JP2001266403A - 光情報媒体 - Google Patents

光情報媒体

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JP2001266403A
JP2001266403A JP2000084068A JP2000084068A JP2001266403A JP 2001266403 A JP2001266403 A JP 2001266403A JP 2000084068 A JP2000084068 A JP 2000084068A JP 2000084068 A JP2000084068 A JP 2000084068A JP 2001266403 A JP2001266403 A JP 2001266403A
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liquid crystal
crystal layer
light
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JP2000084068A
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Yasuo Kokubu
泰雄 國分
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mitsubishi Oil Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より高密度の記録が可能な光情報媒体の提
供。 【解決手段】 光学的に読取り可能な情報を記録した光
情報媒体10において、複屈折を有する液晶相の配向が
固定化された液晶層2を備え、その液晶層2にリターデ
ーションを異にする複数の領域を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、デジタル
ビデオディスク(DVD)のような記録密度が高い光情
報媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】DVDのような光情報媒体は、一般に磁
気記録媒体と比較して高密度記録が可能であるが、近年
マルチメディアデータなど情報量の増大により、更なる
高密度化が求められている。光情報媒体の記録密度を高
める方法としては、トラックピッチやピット間隔を狭
め、線密度を挙げる方法が知られている。しかし、再生
光のビームスポットに対してトラックピッチやピット間
隔が狭い場合には、信号再生が不可能となってしまう。
再生装置の分解能は再生光のビームスポットによって制
限を受け、再生限界は一般に空間周波数2NA/λとな
る。ここで、NAは再生装置の光学系の開口数、λは再
生光の波長である。従って、トラックピッチやピット間
隔を狭める方法では、再生装置の光学系の開口数の増大
や再生光の短波長化が検討されているが、開口数の増大
はレンズ等の光学素子の大型化の問題があり、再生光の
短波長化は安定した光源を得るうえで技術的に多くの課
題がある。一方、開口数と再生光の波長に拘束されずに
記録密度を高める方法として、光の強度に対して非線形
的に光学特性が変化する材料を用いた超解像記録媒体が
提案されている。この記録媒体は、再生に際して非線形
効果を起こさせなければならないために、高パワーの再
生光を必要とするが、その高パワーに適合する媒体、装
置の設計が容易ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、再生
装置の光学系の開口数の増大や再生光の短波長化に拠る
ことなく、また、超解像現象を利用することなく、従前
から使用されている再生光学系、再生光用光源を使用
し、低パワーの再生光においても再生が可能な記録密度
の高い光情報媒体を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光情報媒体
は、複屈折を有する液晶相の配向が固定化された液晶層
を備え、その液晶層がリターデーションを異にする複数
の情報担持部を備えていることを特徴とする。本発明の
光情報媒体では、複数の情報担持部に、それぞれ情報担
持部の複屈折主軸方向およびこれに直交する方向の成分
を有する偏光を入射すると、各情報担持部において複屈
折主軸方向の偏光と、これに直交する方向の偏光との間
に位相差が発生し、しかもその位相差が個々の情報担持
部で相違する。このため、位相差を光強度に変換する光
学系を有する受光装置にて、信号光を検出すると、各情
報担持部ごとに透過光強度又は反射光強度が異なり、従
って、本発明の光情報媒体では、多値記録が可能とな
る。本発明の光情報媒体における複数の情報担持部は、
液晶層の凸部又は凹部であり、各凸部の高さ又は各凹部
の深さは、それぞれ固有の値を有している。そして、そ
の液晶層は、配向の容易さからネマチック相であること
が好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光情報媒体につい
て図面を参照して説明する。なお、全図中、同一又は同
等の構成要素については同一の符号を付すこととする。
図1は、本発明に係る第1の光情報媒体の基本構成例を
示す断面図である。図1に示す光情報媒体10は再生専
用の記録媒体であり、複屈折を有する液晶相の配向を固
定化した液晶層2を備えている。液晶層2は、情報を担
持する複数の情報担持部3a〜3cを有し、各情報担持
部はそれぞれ、液晶層の厚さが異なる凸部4a,4b,
4cで形成されている。図1に示す光情報媒体10で
は、液晶層2のどちら側から再生光を照射しても良く、
信号の検出は反射光または透過光のいずれを用いても良
い。図2は、本発明に係る第2の光情報媒体の基本構成
例を示す断面図である。図2に示す光情報媒体20は、
支持基板6上に液晶層2を設けている点で図1の光情報
媒体10と異なる。液晶層2は支持基板6と直接接触し
ていても良く、接着剤層などを介して支持基板6上に固
定されていても良い。図2に示す光情報媒体20は、あ
らかじめ凸部4a〜4cを形成した液晶層2を作製した
後、該液晶層2を支持基板6上に設置することで製造す
ることができ、あるいは支持基板6上に凸部4a〜4c
の無いフラットな液晶層2を設置した後に、凸部4a〜
4cを形成して製造することもできる。図2に示す光情
報媒体20では、支持基板6および液晶層2のどちら側
から再生光を照射しても良く、信号の検出は反射光また
は透過光のいずれを用いても良い。再生光を支持基板6
側から照射する場合および再生光を液晶層2側から照射
し、信号を透過光により検出する場合には、支持基板6
は、再生光に対して実質的に透明である必要がある。こ
の種の支持基板材料には、例えば、ガラスや透明樹脂を
用いることができる。これらのうち、取り扱いが容易
で、安価であることから透明樹脂が好ましく、透明樹脂
としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネイト、
ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテル
イミド、エポキシ樹脂、ポリオレフィン等の樹脂を用い
ることができる。再生光の照射を液晶層2側から行い、
信号の検出に反射光を利用する場合は、支持基板6の材
料に特に制限はない。例えば、ガラス、アクリル樹脂、
ポリカーボネイト、ポリエステル、ポリイミド、ポリア
ミド、ポリエーテルイミド、エポキシ樹脂、ポリオレフ
ィン等の樹脂、アルミ、銅、金、白金、銀等の金属やシ
リコン等の半導体を用いることができる。ここで、支持
基板6の形状および寸法は任意であるが、一般的にはデ
ィスク状のものが好ましく、その直径は10〜300m
m程度であり、厚さは25μm〜5mm程度である。情
報担持部3a〜3cは、液晶層2の厚さを変化させた部
分に相当するが、この凸部4a〜4cは液晶層2の片側
のみに形成されていても良いし、両側に形成されていて
も良い(但し、支持基板がある場合は、支持基板を挟ん
で両側)。情報担持部3a〜3cの頂部の幅は、使用す
る材料や光情報媒体10又は20の記録密度や再生光学
系の解像度などに依存するため一概に規定できないが、
通常、0.2〜10μmの範囲であることが好ましい。
この幅が0.2μmより小さい場合は、再生光学系の解
像度に原因して情報の検出が困難になる可能性があり、
一方、頂部の幅が10μmより大きい場合には、高い記
録密度を得ることができない。情報担持部を形成する液
晶層の厚さ、換言すれば、凸部4a〜4cの高さも、液
晶層2を得る液晶材料の物性や再生光源の波長などに依
存するため一概には規定できないが、一般には0.01
〜10μmの範囲にあることが好ましい。凸部4a〜4
cの高さが0.01μmより小さい場合には、検出され
る信号強度の変化が小さく、信号が検出できなくなる可
能性がある。なお、高さが10μmより大きい凸部の形
成は、技術的に困難であるため、工業生産において量産
性に問題が生じる可能性がある。液晶層2の凸部4a〜
4cを形成する方法には特に限定はなく、例えば、液晶
層2の表面をエッチングしたり、プレス成形、射出成形
などによって液晶層2の形成と同時に、凸部4a〜4c
を作製することもできる。また、液晶層2および支持基
板6には、トラッキング用やアドレス用等のグルーブを
設けることも可能であり、さらに、液晶層2及び支持基
板6には、必要に応じて、反射防止層、反射層、保護層
等を付加しても良い。
【0006】次に、本発明に用いる液晶層2について説
明する。一般に、単一材料からなる液晶層に、複屈折主
軸方向及びこれと直行する方向の成分を有する偏光を透
過させると、一方の偏光成分を基準にして他方の偏光成
分には位相差が生じ、発生する位相差の大きさは液晶層
の屈折率異方性(複屈折)と、液晶層の厚さとの積によ
って定義されるリターデーションと、入射する光の波長
に依存する。図3は、複屈折率が異なる3種の液晶層に
ついて、ここに入射する光に発生する位相差と液晶層の
厚さとの関係を示すグラフである。また、図4は単一の
複屈折率を有する液晶層に波長の異なる光を入射した場
合の、位相差と液晶層の厚さとの関係を示すグラフであ
る。本発明の光情報媒体では、図3及び図4に示される
液晶層の厚さに対する位相差の変化を情報の記録に利用
し、位相差の変化を光強度に変換する光学系を用いて信
号光を記録することにより、液晶層の凸部で形成される
情報担持部への多値記録を可能とする。従って、前記液
晶層2の凸部4a〜4cの高さは、使用する液晶材料お
よび使用する光源にあわせて所望の値に設定することが
望ましい。また、本発明の光情報媒体では、再生装置を
使用してこれに再生光を照射し、その反射光または透過
光の強度の変化を情報の読み出しに利用する。液晶層の
再生光に対する光吸収が大きいと、再生光を吸収し、十
分な再生光強度が得られない恐れがある。従って、液晶
層2の再生光に対する光吸収率は少ないことが好まし
い。しかし、再生光強度は使用する光源強度にも依存す
るため、再生光に対する液晶層2の光吸収率の上限を一
概に決定することはできない。一般的には、その値は5
0%以下、好ましくは5%以下で、さらに好ましくは1
%以下であることが望ましい。なお、液晶層2の光吸収
が再生光以外の波長の光に対するものである場合は、上
記したような心配はない。
【0007】本発明の液晶層2を形成する液晶材料に
は、特に限定はないが、配向制御の容易さから、液晶相
としてネマチック相を有するものが好ましい。また、液
晶配向の固定化方法にも特に限定はないが、好ましい方
法としては、液晶材料に高分子液晶組成物を用い、そ
の高分子液晶組成物を液晶状態にして配向構造を形成せ
しめ、次いでその高分子液晶組成物を冷却することによ
り液晶相の配向をガラス固定化する方法、液晶材料に
光硬化性低分子液晶組成物を用い、その光硬化性低分子
液晶組成物を液晶状態にして配向構造を形成させ、次い
で光硬化性液晶組成物に光を照射することにより液晶相
の配向を固定化する方法等を例示することができる。上
記の高分子液晶組成物とは、主たる成分として高分子液
晶を含有する組成物を意味し、この高分子液晶として
は、所望の配向構造が固定化できるものであれば特に制
限はなく、主鎖型、側鎖型高分子液晶等いずれでも使用
することができる。こうした高分子液晶の具体例には、
ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエ
ステルイミドなどの主鎖型液晶ポリマー、ポリアクリレ
ート、ポリメタクリレート、ポリマロネート、ポリシロ
キサンなどの側鎖型液晶ポリマーなどが挙げられる。な
かでも液晶配向構造を形成する上で配向性が良く、合成
も比較的容易である液晶性ポリエステルが望ましい。ポ
リエステルの構成単位としては、例えば、芳香族あるい
は脂肪族ジオール単位、芳香族あるいは脂肪族ジカルボ
ン酸単位、芳香族あるいは脂肪族ヒドロキシカルボン酸
単位が好適な例として挙げられる。また、上記の光硬化
性低分子液晶組成物とは、主たる成分として低分子液晶
を含有する組成物を意味し、この低分子液晶としては、
例えば、アクリロイル基、ビニル基やエポキシ基等の官
能基を導入したビフェニル誘導体、フェニルベンゾエー
ト誘導体、スチルベン誘導体などを基本骨格としたもの
が挙げられる。光硬化性低分子液晶には、ライオトロピ
ック性又はサーモトロピック性のどちらもが使用できる
が、サーモトロピック性の低分子液晶の使用が、作業性
並びにプロセス等の観点からより好適である。上記光硬
化性低分子液晶組成物には、必要に応じて、光重合開始
剤、増感剤等を配合することができる。液晶層の形成に
高分子液晶組成物を用いる場合も、また、光硬化性低分
子液晶組成物を用いる場合も、最終的に得られる液晶層
の耐熱性を向上させる目的で、上記の各組成物には、液
晶相の発現を妨げない範囲において、例えば、ビスアジ
ド化合物やグリシジルメタクリレート等の架橋剤を含有
させることができる。架橋剤の使用は、液晶相を発現さ
せた状態での液晶構成分子の架橋を助長する。さらにま
た、上記した高分子液晶組成物及び光硬化性低分子液晶
組成物には、二色性色素、染料、顔料、酸化防止剤、紫
外線吸収剤等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない
範囲において適宜含有させることができる。前記の架橋
剤や添加剤の配合は、液晶層の安定性を増大させるの
で、光情報の長期保存安定性を向上させる効果がある。
液晶層の形成方法には特に限定はないが、液晶層形成用
組成物の溶融液又は溶液をロールコート法、ダイコート
法、バーコート法、グラビアロールコート法、スプレー
コート法、ディップコート法、スピンコート法等により
配向基板上に塗布する方法とか、液晶形成用組成物を配
向基板上にプレス成形する方法などが一般的である。そ
して、液晶相の配向が固定化された液晶層から、配向基
板を除去することにより、支持基板なしの光情報媒体を
得ることができ、液晶相の配向が固定化された液晶層
を、支持基板に転写することより、支持基板付きの光情
報媒体を得ることができる。この場合、支持基板自体を
配向基板に兼用できれば、転写工程を省略して、支持基
板上に液晶層を直接設けることが可能である。図面に示
した本発明の光情報媒体は、その情報担持部が、すなわ
ち、液晶層の凸部が液晶層面の片面のみに存在する片面
型の光情報媒体であるが、本発明の光情報媒体には、片
面型の光情報媒体同士を貼り合わせて両面に情報担持部
を保持させた両面型の光情報媒体も含まれる。また、上
に説明した実施形態では、高さが異なる液晶層凸部を情
報担持部に利用しているが、これに代えて、液晶層に深
さの異なる凹部を設け、その液晶層凹部を情報担持部と
することもできる。さらにまた、液晶層に凸部及び凹部
を併有させ、それぞれを情報担持部とすることも可能で
ある。いずれの場合でも、液晶層凸部及び/又は液晶層
凹部の数は、換言すれば、情報担持部の数は複数個であ
れば、その数に制限はない。
【0008】
【実施例】以下実施例により本発明の内容をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではな
い。 実施例1 厚さ75μmのPETフィルムに、エッチングにより幅
2μmの3種類の異なる深さのピットA,B,Cを形成
した(原盤A)。エッチングにより形成したピットの深
さはフィルム断面の電子顕微鏡観察によりピットAが
1.4μm、ピットBが2.2μm、ピットCが3.0
μmであった。液晶性を示すアクリルモノマーとして、
メチルヒドロキノン ビス(4−(6−アクリロイロキ
シオヘキシルオキシ)安息香酸)エステルを7g、4−
シアノフェノール 4−(6−アクリロイロキシオヘキ
シルオキシ)安息香酸エステルを2.9g量り取り、N
−メチル−2−ピロリドン90gに溶解して溶液を得
た。この溶液を、原盤AのピットA〜Cを形成した側に
スピンコーターにより塗布し、60℃に設定したクリー
ンオーブンに投入し15分乾燥を行った後、さらに80
℃に設定したオーブン中で5分熱処理し、その温度から
約1℃/分で50℃まで冷却することにより液晶層2の
ネマチック配向を完了させた。熱処理後、フィルムをオ
ーブンから取り出して室温まで冷却し、室温にてエレク
トロンビーム(EB)照射を行った。EB照射は、室温
下、酸素濃度0.20%の雰囲気において、加速電圧3
0kVにて照射を行った。照射後の液晶層2は硬化して
おり、複屈折Δnは0.10、その表面硬度は鉛筆硬度
にしてH〜2H程度であった。このようにして得られた
液晶層2を、直径130mm、厚さ0.6mmのポリカ
ーボネイト製のディスク(支持基板6)にエポキシ系接
着剤5を介して転写し、光ディスクサンプル(光ディス
ク30)を得た(図5参照)。光ディスク30の断面
(図5)の電子顕微鏡観察により、液晶層2には、原盤
AのピットA〜Cのそれぞれに対応して凸部4a〜4c
が形成され、液晶層2は凸部4a〜4cの高さに応じた
厚さとなっていた。この光ディスク30を直交させた偏
光板の間に液晶層2の複屈折主軸と偏光板の吸収軸が4
5度となるように設置し、再生用レーザー光(波長78
0nm)を支持基板6面側から照射し、各凸部4a〜4
cに対する透過光強度を検出し、透過率を求めたとこ
ろ、凸部4aは26%、凸部4bは55%、凸部4cは
79%となり、各凸部4a〜4cに対して異なる値が得
られ、光ディスク30の凸部4a〜4cには情報の多値
記録が可能である。 実施例2 直径130mm、0.6mm厚のガラス基板にエッチン
グにより、幅1.6μmの2種類の異なる高さの凸部
A,Bを作製した(原盤B)。形成された凸部A,Bの
高さは原盤Bの断面の電子顕微鏡観察により凸部Aが
0.5μm、凸部Bが0.8μmであった。液晶性を示
す側鎖高分子液晶として下記式
【化1】 で表される構造の化合物(R=−CH3、GPCによる
数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwはそれぞれ、M
n=2,500、Mw=10,000)を12gと下記
【化2】 に示す化合物(R=−CH3、GPCによる数平均分子
量Mn、重量平均分子量Mwはそれぞれ、Mn=3,0
00、Mw=11,000)を8g量り取り、130g
のクロロホルムに溶解し溶液を調製した。この溶液を直
径130mmで厚さが1.1mmのガラス製のディスク
(支持基板6)上にスピンコーターにより塗布し、60
℃に設定したクリーンオーブンに投入し15分乾燥を行
った後、さらに160℃に設定したオーブン中で5分熱
処理し、液晶層2のネマチック配向を完了させ、その温
度から冷却することによりネマチック配向を固定化し
た。液晶層の複屈折Δnは0.13であった。この液晶
層付ガラスディスクを105℃に加熱し、原盤Bの凸部
を形成した面を液晶層面に密着させ、4.9×105
aの圧力で30秒間加圧した後、原盤Bを液晶層面から
剥離した。このようにして得られた光ディスクサンプル
(光ディスク40)の断面(図6)の電子顕微鏡観察に
より、液晶層2には原盤Bのレプリカが形成され、液晶
層2には原盤Bの凸部A,Bに対応してピット8a,8
bが形成されていた(図6参照)。また、液晶層2の厚
さは凸部A,Bの高さに応じて変化していた。また、ピ
ット8a,8bの無い部分の液晶層2の厚さは2.9μ
mであった。この光ディスク40を直交した偏光板間に
液晶層2の複屈折主軸と偏光板の吸収軸が45度となる
ように設置し、再生用レーザー光(波長780nm)を
支持基板6側から照射し、各ピット8a,8bに対する
透過光強度を検出し、透過率を求めたところ、ピット8
aは82%、ピット8bは72%、となり、各ピット8
a,8bに対して異なる値が得られ、光ディスク40の
ピット8a,8bには情報の多値記録が可能である。 実施例3 直径80mm、厚さ1mmのシリコンウエハー上にエッ
チングにより、幅1.6μmの3種類の異なる高さの凸
部A,B,Cを形成した(原盤C)。形成された凸部
A,B,Cの高さは断面の電子顕微鏡観察により凸部A
が0.8μm、凸部Bが1.0μm、凸部Cが1.3μ
mであった。液晶性を示す主鎖型高分子液晶として下記
【化3】 に示す構造の液晶性ポリエステル(対数粘度0.21、
液晶相としてネマチック相を持ち、等方相−ネマチック
相転移温度は300℃以上、ガラス転移点は115℃で
ある)を10gと、下記式
【化4】 に示す液晶性ポリエステル(対数粘度0.18、液晶相
としてスメクチック相を持ち、等方相−スメクチック相
転移温度は150〜160℃の間である)を10g量り
取り、粉砕混合して液晶組成物を調製した。この組成物
を原盤Cと同じ大きさで、ピットの無いポリカーボネイ
ト樹脂製の支持基板6の間に挟み、220℃に加熱した
後に4.9×106Paの圧力でプレス加工して原盤C
と支持基板6を密着させた。密着させた両基板を200
℃で30分熱処理したのち、室温下で冷却・固定化し、
両基板間にネマチック配向構造を固定化したのち、原盤
Cを液晶層2から剥離した。液晶層の複屈折Δnは0.
20であった。このようにして得られた光ディスクサン
プル(光ディスク50)の断面の電子顕微鏡観察によ
り、液晶層2には原盤Cの凸部A〜Cのレプリカである
ピット8a〜8cが形成され、ピット8a〜8cの深さ
に応じて液晶層2の厚さが変化していた。また、ピット
8a〜8cの無い部分での液晶層2の厚さは2μmであ
った。この光ディスク50を直交した偏光板間に液晶層
2の複屈折主軸と偏光板の吸収軸が45度となるように
設置し、再生用レーザー光(波長780nm)を支持基
板6面側から照射し、各ピット8a〜8cに対する透過
光強度を検出し、透過率を求めたところ、ピット8aは
62%、ピット8bは47%、ピット8cは26%とな
り、各ピット8a〜8cに対して異なる値が得られ、光
ディスク50のピット8a〜8cには情報の多値記録が
可能である。 実施例4 ピットA,B,Cの深さを0.8μm,1.2μm,
1.6μmとした以外は実施例1と同等に光ディスクを
作製し、さらに得られたディスクの液晶層2側にアルミ
ニウムを蒸着し反射層(反射層9)を設け、光ディスク
サンプル(光ディスク60)を得た(図8参照)。光デ
ィスク60の断面(図8)の電子顕微鏡観察により、液
晶層2には、原盤のピットA〜Cのそれぞれに対応して
凸部4a〜4cが形成され、液晶層2は凸部4a〜4c
の高さに応じた厚さとなっていた。この光ディスク60
を、偏光板で直線偏光とした再生用レーザー光(波長7
80nm)を液晶層2の複屈折主軸と偏光軸が45度と
なるように支持基板6面側から照射し、各ピットからの
反射光を偏光ビームスプリッターで分離した後、受光素
子に導き、反射光強度を検出したところ、各部の反射率
は、凸部4aは33%、凸部4bは62%、凸部4cは
84%となり、各凸部4a〜4cに対して異なる値が得
られ、光ディスク60の凸部4a〜4cには情報の多値
記録が可能である。 比較例1 実施例1で用いた原盤Aを用い、その原盤Aに塗布する
材料として液晶性を示さないアクリルモノマーを用いて
非液晶層11を作製した以外は実施例1と同等に光ディ
スクサンプル(光ディスク70)を作製し、各凸部4a
〜4cの透過率を求めたところ、各凸部4a〜4cに対
して透過率の差はなく、光ディスク70の凸部4a〜4
cには情報の多値記録が不可能である。
【0009】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光情報媒体
は、複屈折を有する液晶相の配向が固定化される液晶層
を備え、液晶層は、情報を担持し且つその液晶層のリタ
ーデーションが互いに異なる複数の情報担持部を有する
ことで、再生装置の光学系の開口数の増大、再生光の短
波長化や超解像現象を利用することなく、これまでに開
発されている再生光学系、再生光用光源を使用して、か
つ低パワーの再生光においても再生が可能である記録密
度の高い光情報媒体が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の光情報媒体の基本構成例を示す
断面図である。
【図2】本発明の第2の光情報媒体の基本構成例を示す
断面図である。
【図3】光源を固定した場合の液晶層の膜厚に対する位
相差変化を示すグラフである。
【図4】液晶材料を固定した場合の液晶層の膜厚に対す
る位相差変化を示すグラフである。
【図5】実施例1における光ディスクを示す断面図であ
る。
【図6】実施例2における光ディスクを示す断面図であ
る。
【図7】実施例3における光ディスクを示す断面図であ
る。
【図8】実施例4における光ディスクを示す断面図であ
る。
【図9】比較例1における光ディスクを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
2 液晶層 3a,3b,3c 情報担持部 4a,4b,4c 凸部 5 接着層 6 支持基板 8a,8b,8c 凹部 9 反射層 10,20,30,40,50,60,70 光ディス
ク(光情報媒体)。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的に読取り可能な情報を記録した光
    情報媒体において、複屈折を有する液晶相の配向が固定
    化された液晶層を備え、その液晶層がリターデーション
    を異にする複数の情報担持部を備えていることを特徴と
    する光情報媒体。
  2. 【請求項2】 前記複数の情報担持部が、それぞれ深さ
    の異なる液晶層凹部又は高さの異なる液晶層凸部である
    請求項1に記載の光情報媒体。
  3. 【請求項3】 前記液晶相がネマチック相であることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の光情報媒体。
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