JP2001266535A - 磁気テープカセット、カセットハーフおよびその成形方法 - Google Patents

磁気テープカセット、カセットハーフおよびその成形方法

Info

Publication number
JP2001266535A
JP2001266535A JP2000359573A JP2000359573A JP2001266535A JP 2001266535 A JP2001266535 A JP 2001266535A JP 2000359573 A JP2000359573 A JP 2000359573A JP 2000359573 A JP2000359573 A JP 2000359573A JP 2001266535 A JP2001266535 A JP 2001266535A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic tape
cassette
winding
upper half
pair
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2000359573A
Other languages
English (en)
Inventor
Shozo Omori
昭三 御守
Kazuo Hiraguchi
和男 平口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000359573A priority Critical patent/JP2001266535A/ja
Publication of JP2001266535A publication Critical patent/JP2001266535A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/0025Preventing defects on the moulded article, e.g. weld lines, shrinkage marks

Landscapes

  • Packaging Of Annular Or Rod-Shaped Articles, Wearing Apparel, Cassettes, Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】窓部と上ハーフ本体を2色成形で形成する際
に、窓部におけるウエルドの発生を防止して、成形外観
不良を低減することのできるカセットハーフおよびその
成形方法、磁気テープの貼り付きを防止させ、フリクシ
ョンシート、磁気テープエッジ自体の削れを低減させる
ことのでき、オートローダにおける搬送時に前蓋が押し
開かれない磁気テープカセットを提供する。 【解決手段】磁気テープカセットの上ハーフを射出成形
する金型に、上ハーフに設けられる透明または半透明の
窓部を成形するキャビティに流れ込む溶融樹脂の流れを
円滑にするためのガスベントピンを設けたこと、フリク
ションシートがポリエチレン系樹脂であり、1×107
Ω〜1×1010Ωの表面電気抵抗値を有すること、本体
ケース上面の前蓋側に、検知部材のローラが通過する際
の抵抗を低下させるためのリブを設けることにより、上
記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープカセッ
トおよびその樹脂製品を金型で成形する際の射出成形方
法の技術分野に属し、より詳細には、一対の巻取ハブに
巻回された磁気テープを収容する磁気テープカセットの
ケースを形成するカセットハーフおよびその成形方法、
磁気テープの帯電を防止し、磁気テープの摺動性を確保
するための改良されたフリクションシートを備えた磁気
テープカセットおよびカセット自動搬送装置に対する着
脱適正を向上させた磁気テープカセットに関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂製品の一例として、例えば、オーデ
ィオやビデオやコンピュータ用等に用いられている磁気
テープカセットがある。磁気テープカセットは、通常、
蓋合わせ状に結合された上下カセットハーフで形成され
たケース本体内に、磁気テープが巻回された一対のハブ
を回転自在に内蔵保持した構造である。このようなカセ
ットハーフは、一般にPS、ABS等の熱可塑性プラス
チックの射出成形によって作られているが、磁気テープ
の巻回状態を外部から目視確認できるようにカセットハ
ーフ全体が光透過性の材料、例えばAS、PS等の材料
で構成されたり、透明あるいは半透明の窓部が不透明の
カセットハーフ本体に設けられたりしている。
【0003】従来、この窓部は、カセットハーフ本体と
は別に成形した窓部材をカセットハーフ本体に接着剤で
接着したり、超音波溶着していた。しかし、この場合窓
部材の成形ならびに接着工程を必要とするため、デザイ
ンに制約があり、かつ生産性が良くないこともあって、
最近では、2色成形法(または多色成形法)により、カ
セットハーフ本体と窓部を一体成形するようになってい
る。
【0004】図8に、従来の磁気テープカセットの上ハ
ーフを平面図で示す。上ハーフ110には、カセットケ
ース内部に収容される磁気テープの巻回状態を外部から
目視確認できるように透明または半透明の窓部112が
設けられている。また、この窓部112には、磁気テー
プを巻回す巻取ハブの位置規制をするためのリブ11
4、116が設けられている。これらのリブ114、1
16は、巻取ハブの形状に合わせて、例えば114a、
114bのように、2つに分けて円周状に配置されてい
る。
【0005】図8におけるIV−IV線に沿った断面図
を図9に示す。図9に示すように、上ハーフ110の窓
部112には、巻取ハブの位置規制用リブ114(11
4a、114b)が、巻取ハブの位置を規制し、かつ巻
取ハブの回転を妨げない適度な範囲の高さで立設されて
いる。
【0006】この窓部112を、例えば2色成形法で成
形する様子を、図10に示す。成形金型の固定側金型1
20aと可動側金型120bおよびスライドコア122
によって囲まれた空間(キャビティ)に溶融樹脂を射出
して上ハーフ本体110を成形し、その後、図10に示
すように、スライドコア122を窓部112の厚み分だ
け摺動し、そこでできた空間(キャビティ)124にゲ
ート126から透明または半透明な樹脂を射出して窓部
112を成形する。このとき、スライドコア122に
は、窓部112に形成されるべき巻取ハブ位置規制用リ
ブ114(114a、114b)のための凹部128
(128a、128b)が形成されている。
【0007】ところで、周知のように、磁気テープカセ
ットは、長尺の磁気テープのそれぞれの端部を固定した
上で、この磁気テープを巻き掛けた一対の巻取ハブをカ
セット本体(上ハーフおよび下ハーフ)に収容してお
り、少なくとも磁気テープの記録再生装置に装填された
際に、磁気テープを磁気ヘッドに当接させることができ
るように、一対の巻取ハブの間に張架された磁気テープ
の一部分のみをカセット本体の外部に露出するようにな
っている。磁気テープカセットが記録再生装置に装填さ
れると、巻取ハブ間に張架され、カセット本体から露出
された磁気テープの一部分が記録再生装置内の磁気ヘッ
ドに当接し、巻取ハブが回転されて、磁気テープが走行
し、記録再生装置内の磁気ヘッドに摺動することによ
り、磁気ヘッドが、磁気テープに情報を記録し、また磁
気テープより情報を再生する。
【0008】オーディオ用磁気テープカセットなどで
は、磁気テープカセットが記録再生装置に装填される
と、巻取ハブ間に張架され、カセット本体から露出され
た磁気テープの一部分が記録再生装置内の磁気ヘッドに
当接し、巻取ハブが回転されて、磁気テープが走行し、
記録再生装置内の磁気ヘッドに摺動することにより、磁
気ヘッドが、磁気テープに情報を記録し、また磁気テー
プより情報を再生する。ビデオ用磁気テープカセットな
どのように、テープ保護のために前蓋を有するもので
は、磁気テープカセットが記録再生装置に装填される
と、それに連動してこの記録再生装置内の機構により、
前蓋が磁気テープを開放する位置に回動され、巻取ハブ
間に張架された磁気テープの一部分がカセット本体から
露出される。そして巻取ハブが回転され、磁気テープが
走行し、記録再生装置内の磁気ヘッドに当接して摺動す
ることにより、磁気ヘッドが、磁気テープに情報を記録
し、また磁気テープより情報を再生するようになってい
る。
【0009】磁気テープの走行時に磁気テープが上下動
すると、磁気ヘッドに正しく当接しないし、また摺動し
ないため、適正な記録・再生が行われず、また、他の故
障の原因となる虞がある。従って、磁気テープの走行時
における上下動を抑制し、磁気テープの走行位置の規制
精度を向上させ、走行性の安定を図ることが必要であ
る。このため、従来、フランジ無しタイプの巻取ハブを
使用した磁気テープカセットにおいては、磁気テープを
巻回した巻取ハブとカセット本体(上下ハーフ)との間
にフリクションシートを介在させて、磁気テープの走行
位置(高さ)を規定して、磁気テープの走行位置を調整
することが行われている。さらに、このフリクションシ
ートに賦形部(しぼり)を設け、この賦形部の高さで磁
気テープの走行位置(高さ)を規定することが行われて
いる。
【0010】一方、磁気テープの厚みが10μm以下に
おいては、磁性面およびベース材の種類にもよるが、磁
気テープのテープエッジはシャープなものとなり、テー
プエッジと接触する部材、例えばフリクションシートの
耐久性が問題となる。また、磁気テープの磁性面および
ベース材の表面電気抵抗値は、1×105 Ω〜1×10
12Ωであり、高速で巻き込まれた際の摩擦による帯電に
より記録再生装置のヘッドへの影響や磁気テープの機構
部品への貼り付きなどの故障が危惧されるという問題が
ある。特に、磁気テープの長さが長いほど、その影響は
大きくなり、帯電しやすくなるという問題がある。
【0011】ところで、このフリクションシート(以
下、単にシートともいう)は、通常、高密度ポリエチレ
ン樹脂(高密度PE)等で形成されており、それ自体の
電気抵抗は、非常に大きく、おおよそ1016Ω程度であ
る。このため、シート自体帯電しやすく、シートとカセ
ット内壁面、磁気テープまたは巻取ハブとの接触や摺接
によって容易にシートが帯電し、ゴミが付着しやすい。
これはさらに、磁気テープや巻取ハブがシートに摺接
し、剥離帯電が発生することにより一層問題となってい
る。
【0012】なお、コンピュータシステムの記憶装置と
しては種々の大容量記憶装置が用いられているが、記憶
容量の多さから、特に大規模ユーザでは磁気テープ媒体
がよく用いられている。中でも、近年では、大容量で、
かつ取り扱いが容易であることから、カセットタイプの
磁気テープ媒体、すなわち、磁気テープカセットが多く
用いられている。
【0013】このような磁気テープカセットとしては、
ケース内の左右に磁気テープを巻き付けたハブを収容
し、このケースの前面部にはテープ引き出し用の開口が
形成され、この開口を開閉する前蓋がケース前部に揺動
自在に設置され、ケース下面側には前後方向に移動可能
なスライダが設けられたものが用いられる。一方、カセ
ット自動搬送装置(以下、オートローダという)は、複
数の磁気テープカセットを収容し、搬送機構により順次
搬送する装置であり、磁気テープカセットを記録再生装
置の磁気ヘッド部分に連続的に自動供給するように接続
される。
【0014】図12に示すように、このようなオートロ
ーダ140は、例えば全体として箱型の形状に形成され
た枠体142の上段部に磁気テープカセット81を挿入
し、下段部から送出されるように循環式に構成されてい
る。図12に例示した装置は、全体として7個の磁気テ
ープカセット81が収容可能なものであり、側壁にレー
ル状に形成された上段のガイド部材144の上に2個の
磁気テープカセット81が載置可能で、また、奥部収納
部146には3個の磁気テープカセット81が積み重ね
られた状態で収納可能であり、さらに、下段の搬送部1
48には2個の磁気テープカセット81が収納可能であ
る。
【0015】上段のガイド部材144上に挿入された2
個の磁気テープカセット81は、次の磁気テープカセッ
ト81が挿入されるに伴い、奥部収納部146に移動し
て自重で落下し、順次積み重ねられるもので、図示され
ていない搬送機構により奥部収納部146の最下段の磁
気テープカセット81が矢印の方向に、奥部から手前側
に搬送されるもので、下段搬送部148を順送りに移動
して送出される。この下段搬送部148においては、送
出される磁気テープカセット81は、前蓋91と反対側
のケース82の後部を搬送方向前側にして押し出すよう
に移動される。なお、搬送機構およびこの搬送機構が出
入りする枠体142の開口部などの詳細は、図示を省略
している。
【0016】上述の循環式のオートローダ140におい
ては、下段搬送部148の上面部の上壁152には、送
出される磁気テープカセット81を位置決めして停止す
る押圧係合部材150を備えている。この押圧係合部材
150は、図13にも示すように、下面側に細いローラ
150aを備えた板バネ150bで構成され、板バネ1
50bの一端が上述の上壁152に固着されている。上
記ローラ150aは、板バネ150bの付勢力で磁気テ
ープカセット81のケース82の上面に押圧接触する。
そして、磁気テープカセット81には、ケース82の上
面(上ハーフ83)の前部側に凹部85が形成され、こ
の凹部85にローラ150aが係合して位置決めを行う
ようになっている。
【0017】なお、磁気テープカセット81の基本構造
は、一部(上ハーフ83の前端部および前蓋91の上壁
部の構造)を除いて、後述の図6に示す磁気テープカセ
ット80と同一であり、同一構成要素には同一符号を付
しているので、その説明を参照されたい。また、以下の
説明においては、磁気テープカセット81の装填方向
(図の矢印A方向)を前方、これと逆方向を後方とい
う。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術のように、図8および図9に示すような磁気テ
ープカセットの上ハーフの窓部112を射出成形で形成
する場合には、次のような問題がある。すなわち、図1
0に示すように、ゲート126からキャビティ124内
に射出された溶融樹脂は、図に矢印で示すように流れ、
平坦な部分ではそのまま水平に流れるが、巻取ハブ位置
規制リブ114(図8参照)の部分に対応する凹部12
8a、128bでは、一旦樹脂はその中へ侵入した後、
また戻ってきてさらに前へ進むこととなる。また、この
とき凹部128(128a、128b)が樹脂の進行方
向に対して直交する方向で、より流れが妨げられ、さら
に樹脂中に熱で発生したガスが含まれていると、一層そ
の流れが妨げられる。
【0019】このように、溶融樹脂が巻取ハブ位置規制
リブ114(図8参照)の部分を乗り越えながら、樹脂
が充填されるため、樹脂の流動層が抵抗を受けながら進
む結果、巻取ハブ位置規制リブ114のない部分の方
が、樹脂が、回り込んで早く進み、図11に平面図で示
すように、窓部112の端部(樹脂の最終充填部)にお
いて、2方向から来た樹脂層同士が接触して、その接合
部にウエルド130と呼ばれる筋状の異色部が形成され
てしまい、その外観を悪化させるという問題があった。
とりわけ、窓部112は、透明であるため、このような
品質不良は好ましくないという問題があった。
【0020】また、上述した従来の磁気テープカセット
においては、フリクションシートによって磁気テープの
走行位置を規定しているため、このフリクションシート
の耐久性の向上と、表面電気抵抗値の低減が課題となっ
ている。ここで、フリクションシートの耐久性とは、テ
ープエッジとの削れのことであるが、このテープエッジ
によるシートの削れは、シートとして多孔質シートを採
用することにより、防止でき、耐久性の課題は解決でき
る。
【0021】ところで、フリクションシートの表面電気
抵抗値を低減するために、シートが多孔質であることを
利用して、例えば4級アンモニウム塩を含む混合物等の
帯電防止剤をシートに浸漬したり、塗布したりすること
により、シートに帯電防止剤を含浸させることが考えら
れる。このようにシートの表面電気抵抗値の低減に足し
て帯電防止剤を使用した場合、帯電防止剤の濃度を高く
すればするほど、表面電気抵抗値は一般に低減される。
【0022】しかし、帯電防止剤は、シート表面に形成
されている微小孔の中に含浸され、嵌装され、付着して
いるだけである。このため、わずかな衝撃で帯電防止剤
が剥がれて、欠落してしまう場合があるという問題が生
じることがあった。帯電防止剤の濃度を高くすると、コ
ストが高くなるだけでなく、シートへの帯電防止剤の付
着量が多くなるため、シートから欠落する量も多くな
る。この欠落物は、磁気テープに付着し、テープさらに
はカセット内を汚染する原因となり、外観や製品性能を
損ない、磁気テープ自体および磁気テープカセットの品
質の低下を招くという問題があった。
【0023】さらにまた、上述のように、図12に示す
構成を有する循環式のオートローダ140に磁気テープ
カセット81を装填して順次搬送する場合には、その搬
送移動に応じて位置決め用の押圧係合部材150のロー
ラ150aが、磁気テープカセット81の上面を押圧状
態で移動する際に、上記ローラ150aが前蓋91に引
っ掛かって、安定した搬送動作を得るについての障害と
なるとともに、前蓋91に無理な(過大な)力が作用し
て、前蓋91を押し開くような湾曲変形を生じさせた
り、破損の原因となる問題を有する。
【0024】つまり、図13に示すように、板バネ15
0bの付勢力で押し付けられているローラ150aが磁
気テープカセット81のケース82上面の凹部85に係
合している状態から、搬送機構によって磁気テープカセ
ット81が図の右方(矢印Dの方向)に搬送されると、
ローラ150aは凹部85からケース82上面を前方側
に相対的に移動することになり、一点鎖線で示す150
a’のように、ケース82の上面前端部と前蓋91の上
部後端部との間に形成された隙間98に入り、前蓋91
の上部後端に引っ掛かり、搬送力によって前蓋91のリ
ッド部92の中央部分が前方に湾曲するように弾性変形
し、押し開かれる力を受ける(図13中に一点鎖線で示
した92’)場合がある。特に、上記前蓋91の中央部
分は剛性が低く、弱い力でも変形して隙間98が広が
り、上記ローラ150aが引っ掛かりやすいという問題
がある。
【0025】なお、上記ローラ150aの押圧力は1〜
2N程度の力であり、小型の磁気テープカセット81を
押し付けて位置決めするには十分であるが、上述のよう
に前蓋91に引っ掛かり、押し開く力をも生じる原因に
なっている。このローラ150aの押圧力を小さくする
と、上記前蓋91への引っ掛かりの発生は少なくなる
が、位置決め力が不足して不安定になるという問題が生
じていた。
【0026】本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてな
されたものであり、その第1の課題は、窓部と上ハーフ
本体を2色成形で形成するカセットハーフにおいて、窓
部におけるウエルドの発生を防止して、成形外観不良を
低減することのできるカセットハーフ及びその成形方法
を提供することにある。
【0027】また、本発明は、上記従来技術の問題に鑑
みてなされたもので、その第2の課題は、シャープなテ
ープエッジを持つ磁気テープを使用し、このような磁気
テープエッジとシートとの擦れが高速になることがあっ
ても、擦れによる帯電防止剤の欠落物の量が極めて少な
く、かつフリクションシートへの帯電防止効果を損なう
ことなく、磁気テープの貼り付きを防止させ、シート、
磁気テープエッジ自体の削れを低減させることのできる
磁気テープカセットを提供することにある。
【0028】さらにまた、本発明は、上記事情に鑑みて
なされたもので、その第3の課題とするところは、従来
の技術における問題を解消し、磁気テープカセットの前
蓋にオートローダの検知ローラが引っ掛からないように
して、オートローダにおける搬送時に前蓋が押し開かれ
る力を受けないようにした磁気テープカセットを提供す
ることにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るために、本発明の第1の態様の第1の形態は、磁気テ
ープを巻回した一対の巻取ハブを収容し、蓋合わせ状に
結合されたカセットケースを形成する上ハーフを金型で
射出成形するに際し、この上ハーフに設けられた透明ま
たは半透明の窓部を成形する前記金型のキャビティに流
れ込む溶融樹脂の流れを円滑にするためのガスベントピ
ンを前記金型に設けたことを特徴とするカセットハーフ
の成形方法を提供するものである。
【0030】また、同様に、上記第1の課題を解決する
ために、本発明の第2の態様の第2の形態は、磁気テー
プを巻回した一対の巻取ハブを収容し、蓋合わせ状に結
合されたカセットケースを形成し、金型で射出成形され
るカセットハーフであって、前記カセットハーフの上ハ
ーフに前記巻取ハブの位置規制用のリブを有する透明ま
たは半透明の窓部を設け、該窓部を射出成形する際、前
記巻取ハブの位置規制用のリブの天面の、溶融樹脂の流
動方向に直交する部分に、該溶融樹脂の流れを円滑にす
るためのガスベントピンを設けた金型により、成形され
たことを特徴とするカセットハーフを提供するものであ
る。
【0031】また、上記第2の課題を解決するために、
本発明の第2の態様は、上ハーフと下ハーフとを蓋合わ
せ状に結合して形成したカセット本体と、このカセット
本体内に回転可能に収納され、磁気テープを巻回した一
対の巻取ハブと、この一対の巻取ハブと、前記上ハーフ
および前記下ハーフの少なくとも一方との間に介在する
フリクションシートとを有し、前記磁気テープは、厚み
が7.7μm以下、最大巻き長さが120m以上であ
り、前記カセット本体への最大巻き込み速度が2m/秒
以上であり、前記フリクションシートはポリエチレン系
樹脂であり、1×107 Ω〜1×1010Ωの表面電気抵
抗値を有することを特徴とする磁気テープカセットを提
供するものである。
【0032】ここで、前記ポリエチレン系樹脂は、高分
子化合物を構成する分子中の水素原子の一部または全部
をフッ素原子に置換したフッ素系樹脂であるのが好まし
い。
【0033】また、上記第3の課題を解決するために、
本発明の第3の態様は、複数の磁気テープカセットを収
容し、搬送機構により順次搬送するカセット自動搬送装
置に装填する磁気テープカセットであって、本体ケース
上面には、前記カセット自動搬送装置に設けられている
位置決め停止用のローラとバネを有する押圧係合部材が
係止する凹部が形成され、本体ケース前面部にはテープ
引出し用の開口を開閉する前蓋が揺動自在に設けられ、
本体ケース下面側には前後方向に移動可能なスライダを
有して構成され、前記本体ケース上面の前記凹部の前記
前蓋側に、前記ローラが通過する際の抵抗を低下させる
ためのリブを設けたことを特徴とする磁気テープカセッ
トを提供するものである。
【0034】なお、本発明に係る磁気テープカセットに
おいては、上記構成に加えて、さらに、前記前蓋の前記
リブに対応する位置に、前記リブの凸状に対応する凹部
を設けることが好ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明に係る磁気テープカセッ
ト、カセットハーフおよびその成形方法を添付の図面に
示す好適実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
【0036】以下に、図1および図2を参照して、本発
明の第1の態様のカセットハーフおよびその成形方法を
説明する。本発明の第1の態様の第1の実施形態のカセ
ットハーフの成形方法によって、本態様の第2の実施形
態である透明な窓部を有する上ハーフを2色成形する様
子を図1に示す。図1に示すように、DDS( Digital
Data Storage)カセットの上ハーフ10は、透明な窓部
12を有し、金型(固定側金型20a、可動側金型20
b、スライドコア22)によって成形される。従来と同
様に、まず固定側金型20aと可動側金型20b及びス
ライドコア22によって囲まれた空間(キャビティ)に
溶融樹脂が流入されて、上ハーフ本体10が成形され
る。その後、図1に示すように、スライドコア22が窓
部12の厚さ分だけ摺動して窓部12を形成すべき空間
(キャビティ)24が形成され、ここへゲート26から
透明な樹脂(例えばASなど)が射出されて窓部12が
形成される。
【0037】このとき、ゲート26からキャビティ24
内へ射出された溶融樹脂は、図に矢印で示すように進行
する。そして巻取ハブ位置規制用リブ14(14a、1
4b)に対応するスライドコア22の凹部28(28
a、28b)に一旦流入し、再び出てきてまた直進する
ように流れて行く。このとき、本実施形態では、ゲート
26より遠い方の巻取ハブ位置規制用リブ14bの天面
15に樹脂流動を円滑にするためのガスベントピン30
を設ける。ガスベントピン30は、スライドコア22の
中に、別部材として設けられるため、スライドコア22
との間にわずかなかな隙間(クリアランス)30aを有
しており、熱により樹脂中に発生したガスが、ここから
排出される。
【0038】この様子を、図2に斜視図として示す。図
2では、簡単のため、ゲートおよびガスベントピンのみ
を表す。図2に示すように、ガスベントピン30は、ゲ
ート26より遠い方の巻取ハブ位置規制用リブ14bの
天面15上に垂直に設けられている。さらに、ゲート2
6から樹脂が左右に(窓部12長手方向に)流れるが、
この樹脂の流れる方向に垂直となる位置にガスベントピ
ン30は設けられている。図2に示すように、窓部12
は、ゲート26に対し左右対称であり、窓部12に設け
られたもう一方の巻取ハブ位置規制用リブ16(16
a、16b)のゲート26から遠い方のリブ16bの天
面にも同様にガスベントピン62が設けられている。
【0039】窓部12に設けられた巻取ハブ位置規制リ
ブ14、16の部分においては、前述したように、溶融
樹脂の流れが変動し、その流れが妨げられる。このと
き、溶融樹脂内に発生しているガスが、このような溶融
樹脂の流れが変動する凹部に停留し、溶融樹脂の流れを
一層妨げている。本実施形態では、このように、樹脂の
流れが滞る(変動する)箇所にガスベントピンを設けた
ため、効率よく、ガスを金型の外へ排出することがで
き、樹脂の流れを円滑にすることができ、その結果、ウ
エルドの発生を抑制することができる。
【0040】なお、本実施形態では、ガスベントピンを
ゲートから遠い方の巻取ハブ位置規制用リブの天面に設
けているが、ゲートに近い方においては、ゲートから射
出されたばかりで、まだ樹脂の圧力が高いため、流れが
妨げられることが比較的少なく、ゲートから遠い方の位
置に設ける方が効果的だからである。しかし、ゲートに
近い方の巻取ハブ位置規制用リブにも、同様にガスベン
トピンを設けるようにしてももちろんかまわない。両方
の巻取ハブ位置規制用リブの天面の位置にガスベントピ
ンを設けることで、より一層の効果が得られる。
【0041】このように、ガスベントピンを設ける位置
は、ゲートから遠い方の巻取ハブ位置規制用リブの天面
の位置が好ましいが、特にここに限定されるものではな
く、樹脂の流れが変動する場所にガスベントピンを設け
ることにより、充分ガス抜きの効果を得ることができ
る。
【0042】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、溶融樹脂の流れを妨げているガスを排出するガスベ
ントピンを最も効果的な位置に設置したため、ガスを効
率よく金型の外へ排出することができ、樹脂の流れを円
滑にして、ウエルドの発生を防止し、上ハーフの完成品
の外観をよりよいものとすることができた。本発明の第
1の態様のカセットハーフおよびその製造方法は、基本
的に以上のように構成される。
【0043】次に、図3および図4を参照して、本発明
の第2の態様の磁気テープカセットを説明する。図3
は、本発明の第2の態様に係る磁気テープカセットのカ
セット本体の一実施形態の概略構成を示す部分分解斜視
図であり、図4は、図3に示す磁気テープカセットのカ
セット本体内に収納される、一対の巻取ハブに巻回され
た磁気テープおよびこれらを両側から挟持するフリクシ
ョンシートの一実施形態の概略構成を示す分解斜視図で
ある。
【0044】これらの図に示すように、磁気テープカセ
ット(以下、単にカセットという)40は、蓋合わせ状
に結合して筐体として形成され、カセット本体を構成す
る上下一対の上ハーフ(上カセットハーフ)42および
下ハーフ(下カセットハーフ)44(図3参照)と、こ
のカセット本体内に収納される一対の巻取ハブ46,4
6と、これらの一対の巻取ハブ46,46に巻回される
磁気テープ48と、これらの巻取ハブ46,46および
これらに巻回される磁気テープ48と上ハーフ42との
間ならびに一対の巻取ハブ46,46およびこれらに巻
回される磁気テープ48と下ハーフ44との間にそれぞ
れ介在するフリクションシート(以下、単にシートとも
いう)50,50(図4参照)とを有する。
【0045】図3に示すように、上下一対の上ハーフ4
2および下ハーフ44は、略同一の形状を有し、これら
によって形成されるカセット本体の中空内部を記録再生
領域52とハブ収納領域54に分ける仕切壁56を備え
ている(上ハーフ42では図示が省略されている)。そ
して、上下一対の上下ハーフ42,44のハブ収納領域
54の両側略中央には、カセット前後方向(以下、ハブ
収納領域54に対して記録再生領域52の側を前方とす
る)に沿った中心線に対して左右対称に、一対の巻取ハ
ブ46,46を回転駆動するための記録再生装置の一対
のスピンドル軸がそれぞれ挿入される一対のスピンドル
軸挿入孔58,58と、これらのスピンドル軸挿入孔5
8,58の内周縁に沿って一対の巻取ハブ46,46を
回転可能に規制(または支持)する一対のハブ支持環状
リブ58a,58aと、前方両端側に一対の回転ガイド
ローラ60,60等とが設けられている。なお、この一
対の回転ガイドローラ60,60は、下ハーフ44に立
設される一対のピン60a,60aにそれぞれ回転可能
に支持される。
【0046】また、上下一対の上下ハーフ42,44の
記録再生領域52には、上述の中心線に対して左右対称
に、一対のキャプスタン挿入孔62,62および一対の
カセット位置決め孔64,64等が穿孔されている。下
ハーフ44の記録再生領域52の一対のカセット位置決
め孔64,64の内側には、上述の中心線に対して左右
対称に、一対のヘッドピン66,66等が立設されてい
る。さらに、記録再生領域52において、一対のヘッド
ピン66,66の後方には加圧パッド68を支持する板
状支持部材である板バネ70と、この板バネ70の後方
にはシールド板72が組み込まれている。また、上下一
対の上下ハーフ42,44の記録再生領域52の前方中
央には、記録再生時に、カセット前方から記録再生装置
の磁気ヘッド(図示せず)が記録再生領域52内に挿入
される磁気ヘッド挿入口74が形成されている。
【0047】そして、磁気ヘッドが磁気ヘッド挿入口7
4から記録再生領域52内に挿入されると、磁気ヘッド
の先端が、加圧パッド68とともに磁気テープ48がカ
セット40の内方へ押し込まれる。この結果、一対のヘ
ッドピン66,66間に張架された磁気テープ48のテ
ンションおよび板バネ70の付勢力に基づく加圧パッド
68の加圧力によって磁気テープ48が磁気ヘッド(そ
の先端に形成されたヘッドギャップ)に圧接される。記
録・再生を行う場合には、記録再生装置の一対のスピン
ドル軸によってこれらと係合する巻取ハブ46,46が
回転駆動され、磁気テープ48は、両ヘッドピン66,
66に張架され、磁気ヘッドに当接して摺動しながら走
行し、磁気テープに記録された音声情報が再生され、逆
に音声情報が磁気テープに録音される。
【0048】図4に示すように、磁気テープ48は、一
対の巻取ハブ46,46に巻回されている。巻取ハブ4
6は、外周にテープ巻取リング46aが設けられ、その
側面が磁気テープ巻面となっている。また、テープ巻取
リング46aの一部には、磁気テープ48の端部を固定
するための取り外し可能な小片17が取り付けられてい
る。巻取ハブ46の内周側には小径リング46bが形成
され、上下一対の上下ハーフ42および44のスピンド
ル軸挿入孔58のハブ支持環状リブ58aと係合して、
巻取ハブ46を回転可能に支持するとともに巻取ハブ4
6がスピンドル軸挿入孔58の位置から外れるのを規制
している。
【0049】ここで、本発明において用いられる磁気テ
ープ48は、その厚みが7.7μm以下、最大巻き長さ
が120m以上である必要がある。また、この磁気テー
プ48は、カセット40のカセット本体への最大巻き込
み速度が2m/秒以上となるものである。すなわち、本
発明に用いられる磁気テープ48は、本発明のカセット
40の製造時、例えばスリッターで裁断されてカセット
本体内に巻き込まれる際の巻き込み速度が2m/秒以上
となる場合があり、また、記録再生装置に装填された際
の早送り速度や巻き戻し速度等のカセット本体内への巻
き込み速度が2m/秒以上となる場合がある。なお、記
録再生装置に装填して普通に記録・再生する場合のカセ
ット本体内への巻き込み速度、すなわち通常の記録速度
や再生速度は、2m/秒以下であってもよいのはもちろ
んであり、通常、2m/秒以下である。好ましくは、磁
気テープ48の厚みは、2μm〜6μmであり、最大巻
き長さは、120m〜150mであり、カセット本体へ
の最大巻き込み速度は、2m/秒〜4m/秒であるのが
よい。
【0050】本発明において、用いられる磁気テープ4
8の厚みを7.7μm以下に限定するのは、厚さ7.7
μm以下の磁気テープでは、テープエッジがシャープな
ものとなり、テープエッジと接触する部材、ここでは後
述するフリクションシート50の耐久性が問題となるか
らである。また、磁気テープ48の最大巻き長さを12
0m以上および磁気テープ48のカセット本体への最大
巻き込み速度を2m/秒以上に限定するのは、本発明に
用いられるような通常の磁気テープ48の磁性面やベー
ス材の表面電気抵抗値は、1×105 Ω〜1×1012Ω
であり、長大なテープが巻き込まれた際や高速で巻き込
まれた際の摩擦による帯電により記録再生装置のヘッド
への影響や磁気テープの機構部品への貼り付きなどの故
障が危惧されるという問題があり、特に、磁気テープの
長さが長いほど、その影響は大きくなり、帯電しやすく
なるという問題があるからである。
【0051】本発明に用いられる磁気テープ48は、上
記厚みおよび長さを有し、カセット本体への巻き込み速
度が上記最大巻き込み速度となる場合があるものであれ
ば、特に制限はなく、どのようなものであってもよい。
すなわち、本発明のカセットの磁気テープの材質や用途
には、特に制限はない。従って使用されるベース材や磁
性体等には特に限定はなく、どのような材質のベース材
や磁性体を用いるものであってもよい。また、本発明に
用いられる磁気テープの磁性体としては、従来公知の磁
気テープに用いられる従来公知のすべての磁性体を挙げ
ることができる。本発明に用いられる磁気テープとして
は、このような磁性体とベース材とを密着させて、ある
幅にスリットした磁気テープ全般を挙げることができ
る。とりわけ、磁気テープをスリット処理した後に、磁
気テープのエッジ部に特殊なコーティングを施さないも
のが好ましい。
【0052】また、本発明に用いられる磁気テープのベ
ース材としては、従来公知の磁気テープに用いられる従
来公知のすべてのベース材を挙げることができるが、好
ましいベース材としては、PET(ポリエチレンテレフ
タレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ア
ラミド等を挙げることができる。磁性体層の厚さとして
は、2μm〜6μmであることが好ましく、さらに好ま
しくは2.5μm〜4μmである。また、磁気テープの
ヤング率としては、好ましくは縦横方向500kg/m
2 以上である。
【0053】また、図4に示すように、磁気テープ48
を巻回した巻取ハブ46,46とカセット40の内壁面
との間、即ち、巻取ハブ46と上ハーフ42との間、巻
取ハブ46と下ハーフ44との間には、それぞれフリク
ションシート50,50が、介挿される。これらのシー
ト50,50は、それぞれ穿孔されている4つの小孔5
0aを図3に示す上ハーフ42および下ハーフ44の4
つのリブ42aおよび44aに嵌合することによって、
上ハーフ42および下ハーフ44に位置決めされて取り
付けられる。また、シート50,50には、上下ハーフ
42,44の各2つのスピンドル軸挿入孔58,58に
対応してそれぞれ一対の挿入孔50b,50bが穿孔さ
れている。さらに、フリクションシート50,50は、
それぞれカセット左右方向(カセット40の前後方向に
直交する方向)に2本の賦形部50cおよび50dを有
している。シート50,50は、巻取ハブ46,46が
回転する際の摺動抵抗を下げ、回転を滑らかにするとと
もに、賦形部50c,50dにより磁気テープ48を巻
回した巻取ハブ46を支えて、高さ規制をする役割をも
果たしている。上述した例では、フリクションシート5
0は、磁気テープ48および一対の巻取ハブ46,46
と、上ハーフ42との間、ならびに下ハーフ44との間
の両方に介在させているが、本発明はこれに限定され
ず、いずれか一方のみに介在させてもよい。
【0054】本発明に用いられるフリクションシート5
0は、ポリエチレン系樹脂製である必要がある。これ
は、厚さ7.7μm以下であるテープエッジがシャープ
な磁気テープ48に対しても、テープエッジとの接触に
よるシートの削れがなく、もしくは小さく、シートの耐
久性を確保できるからである。シート50の耐久性を一
層向上させることができるので、シート50を多孔質シ
ートとすることがさらに好ましい。
【0055】本発明に用いられるフリクションシート5
0は、1×107 Ω〜1×1010Ωの表面電気抵抗値を
有するものである。上述した環境で走行される可能性の
ある、シャープなテープエッジを持つ磁気テープに対し
て、シート50に求められる表面電気抵抗値を検討した
結果、この範囲であることがわかった。シート50の表
面電気抵抗値を上記範囲内とすることにより、シャープ
なテープエッジを持つ磁気テープとシートとの擦れが高
速になることがあっても、擦れによる帯電防止剤の欠落
物の量が極めて少なく、かつフリクションシートへの帯
電防止効果を損なうことなく磁気テープの貼り付きを防
止させ、シート、磁気テープエッジ自体の削れを抑える
ことができる。なお、表面電気抵抗値の好ましい範囲は
1×109 Ω〜1×1010Ωである。本発明において、
磁気テープカセットがフリクションシートを複数有する
場合は、そのうちの少なくとも1つが上記特性を満たし
ていればよい。
【0056】上記特性を満たすため、フリクションシー
トには、適当な濃度の帯電防止剤を含浸させることがで
きる。使用される帯電防止剤としては、特に限定はな
く、例えば4級アンモニウム塩を含む混合物等を使用す
ることができる。帯電防止剤のフリクションシートへの
含浸方法としては、例えば、フリクションシートの原反
を帯電防止剤浴に晒す等の浸漬法、いわゆるコータで塗
布する方法等を挙げることができ、予め公知のプラズマ
処理、コロナ放電処理および紫外線処理等の前処理を施
して、シートを予め改質させることもできる。ここで、
磁気テープおよびフリクションシートの表面電気抵抗値
の測定方法として、JIS X 6130に準拠した方
法を採用した。
【0057】次に、本発明の磁気テープカセットに使用
されるフリクションシートが、上述した特性を満たす必
要がある理由について、図5に基づいて説明する。図5
は、フリクションシートの表面電気抵抗値と、フリクシ
ョンシートと磁気テープの貼り付き発生率との関係およ
び帯電防止剤の剥離率との関係を示した図である。フリ
クションシートとして、多孔質ポリエチレン製フリクシ
ョンシートを用意し、上述した測定方法により表面電気
抵抗値が1×105 Ω〜1×1013Ωとなるように、様
々な濃度の帯電防止剤(アンモニウム塩混合物)を浸漬
法により両面に含浸させた。次に、ベース材がアラミド
であり、磁性層の厚さが2μm、テープ総厚が5.6μ
mであり、幅が4mmであり、表面電気抵抗値が1.0
×106 Ωである磁気テープを用意した。
【0058】上述した各フリクションシートを備えたカ
セット本体のサンプルを用意し、温度23℃、相対湿度
50%の条件下で、カセット本体に上述した磁気テープ
を1〜4m/秒で125m巻き込んだ後、磁気テープの
貼り付き発生率(%)と、フリクションシートに含浸さ
せた帯電防止剤の剥離率(%)を測定し、図5に示し
た。なお、磁気テープの貼り付き発生率は中抜きの円で
示した。また、帯電防止剤の剥離率は各表面電気抵抗値
に対し、8回試験を行い、それぞれ中塗りの記号で表し
た。
【0059】ここで、磁気テープ貼り付きとは、磁気テ
ープの磁性面が上下シートまたはカセットのある面に貼
り付く現象を意味する。また、磁気テープ貼り付き率
(%)とは、カセット本体のサンプル数(5500巻)
に対する、貼りつきの発生したカセットの巻数の割合で
ある。また、帯電防止剤の剥離試験は、磁気テープ巻き
込み後にカセット本体から磁気テープを取り出し、磁気
テープエッジに帯電防止剤の剥離物が付着しているか否
かを目視で観察することにより行う。また、剥離率
(%)とは、カセット本体のサンプル数(100巻)に
対する、磁気テープエッジに付着物があったカセットの
巻数の割合である。なお、磁気テープエッジに付着した
付着物が帯電防止剤であるか否かの判断は、FT−IR
透過法により行った。
【0060】図5に示されるように、表面電気抵抗値が
1×107 Ω〜1×1010Ωであると、テープ貼り付き
発生率を0.02%以下に抑えることができ、かつ、帯
電防止剤の剥離率を46%以下に抑えることができる。
このため、この範囲にあるフリクションシートを使用す
ることにより、帯電防止剤の剥離を最小に抑え、かつフ
リクションシートの帯電防止効果を損なわずに、磁気テ
ープがフリクションシートに貼り付くことのない磁気テ
ープカセットを得ることができることがわかる。
【0061】ここで、本発明のフリクションシート50
の製造に用いられるポリエチレン系樹脂としては、ポリ
エチレン(PE)樹脂、多孔質ポリエチレン樹脂、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)樹脂等を挙げること
ができる。
【0062】さらに、本発明のシート50に用いられる
ポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂組成
物の分子中の水素原子の一部または全部をフッ素原子に
置換したフッ素置換ポリエチレン系樹脂であるのが好ま
しい。このようなフッ素置換ポリエチレン系樹脂として
は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレ
ン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等
を挙げることができる。このように、本発明に用いられ
るシート50を製造するポリエチレン系樹脂として、フ
ッ素置換ポリエチレン系樹脂を用いることにより、シー
ト50の動摩擦係数を下げて、磁気テープの摺動性を向
上させることができる。例えば、PE樹脂の動摩擦係数
μの値は、おおよそ0.22〜0.35であるのに対
し、PTFE樹脂の動摩擦係数μの値は、おおよそ0.
20〜0.27である。従って、PE樹脂の代わりにP
TFE樹脂を用いることにより、動摩擦係数を低減し、
磁気テープの摺動性を向上させることができる。
【0063】また、本発明の磁気テープカセットの用途
としては、オーディオ用磁気テープカセット、ビデオ用
磁気テープカセットおよびコンピューターバックアップ
用磁気テープカセット等従来公知の用途を挙げることが
できる。即ち、本発明の磁気テープカセットとしては、
上述したオーディオ用磁気テープカセットに限定され
ず、例えば、前蓋を持ち、前方に露出された磁気テープ
を保護するタイプの磁気テープカセット、例えばビデオ
(VHS)用磁気テープカセットや、8ミリカセット、
前方に露出された磁気テープを保護する前蓋やスライダ
を持つタイプの磁気テープカセット、例えばデジタルオ
ーディオテープカセット(DAT)やデジタルデータス
トレイジ(DDS)等を挙げることができる。
【0064】なお、ビデオ用磁気テープカセットや8ミ
リカセット、デジタルオーディオテープカセットやデジ
タルデータストレイジ等のように、使用される状態が決
められているものでは、巻取ハブや磁気テープ等を下か
ら支持する側、すなわち下側にくるフリクションシート
を、上述の特性、すなわち1×107 Ω〜1×1010Ω
の表面電気抵抗値を有する多孔製ポリエチレン系樹脂シ
ートとすることが好ましく、さらに上述の特性を満たす
フッ素置換ポリエチレン系樹脂シートとすることが好ま
しい。これは、下側にくるフリクションシートの方が、
上側より摩擦力も大きくなり、摺動力も大きくなるた
め、このようなシートを、本発明で用いられるシートと
することで、より効果的に、磁気テープとシートとの貼
り付きを防止し、帯電防止剤の欠落といった副害を低減
することができる。本発明の第2の態様の磁気テープカ
セットは、基本的に以上のように構成される。
【0065】続いて、図6および図7を参照して、本発
明の第3の態様の磁気テープカセットを説明する。図6
は、本発明の一実施例に係る磁気テープカセット80の
概略斜視図、図7は、図6に示した磁気テープカセット
80を、その凹部85の中央部分を通り、磁気テープカ
セット80の移動方向に沿った垂直面で切断した断面図
である。
【0066】磁気テープカセット80は、前述の通り、
上ハーフ84と下ハーフ86が結合された扁平箱状のケ
ース82と、このケース82の前端部に開閉揺動自在に
取りつけられている前蓋90と、上記ケース82の下面
側に摺動自在に装着されているスライダ88とから構成
されている。
【0067】ケース82の内部には、図示されていない
が、磁気テープが両側のハブに巻き付けられて収容され
ており、ケース82の前面部分および前部底面部分は切
り欠かれていて、記録再生装置に対するテープローディ
ング用の開口が形成されている。ケース82前面部のテ
ープ引出し用の開口を開閉する前蓋90は、記録再生装
置への装填に伴って、スライダ88が後退移動する際
に、この移動距離に応じてロックが解除されて、開閉動
作される。
【0068】また、スライダ88は、前述の装填方向A
に沿った進退摺動に伴って、下ハーフ86の底面開口部
を開閉する。なお、下ハーフ86およびスライダ88に
は、駆動軸挿入孔が両側に開口されている。さらに、ス
ライダ88を開位置と閉位置とでそれぞれロックするロ
ック機構が設けられており、記録再生装置への装填に伴
って上記ロック機構が解除されて、スライダ88を後方
に移動させて底面開口を開き、後退位置で開放位置をロ
ックする。開かれた開口部にテープローディング装置が
挿入されてテープを前方に引き出し、前蓋90を開動作
して記録再生を可能とするようになっている。
【0069】上述のように構成されている磁気テープカ
セット80において、上ハーフ84の上面の前方部分に
は、略中央部分に凹部85が形成されており、先に図1
2に示したようなオートローダ140における位置決め
用の押圧係合部材150のローラ150aが、これに係
合する。なお、上記凹部85は、チェンジャーグリップ
とも呼ばれる。
【0070】前蓋90は、本体ケース82の前面部分を
覆うリッド部92と、その両端部に前後方向に延びて連
接された側壁94とを有し、この両端部の側壁94の枢
支部94が上ハーフ84の側面に対して回動自在に支持
されている。上記リッド部92は、上端部に後方に屈曲
した上壁部96を有し、図示の閉状態において、上壁部
96が上ハーフ84の上面と連続するように構成されて
いる。
【0071】上記上ハーフ84の上面のローラ出口側
(前蓋90側)は、図7にも示すように、傾斜状の平面
(テーパ面)84aになっている。また、このテーパ面
84aの幅方向中央部には、リブ状の凸部(以下、リブ
という)84bが設けられている。このリブ84bは、
上記上ハーフ84と前蓋90の上壁部96との間の隙間
98を、ローラ150aが滑らかに通過するようにする
ためのものである。
【0072】図7に、上記上ハーフ84と前蓋90の上
壁部96との間の隙間98付近の拡大図を示す。図7に
示すように、上記隙間98の底が、上ハーフ84に設け
られたリブ84bによって浅くなっているので、本実施
例に係る磁気テープカセット80では、ローラ150a
の滑らかな上記隙間98の通過を実現できる。従来の同
部分の構造(これは、上記隙間98にリブ84bが形成
されていないものである)と比較すると、ローラ150
aの通過が容易になっているのがよくわかる。
【0073】ここで、上記リブ84bの高さは、例え
ば、0.2mmから0.7mm程度であるのが好まし
い。また、上記リブ84bの幅は、ローラ150aの幅
より幾分広い幅であればよく、例えば、凹部85に対応
する幅でもよい。
【0074】また、上記前蓋90の上壁部96の、上記
リブ84bに対応する位置には、上記リブ84bに対応
する深さと幅とを有する凹部96bが形成されており、
前蓋90の上壁部96の強度の低下を最小限に抑えてい
る。
【0075】また、さらに、上記前蓋90の上壁部96
の前端部(上ハーフ84側)は、上ハーフ84に向かっ
て傾斜するテーパ面96aになっている。このテーパ面
96aの傾斜角度は、例えば、45度でよいが、これに
限られるものではなく、45度±15度程度であっても
よい。さらに、このテーパ面96aの形状は、平面に限
られるものではなく、例えば、円,楕円,双曲線,放物
線などの、各種の2次曲面も好適に用いることができ
る。また、平面と曲面との組み合わせ、異なる曲面の組
み合わせを用いることも可能である。
【0076】上記実施例によれば、磁気テープカセット
80において、オートローダのローラ150aが上記上
ハーフ84と前蓋90の上壁部96との間の隙間98を
通過しやすくして、磁気テープカセット80をオートロ
ーダにおいてスムーズに搬送されるようにすることがで
き、磁気テープカセット80を破損などの事故から保護
することも可能になるという効果が得られる。
【0077】なお、上記実施例は本発明の一例を示した
ものであり、本発明はこれに限定されるべきものではな
いことは言うまでもない。例えば、前蓋90の上壁部9
6の凹部85側に設けたテーパ面96aと同様のテーパ
面を、上記上ハーフ84の上面の凹部85の出口側にも
設けてもよい。あるいは、前蓋90の上壁部96の凹部
85側を、粗面化するように加工してもよい。本発明の
第3の態様の磁気テープカセットは、基本的に以上のよ
うに構成される。
【0078】以上、本発明に係る磁気テープカセット、
これに用いられるカセットハーフおよびその成形方法に
ついて、種々の実施形態を挙げて詳細に説明したが、本
発明は、これらの実施形態に限定されず、本発明の要旨
を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行って
もよいのはもちろんである。
【0079】
【発明の効果】以上詳細に説明した通り、本発明第1の
態様のカセットハーフおよびその成形方法によれば、熱
によって発生した溶融樹脂中のガスを効率よく金型の外
へ排出することができ、樹脂の流れを円滑にして、ウエ
ルドの発生を防止することができ、その結果、完成した
上ハーフの外観の品質を向上させることができる。
【0080】また、本発明の第2の態様の磁気テープカ
セットによれば、使用されるフリクションシートは、耐
久性、摺動性に優れており、また、シャープなエッジを
持つ磁気テープを高速で走行させる場合があっても、磁
気テープの貼り付きがほとんどなく、かつ帯電防止剤の
剥がれや、磁気テープおよびフリクションシート自体の
はがれも低減されるため、製品性能を損なわせることが
ない。
【0081】また、本発明の第3の態様の磁気テープカ
セットによれば、磁気テープカセットの前蓋にオートロ
ーダの検知ローラが引っ掛からないようにして、オート
ローダにおいて磁気テープカセットを搬送する際に、前
蓋が押し開かれて変形するような力を受けないようにし
た磁気テープカセットを実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るカセットハーフの成形方法によ
って本発明の一実施形態である上ハーフの窓部を成形す
る様子を示す断面図である。
【図2】 図1に示す上ハーフの成形の様子を簡単に示
す斜視図である。
【図3】 本発明に係る磁気テープカセットのカセット
本体の一実施形態の分解斜視図である。
【図4】 図3に示す磁気テープカセットのカセット本
体内に収納される、一対の巻取ハブに巻回された磁気テ
ープおよびこれらを両側から挟持するフリクションシー
トの一実施形態の分解斜視図である。
【図5】 フリクションシートの表面電気抵抗値と、磁
気テープの貼り付き発生率との関係および帯電防止剤の
剥離率との関係を示した図である。
【図6】 本発明に係る磁気テープカセットの一実施例
の概略斜視図である。
【図7】 図6に示す磁気テープカセットをVII −VII
線に沿って切断した断面図である。
【図8】 従来の磁気テープカセットの上ハーフの平面
図である。
【図9】 図8のIX−IX線に沿った断面図である。
【図10】 上ハーフの従来の成形方法を示す断面図で
ある。
【図11】 従来の成形方法における問題点を示す上ハ
ーフの窓部の平面図である。
【図12】 オートローダの概略構成を示す図である。
【図13】 オートローダにおける磁気テープカセット
検出機構の概要を示す図である。
【符号の説明】
10,42,84 上ハーフ 12 窓部 14 巻取ハブ位置規制用リブ 15 (上記リブの)天面 20 金型 20a 上型 20b 下型 22 スライドコア 24 キャビティ 26 ゲート 28 凹部 30,32 ガスベントピン 40,80 磁気テープカセット 42a,44a リブ 44,86 下ハーフ 46 巻取ハブ 46a テープ巻取リング 46b 小径リング 47 小片 48 磁気テープ 50 フリクションシート 50a 小孔 50b 挿入孔 50c,50d 賦形部 52 記録再生領域 54 ハブ収納領域 56 仕切壁 58 スピンドル軸挿入孔 58a ハブ支持環状リブ 60 回転ガイドローラ 60a ピン 62 キャプスタン挿入孔 64 カセット位置決め孔 66 ヘッドピン 68 加圧パッド 70 板バネ 72 シールド板 74 磁気ヘッド挿入口 82 ケース 84a テーパ面 84b リブ 85 凹部 88 スライダ 90 前蓋 92 リッド部 94 側壁 94a 枢支部 96 上壁部 96a テーパ面 96b 凹部 98 前蓋と上ハーフとの隙間 140 オートローダ 150 押圧係合部材 150a 押圧係合部材のローラ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気テープを巻回した一対の巻取ハブを収
    容し、蓋合わせ状に結合されたカセットケースを形成す
    る上ハーフを金型で射出成形するに際し、 この上ハーフに設けられる透明または半透明の窓部を成
    形する前記金型のキャビティに流れ込む溶融樹脂の流れ
    を円滑にするためのガスベントピンを前記金型に設けた
    ことを特徴とするカセットハーフの成形方法。
  2. 【請求項2】磁気テープを巻回した一対の巻取ハブを収
    容し、蓋合わせ状に結合されたカセットケースを形成
    し、金型で射出成形されるカセットハーフであって、 前記カセットハーフの上ハーフに前記巻取ハブの位置規
    制用のリブを有する透明または半透明の窓部を設け、 該窓部を射出成形する際、前記巻取ハブの位置規制用の
    リブの天面の、溶融樹脂の流動方向に直交する部分に、
    該溶融樹脂の流れを円滑にするためのガスベントピンを
    設けた金型により、成形されたことを特徴とするカセッ
    トハーフ。
  3. 【請求項3】上ハーフと下ハーフとを蓋合わせ状に結合
    して形成したカセット本体と、 このカセット本体内に回転可能に収納され、磁気テープ
    を巻回した一対の巻取ハブと、 この一対の巻取ハブと、前記上ハーフおよび前記下ハー
    フの少なくとも一方との間に介在するフリクションシー
    トとを有し、 前記磁気テープは、厚みが7.7μm以下、最大巻き長
    さが120m以上であり、前記カセット本体への最大巻
    き込み速度が2m/秒以上であり、 前記フリクションシートはポリエチレン系樹脂であり、
    1×107 Ω〜1×1010Ωの表面電気抵抗値を有する
    ことを特徴とする磁気テープカセット。
  4. 【請求項4】複数の磁気テープカセットを収容し、搬送
    機構により順次搬送するカセット自動搬送装置に装填す
    る磁気テープカセットであって、 本体ケースと、 この本体ケースの上面に形成される、前記カセット自動
    搬送装置に設けられている位置決め停止用のローラとバ
    ネを有する押圧係合部材を係止させるための凹部と、 前記本体ケースの前面部に揺動自在に設けられる、テー
    プ引出し用の開口を開閉する前蓋と、 前記本体ケースの下面側に配置される、前後方向に移動
    可能なスライダとを有し、 前記本体ケース上面の前記凹部の前記前蓋側に、前記ロ
    ーラが通過する際の抵抗を低下させるためのリブを設け
    ることを特徴とする磁気テープカセット。
JP2000359573A 1999-12-13 2000-11-27 磁気テープカセット、カセットハーフおよびその成形方法 Abandoned JP2001266535A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000359573A JP2001266535A (ja) 1999-12-13 2000-11-27 磁気テープカセット、カセットハーフおよびその成形方法

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-352982 1999-12-13
JP35298299 1999-12-13
JP36660399 1999-12-24
JP2000006394 2000-01-14
JP11-366603 2000-01-14
JP2000-6394 2000-01-14
JP2000359573A JP2001266535A (ja) 1999-12-13 2000-11-27 磁気テープカセット、カセットハーフおよびその成形方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001266535A true JP2001266535A (ja) 2001-09-28

Family

ID=27480725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000359573A Abandoned JP2001266535A (ja) 1999-12-13 2000-11-27 磁気テープカセット、カセットハーフおよびその成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001266535A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS5855582B2 (ja) 透視性テ−プカセツト
JPH0450678B2 (ja)
US6622952B2 (en) Magnetic tape cassette
JPS6338461Y2 (ja)
JP2001266535A (ja) 磁気テープカセット、カセットハーフおよびその成形方法
US6043962A (en) Tape cassette and metal mold device for molding tape cassette halves
US6452749B1 (en) Tape cassette
US6456462B1 (en) Tape cassette and recording/reproducing apparatus
US6345778B1 (en) Tape cassette with pivoting lid lock within front lid
US6556378B1 (en) Tape cassette having lid and slider overlapping portions
EP1056088A2 (en) Tape cassette and tape cassette fabricating method
JP2004022049A (ja) 磁気テープカートリッジ
JP2001184833A (ja) 磁気テープカセット
EP1182658A1 (en) Magnetic tape cassette and method of antistatic treatment of sheets used therefor
US5894391A (en) Tape cassette
JPH0447576A (ja) テープカセット
JP2005222611A (ja) テープドライブシステム
JPH0554596A (ja) テープカセツト
US6978958B2 (en) Recording tape cartridge
JPH0728629Y2 (ja) 磁気テープカセット
JPH04366481A (ja) テープカセット
JP2000357382A (ja) 磁気テープカセット
JPH04366480A (ja) テープカセット
JPH10241328A (ja) テープカセット装置
JP2003331557A (ja) 記録テープカセット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050909

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061215

A977 Report on retrieval

Effective date: 20080221

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20080304

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20080508