JP2001264237A - 薄膜の透過性評価方法および透過性評価装置 - Google Patents

薄膜の透過性評価方法および透過性評価装置

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JP2001264237A
JP2001264237A JP2000078435A JP2000078435A JP2001264237A JP 2001264237 A JP2001264237 A JP 2001264237A JP 2000078435 A JP2000078435 A JP 2000078435A JP 2000078435 A JP2000078435 A JP 2000078435A JP 2001264237 A JP2001264237 A JP 2001264237A
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Hirokazu Ishikawa
博一 石川
Toshitaka Kawashima
利孝 河嶋
Junichi Osako
純一 大迫
Hiroyuki Okita
裕之 沖田
Yuzo Shigesato
有三 重里
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜のガス透過性を簡便で精度よく、かつ低
コストに評価する評価方法、および評価装置を提供す
る。 【解決手段】基板12の上に導電性の検知層13が形成
された評価用基板11を用意し、検知層13の上に評価
対象である薄膜14を設け、検知層13の電気的特性で
あるキャリア密度または抵抗率を測定する。これによ
り、薄膜14を透過してきた気体または液体の影響によ
りその下層の検知層13のキャリア数が変化する現象
を、検知層13の電気的特性として検出し、薄膜14の
気体または液体に対する透過性を間接的に定量化し評価
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化珪素(SiN
x )などの薄膜における気体または液体の透過性を評価
するための透過性評価方法および透過性評価装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチックフィルムについて、
そのガス透過性に着目した研究開発が様々に行われてお
り、特に、食品包装用パッケージの分野では、透過ガス
に対するバリア性の改良が盛んである。透過ガスは、主
に酸素と水蒸気であり、従来、その透過性の測定方法と
しては、酸素については差圧または等圧法(JIS K
−7126)、水蒸気についてはカップ法(JIS Z
−0208)が用いられていた。また、最近では、例え
ば米国MOCON社製の酸素透過度測定装置、水蒸気透
過度測定装置を使用した測定が可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来の方法では、それぞれ次のような問題があった。
すなわち、差圧または等圧法の測定限界は0.1cc/
(m2 ・24h・atm)程度であり、バリア性の高いフ
ィルムの酸素透過度を測定することは困難であった。ま
た、カップ法は、測定方法自体が簡便でないことに加
え、低い水蒸気透過度を測定する場合には、時には何週
間という長時間を要することから、バリア性の高いフィ
ルムの測定に適した方法とは言い難い。米国MOCON
社製の酸素透過度測定装置および水蒸気透過度測定装置
は、測定限界がそれぞれ0.01cc/(m2 ・24h・
atm)程度と0.005g/(m2 ・24h)程度であ
り、精度は高いが、装置が非常に高価なために簡単に入
手し測定することは難しい。
【0004】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、薄膜のガス透過性を簡便で精度よ
く、かつ低コストに評価するための評価方法、および評
価装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜の透過性評
価方法は、絶縁性の基板上にキャリアを有する半導体ま
たは導電性の検知層が形成された評価用基板を用意し
て、検知層の上に評価対象となる薄膜を形成し、先の検
知層の電気的特性を測定し、この電気的特性に基づき薄
膜の気体または液体の透過性を定量的に評価するもので
ある。
【0006】本発明の薄膜の透過性評価装置は、絶縁性
の基板上にキャリアを有する半導体または導電性の検知
層が形成されると共に、検知層の上に評価対象となる薄
膜が設けられる評価用基板と、検知層の電気的特性を測
定する測定手段と、この測定手段により得られた検知層
の電気的特性を表示する表示手段とを含むものである。
【0007】本発明の薄膜の透過性評価方法または透過
性評価装置では、薄膜を透過してきた気体または液体の
影響によりキャリア数が変化した検知層の電気的特性
(キャリア密度または抵抗率)が測定され、その測定結
果に基づいて、薄膜の気体または液体に対する透過性が
間接的に定量化され評価される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0009】図1は、本発明の一実施の形態に係る薄膜
の酸素透過性評価装置の構成を表したものである。この
酸素透過性評価装置は、測定試料を設置するための試料
設置部10、計測値として電圧値や電流値を計測する計
測部20、この計測部20で得られた計測値よりキャリ
ア密度または抵抗率を算出する算出部30、この算出部
30で得られたキャリア密度または抵抗率を基に評価対
象である薄膜の酸素透過性を評価する評価部40、これ
らの計測値、キャリア密度または抵抗率、評価結果を表
示するための表示部50によって構成されている。
【0010】試料設置部10の内部には評価用基板11
が設置されるようになっている。評価用基板11は、基
板12と、例えば厚さ120nmのITO(Indium-Tin
Oxide:インジウムと錫の酸化化合物)よりなる基板1
2の上面に形成された検知層13により構成されてい
る。検知層13には、図2に示したように、測定のため
の端子1a,2a,3a,4aが四隅に設けられ、リー
ド線を介して、それぞれ試料設置部10の側面に設けら
れた端子口1,2,3,4に電気的に接続されるように
なっている。評価用基板11側の端子1a〜4aは、そ
れぞれ端子口1〜4を介して計測部20と接続される。
基板12は、例えばガラス基板などの絶縁基板である
が、電導性が低いものであればよい。これに対し検知層
13は上述のITOのように導電性を示す材料であり、
膜厚は特に限定されるものではない。検知層13の上に
は、評価対象としての薄膜14が例えばスパッタリング
法により形成されるが、薄膜14の膜厚はその酸素透過
性に関係するため、均一な膜厚で薄膜14を形成するた
めに検知層13の表面は滑らかであることが望ましい。
ただし、検知層13の表面粗さを例えば成膜方法や膜厚
で制御して、薄膜14の酸素に対するバリア性を下地の
表面粗さに対して評価するようにしてもよい。
【0011】計測部20では、例えばVan der Pauw法に
よって検知層13の電圧(および電流)を計測するよう
になっている。すなわち、キャリア密度を測定する場合
には、ホール効果の測定を行う。ここでは、互いに向か
い合う1組の端子間(1a,3a)に定電流を流すと共
に、この電流の方向に直交し、かつ検知層13の層面に
垂直方向に一定の磁界をかける。次に、もう1組の互い
に向かい合った端子間(2a,4a)において、電流の
方向と層面上で直交する方向の起電力を計測するように
なっている。抵抗率を測定する場合には、2組の隣り合
う端子間、例えば(1a,2a)と(3a,4a)にお
いて、一方に定電流を流して他方で電圧値を計測する。
さらに、これと異なる組み合わせである2組の隣り合う
端子間(1a,4a)と(2a,3a)において、先の
電流、電圧の向きと直交方向に、一方に先と同じ値の定
電流を流して他方で電圧値を計測する。この端子1a〜
4aの組み替えは端子口1〜4、もしくは計測部20内
部の端子口1〜4に対応した部分において行われ、評価
用基板11が一旦固定された後は、端子1a〜4aを取
り扱う必要がないようになっている。これらの計測デー
タ(電圧値、電流値)は、算出部30に出力される。
【0012】算出部30は、計測部20において得られ
た計測データから、キャリア密度または抵抗率を測定デ
ータとして算出するようになっている。例えば検知層1
3の厚みなどのパラメータは算出部30に予め入力され
ており、キャリア密度は以下の式(1)により求められ
る。
【0013】 N=(q・t・RHs-1=I・B/(q・t・Vh ) …(1) (tは膜厚、Iは定電流値、Bは定常磁界の磁束密度、
h は計測電圧)
【0014】また、抵抗率は以下の式(2)で求められ
る。
【0015】 ρ=2.2662(V43+V23)*F(Q)/I …(2) (Fは補正係数、QはQ=V43/V23で表される係数、
23は端子2a,3a間の電圧、V43は、端子4a,3
a間の電圧)
【0016】このようにして求められた測定データは評
価部40に出力される。
【0017】評価部40は、算出部30からの測定デー
タが入力され、酸素透過性と対応づけて評価されるよう
になっている。本実施の形態においては、評価部40は
予め、評価膜14が設けられない状態での測定データを
基準値として保持するようになっており、基準値と各測
定データとを比較することによって、それぞれの酸素透
過性を評価できるようになっている。その他、基準値以
外にも例えば予め定められた1つ以上の閾値と比較した
り、例えば相関関数を用いて相関係数を割り出すなどの
特定の分析法に基づいた分析・評価を行うようにしても
よい。評価結果は表示部50に出力される。
【0018】表示部50は、評価部40から入力された
評価結果を予め設定された表示形式にて表示する。ここ
では、基準値と共に一連の測定データをグラフに表す。
なお、表示形式は特に限定しないが、その他の表示形式
としては、表にしてもよいし、測定毎に測定データまた
は評価結果が表示されるようにしてもよい。評価結果を
色による分類で表してもよい。
【0019】次に、この酸素透過性評価装置の動作と、
本発明の実施の形態に係る酸素透過性評価方法を併せて
説明する。
【0020】まず、予め基準値を得るための測定を行
う。これは評価用基板11の上に薄膜14を設けずに、
その他の測定条件は以下の薄膜14を設けた場合と同様
に設定され行われる。
【0021】本実施の形態では、酸素透過性の評価にあ
たり、強制的に酸素を導入し薄膜の酸素に対するバリア
性をみるために、予め評価用基板11を例えば400℃
で熱処理する。その後、評価用基板11を試料設置部1
0に設置し、検知層13の端子1a〜4aを端子口1〜
4にそれぞれ接続する。次に、計測部20においてキャ
リア密度または抵抗率の測定が行われる。キャリア密度
測定の場合には、計測部20において、端子1a〜4a
と対応する端子口1〜4を通じて、端子(1a,3a)
間に定電流を流すと共に、この電流の方向に直交し、か
つ検知層13の層面に垂直方向に一定の磁界をかける。
この状態で、端子(2a,4a)間の起電力を計測す
る。抵抗率測定の場合には、計測部20において、端子
(1a,2a)間に定電流を流し、端子(4a,3a)
間の電圧を計測する。さらに、端子(1a,4a)間に
定電流を流して、端子(2a,3a)間の電圧を計測す
る。なお、キャリア密度と抵抗率は、両方を測定しても
よい。
【0022】これらの電圧値は、計測データとして算出
部30に入力され、式1または式2により、キャリア密
度あるいは抵抗率が測定データとして算出される。さら
に、これらの測定データは評価部40に入力され、以後
の測定の基準値として保持されると共に、表示部50に
表示される。こうして、基準値が求められる。
【0023】次に、薄膜14の測定、評価を行う。
【0024】まず、評価用基板11の検知層13の上
に、薄膜14として、例えばスパッタリング法により、
例えば窒化珪素(SiNx )膜を形成する。薄膜14は
検知層13の上に密着できるものであればよく、膜厚や
材質は特に問わない。また、検知層13および薄膜14
の上面部の形状も任意であるとする。以下、熱処理から
算出部30における測定データの算出までは、基準値の
測定と全く同様に行われるので、説明を省略する。
【0025】次いで、測定データが評価部40に入力さ
れると、基準値との差分が求められ、評価結果となる。
評価結果は、基準値同様に評価部40にて保持される。
評価結果、測定データおよび基準値は表示部50に表示
される。ここで、評価方法は任意に設定でき、この他に
も、基準値以外にも例えば予め定められた1つ以上の閾
値と比較したり、例えば相関関数を用いて相関係数を割
り出すなどの特定の分析法に基づいた分析・評価を行っ
てもよい。
【0026】なお、評価部40では、例えば薄膜14の
膜厚を変えた場合の測定などの一連の測定を行って得ら
れた一連の測定データを保持して、まとめて分析するよ
うにでき、表示部50では、これら一連の測定データや
分析結果をグラフ形式にして表示することができる。ま
た、表示部50の表示形式は、任意に設定でき、設定の
変更もまた可能である。
【0027】本実施の形態によれば、測定の前に薄膜1
4が形成された評価用基板11を熱処理するようにした
ので、従来よりも測定に要する時間を大幅に削減でき、
簡易に効率よく評価を行うことができる。
【0028】また、本実施の形態によれば、検知層13
の電気的特性として、ごく微量の酸素原子の存在にも敏
感に反応するキャリア密度を測定するようにしたので、
高い精度で酸素透過性を評価することができる。
【0029】さらに、本実施の形態によれば、検知層1
3の電気的特性として抵抗率もまた測定するようにした
ので、この場合は装置を簡易な構成とすることができ、
より簡便で安価な装置で酸素透過性を評価することがで
きる。
【0030】
【実施例】さらに、本発明の実施例について詳細に説明
する。
【0031】評価用基板として、通常のスパッタ法によ
りITO薄膜(膜厚120nm)が成膜されたガラス基
板を用い、このITO薄膜の上に、SiNx 膜を反応性
RFマグネトロンスパッタリング装置により成膜した。
このときの成膜条件を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1中のガス全圧それぞれに対して、Si
x 膜厚が5,10,15,20,30,50,100
nmである試料を、その他の条件は一定として作成し
た。
【0034】次に、これらの試料に対して400℃、大
気圧下で1時間の熱処理を施した後に、BIO−RAD
社製HL5500PCを用いて、それぞれの試料中のI
TO薄膜の抵抗率およびキャリア密度を測定した。測定
は電流値を8〜9mA程度として行い、キャリア密度の
測定については磁束密度を0.320Tとした。
【0035】各試料におけるITO薄膜のキャリア密度
および抵抗率の測定結果を、図3および図4にそれぞれ
示した。ここでは、成膜圧全圧をパラメータとしてSi
xの膜厚に対するITO薄膜の電気的特性の変化を表
している。これらの図中のSiNx 膜厚0nmに対応す
る測定点は、SiNx 膜が成膜されていない場合であ
り、SiNx 膜の影響を除いた対照データを示してい
る。
【0036】SiNx 膜を透過した酸素は、その下のI
TO薄膜に達し、ITO薄膜中に原子となって入り込ん
でITOのキャリアである酸素空孔をつぶしていると考
えられる。よって、SiNx 膜の酸素透過度が大きいほ
ど、ITO薄膜中のキャリア密度は少なく、抵抗率は大
きくなる。
【0037】図3に示したように、キャリア密度は、S
iNx 膜厚の増大に伴って増加する傾向があり、これに
より膜厚が厚いほどSiNx 膜が酸素を透過しにくいこ
とがわかる。特に、成膜時の全圧が0.2および0.5
Paの場合には、わずか10nmの膜厚においてキャリ
ア密度が急激に増加しており、それ以上膜厚が増大して
もキャリア密度はほぼ変化しないので、膜厚10nm以
上でのキャリア密度値がSiNx 膜の飽和酸素透過度
(膜の性質上これ以上は酸素を透過しない値)に対応し
ていると見なすことができる。換言すると、全圧が0.
2Pa、0.5Paの成膜条件では、SiNx 膜は10
nmの厚みで飽和酸素透過度を達成しており、他の全圧
条件の場合に比べ、酸素を透過しにくいことがわかる。
【0038】全圧が1.0Pa、2.0Paと大きくな
ると、キャリア密度は膜厚に対して緩やかに増加して、
0.2Paの場合のキャリア密度(飽和酸素透過度)に
漸近する。全圧が1.0Paでは、膜厚の増大に伴って
酸素透過性は減少する。全圧2.0Paの場合には、膜
厚が増大しても酸素透過性はさして変わらない。このよ
うな成膜時の全圧による酸素透過性の違いは、それぞれ
の成膜条件による膜の構造上の違いを反映していると考
えられる。
【0039】図4に示した抵抗率は、キャリア密度の増
大にほぼ対応した減少をみせる。すなわち、抵抗率はS
iNx 膜厚の増大に伴って減少する傾向があり、やはり
膜厚が大きいほどSiNx 膜が酸素を透過しにくいこと
がわかり、酸素透過性の指標となり得、これを基に酸素
透過性を評価することができる。抵抗率は、ホール移動
度の逆数およびキャリア密度の逆数に比例する。ちなみ
に、本実施例におけるITO薄膜のホール移動度は、S
iNx の成膜の全条件を通じて約40cm2 /V・sで
あり、差幅は高々10%であった。また、キャリア密度
は、膜厚により全圧2.0Paの場合でも2倍近く、
0.2Paの場合では3倍以上も変化する。よって、抵
抗率はほとんどキャリア密度を反映した値となってい
る。キャリア密度の測定は、酸素原子により引き起こさ
れるITO薄膜の本質的な変化、すなわち、酸素空孔の
消滅とSn(錫)原子の電気的な不活性化によるキャリ
ア密度の減少をみているものと考えられる。これに対
し、抵抗率の測定は、ホール効果測定に比べてさらに簡
便に行うことができるので、場合によって抵抗率のみを
測定するなど、測定する電気的特性が適宜選択できるこ
とがわかる。
【0040】また、キャリア密度および抵抗率のそれぞ
れの成膜条件下での測定結果は、一様に再現性があっ
た。よって、図3および図4の特性の変化は酸素原子の
寄与によるITO薄膜の本質的な変化によるものであ
り、図に示された特性値の変化が有意であることから、
特性値の変位幅をすなわち、測定精度とみなすことがで
きる。ちなみに、本実施例において用いたキャリア密度
測定装置のシートキャリア濃度の測定精度は約0.05
×1016cm-2であり、これを従来法の単位にすると約
0.05cc/(m2 ・24h・atm)となる。なお、
この方法においては従来法と異なって時間の次元である
24hは無視される。
【0041】このようにして、ITO薄膜のキャリア密
度または抵抗率の測定により、SiNx 膜の酸素透過性
を定量的に充分な精度で評価できることがわかる。
【0042】以上、実施の形態および実施例を挙げて本
発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態および
実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能で
ある。例えば、上記実施の形態および実施例ではSiN
x 膜の透過性評価について説明したが、本発明はSiN
x 膜以外にも例えばTiNx 膜に対して同様に適用する
ことができる。
【0043】また、上記実施の形態および実施例では酸
素の透過性の評価について説明したが、本発明は酸素以
外の気体または液体である原子或いは分子の薄膜透過性
に対して適用することができる。
【0044】さらに、上記実施の形態の試料設置部10
を密閉容器で構成するようにすれば、Ar等の不活性ガ
スや特定ガスの雰囲気としたり、温度、湿度等の測定条
件を任意に設定できる。また、上記実施の形態では測定
用基板11を1つだけ設ける場合について説明したが、
複数の測定用基板11にそれぞれ薄膜14を形成し、同
時に測定することもできる。さらに、上記実施の形態で
は、評価部40に測定データ及び評価結果が保持される
ようにしたが、評価部40とは別にデータ格納部を設け
て、様々な条件下での基準値のデータ、および、計測デ
ータ、測定データ、さらには評価結果を格納できるよう
にしてもよい。データ格納部のデータをフロッピーディ
スクなどの記録媒体に書き写すこともまた、可能であ
る。さらに、上記実施の形態では、測定毎に測定データ
および評価結果を表示させる方法と一連の測定の後にこ
れら測定データおよび評価結果をまとめて表示する方法
について説明したが、測定データの評価および表示は、
測定毎にほぼリアルタイムに行うようにしても、複数の
測定を行い測定データを格納した後に必要に応じて格納
した測定データを読み出し、データの加工を行うように
してもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明の薄膜の透過
性評価方法または透過性評価装置によれば、キャリアを
有する半導体または導電性の検知層の上に評価対象であ
る薄膜を形成し、検知層の電気的特性を測定するように
したので、薄膜を透過してきた気体または液体の影響に
より検知層のキャリア数が変化する現象を、検知層の電
気的特性として測定することができる。従って、薄膜の
気体または液体に対する透過性を、一般的な電気的特性
の測定により間接的に定量化し、簡便で精度よく、かつ
低コストに評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る薄膜の酸素透過性
評価装置の構成を表すブロック図である。
【図2】図1に示した評価装置の試料設置部を説明する
ための平面図である。
【図3】本発明の実施例におけるSiNx の膜厚に対す
るITO薄膜のキャリア密度の変化を表したものであ
る。
【図4】本発明の実施例におけるSiNx の膜厚に対す
るITO薄膜の抵抗率の変化を表したものである。
【符号の説明】
1,2,3,4…端子口、1a,2a,3a,4a…端
子、10…試料設置部、11…評価用基板、12…基
板、13…検知層、14…薄膜、20…計測部、30…
算出部、40…評価部、50…表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大迫 純一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 沖田 裕之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 重里 有三 神奈川県横浜市神奈川区六角橋5丁目11番 16号 Fターム(参考) 2G046 AA07 AA09 BA01 BA09 BB02 DC14 DC16 DC17 DC18 FB06 FE15 FE39 2G060 AA20 AE40 AF08 AG06 EB09

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性の基板上にキャリアを有する半導
    体または導電性の検知層が形成された評価用基板を用意
    し、前記検知層の上に評価対象となる薄膜を形成し、前
    記検知層の電気的特性を測定して、前記電気的特性に基
    づき前記薄膜の気体または液体の透過性を定量的に評価
    することを特徴とする薄膜の透過性評価方法。
  2. 【請求項2】 前記検知層の電気的特性としてキャリア
    密度または抵抗率を測定することを特徴とする請求項1
    記載の薄膜の透過性評価方法。
  3. 【請求項3】 前記検知層を透明な導電性材料により形
    成することを特徴とする請求項2記載の薄膜の透過性評
    価方法。
  4. 【請求項4】 前記検知層をITO(Indium-Tin Oxid
    e)により形成することを特徴とする請求項3記載の薄
    膜の透過性評価方法。
  5. 【請求項5】 前記薄膜の酸素透過性を評価することを
    特徴とする請求項2記載の薄膜の透過性評価方法。
  6. 【請求項6】 前記薄膜を窒化珪素(SiNx )により
    形成することを特徴とする請求項5記載の薄膜の透過性
    評価方法。
  7. 【請求項7】 絶縁性の基板上にキャリアを有する半導
    体または導電性の検知層が形成されると共に前記検知層
    の上に評価対象となる薄膜が設けられる評価用基板と、 前記検知層の電気的特性を測定する測定手段と、 前記測定手段により得られた前記検知層の電気的特性を
    表示する表示手段とを含むことを特徴とする薄膜の透過
    性評価装置。
  8. 【請求項8】 前記測定手段により得られた前記検知層
    の電気的特性を基にして、前記薄膜の気体または液体の
    透過性を定量的に評価する評価手段を備えたことを特徴
    とする請求項7記載の薄膜の透過性評価装置。
  9. 【請求項9】 前記測定手段が前記検知層の電気的特性
    としてキャリア密度または抵抗率を測定することを特徴
    とする請求項7記載の薄膜の透過性評価装置。
  10. 【請求項10】 前記検知層が透明な導電性材料により
    形成されていることを特徴とする請求項7記載の薄膜の
    透過性評価装置。
  11. 【請求項11】 前記検知層がITO(Indium-Tin Oxi
    de)により形成されていることを特徴とする請求項10
    記載の薄膜の透過性評価装置。
JP2000078435A 2000-03-21 2000-03-21 薄膜の透過性評価方法および透過性評価装置 Pending JP2001264237A (ja)

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