
絶縁皮膜7が形成されている。この貫通孔6は、前記し
たプラズマデイスプレイパネル2の1セル形状を表す長
さL10と幅W11に対して一つ形成される。絶縁皮膜
7は、酸化アルミ(Al23)(他の酸化物セラミック
スを用いる場合もある)を用い、真空蒸着、スパッタリ
ング等によるPVD法等で形成される。この場合、電圧
特性の要求される領域と高スループットの成膜条件を考
慮し、金属薄板5の上下表面に形成された被膜厚さ8
(8―1、8―2)は、貫通孔6の内面に形成された被
膜厚さ9よりも厚く形成する。例えば、駆動条件から被
膜厚さ8を6μmとし、被膜厚さ9の3μmの2倍とす
る。なお、金属薄板5は、後述する図7、図8に示すプ
ラズマデイスプレイパネル2の前面ガラス基板3、背面
ガラス基板4の熱膨張係数に合わせるためにFe−Ni
系で構成されている。
【0019】以上の製法により形成した酸化アルミ膜7
の膜厚ばらつきは、0.5〜1.0μm以下であり、こ
の値は、従来のガラス被膜の膜厚ばらつきに比べて約一
桁以上均一性を向上させている。なお、膜厚の均一性が
向上するだけでなく、ピンホールの発生しない膜質を形
成できるので、これによっても耐圧を向上させることが
できる。
【0020】このようにメタル隔壁の高電界発生部であ
る金属薄板の表面を酸化物セラミックスの絶縁皮膜で高
品質な膜を厚く形成できるため、高スループットで耐電
圧特性に優れた高信頼度で低コストのメタル隔壁を得る
ことができる。
【0021】図1に示したメタル隔壁1は1枚の金属薄
板5を用いて形成しているが、組立性や加工性等からし
て後述する図7、図8に示すように同じ形状の金属薄板
を3枚積層して形成することもできる。図においては、
金属薄板5(5―1、5―2、5―3)を多数の貫通孔
6―1、6―2を合わせて3枚積層し、放電路長さg
(0.3〜3.0mm)を形成している。
【0022】この場合であっても、前述の製法により形
成した酸化アルミ膜7の膜厚ばらつきは1.0μm以内
であるので、それによって金属薄板5の積層構造を高精
度に組立ることができる。
【0023】この他、図10に示すように、金属薄板5
の上下表面及びその角部近傍に酸化アルミの絶縁皮膜5
5で丸みを付けるように被膜厚さを高スループットで形
成し、その上に貫通孔6の内面も含めてガラス被膜56
を形成することもできる。この場合、非晶質のガラス被
膜56を再溶融させることで金属薄板5間の重なり部5
5(破線部)で両者を固着した。
【0024】このように必要部分について酸化アルミ5
5により被膜厚さを確保すれば、これによって耐電圧を
容易に向上させることができる。また、この構造におい
てもPVDやCVD法などを用いて上下表面に酸化アル
ミを形成するだけなので、メタル隔壁の高電界発生部で
ある金属薄板の表面を酸化物セラミックスの絶縁皮膜で
高品質な膜を厚く形成でき、かつ高スループットで耐電
圧特性に優れた高信頼度で低コストのメタル隔壁を得る
ことができる。
【0025】図3に、メタル隔壁1についてのさらに他
の実施例を示す。
【0026】図において、3枚積層したメタル隔壁1の
最外層の金属薄板5―1、5―3の2枚について、それ
ぞれ外部片側表面13、14に形成した酸化アルミの被
膜厚さ15、16を、貫通孔6の内面に形成した酸化ア
ルミの被膜厚さ17よりもほぼ2倍以上厚くしたもので
ある。残りの金属薄板5―2の上下表面及び孔内面に形
成された酸化アルミの被膜厚さ18は、駆動条件によっ
て影響をうける場合もあるが、通常は耐電圧特性から被
膜厚さ17と同レベルか、それ以下で用いれば良い。3
枚の金属薄板5は、金属薄板5―2の上下両面に塗布又
は印刷したフリットガラス19(19―1、19―2)
を介して積層され、加熱固着される。また、組立性か
ら、金属薄板5―1、5―3の片側表面にフリットガラ
ス19をそれぞれ塗布、又は印刷して3枚積層固着して
も良い。
【0027】以上の構成によっても、必要部分にのみ酸
化アルミ55の被膜厚さを十分に確保できるので、これ
によっても高スループットで耐電圧特性に優れた高信頼
度で低コストのメタル隔壁を得ることができる。
【0028】図4に、メタル隔壁1についてのさらに他
の実施例を示す。
【0029】図において、金属薄板5を3枚積層し、フ
リットガラス19で固着している。メタル隔壁1の最外
層の金属薄板5―1、5―3の2枚について、それぞれ
上下2表面に形成した酸化アルミの被膜厚さ20を等し
くし、貫通孔6の内面に形成した酸化アルミの被膜厚さ
21を被膜厚さ20のほぼ半分以下にしている。金属薄
板5―1、5―3に挟まれた金属薄板5―2の場合は、
酸化アルミの被膜厚さ22、23を前記した被膜厚さ2
1と同じか、それ以下に形成している。
【0030】以上の構成によっても、必要部分にのみ酸
化アルミ55の被膜厚さを十分に確保できるので、これ
によって耐電圧を容易に向上させることができる。ま
た、金属薄板5―1、5―3の断面構造を等しくし、対
称構造にすることにより、それぞれ部品の種類を低減
し、部品裏表の切り分け管理、組立を不要にし、低コス
トのメタル隔壁を得ることができる。
【0031】図5に、メタル隔壁1についてのさらに他
の実施例を示す。
【0032】図5に示すメタル隔壁も、金属薄板5を3
枚積層した構造であるが、本実施例においては金属薄膜
5間を固着するために金属薄板5―2にガラス被膜24
を形成したものを用いた。すなわち、金属薄板5―1、
5―3には酸化アルミ被膜26を形成したものを用いる
ことで耐圧確保するための構成とし、金属薄板5―2に
はガラス被膜24を形成したものを用い、そのガラス被
膜24を再溶融させることで金属薄板5―1、5―3と
の間を固着させる構成とした。ガラス被膜24には非晶
質ガラスを用い、後工程である封着プロセスの使用温度
約450度を考慮して軟化点温度が約500度前後の材
料を用いている。ガラス被膜24の被膜厚25は平均約
20μmであり、ばらつき幅は10μm程度である。金
属薄板5―2が固着される金属薄板5―1、5―3の表
面は酸化アルミ膜26を用いているため平坦度が高く、
高精度組立(最大数十μm以下)を確保している。な
お、固着時の組立精度を確保するため、位置決め用治具
を使用して加熱加圧を行っている。また、ガラス被膜2
4は、前記したように膜質の低下や膜厚ばらつきの増大
を伴うが、メタル隔壁1を構成する金属薄板5―2が貫
通孔6の内部に位置し低電界領域に存在するため、十分
な耐電圧特性が得られている。
【0033】以上の構成とすることで、図3、図4に示
すような金属薄板5間を接続するためのフリットガラス
などを塗布するなどの工程が不要となるので、それらに
比べてプロセスの簡略化、低コスト化を図ることが可能
となる。
【0034】図6に、メタル隔壁1についてのさらに他
の実施例を示す。
【0035】図において、金属薄板5―1、5―3の上
下表面、及び孔内面は酸化アルミ被膜27で覆い、金属
薄板5―2は再溶融による加熱固着をするための非晶質
のガラス被膜28(28―1、28―2)で上下表面の
みを覆う構造とした。そして、金属薄板5―2の貫通孔
6の内面は、ガラス被膜28で覆われない構造となるの
で、その代わりに誘電体である蛍光体29で直接覆う構
造とした。前記したように、メタル隔壁1の内部に位置
する金属薄板5―2が低電界領域に存在するので、蛍光
体29だけでも十分な耐圧特性を確保することは可能で
ある。
【0036】ここで、これまで説明してきた図3から図
6などに示す3枚積層のメタル隔壁1を用いたプラズマ
デイスプレイパネル2について説明する。
【0037】図7は、プラズマデイスプレイパネル2の
断面図であり、1セルの長手方向断面を示す。セル構造
に対しては、図2におけるB−B’線の断面に相当す
る。
【0038】プラズマデイスプレイパネル2は、前面ガ
ラス基板3、背面ガラス基板4、及び前記したメタル隔
壁1から構成される3ピース構造をとる。
【0039】前面ガラス基板3の場合、透明なガラス基
板30の上に直接ITO膜の透明電極31が形成され、
更に透明電極31の上に抵抗率が小さく不透明なバス電
極32がメタル隔壁1の平面形状に合わせて格子状に形
成される。この不透明なバス電極32と透明電極31と
で平面電極を構成し、表示セル33の電極として共通表
示電極(X電極)34を形成している。また、共通表示
電極34をバス電極32のみで形成して駆動することも
できる。この場合、ITO膜の透明電極31がなくなる
ため、可視光の透過率向上、X電極の面積低減による電
極間容量低減、及びプロセス削除による低コスト化がで
きる。バス電極32は、不透明なAg系等の厚膜導体で
形成されるが、Cr/Cu/Crの金属積層膜で数μm
程度形成する場合もある。また、厚膜導体のバス電極3
2に黒色系の導体材料を用いることにより、ブラックマ
トリックスを兼ねて形成することができる。透明電極3
1、バス電極32の上には、壁電荷を蓄積する厚膜(薄
膜の場合もある)の誘電体層35、2次電子放出係数が
大きく耐スパッタ性に優れたMgO膜の保護層36が順
に形成される。保護層36は、プロセス、コスト面から
厚膜で形成する場合もある。この保護層36に用いる材
料として、MgOの外に陰極降下電圧Vcの低い材料と
して、BaO、Y23、ZnO、RuO2等がある。
【0040】背面ガラス基板4の場合、ガラス基板37
の上にSiO2 の下地膜38を形成し、Ag系の厚膜導
体からなるアドレス電極(A電極)39、厚膜の誘電体
層40と誘電体厚さを増加させるためのライン状誘電体
層41、更にこのライン状誘電体層41上にAg系等の
厚膜導体からなる表示電極(Y電極)42、そしてY電
極42を覆うためのライン状誘電体層43が順に形成さ
れ、最後に背面ガラス基板4の放電領域のほぼ全面にM
gO膜の保護層44が形成される。図7に示す表示セル
33の領域では全面に形成される。A電極39、Y電極
42に厚膜導体を用いることにより、Cr/Cu/Cr
の金属積層膜を用いる場合に比べて簡易プロセス、低コ
スト化を実現している。メタル隔壁1は、図3〜図6な
どに説明したように金属薄板5(5―1、5―2、5―
3)を3枚積層した構造である。各々の表面に形成され
た絶縁皮膜45としては、成膜速度等のプロセス条件を
適正化(高スループット化、低コスト化)するため、メ
タル隔壁1の駆動条件から高電界領域46と低電界領域
47を切り分けて酸化アルミ被膜や非晶質ガラス被膜を
耐電圧特性を満足させるように使用している。例えば、
メタル隔壁1が前面ガラス基板3、背面ガラス基板4と
向かい合う近傍面では高い耐電圧特性が要求されるた
め、絶縁皮膜45の被膜厚さ48、49を他の部分より
も最大で2倍程度、或いはそれ以上厚く形成している。
また、例えば、積層固着に用いるフリットガラス等につ
いては、主に低電界領域に用いた非晶質ガラス被膜で再
溶融させることにより兼用させている。絶縁皮膜45を
有する金属薄板5を積層固着したメタル隔壁1は、更に
貫通孔6の内面に誘電体である蛍光体50が形成され
る。各構造のメタル隔壁1を用いることに対するメリッ
トは前述の通りである。
【0041】図8は、図7と同様に、図3から図6など
で示した3枚積層のメタル隔壁1を用いたプラズマデイ
スプレイパネル2の断面図であり、1セルの短手方向断
面を示す。セル構造に対しては、図2におけるA−A’
線の断面に相当する。図7では電極構造から背面ガラス
基板4側に現れなかった高電界領域46が、Y電極42
の近傍に形成されている。この近傍領域での耐電圧を確
保するため、メタル隔壁1の絶縁皮膜45の被膜厚さ4
9をX電極34の場合と同様に十分に厚く形成してい
る。
【0042】最後に、このようなプラズマデスプレイパ
ネルにおける電界分布について説明する。
【0043】図9(a)、(b)は、それぞれ表示駆動
用電極間の電界分布を示す。図8の電極構造をモデル化
し、表示駆動用電極となるX電極51、Y電極52、及
びM電極53(メタル隔壁1)の駆動状態を示す。即
ち、(a)、(b)の状態は、AC型駆動としてそれぞ
れY電極52,X電極51が交互にカソードになり、残
りの電極がアノードとして駆動される。メタル隔壁1の
M電極53は、常時アノードとして駆動される。このた
め、表示駆動用電極間には、高電界が発生する領域(破
線内部)54と低電界が発生する領域(一点鎖線内部)
55が存在し、高電界が発生する領域54はAC型駆動
による極性反転で低電界の発生する領域55にもなる
が、M電極53(メタル隔壁1)の内部は常時低電界の
領域をもつ。従って、前述のメタル隔壁1の構造及びそ
の耐電圧特性は、この性質を基に絶縁皮膜構造、プロセ
ス、材料を適正化して構成している。以上のようなメタ
ル隔壁1を用いることで、プラズマデイスプレイパネル
におけるグロー放電時の陰極暗部、陽光柱を効率よく形
成(駆動)することが可能となり、高発光効率、高輝度
なプラズマデイスプレイパネルを実現することができ
る。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、絶縁皮膜の耐電圧を向
上させる低コストで高信頼度のメタル隔壁を提供でき
る。また、このメタル隔壁を用いて低コストで高信頼度
なプラズマデイスプレイを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2に矢印A−A’で示した、本発明のメタル
隔壁を示す断面図である。
【図2】本発明のメタル隔壁を示す平面図である。
【図3】本発明の積層構造のメタル隔壁を示す断面図で
ある。
【図4】本発明の積層構造のメタル隔壁を示す断面図で
ある。
【図5】本発明の積層構造のメタル隔壁を示す断面図で
ある。
【図6】本発明の蛍光体を形成した積層構造のメタル隔
壁を示す断面図である。
【図7】本発明のメタル隔壁を用いたプラズマデイスプ
レイパネルの表示セル構造を示す断面図である。
【図8】本発明のメタル隔壁を用いたプラズマデイスプ
レイパネルの表示セル構造を示す断面図である。
【図9】(a)、(b)は、本発明のメタル隔壁を用い
たプラズマデイスプレイパネルの表示駆動用電極間の電
界分布状態(電気力線)図を示す。
【図10】本発明の積層構造のメタル隔壁を示す断面図
である。
【符号の説明】
1… メタル隔壁、 2… プラズマデイスプレイパネ
ル、3… 前面ガラス基板、4… 背面ガラス基板、5
(5―1、5―2、5―3)… 金属薄板、6… 貫通
孔、7、45… 絶縁皮膜、8、9、15、16、1
7、18、20、21、22、23、25、48、49
… 被膜厚さ、10… セル長さ(L)、11… セル幅
(W)、12… 放電路長さ(g)、19… フリットガ
ラス、24、28…ガラス被膜、26、27… 酸化ア
ルミ膜、29、50… 蛍光体、34、51… 共通表示
電極(X電極)、39… アドレス電極(A電極)、4
2、52…表示電極(Y電極)、46… 高電界領域、
47… 低電界領域、53… M電極、54… 高電界が
発生する領域、55… 低電界の発生する領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 良二 島根県安来市安来町2107番地2 日立金属 株式会社安来工場内 Fターム(参考) 5C040 GF03 GF06 GF13 GF18 KA04 KA07 KA09 KA11 KB19 MA10 MA26

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の貫通孔を有する金属薄板の上下表面
    及びその孔内面を酸化物セラミックスで被覆し、かつ該
    酸化物セラミックスで被覆した厚さを該金属薄板の孔内
    面よりも上下表面で厚くなるように構成したことを特徴
    とするメタル隔壁。
  2. 【請求項2】複数の貫通孔を有する金属薄板の上下表面
    及びその孔内面を酸化物セラミックスで被覆した金属薄
    板を該貫通孔を合わせて複数枚積層し、該複数枚積層し
    た最外層の金属薄板2枚の各々上下表面、又はそれらの
    内の外側表面を被覆した酸化物セラミックス膜厚を孔内
    面の膜厚よりも厚くなるように構成したことを特徴とす
    るメタル隔壁。
  3. 【請求項3】前記複数枚の金属薄板をフリットガラスで
    固着して積層させたことを特徴とする請求項2記載のメ
    タル隔壁。
  4. 【請求項4】前記金属薄板の上下表面の膜厚を孔内面の
    膜厚よりも約2倍以上に厚くして構成したことを特徴と
    する請求項1記載のメタル隔壁。
  5. 【請求項5】前記最外層の金属薄板2枚の各々上下表
    面、又はそれらの内の外側表面の膜厚を孔内面の膜厚よ
    りも約2倍以上に厚くして構成したことを特徴とする請
    求項2または3記載のメタル隔壁。
  6. 【請求項6】複数の貫通孔を有する金属薄板を複数枚積
    層したメタル隔壁であって、最外層2枚の金属薄板を上
    下表面及びその孔内面を酸化物セラミックスで被覆しか
    つ金属薄板の該最外層2枚に挟まれた残りの金属薄板を
    上下表面及びその孔内面を非晶質ガラスで被覆して構成
    したことを特徴とするメタル隔壁。
  7. 【請求項7】前記非晶質ガラスを再溶融させて前記最外
    層2枚に挟まれた前記残りの金属薄板を前記最外層2層
    の金属薄板と固着したことを特徴とする請求項6記載の
    メタル隔壁。
  8. 【請求項8】上下表面及び該貫通孔の角部近傍に酸化物
    セラミックスを被覆した後にその上下表面及び貫通孔内
    面に非晶質ガラスを被覆して形成した金属薄板を複数枚
    積層したメタル隔壁であって、該非晶質ガラスを再溶融
    させて金属薄板間を固着して構成したことを特徴とする
    メタル隔壁。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載のメタル隔
    壁を用いたプラズマデイスプレイパネル。
  10. 【請求項10】請求項1〜8のいずれかに記載のメタル
    隔壁を表示駆動用電極として用いたプラズマデイスプレ
    イパネル。
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