JP2001265452A - 線路異常監視装置 - Google Patents

線路異常監視装置

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JP2001265452A
JP2001265452A JP2000073862A JP2000073862A JP2001265452A JP 2001265452 A JP2001265452 A JP 2001265452A JP 2000073862 A JP2000073862 A JP 2000073862A JP 2000073862 A JP2000073862 A JP 2000073862A JP 2001265452 A JP2001265452 A JP 2001265452A
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line
circuit
current
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disconnection
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Hideki Matsumoto
英樹 松本
Munemasa Suzuki
宗応 鈴木
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Hochiki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】過電流による受信機側のヒューズの溶断、突入
電流の度にリレースイッチの誤動作及び経年変化による
作動不良を防ぎ、過電流検出時には確実に線路を切り離
す。 【解決手段】電気的なインピーダンスの可変制御により
電流制限と線路の切離しを行うMOS−FETを用いた
切離し回路11と、線路電流を監視して過電流が流れた
ときに切離し回路の制御により電流値を抑えて一定に制
限し、電流制限が所定時間継続した時に切離し回路11
の制御により線路を切離す監視制御回路12を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受信機から引き出
された電源線や信号線等の線路に挿入されて線路電流の
異常を監視する火災報知設備の線路異常監視装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の火災報知設備においては、受信機
から引き出された伝送線や電源線等の線路に固有のアド
レスが設定されたアナログ感知器や中継器等の端末を接
続し、受信機からのアドレス指定による呼出信号の送出
で各端末を順次呼出し、端末からの火災信号等の各種情
報を受信し、火災等の監視および各端末に対する制御を
行っている。
【0003】このような火災報知設備においては、線
路、特に電源線が誤って短絡した場合に過電流の電源出
力となるために受信機や端末に被害が生じる。これを防
ぐために受信機の線路引出端にヒューズを設けて、過電
流が流れるとヒューズが溶断することにより線路を受信
機から切り離して被害を抑えている。
【0004】しかし、ヒューズによる線路の切り離しで
は、線路に接続された全ての端末が非動作状態となるた
め火災監視に対する影響が大きい。また、線路には突入
電流などの瞬時に過電流が流れる場合もあり、その時で
もヒューズが溶断することとなり正常に復旧するために
時間が掛かり火災監視の影響が生じる。
【0005】そこで、実開平5−2294号や特開平1
1−66451号のように、線路の途中に線路切離し回
路を接続し、線路電流を監視して過電流を検出したとき
にリレースイッチを作動させて開き、線路切離し回路よ
り後ろの線路を切り離すものがある。
【0006】図5は、実開平5−2294号の線路切離
し回路であり、図5(A)のように、火災受信機101
から電源兼用信号線L,Cを引き出してループバック
し、この電源兼用信号線L,Cに火災感知器103を接
続し、更に、切り離し回路102を挿入接続している。
【0007】切り離し回路102は、図5(B)の構成
を備える。この切離し回路102は、線路L,C間が短
絡して電圧が低下すると、比較回路122の出力はロー
レベルトなり、リレー121を付勢し、常閉接点211
が開き、切り離し回路102に接続されてる両側の線路
Lは切り離される。伝送回路120は切り離し動作が行
われたことを示すデータを火災受信機101に伝送す
る。
【0008】図6は、特開平11−66451号の線路
切離し回路であり、図6(A)のように、受信機103
から本線205が引き出され、本線205からは分岐線
205−1〜205−mが引き出され、中継器RE及び
感知器DEを接続している。分岐線205−1〜205
−mの引き出し部分には線路切離し装置としてのアイソ
レータI1〜Imが設けられている。
【0009】アイソレータI1は、図6(B)のよう
に、線路Lを電気的に切り離すためのリレーLとb接点
スイッチLb、サージ吸収回路43、伝送回路41、安
定化電源E及び短絡検出部42から構成される。
【0010】アイソレータI1〜Imは、受信機203
の制御で行われる。受信機203で線路、感知器DE、
中継器DEの故障が判別されると、故障箇所を検索し、
回答する故障箇所のアイソレータIにアドレスとスイッ
チオフのコマンドを伝送し、リレーLを作動してb接点
スイッチLbを開く。
【0011】また短絡検出部42は、一対の線路L,C
間の電圧が所定値より下がった場合、即ち短絡が生じた
場合に、リレーLに信号を出力して接点スイッチLbを
オフ作動させる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の線路切離し回路においては、リレースイッチ
で線路の接続と切り離しを行うため、過電流が流れてい
る状態でリレー接点を開くと電気スパークによってリレ
ー接点が溶着する恐れがあり、また経年変化によりリレ
ー接点が固着し、短絡検出時にリレー接点が開かない誤
動作を起こす可能性がある。
【0013】また、電源を投入した際に流れる突入電流
などの瞬時の過電流が流れたときでも不必要に線路の切
り離しが行なわれ、これを解消するために過電流に対す
る応答性を下げると、短絡時に線路の切り離しが遅れ、
受信機に被害を与える恐れがある。
【0014】また図6の特開平11−66451号で
は、過電流がなくなった後のアイソレータの復旧は、受
信機からの制御で行っており、復旧の対応が遅いという
問題がある。
【0015】本発明は、過電流による受信機側のヒュー
ズの溶断、突入電流の度に起こる動作及び経年変化によ
る作動不良を防ぎ、過電流検出時には確実に線路を切り
離すことができる線路異常監視装置を提供することを目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は次のように構成する。本発明は、受信機から引
き出された線路に挿入されて線路電流の異常を監視する
線路異常監視装置であって、電流制限と線路の切離しを
行う切離し回路と、線路電流を監視して過電流が流れた
ときに切離し回路の制御により電流値を抑えて一定に制
限し、電流制限が所定時間継続した時に切離し回路の制
御により線路を切離す監視制御回路とを設けたことを特
徴とする。
【0017】このように本発明は、線路電流を監視して
過電流が流れたときに、電流値を抑え一定に制御するこ
とで、過電流から受信機側のヒューズを保護する。
【0018】また過電流を検出したときには、すぐには
線路の切り離しを行わず、電流制限によって過電流を抑
える。これにより、突入電流などの瞬時の過電流は線路
を切り離すことなくヒューズ及び火災報知設備の保護を
行うことができると共に火災報知設備に特別な動作を必
要とすることがない。
【0019】また過電流に対し電流制限した状態が所定
時間以上継続したときに線路の切り離しを行い、線路の
短絡のときに確実に線路を切り離す。
【0020】また線路切り離しはリレースイッチを使用
せず、回路的に線路の切り離しを行う。具体的にはMO
S−FETを使用する。これにより、過電流状態でリレ
ー接点を開くことで生じた接点の溶着の問題がなく、経
年変化による接点の固着も起きず、過電流に対する線路
切離しについて高い信頼性を得ることができる。
【0021】ここで監視制御回路は、線路電流を監視し
て過電流が流れたときに切離し回路のMOS−FETの
制御により電流値を抑えて一定に制限する電流制限回路
と、電流検出回路による電流制限を検出する電流制限検
出回路と、電流制限検出回路による電流制限の検出が一
定時間継続したときにラインカット信号を出力するライ
ンカットタイマと、ラインカットタイマからのラインカ
ット信号により切離し回路のMOS−FETをカットオ
フするカットオフ回路とで構成される。
【0022】電流制限回路は、予め設定した基準電圧に
電流検出抵抗を流れる線路電流の検出電圧が同じになる
ように切離し回路を電流制限する。電流制限回路は、線
路電流の制限値を決める基準電圧を設定変更する基準電
圧設定回路を備える。このため短絡電流が流れたときの
電流制限値は、例えば受信機側の過渡的な過電流に対す
る電流制限で受信機のヒューズが溶断しない適切な値に
必要に応じて任意に設定できる。
【0023】電流制限検出回路は、電流制限により増加
するMOS−FETのソース・ドレイン間の電圧による
バイアスで流れるベース電流でオンして電流制限検出信
号を出力し、短絡が解消された際の前記ベース電流の遮
断でオフして電流制限検出信号の出力を停止し、この電
流制限信号の停止によりカットオフ信号を停止してMO
S−FETを導通状態に復旧させる。このように切離し
後に過電流がなくなったときは、線路の切離し状態を自
動的に解除し、火災報知設備を正常に自動復旧する。
【0024】更に、監視制御回路により線路の切離し制
御が行われたときに作動して外部に移報信号を出力する
移報回路を設ける。また監視制御回路は、線路の切離し
制御が行われたときに作動する表示部を備える。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は本発明の線路異常監視装置
が使用された火災報知設備の説明図である。
【0026】図1において、火災報知設備における火災
受信機1からは、警戒区域に対し伝送線2a,2b及び
電源線3a,3b,3cが引き出されている。この実施
形態にあっては、電源線3aに中継器4を介して地区音
響装置5を接続し、電源線3bに同じく中継器4を介し
て防排煙装置6を接続し、更に電源線3cにはガス感知
器7を接続しており、地区音響装置5、防排煙装置6及
びガス感知器7は中継器4を介して伝送線2bに接続し
ている。
【0027】更に伝送線2aには中継器4を介してオン
オフ型火災感知器9が接続され、また伝送線2aには中
継器機能を備えたアナログ火災感知器8が接続されてい
る。この実施形態において、本発明の線路異常監視装置
10は、電源線3a,3bに接続している地区音響装置
5の中継器4、及び防排煙装置6の中継器4との間に挿
入接続され、また電源線3cについてはガス感知器7と
の間に挿入接続されている。
【0028】中継器4及びアナログ火災感知器8には固
有のアドレスが設定されており、受信機1はアドレス指
定の呼出信号の送出で端末の監視と制御を行っている。
中継器4が受信機1から制御信号を受信すると、地区音
響装置5及び防排煙装置6は電源線3a,3bの電源供
給を受けて動作する。また、ガス感知器7は電源線3c
からの電源で動作しガス漏れを監視している。
【0029】線路異常監視装置10は負荷に流れる線路
電流を監視しており、過電流が流れたときに電流値を一
定値に抑えて制限し、この電流制限が所定時間継続した
ときに線路の切離しを行う。
【0030】図2は図1の本発明による線路異常監視装
置の基本的な回路構成である。図2において、本発明の
線路異常監視装置10は、切離し回路11、監視制御回
路12及び電流検出抵抗13で構成される。切離し回路
11は電源線プラス側Vの入力端子14aと出力端子1
5aの間のラインに挿入され、電気的なインピーダンス
の可変制御により電流制限と線路の切離しを行うことが
でき、具体的には後の説明で明らかにするようにMOS
−FETを使用している。
【0031】監視制御回路12は、電流検出抵抗13に
流れる線路電流により検出される電流検出電圧を入力
し、これによって線路電流を監視し、過電流が流れたと
きに切離し回路11の制御により電流値を抑えて一定に
制限し、この電流制限が予め定めた所定時間継続したと
きに、切離し回路11の制御により入力端子14a側と
出力端子15a側の線路の切離しを行う。
【0032】図3は、図2の線路異常監視装置10にお
ける監視制御回路12の詳細を示している。
【0033】図3において、線路異常監視装置10の監
視制御回路として、5V定電圧回路16、ラインカット
タイマ17、ラインカット中灯18、移報回路19、昇
圧用定電圧回路20、定電圧回路21、電流制御回路2
2、ディップスイッチ23、ラインカット回路24、リ
ミッタ作動検出回路(電流制限検出回路)26を備え、
切離し回路11にはPチャネル型のMOS−FET25
を設けている。
【0034】更に詳細に説明すると、電源線プラス側V
の入力端子14aと出力端子15aを結ぶラインには電
流検出抵抗13が挿入接続されている。電流検出抵抗1
3の抵抗値は例えば0.2Ω程度の微小な抵抗値であ
る。この電流検出抵抗13によって線路に流れる電流は
電流検出電圧に変換され、電流制御回路22に入力して
いる。
【0035】電流制御回路22はコンパレータを備えて
おり、ディップスイッチ23により基準電圧が設定さ
れ、この基準電圧を電流検出抵抗13による電流検出電
圧が越えたときにMOS−FET25に制御信号E1を
出力し、電流検出抵抗13の電流検出電圧が基準電圧に
一致するように電流制限を行う。
【0036】リミッタ作動検出回路26は、過電流が流
れたときの電流制御回路22によるMOS−FET25
の電流制限を検出し、電流制限検出信号E2をラインカ
ットタイマ17に出力する。ラインカットタイマ17
は、リミッタ作動検出回路26から電流制限検出信号E
2が与えられたときに動作し、電流制限検出信号E2が
継続して得られている状態で一定時間経過したときにラ
インカット信号E3をラインカット回路24に出力す
る。
【0037】ラインカット信号E3を受けたラインカッ
ト回路24は、MOS−FET25のソース・ゲート間
を短絡することでカットオフ動作を行わせ、これによっ
て線路の切離しを電気的に行う。ラインカットタイマ1
7からのラインカット信号E3は移報回路19にも入力
されており、移報回路19に設けているリレー27を作
動し、切替リレー接点27aをa側からb側に切り替え
る。
【0038】これによって切離し動作を示す信号を外部
に移報できるようにしている。またラインカットタイマ
17は、ラインカット信号E3の出力中にラインカット
中灯18を点灯し、線路異常監視装置10が線路切離し
状態となっていることを外部から分かるようにしてい
る。
【0039】ここで昇圧用定電圧回路20は、ラインカ
ットタイマ17で使用している発振器の発振信号を入力
し、入力端子14a,14b間に加わっている入力電圧
VINを例えばそれより5V高い電圧に昇圧して定電圧出
力する。この昇圧用定電圧回路20からの出力電圧(V
IN+5V)は電流制御回路22に電源電圧として供給
されており、これによって線路間の電圧より高い電源電
圧で電流制御回路22が動作できるようになっている。
【0040】図4は図3の線路異常監視装置における定
電圧回路21、電流制御回路22、ラインカット回路2
4及びリミッタ作動検出回路26を、MOS−FET2
5の切離し回路11と共に取り出した具体的な回路図で
ある。
【0041】図4において、電流制御回路22はコンパ
レータ30を備え、コンパレータ30のマイナス入力端
子を抵抗R6及びR5を介して電流検出抵抗13の一端
に接続し、電流検出抵抗13の他端は抵抗R4及び抵抗
R7を介してコンパレータ30のプラス入力端子に接続
されている。
【0042】電流検出抵抗13は、この実施形態にあっ
ては0.2Ωという微小な抵抗値を得るために例えば2
Ωの抵抗10個を並列接続し、微小抵抗値を得ると同時
に十分な電流容量を得ている。
【0043】コンパレータ30のプラス入力端子には抵
抗R7を介して基準電圧設定回路28が接続されてい
る。基準電圧設定回路28にはディップスイッチ23が
設けられる。ディップスイッチ23は、電流制御回路2
2の電流制限の閾値を任意に設定変更できるもので、こ
の実施形態にあっては6つのスイッチ接点を持ち、それ
ぞれスイッチ接点と抵抗の直列回路を接続している。そ
して、いずれかのスイッチ接点の1つをオンしておくこ
とで、直列接続している抵抗で決まる必要な基準電圧V
ref を設定することができる。
【0044】コンパレータ30は基準電圧設定回路28
から出力される基準電圧Vref より電流検出抵抗13の
検出電圧Vsが大きくなったとき、検出電圧Vsを基準
電圧Vref に一致させるようにMOS−FET25のイ
ンピーダンスを上げて線路電流を制限するフィードバッ
ク制御を行う。
【0045】このためコンパレータ30は出力からマイ
ナス入力側にコンデンサC4を挿入した帰還回路を持
ち、出力はダイオードD3を介してMOS−FETのゲ
ートGに接続している。またMOS−FETのゲートは
抵抗R3を介して定電圧回路21のマイナス側のライン
に接続される。
【0046】リミッタ作動検出回路26はPNPのトラ
ンジスタQ2を備える。トランジスタQ2のエミッタを
MOS−FETのソース側に接続し、トランジスタQ2
のベースを抵抗R10を介してMOS−FETのドレイ
ン側に接続し、更にエミッタとの間に抵抗R11とコン
デンサC5のバランス回路を設けている。
【0047】MOS−FET25は電流制限が行われて
いない通常時にあってはオン状態にあり、内部インピー
ダンスが小さいことからソース・ドレイン間の電圧はほ
ぼ同じであり、このためリミッタ作動検出回路26のト
ランジスタQ2はオフとなっている。
【0048】線路に過電流が流れて電流制御回路22が
MOS−FET25のインピーダンスを上げて電流制限
を行うと、内部インピーダンスの増加によってソース・
ドレイン間に電圧が発生し、これがトランジスタQ2の
ベースバイアス電圧として加わってオンし、リミッタ作
動検出信号(電流制限検出信号)E2を図3のラインカ
ットタイマ17に出力する。
【0049】このリミッタ作動検出信号E2が一定時間
継続すると、ラインカットタイマ17はラインカット信
号E3をラインカット回路24に供給する。ラインカッ
ト回路24にはトランジスタQ3,Q4が設けられてい
る。トランジスタQ3は抵抗R12,R13のベース,
バイアス回路を持ち、トランジスタQ3のコレクタをト
ランジスタQ4の抵抗R14,R15を備えたベース回
路に接続しており、トランジスタQ4のエミッタとコレ
クタはMOS−FETのソースSとゲートGのそれぞれ
に接続されている。
【0050】このためラインカット信号E3が入力する
とトランジスタQ3がオンし、これによってトランジス
タQ4をオンし、MOS−FETのソース・ゲート間を
短絡することでMOS−FET25をカットオフし、電
気的に高インピーダンスとして線路を切り離す。
【0051】ここで定電圧回路21は、電源線プラス側
Vラインに対して、一定の負電圧を生成する回路であ
る。この定電圧回路21の出力電圧はツェナーダイオー
ドZD2とトランジスタQ1で決定され、トランジスタ
Q1のエミッタより一定した負電圧をコンパレータ30
へ供給している。
【0052】更にリミッタ作動検出回路26は、出力側
の短絡が解消されて通常に戻ると、自動的にリミッタ作
動検出信号E2の出力を停止し、これに伴うラインカッ
ト信号E3の停止でラインカット回路24の動作を停止
し、MOS−FET25を導通状態に戻す自動復旧がで
きるようにしている。
【0053】即ちMOS−FET25が電流制限された
状態にあっては、ソース・ドレイン間の電圧によりリミ
ッタ作動検出回路26のトランジスタQ2がオンしてお
り、この短絡検出状態が一定時間続いてラインカット信
号E3によりラインカット回路24のトランジスタQ
3,Q4がオンして、MOS−FET25がカットオフ
して線路切離しを行うと、更にソース・ドレイン間の電
圧は上昇し、リミッタ作動検出回路26のトランジスタ
Q2は線路切離し状態でもオン状態を維持し、リミッタ
作動検出信号E2を出力し続ける。
【0054】この線路切離し状態で出力端子15a,1
5b側の負荷における短絡が解消すると、短絡により低
インピーダンスに短絡されていた出力端子15a,15
b間が短絡解消で高インピーダンスに戻り、トランジス
タQ2のベース電流が負荷側に流れなくなるため、トラ
ンジスタQ2がオフとなり、リミッタ作動検出信号E2
が停止する。
【0055】このため図3に示したラインカットタイマ
もリセットされてラインカット信号E3が停止し、トラ
ンジスタQ3,Q4がオフに復旧し、このためMOS−
FETのゲートにオンバイアスが加わり、MOS−FE
Tは自動的に導通状態に復旧するようになる。
【0056】次に図1の例えば電源線3aから地区音響
装置5の中継器4の間に設けている本発明の線路異常監
視装置を例にとって、その動作を説明する。電源線3a
の負荷として接続された地区音響装置5で故障が起き、
例えば短絡により過電流が流れたとする。
【0057】この過電流は本発明の線路異常監視装置1
0で検出され、例えば図3の回路ブロック図に示したよ
うに電流制御回路22が制御信号E1を出力し、MOS
−FET25の導通度を下げることでインピーダンスを
高め、電流制限を行う。この電流制限によって受信機1
の電源線3a側にヒューズが設けられていた場合、過電
流が制限されることでヒューズを流れる電流が制限さ
れ、これによって過電流が流れてもヒューズが溶断する
ことを確実に防止する。
【0058】ここで負荷側の地区音響装置5の故障は短
絡故障であることから、線路には過電流検出で制限され
た線路電流が継続して流れており、図3のリミッタ作動
検出回路26が電流制限を検出してリミッタ作動検出信
号E2をラインカットタイマ17に出力している。
【0059】ラインカットタイマ17はリミッタ作動検
出信号E2が継続して一定時間得られると、ラインカッ
ト信号E3をラインカット回路24に出力し、MOS−
FET25をカットオフすることで電気的に高インピー
ダンス状態とし、入力端子14a側と出力端子15a側
の電源線を切り離す。
【0060】ラインカットタイマ17からのラインカッ
ト信号E3は移報回路19にも与えられ、リレー27を
作動し、リレー接点27aの切替えで、外部に線路切離
しを示す信号を移報することができる。またラインカッ
トタイマ17はラインカット中灯18を点灯し、外部か
ら見て本発明の線路異常監視装置10が線路切離し状態
にあることを確認できる。
【0061】このようにしてMOS−FET25のカッ
トオフによる線路切離しを行った後に短絡を起こした地
区音響装置5側での故障が回復したとすると、図4の回
路図に示したようにリミッタ作動検出回路26のトラン
ジスタQ2のベース電流が断たれることでトランジスタ
Q2がオフに復旧し、リミッタ作動検出信号E2が停止
する。
【0062】このためラインカットタイマ17がリセッ
トされてラインカット信号E3の出力も停止し、ライン
カット回路24が復旧し、これによりカットオフ状態に
あったMOS−FET25もオンし、自動的に短絡状態
が回復した負荷側の地区音響装置5に対し通常の電源供
給状態の接続を行うことができる。
【0063】一方、火災受信機1の電源を最初に投入し
た際の突入電流で過大な電流が瞬時的に流れた場合、突
入電流により電流制御回路22がMOS−FET25の
電流制限を行うが、突入電流は短時間で定常電流に収ま
るため、過電流がなくなった時点で電流制限回路22に
よるMOS−FET25の電流制限がなくなって通常の
導通状態に復旧する。
【0064】このため、ラインカットタイマ17に設定
したラインカット信号を出力するための所定時間以内の
突入電流や過渡的な電流増加による過電流については、
電流制限は行うが線路の切離しは行われず、これによっ
て不必要な線路切離しの誤動作を確実に防止できる。
【0065】尚、上記実施形態は火災報知設備の線路に
本発明の線路異常監視装置を設けた場合を例にとるもの
であったが、本発明はこれに限定されず、受信機等の中
央装置から引き出された電源線や電源兼用の伝送線に負
荷を接続した設備であれば、負荷に対する線路に挿入接
続することで全く同様にして過電流検出時の電流制限と
過電流状態が一定時間継続した後の線路切離しを行い、
中央装置側のヒューズの溶断を防ぎ、また突入電流や一
時的な過電流による不必要な線路切離しによる誤動作を
防止できる。
【0066】また、本発明の実施形態においては、線路
の切離しはMOS−FETを使用しているが、これに限
定されず、パワートランジスタなどの電気的な切離しを
行う構成であれば良い。
【0067】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、線路電流を監視して過電流が流れたときに電流値を
一定電流に制限することで、受信機側のヒューズが過電
流により溶断して正常に復旧するために時間が掛かる問
題を解消できる。また過電流を検出した際にはすぐに線
路の切離しは行わず、電流制限によって過電流を抑える
ため、受信機側のヒューズの保護と同時に、突入電流等
の瞬時的な過電流によって線路を切り離してしまうこと
がなく、この電流制限動作は火災報知設備側に特別な動
作を必要とせず、すべて装置側の自動的な対応処理とし
て適切に過電流による設備への影響を防止することがで
きる。
【0068】また過電流に対する電流制限が所定時間継
続したときに線路を切り離すため、短絡のように解消し
ない過電流であれば確実に線路を切り離して受信機側を
保護することができる。
【0069】更に過電流に対する線路の切離しは例えば
MOS−FETを用いた半導体素子による電気的な切離
しであり、従来のようなリレー接点の開放による切離し
でないため、過電流状態でリレー接点を開くことで生じ
た接点の溶着の問題がなく、経年変化による接点の固着
も起きず、過電流に対する線路切離しについて高い信頼
性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の線路異常監視装置を使用した火災報知
設備の説明図
【図2】本発明の線路異常監視装置のブロック図
【図3】図2の監視制御回路の詳細を示した線路異常監
視装置のブロック図
【図4】図3における電流制限回路、ランイカット回路
及びリミッタ作動検出回路の具体的な回路図
【図5】従来の切離し回路の説明図
【図6】従来の他の切離し回路の説明図
【符号の説明】
1:火災受信機 2a〜2d:伝送線 3:電源線 4:中継器 5:地区音響装置 6:防排煙装置 7:ガス感知器 8:アナログ火災感知器 9:オンオフ火災感知器 10:線路異常監視装置 11:切離し回路 11a:MOS−FET 12:監視制御回路 13:電流検出抵抗 14a,14b:入力端子 15a,15b:出力端子 16:5V定電圧回路 17:ラインカットタイマ 18:ラインカット中灯 19:移報回路 20,21:定電圧回路 22:電流制御回路 23:ディップスイッチ 24:ラインカット回路 25:リミッタ作動検出回路(電流制限検出回路) 26:ラインカット回路 27:リレー 27a:切替リレー接点 28:基準電圧設定回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G036 AA21 AA22 BA15 BA34 BB03 BB20 CA06 CA11 5C087 AA02 AA03 CC06 CC12 CC22 DD04 EE07 EE18 GG19 GG31 GG38 GG62 5G405 AA04 CA15 CA47 DA04 EA31 EA36 5H410 CC02 DD02 EA11 EB01 EB37 FF05 FF25 LL06 LL13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】受信機から引き出された線路に挿入されて
    線路電流の異常を監視する線路異常監視装置に於いて、 電流制限と線路の切離しを行う切離し回路と、 線路電流を監視して過電流が流れたときに前記切離し回
    路の制御により電流値を抑えて一定に制限し、該電流制
    限が所定時間継続した時に前記切離し回路の制御により
    線路を切離す監視制御回路と、を備えたことを特徴とす
    る線路異常監視回路。
  2. 【請求項2】請求項1記載の線路異常監視装置に於い
    て、前記切離し回路の線路の切離しは電気的なインピー
    ダンスの可変制御により行うことを特徴とする線路異常
    監視装置。
  3. 【請求項3】受信機から引き出された線路に挿入されて
    線路電流の異常を監視する線路異常監視装置に於いて、 電気的なインピーダンスの可変制御により線路の切離し
    を行う切離し回路と、 線路電流を監視して過電流が流れたときに前記切離し回
    路の電気的なインピーダンスの可変制御により線路を切
    離す監視制御回路と、を備えたことを特徴とする線路異
    常監視回路。
  4. 【請求項4】請求項2又は3記載の線路異常監視装置に
    於いて、前記切離し回路はMOS−FETを用いたこと
    を特徴とする線路異常監視装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の線路異常監視装置に於い
    て、前記監視制御回路は、 線路電流を監視して過電流が流れたときに前記切離し回
    路のMOS−FETの制御により電流値を抑えて一定に
    制限する電流制限回路と、 前記電流検出回路による電流制限を検出する電流制限検
    出回路と、 前記電流制限検出回路による電流制限の検出が一定時間
    継続したときにラインカット信号を出力するラインカッ
    トタイマと、 前記ラインカットタイマからのラインカット信号により
    前記切離し回路のMOS−FETをカットオフするカッ
    トオフ回路と、を備えたことを特徴とする線路異常監視
    回路。
  6. 【請求項6】請求項1,4又は5のいずれかに記載の線
    路異常監視装置に於いて、前記電流制限回路は、予め設
    定した基準電圧に電流検出抵抗を流れる線路電流の検出
    電圧が同じになるように前記切離し回路を電流制限する
    ことを特徴とする線路異常監視装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の線路異常監視装置に於い
    て、前記電流制限回路は、線路電流の制限値を決める基
    準電圧を設定変更する基準電圧設定回路を備えたことを
    特徴とする線路異常監視装置。
  8. 【請求項8】請求項5記載の線路異常監視装置に於い
    て、前記電流制限検出回路は、電流制限により増加する
    前記MOS−FETのソース・ドレイン間の電圧による
    バイアスで流れるベース電流でオンして電流制限検出信
    号を出力し、短絡が解消された際の前記ベース電流の遮
    断でオフして電流制限検出信号の出力を停止し、該電流
    制限信号の停止により前記カットオフ信号を停止して前
    記MOS−FETを導通状態に復旧させることを特徴と
    する線路異常監視装置。
  9. 【請求項9】請求項1又は2記載の線路異常監視装置に
    於いて、更に、前記監視制御回路により線路の切離し制
    御が行われたときに作動して外部に移報信号を出力する
    移報回路を設けたことを特徴とする線路異常監視装置。
  10. 【請求項10】請求項1又は2記載の線路異常監視装置
    に於いて、前記監視制御回路は、線路の切離し制御が行
    われたときに作動する表示部を備えたことを特徴とする
    線路異常監視装置。
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